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公立中高一貫校の結果が届いた日──合格しなかったときの言葉と、地元の中学から高校受験への道

不合格は、めずらしいことではありません。2026年の東京都立の中高一貫校の一般枠は、応募倍率が平均3.56倍でした。応募した人のおよそ7割は合格しない計算です。合格しなかったことは、子どものこれまでの力をそのまま表すものではありません。
出典:東京都教育委員会の2026年度最終応募状況の発表(報道で確認)。倍率は学校・年・都県でちがいます。
発表の日親のほうが落ちこむとき「むだだった?」と言われたら高校受験への道わが家のメモ

発表の日

その日、子どもにかける最初の一言

🏠 画面に番号が無い。子どもは黙ってしまった。何か言わなきゃと思うほど、言葉が出てこない。

見立て:今日いるのは、理由や励ましより、気持ちを言葉にしてもらうことです。

なぜ?落ちこんでいる最中は、頭の中が気持ちでいっぱいで、説明や励ましが入る場所がありません。「くやしいね」と気持ちに名前をつけてもらうと、子どもは自分の気持ちを言葉で扱えるようになり、落ちつくまでの時間が短くなっていきます。子どもが話したことを、そのままくり返して返すのも同じ働きをします。

根拠:米国の心理学者ゴットマンの「感情のコーチング」、米国の親子相互交流療法(PCIT)の「くり返す」関わり

今夜から:

  1. 最初の一言は、気持ちに向ける(「くやしいね」「悲しいね」)。
    理由:気持ちを先に受けとめてもらえると、子どもはそのあとの話を聞けるようになるからです。
  2. 子どもが話したら、その言葉をそのままくり返す(「がんばったのに、って思うよね」)。
    理由:自分の気持ちが伝わったと感じると、それ以上強い言い方をしなくてすむからです。
  3. 理由さがしと、これからの話は、今日はしない。
    理由:今日の子どもには入らず、責められたように聞こえやすいからです。

言いかえ:

「次があるよ」→「くやしいね。ずっとがんばってたもんね」
理由:次の話は、気持ちが落ちついてからのほうが届くからです。

「地元の中学でもいいじゃない」→「いまは、悲しくていいよ」
理由:いいところ探しは、悲しむ時間が終わってからにしたほうが、受けとめやすいからです。

✅ 効いているかの見分け方:1週間後、子どもが受検のことを自分から少しでも話す日があれば、気持ちを言葉にできています。

親のほうが落ちこむとき

🏠 子どもより先に、親が泣いてしまいそう。塾代や、かけてきた時間のことも頭をよぎる。

見立て:親が落ちこむのは自然なことです。ただ、親の気持ちの置き場所は、子どもの前ではなく、ほかに1つ用意します。

なぜ?発表の日、子どもは結果より先に親の顔を見ています。親の悲しみを子どもが受けとめる側に回ると、子どもは自分の気持ちを後回しにしがちです。米国の公衆衛生局長官は2024年、親のストレスは親ひとりで受けとめるものではなく、まわりで支える必要があるとする勧告を出しました。

根拠:米国公衆衛生局長官の勧告「Parents Under Pressure」(2024年)。子どもの前での振る舞いの部分は、編集部の考えです。

今夜から:

  1. 親の気持ちを話す相手を、子ども以外に1人決める(家族、友人、聞く欄など)。
    理由:話せる場所が1つあるだけで、子どもの前で落ちついていやすくなるからです。
  2. 「さっきは悲しい顔をしてごめんね」と言いたくなったら、言ってかまわない。
    理由:親も悲しかったと分かると、子どもは自分が悲しむことを許されたと感じやすいからです。

「あんなにお金をかけたのに」→(子どもの前では言わない。話す相手に話す)
理由:子どもは、自分のせいで親が損をしたと受けとりやすいからです。

✅ 効いているかの見分け方:1週間後、親が気持ちを話せた日が1日でもあれば、合っています。

「がんばったの、むだだった?」と言われたら

「むだだった」と言う子への答え

🏠 数日たって、子どもがぽつりと「あんなに勉強したのに、意味なかったね」と言った。

見立て:むだではありません。そう伝えるときは、結果ではなく、やってきたことを具体的に言葉にします。

なぜ?結果ではなく「毎日机に向かった」「作文を何回も書き直した」とやったことを言われた子は、うまくいかなかったあとも、次に挑戦しやすいことが分かっています。反対に、結果や頭のよさで声をかけられた子は、失敗のあとに挑戦を避けやすくなります。資料を読み取る・考えを文章で説明する、といった練習は、中学校のどの教科でも使います。

根拠:Mueller & Dweck(1998年、米国の心理学の実験)。中学校の学習への生き方の部分は、編集部の考えです。

今夜から:

  1. 「むだじゃないよ」のあとに、やってきたことを1つ具体的に言う(「作文を毎週書き直したよね」)。
    理由:具体的に言われると、自分の力として受けとりやすいからです。
  2. 中学校でその力をどこに使えそうか、子どもと1つ考える。
    理由:やってきたことに、次の行き先ができるからです。

言いかえ:

「結果がすべてじゃないよ」→「毎週、作文を書き直してたよね。あれは中学でもそのまま使えるよ」
理由:一般的な励ましより、本人のやったことのほうが届くからです。

✅ 効いているかの見分け方:2週間後、子どもが中学でやってみたいことを1つ口にすれば、気持ちが前に向き始めています。

都立の場合、発表のあとにできること。繰上げ合格候補者通知書が届いた人は、2月10日の入学手続状況の発表のあと、学校から入学願書の電話番号に連絡が来ることがあります。また、受検した本人か保護者は、合格発表の日から8月31日まで、適性検査などの本人の得点の開示を請求できます。どの検査で何点だったかが分かるので、高校受験に向けた振り返りに使えます。
出典:東京都教育委員会「令和9年度 東京都立中等教育学校及び東京都立中学校入学者決定に関する実施要綱」。流れの全体は 合格発表のあと:繰上げ合格と得点の開示。

地元の中学から、高校受験への道(東京都の例)

公立中高一貫校に進まなかった場合、多くは地元の中学校から高校受験に向かいます。東京都立高校の入試のしくみは、次のとおりです。

入試何で決まるか
一般入試(第一次募集)学力検査700点+調査書(中学校の成績)300点+英語のスピーキングテスト(ESAT-J)20点=1020点。学力検査は国語・数学・英語・社会・理科の5教科。
調査書の計算国語・数学・英語・社会・理科の評定は1倍、音楽・美術・技術家庭・保健体育の評定は2倍で計算。
推薦入試調査書と、面接・小論文・作文・実技など。配点は学校ごとにちがいます。

出典:東京都教育委員会「東京都立高等学校入学者選抜における東京都中学校英語スピーキングテスト結果の活用について」、東京都立三田高等学校「第一次募集について」。ほかの県は、県の教育委員会の入学者選抜の要項で確かめてください。年度で変わることがあります。

つまり、中学校の毎日の授業・提出物・定期テストが、そのまま調査書として次の受験につながります。公立中高一貫校を目指して身につけた「毎日机に向かう」習慣は、ここでそのまま生きます。

わが家のメモ:中学でやってみたいこと

発表から少し日がたって、子どもが落ちついたら、一緒に選んでください。選んだことと日付はこの端末の中にだけ残り、2週間後にもう一度聞けます。

中学でやってみたいことは?(いくつでも)

子どもの言葉で(なくてもよい)

子どもが「消えたい」「もう生きていたくない」などと話すとき、眠れない・食べられない日が続くときは、ひとりで悩まずに相談してください。文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)は、子どもも保護者も、夜間・休日をふくめて相談できます。かかりつけの医師や、学校の先生・スクールカウンセラーに話すこともできます。

よくある質問

公立中高一貫校に不合格だった日、最初に何と言えばいいですか?

理由や励ましより先に、気持ちに名前をつける一言にします。たとえば「くやしいね」。落ちこんでいる最中は説明が入りにくく、気持ちを言葉にしてもらうと、子どもは自分の気持ちを言葉で扱えるようになります(米国の心理学者ゴットマンの「感情のコーチング」)。

受検のための勉強は、むだになりますか?

資料を読み取る、考えを文章で説明する、といった練習は、中学校のどの教科でも使います。東京都立高校の一般入試は、学力検査と調査書(中学校の成績)で決まるので、中学校の毎日の授業と提出物が、そのまま次の受験につながります(東京都教育委員会の資料)。

都立高校の入試は、どう決まりますか?

第一次募集の一般入試は、学力検査700点と調査書300点に、英語のスピーキングテスト(ESAT-J)20点を足した1020点で決まります。調査書は、国語・数学・英語・社会・理科の評定は1倍、音楽・美術・技術家庭・保健体育の評定は2倍で計算します。推薦入試は、調査書と面接・小論文などで、配点は学校ごとにちがいます。

このページは、スクールコンパス編集部が書いたものです。体験談ではありません。入試の制度は、必ずお住まいの都県の教育委員会の要項でご確認ください。