ハロウィンのかがく──お店にならんでいるものは、ぜんぶ理科でできている
オレンジのかぼちゃ、白いおばけ、暗いおばけやしき。
どれも「なぜそうなっているか」に、理科の答えがあります。
そして、その多くは家で確かめられます。
おばけやしきが暗いのは、目のしくみを知っているから
明るいところから暗いところに入ると、はじめは何も見えません。しばらくすると、だんだん見えてきます。これを暗順応(あんじゅんのう)といい、完全に慣れるまでにはおよそ30分かかります。
ところが逆はちがいます。暗いところから明るいところに出たときのまぶしさに慣れるのは、1分ほどです。行きは30分、帰りは1分。同じ目なのに、30倍もちがいます。
暗いところでは、目の中のひとみも大きく開きます。ふだんは3ミリから4ミリほどですが、暗いところでは最大8ミリほどまで広がって、少しでも多くの光を取りこもうとします。
🤯 びっくり大事実!暗さに慣れるのに30分、明るさに慣れるのに1分。そのあいだに、目の感じる力は100万倍まで変わっています。おばけやしきが暗くて長い通路になっているのは、この30分を、こちらに味方させないためです。目が慣れきる前に出口に着くように作られている、ということでもあります。
夜、部屋の電気を消して、1分後に何が見えるかを言ってみます。そのあと、そのまま10分すわって、もう一度見てみます。見えるものが増えているはずです。 階段や段差のない、平らな部屋でやってください。歩き回らずにすわったままで確かめます。
こわいと思ったとき、体はもう動き出している
こわいと感じたとき、手のひらに汗をかくことがあります。この汗は、暑いときにかく汗とは別のしくみです。出る場所もちがいます。心が動いたときの汗は手のひら・足のうら・わきの下だけに出て、すずしい場所にいても出ます。反対に、暑いときの汗は、その手のひらと足のうらをのぞいた体の表面から出ます。
手のひらが少ししめると、物をつかんだときにすべりにくくなります。しっかり物をにぎっていたころのなごりだと考えられています。
🤯 びっくり大事実!汗には電気を通す成分が入っています。だから、きんちょうすると手のひらの電気の通しやすさが、ほんの数秒で変わってしまいます。この変化をはかるしくみは、いわゆる「うそ発見器」にも使われています。ただし、はかっているのは体の反応であって、うそそのものではありません。
ジャック・オ・ランタンは、もとはカブだった
いまはオレンジのかぼちゃですが、もとはアイルランドやスコットランドでカブをくりぬいて灯りにしていたと伝えられています。その風習がアメリカへ伝わったとき、現地で手に入りやすかったかぼちゃに置きかわった、という説明が広く共通しています。
おばけが白い理由は、いまも1つに決まっていない
日本のおばけが白いのは、亡くなった方に白い衣を着せる風習と関係があると考えられています。ただし、なぜ白いのかという理由は、1つに決まっていません。赤ちゃんの「赤」と対になる色として白を考えてきたという説と、遠くへ旅に出る人が白い衣を着たことから旅立ちの姿になったという説の、両方があります。
西洋のおばけが白い布をかぶった形で描かれることが多いのも、布で体をつつむ風習と関係があるとされます。こわいものの姿には、その土地の暮らしが入りこんでいます。
🤯 びっくり大事実!おばけの姿は、その国の昔の服装からできています。つまり、おばけを見れば、その国の人が昔なにを着ていたかが分かります。こわいものの正体をたどっていくと、たどりつくのは科学ではなく、その土地の暮らしでした。
ハロウィンの日に読める、きょうのかがく
1日1問、2分で読める理科のコーナーでは、10月27日から31日までの5日間がハロウィン週間です。1日ずつ、ちがう入口から入れます。
ことばのほうも、ついでに
Halloween という言葉は、All Hallows' Eve(聖なる人たちをまつる日の、前の晩)がちぢまったものです。うしろの -een は evening の仲間で、クリスマス・イブの「イブ」と同じ言葉です。Trick or treat! の treat は「おごる」。くわしくは英語のページにまとめてあります。
あわせて読みたい
暗順応と明順応にかかる時間、網膜の感度が100万倍まで変化すること、ひとみの大きさは、人体の用語解説および眼科の一般向け解説によります。心が動いたときの汗と暑いときの汗のちがい、汗が電気を通すこと、皮膚の電気抵抗の変化がうそ発見器に応用されていることは、生理学にもとづく解説によります。ジャック・オ・ランタンがもとはカブであったこと、日本のおばけが白い理由に複数の説があることは、いずれも複数の解説で共通して述べられている内容で、断定はしていません。制作 スクールコンパス編集部