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皆既日食とは? 小学生にもわかるやさしい解説
皆既日食とは、太陽・月・地球がこの順に一直線に並び、月が太陽をすっかり隠してしまう現象です。昼なのに空が暗くなり、ふだんは見えない太陽のまわりの光(コロナ)が姿を現します。
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「皆既」は「すっかり尽きる」という意味
皆既という言葉は、「すべて・すっかり尽きる」という意味です。太陽がまるごと隠れてしまうから皆既日食。
一部だけ隠れる場合は部分日食、月が少し遠くにあって隠しきれず、まわりが輪のように残る場合は金環日食といいます。3つの呼び名は、隠れ方の違いで使い分けます。
太陽・月・地球が一直線に並んだとき
日食が起こるのは、太陽 → 月 → 地球 の順に一直線に並んだときです。月が太陽の光をさえぎり、地球に影を落とします。
このとき、月の濃い影(本影)が落ちた細い帯の地域だけで皆既日食が見られます。この帯を皆既帯といいます。その外側のうすい影(半影)の地域では、部分日食になります。
だから「今日は皆既日食」といっても、世界のどこでも見られるわけではありません。
だから、日食は必ず新月に起こる
ここが試験でよく問われます。月が太陽と地球の間に入る——これはつまり、地球から見て月が太陽と同じ方向にあるということです。
その状態を、私たちは新月と呼んでいます。月は自分で光っているのではなく太陽の光を反射しているので、太陽と同じ方向にあるときは光っている面が地球を向きません。だから見えない。
したがって日食は必ず新月に起こります。ちなみに月食は、太陽 → 地球 → 月 の順に並ぶので、必ず満月に起こります。
では、毎月の新月に日食が起きないのはなぜ?
新月は月に1回来ます。でも日食は年に2〜5回しかありません。
理由は月の通り道が、少し傾いているからです。地球が太陽のまわりを回る面(黄道面)に対して、月の通り道は約5度かたむいています。だいたいの新月では、月は太陽のちょっと上かちょっと下を通り過ぎてしまうのです。
2つの道が交わるあたりで新月をむかえたときだけ、ぴったり重なって日食になります。
400倍という、信じられない偶然
皆既日食が成り立つには、もうひとつ条件があります。月の見かけの大きさが、太陽とほぼ同じでなければなりません。小さすぎれば隠しきれず、大きすぎればまわりまで隠れてしまいます。
実際の数字を見てください。太陽の直径は月の約400倍。そして地球からの距離も、太陽のほうが約400倍遠い。
大きさが400倍でも、400倍遠くにあれば、見かけの大きさは同じになります。実際、どちらも空では約0.5度の大きさに見えます。
この偶然がなければ、皆既日食という現象は存在しません。なお月は1年に約3.8センチメートルずつ地球から遠ざかっているので、はるか遠い未来には皆既日食は起こらなくなります。
皆既の数分間だけ見える「コロナ」
太陽のまわりにはコロナと呼ばれる、うすいガスの層が広がっています。ふだんはまったく見えません。太陽本体がまぶしすぎて、その光にうもれてしまうからです。
ところが皆既日食の数分間だけ、本体が隠れることでコロナが姿を現します。真珠のような白い光が、太陽のまわりにふわりと広がる——これを見るために、世界中から研究者と観測者が集まります。
おもしろいのは、コロナの温度が100万度を超えるのに、太陽の表面は約6000度しかないことです。なぜ外側のほうが熱いのかは、いまだにはっきり分かっていません。
2026年8月、ヨーロッパで27年ぶり
現地時間2026年8月12日、グリーンランド・アイスランド・スペイン北部などで皆既日食が観測されました。ヨーロッパ大陸の本土で見られる皆既日食は、1999年8月11日以来27年ぶりです。スペインでは1959年以来、アイスランドでは1954年以来のことでした。
皆既が続いた時間は、いちばん長い地点でも約1分50秒。この2分足らずのために、多くの人が国境をこえて移動しました。NASAは雲の上から観測するために、高い高度を飛ぶジェット機にカメラを積んでいます。
なお、この日食は日本からは見られませんでした。
観測するときは、絶対に直接見ない
太陽を肉眼で直接見てはいけません。サングラス、黒い下じき、すすをつけたガラス——どれもだめです。目に見える光を減らしても、赤外線や紫外線は通してしまい、目の奥(網膜)が元にもどらないほど傷つくおそれがあります。
正しい方法は2つ。日食観測用の遮光板を使うか、小さな穴を通して地面に映す(ピンホール投影)です。木もれ日が三日月の形になるのも、同じ原理です。
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おしてみてください。すぐに答えあわせができます。
日食が必ず新月に起こるのはなぜ?
皆既日食が成り立つ理由として正しいのは?
皆既日食のときだけ見える、太陽のまわりのうすい光を何という?
✍️ 記述ミニ道場
中学受験の記述問題は、覚えた言葉を書き出す問題ではありません。 問いを分解し、論点をならべ、順番を決めてから書く。 その手順そのものが問われています。
【記述問題】2026年8月13日は新月であった。この日の前後、ヨーロッパでは皆既日食が観測され、日本ではペルセウス座流星群が好条件で観測された。一見無関係な二つの現象が同じ時期に重なった理由を、それぞれへの作用を分けて140字程度で説明しなさい。
① 問いの分解 「同じ理由」を1つ挙げるだけでは不十分。その理由が、2つの現象それぞれにどう効いたかを分けて書くことが求められている。
② 論点整理 共通の原因=新月。/日食への作用=月が太陽と地球の間に入る位置関係は新月のときにのみ成立するため、日食は必ず新月に起こる。/流星群への作用=新月は夜間に月が出ないため夜空が暗いまま保たれ、光の弱い流星まで見える。
③ 骨子組立 「いずれも新月であることが理由である」と先に結論を置き、そのあと「日食については〜」「流星群については〜」と2つに分けて述べる。最後に「同じ事実が別々の条件として作用した」とまとめる。
④ 推敲 解答例「いずれも新月であることが理由である。日食については、月が太陽と地球の間に入る位置関係は新月のときにのみ成立するため、日食は必ず新月に起こる。流星群については、新月は夜間に月が出ないため夜空が暗いまま保たれ、光度の低い流星まで観測できる。同じ事実が、位置の条件と明るさの条件として別々に作用したのである。」(150字)
「両方とも新月だから」で止めないことが分岐点。
👨👩👧 おうちで話すヒント
夜、月を見上げたときに「今日は満月に近い? 新月に近い?」と聞いてみてください。月の形を意識する習慣がつくと、日食・月食・流星群の話が一気につながります。新月の日は星がよく見えるので、天体観測の予定を立てる目安にもなります。
🃏 一問一答カード(印刷できます)
皆既日食(かいきにっしょく)
皆既日食とは、太陽・月・地球がこの順に一直線に並び、月が太陽をすっかり隠してしまう現象です。昼なのに空が暗くなり、ふだんは見えない太陽のまわりの光(コロナ)が姿を現します。
Q. 日食が必ず新月に起こるのはなぜ?
A. 月が太陽と地球の間に入る位置関係が、新月のときだけ成り立つから 新月とは、月が太陽と同じ方向にある状態のこと。だから月が太陽をさえぎることができるのです。ちなみに月食は必ず満月に起こります。
Q. 皆既日食が成り立つ理由として正しいのは?
A. 太陽の直径も距離も月の約400倍で、見かけの大きさがほぼ同じになるから 大きさが400倍でも、400倍遠ければ見かけは同じ。どちらも空では約0.5度に見えます。この偶然がなければ皆既日食は存在しません。
Q. 皆既日食のときだけ見える、太陽のまわりのうすい光を何という?
A. コロナ コロナです。ふだんは太陽本体がまぶしすぎて見えません。温度は100万度を超え、表面(約6000度)よりずっと熱いという未解決の謎があります。
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❓ よくある質問
Q. 皆既日食は、どのくらいの頻度で起こりますか?
A. 地球全体で見れば、およそ1年半に1回ほど起こります。ただし皆既帯は細い帯なので、同じ場所で見られるのは平均して数百年に1回といわれます。だから多くの人が国境をこえて観測に出かけるのです。
Q. 金環日食と皆既日食は、何が違うのですか?
A. 月と地球の距離が変わるためです。月の軌道は完全な円ではないので、地球から遠いときは月が小さく見え、太陽を隠しきれずに縁が輪のように残ります。これが金環日食です。近いときは隠しきれるので皆既日食になります。
Q. 日食のとき、動物のようすは変わりますか?
A. 変わることがあります。昼間なのに急に暗くなるため、鳥がねぐらに帰ろうとしたり、虫の鳴き声が変わったりする例が報告されています。気温も数度下がることがあります。
🧑🔧 このことばを毎日使う仕事
皆既日食は、ニュースの中だけの言葉ではありません。つぎの仕事の人は、この言葉を毎日使っています。職業調べや自由研究のテーマにも使えます。