プログラミング教室、いつから?
通わせる前に決める5つの判断軸と、やめる基準
体験に行ったら、子どもは楽しそうだった。
先生の話も、もっともらしく聞こえた。
でも、これが月謝に見合うものなのかが分からない。
比べる基準を持っていないまま、その場で決めることになる。
まず、学校が引き受けている範囲を確認する
教室を評価するには、学校で何をやるのかを知っている必要があります。ここが空白のままだと、教室の説明がすべて必要なことに聞こえてしまいます。
文部科学省の資料によれば、小学校のプログラミング教育は教科ではありません。総則に位置づけられ、算数(5年の正多角形の作図)、理科(6年の電気の性質や働き)、総合的な学習の時間などで扱う場面が例示されています。ねらいとして挙げられているのは、プログラミング的思考を育むこと、プログラムの働きやよさに気づくこと、身近な問題の解決に主体的に取り組む態度を育むことです。
そして、はっきり書かれている一文があります。児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり技能を習得したりすることは考えられるが、それ自体をねらいとしているのではない、というものです。
同じ資料では、プログラミングに関する学習活動をA〜Fの6分類で整理しています。A〜Dが教育課程内、Eが学校を会場とする教育課程外、そしてFが「学校外でのプログラミングの学習機会」です。習い事の教室はFにあたります。学校の教育課程に位置づくものではなく、児童の興味・関心等に応じて提供されることが期待される、という位置づけです。
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/21/1417047_001.pdf
実際の授業の進め方は学校・自治体によって異なります。お子さんの学校での扱いは学校にご確認ください。
通わせる前に決める、5つの判断軸
教室が売っているものは、だいたい次のどれかです。①作る場所と時間(家では続かないから外に置く)②仲間(一人だと飽きる)③発表の機会(コンテストや作品展)④指導(つまずいたときに聞ける人)。この4つのうち、わが家に足りないのはどれか。1つに答えられないなら、まだ決める段階ではありません。「将来のため」は答えになりません。
ゲーム、動く車、犬が出てくるアニメ、何でも構いません。言えるなら、教室はその実現を手伝う場所になります。言えないなら、教室は「やらされる場所」になり、たいてい1年で終わります。言えるようになるまでは、家で無料の教材を触らせておくほうが費用対効果が高い段階です。
追加ではなく交換で考えます。習い事は時間の総量が上限で、増やすと睡眠か遊びか宿題のどれかが削れます。何を減らすかを先に決めていない申し込みは、3か月後に家庭の中でもめます。減らすものが決まらないなら、その枠はまだ空いていません。
教材費、機材の購入やレンタル、進級ごとのキット代、発表会やコンテストの参加費と交通費、家庭で使う端末の要件。金額はここには書けません(教室ごとに違い、変わるためです)。ただ、聞くべき項目は決まっています。入会前に、この5項目を紙に書いて聞いてください。初月の合計と、2年通ったときの合計を自分で出せて初めて、比較ができます。
これが5つの中でいちばん効きます。詳しくは次の節に書きます。
やめる基準を、先に決める
習い事でいちばん判断が難しいのは、やめどきです。お金を払った、本人も嫌とは言わない、でも伸びている実感がない。この状態が2年続くことがあります。
そうならないために、始める前に紙に書いておく基準を2つ提案します。どちらも、上手さではなく行動で測るものです。
| 見るもの | 続いているサイン/止まっているサイン |
|---|---|
| 家に帰ってから、作ったものの話をするか | する=作る側の楽しさが本人の中にある。まったくしない状態が3か月続く=場所は楽しいが、中身が入っていない可能性。 |
| 教室以外の場所で、自分から触るか | 触る=外に持ち出せている。半年触らない=教室の時間だけで完結しており、月謝は「預かり」の対価になっている。 |
判断する日も決めておきます。3か月後と、半年後。この2回だけ見る。毎週気にすると、親のほうが疲れます。
体験・見学で見る場所
体験では、たいてい子どもは楽しそうにします。楽しそうかどうかは情報になりません。見るのは次の3つです。
- 詰まったときに、先生が答えを言うか、質問を返すか。答えを言う教室は進みが速く、達成感も出ますが、考える過程は本人に残りません。どちらが良いかは家庭の目的次第です。ただ、どちらの教室なのかは体験の30分で分かります。
- 作品が全員同じかどうか。全員同じ作品ができあがるカリキュラムは、手順の再現であって、作ることではありません。悪いとは限りません(最初の入口としては有効です)が、それが2年続く設計かどうかは聞いておく価値があります。
- 子どもが、いちばん長く手を止めなかった場面。ロボットを組んでいるときか、画面で試行錯誤しているときか。ここが、形式を選ぶ唯一まともな根拠です。親の好みではなく、この観察で決めてください。
いつから、の答え
制度の側から決まる開始時期はありません。ですから、この問いの答えは家庭ごとに違います。当編集部の提案は、本人が作りたいものを1つ言えるようになったときです。学年ではありません。
言えるようになるまでの期間にやることは、別のページにまとめました。困りごとが家に来る順番と、その学年で親がやること1つです。
よくある質問
Q. 通わせないと学校の授業で困りますか。
A. 困らない前提で授業は組まれています。学校外の学習機会は、教育課程外に分類されています。
Q. ロボットとパソコン、どちらがよいですか。
A. 目的が違うので優劣はつきません。体験で本人がどちらに長く手を止めなかったかで決めてください。
Q. 月謝の相場を教えてください。
A. このページには金額を書いていません。教室・地域・形式によって幅があり、変わるためです。かわりに、聞くべき費用の項目(軸4)を挙げています。
Q. おすすめの教室を教えてください。
A. 特定の教室を推奨することはしていません。中立でいるほうが、このページの役に立ち方だと考えているためです。判断の軸だけをお渡しします。