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子どもの筋トレは何歳から・何なら良いか
「背が伸びなくなる」は本当か、一次資料で確かめる

「筋トレは背が伸びなくなるって聞いたけど、本当?」。この一言で、多くの家庭が「やらせない」に倒れます。反対に「サッカーで当たり負けするから筋トレさせたい」という家庭もあります。どちらも、確かめられる資料が1つあります。米国小児科学会(AAP)が2020年に出し、2024年11月に再確認した臨床報告です。このページは、その報告に書いてある範囲だけを引いて、家でやる形に落とします。

「背が伸びなくなる」は、報告ではどう書かれているか

報告の「誤解と証拠」の表は、「筋力トレーニングは成長を止めるかもしれない」を誤解の側に置き、証拠として、適切に設計された筋力トレーニングのプログラムが、成長板(骨端線)の健康、身長の伸び、心臓血管の健康に悪い影響を与えたことは示されていないと書いています。あわせて、子どもの筋力の向上は主に神経が筋肉を動かすしくみによるもので、筋肉が大きくなるからではない、とも書いています。 出典:Stricker PR ほか. Resistance Training for Children and Adolescents. Pediatrics 2020;145(6):e20201011 の Table 2「Misconceptions Versus Evidence」および「Skeletal Risks」 publications.aap.org

ただし同じ節に、条件も書いてあります。骨が成熟に近づくまでは、筋肉と腱の付着部で強い力が急にかかると、骨がはがれるけが(剥離骨折)の危険が上がる、と。つまり「正しく設計された」が前提で、重いものを急に持ち上げる形は、この安心の外側です。

何歳から、何なら

報告は「何歳から」を一律には決めていません。発達に差があるからです。そのうえで、5歳でスポーツを始められる子なら、体重を使う動きによる筋力づくりを同じ年齢で始めることは受け入れられるとし、5〜7歳で多くの子がスポーツを始める年齢として、カエルとび・クマ歩き・カニ歩き・カンガルーとび・片足とびを例に挙げています。 同報告「Integrative Neuromuscular Training」の節
小学生の家庭でやってよい形自分の体重だけ。跳ぶ・はねる・支える・引く(片足とび、カエルとび、クマ歩き、壁を押す、鉄棒にぶら下がる)。動きが正しいかを大人が見る。
専門家の指導のもとでなら軽いダンベル・チューブ・メディシンボール。報告は、資格のある指導者が動きを見て、初めは負荷なしか少ない負荷で、正しい形ができてから少しずつ足す、という進め方を示しています。
小学生では別の話重いものを持ち上げる競技(ウエイトリフティング・パワーリフティング)と、見た目のための筋肉づくり(ボディビル)。報告は、筋肉を大きくするには思春期のホルモンが要り、練習を増やしても体の時計は早まらない、と書いています。

回数・週何回・1回の長さ(報告の目安)

同報告「Resistance Training Roadmap」および「Recommendations」

わが家でどう決めるか(判断の道具)

いまの習い事と、足したい筋力づくりを、週の合計時間で見る表です。米国小児科学会は、筋力トレーニングの時間も練習全体の時間に数えるよう求めています。年齢×1時間を超えると、重いスポーツ障害が起きやすかったという国内の文献研究の結果(日本体育協会・2017)も、目安として並べます。

子どもの年齢
いまの習い事・スポーツ(週の合計・時間)
体育・休み時間の運動(週の合計・時間)
足したい筋力づくり(週・回)× 1回(分) 回 ×

目安の出どころ:日本体育協会「スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間について(文献研究)」2017年(スポーツ庁の会議資料)。mext.go.jp(PDF)。判定ではなく、家族で話すための数字です。

家でできる10分(週2〜3回・連続しない日)

  1. クマ歩き 10m×2(手と足で進む。おしりを高く)
  2. カエルとび 8回×2(しゃがんで前へ、音を立てずに着地)
  3. 片足とび 左右8回ずつ×2
  4. 壁おし 10秒×3(壁に両手をついて、体をまっすぐに)
  5. ぶら下がり 10秒×2(鉄棒か、家の安全なところで)
  6. 終わりに、太ももの前・後ろ・ふくらはぎを20秒ずつ、反動をつけずに

8〜12回でちょうど疲れる量が正解です。楽にできるようになったら、回数ではなく「ゆっくり丁寧に」を足してください。重りは足しません。

子ども向け:なぜ筋肉が大きくならないのに強くなるの?

びっくり大事実! 子どものうちは、筋肉が太くならなくても力が強くなります。理由は、脳から筋肉への「命令の線」がふえるから。同じ筋肉でも、たくさんの線がいっせいに「動け」と言うと、大きな力が出ます。だから小学生の筋トレは「太くする」練習ではなく「命令をうまく届ける」練習です。大人になって背が伸び終わったころに、はじめて筋肉そのものが大きくなり始めます。

📓 記録に残す(わが家の体力手帳)

50m走・なわとび・シャトルラン・身長・就寝時刻を、数字1つずつ入れて伸びを見ます。この端末にだけ残ります。順位づけや判定はしません。

わが家の体力手帳を開く →

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このページは医学的な助言をするものではありません。診断や治療については医療機関にご相談ください。事実は文中に示した公的機関・学会・競技団体の資料と、複数の主要報道で確かめられた範囲だけを書いています。制作 スクールコンパス編集部