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📊 割合がわからない もとにする量はどっち?

割合がわからない子への教え方|もとにする量の見つけ方と線分図

まず結論:割合でつまずいている子の大半は、計算ができないのではありません。

「どれをもとにする量とみるか」が決められないだけです。ここさえ決まれば、あとはかけるか、わるかの2択に絞られます。

ですので、公式を先に覚えさせないでください。やることは1つ。問題を読んだら、まず「もとにする量はどれ?」と毎回聞く。これを型にしてください。

割合は、全国的なつまずきの中心です

「うちの子だけできない」と感じているかもしれませんが、そうではありません。割合は全国的に課題として指摘されている単元です。

文部科学省の学習指導要領解説算数編に引用されている中央教育審議会答申では、全国学力・学習状況調査等の結果から、小学校において「基準量、比較量、割合の関係を正しく捉えること」に課題が見られたと示されています。

出典(一次情報):小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編/文部科学省

つまり、つまずいているのは計算ではなく3つの量の関係の捉え方だと、国の側も認識しているということです。ここが分かると、手の入れ方が決まります。

そもそも割合とは何を見ているのか

割合が難しいのは、2つの数量を、個々の数ではなく関係として見るからです。ここが、それまでの算数と決定的に違います。

学習指導要領解説では、割合でみるとは、二つの数量を、個々の数量ではなく数量の間の乗法的な関係でみていくことだとされています。

たとえば「シュートのうまさ」を比べるとき、入った本数だけを見ても分かりません。10本中6本と、20本中12本は、本数は違うのに同じうまさです。この「同じ」と判断する見方が割合です。

ここが割合の入口です。

10本中6本、20本中12本、30本中18本。
本数は全部違うのに、うまさは同じ。

「数が違うのに同じ」という体験を1回させてください。ここに納得できると、割合が何をしているのかが腑に落ちます。

なお、同解説では、数量の関係どうしを割合でみて比べる際は、二つの数量の間に比例関係があることを前提としているとも述べられています。10本中6本の調子で打ち続ければ、20本なら12本入るはずだ、という前提です。

いちばんの関門:もとにする量

割合には3つの量が出てきます。呼び方は教科書によって異なりますが、役割は同じです。

役割意味例(定価500円の20%引き)
もとにする量1とみる量。比べる基準になる定価500円
比べる量もとにする量と比べられる量値引き額100円
割合もとにする量を1としたときの大きさ0.2(20%)

この3つのうち、もとにする量を間違えると、すべて狂います。そして子どもは、ここでいちばん迷います。

見つけ方の手がかり

言葉の位置に手がかりがあります。完全なルールではありませんが、判断の入口になります。

【毎回やる、たった1つの質問】

問題を読み終わったら、必ずこう聞いてください。

「もとにする量はどれ?」

答えられたら、その数に線を引かせる。
答えられなければ、そこが今日やるところです。 メモ:解き方を教える前に、この質問を挟むだけで正答率が変わります。もとにする量が決まらないまま計算を始めるのが、いちばん多い失敗です。

公式より先に、線分図

「くもわ」や「みはじ」のような図式で覚える方法があります。使うこと自体は否定しませんが、それだけで進むと必ず止まります。どの数をどこに入れるかは、結局もとにする量が分からないと決まらないからです。

先にやるべきは線分図です。手順は3つだけです。

① もとにする量の線を引く。その下に「1」と書く
② 比べる量の線を、その上か下に引く
③ 比べる量の線の下に、割合(0.2 など)を書く

これだけで、比べる量がもとにする量より大きいのか小さいのかが目で分かります。答えを出したあとに図と見比べれば、大きさが逆になっている間違いにも自分で気づけます。

2つの型を、図で見分ける

聞かれていること図での見え方やること
比べる量を求める1の線は分かっている。もう一方が空欄もとにする量 × 割合
もとにする量を求める1の線が空欄。もう一方は分かっている比べる量 ÷ 割合
割合を求める両方の線は分かっている。下の数が空欄比べる量 ÷ もとにする量

1の線が空欄かどうか。ここを見るだけで、かけるかわるかが決まります。公式を3つ覚えるより、この見方1つのほうが忘れません。

百分率と歩合が混ざるとき

割合には3つの表し方があります。同じものを別の書き方で表しているだけだと、先に押さえてください。

小数百分率歩合
1100%10割
0.550%5割
0.220%2割
0.055%5分
0.011%1分

この表を紙に書いて、手元に置いて解かせてください。見ながら解いてよいことにするのがコツです。変換で頭を使うと、肝心の割合の理解に手が回りません。

変換は、使っているうちに自然に覚えます。最初から暗記させると、そこでつまずいて先に進めなくなります。

日常の場面で練習する

割合は、算数の中でもっとも日常に出てくる単元です。プリントより、生活の中のほうが練習になります。

いちばん効くのは、買い物です。

「20%引き」と「200円引き」、どっちが得かを考えさせてみてください。もとの値段によって答えが変わることに気づけたら、割合の本質をつかんでいます。

1000円の商品なら20%引きが得。500円の商品なら200円引きが得。ここが見えると、割合が「関係を見る道具」だと実感できます。

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よくある間違いと、その正体

間違い1:かけ算とわり算を取り違える ── もとにする量が決まっていないことが原因です。線分図で1の線が空欄かどうかを確かめさせてください。
間違い2:20%引きを、0.2をかけて終わりにする ── 求めたのは値引き額であって、支払う額ではありません。「何を聞かれたか」に戻る習慣が必要です。
間違い3:答えが明らかにおかしいのに気づかない ── 500円の20%引きが2500円になっても手が止まらない。見当をつける習慣がないためです。
【答えを出したあとの5秒】

「これ、もとの数より大きい?小さい?」
割合が1より小さければ、答えはもとの数より小さくなる。
割合が1より大きければ、答えはもとの数より大きくなる。

この確認を入れるだけで、大きくずれた答えは自分で見つけられます。 メモ:この見当をつける力は、中学以降の数学でもずっと使います。計算前に「だいたいこれくらい」と言わせる練習も有効です。

4年生でつまずいている可能性

5年生の割合が入らないとき、実は4年生の内容に戻る必要があることがあります。

学習指導要領では、第4学年で簡単な場合についての割合を扱うことになっています。ここでは、もとにする量を1とみたときに、比べる量が2、3、4といった整数倍で表される場合を学びます。

つまり、5年生の割合は「◯倍」の考え方が小数に広がったものです。「6は2の3倍」が分からない状態で、「6は2の何%」に進むことはできません。

確かめ方は簡単です。「12は3の何倍?」と聞いてみてください。即答できなければ、割合の前に倍の考え方に戻ってください。遠回りに見えて、こちらが確実です。

倍の考え方は、2年生のかけ算、3年生のわり算から続いています。必要なら九九の教え方まで戻って構いません。積み上げの教科なので、抜けを埋めるほうが早いことがよくあります。

もとにする量が変わる問題

割合の中でも、とくに難しいのがもとにする量が途中で変わる問題です。5年生の終わりから6年生にかけて出てきます。

1000円の品物が、20%引きになりました。
さらに、そこから10%引きになりました。
いくらになりましたか。

ここで多いのが、20%と10%を足して30%引き、としてしまう間違いです。実際には違います。

1回目の20%引きは1000円をもとにするので800円。2回目の10%引きは800円をもとにするので、引かれるのは80円。答えは720円です。

ここでも聞くことは同じです。

「2回目の10%は、何をもとにしてる?」

この一言で、多くの子が気づきます。もとにする量は、場面ごとに決まるという理解が、ここで試されます。

線分図を2本描かせるのが確実です。1本目は1000円を1とした図、2本目は800円を1とした図。図が2つ必要だと分かれば、足し算ではないことが目で見えます。

グラフとセットで理解する

学習指導要領では、第5学年で円グラフや帯グラフを扱うことになっています。これは割合と同じ学年で、偶然ではありません。グラフは割合を目で見る道具だからです。

帯グラフでは、全体が1(100%)で、その中の区切りが各部分の割合を表します。もとにする量が全体であることが、図として最初から示されています。

割合の式でつまずいている子でも、帯グラフなら読めることがあります。その場合はグラフから入って、式に戻る順番が有効です。「このグラフを式で書くとどうなる?」と聞いてみてください。

新聞やニュースのグラフを一緒に見るのも練習になります。円グラフを見て「これは全体の何割くらい?」と聞くだけで構いません。数字がなくても、割合の感覚は育ちます。

6年生・中学につながること

割合は、5年生で終わりません。

また、中学受験を考えているご家庭にとっては、割合は売買損益、濃度、速さ、仕事算のすべての土台になります。5年生のこの時期に線分図の型を作っておくことが、その後の負担を大きく変えます。

ただし、受験の有無にかかわらず、割合は生活で使う知識です。急いで先に進むより、もとにする量を毎回言える状態を作るほうが、結果的に遠くまで行けます。

よくある質問

Q. 割合の公式を覚えさせてもよいですか?

公式そのものが悪いわけではありませんが、公式だけを覚えさせると、どの数をどこに当てはめるかで詰まります。実際に多いつまずきは計算ではなく、もとにする量がどれか分からないことです。中央教育審議会答申でも、全国学力・学習状況調査等の結果から、小学校において基準量、比較量、割合の関係を正しく捉えることに課題が見られたと指摘されています。公式を使うにしても、もとにする量を先に決める手順を必ず挟んでください。

Q. もとにする量は、どう見つければよいですか?

言葉の位置に手がかりがあります。「定価の20%引き」なら定価、「去年に対して120%」なら去年、「全体の3割」なら全体がもとにする量です。「〜の」の直後や「〜に対して」の前にある数量が、もとにする量になりやすいという見方を持っておくと判断しやすくなります。ただし例外もあるため、最終的には場面を図に描いて、どちらを1とみているかを確かめるのが確実です。

Q. 百分率と小数がごちゃごちゃになります。

同じものを別の表し方で書いているだけだ、と押さえるのが先です。0.2も20%も2割も、もとにする量を1とみたときの同じ大きさを表しています。変換の練習をする前に、この対応を1枚の表にして手元に置いてください。表を見ながら解いてよいことにすると、割合そのものの理解に集中できます。変換は使っているうちに自然に覚えます。

Q. 5年生の割合が分からないまま6年生に進んで大丈夫でしょうか?

割合は6年生の比や比例、中学以降の関数につながる内容で、日常生活でも使う場面が多いところです。放置すると影響が長く続くため、時間をかける価値は高いと言えます。ただし焦って詰め込むより、線分図でもとにする量を1と置く手順を確実にするほうが効果的です。学校の進度が心配な場合は、個人面談などで先生に相談してみてください。

今日からの5ステップ

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