就学時健診とは?いつ・何をする・持ち物|年長の秋にある、最初の学校行事
・いつ:法律で「就学前年の11月30日まで」と決まっています。多くの自治体は10月から11月に実施します。
・通知:9月から10月ごろに郵便で届きます。日時と会場が指定されています。
・会場:入学予定の小学校であることが多いです。
・時間:おおむね1〜2時間。
・これは選抜ではありません。合格・不合格はありません。
就学時健診とは何か
来年の4月に小学校に入る子ども全員を対象に、市区町村の教育委員会が行う健康診断です。就学時健康診断が正式な名前で、就学時健診、就健などと略されます。
根拠は学校保健安全法の第11条です。市町村の教育委員会は、翌年から小学校に就学する子どもについて、健康診断を行わなければならないと定められています。つまり自治体の義務として行われるものであって、入学の可否を決める試験ではありません。
目的は2つです。ひとつは、入学までに治療しておいたほうがよいことを見つけること。もうひとつは、必要なお子さんに、就学に向けた相談の場を案内することです。
いつあるのか
実施の期限は、学校保健安全法施行令の第1条で決まっています。翌学年の初めから4か月前まで——つまり4月1日入学であれば11月30日までです(就学に関する手続に支障がない場合は3か月前まで、という例外があります)。
そのため、多くの自治体では10月から11月にかけて実施されます。通知は、その1〜2か月前、9月から10月ごろに届くことが多くなります。
① 学齢簿の作成:10月31日まで(10月1日に住んでいる市区町村で作られます)
② 就学時健診:11月30日まで
③ 入学期日と通う学校の通知:1月31日まで
文部科学省の説明(学校教育法施行令第2条・第5条、学校保健安全法)による。届く時期や形は市区町村ごとにちがいます。
🖨️ 入学準備チェックリスト(年長の10月から入学式まで・印刷)
当日、何をするのか
検査の項目は、学校保健安全法施行規則の第3条にもとづいて行われます。
| 項目 | 見ること |
|---|---|
| 栄養状態 | 皮膚の色つや、皮下脂肪、筋骨の発達、貧血の有無など |
| 脊柱・胸郭 | 背骨や胸の形の異常がないか |
| 視力・聴力 | 見え方と聞こえ方 |
| 眼の疾病・異常 | 目の病気の有無 |
| 耳鼻咽頭・皮膚 | 耳、鼻、のど、皮膚の疾患 |
| 歯・口腔 | むし歯や歯ならびなど |
| その他の疾病・異常 | 知能に関する検査を含みます |
このうち保護者の方が気にされるのが、最後の知能に関する検査です。多くの自治体では、絵を見て答える、簡単な言葉のやりとりをする、といった短いものです。学力テストではありませんし、点数が本人や家庭に通知される性質のものでもありません。
当日の流れ(一般的な例)
所要時間はおおむね1〜2時間です。下のお子さんを連れて行けるかどうかは自治体によって異なるので、通知を確認してください。
持ち物と服装
いちばん正しいのは、家に届いた通知に書かれていることです。持ち物は自治体ごとにちがいます。たとえば、ふたつの市の公式の案内にはこう書かれています(2026年10月3日に確認)。
- 持ち物(柏市):健康調査書(通知の表面を記入して持参)、母子健康手帳、筆記用具、上履き、くつを入れる袋
- 持ち物(横浜市):上履きとくつを入れる袋(子ども用・保護者用)、筆記用具、ハンカチ
- 服装:上半身を自分で脱ぎ着しやすい、上下が分かれた服。ジャンパースカートやワンピースのような上下がつながった服は避ける(柏市・横浜市)。柏市は、内科の診察で服を脱ぐか、めくって聴診をすると書いています
出典:柏市「小学校入学予定者の就学時健康診断」、横浜市教育委員会「就学時健康診断を行うにあたって保護者の方へ」。健康保険証や予防接種の記録を求める自治体もあるので、通知で確かめてください。
・当日着ていく服で、ひとりで脱いで着る練習を一度しておく
・通知の記入欄を書き、母子健康手帳と一緒に袋に入れておく
・爪を切り、耳の中をきれいにしておく
・当日の朝、トイレを済ませておく 脱ぎ着を「自分でできるか」は、当日いちばん困りやすいところです。前の日に一度、その服で練習しておくと安心です。
子どもへの説明のしかた
年長のお子さんにとって、これは初めて「小学校の中に入る日」です。ここでの印象が、入学までの気持ちにけっこう影響します。
おすすめの言い方はこれだけです。
めがちゃんと見えるか、耳がちゃんと聞こえるか、みてもらうよ。
おなまえを聞かれたら、言えたらいいね。」 「テストがある」「ちゃんとしないと入れない」といった言い方は避けてください。緊張して受け答えができなくなり、結果として本人の力が見えなくなります。
逆に、当日その場で練習させるのもおすすめしません。子どもは、親が緊張していることのほうを敏感に受け取ります。
指摘を受けたとき
健診の結果、治療を勧められたり、相談の案内を受けたりすることがあります。学校保健安全法の第12条に、教育委員会は健診の結果にもとづいて治療を勧告し、保健上必要な助言を行う、と定められています。制度としてそう決まっているということです。
視力や歯については、入学までに受診しておくとその後が楽になります。とくに視力は、黒板が見えるかどうかに直結します。
知能や発達について相談を案内された場合、多くの保護者の方が動揺されます。ただ、この案内は「入学できない」という意味ではありません。入学後に本人が困らないよう、どんな体制が合うかを一緒に考えましょうという趣旨のものです。
迷ったときは、通知に書かれている窓口か、通っている園の先生に、まず一度話してみてください。園は、その子の1年間の様子を毎日見ています。健診の30分より、はるかに多くの情報を持っています。
欠席してしまったとき
体調不良などで行けなかった場合、そのままにしないでください。市区町村の教育委員会に連絡すると、予備日を案内されるのが一般的です。予備日が設定されていない場合は、個別の対応(近隣の会場や別日)を相談することになります。
引っ越しの予定がある場合も、早めに連絡してください。健診を受ける自治体と、実際に入学する自治体が変わることがあります。
就学時健診のあと、入学までの流れ
| 時期 | あること |
|---|---|
| 9〜10月 | 就学時健診の通知が届く |
| 10〜11月 | 就学時健診(11月30日までに実施) |
| 1月末ごろ | 入学する学校と入学期日の通知が届く (学校教育法施行令第5条により、入学期日の2か月前までに通知されます) |
| 1〜2月 | 入学説明会。学用品の案内が出ます |
| 2〜3月 | ランドセル・学用品の準備、名前つけ |
| 4月 | 入学式 |
学用品をそろえるのは、入学説明会のあとにしてください。指定のものがある場合があり、先に買うと買い直しになります。ランドセルだけは、人気の型が早く売り切れる事情があるので別枠で考える形になります。
学童を使うご家庭は、こちらが先です
就学時健診より先に締め切りが来るのが、学童(放課後児童クラブ)の申し込みです。多くの自治体で秋から冬に受け付けがあり、就労証明書が必要な場合は勤務先での発行に2週間ほどかかることもあります。9月のうちに、前年度の募集要項を見ておいてください。10分で終わります。
🏫 学童の申し込みはいつから?──選考で見られることと、入れなかったときの備え →
🗓️ 健診の日と学童の受付日を入れると、わが家の順番が出るカレンダー →
就学時健診の検査の項目(法令で決まっていること)
就学時の健康診断で調べる項目は、学校保健安全法施行令第2条で次のように決まっています。このほかに、面接や簡単な問いかけをおこなう市区町村もあります(内容は市区町村ごとにちがいます)。日時・会場・持ち物は、お住まいの市区町村から届く通知でお確かめください。
- 栄養状態
- 脊柱(せぼね)と胸郭の病気や異常の有無
- 視力と聴力
- 眼の病気や異常の有無
- 耳・鼻・のどの病気と、皮膚の病気の有無
- 歯と口の病気や異常の有無
- その他の病気や異常の有無
出典:学校保健安全法施行令 第2条(就学時の健康診断の検査の項目)。医学的な判断は、健診の担当医や学校医にご相談ください。
🗺️ 健診から入学までの半年、家でやること(3つの時期)
健診が終わると、入学まで約半年です。1年生の最初に学ぶことを先に少しだけ体験しておくと、4月の不安が小さくなります。どれも1日10分で足ります。
10月〜12月(健診のころ):生活のリズムと、名前を読む・書く
1月〜2月:時計と、ひらがな・カタカナ
3月(入学前):学校の1日と、持ち物の準備
いま、家でやっておくとよいこと
先取りの勉強は必要ありません。小学校の授業は、ひらがなを知らない前提で始まります。それより、次の3つのほうが入学後に効きます。
- 自分の名前が言える・聞かれたら答えられる(健診当日にも役立ちます)
- 服の脱ぎ着、トイレ、手洗いが自分でできる
- 「〇〇したい」と言葉で言える(困ったときに先生に伝えられるかどうかが、いちばん大きい)
文字や数は、入学してから始まります。この時期に机に向かわせて嫌いにさせるより、ここを固めるほうが結果的に近道です。
よくある質問
Q. 就学時健診はいつありますか?
学校保健安全法施行令第1条により、翌学年の初めから4か月前まで、つまり就学前年の11月30日までに行われます(就学に関する手続に支障がない場合は3か月前まで)。多くの自治体では10月から11月に実施され、通知は9月から10月ごろに郵送で届きます。実際の日時は市区町村ごとに異なるため、届いた通知でご確認ください。
Q. 就学時健診は何をするのですか?
学校保健安全法施行規則第3条にもとづき、栄養状態、脊柱および胸郭、視力・聴力、眼の疾病、耳鼻咽頭疾患および皮膚疾患、歯および口腔、その他の疾病および異常(知能に関する検査を含む)を確認します。多くの自治体では、簡単な受け答えの場面もあります。所要時間はおおむね1〜2時間です。
Q. 持ち物は何が必要ですか?
通知に書かれているものが正です。多くの自治体で共通するのは、通知と就学時健康診断票、子どもと保護者の上履きとくつ袋、母子健康手帳、筆記用具です。前日までに爪を切り、自分で脱ぎ着できる服を選んでおくと当日が楽になります。
Q. 知能検査があると聞きました。落ちることはありますか?
就学時健診は選抜ではないため、合格・不合格はありません。知能に関する検査は、絵を見て答える、簡単な言葉のやりとりをするといった短いもので、点数が通知される性質のものでもありません。結果に応じて、就学に向けた相談が案内されることがありますが、これは入学できないという意味ではなく、入学後に本人が困らない体制を一緒に考えるための案内です。
Q. 当日に行けなかった場合はどうなりますか?
市区町村の教育委員会に連絡してください。予備日が案内されるのが一般的です。予備日がない場合も、別日や別会場での個別対応を相談できます。そのままにせず、必ず連絡してください。
Q. 入学する学校はいつ決まりますか?
学校教育法施行令第5条により、市町村の教育委員会は入学期日の2か月前までに保護者へ通知することとされています。4月入学であれば、1月末ごろまでに入学する学校と入学期日の通知が届きます。
次にやること
あわせて読みたい
出典:学校保健安全法(昭和33年法律第56号)第11条・第12条、学校保健安全法施行令(昭和33年政令第174号)第1条、学校保健安全法施行規則(昭和33年文部省令第18号)第3条、学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)第5条。日程・会場・持ち物は市区町村ごとに異なります。必ずお手元の通知でご確認ください。