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足が速くなるには、何をさせればいいか
腕振り・スタート・歩幅・靴と、運動会の何日前から何をやるか

「速くなってほしい。でも、何をさせればいいのか分からない」。運動会の前、いちばん多い親の悩みはこれです。走る速さは才能だけで決まるものではなく、直せるところが4つあります。そして、その4つは1日1つずつしか直せません。だから「何日前から」が大事になります。

このページは、スポーツ庁の全国調査と米国小児科学会の報告で確かめられた範囲だけを書き、家でやる形に落としています。医学的な助言はしません。

まず、いまの位置を知る(全国平均は小5だけ)

スポーツ庁の令和6年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査(小学5年生・全国集計)の50m走の平均は、男子 9.50秒、女子 9.76秒です。この調査は小5と中2が対象で、ほかの学年の全国値はありません。学校で測ったタイムが手元にあれば、体力手帳に入れて、伸びだけを見てください。平均との比べ方より、去年の自分との比べ方のほうが、子どもは続きます。 出典:スポーツ庁「令和6年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書 第2章 基礎集計」 mext.go.jp(PDF)

直せるところは4つ。順番がある

子どもの走りで、家庭が見て直せるのは次の4つです。上から順に、1日1つ。

  1. 腕振り 肩の力を抜いて、ひじを後ろに引く。前に振ろうとすると肩が上がって足が止まります。「後ろにひじ」だけ言えば直ります。
  2. スタート 合図の前に前足に体重をのせ、最初の3歩は下を向いたまま。顔を上げるのは4歩目から。ここで0.2〜0.3秒変わる子が多いです。
  3. 歩幅 大きくしようとしてつま先を伸ばすと、かかとから着地してブレーキになります。「足を体の真下に」だけ。歩幅は結果としてついてきます。
  4.  かかとが浮く靴、ひもがゆるい靴は、それだけで遅くなります。当日は新品ではなく、はき慣れた靴のひもをきつく結び直す。

1日1つを7日で一巡する形にしたのが、既存の「かけっこが速くなる7日間」です。1日10分、家の前の道で足ります。

🏃 かけっこが速くなる7日間(1日1つ・10分)を開く →

跳ぶ練習は効くのか(一次資料)

米国小児科学会(AAP)の2020年の臨床報告「Resistance Training for Children and Adolescents」は、子どもの筋力トレーニングについて次のようにまとめています。5歳ごろから、カエルとび・クマ歩き・カニ歩き・カンガルーとび・片足とびのような体重を使う運動で力をつけることができる。筋力トレーニングによる筋力の向上は、垂直とび・カウンタームーブメントジャンプ・短距離走のタイムなどの改善を示している。子どもの筋力の向上は主に神経が筋肉を動員するしくみによるもので、筋肉が大きくなるからではない。適切に設計されたプログラムが、成長板や身長の伸びに悪い影響を与えたという証拠は示されていない。 出典:Stricker PR, Faigenbaum AD, McCambridge TM. Resistance Training for Children and Adolescents. Pediatrics 2020;145(6):e20201011(2024年11月に再確認) publications.aap.org

つまり、小学生に「筋トレ」は要りません。けれど「跳ぶ・はねる」は要ります。走りの直し(4つ)に、その場とびと片足とびを足すのが、家でできる全部です。

運動会の何日前から、何をやるか(表)

運動会までの日数を入れてください。きょうから前日までの並びが出ます。前日は軽く動かして早く寝る日、当日は靴のひもを結び直す日です。

運動会まで 日 

7日より短いときは、効き目の大きい順(スタート→腕振り→靴→歩幅)に詰めます。14日より長いときは、後半に同じ並びをもう一巡します。

家でできる10分(毎日)

  1. その場とび 20回(ひざをやわらかく、音を立てない)
  2. 片足とび 左右10回ずつ(ふらついたら壁に手をついてよい)
  3. きょうの1つ(腕振り/スタート/歩幅/靴)を、20mを3本
  4. 終わったら、ふくらはぎと太ももの前を20秒ずつ、反動をつけずに伸ばす

痛みが出たらその日はやめる。次の日も痛ければ、かかりつけの医療機関へ。米国小児科学会は、筋力トレーニングを含む練習で、けがや使いすぎの兆しがあれば、再開の前に確かめることを求めています。

徒競走で泣いたとき

順位は、走る前からほぼ決まっています。身長と足の長さと、生まれ月です。4月生まれと3月生まれでは、同じ学年でほぼ1年の差があります。だから「負けた」のではなく「まだ追いついていない」だけです。この事実を、親が先に知っておくと、泣いた子に言う言葉が変わります。

言ってよい言葉は2つだけです。「最後まで走ったね」と「去年より速かったね(体力手帳の数字を見せる)」。言わないほうがよい言葉は「来年がんばろう」です。子どもは来年のことを考えていません。いまの気持ちを受け取るだけで足ります。

帰ってきたら、7日間のうちどれが効いたかを一緒に振り返って、記録に1行書く。それで運動会が「終わり」から「続き」になります。

子ども向け:なぜ速い人は速いの?

びっくり大事実! 足が速い人は、足をたくさん動かしているのではなく、地面を強く、短くおしているのです。地面についている時間が短いほど速い。だから「足を速く動かそう」より「トン、トン、と軽くはねる」のほうが速くなります。その場とびを毎日20回やると、この「はねる力」が育ちます。

アジア大会の陸上のページで、選手の走りを見てみましょう。ひじが後ろに引かれ、顔が上がり、足が体の真下についているのが分かります。アジア大会2026 陸上競技 →

📓 記録に残す(わが家の体力手帳)

50m走・なわとび・シャトルラン・身長・就寝時刻を、数字1つずつ入れて伸びを見ます。この端末にだけ残ります。順位づけや判定はしません。

わが家の体力手帳を開く →

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このページは医学的な助言をするものではありません。診断や治療については医療機関にご相談ください。事実は文中に示した公的機関・学会・競技団体の資料と、複数の主要報道で確かめられた範囲だけを書いています。制作 スクールコンパス編集部