理科の時事問題2027──皆既月食・はやぶさ2・H3ロケット・ノーベル賞。中学入試でどう出る?
❓ 2027年の中学入試に向けて、理科の時事はどれを読めばいい?
まずはこの5つです。どれも2025年秋〜2026年秋の出来事で、小学校の理科の単元につながります。
| 出来事 | いつ | つながる単元 |
|---|---|---|
| 皆既月食 | 2026年3月3日 | 月と太陽(6年) |
| はやぶさ2がトリフネを通過 | 2026年7月5日 | 太陽系・速さの計算 |
| H3ロケットとMMX | 2026年10月20日 | 月と太陽・ものの動き |
| ノーベル賞(化学賞に硤合憲三さん) | 2026年10月 | からだのつくり・ものの性質 |
| 流星群(ふたご座など) | 2026年12月14日ごろ | 月と星(4年) |
2026年の入試では、皆既月食が桜蔭・渋谷教育学園幕張・海城で出され、図を見て太陽・地球・月の位置関係を考える問題が中心でした。ニュースを覚えるより、教科書のしくみで説明できるようにしておくのが近道です。
皆既月食2026(3月3日)──日本全国で全過程が見えた
2026年3月3日の夜、日本全国で皆既月食が見られました。国立天文台によると、月は18時50分ごろに欠け始め、20時04分ごろに皆既食、20時34分ごろに食の最大、21時03分ごろに皆既食が終わり、22時17分ごろに部分食が終わりました。皆既のあいだの月は「赤銅色(しゃくどういろ)」と呼ばれる赤黒い色に見えます。
2026年には日食が2回、月食が2回ありましたが、日本で見られたのはこの皆既月食だけです。8月28日の部分月食は、日本からは見えませんでした。
🎯 入試ではこう出る
- 月食は満月のときにしか起きない(太陽・地球・月の順に一直線)。日食は太陽・月・地球の順で、新月のとき。
- 図を見て「このとき月はどの位置か」「地球から見ると月はどちらから欠けるか」を答える。
- 皆既食で月が赤く見えるのは、地球の大気を通った光のうち、赤い光が曲がって月まで届くから。
✏️ 一問一答
月食が起きるのは、月がどの形のとき?
満月のとき
日食のとき、太陽・月・地球はどの順に並ぶ?
太陽・月・地球
皆既食のときの月の色を何という?
赤銅色(しゃくどういろ)
日食2026──2回あったが、日本からは見えなかった
2026年は2月17日に金環日食、8月13日(日本時間)に皆既日食がありましたが、どちらも日本からは見えませんでした(国立天文台の暦要項)。金環日食は、月が地球から遠いときに太陽をかくしきれず、太陽がリングのように見える日食です。
🎯 入試ではこう出る
- 皆既日食と金環日食のちがいを、月と地球の距離で説明する。
- 日食は昼、月食は夜に起きる理由を、太陽・地球・月の並び方で説明する。
流星群2026──ふたご座流星群は12月14日の夜が見ごろ
三大流星群のうち、2026年はペルセウス座流星群(8月)とふたご座流星群(12月)が月明かりの少ない好条件でした。これから見られるのは、しし座流星群(11月17〜18日ごろ)と、ふたご座流星群(12月14日の夜〜15日の明け方)です。ふたご座流星群は、国立天文台の予想では12月14日23時ごろに極大となり、月は21時ごろまでに沈みます。
くわしい時刻と観察シートは、ふたご座流星群2026はいつ何時?にまとめています。
🎯 入試ではこう出る
- 流れ星の正体は、宇宙のちりが地球の大気に飛びこんで光る現象。流星群のもとの多くは彗星が残したちりで、ふたご座流星群は小惑星フェートンがもとと考えられている。
- 「放射点」の意味と、流星群の名前が放射点のある星座からつけられていること。
はやぶさ2は今どこ?──2026年7月5日、小惑星トリフネのそばを通過
はやぶさ2は、2020年12月6日に小惑星リュウグウの砂を地球に届けたあとも、「拡張ミッション」として宇宙を飛び続けています。2026年7月5日18時30分ごろ(日本時間)、小惑星トリフネに最も近づき、トリフネに対して秒速約5kmという速さで通り過ぎながら観測しました(フライバイ)。JAXAの解析では、トリフネは長いところで約840m、短いところで約340m、平均の直径が約540mの細長い小惑星です。
このあとは、2027年12月と2028年6月に地球の近くを通って重力で向きと速さを変え(地球スイングバイ)、2031年7月に最終目的地の小惑星「1998 KY26」への到着を目指します。1998 KY26は直径30mほどかそれより小さく、速く自転していると考えられている小惑星で、到着すれば世界で初めての探査になります。地球にぶつかるおそれのある小惑星から地球を守る「プラネタリーディフェンス(地球防衛)」の研究にも役立てられます。
🎯 入試ではこう出る
- 速さの計算:秒速5kmは時速何kmか(5×60×60=時速18,000km)。
- 小惑星と惑星、すい星のちがい。太陽系の惑星の並び。
- スイングバイ:燃料を使わずに、天体の重力で向きと速さを変えるしくみ。
✏️ 一問一答
はやぶさ2が2020年に砂を持ち帰った小惑星は?
リュウグウ
はやぶさ2が2026年7月5日にそばを通過した小惑星は?
トリフネ
秒速5kmを時速になおすと?
時速18,000km
H3ロケットとは?──失敗から再開し、10号機で火星衛星探査機MMXを打ち上げ
H3ロケットは、日本の新しい主力ロケットです。2025年12月22日の8号機では、衛星を載せる台の部分が壊れ、測位衛星「みちびき5号機」を予定の軌道に入れられませんでした。JAXAは、台の材料を貼り合わせた部分がはがれていたことが原因と結論づけ、対策をしたうえで、2026年6月12日の6号機で打ち上げを再開しました。8月11日の9号機も成功しています。
そして2026年10月20日4時41分、H3ロケット10号機が、鹿児島県の種子島宇宙センターから火星衛星探査機「MMX」を打ち上げ、予定の軌道に入れることに成功しました。H3ロケットとして初めて、地球の重力をふり切って飛んでいける速さ(第2宇宙速度、秒速約11.2km)に達しています。MMXは約1年かけて火星のまわりへ向かい、火星の衛星「フォボス」から砂や石を持ち帰ることを目指します。
🎯 入試ではこう出る
- 火星の衛星はフォボスとダイモスの2つ。地球の衛星は月1つ。
- ロケットを東向きに打ち上げると、地球の自転の向きの速さを利用できる。
- はやぶさ(小惑星イトカワ)・はやぶさ2(リュウグウ)に続く「サンプルリターン(試料を持ち帰る探査)」の流れ。
✏️ 一問一答
MMXが試料を持ち帰ろうとしている火星の衛星は?
フォボス
H3ロケットが打ち上げられる宇宙センターがあるのは何県?
鹿児島県(種子島)
第2宇宙速度はおよそ秒速何km?
約11.2km
ノーベル賞2026──化学賞に硤合憲三さん。理科の3つの賞をやさしく
| 賞 | 受賞した人 | どんな研究? |
|---|---|---|
| 化学賞 | 硤合憲三さん(日本・東京理科大学)、アンリ・カガンさん(フランス) | 右手と左手のように、鏡に映した関係にある分子。そのわずかなかたよりを、反応で大きくふやすしくみの発見 |
| 物理学賞 | フランシス・ハルツェンさん(アメリカ) | 南極の氷の中に置いた観測装置で、宇宙から飛んでくるニュートリノ(ほとんど何でも通り抜ける小さな粒)をとらえた |
| 生理学・医学賞 | カール・ダイセロスさん(アメリカ)、ペーター・ヘーゲマンさん、ゲオルク・ナーゲルさん(ドイツ) | 光を当てると開くしくみを使い、光で神経細胞を動かす「光遺伝学」 |
日本の研究者の化学賞は、2025年の北川進さん(金属有機構造体)に続いて2年連続です。2025年は生理学・医学賞を坂口志文さん(制御性T細胞)も受賞しています。くわしくはノーベル賞2026の受賞者と研究をやさしくへ。
🎯 入試ではこう出る
- 受賞した研究のしくみを、小学校の理科で説明できる部分(光・からだのつくり・ものの性質)で選ばせる選択問題。
- 学習院中等科は、理科の大問1を「前の年に起こった科学の出来事」から作ると説明会で示しており、ノーベル賞はその例に挙がっています。
2026年の入試で、実際に出た理科の時事
| 学校 | 出た時事 | 出され方 |
|---|---|---|
| 桜蔭・渋谷教育学園幕張・海城 | 皆既月食 | 図を見て、月の動きや地球との位置関係を考える |
| 学習院女子 | 猛暑・気温 | 都道府県の中の最高気温と最低気温の差のデータから、差が70度になる県を考える(答えは富士山のある静岡県。標高差に気づけるか) |
| 学習院中等科 | 大問1がまるごと時事 | 前の年に起きた科学の出来事(ノーベル賞・大きな自然災害・新しい発見・宇宙開発)から、選択式で出す |
出典:学習院中等科は学校説明会の資料(2026年度)、そのほかは2026年入試の分析記事(All About)。問題文は写さず、テーマと出され方だけを記録しています。理科の時事の記録は、学校公式の問題で確かめながら増やしていきます。
社会の時事は、中学入試の時事問題はどう出る?──2026年入試100校の出題実績と、時事問題2026 最新まとめ(月ごと)にまとめています。
よくある質問
Q. 理科の時事問題は、どこから出ますか?
その年に起きた科学の出来事から出ます。天体の現象(月食・日食・流星群)、ノーベル賞の研究、宇宙開発(ロケット・探査機)、自然災害や気象がおもな柱です。学習院中等科のように、理科の大問1をまるごと時事問題にしている学校もあります。
Q. 2026年の皆既月食はいつでしたか?
2026年3月3日の夜です。18時50分ごろに欠け始め、20時04分ごろから21時03分ごろまで皆既食となり、22時17分ごろに部分食が終わりました。日本全国で全過程が見られました(国立天文台)。2026年に日本で見られた月食はこの1回だけです。
Q. はやぶさ2は今どこで、何をしていますか?
2026年7月5日に小惑星トリフネのそばを高速で通り過ぎながら観測し、次は2027年12月と2028年6月に地球の重力を使って向きと速さを変え(地球スイングバイ)、2031年7月に小惑星1998 KY26への到着を目指しています(JAXA)。
Q. H3ロケットは今どうなっていますか?
2025年12月22日の8号機は衛星を軌道に入れられませんでしたが、2026年6月12日の6号機で打ち上げを再開し、8月11日の9号機、10月20日の10号機(火星衛星探査機MMXを搭載)と3機続けて成功しています。
Q. 2026年のノーベル賞で、理科につながるのは?
化学賞は日本の硤合憲三さん(東京理科大学)とフランスのアンリ・カガンさんで、右手と左手のように鏡に映した関係の分子のかたよりを増やす反応の研究です。物理学賞は南極の氷で宇宙からのニュートリノをとらえたフランシス・ハルツェンさん、生理学・医学賞は光で神経細胞を動かす「光遺伝学」の3人です。
あわせて読みたい
出典:国立天文台「ほしぞら情報2026年」「皆既月食(2026年3月)」「令和8年暦要項」、JAXA「小惑星探査機『はやぶさ2』による小惑星『トリフネ』フライバイの時刻決定」(2026年6月9日)・同記者説明会資料(2026年7月30日)、JAXA「H3ロケット10号機による火星衛星探査機(MMX)の打上げ」、ノーベル財団の2026年の発表。2026年10月21日に編集部が確認。