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4月24日号

🗞️ 小学生しんぶん

5・6年生版 毎週金曜日発行
✏️ 今週の入試漢字10字

📕 5年生の漢字

貿
ボウ
貿易・貿易摩擦
5年生
輸出・輸入
5年生
ボウ・ふせ(ぐ)
国防・防衛省
5年生
エイ
衛星・防衛
5年生
トウ・す(べる)
統領・統治
5年生

📘 6年生の漢字

カク
内閣・閣議
6年生
サク
政策・対策
6年生
メイ
同盟・加盟
6年生
カク・ひろ(がる)
拡大・拡張
6年生
ギン
銀行・日銀
3年生 ※

※ 今週のニュースに頻出する中学入試対策漢字。読み書き練習に。

📰 今週の時事ワード3(入試頻出)
1 ホルムズ海峡
ペルシャ湾とアラビア海を結ぶ幅約33km(最狭部)の海上交通の要衝。世界の石油輸送の約20%、日本の原油輸入の約8割が通過する。イランとオマーンに挟まれており、イランが海峡封鎖に動くと世界の原油価格が急騰する。2026年春のイラン危機で通航が事実上停止し、各国が「有志国多国籍部隊」の結成を協議。中学入試社会の時事問題で最頻出キーワードの一つ。
2 防衛装備移転三原則
日本の武器輸出を規制する原則。2014年に武器輸出三原則(1967年佐藤内閣)から変更。2026年4月21日、政府は運用指針の「5類型」(救難・輸送・警戒・監視・機雷掃海)を撤廃する閣議決定。殺傷能力のある完成品も一定条件下で輸出可能に。「戦後最大の安保政策転換」と評され、野党は国会での説明を要求。平和国家としての在り方を問う論点。
3 サプライチェーン
原材料の調達から製造、物流、販売までの「供給網」のこと。G7はレアアース(希土類)などの重要鉱物の対中依存低減で一致。米国はフィリピンに半導体の製造特区を設ける方針。グローバル化の時代には効率重視で中国に集中していたが、経済安全保障の観点から「友好国分散」(フレンドショアリング)へ転換する流れが世界で広がっている。
📰 今週のニュース(4月17日〜4月23日)
🌏 国際

🚢 米海軍、ホルムズ海峡でイラン船籍貨物船を拿捕

4月19日(日本時間20日)、トランプ米大統領はSNSで、米国の海上封鎖を突破しようとしたイラン船籍の貨物船「トゥスカ」を拿捕したと発表した。警告を無視したため米軍艦が貨物船の機関室に穴を開けて停船させたという。イラン側は「武装海賊行為で停戦協定違反」と反発し報復を警告。調査によればトゥスカは中国の珠海港などに頻繁に寄港していたことが判明している。

4月17日にイランが航行再開を発表したことで一度は原油価格が急落したが、この拿捕事件を受けてホルムズ海峡の商業航行は20日に事実上停止状態となった。

📌 入試に出るポイント

ホルムズ海峡は日本の原油輸入の約8割が通過する生命線。封鎖されると①ガソリン高騰 ②電気料金上昇 ③物流コスト増 ④製造業コスト増 ──というコストプッシュ型インフレが起きる。「国際海洋法条約における国際海峡の通航権」も難関校で頻出。2026年入試でも麻布・開成・桜蔭などで出題濃厚。

🛡️ 安全保障

🛡️ ホルムズ海峡に「有志国多国籍部隊」結成へ

4月18日、複数の国が船舶の安全を確保するため「有志国多国籍部隊」を結成する方針を示した。有志国とは、特定の目的に賛同する国々が国連決議に依らず自発的に協力する枠組み。過去には2003年のイラク戦争、2019年のホルムズ海峡監視任務(センチネル作戦)などが例。

日本は2020年に海上自衛隊の情報収集部隊をオマーン湾に派遣した前例があり、今回も憲法9条との整合性、自衛隊法上の根拠をめぐって議論になる見通しだ。

📌 入試に出るポイント

エネルギー安全保障は日本社会科の頻出テーマ。日本のエネルギー自給率は約13%(2022年度)でOECD最下位水準。資源の9割超を輸入に頼るため、海上輸送路(シーレーン)の安全確保は国家戦略の根幹。有志連合・国連決議・集団安全保障の違いを整理しておこう。

💴 経済

📈 中国、1〜3月期GDP +5.0% 堅調も減速懸念

4月16日(ユーザー指定は17日だが実際の公表は16日)、中国国家統計局が2026年1〜3月期の実質GDP成長率を前年同期比+5.0%と発表。前期(25年10〜12月期)の+4.5%から加速した。生産活動と輸出が成長を牽引した一方、小売売上高は+1.7%にとどまり内需は低調。不動産市場の低迷、消費回復の鈍さが続いている。

3月の輸出は台湾向け(+35.2%)・韓国向け(+19.6%)などAI関連半導体が好調。一方、米国向けは▲26.5%と大幅マイナス。中東情勢緊迫化の影響も懸念される。

📌 入試に出るポイント

中国は世界経済成長の約3割を担う「世界の工場」かつ「世界の市場」。GDP成長率は中国政府の目標「5.0%前後」とリンク。中国経済の減速は日本の輸出企業(自動車・工作機械)にも波及するため、日本との貿易関係は入試頻出。「一帯一路」「RCEP」「米中貿易摩擦」もセットで押さえよう。

🤝 外交

🤝 NATO加盟30カ国大使が訪日、防衛協力を協議

4月15〜17日、NATO(北大西洋条約機構)加盟32カ国のうち30カ国の駐NATO大使が日本を訪問した。「NATO史上最大規模のハイレベル代表団」とも報じられる異例の規模。小泉進次郎防衛相、茂木敏充外相らと会談し、日NATOの連携強化、三菱電機鎌倉製作所などの防衛関連企業を視察した。

背景には①トランプ大統領のNATO離れ示唆 ②中国の軍事力増強 ③イラン危機でのエネルギー安全保障──がある。NATOは「欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分」と位置づけ、日本・韓国・豪州・NZの「IP4」との連携を強めている。

📌 入試に出るポイント

NATOは1949年発足、集団防衛(1カ国が攻撃されたら全加盟国が参戦)の原則をもつ。冷戦時代は反ソ連同盟、冷戦後は東方拡大、2024年にスウェーデン加盟で計32カ国。日本は加盟国ではないが「グローバル・パートナー」。憲法9条との関係、日米安保条約との違いも整理を。

🏭 経済安保

🏭 米国、フィリピンに「脱中国」ハイテク製造特区

4月17日、半導体などの重要製品の供給網を中国に依存しない体制を作るため、米国がフィリピンと連携してハイテク製造拠点(特区)を構築する戦略が進行中と報じられた。台湾有事リスクを見据えた「フレンドショアリング(友好国での生産分散)」の一環。

フィリピンは米国の旧植民地で安全保障条約を結ぶ同盟国。2023年以降、米軍基地の拡大も進んでいる。

📌 入試に出るポイント

半導体はあらゆる電子機器の「頭脳」で、世界シェアは台湾(TSMC)・韓国(サムスン)が上位。日本は熊本にTSMC工場誘致(ラピダス社も千歳に新設)。経済安全保障と地政学リスクは中学入試の新しい定番テーマ。

🤖 AI

🤖 OpenAI、PC操作もこなす「Codex」刷新版を発表

4月17日、OpenAI(ChatGPTを開発する米企業)が、AI開発支援ツール「Codex」を大幅アップデート。Mac上でマウスやキーボードを自律的に操作し、Excelでデータを確認したり、Slackにメッセージを送ったりする「コンピュータ使用」機能を搭載した。週300万人以上の開発者が使用中。

これまでAIはコードを書くだけだったが、人間のようにPC全体を動かすエージェント(自律行動する人工知能)へと進化。90超の外部アプリ連携、複数AIの並列動作、長期タスクの自動再開なども可能になった。

📌 入試に出るポイント

AIエージェントは2025〜2026年の最大のテクノロジートレンド。定型業務の自動化で働き方が大きく変わる一方、「AIが雇用を奪うのか」「AIの倫理・責任」「AIによる著作権侵害」などの社会課題も。労働・産業構造の変化は記述式頻出テーマ。

⚖️ 政治

⚖️ 武器輸出「5類型」撤廃、国会で野党が論争

4月21日、政府は閣議と国家安全保障会議(NSC)で、防衛装備移転三原則の運用指針を改定した。完成品の輸出用途を「救難・輸送・警戒・監視・機雷掃海」の5つに限定していた「5類型」を撤廃。殺傷能力のある武器も、協定を結んだ17カ国への輸出が原則可能に。

4月22日以降、野党は国会で「戦後安保政策の転換を国会審議なく閣議決定で行うのは問題」「平和主義の根幹にかかわる」と反発。共同通信などは「戦後安保政策の大転換」と報じた。

📌 入試に出るポイント

憲法9条・専守防衛・非核三原則は中学入試社会の三大キーワード。1967年の武器輸出三原則(佐藤内閣)→1976年の政府統一見解(三木内閣)→2014年の防衛装備移転三原則(第二次安倍内閣)→2023年12月一部改正→2026年4月5類型撤廃──という流れを時系列で理解しておこう。「閣議決定」の意味と「国会審議」との違いも記述で問われやすい。

💴 経済

💴 IMF、日銀に「段階的利上げ」を推奨

4月17日、IMF(国際通貨基金)が日本経済の堅調さを評価し、日銀が政策金利を段階的に引き上げるべきとする見解を公表した。日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後25年12月には政策金利を0.5%→0.75%に引き上げた。IMFはさらなる利上げで通貨価値(円)を安定させる必要があると指摘している。

日本の円安は輸入物価を押し上げ、エネルギー・食料品の値上がりにつながっている。利上げは住宅ローン金利にも影響する。

📌 入試に出るポイント

IMFはブレトンウッズ体制(1944年)で生まれた国際機関。加盟国の為替安定・国際収支支援が役割。日本は1952年加盟。「金利と為替の関係」は中学入試でも頻出:金利を上げると円高になりやすい(円で運用する魅力が増すため)、逆に金利を下げると円安に。この因果関係は記述問題でよく問われる。

🗺️ G7

🗺️ G7、重要鉱物の対中依存低減で一致

4月19日、G7(日米英仏独伊加)が次世代技術に不可欠な重要鉱物(レアアース・リチウム・コバルトなど)の供給網を、特定の国に頼らない方針で一致した。レアアースの世界生産シェアは中国が約7割を占め、輸出規制が過去に問題化した経緯がある。

日本は2010年の尖閣諸島問題で中国からのレアアース輸出が事実上止められた経験があり、以降、豪州・ベトナム・南米などへの供給源分散を進めている。

📌 入試に出るポイント

G7サミットは1975年から毎年開催、2023年は広島、2024年はイタリア、2025年はカナダ。レアアースは「産業のビタミン」と呼ばれ、スマホ・EV・風力発電機など現代産業に不可欠。「資源外交」「経済安全保障」「脱中国」はセットで記述問題に出やすいキーワード。

🗳️ 選挙

🗳️ ブルガリア議会選、親ロシア派のラデフ前大統領が勝利

4月19日、東欧ブルガリアの議会選(1院制240議席)が投開票され、ラデフ前大統領率いる中道左派「進歩ブルガリア」が得票率約44%で第1党に。単独過半数(129議席予測)に達する勢い。ラデフ氏はロシアへの制裁に反対、ウクライナへの軍事支援にも反対する親ロシア的立場で知られる。

ブルガリアは2007年にEU加盟、NATOにも加盟。ラデフ政権が発足すればEUの対ロシア結束に影響する可能性がある。2026年1月にはユーロ導入したばかり。

📌 入試に出るポイント

EUの結束の揺らぎは重要時事。2024年以降、ハンガリー(オルバン政権)、スロバキア(フィツォ政権)など親ロシア派の勢力拡大で、EU内の対ロシア政策に亀裂。「民主主義の後退」「ポピュリズム」「欧州懐疑主義」は近年の高校・大学入試でも増えているテーマ。

🏛️ 政治

🏛️ 「国家情報会議」設置法案、衆院通過へ

4月22日、衆院内閣委員会で「国家情報局」設置法案が可決。23日の衆院本会議で可決、参院に送付される見通し。インテリジェンス(情報収集・分析)の司令塔として、①首相がトップの「国家情報会議」(官房長官・外相・防衛相ら参加) ②事務機能を担う「国家情報局」(内閣情報調査室を格上げ)──の2組織を新設する。

「日本版MI6・CIA」とも呼ばれる組織。野党もプライバシー保護・政治的中立性を求める付帯決議で与党と合意し賛成したが、共産党は反対した。

📌 入試に出るポイント

日本の情報機能は警察庁・外務省・防衛省・公安調査庁で縦割りだった。統合の流れは2013年の国家安全保障会議(NSC)設置・特定秘密保護法から続く安全保障改革の一環。「シビリアンコントロール」「政治的中立性」「プライバシー権(憲法13条)」もセットで押さえよう。

📋 今週のその他の注目ニュース
🚗 ホンダ、韓国での四輪車販売を2026年末で終了(4月23日発表)
ホンダコリアが2004年から販売してきた「アコード」「CR-V」の韓国販売を2026年末で終了。2025年の販売台数はピーク時から8割減の1951台、市場シェア1%未満。現地ブランドの現代・起亜とEVの強さ、日韓関係の影響が背景。二輪事業は継続。【入試ポイント】国際市場における事業戦略の選択と集中、海外事業からの撤退判断。
✈️ 台湾総統専用機の飛行許可、3カ国が取り消し(4月23日発表)
台湾の頼清徳総統が外遊に使う専用機の領空通過許可を、これまで認めていた3カ国が国際政治の影響で取り消した。中国の外交圧力が背景と見られる。日本政府も状況を注視。【入試ポイント】「一つの中国」政策、台湾海峡の緊張と日本の安全保障、シーレーン防衛の関係。
🏦 FRB次期議長候補、財務開示の不備で公聴会延期(4月17日発表)
米国の中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)の次期議長候補の個人財務開示に不備が見つかり、上院公聴会が延期。トランプ大統領が指名した人物の倫理問題がFRBの独立性(政治から切り離された金融政策運営)をめぐる議論に発展。【入試ポイント】中央銀行の独立性、金融政策と政府の距離、三権分立の補完装置としての独立機関。
📊 政府「月例経済報告」発表、中東情勢の影響に注意(4月23日発表)
政府の4月の月例経済報告は「景気は緩やかに回復している」としつつ、中東情勢の日本経済への影響を注視し続けると強調。ホルムズ海峡情勢が原油価格に与える影響を警戒。【入試ポイント】景気動向指数、DI・CI、GDP、月例経済報告・日銀短観など、経済指標の種類を整理。
編集長の鳥
📝 編集長コラム
〜 「連携の時代」と「分断の時代」が同時に進む世界 〜

今週のニュースには、正反対の2つの潮流が鮮明に表れている。

一方には「連携」がある。NATO30カ国の大使が史上最大規模で訪日、G7が重要鉱物の対中依存低減で一致、米国がフィリピンとハイテク特区を共同設計。共通の脅威(中国の覇権・ロシアの侵略・イランの緊張)に対し、「価値観を共有する国々」が結束する動きだ。

もう一方には「分断」がある。ブルガリアで親ロシア派が第1党に。EUの対ロシア結束は揺らぎ、ハンガリー・スロバキアに続く3カ国目の親ロ政権が誕生しかねない。FRB議長候補問題では米国の国内対立が続き、ホンダは韓国から撤退する。

日本はこの2つの潮流の中で、武器輸出5類型撤廃・国家情報会議設置・ホルムズ対応と、戦後最大級の安保転換を迫られている。「何を守り、何を変えるか」を判断する時代に、中学入試社会の時事問題はかつてなく重要性を増している。

💭 保護者と一緒に考えてみよう

「日本は平和国家を守りながら、同時に国際社会で責任を果たすには、どんな選択が正しいと思うか?」テーマを、家庭で話し合ってみてください。正解は一つではありません。

❓ 時事問題クイズ(入試形式5問)

選択肢から正解を選ぼう。実際の中学入試で出題される形式です 🎯

Q1
日本の原油輸入の約8割が通過する、ペルシャ湾の出口にあたる海峡の名前はどれか。
ア. マラッカ海峡
イ. ボスポラス海峡
ウ. ホルムズ海峡
エ. ジブラルタル海峡
正解:ウ ホルムズ海峡
イランとオマーンに挟まれた幅約33km(最狭部)の海峡。世界の海上石油輸送の約20%が通過する要衝。マラッカ海峡は東南アジア、ボスポラスはトルコ、ジブラルタルは地中海の出口。
Q2
2026年4月21日、政府が閣議決定で運用指針の「5類型」を撤廃した制度はどれか。
ア. 武器輸出三原則
イ. 防衛装備移転三原則
ウ. 非核三原則
エ. 安保三原則
正解:イ 防衛装備移転三原則
2014年に「武器輸出三原則(1967年)」から転換。今回の改定で「救難・輸送・警戒・監視・機雷掃海」の5類型が撤廃され、殺傷能力のある武器も協定締結17カ国に輸出可能に。
Q3
2026年1〜3月期の中国の実質GDP成長率は前年同期比で何%だったか。
ア. 2.5%
イ. 3.5%
ウ. 5.0%
エ. 7.2%
正解:ウ 5.0%
中国政府の目標「5.0%前後」に合致。前期(25年10〜12月期)の4.5%から加速したが、小売売上高は+1.7%と内需は低調。世界経済成長の約3割を担う大国のため日本経済にも影響大。
Q4
4月15〜17日、日本を訪問したNATO加盟国の大使は約何カ国か。
ア. 約10カ国
イ. 約20カ国
ウ. 約30カ国
エ. 約50カ国
正解:ウ 約30カ国
NATO加盟32カ国のうちハンガリーを除く約30カ国の駐NATO大使が訪日。史上最大規模の代表団で「NATOとインド太平洋の連携強化」が主目的。三菱電機鎌倉製作所や横須賀米軍基地も視察。
Q5
4月19日のブルガリア議会選で第1党となった政党の党首で、親ロシア的立場で知られる前大統領の名前はどれか。
ア. オルバン氏
イ. ラデフ氏
ウ. フィツォ氏
エ. ボリソフ氏
正解:イ ラデフ氏
ラデフ前大統領が率いる「進歩ブルガリア」が得票率約44%で第1党。対ロシア制裁とウクライナ軍事支援に反対。オルバンはハンガリー首相、フィツォはスロバキア首相で、いずれも親ロシア派。ボリソフは元首相(敗者側)。
✏️ 考えてみよう(記述式・入試対策)

模範解答付き。実際の中学入試で出題される記述問題レベルです ✏️

Q1
ホルムズ海峡が封鎖されると、日本のガソリン価格が上昇するだけでなく、パンや牛乳の値段も上がる可能性があります。その理由を「輸送コスト」という言葉を使って80字以内で説明しなさい。
💡 ヒント:原油の使い道は「燃料」だけではありません。
模範解答(76字) ホルムズ海峡が封鎖されると原油価格が上がり、トラックや船で食料を運ぶ輸送コストが上昇する。その分が商品価格に上乗せされ、パンや牛乳の値段まで上がるため。

採点ポイント:①ホルムズ海峡と原油の関係(3点) ②原油価格の上昇(3点) ③輸送コストへの波及(4点) ④価格転嫁の仕組み(5点)。「コストプッシュ型インフレーション」という用語が使えればさらに加点。
Q2
政府は2026年4月、防衛装備移転三原則の「5類型」を撤廃し、殺傷能力のある武器も一定条件下で輸出できるようにしました。この決定に対して「国会での説明が不十分だ」という批判があります。「閣議決定」と「国会審議」の違いに触れ、なぜそのような批判が出るのかを100字以内で説明しなさい。
💡 ヒント:三権分立・民主主義の基本を思い出そう。
模範解答(98字) 閣議決定は内閣だけで行うが、国会審議は国民の代表である議員が議論する。平和主義の転換という重大変更を国民の代表抜きに内閣だけで決めるのは民主主義上問題があると野党は主張しているから。

採点ポイント:①閣議決定の性質(3点) ②国会審議の性質(3点) ③国民代表の概念(4点) ④平和主義の重さ(3点) ⑤民主主義からの論理(7点)。「文民統制」「シビリアンコントロール」に触れれば加点。
Q3
G7諸国がレアアースなどの重要鉱物について「対中依存を低減する」方針で一致しました。なぜ「1つの国に資源を依存する」ことが問題なのか、具体例を1つ挙げて120字以内で説明しなさい。
💡 ヒント:2010年の日本と中国の間で起きたある事件を思い出そう。
模範解答(114字) 依存先の国との関係が悪化した際に輸入が止められ、自国の産業が打撃を受ける恐れがあるから。実際、2010年の尖閣諸島問題で中国は日本へのレアアース輸出を事実上制限し、日本企業のハイブリッド車生産に影響が出た。

採点ポイント:①依存リスクの本質(5点) ②外交カードとしての資源(4点) ③具体例(2010年レアアース問題)(5点) ④産業への影響(4点) ⑤「フレンドショアリング」「経済安全保障」に触れれば加点。
🔬 理科探究「電気はどこからやってくる?」

今週のテーマ:エネルギー安全保障と電力供給の科学

今週のニュースに「ホルムズ海峡の危機」「イラン原油」「IMF利上げ」が並び、背景にはエネルギー問題がある。日本の電気はどう作られているのだろうか。

日本の発電電源構成(2023年度・資源エネルギー庁):天然ガス(LNG)約32%、石炭約29%、再生可能エネルギー約26%(うち太陽光約9%・水力約8%)、原子力約8%、石油約2%。化石燃料(石油・石炭・LNG)だけで約63%を占める。

日本のエネルギー自給率はわずか約13%(2022年度)でOECD最下位水準。そのためホルムズ海峡情勢で原油・LNGの輸入が途絶えると、発電にも直接影響する。

実験提案:家庭の電気代の検針票を見て「1kWhあたり何円か」を計算し、家のLED電球・テレビ・エアコンの消費電力(W)と1日の使用時間から「1日の電気代」を出してみよう。「何を節電すれば一番効果が大きいか」がわかる。エネルギー問題を「自分ごと」として考える訓練になる。

📚 歴史探究
📺 今週日曜放送! NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」
歴史キャラクター
第16回「覚悟の比叡山」
〜 信長はなぜ神聖な寺を焼き討ちにしたのか 〜

元亀2年(1571年)9月12日、織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ち。
中学入試社会「戦国時代」の最頻出事件の一つ。

前回の「姉川の戦い」で織田・徳川連合軍に敗れた浅井長政・朝倉義景は、比叡山延暦寺に立て籠もった。延暦寺は最澄が788年に創建した天台宗総本山であり、法然・親鸞・日蓮・道元など、後の鎌倉新仏教の開祖たちを輩出した「日本仏教の母山」。朝廷からも代々厚く保護されてきた。

信長は延暦寺に対し「浅井・朝倉を引き渡すか、せめて中立を守れ」と書状を送ったが、延暦寺は回答せず、両軍をかくまい続けた。1571年9月12日早朝、信長軍30,000は根本中堂・日吉大社をはじめ山内の堂塔・坊舎をことごとく焼き払い、僧侶・学僧・女性・子供まで殺害したと『信長公記』は記す(3,000〜4,000人説)。ただし近年の発掘調査で、焼失範囲は記録より限定的だった可能性が指摘されている。

ドラマでは信長(小栗旬)が明智光秀(要潤)に焼き討ちを命じ、藤吉郎(池松壮亮)・小一郎(仲野太賀)兄弟がこの「覚悟」の瞬間をどう受け止めるかが描かれる。

🎓 中学入試での出題ポイント:なぜ信長は比叡山を焼き討ちしたのか

1 敵のかくまい・中立要求の拒否。信長にとって延暦寺の行為は「敵と同じ」。信長の書状に返答せず、浅井・朝倉を支援し続けた。戦国時代、寺社は「不殺生」を理由に戦闘を拒む中立地帯だったが、延暦寺はそれを破った。
2 宗教勢力の世俗的権力の抑え込み。延暦寺は僧兵という独自の軍事力を持ち、広大な荘園を領有し、政治にも介入する「独立した権力」だった。信長の天下統一には、こうした中間権力の制圧が不可欠だった。一向一揆との石山本願寺合戦(1570-80)も同じ文脈。
3 戒律の弛緩への不満。当時の延暦寺の僧侶は肉食・妻帯を行い、本来の宗教性を失っていた。信長は「祈りもせず戦に口を出すだけの寺はもはや寺ではない」と考え、焼き討ちを「仏敵の処罰」と正当化した。
4 「政教分離」の先駆的事例として入試頻出。現代の憲法20条(政教分離)の源流とも言える概念。「宗教と政治の分離」「中間権力の解体→絶対的主権者の確立」は近世社会の特徴。比叡山焼き討ち→石山本願寺攻め→安土城築城(1579年)という流れを理解しよう。

📺 テレビで見てみよう!

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」
第16回「覚悟の比叡山」
4月26日(日曜)夜8時 放送
信長の大きな決断を見届けよう! 🏯🔥

💭 中学入試記述問題想定

問題:「比叡山焼き討ちは信長の天下統一にどのような意味を持ったか、『中間権力の解体』という言葉を使って80字以内で説明しなさい。」

模範解答(72字):僧兵や荘園を持つ独立勢力としての寺社の力を打ち砕き、武士以外の中間権力を解体することで、武士による一元支配の基礎を築く意味を持った。

👨‍👩‍👧 保護者のひとこと
💬 今週の質問

「日本は平和国家を守りつつ、
国際社会での責任をどう果たすべきか?」

今週は「連携」と「分断」が同時進行する国際情勢が鮮明に表れました。NATO30カ国大使訪日・G7重要鉱物の連携・フィリピンとの半導体特区という「連携」。ブルガリアの親ロ政権誕生・FRB議長候補問題・ホンダ韓国撤退という「分断」。そして日本自身も武器輸出5類型撤廃・国家情報会議設置と、戦後最大級の安保転換の只中にあります。

ご家庭での対話には、「単純な二項対立」を超えた視点をお勧めします。「賛成か反対か」ではなく、「どういう条件なら認めるか」「何が守られるべきか」と問いを立てると、お子さまの論理的思考力が養われ、中学入試の記述問題にも直結します。中学入試では「あなたの考えを述べなさい」型が増加しており、根拠を持って立場を選び説明する力が問われています。

※ 今号は中学入試社会の頻出テーマが特に多い週です。ホルムズ海峡・防衛装備移転三原則・サプライチェーン・NATO・EU・比叡山焼き討ち──いずれも麻布・開成・桜蔭・駒東など難関校で過去5年に出題実績あり。週末に記述問題3問だけでも一緒に取り組んでみてください。

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