「勉強しなさい」→「うるさい!」。「宿題は?」→「今やろうと思ってたのに!」。── 小学校高学年になると、今まで素直だった子どもが急に反発するようになります。

でも安心してください。それは正常な発達です。問題は子どもの態度ではなく、親の関わり方が子どもの成長スピードに追いついていないことです。この記事では、「管理」から「見守り」にシフトする方法を解説します。

反抗期とは

子どもが親の言うことに反発し、自分のことを自分で決めたがるようになる時期のことです。心理学の決まった用語というより、子育ての中で使われてきた呼び方で、ふつうは次の3つに分けて呼ばれます。どれも「自分」が育っているしるしです。

呼び方ころよく見られる姿
第一反抗期2〜3歳ごろ「イヤ」「自分で」が増える(いわゆるイヤイヤ期)
中間反抗期小学校の低学年〜中学年ごろ口ごたえ・へりくつ。言葉で言い返す力がついてくる
第二反抗期小学校高学年〜中学・高校(思春期)「うるさい」「ほっといて」、部屋にこもる、親より友だち

時期には大きな個人差があり、目立った反抗がないまま大きくなる子もいます。このページは、いちばん長く続く第二反抗期を中心に書いています。思春期の体と心の変化は思春期とは →

この悩み、実はこういう構造です

🔍 反抗期の構造
  • 表面:口答え、無視、「ほっといて」── 親に見える部分
  • 中間:「自分で決めたい」「もう子ども扱いされたくない」── 自我の目覚め
  • 根っこ:アイデンティティの模索。「自分は何者か」を探している最中

反抗期は「親に反抗したい」のではなく、「自分で決めたい」のです。それなのに親が低学年のときと同じように「○○しなさい」と指示し続けると、子どもは反発するしかなくなります。つまり反抗期の対応は、子どもを変えることではなく、親が関わり方を変えることです。

反抗期がない・来ない子は大丈夫?

反抗期が目立たないこと自体は、必ずしも問題ではありません。親に反発しなくても、自分の考えを言葉で伝えられていて、親子で話し合えているなら、自立はちゃんと進んでいます。

気にかけたいのは、反抗がないことよりも、言いたいことを言えずにがまんしている、親の顔色をうかがって決めている様子が続くときです。「反抗期がない=いい子」ではなく、子どもが安心して自分の意見を言える家かどうかを、次の3つで見てみてください。

  • 好きなもの・いやなものを、親とちがっても口にできるか
  • 「どう思う?」と聞いたときに、自分の考えを話せるか
  • 失敗したことを、親に話せるか

学年で変わる「親の役割シフト」

学年親の役割具体的な関わり方
小1〜小2管理者
(レールを敷く)
「17時から宿題ね」「歯磨きして」。具体的な指示を出して、一緒にやる。
小3〜小4コーチ
(選択肢を示す)
「算数と国語、どっちからやる?」。指示ではなく選択肢を与える。決めるのは子ども。
小5〜小6サポーター
(見守る)
「何か困ったことがあったら言ってね」。聞かれたら答える。聞かれなければ待つ。

つまずきやすいのは、小5〜6になっても「管理者」のまま関わり続けることです。子どもは成長しているのに、親の関わり方が更新されていない。このギャップが「反抗」として表面化します。

親が今週やること1つ

「○○しなさい」を1日だけゼロにしてみる。

1日だけ実験してください。「勉強しなさい」「片付けなさい」「早く寝なさい」── すべてゼロ。代わりに「今日は何か予定ある?」と聞くだけ。

子どもの反応を観察してみてください。意外と自分で動くかもしれません。動かなくても、1日で何かが壊れることはありません。この実験で「親が口を出さなくても大丈夫」という感覚を掴めたら、そこから少しずつ「管理」の量を減らしていけます。

❌ 逆効果の声かけ

「何回言ったらわかるの?」
「もう高学年でしょ?」
「○○くんはちゃんとやってるのに」

✅ 効果的な声かけ

「困ったことがあったら言ってね」
「自分で決めていいよ」
「信頼してるよ」

関連する悩みとのつながり

🔗 反抗期は「勉強しない」「スマホ問題」の根っこかもしれません

高学年の「勉強しない」は、反抗期の一部のこともあります。勉強自体が嫌なのではなく、「やれと言われるからやりたくない」。スマホのルールも同じです。反抗期の対応を変えると、勉強もスマホも一緒に改善するケースは珍しくありません。

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最終更新: 2026年3月28日 / 作成: スクールコンパス編集部
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低学年と高学年、女子と男子で、接し方はちがう?

低学年(1〜3年生):「自分でやる!」「やだ!」が増えるのは、できることが増えて、自分で決めたい気持ちが育っている時期だからです。命令より、2つから選ばせると通りやすくなります。「お風呂、いま入る?テレビのあと?」のように、どちらを選んでも親が困らない2つを出します。

高学年(4〜6年生):親から少し離れたがるのは、自分の考えを持ちはじめたしるしです。向かい合って話すと説教に聞こえやすいので、車の中や料理を手伝ってもらうときなど、横に並んでいる時間に短く話します。返事が「べつに」でも、話しかけるのをやめないことが大事です。

女子と男子:体の成長が始まる時期は、平均すると女子のほうが早く、小学校の高学年で体と気持ちの変化が重なる子が多くなります。ただ、男女で決まった「反抗のしかた」があるわけではありません。きょうだいや友だちとくらべず、その子の体の変化の時期に合わせて、プライバシー(部屋・持ち物・スマホ)の線を少しずつ広げていきます。

💬 わが家の場合は、どうしたらいい?

反抗期のことで、わが家の場合を一緒に考えます。

「うるさい」と言われてつらい →反抗期の娘との話し方 →反抗期の息子が口をきかない →

押すと、子育て相談室ですぐ答えが出ます。そのあと、わが家の様子を書き足して続けられます。名前もメールもいりません。

中学生になると、反抗期はどうなる?(高学年のうちに知っておきたいこと)

小学校高学年で始まった反発は、中学に入ると形を変えます。いまのうちに先の見通しを持っておくと、中学で慌てずにすみます。米国を中心に、思春期の親子関係は長く研究されてきました。

けんかの「回数」は中1ごろが多く、「激しさ」はそのあとに来る

思春期の親子の言い争いを調べた研究をまとめた分析では、言い争いの回数は思春期の初め(日本の小6〜中1ごろ)が最も多く、そのあと少しずつ減っていきました。一方で、言い争いのときの感情の激しさは、思春期の初めから半ば(中2ごろ)にかけて強くなっていました(Laursen・Coy・Collins、1998年)。言い争いの相手は、父親より母親のほうが多い傾向もあります。「中2がいちばん大変」と言われるのは、この激しさの山と重なっています。

女子は少し早く、男子は少し遅く始まりやすい

体の思春期は、平均すると女子のほうが1〜2年早く始まります。そのため、女子は小5〜中1ごろ、男子は中1〜中2ごろに反発が強くなることが多いとされます。きょうだいでも時期がちがうのは、ふつうのことです。

気持ちのブレーキが追いつくのは、もう少し先

思春期には、楽しいこと・友だちからの評価に強く反応する脳のはたらきが先に強まり、気持ちや行動にブレーキをかけるはたらきは、20代にかけてゆっくり育ちます(Steinberg の研究)。反抗期の言葉の強さは、子どもの本心というより、このずれから出ていることが多いのです。

中学生の様子は「聞き出す」より「話してもらう」

思春期の子の様子を親がどれだけ知っているかを調べた研究では、親が知っていることの多くは、見張ったり問いつめたりして得たものではなく、子ども自身が話してくれたことから来ていました(Stattin・Kerr、2000年)。中学で話してもらえる親子でいるために、高学年のうちから「話しても怒られない」経験を重ねておくことが、いちばんの準備になります。

高学年のうちに、家でしておけること

  1. 子どもが話しかけてきたら、家事の手を止めて最後まで聞く(意見は、聞かれたときだけ)
  2. 決まりは親が一方的に決めず、スマホや帰宅時刻などを一緒に決める練習をしておく
  3. 言いすぎてしまった日は、その日のうちに修復する(おうちペアトレの修復カード)
  4. 強い言葉が出たら、まず気持ちに名前をつける(気持ちのひと言)

研究:Laursen, B., Coy, K. C., & Collins, W. A. (1998). Reconsidering changes in parent-child conflict across adolescence: A meta-analysis. Child Development, 69(3)./Steinberg, L.(思春期の脳の発達の研究)/Stattin, H., & Kerr, M. (2000). Parental monitoring: A reinterpretation. Child Development, 71(4).

❓ よくある質問

反抗期は中学生のいつまで続く?
言い争いの回数は中1ごろが多く、その後は少しずつ減っていきます。感情の激しさは中2ごろに強くなりやすいとされます(Laursen らの分析)。高校生になるころには落ち着いてくることが多いですが、時期や長さは子どもによってちがいます。
中学生の女子と男子で、反抗期はちがう?
体の思春期は女子のほうが1〜2年早く始まるため、女子は小5〜中1ごろ、男子は中1〜中2ごろに反発が強くなることが多いとされます。言い争いの相手は母親のほうが多い傾向もあります。
中学生の反抗期は、ほっとくのがいい?
放っておくのではなく、問いつめずに話してもらえる関係を保つのがいいとされています。思春期の子の様子を親が知る手がかりの多くは、子ども自身が話してくれたことから来ているという研究があります(Stattin・Kerr)。
小学生でも反抗期はある?
あります。思春期の入り口として、小4〜5ごろから見られることもあります。中学生の反抗期ほど激しくはありませんが、「口答え」「無視」「自室にこもる」といった形で表れます。正常な発達の一部なので、問題行動ではありません。
完全に放任していいの?
放任と見守りは違います。見守りは「関心を持ちながら口を出さない」こと。放任は「関心を失う」こと。子どもが助けを求めたらすぐに対応できる距離にいることが大切です。
反抗期が来ない子は問題?
必ずしも問題ではありませんが、「言いたいことを言えない」「親の顔色をうかがっている」可能性もあります。反抗期がない=良い子ではなく、子どもが安心して自己主張できる環境かどうかを振り返ってみてください。