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小学生しんぶん|スクールコンパス編集部|最終更新: 2026年8月3日
再使用ロケットとは? どうやってもどってくるのか
再使用ロケットとは、打ち上げたあとにもどってきて、また飛ばせるロケットです。
これまでのロケットは、1回飛ばしたら海に落ちて終わりでした。飛行機のように何度も使おう、という考え方です。
このページが答えること- 使い捨てのロケットとのちがい
- 一段目がもどってきて着陸するまでの流れ
- なぜ1回あたりの費用が下がるのか、その限界
- 安く飛ばせると何が変わり、何が心配になるか
別のページが答えること
- うちあげた先で衛星が何をしているか → 人工衛星のページ
- 探査機が惑星の重力を使って進む方法 → フライバイのページ
- 機体に使われる部品 → 半導体のページ
🚀 再使用ロケットとは
これまでのロケットは、打ち上げるたびに使い捨てでした。再使用ロケットは、飛ばしたあとに機体をもどして着陸させ、点検や整備をして、もう一度飛ばします。旅客機が何度も飛ぶのと同じことを、ロケットでもやろうという考え方です。
飛行機は、東京とニューヨークを何百回も往復します。
1回飛ぶたびに機体を捨てていたら、飛行機のチケットはとんでもない値段になるはずです。
ロケットは、ずっとその「1回きり」をやってきました。
🛬 どうやってもどってくるのか
ロケットは、燃料を使いきった一段目を切りはなして軽くなり、二段目だけが宇宙へ向かいます。再使用ロケットでは、この一段目がそのまま落ちるのではなく、姿勢を立て直し、エンジンを逆向きに使って減速し、脚を出して立ったまま着陸します。地上の着陸台のほか、海にうかべた船の上に降りることもあります。
いちばんむずかしいのは、最後の着陸です。
細長いロケットを、立てたまま、風のふく中で、決めた場所にそっと降ろす。
落ちてくる速さも、残っている燃料の量も、風の強さも、
すべて計算しながらエンジンを調整し続けなければなりません。
💰 なぜ費用が下がるのか
使い捨てでは、機体を作った費用がまるごと1回分の打ち上げ費用になります。再使用なら、同じ機体を何回も飛ばすので、その費用を回数で分け合えます。ただし、もどってくるための燃料を残しておく必要があるため、運べる荷物は少し減ります。点検や部品の交換にも費用がかかるので、何回使えるかで得かどうかが決まります。
ここは、うっかりすると「再使用すればタダになる」と思ってしまうところです。
そうではありません。
もどってくるための燃料を残す分だけ、運べる荷物は減ります。
点検にもお金と時間がかかります。
何回使えるかが、得かどうかの分かれ目です。
🌏 何が変わるのか
打ち上げが安くなると、衛星を増やしやすくなり、天気予報や地図はよくなります。大きな計画でなければできなかったことに、小さな会社も手を出せるようになります。いっぽうで、打ち上げの回数が増えると、こわれた衛星や部品が宇宙に残ってぶつかる危険という新しい問題も生まれます。
うちあげた先で何をしているかは
人工衛星のページで
説明しています。
✅ りかいチェッククイズ
Q1. 再使用ロケットとは、どのようなロケットですか。
打ち上げたあとに機体をもどして着陸させ、点検や整備をして、もう一度飛ばせるロケットです。
Q2. これまでのロケットは、飛ばしたあとどうなっていましたか。
使い捨てでした。1回飛ばしたら海などに落ちて終わりで、次に飛ばすときはまた一から作っていました。
Q3. 一段目がもどってくるとき、減速するために何をしますか。
エンジンを逆向きに使って噴射します(逆噴射)。その前に、落ちながら姿勢を立て直しています。
Q4. 再使用にすると、なぜ1回あたりの費用が下がるのですか。
機体を作るのにかかった費用を、飛ばした回数で分け合えるからです。使い捨てだと、作った費用がまるごと1回分の費用になります。
Q5. 再使用ロケットにも弱点があります。それは何ですか。
もどってくるための燃料を残しておく必要があるので、運べる荷物が少し減ることです。また、点検や部品の交換にも費用と時間がかかります。
✍️ 記述ミニ道場
Q. 再使用ロケットにすると、運べる荷物の重さが少し減ってしまいます。
それはなぜですか。40字程度で書きなさい。
手順1 もどるために何が必要かを書く 減速して着陸するための燃料。
手順2 その燃料をどうするかを書く 使わずに残しておかなければならない。
手順3 結論を書く その分、荷物にまわせる重さが減る。
解答例 もどって着陸するための燃料を残しておく必要があるため、
そのぶん荷物にあてられる重さが減るから。(48字)
採点のポイント 「燃料を残す」という点が入っていれば正解です。
「重くなるから」だけでは、何が重くなるのかが書けていないため点が伸びません。
理由を書くときは、何が増えて何が減るのかをはっきりさせてください。
👨👩👧 おうちで話すヒント
着陸のむずかしさは、ほうきで実感できます。
手のひらの上にほうきを立ててバランスを取ってみてください。数秒でも大変です。
あれを、何十メートルもある機体で、風の中で、空から降りながらやっているのだと伝えると伝わります。
「なんで海に船を用意して、その上に降りるの?」と聞かれたら、
発射した場所まで戻るには余分な燃料がいるからです。
まっすぐ進んだ先の海で受け止めたほうが、燃料が少なくてすみます。
中学入試では、再使用そのものより、
それによって打ち上げが増え、宇宙にごみが残るという環境の問題として出やすくなっています。
「便利になると、別の問題が生まれる」という形は、ほかの単元にも効く見方です。
🃏 一問一答カード(印刷できます)
Q. 再使用ロケットとは
A. 打ち上げたあとにもどして着陸させ、整備してまた飛ばせるロケット。
Q. これまでのロケット
A. 使い捨て。1回飛ばしたら終わり。
Q. もどってくるのはどの部分か
A. おもに一段目。
Q. 減速のためにすること
A. エンジンを逆向きに噴射する(逆噴射)。
Q. 着陸のしかた
A. 脚を出して、立ったまま垂直に降りる。
Q. 着陸する場所
A. 地上の着陸台のほか、海にうかべた船の上。
Q. 費用が下がる理由
A. 機体を作った費用を、飛ばした回数で分け合えるから。
Q. 再使用の弱点その1
A. もどる燃料を残す分、運べる荷物が減る。
Q. 再使用の弱点その2
A. 点検や部品の交換に費用と時間がかかる。
Q. 得かどうかを決めるもの
A. 同じ機体を何回使えるか。
Q. 安くなることの良い面
A. 衛星を増やせる。小さな会社も宇宙を使える。
Q. 安くなることの心配な面
A. 宇宙に残るごみが増え、ぶつかる危険が高まる。
❓ よくあるしつもん
Q. ロケットは全部がもどってくるのですか。
A. 多くの場合、もどってくるのは一段目です。二段目は宇宙まで行くので、そのまま残ったり、燃えつきたりします。全部をもどす形も研究されています。
Q. どうして海の船の上に降りることがあるのですか。
A. 発射した場所まで引き返すには、余分な燃料が必要になるからです。進んだ先の海に船を用意しておけば、少ない燃料で降りられます。
Q. 何回くらい使えるのですか。
A. 機体や設計によって大きくちがい、技術が進むにつれて変わっていきます。回数が多いほど1回あたりの費用は下がるので、どれだけくり返し使えるかが開発の中心になっています。
Q. 日本のロケットも再使用なのですか。
A. 国や会社によって方針がちがい、いまも開発が進んでいる分野です。最新の状況は、宇宙関係の機関が出す発表で確かめてください。
Q. 中学受験では再使用ロケットのどこが出ますか。
A. しくみそのものより、打ち上げが安くなることで衛星が増え、宇宙のごみが問題になるという流れで出ることが多くなっています。「便利になると別の問題が生まれる」という形で覚えておくと書けます。
出典と確認日
このページは特定の統計を引用していません。使い捨てロケットと再使用ロケットのちがい、一段目の帰還と垂直着陸のしくみ、再使用によって1回あたりの費用が下がる考え方は、宇宙関係機関が公表する一般的な解説にもとづいて、スクールコンパス編集部が書き下ろしたものです。特定の会社名・機体名・打ち上げ回数・費用の金額は、変わっていくため扱っていません。図はしくみを示すためのもので、実際の大きさや軌道を表したものではありません。確認日 2026年8月3日。
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