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小学生しんぶん|スクールコンパス編集部|最終更新: 2026年8月14日

偏西風へんせいふうとは? 小学生しょうがくせいにもわかるやさしい解説かいせつ

偏西風とは、中緯度の上空をいつも西から東へ吹いている強い風のことです。日本の天気が西から東へ移り変わるのも、台風が日本の近くまで来ると東へ曲がるのも、この風に流されるからです。

🔍 くわしく

日本の天気は、なぜ西から変わるのか

テレビの天気予報を見ていると、雨雲はいつも西から東へ動いていきます。「明日は西日本から天気が崩れます」という言い方も、毎回そうです。
これは偶然ではありません。日本のある中緯度の上空には、いつも西から東へ吹いている強い風があります。これが偏西風です。雲はこの風に乗って運ばれるので、天気も西から順に変わっていくのです。

なぜ、そんな風が吹いているのか

原因は「赤道と極の温度差」と「地球の自転」の2つです。
赤道のあたりは太陽の光をほぼ真上から受けるのでよく温まります。反対に北極や南極は光を斜めに受けるので冷えています。この温度差があると、空気は暖かいところから冷たいところへ動こうとします。
ところが地球は回っています。動いている地球の上では、まっすぐ進んでいるつもりの空気の流れが横にずれて見える——これを転向力てんこうりょく(コリオリの力)といいます。この力がはたらくことで、中緯度では風が西から東へという向きに落ち着くのです。

東行きの飛行機のほうが、早く着く

東京からアメリカへ飛ぶ飛行機と、アメリカから東京へ戻る飛行機。同じ距離なのに、行きと帰りで時間が違います。東へ向かうときのほうが1〜2時間ほど早く着くことが多いのです。
理由は偏西風です。上空を飛ぶ飛行機は、東へ向かうときは風に背中を押され、西へ向かうときは向かい風の中を進むことになります。とくに強い偏西風はジェット気流ジェットきりゅうと呼ばれ、冬には時速300キロメートルを超えることもあります。
ニュースの用語が、身のまわりの「なぜ」とつながる例です。

台風の進路を決めているのは、台風ではない

ここが今週いちばん大事なところです。台風は、自分の力で進みたい方向へ進んでいるのではありません。まわりの大きな風の流れに流されて動いています。
夏の日本の南東には太平洋高気圧が大きく張り出しています。高気圧のまわりでは時計回りに風が吹き出すので、台風はそのふちをなぞるように北へ上がっていきます。そして日本の近くまで来ると、今度は上空の偏西風につかまって東へ曲がる。
これが「台風は西から東へ進む」の中身です。台風の性質ではなく、そのときの気圧の配置が進路を決めているのです。

だから2026年8月、台風は東から西へ進んだ

2026年8月11日20時、台風15号が茨城県南部に上陸しました。気象庁によると、茨城県に台風が上陸したのは1951年の統計開始以来はじめてです。
なぜこれまで一度もなかったのか。ふつうの進路なら、台風が日本の東側にある茨城県へ届くころにはすでに海の上へ抜けていることが多かったからです。
ところが台風15号は日本のはるか東の海で生まれ、そこから西へ向かって進みました。だから最初にたどり着いた陸地が茨城県になったのです。
「台風は西から来るもの」という思い込みは、正確には「例年の気圧配置では西から来ることが多い」と言いかえられます。

めずらしい進路は、なぜ危ないのか

「めずらしい」と聞くと、たいしたことがないように感じるかもしれません。防災の考え方ではです。
台風がよく通る地域では、どこが水につかりやすく、どの木が倒れやすく、どの道が冠水するかを、住民も市役所も経験として知っています。この積み重ねは、地図には描かれていない立派な防災の力です。
ところが前例のない方向から来ると、その積み重ねが使えません。堤防や防風林、建物の向きも、その土地でふだん吹く風を前提につくられています。前提とちがう方向から風が吹けば、同じ強さでも被害の出方が変わってしまうのです。

理解りかいチェッククイズ

おしてみてください。すぐにこたえあわせができます。

日本の天気が西から東へ移り変わるのはなぜ?

雲は偏西風に乗って運ばれます。だから天気予報は「西日本から崩れます」という言い方になるのです。

台風がふつう日本の近くで東へ曲がるのは、なぜ?

台風は自分の力で進んでいるのではなく、まわりの風に流されて動いています。進路を決めているのは、そのときの気圧の配置です。

2026年8月、台風15号が茨城県に上陸できたのはなぜ?

ふつうの進路なら茨城県に届くころには海へ抜けています。東から西へ進んだため、最初にたどり着いた陸地が茨城県になりました。統計開始(1951年)以来はじめてのことです。

✍️ 記述きじゅつミニ道場どうじょう

中学受験ちゅうがくじゅけん記述きじゅつ問題は、おぼえた言葉ことば問題もんだいではありません。 いを分解ぶんかいし、論点ろんてんをならべ、順番じゅんばんめてからく。 その手順てじゅんそのものがわれています。

【記述問題】2026年8月11日、台風15号が茨城県南部に上陸した。気象庁の統計開始(1951年)以来、茨城県への上陸は初めてである。これまで記録がなかった理由と、今回上陸に至った理由を、「太平洋高気圧」「偏西風」の二語を必ず用いて140字程度で説明しなさい。

① 問いの分解 聞かれているのは「これまでなかった理由」と「今回あった理由」の2つ。片方だけでは半分の得点にしかならない。指定語は2語とも必ず使う。

② 論点整理 ①台風は太平洋高気圧の縁を回って北上する→②日本付近で偏西風に流されて東へ転じる→③日本の東側にある茨城県には到達時点で既に海上へ抜けている例が多かった→④今回は日本の東方海上で発生して西進した→⑤最初に到達した陸地が茨城県となった。

③ 骨子組立 「通常は〜」で①〜③を、「しかし今回は〜」で④⑤を書く。対比の型にすると、原則と例外の関係が採点者に伝わる。

④ 推敲 解答例「台風は通常、日本の南東に張り出す太平洋高気圧の縁を回るように北上し、日本付近で偏西風に流されて東へ進路を変える。そのため日本の東側にある茨城県には、到達する時点で既に海上へ抜けている例が多かった。しかし今回の台風15号は日本の東方海上で発生して西へ進んだため、最初に到達した陸地が茨城県となった。」(145字)
「台風は自ら進むのではなく、周囲の気流に規定されて動く」という一般化まで書ければ上位答案

👨‍👩‍👧 おうちではなすヒント

天気予報を見るとき、雨雲レーダーの動きを一緒に追ってみてください。「ほら、西から来てるね」と1回言うだけで、偏西風は体で覚えられます。飛行機に乗る機会があれば、行きと帰りの所要時間を比べてみるのもおすすめです。

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このページを印刷いんさつすると、したのカードだけがます。

偏西風(へんせいふう)

偏西風とは、中緯度の上空をいつも西から東へ吹いている強い風のことです。日本の天気が西から東へ移り変わるのも、台風が日本の近くまで来ると東へ曲がるのも、この風に流されるからです。

Q. 日本の天気が西から東へ移り変わるのはなぜ?

A. 中緯度の上空を西から東へ吹く偏西風が雲を運ぶから 雲は偏西風に乗って運ばれます。だから天気予報は「西日本から崩れます」という言い方になるのです。

Q. 台風がふつう日本の近くで東へ曲がるのは、なぜ?

A. 太平洋高気圧の縁を回って北上したあと、上空の偏西風に流されるから 台風は自分の力で進んでいるのではなく、まわりの風に流されて動いています。進路を決めているのは、そのときの気圧の配置です。

Q. 2026年8月、台風15号が茨城県に上陸できたのはなぜ?

A. 日本の東の海で生まれて西へ進んだから ふつうの進路なら茨城県に届くころには海へ抜けています。東から西へ進んだため、最初にたどり着いた陸地が茨城県になりました。統計開始(1951年)以来はじめてのことです。

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❓ よくある質問しつもん

Q. 偏西風とジェット気流は、同じものですか?

A. ジェット気流は、偏西風のなかでもとくに強く、細く帯のようになっている部分を指します。つまりジェット気流は偏西風の一部です。冬に強くなり、時速300キロメートルを超えることもあります。

Q. 偏西風は、いつも同じ場所を吹いていますか?

A. いいえ。季節によって南北に移動し、うねるように蛇行します。この蛇行の仕方が、梅雨前線の位置や、猛暑・冷夏にも関わっています。「今年は偏西風が北に寄っている」といった説明を天気解説で聞くことがあります。

Q. 台風の進路は、毎年ちがうのはなぜですか?

A. 太平洋高気圧の張り出し方が年によって違うからです。高気圧が大きく西へ張り出す年は台風が西寄りを通り、張り出しが弱い年は日本の東を通りやすくなります。進路は台風の性質ではなく、そのときの気圧配置で決まります。

🧑‍🔧 このことばを毎日まいにち使つか仕事しごと

偏西風は、ニュースの中だけの言葉ことばではありません。つぎの仕事しごとひとは、この言葉ことば毎日まいにち使つかっています。職業しょくぎょう調しらべや自由研究じゆうけんきゅうのテーマにも使つかえます。

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