ゲームをやめない・時間を守らない
Q. 「あと5分」が30分になる。止めると怒って、ゲーム機を取り上げると大泣き。毎晩これのくり返し。
💬 ゲームや動画を止めるたびに言い合いになるのは、本当に疲れますよね。
やめられないのは、終わりの合図が決まっていないからかもしれません
なぜ? ゲームや動画は、終わりの区切りがないように作られています。
今夜の1つ 「何時まで」と「終わったら何をするか」を一緒に決めて紙に書く
📌 明日のための1行カード:もし「もうやめなさい!」と言いそうになったら、「あと5分ね。終わったらおやつにしよう」と言う
2週間後 2週間後、決めた時刻で自分から終われた日が増えていれば、効いています。
そのまま言える言いかえ
- 「もうやめなさい!」→「あと5分ね。終わったらおやつにしよう」 終わりと次の楽しみを先に言うと、止めやすくなります。
- 「ゲームばっかり!」→「そのゲームのどこが楽しいの?」 好きなものに興味を持たれると、約束の話も聞きやすくなります。
- 「今すぐやめなさい」→「このステージが終わったら、おしまいにしよう」 区切りで終わると、切り替えやすくなります。
今夜の手順
- 「何時まで」と「終わったら何をするか」を一緒に決めて紙に書く 理由:自分も決めに加わると、約束を自分のこととして受け止めやすくなります。
- 終わりの5分前に一度だけ声をかける 理由:急に止められるより、心の準備ができます。
- 区切りで約束する(「このステージが終わったら」) 理由:ゲームは途中で止めにくいからです。
- 夜に充電する場所を、寝室の外に決める 理由:寝室に画面を持ち込まないことが、睡眠のためにすすめられているからです。
今夜はしなくていいこと 今夜、ゲームや端末をいきなり取り上げること 理由:約束を決める前に取り上げると、次に決める約束が守られにくくなるからです。
お子さんに聞いてみる 「ゲームや動画をやめにくいのは?」
- 「いいところで止められない」と答えたら:いいところで止められないなら、時刻ではなく「このステージが終わったら」のように区切りで約束してみてください。
- 「ほかにやることがない」と答えたら:ほかにやることがないなら、終わったあとにやること(外遊び・おやつ・手伝い)を先に決めておきます。
- 「友だちとやっている」と答えたら:友だちとやっているなら、相手の家の終わる時刻も聞いて、そろえられないか話してみてください。
- 「わからない」と答えたら:分からないときは、1週間、何時から何時まで使ったかを一緒に記録して見返します。
学年で変わること 低学年は、親が時間を決めて、一緒に守る時期です。 高学年は、ルールを一緒に決めて、自分で守る練習をする時期です。決めたルールは紙に書きます。
なぜそうなるか・もとにした研究(ひらく)
ゲームや動画は、終わりの区切りがないように作られています。やめられないのは、意志が弱いからではなく、終わりの合図が決まっていないからかもしれません。「何時まで」と「終わったら何をするか」を一緒に決め、夜は画面を寝室の外に置く。これが、家族で使い方を決めるときの基本です。
根拠:こども家庭庁「青少年のインターネット利用環境実態調査」、米国小児科学会「Where We Stand: Screen Time」、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
研究でわかっていること 米国睡眠医学会の専門家13人の合意で、6〜12歳は1日9〜12時間の睡眠をふだんから取ることをすすめています。足りていることは、注意・行動・学習・気持ちの調整がよいことと関連していました。米国小児科学会も支持しています。
専門家の目安(Paruthi, S., et al., 2016)
考えてみてほしい問い ゲームやスマホの時間で、親としていちばん守りたいことは何ですか(睡眠・勉強・家族の時間など)?
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やめさせようとすると怒る
Q. 同じことを3回言っても動かない。4回目で大声を出すと、やっと動く。それが毎日。
💬 何度言っても聞かないと、声が大きくなってしまうのは自然なことです。
言うことを聞かないのにも、理由があります
なぜ? 言うことを聞かない理由には、気を引きたい、子どもなりの考えがある、言われたことが分かっていない、体調、があります。
今夜の1つ 言うのは1回、短く具体的に(「〇〇を△△に入れてね」)
📌 明日のための1行カード:もし「ちゃんとして!」と言いそうになったら、「おもちゃを箱に入れてね」と言う
2週間後 2週間後、1回で動いた日が増えていれば、効いています。
そのまま言える言いかえ
- 「ちゃんとして!」→「おもちゃを箱に入れてね」 してほしいことを、そのまま言います。
- 「走らないで!」→「歩こうね」 「〜しないで」より「〜しよう」のほうが、してほしい行動が伝わります。
- 「何回言ったら分かるの」→「(そばに行って、目を見てから)おもちゃを箱に入れてね」 近くで目を合わせて言うと、言葉が届きやすくなります。
- 「静かにしなさい!」→「ここでは、ささやき声で話そうね」 「しないこと」より「すること」を言うほうが、子どもは何をすればいいか分かります。声の大きさは、やって見せると伝わりやすくなります。
- 「言うことを聞きなさい!」→「1回だけ言うね。手を洗ったら、おやつにしよう」 何度もくり返すほど、指示は聞き流されやすくなります。短く1回だけ言い、できたらすぐに「洗えたね」と伝えます。
今夜の手順
- 言うのは1回、短く具体的に(「〇〇を△△に入れてね」) 理由:「ちゃんとして」では、何をすればいいかが伝わりません。
- 動かないときは「AとBどっちからやる?」と選ばせる 理由:自分で選ぶと、言われてやる感じが減ります。
- ぐずる・文句を言う程度は、相手にしない 理由:小さな困った行動に注意を向けないと、その行動は減りやすくなります。
- できたら、その場で「入れてくれたね」と言う 理由:ほめられた行動は、くり返されやすくなります。
今夜はしなくていいこと 同じ注意を何度もくり返すこと 理由:くり返すほど、言葉が聞き流されやすくなるからです。
お子さんに聞いてみる 「言われて、いちばんいやなのは?」
- 「何度も言われること」と答えたら:何度も言われるのがいやなら、言うのは1回だけにして、あとは紙やタイマーに任せます。
- 「大きな声」と答えたら:大きな声がいやなら、近くに行って、小さめの声で1回だけ伝えてみてください。
- 「理由を言ってもらえないこと」と答えたら:理由がほしいなら、「〇〇だから」を1つだけ添えます。
学年で変わること 低学年は、指示が長いと最初の1つしか覚えていない時期です。1回に1つにします。 高学年は、理由が分かると動ける時期です。してほしいことに、理由を1つ添えます。
なぜそうなるか・もとにした研究(ひらく)
言うことを聞かない理由には、気を引きたい、子どもなりの考えがある、言われたことが分かっていない、体調、があります。大声は、伝えたい中身より怒りのほうが残り、子どもも大声で返すようになります。言うのは1回、短く具体的に。動かないときは2択にする。できたら、その場で言葉にする。
根拠:厚生労働省「体罰等によらない子育てのために」、米国マウントサイナイ病院 親子センター、米国疾病対策センター「指示の出し方」
研究でわかっていること 13歳の時点で親が怒鳴る・ののしるなどの厳しい言葉でしつけていた家庭では、その後の1年で子どもの問題行動と気分の落ち込みが増えていました。親がふだん温かくても、この影響は打ち消されませんでした。
長く追いかけた調査(Wang, M.-T., & Kenny, S., 2014)
研究でわかっていること 3〜12歳の子どもと親を対象にした24の研究をまとめたところ、親子相互交流療法(子どもが決めた遊びに親がついていく時間、具体的にほめる、短く1つずつ指示する)などの親向けプログラムで、子どもの行動の困りごとと親の困りごとがどちらも減っていました。
たくさんの研究のまとめ(Thomas, R., & Zimmer-Gembeck, M. J., 2007)
研究でわかっていること 川崎市の保健センターに来た母親が、グループで親の関わり方を学ぶプログラム(トリプルP)を受けました。受けた組だけで、子どもの困ったふるまい、つい強く叱るなどの関わり方、親のうつ・不安・ストレス、子育ての大変さの感じ方が減り、子育ての自信が高まりました。
くらべる組を置いた調査(Fujiwara, T., Kato, N., & Sanders, M. R., 2011)
考えてみてほしい問い 子どもが1回で動いてくれたときは、どんな言い方をしていましたか?
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