小学生のお小遣い、いくら・何歳から? 学年別の相場と、もめない渡し方
お小遣いとは、子どもが自分で使い道を決めてよいお金のことです。毎月決まった額を渡す・お手伝いのたびに渡す・必要なときに渡すの3つの渡し方があります。
小学生のお小遣いの相場(学年別のいちばん多い額・中央値・平均)
うちの子だけ少ない、多い、ということはあまりありません。月に1回もらう小学生のいちばん多い額は、低学年から高学年まで500円。真ん中の値は低学年・中学年で500円、高学年で1,000円です。小学生の約7割がもらっています。
平均は一部の高い額に引っぱられるので、目安には「いちばん多い額」か「真ん中の値」を見ます。額をそろえるより、「何をお小遣いで買うか」を先に決めると、わが家の額が決まります。
| 学年 | もらっている子 | 月1回:いちばん多い額 | 月1回:真ん中の値 | 月1回:平均 | ときどき:いちばん多い額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 低学年(1・2年) | 72.9% | 500円 | 500円 | 1,004円 | 100円 |
| 中学年(3・4年) | 73.0% | 500円 | 500円 | 864円 | 100円 |
| 高学年(5・6年) | 73.2% | 500円 | 1,000円 | 1,085円 | 1,000円 |
| (参考)中学生 | 83.2% | 1,000円 | 2,000円 | 2,536円 | ― |
この表のもとにした研究・資料(ひらく)
出典:金融広報中央委員会(知るぽると)「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」。全国の小学校・中学校・高校の子どもへのアンケートで、いまのところ最新の全国調査です。調査から年数がたっているので、いまの物価とは差があります。
始め方・使い切るとき・お手伝いとお金の分け方は、このすぐ下の「わが家はどれ?」に続きます。
お金のことは、家庭ごとの考えが出るぶん、迷いますよね。
わが家はどれ? 相談室の答え
相談室に届く相談のうち、この悩みで多い場面です。答えは子育て相談室と同じものです。いちばん近い場面を開いてください:お小遣いは何歳から・いくら?(決め方)/お小遣いをすぐ使い切る・足りないとねだる/お手伝いでお小遣いをあげるべき?
お小遣いは何歳から・いくら?(決め方)
Q. 「〇〇ちゃんはお小遣いもらってるのに、うちはないの?」。始めたほうがいいのか、いくらが正解なのか、決められない。
💬 お小遣いは、よその家と比べやすいぶん、迷いますよね。
金額より先に「何に使うお金か」を決めます
なぜ? お小遣いの額は家庭ごとにちがい、正解の金額はありません。
今夜の1つ お小遣いで買うものと、親が買うものを、子どもと一緒に3つずつ書き出す
📌 明日のための1行カード:もし「お金の話は、子どもにはまだ早い」と言いそうになったら、「お金の使い方、一緒に練習してみよう」と言う
2週間後 2週間後、子どもが「これはお小遣いで買う」「これは家で買ってもらう」と自分で言い分けられていれば、うまく始められています。
そのまま言える言いかえ
- 「お金の話は、子どもにはまだ早い」→「お金の使い方、一緒に練習してみよう」 7歳ごろには、お金に限りがあることや交換のしくみが分かりはじめています。
- 「よその家はいくらなの?」→「わが家は、これを任せるから、この額にするね」 よそと比べると額の話で終わりがちです。何を任せるかで決めると、話がまとまります。
- 「むだづかいしないでよ」→「使ってみて、どうだった?」 小さな失敗は、額が小さいいまのうちに経験しておく値打ちがあります。
今夜の手順
- お小遣いで買うもの・親が買うものを分けて書く 理由:範囲が決まっていないと、毎回「買って」「だめ」の話し合いになるからです。
- 額は、そのリストで1か月にかかる分から決める 理由:相場より、わが家で何を任せるかで額が決まると、子どもも納得しやすくなります。
- 渡す日を決めて、カレンダーに書く 理由:決まった日に決まった額が来ると、先を考えて使う練習になります。
- 1か月後に、使ったものを一緒にふり返る 理由:失敗しても責めず、「次はどうする?」を子どもが決めます。
今夜はしなくていいこと 全国の相場どおりの額にそろえること 理由:調査の額は目安です。何を任せるかが家庭ごとにちがうので、額もちがっていてかまいません。
お子さんに聞いてみる 「お小遣いがあったら、何に使いたい?」
- 「おかし・ジュース」と答えたら:すぐ使う物が多いので、低学年なら週ごとに小さく渡す形から始めます。
- 「ためて、ほしい物を買う」と答えたら:ほしい物の値段を紙に書き、何週間でたまるかを一緒に数えます。待つ力の練習になります。
- 「友だちと遊ぶとき」と答えたら:「友だちとのお金の貸し借り・おごりはしない」を最初の決まりにします。
- 「わからない」と答えたら:まず1か月、決まった日に少しだけ渡して、何に使ったかを一緒に見ます。
学年で変わること 低学年は、ときどき少しずつ渡す家庭が多い時期です。おかしなど、すぐ使う物から任せます。 高学年は、月に1回まとめて渡す家庭がふえます。文房具や友だちと出かけるお金など、任せる範囲を少し広げます。
なぜそうなるか・もとにした研究(ひらく)
お小遣いの額は家庭ごとにちがい、正解の金額はありません。もめやすいのは、額そのものより「何をお小遣いで買い、何を親が買うか」が決まっていないときです。全国の調査では、月に1回もらう小学生のいちばん多い額は、どの学年も500円でした。米国の消費者金融保護局は、6〜12歳はお金の習慣や決まりを、親や友だちのやり方を見ながら身につける時期だとまとめています。小さな額で、子ども自身が決めて使う経験が、その土台になります。
根拠:金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)」2015年度、米国消費者金融保護局「Building blocks to help youth achieve financial capability」2016年
研究でわかっていること 大人になってからのお金の力は、子どものうちに育つ3つの土台(先を考えて待つ力、お金の習慣と決まり、調べて決める力)から来るとまとめた報告です。6〜12歳は、親や友だちのやり方を見ながら、お金の習慣や決まりを身につける時期とされています。
たくさんの研究のまとめ(Consumer Financial Protection Bureau, 2016)
研究でわかっていること 7歳ごろまでに、お金は物と交換するもので限りがあること、先の計画を立てること、すぐに使わずに待つことなど、お金にかかわる考え方の土台が育ちはじめるとまとめた報告です。話して教えるより、実際に使う経験から学ぶとしています。
たくさんの研究のまとめ(Whitebread, D., & Bingham, S., 2013)
考えてみてほしい問い わが家は、お小遣いで何を身につけてほしいですか?
ステップ2 わが家の場合は?(3問で答えが変わるお小遣いの決め方チェック)
上の答えは、多くの家庭に当てはまる答えです。家庭によって、きっかけも強さもちがいます。3つの問いに答えると、わが家の場合の見立てと今夜の1つが変わり、やってみたあとの様子で次の一手を返します。
- お子さんは何年生ですか?(1・2年生/3・4年生/5・6年生)
- お小遣いで、いちばん身につけてほしいことは?(ためる力(がまんして目標の物を買う)/やりくりする力(月の中で分けて使う)/自分で決める力(何に使うか自分で選ぶ)/まだ決めていない)
- 今は、どう渡していますか?(まだ渡していない/ほしいときに渡している/決まった額を渡している)
お小遣いをすぐ使い切る・足りないとねだる
Q. お小遣いの日に、その足でおかしとカードを買って、もう0円。3日後に「足りない、ちょうだい」。
💬 あっという間に使い切ってしまうと、渡す側もがっかりしますよね。
使い切るのは、失敗ではなく練習の途中です
なぜ? もらったその日に使い切ってしまうのは、先のことを考えて待つ力が、まだ育っている途中だからです。
今夜の1つ 足りないと言われても今月はたさず、「来月はどうする?」を一緒に考える
📌 明日のための1行カード:もし「もう使っちゃったの!」と言いそうになったら、「使ってみて、どうだった?」と言う
2週間後 2週間後、ほしい物を見て「これは来月にする」「ためて買う」と、自分から言えた日があれば、待つ力が育っています。
そのまま言える言いかえ
- 「もう使っちゃったの!」→「使ってみて、どうだった?」 責めると隠すようになります。ふり返りの問いにすると、次の使い方を自分で考えます。
- 「しょうがないな、少しだけね」→「今月はこれでおしまい。来月どうするか一緒に考えよう」 すぐ足すと、「足りなければもらえる」と覚えてしまいます。
今夜の手順
- 渡すときに、封筒や箱を2つに分ける(使う・ためる) 理由:目に見える形で分けると、先の分を残しやすくなります。
- ほしい物があるときは、値段と、たまるまでの週を紙に書く 理由:待つ時間が見えると、がまんではなく計画になります。
- 月の終わりに、使ったものを3つだけ書く 理由:全部書くおこづかい帳は続きにくいので、3つで十分です。
今夜はしなくていいこと 使ったお金の中身を、全部問いただすこと 理由:決まりの中で使ったものは、子どもに任せた分です。中身まで責めると、正直に話さなくなります。
お子さんに聞いてみる 「使い切ったあと、どんな気持ちだった?」
- 「べつに平気」と答えたら:困っていないなら、いまの額と使い方で大丈夫です。様子を見ます。
- 「ちょっと困った」と答えたら:困った気持ちがいちばんの先生です。来月、最初に分けておく分(使う・ためる)を一緒に決めます。
- 「もっとほしい」と答えたら:「もっと」の理由を聞き、足すのではなく、ためて買う計画で考えます。
学年で変わること 低学年は、小さな額をすぐ使い切るのはふつうです。週ごとに分けて渡すと練習しやすくなります。 高学年は、月の中でやりくりする練習ができます。ほしい物を何か月かでためる計画を一緒に立てます。
なぜそうなるか・もとにした研究(ひらく)
もらったその日に使い切ってしまうのは、先のことを考えて待つ力が、まだ育っている途中だからです。英国ケンブリッジ大学の研究者のまとめでは、先の計画を立てる力やすぐに使わずに待つ力は子どものうちに育ち、話して教えるより、実際にお金を使ってみる経験から身につくとされています。足りなくなったときに親がすぐ足すと、その練習の機会がなくなります。
根拠:Whitebread・Bingham(2013)英国 Money Advice Service の報告(ケンブリッジ大学)
研究でわかっていること 7歳ごろまでに、お金は物と交換するもので限りがあること、先の計画を立てること、すぐに使わずに待つことなど、お金にかかわる考え方の土台が育ちはじめるとまとめた報告です。話して教えるより、実際に使う経験から学ぶとしています。
たくさんの研究のまとめ(Whitebread, D., & Bingham, S., 2013)
考えてみてほしい問い わが家で、お金が足りなくなったとき、子どもはどうすればいいことにしますか?
お手伝いでお小遣いをあげるべき?
Q. 「お手伝いしたら、お金ちょうだい」。払ったほうがやる気になるのか、家のことにお金を払っていいのか、迷う。
💬 お手伝いとお金の線引きは、家庭ごとに考えが分かれるところですよね。
家のことは家族の仕事、お金は別の約束にします
なぜ? お手伝いのたびにお金を払うと、払わない日にはやらなくなることがあります。
今夜の1つ 家族の仕事を1つ、お金とは別に、子どもに選んでもらう
📌 明日のための1行カード:もし「お手伝いしたら100円あげる」と言いそうになったら、「これは家族の仕事ね。助かってるよ」と言う
2週間後 2週間後、お金の話をしなくても、決めた家族の仕事を子どもが続けられていれば、うまく分けられています。
そのまま言える言いかえ
- 「お手伝いしたら100円あげる」→「これは家族の仕事ね。助かってるよ」 毎日の家のことにお金をつけると、払わない日にやらなくなることがあります。
- 「お金ほしいなら手伝って」→「特別な仕事をしてくれたら、お礼を払うね」 特別な仕事だけをお金と結ぶと、働くこととお金のつながりも学べます。
今夜の手順
- 家族みんなの仕事(お金なし)を書き出す 理由:お金がつくのは特別な仕事だけ、と線が引けます。
- 特別な仕事(お金あり)を1〜2つだけ決める 理由:働いてお金を得るしくみを、小さく体験できます。
- できた日は「何が助かったか」を具体的に伝える 理由:役に立ったことが分かると、お金がなくても続きます。
今夜はしなくていいこと 家の仕事をしなかった日に、お小遣いを減らすこと 理由:お小遣いと家の仕事を結びつけると、お金のための仕事になりやすくなります。分けたままにします。
お子さんに聞いてみる 「家のことで、自分がやってもいい仕事はどれ?」
- 「配ぜん・片付け」と答えたら:毎日の仕事にして、できた日はカレンダーに印を。お金ではなく「助かった」で返します。
- 「洗たく物をたたむ」と答えたら:週末の仕事にします。たたみ方は最初の1回だけ一緒に。
- 「ペットや植物の世話」と答えたら:命を預かる仕事です。毎日の時刻を決めて、忘れた日は責めずに一緒にやります。
学年で変わること 低学年は、配ぜん・くつをそろえるなど、すぐ終わる仕事から。 高学年は、洗たくや料理の一部など、家族の役に立っていると分かる仕事を任せます。
なぜそうなるか・もとにした研究(ひらく)
お手伝いのたびにお金を払うと、払わない日にはやらなくなることがあります。ごほうびの研究をまとめた分析では、物やお金のごほうびは、もともと自分からやっていたことへの気持ちを弱めることがあると分かっています。ふだんの家のこと(自分の片付け・配ぜん)は家族みんなの仕事としてお金と切り分け、ふだんはしない特別な仕事だけをお金と結びつけると、両方のよさを生かせます。
根拠:Deci・Koestner・Ryan(1999)Psychological Bulletin(ごほうびとやる気の研究をまとめた分析)
研究でわかっていること 128の実験をまとめたところ、「やったら物をあげる」と先に約束するごほうびは、その活動そのものへの意欲を下げていました。物のごほうびは大学生より子どもで悪い影響が出やすく、一方で「できたところ」を言葉で伝えることは意欲を高めていました。
たくさんの研究のまとめ(Deci, E. L., Koestner, R., & Ryan, R. M., 1999)
考えてみてほしい問い わが家で、子どもに家族の一員として任せたい仕事は何ですか?
「うちの額は少ない?多い?」「いつから始める?」。お小遣いは、よその家と比べやすいぶん、迷いやすいものです。まず全国の数字で答え、そのあと、わが家での決め方を場面ごとにまとめました。
お小遣いの決め方は、額より「何を任せるか」から
同じ500円でも、おかしだけを任せる家と、文房具まで任せる家では、意味がまったくちがいます。額を先に決めるともめやすく、「何をお小遣いで買うか」を先に決めると、額は自然に決まります。
| 任せるもの | 低学年の例 | 高学年の例 |
|---|---|---|
| すぐ使うもの | おかし・ガチャ | おかし・飲み物 |
| ためて買うもの | シール・小さなおもちゃ | 本・カード・ゲームのソフトの一部 |
| 友だちと使うもの | (まだ任せない家が多い) | 友だちと出かけるときの飲み物など |
| 親が買うもの(任せない) | 学用品の基本・服・本人の習い事の道具・家族の外食 | |
渡し方は3つ。小学生には「定額+特別な仕事」が始めやすい
| 渡し方 | よいところ | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 定額(毎週・毎月、決まった額) | 先を考えて使う・ためる練習になる | 足りなくなったときに、すぐ足さないこと |
| 報酬(お手伝いのたびに払う) | 働くこととお金のつながりが分かる | 払わない日にやらなくなることがある(上の「お手伝い」の場面) |
| そのつど(必要なときに渡す) | 使い道を親が見られる | 自分でやりくりする練習にはなりにくい |
米国の消費者金融保護局は、6〜12歳を「お金の習慣や決まりが、親や友だちのやり方を見ながら育つ時期」としています。小学生のうちに、少ない額で、自分で決めて、ときどき失敗して、ふり返る。その経験を重ねることが、お小遣いのいちばんの値打ちです。
お小遣いのよくある質問
小学生のお小遣いの相場はいくらですか?
全国の調査(金融広報中央委員会、2015年度)で、月に1回お小遣いをもらっている小学生のいちばん多い額は、低学年・中学年・高学年とも500円でした。真ん中の値(中央値)は低学年・中学年で500円、高学年で1,000円です。平均は低学年1,004円、中学年864円、高学年1,085円で、平均は一部の高い額に引っぱられるので、目安には最頻値か中央値を見ます。
お小遣いは何歳から渡すのがいいですか?
決まった年齢はありません。全国の調査では、小学生の約7割(低学年72.9%、中学年73.0%、高学年73.2%)がお小遣いをもらっていて、低学年から始めている家庭が多いことが分かります。英国の研究者のまとめでは、7歳ごろにはお金に限りがあることや交換のしくみが分かりはじめるとされているので、小学校に入るころに、少ない額から始めるのは理にかなっています。
小学1年生・2年生のお小遣いはいくら?
低学年は「ときどき」もらう子がいちばん多く、そのときの額は100円がいちばん多い答えでした。月に1回もらう子では500円がいちばん多い額です。すぐ使い切るのがふつうの時期なので、週ごとに小さく渡すと練習しやすくなります。
小学5年生・6年生のお小遣いはいくら?
高学年では、月に1回もらう子がふえ、いちばん多い額は500円、真ん中の値は1,000円でした。ときどきもらう子では1,000円がいちばん多い答えです。文房具や友だちと出かけるお金など、任せる範囲を広げる家庭がふえる時期です。
中学生のお小遣いはいくら?
同じ調査で、中学生の月のお小遣いは、いちばん多い額が1,000円、真ん中の値が2,000円、平均が2,536円でした。小学生のうちに、任せる範囲と額の決め方を親子で練習しておくと、中学生になってからの話し合いがしやすくなります。
お小遣いはお手伝いの報酬にしたほうがいい?
ふだんの家のことは家族の仕事としてお金と分け、特別な仕事だけをお金と結びつける形をおすすめします。ごほうびの研究をまとめた分析では、物やお金のごほうびは、自分からやっていたことへの気持ちを弱めることがあると分かっています(Deci・Koestner・Ryan、1999年)。
お小遣い帳はつけたほうがいい?
全国の調査では、おこづかい帳をつけている子は2割ほどで、続けるのはむずかしいものです。全部を書くより、月の終わりに使ったものを3つだけ書いて親子でふり返るほうが続きます。