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GW前に志望校候補を10校に絞る「捨てる順番」

20校のパンフレットを前に動けなくなっている保護者へ

💡 この記事はこんな保護者におすすめ
「説明会に行きすぎて逆に決められなくなった」「候補が多すぎて家族会議が進まない」「GWに何校か見に行きたいが、どこを優先すべきかわからない」──首都圏だけで私立中学は約300校。調べれば調べるほど候補が増えるのは、情報収集をしっかりやっている証拠です。しかし、20校を全部追いかけることは物理的に不可能。GW前に10校に絞ることで、5月以降が一気に動きやすくなります。

1. 「候補が多すぎて決められない」は正常です

首都圏だけで私立中学は約300校、国公立を含めると350校以上あります。偏差値表を眺め、説明会に足を運び、パンフレットを集めていくと、あっという間に候補は20校を超えます。

これは悪いことではありません。「多すぎて決められない」は、情報収集をしっかりやった人だけが持てる悩みです。何も調べていない家庭はそもそも候補が3校しかなく、結果的に「合う学校」を見逃すリスクがあります。

問題は、20校を全部同じ深さで追いかけようとすることです。過去問を解く時間、説明会の日程、入試日の組み合わせ——すべてに限りがあります。GW前に「深掘りする10校」と「いったん外す10校」を分けることで、5月以降の説明会・文化祭を効率的に回れるようになります。

⚠️ 注意:ここで言う「10校」は「受験する学校」ではなく「夏までに詳しく調べる学校」です。受験校を最終決定するのは秋以降。今は「深掘りする候補」を10校に絞る段階です。11月にまた見直す機会があります。

2. 第1段階:通学60分超を外す

最初に外すべきは「物理的に通えない学校」です。これは感情ではなくデータで判断できます。

中学生の通学時間の限界は片道60分。これを超えると、部活動・自宅学習・睡眠のいずれかが犠牲になります。入学直後は新鮮で気にならなくても、中2・中3で「毎日片道80分」の疲労は確実に蓄積します。

通学時間放課後の自由時間(部活なし)放課後の自由時間(部活あり)就寝時間の目安
30分以内約4時間約2時間22:00〜22:30
45分約3.5時間約1.5時間22:30〜23:00
60分約3時間約1時間23:00〜23:30
75分約2.5時間約30分23:30〜24:00
90分約2時間ほぼゼロ24:00以降

やるべきこと:Google マップで「朝7時台の電車で、自宅の最寄り駅から学校の最寄り駅まで」を検索してください。乗り換え込みで60分を超える学校は、この段階で候補リストの下に移動します。

📌 例外:寮がある学校(公文国際、海陽、佐久長聖など)、始業時間が遅い学校(8:40以降)、通勤ラッシュと逆方向の路線は実質的な負担が軽くなることがあります。一律に切り捨てず、個別に判断してください。

ここで通常5〜8校が候補から外れます。

3. 第2段階:教育方針の不一致を外す

次に外すべきは「家庭の方針と合わない学校」です。偏差値が合っていても、教育方針が合っていなければ6年間が苦しくなります。

以下の5つの軸で、家庭の方針と学校の方針を照らし合わせてください。

AタイプBタイプ代表的な学校(例)
管理 vs 自主宿題多め・面倒見◎自由・自己管理A: 巣鴨、城北 / B: 麻布、武蔵
進学 vs 探究大学進学実績重視探究・体験重視A: 海城、渋渋 / B: 公文国際、かえつ有明
共学 vs 別学男女共学男子校・女子校A: 渋幕、広尾 / B: 開成、桜蔭
宗教の有無宗教教育あり宗教教育なしA: 聖光、雙葉 / B: 筑駒、駒東
部活の位置づけ部活が盛ん学業最優先A: 早実、本郷 / B: 開成(文武両道型)

パンフレットだけではわからない部分が多いので、この段階では「明らかに合わない」学校だけを外します。「よくわからない」学校は残しておいて、GWの説明会で確認します。

💬 先輩保護者の声:

「偏差値だけで選んで入学させた結果、子どもが"この学校、合わない"と言い出したのは中1の秋でした。管理型の学校に自由人タイプの子を入れてしまった。もっと校風を見るべきだった。」(中2・男子の保護者)

ここでさらに3〜5校が外れます。この段階で、20校が12〜14校程度に絞れているはずです。

4. 第3段階:入試日程の物理的衝突を整理する

ここからは「捨てる」のではなく「組み合わせを考える」段階です。

首都圏の中学入試は2月1日〜5日に集中します。午前入試と午後入試の組み合わせ、合格発表のタイミング、繰り上げの可能性——これらを考慮すると、物理的に受験できるのは最大でも6〜7校です。

日程午前午後合格発表
2/1第一志望(多くの場合)おさえ or チャレンジ当日夜〜翌朝
2/2第二志望 or 第一志望②おさえ②当日夜〜翌朝
2/3状況に応じて(疲労を考慮)当日夜
2/4-5繰り上げ・後期日程

チェックすべきこと:

  • 第一志望の入試日程(複数回入試があるか、2/1午前か午後か)
  • 2月1日午前に何を受けるか(ここが全体の軸になる)
  • 午後入試の選択肢(移動時間を含めて現実的か)
  • 2月2日以降の「おさえ」候補(合格発表のタイミングとの兼ね合い)
  • 同日程の学校が複数ないか(どちらか一方しか受験できない)
📌 ポイント:「入試日程が重なる学校」は、どちらか一方しか受験できません。この段階で「AとBが重なっているから、Bは外す」という判断ができます。逆に、日程が重ならない学校は両方残しておいて問題ありません。

5. 第4段階:偏差値帯のバランスを確認する

第3段階まで終えたら、残っている候補の偏差値帯を確認します。

カテゴリ偏差値の目安理想の校数役割
🔥 チャレンジ校現在の偏差値+5〜+102〜3校モチベーションの源泉。「ここに行きたい」が原動力
🎯 実力相応校現在の偏差値±34〜5校メインの受験校。最も入念に過去問対策する
🛡️ 安全校現在の偏差値−5〜−102〜3校「どこにも受からなかった」を防ぐ保険
⚠️ よくある失敗:「チャレンジ校ばかり7校、安全校ゼロ」——これは2月5日まで合格がゼロという最悪のシナリオにつながります。「どこにも受からなかった」を防ぐのは、安全校の設定です。安全校は「行かせたくない学校」ではなく「通わせても良いと思える学校」を選んでください。

安全校選びのポイントは「偏差値は低いが、校風や教育内容が良い学校」を見つけること。偏差値だけでは見えない魅力を持つ学校はたくさんあります。学校マッチング診断で、偏差値以外の軸でも探してみてください。

6. 「10校に絞る」ワークシート

以下のワークシートを使って、手持ちの候補校を整理してください。

7. GWの学校訪問計画:3日で6校モデル

10校に絞ったら、GW中に最低6校は訪問しましょう。

日程訪問校目的チェックポイント
Day 1チャレンジ校 2校モチベーションの源泉生徒の表情、校舎の雰囲気、「ここに通いたい」と子どもが目を輝かせるか
Day 2実力相応校 2校「ここもいい」を見つける先生の対応、部活動の様子、通学路の安全性
Day 3安全校 2校「万が一」の安心を作る「この学校にも良いところがある」と親子で思えるか

💬 先輩保護者の声:

「安全校として見に行った学校が、実は子どもにとって一番合っていた。偏差値が低いから行きたくないと思っていたけど、実際に見たら先生の目が生き生きしていて、生徒が本当に楽しそうだった。結果的にその学校に通っていますが、大正解でした。」(中1・女子の保護者)

📌 訪問時のチェックポイント:「生徒の表情」「先生の対応」「校舎の清潔さ」「登下校の生徒の様子」——パンフレットには載らない情報を肌で感じるのが現地訪問の価値です。偏差値表では見えない「校風」が、実は入学後の満足度を最も左右します。詳しくは「学校を見る軸で迷ったら」も参照してください。

8. 学年別・今の時点で持つべき志望校数

新小4〜小5前半:15〜20校「広く浅く」

気になる学校はどんどんリストに入れる時期。文化祭や体育祭に子どもを連れて行き、「この学校どう思った?」と反応を見る。子どもの「なんか好き」「なんか違う」という感覚は、偏差値より正確な判断基準です。

小5後半〜小6春:10校「深掘り」

今回のコラムの段階です。「深掘りする候補」を10校に絞ります。説明会・過去問閲覧・先輩保護者の話——この3つを10校で行います。

小6夏〜秋:5〜7校「過去問対策」

過去問を解く学校を5校程度に絞ります。1校あたり3〜5年分を2〜3周するため、5校でも相当な量です。

小6冬:4〜6校「最終決定」

12月の面談で最終確定。1月校の選定も含めて、実際に出願する学校を決めます。

9. よくある失敗パターン5つ

❌ 失敗①:偏差値だけで選ぶ
偏差値が合っていても、校風が合わなければ6年間が苦しい。偏差値は「入口のフィルター」であり、最終判断基準ではありません。
❌ 失敗②:チャレンジ校ばかり
「うちの子なら受かるはず」は親の願望。安全校を馬鹿にする空気が家庭にあると、不合格が続いた時に子どもの居場所がなくなります。
❌ 失敗③:ママ友情報で決める
「○○中は面倒見がいいらしい」——伝聞情報はバイアスの塊。必ず自分の目で確認してください。
❌ 失敗④:子どもの意見を聞かない
「あなたはまだ子どもだから親が決める」——これは最悪。入学後に「自分で選んだ」という意識がないと、困難に直面した時に「親のせいだ」になります。
❌ 失敗⑤:通学時間を甘く見る
「片道90分でも、電車で勉強すればいい」——中学生に毎日3時間の通学は過酷すぎます。疲労で部活も勉強も中途半端になるリスク大。

10. 「捨てる」のではなく「順番を決める」

最後に大切なことを1つ。

「10校に絞る」と言いましたが、正確には「今は深掘りしない学校を決める」です。候補から完全に消す必要はありません。リストの下の方に残しておいて、夏以降に状況が変わったら引き上げることもあります。

実際に、6年生の秋に偏差値が急伸して、春には候補にも入っていなかった学校を受験して合格するケースは珍しくありません。逆に、第一志望だった学校を秋に外して、第二志望に集中した結果、より良い受験になったケースもあります。

重要なのは、「全部を同じ深さで追いかけることをやめる」ことです。20校を均等に追うと、どの学校も中途半端になります。10校を深く知ることで、本当に「うちの子に合う学校」が見えてきます。

「志望校の選び方3つのポイント」も合わせて読むと、判断軸がさらに明確になります。

📌 まとめ:志望校選びは「どの学校が一番いいか」ではなく「この子に一番合う学校はどこか」です。偏差値表の上から順に受けるのではなく、通学時間・校風・入試日程・偏差値帯のバランスで、「この家庭にとっての最適な10校」を見つけてください。GWはその10校を自分の目で確かめる最高のチャンスです。
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