ホーム › 小学生しんぶん › 空飛ぶ車(2026年10月)
空飛ぶ車って、もう乗れるの?
テスラの新型ロードスターと、日本の空飛ぶクルマ。ゆめの乗り物は、いまどこまで来た?
まず予想しよう:テスラの車が空に浮くとき、下へふき出していたのは?
空飛ぶ車(空飛ぶクルマ)とは
国が「空飛ぶクルマ」とよんでいるのは、電気で動き、プロペラなどで垂直に離着陸できる、新しい空の乗り物です。英語では「eVTOL(イーブイトール)」ともいいます。名前に「クルマ」とついていますが、日本の法律では航空機のなかまとして扱われ、飛ぶためには国の決まりを守る必要があります。
いっぽう、テスラが見せたのは、ふだんは道路を走るスポーツカーが、空気の反動で一瞬だけ浮くという、ちがう方向のアイデアです。同じ「空飛ぶ車」でも、目ざしているものがちがいます。
テスラの新型ロードスター(2026年10月15日・アメリカ)
テスラは、アメリカ・テキサス州マクレガーにあるスペースX(宇宙ロケットの会社)の試験場で、新型ロードスターを公開しました。車は半分だけのジェットコースターのような坂を、床にすいつくようにして走り上がり、さかさまの向きで飛び出して、空中で向きを直して着地しました。止めてある車やトラックの上を短く飛びこえる「ショートバースト飛行」も見せています。このとき人は乗っておらず、遠くから操作していました。会場のまわりは、アメリカの航空の役所(FAA)に届けて、飛行機が飛べない区域にしてありました。
報道によると、飛ぶための装置をつけた型は1人乗りです。イーロン・マスク社長は、生産を2028年に始めると話しました。ロードスターは2017年11月に予告されてから、発売の予定が何度ものびてきた車です。
テスラ ロードスターの値段は?
新型の値段は、2026年10月16日の時点でまだ発表されていません。2017年に予告したときは、基本の車が20万ドル(日本円で3,000万円ほど)とされていました。速さの数字(時速約97キロまでの加速)は報道によってちがうため、このページではのせていません。
どうやって浮くの?──カギは「空気を下へ」
テスラの車は、ぎゅっとおしこめた空気を、ノズル(ふき出し口)から勢いよくふき出します。燃料を燃やさないので「コールドガス・スラスター」とよばれ、宇宙ロケットが向きを細かく変えるのに使っている技術です。空気を下へふき出すと、その反動で車は上へおされます。
日本の空飛ぶクルマは、電気でプロペラを回して、空気を下へおします。おされた空気がおし返す力で、機体は上がります。しくみはちがって見えますが、どちらも「空気を下へ動かした反動で上がる」ところは同じです。
4年生の理科「とじこめた空気」では、おしちぢめた空気ほど、強くおし返すことを学びます。テスラの車は、その力をうんと大きくして使っています。宇宙のロケットも、自分がふき出したガスにおし返されて進んでいます(きょうのかがく「ロケットは、何もない宇宙でどうやって進むの?」)。
家でためそう:風船ロケット
部屋の両はしに糸をはり、ストローを通しておきます。ふくらませた風船の口を指でおさえたまま、セロハンテープでストローにはりつけ、指をはなします。風船は、空気が出るのと反対の向きへ走ります。大きくふくらませたときと小さいときで、進むきょりをくらべてみよう。
日本の空飛ぶクルマ(大阪・関西万博)
2025年の大阪・関西万博では、SkyDrive(スカイドライブ)の機体が、万博会場と大阪港の離着陸場(バーティポート)でデモ飛行をしました。万博会場では高さ4メートルほど、1回3分ほどで、パイロットは乗らず、自動の制御と遠くからの操作で飛びました。SkyDriveは、2025年7月31日から9月23日までのデモ飛行を安全に終えたと発表しています。
日本の自動車メーカーも、空飛ぶクルマにかかわっています。トヨタ自動車はアメリカの空飛ぶクルマの会社ジョビー・アビエーションに出資し、スズキはSkyDriveと協力して機体づくりを進めています。
映画の「未来」と、くらべてみると
1989年に公開された映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』では、主人公が2015年の未来へ行くと、町の上を車が飛んでいました。映画の「未来」は、もう10年以上も前にすぎています。それでも、空飛ぶ車はまだふつうには走っていません。夢の乗り物を本物にするには、技術だけでなく、安全とルールが追いつく時間が必要だということが分かります。
空飛ぶ車は、いつ乗れる?
正直に言うと、まだ決まっていません。乗れるようになるには、次の3つがそろう必要があります。
- 安全:落ちない、ぶつからないことを、国が決めた方法で確かめる。
- 決まり:どこを飛んでよいか、だれが運転してよいか、事故のときはどうするか。
- 値段と場所:多くの人が使える値段か、どこから飛び立ち、どこに降りるか。
いま小学生のみなさんが大人になるころ、空飛ぶクルマがふつうの乗り物になっているかどうか。それを決めるのは、技術を作る人と、決まりを作る人です。しごと図鑑で、乗り物にかかわる仕事も見てみよう。
中学入試では、こう出る
新しい乗り物のニュースは、時事問題で次の形で問われることがあります。
❶ しくみを説明する「空気をふき出すと、車が反対向きに動くのはなぜか。身近な例をあげて説明しなさい」→「ふき出した空気が車をおし返すから。風船の口をはなすと、空気が出るのと反対に風船が飛ぶのと同じ。」
❷ 課題を考える「空飛ぶ車がふつうに使われるようになるために、決めなければならないことを1つ書きなさい」→「どこを飛んでよいかの決まり」「運転してよい人の決まり」など。
ほかの時事は2026年10月の時事問題まとめで。
親子で話す問い 空飛ぶ車が売られるようになったら、どこへ行ってみたい? そのために、どんな決まりがあると安心?
よくある質問
空飛ぶ車は、いつ乗れるようになりますか?
まだ決まっていません。テスラは新型ロードスターの生産を2028年に始める予定と話していますが、空を飛べる車が道路や空を走ってよいかの決まりは示されていません。日本の空飛ぶクルマも、2025年の大阪・関西万博ではパイロットを乗せないデモ飛行でした。
テスラの新型ロードスターの値段は?
新型の値段は、2026年10月16日の時点で発表されていません。2017年に予告したときは、基本の車が20万ドル(日本円で3,000万円ほど)とされていました。
空飛ぶクルマとは何ですか?
電気で動き、プロペラなどで垂直に離着陸できる、新しい空の乗り物のことです。日本の法律では航空機のなかまとして扱われます。
テスラの車は、どうやって空を飛ぶのですか?
ぎゅっとおしこめた空気を、ノズルから勢いよくふき出して、その反動で浮きます。燃料を燃やさない「コールドガス・スラスター」で、宇宙ロケットの向きを変えるのに使われている技術です。
大阪・関西万博の空飛ぶクルマは、どう飛んだのですか?
SkyDriveの機体が、2025年夏に万博会場と大阪港の離着陸場で、パイロットを乗せずに自動の制御と遠くからの操作でデモ飛行をしました。万博会場では高さ4メートルほど、1回3分ほどでした。
あわせて読む
出典:Investing.com(2026年10月16日)、CNBC(2026年10月15日)、Yahoo!ファイナンス米国版(2026年10月16日)、Gizmodo(2026年10月15日)、オースティン・アメリカン・ステーツマン(2026年10月15日)、Teslarati(2017年の発表の値段)、SkyDriveの発表(2025年7月31日・10月9日、LOGISTICS TODAY)、国土交通省の空飛ぶクルマの説明。2026年10月16日に編集部が確かめました。制作:スクールコンパス編集部。