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小学生しんぶん|スクールコンパス編集部|最終更新: 2026年9月3日

予防原則(よぼうげんそく)とは? 小学生にもわかるやさしい解説

予防原則とは、「はっきりした証拠はまだないけれど、大きな被害が出るかもしれないなら、先に手を打っておこう」という考え方です。
もともとは環境の問題で使われてきた言葉です。

⚖️ 使われるのは、どんなときか

この考え方が強く効くのは、あとから取り返しがつかないときです。

分かれ目は「あとで取り返せるか」 あとで戻せる → 証拠が出るまで待てる あとで戻せない → 証拠が出る前に止める ただし「待たずに止める」ことにも代償がある 止めているあいだに得られたはずの利益は、戻ってこない
予防原則が使われる場面

あとで戻せるなら、証拠が出るまで待つという選び方もできます。でも戻せないなら、待っているあいだに手おくれになってしまいます。

たとえば、ある川の水が汚れているかもしれないというとき。汚れが証明されるまで待つと、そのあいだに魚がいなくなるかもしれません。だから先に流すのを止める、という判断です。

🗽 2026年9月のニュースで

ニューヨーク市が小中学生の生成AIを1年間止めたとき、市長が言ったのは「AIは有害だ」ではなく「有益だという証拠をまだ見ていない」でした。

そのうえで前提に置かれたのが、子どもが基礎の力を育てる時期は戻ってこないということです。これは予防原則に近い考え方です。

全員止めるのか、一部で試すのか 小学生・中学生 およそ60万人 全員、1年間止める 土台をつくる時期を守る 高校生 最大5万人(およそ5%) 一部で試す 先生の目の前で、時間を決めて
規模の配分そのものが、判断になっている

💭 ただし、反対の言い分もあります

止めている1年も、戻ってきません。そのあいだに得られたはずの学びは失われます。ほかの地域の子は、そのあいだに使い方を身につけているかもしれません。

つまり、賛成の側にも反対の側にも「取り返しのつかないもの」があるという形になっています。

こういうとき、手がかりのひとつが規模です。全員を止めるのか、一部で試すのか。ニューヨーク市は小中学生は全員止め、高校生は5%で試すという配分を選びました。この配分そのものが答えになっている、とも読めます。

❓ 理解チェック

Q1 予防原則とは、どのような考え方ですか。

こたえを見る

こたえ:証拠が出る前でも、大きな被害のおそれがあれば先に対策する もともとは環境政策の分野で使われてきた考え方です。

Q2 この原則がとくに説得力を持つのは、どんな場合ですか。

こたえを見る

こたえ:影響が取り返しのつかない場合 あとから戻せるなら、証拠が出るまで待つという選択もありえます。

Q3 ニューヨーク市の措置で、前提に置かれた「戻らないもの」は何ですか。

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こたえ:子どもが基礎の力を育てる時期 一方で、止めている1年もまた戻らないという反論も成り立ちます。

Q4 賛成側にも反対側にも「戻らないもの」があるとき、手がかりになる見方は。

こたえを見る

こたえ:規模(全員か、一部か) ニューヨーク市は小中は全員停止、高校は約5%で試行という配分を選びました。

✍️ 中学受験の記述問題

【問題】予防原則にもとづいて先に対策をとることには、どのような代償がありますか。80字以内で書きなさい。

解答例 被害が実際には起きなかった場合でも、対策をとっているあいだに得られたはずの利益が失われる。その期間もまた取り返すことができないという代償がある。(71字)

📚 ことばでも、つながっています

予防原則の考え方を、日本語のことわざで言うとこうなります。転ばぬ先の杖 備えあれば憂いなし 石橋を叩いて渡る ことば大辞典

🔗 あわせて読む

出典:ニューヨーク市長室の発表(2026年9月2日)ほか。予防原則の定義は環境政策の分野で用いられてきた一般的な説明によります。

📗 ここから、教科書につなげる

ニュースで見た言葉は、理科と社会のどこかにつながっています。空と天気  地方のようすのドリルで確かめられます。

きょうのかがく(1日1問・2分) この言葉で自学にする 新聞にまとめる 今月の時事問題