ホーム › 習い事 › 子どもの体を育てる › いろいろやるか、1つに絞るか
「サッカーを週3、ほかに水泳。多すぎない?」「才能があるなら早く1つに絞ったほうがいい?」。教室やクラブに聞くと、教室の答えが返ってきます。ここでは、子どもの体を見ている学会が何と書いているかを先に置き、そのうえで、うちの子の数字を入れて家族で決める表を渡します。
複数の競技を続けること。米国小児科学会(AAP)の2016年の臨床報告は、少なくとも思春期までは複数のスポーツに参加することがけが・ストレス・燃え尽きの可能性を下げるとし、多くの競技で1つに絞るのは15〜16歳ごろまで遅らせるのがよい、としています。
休む日と休む月。同じ報告は、その競技から週に1〜2日離れること、年に3か月その競技から離れること(1か月ずつに分けてよい)を勧め、離れている間はほかの運動をしてよいと書いています。2024年の報告は、週1〜2日の休みと、1つの競技から年2〜3か月離れることを改めて求めています。
時間の目安。2016年の報告は、1週間の練習時間の目安として年齢の数(時間)に触れ、週16時間を超える練習でけがの危険が上がった高校生の研究と、組織化されたスポーツの時間が自由な遊びの2倍を超えるとけがの危険が上がった研究を挙げています。
日本の資料。日本体育協会の2017年の文献研究は、1週間の活動時間が「年齢×1時間」より多い場合に、重いスポーツ障害の可能性が高かったとまとめています。日本臨床スポーツ医学会の野球の提言は、シーズンオフを設け、野球以外のスポーツを楽しむ機会を与えることが望ましい、と書いています。
出典:AAP「Sports Specialization and Intensive Training in Young Athletes」Pediatrics 2016;138(3) publications.aap.org/AAP「Overuse Injuries, Overtraining, and Burnout in Young Athletes」2024 publications.aap.org/日本体育協会「スポーツ医・科学の観点からのジュニア期におけるスポーツ活動時間について」2017 mext.go.jp(PDF)/日本臨床スポーツ医学会「青少年の野球障害に対する提言」 rinspo.jp(PDF)小学生の時期は、学会の資料を読むかぎり「いろいろ」の側です。ただし「いろいろ」が「掛け持ちで毎日どこかに行く」になると、休む日が消えて、絞ったのと同じ負担になります。決めるのは3つの軸で足ります。
やっている競技・習い事を入れてください(最大4つ)。合計と休む日を、上の目安と並べて出します。判定ではなく、家族で話す材料です。
| 競技・習い事 | 週の回数 | 1回の時間(分) | 曜日(例:火木土) | 本人の楽しみ(1〜3) |
|---|---|---|---|---|
年齢 歳
「休む日を週に1日は作りたいので、この曜日は欠席します」と先に伝えておくと、あとで「来ない子」にはなりません。断り方の文面は習い事の体験の断り方に、そのまま使える形で置いてあります。
びっくり大事実! サッカーで速く走れる子は、走る練習だけをした子ではありません。水泳で肩を、鉄棒で体幹を、おにごっこで急に止まる力を、それぞれ別の場所で育てています。体は「いろいろな動き」の貯金で強くなります。1つの動きばかり続けると、同じ場所ばかり使って疲れがたまります。だから強い選手ほど、子どものころはいろいろやっていた、という話が多いのです。
このページは医学的な助言をするものではありません。診断や治療については医療機関にご相談ください。事実は文中に示した公的機関・学会・競技団体の資料と、複数の主要報道で確かめられた範囲だけを書いています。制作 スクールコンパス編集部