中学受験は、子どもにとって人生初の大きな挑戦であると同時に、親にとっても「どう関われば良いのか」悩みの連続です。
「課金すればするほど有利?」「親が教えたほうがいい?」「模試の結果に一喜一憂してしまう…」
そんな親御さんの疑問や不安に、3,000人以上の受験生を指導してきたプロが答えてくれる一冊があります。
今回は、中学受験専門塾「伸学会」代表・菊池洋匡氏の著書『中学受験 親がやるべきサポート大全』をご紹介します。
📖 この記事の内容
1. この本について
著者の菊池洋匡氏は、開成中学・高校から慶應義塾大学法学部を卒業し、算数オリンピック銀メダリストという経歴を持つ中学受験のプロフェッショナル。2014年に中学受験専門塾「伸学会」を開校し、現在は5教室を展開しています。
本書の特徴は、中学受験を「試験突破の手段」ではなく「親子で共に成長するプロセス」として捉えている点です。
💡 本書のキーコンセプト
中学受験には2つの道がある。
ひとつは、親子が支え合いながら成長を実感できる「well-being(ウェルビーイング)中学受験」。
もうひとつは、プレッシャーや不安に押しつぶされる「hell-being(ヘルビーイング)中学受験」。
本書は、読者が前者を選び取るためのガイドブックです。
全6章構成で、「中学受験のウワサを斬る」「学校選び」「塾との付き合い方」「親の接し方」「スケジュールの立て方」まで、まさに「大全」の名にふさわしい網羅的な内容となっています。
2. 印象に残った3つのポイント
1「天才」と褒めてはいけない理由
子どもが良い結果を出したとき、つい「すごい!天才だね!」と言いたくなります。しかし本書では、これは逆効果だと警告しています。
「天才」という言葉は、成功を「生まれ持った能力」に結びつけてしまいます。すると子どもは「失敗したら天才じゃなくなる」と恐れ、挑戦を避けるようになるのです。
代わりに褒めるべきは「努力」や「工夫」。「よく頑張ったね」「この解き方を思いついたのはすごいね」といった声かけが、子どもの成長マインドセットを育てます。
2親が教え始めたら「破滅の第一歩」
本書の中でも特にインパクトがあったのが、「文系の親が国語を、理系の親が算数を教え始めたら破滅の第一歩」という指摘です。
親は「自分が得意だったから教えられる」と思いがちですが、実際には「できる人」と「教えられる人」は別物。しかも、親子という関係性の中では感情的になりやすく、親子関係を壊すリスクがあります。
親の役割は「教える」ことではなく、「環境を整える」「励ます」「見守る」こと。これは多くの親御さんにとって、耳の痛い、しかし大切なアドバイスではないでしょうか。
3模試の結果で一喜一憂しない
模試の結果が返ってくるたびに、親の表情が曇ったり、明るくなったり…。子どもは親の反応を敏感に感じ取っています。
本書では、模試は「現時点での課題を発見するためのツール」であり、結果に一喜一憂することは子どものメンタルに悪影響を与えると説明しています。
大切なのは、結果ではなく「何ができて、何ができなかったか」を冷静に分析すること。そして、できなかった部分を次にどう克服するかを一緒に考えること。これが親の正しいサポートの姿勢です。
3. 実際の受験に活かすには
本書の内容を実際の受験生活に活かすためのポイントをまとめました。
① 今日からできる声かけの変化
- 結果ではなくプロセスを褒める
「100点すごい!」→「この問題、丁寧に解けたね」 - 比較しない
「○○ちゃんはできてるのに」→「前回より成長したね」 - 失敗を責めない
「なんで間違えたの」→「どこが難しかった?」
② 親がやるべきこと・やってはいけないこと
✅ 親がやるべきこと
- 体調管理・生活リズムのサポート
- 塾との連携(面談、相談)
- 子どもの話を聴く時間を作る
- 学校見学・説明会に一緒に参加
- 「できたこと」を認める声かけ
❌ やってはいけないこと
- 親が直接勉強を教える(特に得意科目)
- 他の子と比較する
- 模試の結果で感情的になる
- 「そんなことなら塾やめなさい!」と脅す
- 子どもの課題に「土足で」踏み込む
③ 受験を「親子の成長機会」に変える
中学受験は、確かに大変な道のりです。しかし本書が伝えているのは、受験という経験そのものが、親子にとってかけがえのない成長の機会になりうるということ。
結果がどうであれ、「一緒に頑張った」という経験は、その後の親子関係の土台になります。合格・不合格という結果だけでなく、そこに至るプロセスを大切にする姿勢が、本書を通じて伝わってきます。
4. こんな方におすすめ
- ✅ 中学受験を始めようか迷っている方
- ✅ 子どもとの関わり方に悩んでいる方
- ✅ 塾選びや学校選びに迷っている方
- ✅ 模試の結果に一喜一憂してしまう方
- ✅ 「親が教えたほうがいいのか」悩んでいる方
- ✅ 受験を親子の成長機会にしたい方
特に、これから受験を始める方には、早い段階で読んでおくことをおすすめします。間違った関わり方を続けてしまう前に、正しい親の姿勢を知っておくことで、親子関係を壊さずに受験を乗り越えることができます。
また、すでに受験の真っ只中にいる方にとっても、「今からでも遅くない」と勇気づけられる内容が多く含まれています。
5. 書籍情報
📖 書籍詳細
まとめ
『中学受験 親がやるべきサポート大全』は、単なる受験テクニック本ではありません。親子で成長できる中学受験を実現するための、心構えと具体的な方法が詰まった一冊です。
著者の菊池氏が繰り返し強調しているのは、中学受験は「結果」だけが全てではないということ。大切なのは、その過程で親子がどう向き合い、どう成長したかです。
受験を控えるお子さまを持つすべての親御さんに、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。
🌸 最後に
中学受験は、親にとっても子どもにとっても大きな挑戦です。でも、正しい関わり方を知っていれば、それはかけがえのない成長の機会になります。
どうか、お子さまを信じて、温かく見守ってあげてください。
皆さまの受験が、実りあるものになりますように。