がい数・四捨五入がわからない子への教え方|つまずきは計算ではなく、指示の読み取りです
✏️ 練習はこちら 小4 がい数・四捨五入プリント(無料・登録不要・答えつき) | プリント一覧 | ほかの教科のつまずき
分からないのは「どの位を見ればいいのか」です。「上から2けたのがい数で」と「百の位までのがい数で」で、見る場所が変わる。ここで毎回止まります。
つまり、これは計算のつまずきではなく指示の読み取りのつまずきです。手順を1つの型に固定すれば、その日のうちに通ることがあります。
なぜ、この単元だけ急に難しく感じるのか
4年生までの算数は、式を見れば何をすればいいかが分かるものがほとんどでした。25+17なら足す。72÷8なら割る。
ところが、がい数は問題文の言葉を読まないと、何をすればいいか決まりません。「上から2けた」「百の位まで」「一万の位までのがい数で」——この言い方によって、見る位も、0にする位も変わります。
計算そのものは、0〜4なら切り捨て、5〜9なら切り上げるだけです。それは1分で覚えられます。難しいのは、その前段にある「どこを見るか」だけです。ここを分けて教えると、急に通ります。
混乱の正体:2つの言い方
| 指示 | 何を求める? | 見る位 | 例:38,472 |
|---|---|---|---|
| 上から2けたのがい数 | いちばん上から数えて2つ分 | 上から3けた目 | 3と8を残す → 上から3けた目は4 → 38,000 |
| 百の位までのがい数 | 百の位まで残す | 十の位 | 十の位は7 → 切り上げ → 38,500 |
| 千の位までのがい数 | 千の位まで残す | 百の位 | 百の位は4 → 切り捨て → 38,000 |
同じ38,472から、38,000と38,500という別の答えが出ます。ここが混乱のもとです。
大事なのは、「上から2けた」は位の名前を言っていないということです。数の大きさによって、上から2けた目が百の位だったり、一万の位だったりします。だから毎回、数の左端から数え直す必要があります。
型を1つだけ渡す
やることは4つで、順番は毎回同じです。声に出しながら手を動かします。
① 求める位に、指を置く
上から2けた目 = 「8」のところ。
② そのひとつ下に、印をつける
38472 の「4」に、えんぴつで小さく○。
③ ○の数字を見る。それだけ見る
4 → 0〜4だから、切りすて。
④ 指より下を、ぜんぶ0にする
38,000。 ③で「それだけ見る」と言うのが大事です。残りの7や2は見ません。「472だから500に近い」と考えてしまう子が、毎年一定数います。
① 求める位 = 百の位 → 「4」のところに指
② そのひとつ下 = 十の位 → 「7」に○
③ 7 → 5〜9だから、切り上げ
④ 百の位を1つ上げて、下を0に → 38,500 同じ数でも、指を置く場所が変わるだけで答えが変わる。これを2つ並べて見せると、「なるほど」となる子が多いです。
「38,472の、上から2けた目はどれ?」→ 8
「38,472の、百の位はどれ?」→ 4
「38,472の、十の位はどれ?」→ 7
位の名前を聞かれて、指をさせるか。 ここで止まるなら、原因はがい数ではなく位取りです。4年生の「大きい数(億・兆)」の単元に戻ってください。位の名前が言えないままがい数を練習しても、通りません。
以上・以下・未満で、もう一度止まる
がい数の後半には、逆向きの問題が出ます。「四捨五入して百の位までのがい数にすると3,000になる整数は、どこからどこまでか」という形です。
ここで必要なのが、以上・以下・未満の区別です。
| ことば | その数を… | 例 |
|---|---|---|
| 3,000以上 | ふくむ | 3,000も入る |
| 3,000以下 | ふくむ | 3,000も入る |
| 3,000未満 | ふくまない | 2,999まで |
覚え方はひとつだけ。「以」がついたら、その数も仲間に入る。「未」は「まだ」だから、まだ届いていない。
そのうえで、「四捨五入して百の位までにすると3,000になる整数」を考えます。切り上げてぎりぎり3,000になるのは2,950。切り捨ててぎりぎり3,000のままなのは3,049。したがって2,950以上3,049以下です。
この問題は、数直線を書かせてください。頭の中だけで両端を決めようとすると、ほぼ確実にどちらかの端を1ずれます。数直線に3,000を中心に置いて、左右にどこまで行けるかを矢印で書く。書けば当たる問題なので、書くこと自体を手順に入れるのが早いです。
四捨五入・切り上げ・切り捨ての使い分け
教科書には、四捨五入以外に切り上げと切り捨ても出てきます。「どれを使うか」は、問題の場面で決まります。
| 場面 | 使うもの | 理由 |
|---|---|---|
| だいたいの人数・金額を知りたい | 四捨五入 | 実際に近い数がほしい |
| 持っていくお金が足りるか | 切り上げ | 足りないと困る。多めに見積もる |
| 何個買えるか | 切り捨て | 半端では買えない |
3年生のあまりのあるわり算で出てきた「あまりをどうするか」と、まったく同じ考え方です。場面を読んで決めるという点で地続きになっています。関連づけて話すと、両方が固まります。
やってしまいがちなこと3つ
それは分かっている子が大半です。分からないのは、どの位を見るかです。そこを飛ばすと何回説明しても通りません。
頭の中で位を数えると、けた数が増えたときにずれます。えんぴつで○をつけるだけで、正答率が変わります。
両端を1ずらす間違いは、書けば消えます。書かせてください。
この単元が、あとで効いてくるところ
がい数は、テストが終われば忘れてよい単元ではありません。
- 5年生の割合:「およそ何%か」を出すとき、四捨五入で位を指定されます
- 6年生の概算:複雑な計算の前に、答えのおよその大きさをつかむ道具になります
- 中学以降・日常:統計の数字、ニュースの人数、買い物の見積もり。すべてがい数です
また、「答えのだいたいの大きさが分かる」ことは、計算ミスに自分で気づく力でもあります。312×48の答えが1,500くらいになったとき、「300×50で15,000くらいのはずだ」と思えるかどうか。がい数を身につけた子は、ここで手が止まります。
教科書会社によって、がい数を扱う時期は10月前後で前後します。お手元の教科書の目次で確認してください。
🖨️ そのまま刷って練習する
解説を読んだあとは、同じ型の問題を少しずつ。1枚10分で終わる量にしてあります。
会員登録も費用も要りません。1日1枚から使えます。
小学4年生は、算数の抽象度が上がる学年です。ほかにも気になることがあれば、学年ごとにまとめてあります。
よくある質問
Q. 「上から2けたのがい数」と「百の位までのがい数」はどう違いますか?
見る位が変わります。上から2けたのがい数は、数の左端から数えて2つ分を残すので、見るのは上から3けた目です。百の位までのがい数は百の位を残すので、見るのは十の位です。38,472であれば、上から2けたのがい数は38,000、百の位までのがい数は38,500となり、同じ数から別の答えが出ます。
Q. どの位を見ればよいか、毎回わからなくなります。
求める位に指を置き、そのひとつ下の位にえんぴつで小さく○をつけてください。見るのはその○の数字だけです。0から4なら切り捨て、5から9なら切り上げます。頭の中で位を数えるとけた数が増えたときにずれるので、必ず印をつけさせてください。
Q. 以上・以下・未満の区別がつきません。
「以」がついていれば、その数もふくみます。3,000以上には3,000が入り、3,000以下にも3,000が入ります。未満はふくまないので、3,000未満は2,999までです。「未」は「まだ」なので、まだ届いていないと考えると覚えやすくなります。
Q. 四捨五入して百の位までにすると3,000になる整数の範囲は?
2,950以上3,049以下です。切り上げてちょうど3,000になる最小の数が2,950、切り捨てて3,000のままでいられる最大の数が3,049だからです。この問題は必ず数直線を書かせてください。頭の中だけで両端を決めると、ほぼ確実にどちらかを1ずらします。
Q. 四捨五入と切り上げ・切り捨ては、どう使い分けますか?
問題の場面で決まります。だいたいの数を知りたいときは四捨五入、持っていくお金が足りるかを見積もるときは切り上げ、何個買えるかを考えるときは切り捨てです。3年生のあまりのあるわり算で出てきた「あまりをどうするか」と同じ考え方なので、関連づけて話すと両方が固まります。
Q. いつ習う単元ですか?
小学4年生で、多くの教科書では2学期、10月前後に扱われます。位取りの理解が前提になるため、億や兆を扱う「大きい数」の単元でつまずいている場合は、そちらに戻るほうが早く進みます。時期は教科書会社によって前後するため、教科書の目次で確認してください。
今日からのチェックリスト
- ☑ 位の名前を聞いて、指をさせるか確認した
- ☑ 求める位に指を置く手順を固定した
- ☑ ひとつ下の位に、えんぴつで○をつけさせた
- ☑ 「○の数字だけを見る」と言った
- ☑ 以上・以下の問題で、数直線を書かせた
この記事のあとに
あわせて読みたい
参考:文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編』。学年と単元の対応は同解説の記述に拠っています。