文部科学省と日本学生支援機構の公式の資料だけで、家族で決めるための数字をまとめました。トビタテの支給額はその場で計算できます。
中高生の留学で、まず知っておきたい3つ
①人数:文部科学省の調査(令和5年度)で、海外へ3か月未満の研修に行った高校生は31,711人、3か月以上の留学は3,174人です。多くは夏休み・春休みなどの短い研修です。
②単位:高校の留学は、校長が認めれば外国の高校での学習を36単位まで日本の高校の単位として認定できます(学校教育法施行規則第93条)。認定するかどうかは在籍校の判断なので、出発前に必ず学校に確かめます。
③奨学金:国の「トビタテ!留学JAPAN」(高校生等・第12期)は、14日以上1年以内の留学に月12万円または16万円(家計基準外は6万円)と留学準備金を支給します。応募は在籍校を通して行い、第一日程の締切は2027年1月21日(学校から機構への申請)です。
留学の相談は、行き先や会社選びから始めがちですが、単位と奨学金は在籍校を通さないと決まりません。トビタテも個人では応募できず、在籍校を通して申請します。目的と期間が決まったら、最初に学校の担任・留学の担当の先生に相談するのが近道です。
文部科学省は、3か月未満を「研修旅行」、3か月以上を「留学」として分けて数えています。令和5年度の高校生の留学生数(2つの合計)は約3.5万人で、コロナ禍前の平成29年度(約4.7万人)より約1.2万人少なく、国は2033年に12万人を目標にしています。卒業後に海外の大学・語学学校などへ進んだ人は1,635人で、そのうち大学(学部・ファンデーションコース)は1,372人でした。
出典:文部科学省「令和5年度 高等学校等における国際交流等の状況について」(2025年3月28日公表)(2026年11月4日確認)
高校の段階の外国の高校への留学は、学校教育法施行規則第93条第2項で、外国の高校での履修を日本の高校での履修とみなし、36単位を上限に単位の修得を認定できるとされています(2010年4月に30単位から36単位に拡大)。認定されれば、1年間留学しても同じ学年の友だちと一緒に進級・卒業できる場合があります。ただし、認定は「できる」という決まりで、実際に認めるか・何単位か・どんな書類が必要かは在籍校が決めます。
出発前に学校に聞いておきたいこと:留学として許可されるか(休学あつかいか)、認定される単位数と必要な書類(現地の成績証明など)、帰国後の学年、留学中の学費の扱い、大学入試(推薦など)への影響。
出典:文部科学省「高等学校等における外国留学時認定可能単位数の拡大」(2026年11月4日確認)
文部科学省と日本学生支援機構が行う国の留学支援です。返さなくてよい奨学金と留学準備金が出ます。授業料は月額の奨学金にふくまれます。留学準備金は、円安・物価高をふまえて、アジア地域は6万円、その他の地域は10万円が上乗せされます。家計基準を超える人も応募でき、支援予定人数全体の1割程度を上限に採用されます。
トビタテ(高校生等・第12期)でもらえる額を計算する
計算は募集要項の決まり(支給対象月数=活動日数÷31の小数点以下切り上げ、14日以上365日以下)どおりです。往復の移動日は活動日数に入りません。採用されるかどうかは審査で決まります。
支援の条件(募集要項より):日本の高校・中等教育学校の後期課程・高専(3年生以下)などに在籍する日本人生徒等、活動期間が14日以上1年以内、探究活動をふくむ留学計画であること(語学の勉強だけの計画は対象外)、受入先は海外の法人・団体など(ホームステイ先や留学あっせん業者そのものは原則として受入先にならない)、新高校1年生も応募できます。募集は4コース(STEAM探究140人・スポーツ・芸術探究120人・マイ好奇心探究210人・社会課題探究130人)、合わせて600人です。
出典:日本学生支援機構 報道発表(2026年10月1日)と【高校生等対象】第12期派遣留学生募集要項(2026年11月4日確認)
大学生等(第19期)もふくめた支給額の計算・コース・条件はトビタテ!留学JAPANのページにまとめています。
生徒から学校への提出期限は、学校が決めます(機構の締切より前になります)。冬休み前に担当の先生に申し出ると安心です。事前研修(6月)と事後研修への参加が必須です。
トビタテ(高校生等・第12期)には、新高校1・2・3年生が応募できます(新高校2・3年生は第一日程、新高校1年生は第一日程か第二日程)。高校3年生で留学する場合、トビタテでは2028年3月に卒業する予定の生徒は2028年3月31日までに日本に帰国する必要があります。高3の長い留学は、卒業の時期や大学入試の日程と重なるので、単位の認定とあわせて在籍校に早めに確かめます。高1・高2の夏休み・春休みの2週間からの留学も、トビタテの対象(活動日数14日以上)です。支給額や締切のくわしい決まりはトビタテ!留学JAPANのページ(高校生・大学生の計算つき)へ。
3か月以上の留学(高校生・令和5年度)
3か月未満の研修(高校生・令和5年度)
3か月以上の留学は44か国・地域、3か月未満の研修は47か国・地域に広がっています。夏休みの短い留学を国ごとに比べるなら海外サマースクールの比較、まず国内で英語漬けを試すなら国内の英語留学・キャンプへ。
同じ調査の参考値では、令和5年度に中学校から海外の研修・留学(3か月以上をふくむ)に行った生徒は9,227人で、行き先はオーストラリア・ニュージーランド・アメリカの順です。トビタテ(高校生等)は高校生などが対象で、中学生は応募できません。中学生は学校や自治体の研修、夏休みのサマースクールが中心になります。中学卒業後に海外の高校などへ進んだ人は380人でした。
中学生の英語の準備には、英検の級を目安にすると計画が立てやすくなります:英検ロードマップ、英検3級(中学卒業程度)、英検3級の面接練習。
令和6年度の意識調査(約46万人)では、留学したい高校生は34.8%でした。したくない理由で多いのは次のとおりです(複数回答)。
言葉の壁には、行き先の授業についていく英語力を英検・長文・リスニングで先に作っておくことが効きます(英語の長文問題、英検準2級のライティング)。費用には、上のトビタテと都道府県の支援があります(令和5年度は47都道府県すべてが何らかの留学支援に取り組み、留学の経費の支援は21、研修旅行の経費の支援は25都道府県)。住んでいる都道府県の教育委員会のページで確かめます。治安については、外国に3か月以上住む日本人は在外公館への「在留届」の提出が旅券法で義務づけられています。3か月未満なら外務省の「たびレジ」に登録すると、緊急の情報を受け取れます。学校向けには文部科学省の高等学校等における海外留学に関する危機管理ガイドラインがあります。
長い留学や、家族での移住を考えるときは海外教育移住(国別の学費・ビザ)とイギリスのボーディングスクールも参考にしてください。
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