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きょうのかがく 6月の問い(30問)

1日1問、2分で読める理科の読み物の、6月の分です。こたえを先に出しません。まず問いを読んで、どっちだと思うかを考えてから開いてください。最後の「きょうためせること」は、家にあるものでできることだけです。
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6月の問い

6月1日からだ

あせをかくと、どうしてすずしくなるの?

かわくとき 熱を もっていくあつさ指数気温は 1わりだけ9わりは かわけるか

どっちだと思う? あせは 冷たい水なので 体をひやす / あせが かわくときに 体から熱を もっていく

こたえを見る

あせそのものが冷たいのではありません。あせが皮ふの上で蒸発するときに、体から熱をうばっていくからです。水は、液体から気体に変わるときにまわりの熱を持っていきます。だから、あせは「かいた瞬間」ではなく「かわいた瞬間」に体を冷やしています。かいたまま流れ落ちてしまったあせは、ほとんど体を冷やしていません。

びっくり大事実! あせは、かいたときではなく、かわいたときに仕事をしている。流れ落ちたあせは、まだ何もしていない。だから、ふいてもいいけれど、ふきすぎると涼しくならない。

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ここから、こまった話が出てきます。まわりの空気がすでに水でいっぱい、つまり湿度が高いと、あせは蒸発しにくくなります。蒸発できなければ熱をうばえないので、いくらあせをかいても体温が下がりません。梅雨の日に、気温はそれほど高くないのに苦しく感じるのは、これが理由です。環境省が使っている暑さ指数(WBGT)という数字は、まさにこの点をとらえるために作られました。屋外の計算式は、湿球温度に0.7、黒球温度に0.2、乾球温度に0.1をかけて足します。乾球温度というのが、ふつうの気温のことです。つまり気温そのものの重みは、10分の1しかありません。いちばん重いのは、湿球温度。ぬれた布を巻いた温度計の値で、あせがどれだけ蒸発できるかを表しています。

👤 これを調べた人の話
暑さ指数を最初に考えたのは、アメリカで訓練中の熱中症を減らそうとした人たちでした。気温だけを見ていては人が倒れる理由が説明できない、と気づいたところから始まっています。「測るものをまちがえていないか」と問い直すことが、たくさんの人を守りました。

知っていると、なにがうれしいか 暑いか涼しいかを、気温だけで決めなくてよくなります。うちわの一あおぎの意味が変わります。

きょうためせること うでの内側に水を少しつけて、片方だけうちわであおいでみよう。あおいだほうが、はっきり冷たく感じます。あおぐと、皮ふの近くにたまった湿った空気が飛ばされて、蒸発が進むからです。せんぷうきが涼しい理由も、同じです。

6月2日もの

かさは、なぜ水をはじくの?

玉のまま ころがるはじく面ぬれる面玉に ならなく なったら 合図

どっちだと思う? 布に 水をはじく 表面のせいしつが あるから / 布に 水より小さい 穴が 開いているから

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布のすきまが小さいことと、布の表面が水となかよくならないように加工してあること、この2つがそろっているからです。かさの布は、糸がぎっしり織られていて、水のつぶが通りぬけられないほどすきまが細かくなっています。そのうえで表面に水をはじく加工がしてあるので、水は布にしみこまずに、丸いつぶのまま転がり落ちます。

びっくり大事実! かさがしみてくるのは、布に穴があいたからではないことが多い。表面の性質が変わっただけ。かさは、破れる前に「はじく力」から先に年をとる。

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水のつぶが丸くなるのは、水にはできるだけ小さくまとまろうとする力(表面張力)があるからです。ぬれやすい面の上では、水はその力に負けて平たく広がります。はじく面の上では、力が勝って玉のままでいられます。だから、かさの上で水が玉になって転がっていたら、加工がまだ生きているという合図です。この加工は、使っているうちに弱ってきます。こすれたり、よごれがついたりすると、水が玉にならずに広がるようになります。そうなると布のすきまに水が入りこみ、やがて裏側にしみてきます。かさがしみるようになるのは、布に穴があいたからではなく、表面の性質が変わったからであることが多いのです。

👤 これを調べた人の話
水をはじく布を作ってきた人たちは、蓮の葉やカモの羽根をずっと観察してきました。自然の中にすでにある答えを、まねさせてもらう。これは科学の、とても正しいやり方の一つです。

知っていると、なにがうれしいか かさを買いかえるかどうかを、見た目ではなく水の形で決められるようになります。

きょうためせること 雨の日に、かさの表面で水がどんな形をしているかを見てみよう。まん丸の玉なら加工が元気、平たく広がっていたら弱ってきた合図です。同じかさでも、よく手で持つところだけ広がっていることがあります。

6月3日デジタル

雨雲レーダーは、どうやって雨のばしょを見つけているの?

レーダー電波を なげる帰る時間で きょり強さで 雨の強さ

どっちだと思う? カメラで 雲を 上から とっている / 電波を投げて はね返る 時間を はかっている

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雨を見ているのではありません。電波を投げて、はね返ってくるのを待っています。気象レーダーはアンテナから電波を出し、雨や雪の粒に当たってもどってきた電波を受け取ります。出してからもどるまでの時間で、その雨までの距離が分かります。もどってきた電波の強さで、雨の強さが分かります。アンテナをぐるりと回せば、まわり一面の雨の地図ができあがります。

びっくり大事実! 雨雲レーダーは、雨を一度も見ていない。電波を投げて、返ってくるまでの時間を測っているだけ。目に見えないものを、時間ではかって絵にしている。

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目やカメラでは、雲の中は見えません。光は雲を通りぬけにくいからです。ところが電波は雲を通りぬけやすいので、雲の内側の様子を教えてくれます。さらに今のレーダーは、もどってきた電波の高さ(周波数)のずれも測っています。近づいてくる雨粒からの電波は少し高く、遠ざかる雨粒からは少し低くなります。このずれから、雨粒がどちらへどれだけの速さで動いているかが分かります。雨粒は風に流されているので、これは風を測っていることにもなります。気象庁が気象レーダーを使いはじめたのは1954年で、いまは全国20か所に置かれています。スマートフォンで見る雨雲の絵は、この20か所が休みなく回し続けている電波の答えです。

👤 これを調べた人の話
レーダーはもともと、雨を見るための道具ではありませんでした。ところが技師たちは、画面に映りこむ「じゃまなノイズ」の正体が雨だと気づきます。じゃまだと思っていたものが、実は宝物だった。科学では、こういうことが何度も起きています。

知っていると、なにがうれしいか 「あと10分で降る」が、勘ではなく理由のある予想になります。かさを持って出るかどうかを、自分で決められます。

きょうためせること 雨雲の絵を見たら、色の濃いかたまりが5分後にどこへ動くか、指でさして予想してみよう。5分後にもう一度見て、当たったか確かめる。何度かやると、雲が動く向きにはくせがあることに気づきます。

6月4日てんき

梅雨入りは、だれがどうやって決めているの?

6月 そくほう値◯日ごろ予想を もとに その日に9月 かくてい値◯日ごろあとから 変わる ことが あるぴったり 1日には 決められない

どっちだと思う? 雨が 3日 つづいたら 梅雨入り という 決まりが ある / はっきりした 数字の 決まりは なく 日照時間の 変化から 判断する

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気象庁が発表しています。ただし「この日から梅雨」とぴったり決められるものではありません。気象庁は梅雨を「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象、またはその期間」としています。梅雨入りの判断のいちばんの根拠は、日照時間の変化です。それだけで決められないときは、雨が降ったかどうかや、高気圧の張り出し、上空の風の位置なども合わせて考えます。

びっくり大事実! 梅雨入りの日は、あとから変わることがある。9月になって「本当はこの日でした」と、しずかに直される。テストなら答えが変わったら大さわぎだけれど、天気は、それでいい。

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おどろくのは、発表が2回あることです。1回目は「速報値」。その日までの天気の流れと、1週間くらい先までの見通しから判断して、その日のうちに発表します。2回目は「確定値」。梅雨の季節が終わってから、実際にどんな天気だったかを調べ直して、9月のはじめに公表します。判断の基準は同じですが、速報値は予想にもとづくので、確定値とちがう年があります。つまり、6月に「梅雨入りしました」と聞いた日が、9月になって別の日に直ることがあるのです。移り変わりの期間が平均5日ほどあるので「◯月◯日ごろ」という言い方をします。北海道には梅雨がありません。梅雨前線が北海道の近くではぼんやりしてしまい、年による差が大きいため、気象庁は季節の現象としてあつかうのが難しいと判断しています。

👤 これを調べた人の話
予報官は、外れるかもしれないと分かっていて、その日のうちに発表します。だまっていれば外れませんが、それでは大雨に備えられない人が出てしまう。あとで直す覚悟を持って先に言う。これも、勇気の一つの形です。

知っていると、なにがうれしいか 「まちがえたら直す」が、いいかげんではなく、まじめなやり方だと分かります。ニュースの見方が少し変わります。

きょうためせること 住んでいる地方の梅雨入りが発表された日を、カレンダーに書いておこう。9月になったら、気象庁の確定値と見くらべる。変わっていたら、その年は予想がむずかしかった年です。

6月5日いきもの

カタツムリは、なぜ雨の日に出てくるの?

ぬれた日だけ 動けるからは 海の貝と 同じ ざいりょう

どっちだと思う? 雨が すきで 雨の音を 聞きに 出てくる / 体が かわくと 生きられないので ぬれた日に 動く

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体がかわくと生きていけないからです。カタツムリの体はやわらかく、表面から水が逃げやすくできています。晴れて空気がかわいた日に外へ出ると、あっという間に水を失ってしまいます。だから雨の日や、雨あがりの湿った日をえらんで動きます。かくれているのではなく、動ける日を待っているのです。

びっくり大事実! カタツムリの殻は、海の貝と同じ材料でできている。だからコンクリートのへいは、カタツムリにとって食べものの置き場所でもある。あの場所にいるのには、理由がある。

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カタツムリの殻は、おもに炭酸カルシウムでできています。貝の仲間なので、海の貝と同じ材料です。だからカタツムリは、カルシウムがとれる場所を必要とします。コンクリートのへいや古い石がきにカタツムリがついていることがあるのは、そこがカルシウムのとれる場所だからだと考えられています。かわいた季節や寒い季節には、殻の入り口にうすい膜を張って閉じこもり、じっとしています。「梅雨のカタツムリ」というと、雨が好きな生きもののように見えますが、正しくは、水が逃げない日だけ外に出られる生きものです。同じ場所にいるナメクジは殻を持たないぶん、もっと乾きに弱く、もっと湿った場所に多くいます。

👤 これを調べた人の話
小さな生きものを何年も同じ場所で見つづけて、いつ出てくるかを記録している人たちがいます。派手な発見ではありません。でも、その地道な記録があるから、環境が変わったときに「前とちがう」と気づけます。

知っていると、なにがうれしいか 雨の日の散歩が、観察の日に変わります。見つけたときに、なぜそこにいるかまで分かります。

きょうためせること 雨あがりの朝に、へいや葉のうらを見てみよう。見つけたら、そっと見るだけにして持って帰らないこと。カタツムリはその場所の湿り気とカルシウムに合わせて暮らしているので、うつすと生きていけないことがあります。手でさわったら、あとで石けんで手を洗います。

6月6日ちきゅう

大雨のとき、川の水はどうして急にふえるの?

土が すいこむいっぱいに なると 表面を 流れる

どっちだと思う? 雨が つよいほど 川に まっすぐ 落ちてくるから / 土が すい込める 量を こえると 表面を 流れるから

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土がすい込める水の量に、かぎりがあるからです。ふつうの雨なら、雨の多くは地面にしみこみ、ゆっくり川へ出ていきます。ところが土がすでに水をふくんでいっぱいになると、あとから降った雨はしみこめず、そのまま表面を流れて川へ向かいます。だから同じ量の雨でも、降りはじめより、降り続いたあとのほうが川は速く増えます。

びっくり大事実! 晴れている場所の川が、いきなり増えることがある。増やしているのは、何十キロも上流に降っている、ここからは見えない雨。川は、遠くの空とつながっている。

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川がこわいのは、遠くの雨でも増えることです。自分のいる場所が晴れていても、上流の山で強い雨が降っていれば、その水は数十分から数時間かけて下ってきます。「ここは降っていないから大丈夫」は、川では通じません。もう一つ、まちの中では雨が地面にしみこめる場所が減っています。道路や駐車場はほとんど水を通しません。同じ雨でも、田んぼや林が多いところより、まちのほうが川や水路へ一気に集まります。だから雨がやんだあとに水位が上がることもあります。川や用水路の様子を見に行くことがいちばん危ないのは、このためです。増える理由が自分の目の前にないので、増えるタイミングが予想できないのです。

👤 これを調べた人の話
雨量計と水位計を山おくに置いて、点検して回る人たちがいます。ほとんどの日は何も起きません。それでも動かし続けているから、いざというときに水位のグラフが立ち上がって見える。何も起きない日の仕事が、人の命を守っています。

知っていると、なにがうれしいか 「ここは降っていないから平気」が通じない場所があると分かります。家族に伝えられる知識になります。

きょうためせること 雨の日に、家の近くで水がしみこむ場所と、しみこまない場所をさがしてみよう。土、しばふ、砂利、アスファルト。同じ雨でも、水たまりのでき方がまるでちがいます。ただし、水路や川のそばへは近づかないこと。

6月7日うちゅう

夏の大三角は、いつごろから見えるの?

ベガデネブアルタイル近くに 見えてじつは 大きく はなれている

どっちだと思う? 7月に ならないと まだ 空に 出ていない / 6月でも 夜おそくには もう 東の空に 出ている

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6月のうちから、夜おそくの東の空にもう出ています。夏の大三角は、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブの3つの明るい星を結んだ形です。星は季節ごとに少しずつ早い時間に出てくるので、7月や8月に見やすい星も、6月ならもっと遅い時間に東の空へのぼってきます。梅雨の晴れ間の夜は、夏の星を先取りできる時間です。

びっくり大事実! 織り姫と彦星は、となりどうしではない。ものすごく離れた2つが、地球から見るとたまたま近くに並んでいるだけ。夜空は、平らではなく、とんでもなく奥が深い。

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3つのうち、ベガとアルタイルは七夕の織り姫と彦星として知られています。おもしろいのは、この2つが実際にはとても離れているということです。同じ方向に見えるだけで、となりどうしではありません。星の明るさも、近いから明るいとはかぎりません。デネブは3つの中でいちばん遠いのに、目にはしっかり明るく見えます。それだけ、もともとの光が強いということです。夜空は平らな絵に見えますが、本当は奥ゆきがあります。手前の星とずっと奥の星が、たまたま同じ方向に並んでいるだけ。星座は、地球から見た並びに人が名前をつけたものです。

👤 これを調べた人の話
星までの距離をはかった人たちは、望遠鏡をのぞいて感動していただけではありません。半年かけて地球が動いたぶんの、ほんのわずかな見え方のずれを測りました。感動を、数字に変える。そこから宇宙の奥ゆきが見えてきました。

知っていると、なにがうれしいか 夜空が、絵から立体に変わります。同じ星を見ても、見え方がちがってきます。

きょうためせること 晴れた夜、東の空の高いところで明るい星を3つさがして、指で三角をつないでみよう。街の明かりが多くても、この3つはよく見えます。見つけた日と時間をメモしておくと、7月に同じ時間で見たとき、もっと高くのぼっていることに気づきます。

6月8日からだ

むし歯は、どうしてできるの?

みぞと 歯のあいだから 始まるとけるなおる大事なのは量より 回数

どっちだと思う? 歯みがきさえ していれば むし歯は 防げる / 歯ブラシが 届かない 場所が あるので それだけでは 防ぎきれない

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歯の表面についた細菌が、食べもののあまい成分を分解して酸を出し、その酸が歯をとかすからです。とけることを脱灰といいます。ただし、とけっぱなしではありません。だ液には酸をうすめるはたらきと、カルシウムやリンでとけた部分を直すはたらき(再石灰化)があります。歯の中では毎日、少しとけて、少し直る、というやりとりが続いています。

びっくり大事実! 歯は、毎日ちょっとだけとけて、毎日ちょっとだけ直っている。むし歯は、とけた日ではなく、直る時間がなくなった日にできる。だから大事なのは、量より回数。

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むし歯になるのは、直すほうが追いつかなくなったときです。だからこわいのは「たくさん食べたか」よりも「何回に分けて口に入れたか」です。少しずつ何度もあまいものを口にすると、そのたびに酸が出て、直る時間がなくなります。もう一つ、大事なことがあります。厚生労働省の解説には、歯みがきをしていればむし歯が防げるという常識は、いまでは正しくないと書かれています。歯ブラシの毛先が届く場所のむし歯はみがけば防げますが、いちばんできやすいのは奥歯の細い溝や歯と歯のあいだで、そこには毛先が入りません。子どものむし歯の8割以上が奥歯の溝から始まるという報告もあります。だから歯みがきに加えて、フッ化物を使うこと、溝をうめるシーラント、あまいものを口に入れる回数をへらすことが必要になります。歯みがきが役に立たないのではありません。歯みがきだけにぜんぶをせおわせないほうがいい、という話です。

👤 これを調べた人の話
むし歯の研究をしている人たちは、住んでいる地域によってむし歯の多さがちがうことに気づきました。歯みがきの上手下手だけの話ではなかったのです。個人のせいにせず、まわりの環境まで見にいく。そこから予防の考え方が変わりました。

知っていると、なにがうれしいか がんばり方の向きが分かります。時間をふやすのではなく、回数をへらす。同じ努力で、結果が変わります。

きょうためせること きょう、あまいものやジュースを口に入れた回数を数えてみよう。量ではなく回数です。3回と6回では、歯がとけている時間の長さがまるでちがいます。数えるだけで、へらす場所が見つかります。

6月9日もの

じめじめした日に、しおがかたまるのはなぜ?

しおしめると かたまるさとうかわくと かたまるとなりの 白い粒2つが 正反対

どっちだと思う? しおは 湿ると かたまり さとうは かわくと かたまる / しおも さとうも 湿ると かたまる

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しおが空気の中の水蒸気を取りこんで、粒どうしがくっつくからです。しおの粒の表面に、目に見えないほどうすい水の膜ができます。この膜が粒と粒のあいだの橋になり、かわいたときに橋の部分が固まって、ひとかたまりになります。ぬれてから、かわく。この2つがそろうと、しおはかたまります。

びっくり大事実! しおは湿るとかたまる。さとうはかわくとかたまる。となりに置いてある白い粒2つが、まったく逆のことをしている。台所は、じつはとても不思議な場所。

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梅雨の時期に、しおの容器がつまるのはこのためです。おもしろいのは、しおは空気から水を吸う力を持っているという点です。しおを入れた容器に生米を数粒入れる家庭の工夫がありますが、これは米が先に水を吸ってくれるからだと説明されます。同じ理由で、湿気の多い日はさとうもかたまります。ただしさとうは逆で、かわきすぎるとかたまります。さとうの粒は、まわりに少し水があるとサラサラのままで、その水がぬけると粒どうしがくっつくのです。しおは湿るとかたまり、さとうはかわくとかたまる。台所の中に、正反対の性質が2つならんでいます。

👤 これを調べた人の話
粉がかたまる理由を調べている人たちがいます。地味に見えますが、薬の粉、粉ミルク、セメント、どれもかたまると困ります。困りごとの原因を一つずつつぶしていく仕事が、暮らしをしずかに支えています。

知っていると、なにがうれしいか 台所が実験室になります。かたまったしおを見て、その日の空気の話ができるようになります。

きょうためせること しおとさとうを小さいお皿に少しずつ出して、雨の日と晴れた日にさわりくらべてみよう。指ざわりのちがいが、その日の空気の湿り具合を教えてくれます。使ったものは食べずに、あとでかたづけます。

6月10日デジタル

スマホの時計は、なぜいつも正しい時間なの?

毎秒 くらべ合う 原子時計日本標準時1時間に 1回 合成スマホは これを もらって ずれを 直す

どっちだと思う? スマホの中の 時計が とても 正確に できている / 正しい時刻を 外から もらって ずれを 直している

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自分で時間を数えているのではなく、正しい時計を持っているところに聞きにいっているからです。日本の正しい時刻、日本標準時は、情報通信研究機構(NICT)が作っています。スマートフォンやパソコンは、ネットワークを通してその時刻をときどき受け取り、自分の時計のずれを直しています。だから電池が減っても、飛行機で遠くへ行っても、時刻が合っています。

びっくり大事実! 日本の正しい時刻は、1個の時計が決めているのではない。何台もの原子時計が、毎秒おたがいをのぞきこんで、1時間に1回だけ話し合って決めている。

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日本標準時のすごいところは、1個の時計で決めていないことです。NICTでは、セシウム原子時計と水素メーザという時計を複数台ならべ、おたがいの時刻の差を1秒ごとに測り続けています。そして1時間に1回、その値を平均して合わせ、時刻を作ります。1台がこわれても、全体はゆらぎません。さらに東京・小金井のほかに神戸にも拠点があり、片方が止まってももう片方が配り続けます。「正確さ」を、1台の優秀さではなく、何台もで見はり合う形で作っている。これが、この仕組みのいちばん賢いところです。6月10日は時の記念日です。時計が正確であることは、あたりまえのようでいて、だれかが毎秒ささえている結果です。

👤 これを調べた人の話
時刻を作る人たちの仕事は、何も起きないことです。時計が合っているのはあたりまえだと思われていて、ほめられることはほとんどありません。それでも1秒も切らさずに配り続ける。目立たない仕事が、電車も送金も、ぜんぶ動かしています。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか あたりまえに見えるものの裏に、だれかの仕事があると分かります。時計を見るたび、少しだけ世界が広く見えます。

きょうためせること 家にある時計を全部見て回って、何分何秒ずれているかを書き出してみよう。電波時計やスマホと、かべの時計や電子レンジの時計では、ずれ方がちがうはずです。ずれている時計は、外から時刻をもらっていない時計です。

6月11日てんき

しつどが高いと、なぜ暑く感じるの?

かわいた日あせが かわくしつどが 高い日かわけない同じ気温でも 暑さが ちがうあつさ指数は 湿球に 0.7 気温に 0.1

どっちだと思う? 空気が 重くなって おしつけて くるから / あせが 蒸発できず 体を 冷やせなく なるから

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あせが蒸発できなくなるからです。人の体は、あせが皮ふの上でかわくときに熱をうばってもらって冷えています。ところが空気の中がすでに水蒸気でいっぱいだと、あせは行き場がなくなって蒸発できません。冷やす仕組みが止まってしまうので、気温が同じでも体にたまる熱が多くなります。暑いと感じているのは、空気の温度ではなく、冷やせていない自分の体です。

びっくり大事実! 暑さ指数の中で、気温の重みはたったの1割。のこりの9割は、あせがかわけるかどうか。人は、空気の温度ではなく、自分を冷やせているかどうかで暑さを感じている。

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このことは、暑さのはかり方そのものを変えました。環境省が使っている暑さ指数(WBGT)は、屋外では湿球温度に0.7、黒球温度に0.2、乾球温度に0.1をかけて足して求めます。乾球温度がふつうの気温なので、気温の重みは全体のたった1割です。いちばん重い湿球温度は、ぬれたガーゼを巻いた温度計の値で、あせがどれだけ蒸発できるかを表しています。この指数が28をこえるあたりから、熱中症で運ばれる人が急に増えることが分かっています。だから梅雨の時期は、気温が30度に届いていなくても油断できません。きょうは雑節の入梅にあたることが多い日で、暦の上では雨の季節に入るころです。

👤 これを調べた人の話
気温だけを見ていた時代、暑さで倒れる人がなぜ出るのか説明しきれませんでした。そこで人の体の熱の出入りから考え直した人たちがいます。ものさしを作り直す。それは、答えを出すより先に必要な仕事でした。

知っていると、なにがうれしいか 「今日は何度だから大丈夫」の判断が、もっと正確になります。家族に「気温より湿度を見て」と言えます。

きょうためせること 温度計が2本あったら、片方の先にぬれたティッシュを巻いて、両方をならべて置いてみよう。ぬれたほうが低い温度を指します。その差が大きい日はかわいた日、差が小さい日はむし暑い日です。差を毎日メモすると、天気の記録になります。

6月12日いきもの

アジサイの色は、なぜちがうの?

アルミを すえたすえなかった色が ついているのは がくまん中の 小さな粒が 本当の花

どっちだと思う? 土が 酸性だと 色素が 直接 青く 変わる / 土から アルミニウムを 吸えるかどうかで 変わる

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根がアルミニウムを吸えたかどうかで変わります。アジサイの色のもとはアントシアニンという色素です。この色素は、土から溶け出したアルミニウムと結びつくと青くなり、結びつかないと赤みをおびます。アルミニウムは土が酸性のときによく溶け、中性やアルカリ性では溶けにくくなります。だから「酸性だと青」と言われるのですが、酸性そのものが青くしているのではありません。酸性だとアルミニウムが溶けて、根が吸えるようになるからです。

びっくり大事実! アジサイの花びらに見えているところは、花びらではない。がくである。本当の花は、そのまん中にある小さな粒。いちばん目立っている部分が、じつは花ではなかった。

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もうひとつ、おどろく話があります。アジサイの花びらに見えているところは、花びらではありません。がく(萼片)です。本当の花は、その中心にある小さな粒のような部分です。色がついているのは、虫に気づいてもらうための看板の役目をしているがくなのです。だから、ふつうの花よりずっと長いあいだ色が残ります。白いアジサイは、そもそもアントシアニンを持っていない品種なので、土がどうであっても白のままです。品種によっては土の性質にあまり左右されないものもあります。つまり色は、土だけでも品種だけでもなく、両方で決まっています。

👤 これを調べた人の話
色が変わる理由をつきとめた研究者たちは、赤い花をすりつぶしてアルミニウムを加えるという実験までしました。きれいだと思うだけで終わらせず、ばらして確かめる。そこまでやるから、言い伝えが science に変わります。

知っていると、なにがうれしいか 通学路のアジサイが、土の様子を教えてくれる目印になります。色から見えないものが読めます。

きょうためせること 同じ町の中で、アジサイの色を3か所くらべてみよう。となりの家どうしで色がちがっていたら、土のちがいかもしれません。同じ株の中で色がまざっていることもあります。花を折らずに、目で見るだけにします。

6月13日ちきゅう

大雨がつづくと、山がくずれることがあるのはなぜ?

水が 土の ささえる力を 弱めるやんだ あとに くずれる ことも

どっちだと思う? 雨が 土を 表面から けずって いくから / 土の中の 水が ささえる力を 弱めるから

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土の中にしみこんだ水が、土をささえる力を弱くするからです。ふだんの斜面の土は、粒どうしがかみ合って止まっています。そこへ水がたくさん入ると、粒と粒のあいだが水でおし広げられ、すべりやすくなります。しかも水をふくんだ土は重くなります。ささえる力が弱くなるのと、落ちようとする力が強くなるのが、同時に起きるのです。

びっくり大事実! がけがくずれるのは、雨がやんだあとのことがある。空が明るくなったころ、地面の中では水がまだ深いところへ向かって進んでいる。安全に見える時間が、いちばん見落とされやすい。

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こわいのは、雨がやんだあとです。雨が地中にしみこんで、深いところまで届くには時間がかかります。だから雨がやんで空が明るくなってから、くずれることがあります。「もう降っていないから安全」とは言えません。気象庁が出している土砂キキクル(大雨警報の危険度分布)は、いま降っている雨だけでなく、土の中にどれだけ水がたまっているかを計算して色で示しています。前ぶれとして、がけから小石が落ちてくる、水がにごる、それまで出ていなかった場所から水がわく、木がさける音がする、といったことが知られています。ただし前ぶれがまったくないままくずれることもあります。だから前ぶれを待つのではなく、危険度の情報が上がった段階で動くほうが安全です。

👤 これを調べた人の話
斜面に計器を差しこんで、土の中の水の量を何年も測り続けている人たちがいます。ほとんどの年は何も起きません。それでもデータをためるから、「この値をこえたら危ない」という線が引ける。線を引けたぶんだけ、人が逃げられます。

知っていると、なにがうれしいか 「やんだから大丈夫」ではないと分かります。逃げるタイミングを、自分で判断できるようになります。

きょうためせること 雨の日、家のまわりで「水が集まってくる方向」を見つけてみよう。地面のかたむきに沿って、水は必ず低いほうへ動きます。自分の家がまわりより高いか低いかを知っておくことは、防災の第一歩です。がけや川には近づかないこと。

6月14日うちゅう

地球のほかにも、雨がふる星はあるの?

地球 水の雨タイタン メタンの雨何が 液体に なるかは 温度と 気圧で 決まる

どっちだと思う? 雨が ふるのは 地球だけ / 水では ない 雨が ふる星が ある

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あります。しかも、水の雨とはかぎりません。土星の大きな衛星タイタンでは、メタンという物質の雨がふります。タイタンは太陽系の衛星の中でただひとつ、厚い大気を持っています。メタンが蒸発して雲になり、雨になって地面に降り、川や湖をつくる。地球の水がやっていることを、そっくりそのままメタンがやっているのです。

びっくり大事実! タイタンでは、水はカチカチの氷で地面になっている。かわりに、地球ではガスでしかないメタンが液体になって、川になり、湖になり、雨になって降っている。主役が入れかわった世界が、本当にある。

もっとくわしく

タイタンの地表の温度は、マイナス180度くらいです。この寒さでは水はカチカチの氷で、岩と同じように地面をつくっています。かわりに、地球では気体でしかないメタンが液体でいられます。何が液体になるかは、その星の温度と気圧で決まります。地球で水が主役なのは、地球の温度と気圧がたまたま水にちょうどよかったからです。金星では、硫酸の雲から雨がふると考えられていますが、地表が非常に高温のため、落ちる途中で蒸発してしまい地面には届かないとみられています。ふる雨の中身がちがい、届く場所もちがう。それでも「蒸発して、雲になって、ふる」という形は同じです。雨は地球だけのものではなく、宇宙のあちこちで起きているふるまいの一つでした。

👤 これを調べた人の話
探査機ホイヘンスは、20年以上前にタイタンの厚い雲を突きぬけて降りていきました。何が待っているか、だれも見たことがなかった場所です。行けば分かる、を実際にやってしまう人たちが、太陽系の地図を書きかえてきました。

知っていると、なにがうれしいか 「あたりまえ」が地球だけのルールだと気づけます。雨を見る目が、少し宇宙寄りになります。

きょうためせること 雨の日に外を見ながら、この雨がメタンだったらどうなるかを考えてみよう。においも、色も、さわった感じもちがうはずです。想像するときに「なぜそう思ったか」を一つ言えると、それはもう科学の考え方です。

6月15日からだ

高いところへ行くと、耳がツンとするのはなぜ?

鼻の おくへ つながる管気圧が 下がるつばで ひらく

どっちだと思う? 耳の中と外で 空気の 強さに 差が できるから / 音が 高いところでは 強く 聞こえる から

こたえを見る

耳の中と外で、空気のおしてくる強さ(気圧)に差ができるからです。こまくの内側には、小さな空気の部屋があります。エレベーターや山道で外の気圧が急に下がると、内側の空気のほうが強くなって、こまくが外へふくらみます。これがツンとする感じの正体です。あくびをしたり、つばを飲みこんだりすると、耳と鼻の奥をつなぐ細い管が開いて空気が行き来し、差がなくなって元にもどります。

びっくり大事実! 耳と鼻の奥は、細い管でつながっている。しかもその管は、ふだんはわざと閉じている。開けっぱなしにすると、自分の声が頭の中でひびいてうるさいからだ。

もっとくわしく

この細い管は耳管といって、ふだんは閉じています。開けっぱなしにすると、自分の声が頭の中で鳴りひびいてしまうからです。必要なときだけ開くようにできている、という設計です。子どものうちは耳管が短くて水平に近いので、鼻やのどの調子が悪いときに影響を受けやすいと言われます。天気が変わると体の調子が変わる、と感じる人がいます。気圧の変化と体調の関係については研究が進んでいる途中で、まだ分かっていないことが多く残っています。分かっているのは、耳が気圧の変化をとらえる仕組みを実際に持っている、ということです。分からないことを「気のせい」で片づけないのも、科学のやり方です。

👤 これを調べた人の話
体の仕組みを調べる人たちは、「なんとなく気持ち悪い」という言葉を大事にします。数字にならない訴えの中に、まだ見つかっていない仕組みが隠れていることがあるからです。聞きとることから、研究は始まります。

知っていると、なにがうれしいか 体に起きたことの理由が分かると、こわくなくなります。自分で直す方法も一つ手に入ります。

きょうためせること エレベーターで上か下へ動くとき、ツンとしたらつばをごくんと飲みこんでみよう。もどる瞬間が自分で分かります。何階分でツンとするかを数えると、自分の耳のくせが分かります。耳が痛いときは無理をせず、大人に伝えます。

6月16日もの

ぬれた紙は、なぜ破れやすいの?

かわくと しっかり 手をつなぐ水が 入ると ほどける切れたのは 繊維では なく つながり

どっちだと思う? 水で 繊維そのものが とけて しまうから / 繊維どうしの くっつきが ほどけて しまうから

こたえを見る

紙は、細い繊維がからみ合ってできています。かわいているとき、繊維どうしは水素結合という力でしっかりくっついています。そこへ水が入ると、水の分子が繊維のあいだに割りこんで、この結びつきをほどいてしまいます。繊維そのものが切れるのではなく、繊維どうしのつながりがゆるむのです。だから、ぬれた紙は少しの力でずるりと分かれます。

びっくり大事実! 紙は、のりで貼ってあるのではない。細い繊維どうしが、直接くっついて自分をささえている。だから水が一滴入っただけで、その握手がほどけてしまう。

もっとくわしく

おもしろいのは、かわかすとある程度もどることです。水がぬけると繊維はまたくっつきます。ただし完全には元にもどりません。一度ゆるんだ繊維の並びが、乾くときにずれたまま固まるので、しわになります。ここから、紙とは何かが見えてきます。紙は、のりで貼り合わせた板ではなく、繊維どうしが直接くっついて自分を保っている材料です。だから水にとても弱い。ぎゃくに、ぬれても破れにくい紙を作りたいときは、あとから水に強い成分を加えて、水が入っても繊維がはなれないようにします。牛乳パックやティッシュの中に、水にぬれてもすぐには破れないものがあるのは、そういう工夫のおかげです。

👤 これを調べた人の話
紙を作る技術は千年以上、少しずつ改良されてきました。名前が残らない職人たちが、水にどう強くするかを試し続けてきた結果が、いま台所やトイレにふつうに置いてあります。

知っていると、なにがうれしいか 身のまわりの材料が「何でできているか」ではなく「何でくっついているか」で見えるようになります。

きょうためせること 同じティッシュを2枚用意して、1枚はそのまま、1枚は少しぬらして、そっと引っぱりくらべてみよう。差はおどろくほど大きいはずです。そのあとぬらしたほうをかわかして、もう一度引っぱると、少し強さがもどっています。

6月17日デジタル

緊急のおしらせは、どうやってスマホに一斉にとどくの?

あて名なしで 一度だけ登録 不要旅先でも

どっちだと思う? 登録した 人の 電話番号あてに 送られる / その場所に いる 全部の 電話に 同時に 投げられる

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あなたの電話番号やメールアドレスを使っていません。緊急速報メールは、電波を出している基地局から、そのエリアにいる全部の携帯電話に向かって同時に投げられます。宛先を1件ずつ書いて送るのではなく、その場所にいる全員に向かって一度だけ言う、という形です。だから登録もいらないし、旅行先でもその土地の情報が届きます。

びっくり大事実! 緊急速報は、あなたの電話番号を知らないまま届く。宛名がないから、かえって速い。ふつうの手紙と正反対のやり方で、何万人にいっぺんに声が届く。

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この仕組みには、大事な利点があります。宛先を1件ずつ処理しないので、何万台あってもほとんど同時に届きます。さらに、ふつうの通信とは別の通り道を優先的に使うので、災害で回線がこみ合っていても影響を受けにくくできています。地震のときに電話がつながらないのに緊急速報だけは鳴る、というのはこのためです。届く範囲は市区町村が基本の単位ですが、基地局の位置の関係で、となりの地域の情報を受け取ることがあります。気象庁は緊急地震速報と大津波警報・津波警報を、国や自治体は避難の情報を、この道で流しています。マナーモードでも音が鳴るように作られているのも、意図された設計です。

👤 これを調べた人の話
この仕組みを作った人たちは、「一人ずつ送っていたら間に合わない」という一点から設計を組み直しました。速くする工夫ではなく、送り方そのものを変えた。数秒を作るために、考え方をひっくり返しています。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか あの音が鳴る理由が分かります。びっくりする音ではなく、間に合わせるための音だと分かります。

きょうためせること おうちの人といっしょに、スマホの緊急速報の設定がオンになっているか確認してみよう。機種によっては切れていることがあります。そのとき、鳴ったらどこへ行くかも1分だけ話しておくと、設定より役に立ちます。

6月18日てんき

線状降水帯って、なに?

次々に 生まれて 同じ道を 通り続ける長さ 50から300キロ 幅 20から50キロ

どっちだと思う? とても大きな 雲が 1つ 居すわって いる / 同じ道を 次々に 新しい雲が 通り続けている

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発達した積乱雲が、次々に生まれて列に並び、同じ場所を数時間も通り続ける状態のことです。気象庁の説明では、長さおよそ50から300キロ、幅およそ20から50キロの、細長い強い雨の場所を指します。ふつうの積乱雲は30分から1時間ほどで雨を降らせて消えますが、後ろから次の雲が同じ道を来るので、その真下では雨がやみません。

びっくり大事実! 雨をやませないのは、いすわった1つの雲ではない。次から次へと生まれた別々の雲が、同じ道をとおっていく。1台1台は通りすぎているのに、そこだけずっと降りやまない。

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雲が1つなら、たいした量にはなりません。ところが同じ場所を通り続けると、そこだけに雨が積み上がっていきます。だから、少し離れた町では晴れているのに、ある地域だけ川があふれる、ということが起きます。気象庁は2021年から「顕著な大雨に関する気象情報」として、この言葉を使った情報を出しています。発表の基準はきびしく決められていて、3時間で100ミリ以上降った範囲の広さや、その形が細長いこと、その中の最大が150ミリ以上であることなどを、すべて満たしたときに出ます。正直なところ、この現象は予想がとても難しく、気象庁自身が発生の仕組みには未解明な点が多いと書いています。だからこそ、半日ほど前から「線状降水帯が発生するかもしれない」と呼びかける形にして、外れることも承知で早めに知らせる方法をとっています。

👤 これを調べた人の話
気象庁は「発生の仕組みには、まだ分かっていないことが多い」と自分たちのページに書いています。分からないと書ける強さがあるから、外れる覚悟で半日前に呼びかけるという判断ができます。

知っていると、なにがうれしいか ニュースの言葉が、音ではなく意味になります。自分の地域に関係があるかどうかを、自分で見分けられます。

きょうためせること 大雨のニュースが出たら、雨雲の絵で雨の形を見てみよう。丸いかたまりなのか、細長い帯なのか。帯になっていて、しかも同じ場所から動いていなければ、それが起きている形です。

6月19日いきもの

カエルは、なぜ雨の前に鳴くの?

同時に 鳴くと だれの声か わからないだから タイミングを ずらすつぎは わたし

どっちだと思う? 雨が くることを 予知して 知らせている / 湿った 空気の ほうが 長く 活動 できるから

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雨そのものを予知しているというより、雨が近いときの空気の状態が、カエルにとって都合がよいからだと考えられています。カエルは皮ふからも呼吸をし、皮ふがかわくと弱ってしまいます。湿り気が増えると、長い時間外に出て活動できます。しかも鳴くのはおもにおすで、めすを呼ぶためです。田んぼに水が入り、卵を産む場所ができる季節と、湿った日が増える季節が重なるので、鳴き声がまとまって聞こえます。

びっくり大事実! カエルの合唱は、そろえているのではなく、ずらしている。全員が同時だと、だれの声か分からなくなるからだ。あの田んぼの音は、じつは順番待ちの音でもある。

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カエルの鳴き声には、おもしろい性質があります。1匹が鳴きはじめると、まわりが次々に続きます。ところが全員が同時に鳴くと、どの声がだれのものか分からなくなってしまいます。そこで、となりどうしが鳴くタイミングをずらす、という行動が知られています。合唱に聞こえるものの中で、じつは順番のやりとりが起きているのです。日本にはたくさんの種類のカエルがいて、鳴き声はそれぞれちがいます。ニホンアマガエルのように、木の上や葉のうらから鳴くものもいます。声を覚えると、姿を見なくても、その場所にどの種類がいるかが分かるようになります。

👤 これを調べた人の話
鳴き声を録音して、1匹ずつのタイミングを何時間分も書き出した研究者がいます。うるさい音のかたまりに見えたものが、数えてみたら規則を持っていた。ていねいに数えると、世界の見え方が変わります。

知っていると、なにがうれしいか 音だけで、そこにいる生きものが分かるようになります。夜の道が、少し楽しくなります。

きょうためせること 雨の前の夕方、外の音に30秒だけ耳をすませてみよう。何種類の鳴き方が聞こえるか、数えてみます。高い声と低い声、短い声と長い声。数えられたら、その日の天気もメモしておくと、記録になります。

6月20日ちきゅう

ダムは、大雨の前になぜ水をへらすの?

ふだんいっぱい大雨の 前あきを 作るへらすことが ためる ための じゅんび

どっちだと思う? 大雨の 前に 空きを 作って 洪水を 受け止める ため / 古い 水を 入れかえて きれいに する ため

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洪水を受け止めるための空きを、先に作っておくためです。これを事前放流といいます。ダムは水をためる場所だと思われがちですが、いっぱいのまま大雨をむかえると、入ってきた水をそのまま下流へ流すしかなくなります。そこで大雨が予想されるとき、ためてある水を前もって少しずつ流し、水位を下げておきます。減らすことが、ためるための準備になっているのです。

びっくり大事実! 電気を作るためのダムや、田んぼに水を送るためのダムまで、大雨の日だけは洪水を防ぐ側に回る。新しくダムを作らずに、約束を作ることで空きを生み出した。

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ここに、日本ならではの工夫があります。ダムには、洪水を防ぐためのダムだけでなく、電気を作るためのダムや、田んぼに水を送るためのダムがあります。後者にとって、水は流してしまうと仕事のもとを失うことになります。それでも大雨のときには洪水を防ぐ側に回れるように、河川の管理者とダムの管理者、水を使う人たちのあいだで治水協定という約束が結ばれました。国土交通省の資料では、治水を目的に含む約570のダムに加えて、電力や農業などを目的とする約900のダムが、治水に活用できるように位置づけられています。令和2年度には全国122のダムで事前放流が行われ、あわせておよそ1億3,600万立方メートルの空きが作られました。それぞれ別の目的で作られたものが、大雨の日だけ同じ方向を向く。設備を増やすのではなく、約束を作って乗りきるという解き方です。

👤 これを調べた人の話
この仕組みは、機械ではなく話し合いで作られました。水を使う人たちに「大雨の前に手放してください」と頼み、そのかわりの条件をひとつずつ決めていった人たちがいます。合意も、りっぱな技術です。

知っていると、なにがうれしいか ダムが「ためる場所」から「受け止める場所」に見えかわります。ニュースの放流の意味が分かります。

きょうためせること 日本地図で、自分の住む町の川をたどって上流をさがしてみよう。ダムの名前が出てきたら、その水はいつか自分の町を通る水です。地図で線をたどるだけで、家と山がつながって見えてきます。

6月21日うちゅう

きょうは夏至。太陽は、どこまで高くのぼるの?

夏至 やく78度冬至 やく32度差は 46度 かたむき23.4度の 2ばい

どっちだと思う? 夏至の日が 1年で いちばん 暑い / いちばん 高く のぼる日と いちばん 暑い日は ずれる

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1年でいちばん高くまでのぼります。東京あたり、北緯35度の場所では、真南に来たときの高さがおよそ78度になります。真上が90度なので、頭のほとんど真上です。冬至の日の同じ場所での高さはおよそ32度しかないので、その差は46度。同じ場所の同じ空で、太陽の通り道がこれほど変わります。

びっくり大事実! 夏至と冬至で、太陽の高さは46度もちがう。そしてこの46度は、地球のかたむき23.4度のちょうど2倍。空の見え方が、地球のかたむきをそのまま映している。

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なぜ変わるのかというと、地球が少しかたむいたまま太陽のまわりを回っているからです。かたむきはおよそ23.4度。この数字が、そのまま夏至と冬至の高さのちがい(46度)の半分になっています。夏至は、太陽の位置を角度で表したものが90度になる瞬間で決まります。国立天文台の暦要項によると、2026年はそれが6月21日の17時25分でした。日付が年によって前後するのは、1年が365日ぴったりではないからです。もうひとつ。いちばん高くのぼる日と、いちばん暑い日は、ずれます。地面や海はあたたまるのに時間がかかるので、暑さの本番は1か月から2か月あとに来ます。夏至はゴールではなく、ここから昼がだんだん短くなっていく折り返し地点です。

👤 これを調べた人の話
むかしの人は、望遠鏡もない時代に、かげの長さを毎日はかることで1年の長さと地球のかたむきを求めました。道具は棒1本。続けることが、いちばん強い道具だった時代があります。

知っていると、なにがうれしいか かげの長さから、地球のかたむきが読めます。棒1本で宇宙の話ができるようになります。

きょうためせること 正午ごろ、外に立って自分のかげの長さをはかってみよう。1年でいちばん短い時期です。同じ場所、同じ時刻で、9月と12月にもはかると、かげがぐんぐんのびていきます。3回はかるだけで、地球のかたむきが見えます。

6月22日からだ

あせのにおいは、どこから来るの?

出たては ほぼ 無臭皮ふの 細菌が 分解時間が たつほど 強くなる だから 早くふく

どっちだと思う? あせ そのものが においを 持っている / 皮ふの上の 細菌が あせを 分解して においが 出る

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あせそのものは、出たばかりのときはほとんどにおいがありません。においを作っているのは、皮ふの上にいる細菌です。細菌があせや皮ふのあぶらを分解すると、においのもとになる物質ができます。つまりにおいは、あせが出た瞬間ではなく、あせが皮ふの上にとどまっている時間の長さから生まれています。

びっくり大事実! 出たばかりのあせは、ほとんど無臭。においは、あせが皮ふの上にいる時間の長さから生まれる。だから「消す」より「早くふく」ほうが、理屈に合っている。

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あせを出す場所には、2種類あります。ひとつは全身に広がっていて、体を冷やすためのさらさらしたあせを出します。もうひとつはわきの下などにあり、たんぱく質やあぶらを少しふくんだあせを出します。細菌にとっては後者のほうがごちそうなので、においが出やすくなります。ここから、対策の向きが決まります。においを消す薬でおおうより、あせを早くふきとって、細菌が働く時間をみじかくするほうが理にかなっています。梅雨の時期ににおいが気になりやすいのは、湿度が高くてあせが蒸発しにくく、皮ふの上にとどまる時間が長くなるからです。それは体の弱さではなく、空気の状態のせいです。においは、だれにでもあります。だれかのにおいを言葉にして笑わないことは、科学を知ることと同じくらい大事なことです。

👤 これを調べた人の話
皮ふの上には、数えきれないほどの細菌がいて、その多くは体を守る側で働いています。すべてを消せばよいわけではないと分かってきたのは、研究者が「悪者さがし」をやめて、全体のバランスを見るようになってからです。

知っていると、なにがうれしいか 気になることの理由が分かると、あわてなくなります。やるべきことも1つに決まります。

きょうためせること 運動したあと、ぬれたタオルで首とわきをさっとふいてみよう。何もしないときとくらべて、そのあとのにおいがどう変わるかを自分で確かめます。ふくのは自分の体だけにして、人のことは言わないこと。

6月23日もの

じょしつきは、どうやって空気から水を取り出すの?

水蒸気を ふくんだ 空気冷たい パイプ水タンクへ冷たい麦茶の コップと 同じこと

どっちだと思う? 空気を 冷やして あふれた 水を 集めている / 空気の 中の 水を もやして 消している

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空気を冷たいものに当てて、水にもどしています。空気の中には目に見えない水(水蒸気)がふくまれていて、そのままでは取り出せません。ところが空気を冷やすと、ふくんでいられる量がへります。あふれた分は小さな水のつぶになって、冷たい面にくっつきます。じょしつきの中には冷たいパイプがあって、そこを空気が通るときに水がついて、下のタンクにたまるのです。

びっくり大事実! じょしつきの中で起きていることは、冷たい麦茶のコップの外側と、まったく同じ。ちがいは、ファンでそれを何百回も起こしているというだけ。

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これは、冷たい麦茶のコップの外側に水てきがつくのと、まったく同じことです。ちがうのは、じょしつきがそれをファンでどんどん起こしていることだけです。もうひとつのやり方もあります。水を吸いこむ性質を持った材料に空気を通し、その材料をあたためて水をはき出させる方式です。冷やす方式は気温が高い夏に強く、材料を使う方式は気温が低い冬でも働きます。じょしつきを回すと部屋が少しあたたかくなることがあります。水蒸気が水にもどるときに熱を出すこと、機械そのものが熱を出すこと、この2つが理由です。空気から水を取り出すのに、魔法は使っていません。使っているのは、温度が変わると空気がかかえられる水の量も変わる、という一つの性質だけです。

👤 これを調べた人の話
「空気から水を取り出す」と聞くと発明のように思えますが、使っているのは温度と水の関係という、だれでも知っている一つの性質だけです。新しい性質を見つけなくても、使い方を変えれば新しい道具になります。

知っていると、なにがうれしいか 部屋の湿気とたたかう方法が、感覚ではなく理屈で分かります。タンクにたまった水の量が、その日の空気の記録になります。

きょうためせること 冷たい飲みものをコップに入れて、外側についた水てきを指でぬぐってみよう。そのあとコップをかわいたタオルでふいて、しばらく置くと、またついてきます。空気から水が出てきた証拠です。

6月24日デジタル

オンラインで話すと、声がおくれるのはなぜ?

少し ためて 並べ直す声を 荷物に 分ける短くすると とぎれ 長くすると おくれるこわれたのでは なく えらんだ 結果

どっちだと思う? 相手が 遠いほど 遅れる ので 距離の せい / 途中で 荷物を 少し ためてから 並べ直して いるから

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声がそのまま線を通っているのではなく、いったん数字に直され、小さな荷物に分けて送られ、向こうで組み立て直されているからです。この行き帰りのそれぞれで、少しずつ時間がかかります。音を数字にする時間、荷物にまとめる時間、道を選んで運ぶ時間、そして組み立て直す時間。1つ1つは短くても、足していくと人が気づく長さになります。

びっくり大事実! 通話の遅れは、こわれているのではなく、えらんだ結果。速くすれば音がとぎれ、とぎれなくすれば遅くなる。どちらも取ることはできないので、どちらかを選んでいる。

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意外なことに、いちばんの原因は距離ではないことが多いのです。光や電気の信号は1秒で地球を7周半するほど速いので、国内どうしなら距離のぶんの遅れはごくわずかです。効いてくるのは、途中で荷物を待たせる時間のほうです。荷物は必ずしも同じ道を通らず、着く順番も入れかわります。そこで受け取る側は、少しだけためてから並べ直して再生します。このためる時間を短くすると反応は速くなりますが、音がとぎれやすくなります。長くすると音は安定しますが、遅れます。あちらを立てればこちらが立たない、という関係になっているのです。だから会議アプリの遅れは、こわれているのではなく、とぎれない側を選んだ結果であることがよくあります。

👤 これを調べた人の話
技術者たちは、この「あちらを立てればこちらが立たない」を、なくそうとするのではなく、どこで線を引くかの問題としてあつかいます。完璧をあきらめて、いちばんましな場所をさがす。それも一つの知恵です。

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知っていると、なにがうれしいか うまくいかないときに、機械のせいにも自分のせいにもしなくてよくなります。理由が分かれば、直せる場所も分かります。

きょうためせること 家の人と、同じ部屋で1台ずつ通話をつないでみよう。目の前にいる人の声が、耳から直接と画面ごしの2回、時間差で聞こえます。その差が、いま説明した全部の合計です。ハウリングしないよう音量は小さくします。

6月25日てんき

ひょうは、なぜ夏に降るの?

上げられて育つ1917年6月29日 埼玉直径 29.5センチ重さ 3400グラム

どっちだと思う? 真夏に いちばん 多く 降る / 5月から6月の 初夏に 多く 降る

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真夏より、初夏に多く降ります。ひょうは、積乱雲から降ってくる直径5ミリ以上の氷のかたまりです。5ミリより小さいものは、あられと呼びます。積乱雲の中では強い上昇気流が吹いていて、氷の粒は落ちようとしても押し戻されます。上がったり下がったりをくり返すうちに、まわりの水がついてどんどん大きくなり、ついに支えきれなくなって落ちてきます。

びっくり大事実! 1917年6月29日、埼玉県に、かぼちゃほどのひょうが降ったという記録が残っている。直径29.5センチ、重さ3,400グラム。地面には、直径65センチの穴があいたと書かれている。

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5月から6月に多いのには、理由が2つあります。地面があたたまりやすくなって上昇気流が強くなること、それでいて上空にはまだ冷たい空気が残っていること。この2つがそろうと、氷の粒が大きく育ちます。真夏は上空の空気もぬるくなるので、落ちてくる途中でとけてしまい、ただの雨になります。冬は上昇気流が弱いので、そもそも大きく育ちません。だからひょうは、季節の変わり目のものなのです。日本の記録はすさまじいものです。熊谷地方気象台の資料によると、大正6年(1917年)6月29日に埼玉県で降ったひょうは、直径およそ29.5センチ、重さおよそ3,400グラムと記録されています。かぼちゃほどの大きさです。田んぼには直径65センチほどの穴があいたと書かれています。

👤 これを調べた人の話
100年以上前の観測記録が、いまも読める形で残されています。当時の職員が、大きさを測り、穴の直径まで書きとめてくれたからです。その日の記録を残す人がいると、100年後の子どもがおどろけます。

知っていると、なにがうれしいか 氷が空から降る理由が分かります。天気の「変わり目」がいちばん激しいことも分かります。

きょうためせること ひょうが降ったら、外に出ずに窓から音を聞いてみよう。雨とはまったくちがう、かたい音がします。やんでから外に出て、大きさを定規ではかって記録します。5ミリより大きければ、それはひょうです。

6月26日いきもの

オタマジャクシは、いつ足が出るの?

まず からだ後ろ足が 先前足も 出るしっぽは 落ちずに 体に 吸収されるすてないで 新しい体の ざいりょうに なる

どっちだと思う? 前足が 先に 出て あとから 後ろ足が 出る / 後ろ足が 先に 出て 前足は あとから 出てくる

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先に出るのは後ろ足です。前足はそのあと、体の皮の下でできてから外に出てきます。だから、後ろ足だけが生えた姿の時期がしばらく続きます。同じころ、体の中でも大きな作りかえが進んでいます。えらで呼吸していたものが肺で呼吸するようになり、長い腸が短くなります。オタマジャクシは草などをよく食べ、カエルは虫などを食べるので、必要な腸の長さがちがうのです。

びっくり大事実! しっぽは、ちぎれて落ちるのではない。体に吸収されて、新しい体の材料になる。すてずに、作りかえている。泳ぐ生きものと跳ぶ生きものが、同じ1匹の中でつながっている。

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しっぽは、取れて落ちるのではありません。体に吸収されて、なくなります。しっぽを作っていた材料は、そのまま新しい体を作るのに使われます。すてないで、作りかえる。この変化はホルモンの働きで始まることが分かっていて、水温などの環境によって進み方が変わります。だから同じ池でも、育ちの早い子と遅い子がいます。ここでおどろいてほしいのは、水の中で泳ぐ生きものと、陸で跳ぶ生きものが、同じ1匹だということです。えら、腸、足、しっぽ、口。ほとんど全部を作りかえながら、記憶ごと同じ個体として続いていきます。生まれ直しているのではなく、作りかえているのです。

👤 これを調べた人の話
変態の仕組みを調べた研究者たちは、しっぽが「消える」のではなく「使われている」ことを突きとめました。なくなったように見えるものの行き先を追いかける。それが分かった瞬間、生きものの見え方が変わりました。

知っていると、なにがうれしいか 生きものが体を作りかえられると知ると、成長の見方が変わります。今の自分も、途中の形だと思えます。

きょうためせること 池や田んぼでオタマジャクシを見つけたら、足が出ているか、しっぽの長さはどれくらいかを見て、日づけとともにメモしよう。1週間ごとに同じ場所を見ると、進み方が分かります。持ち帰らず、その場で見るだけにします。水辺には必ず大人といっしょに行きます。

6月27日ちきゅう

地下水は、どこにたまっているの?

砂や 岩の すきまに しみこむ水を 通さない層が うけ止める1日に 数センチ 何十年 かけて 動く

どっちだと思う? 地下に 大きな池が あって そこに たまっている / 砂や 岩の すきまに しみこんで いる

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地下に大きな池があるわけではありません。砂や砂利、われ目の多い岩のすきまに、水がしみこんで入っています。スポンジが水をふくむのに近い状態です。水をよく通す層と、ほとんど通さない層(ねん土など)が重なっていて、通さない層の上に水がたまります。この水をたくわえている層を、帯水層といいます。

びっくり大事実! いま飲んでいるわき水が、自分が生まれる前に降った雨だということがある。地下水は、山からふもとまで何十年もかけて歩いてくる。水は、時間をためている。

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地下水はじっとしていません。とてもゆっくりですが、高いほうから低いほうへ動いています。1日に数センチという速さのこともあります。だから、山に降った雨がふもとの泉から出てくるまでに、何年、ときには何十年もかかることがあります。いま飲んでいるわき水が、自分が生まれる前に降った雨だということが、実際に起こります。ここから大事なことが出てきます。地下水は、使いすぎるとすぐには戻りません。何十年もかけてたまったものを、数年で汲み上げてしまうことができるからです。また、地面にしみこんだ汚れも、同じようにゆっくり広がり、ゆっくりしか消えません。地下水を守るというのは、いまの自分たちのためだけでなく、何十年か先の人のための行動でもあります。

👤 これを調べた人の話
地下水の年齢を調べる研究者は、水にふくまれるごくわずかな物質を手がかりにします。見えない場所を、掘らずに読む。想像ではなく、証拠で言い当てるところに、科学の力があります。

知っていると、なにがうれしいか 水道やわき水の向こう側に、何十年という時間が見えます。使い方を考えるきっかけになります。

きょうためせること わき水や井戸のある場所へ行ったら、その上流にどんな山があるかを地図で見てみよう。その山に降った雨が、時間をかけてここに出てきています。飲めるかどうかは、必ずその場所の表示にしたがいます。

6月28日うちゅう

宇宙から、梅雨前線は見えるの?

白い帯が 梅雨前線2機で こうたい高さ 3万5800キロ日本は 2.5分ごと

どっちだと思う? ひまわりは 地球の まわりを ぐるぐる 飛び回って いる / 地球の 自転と 同じ速さで 回るので 止まって 見える

こたえを見る

見えます。気象衛星ひまわりが、上から毎日ずっと見ています。ひまわりは赤道の上空およそ3万5,800キロにいて、地球が自転するのと同じ速さで回っています。だから地上から見ると、いつも同じ場所に止まって見えます。止まって見えるからこそ、同じ範囲を続けて撮り、雲がどう動いたかを比べられるのです。

びっくり大事実! ひまわりは1機ではなく、2機が宇宙にいる。片方が動かなくなったら、もう片方に切りかえる。こわれない工夫ではなく、こわれても続く工夫がしてある。

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いまのひまわりは、地球の見える半分をまるごと10分に1回、日本のまわりだけなら2.5分に1回撮っています。2.5分ごとということは、積乱雲が急に育っていく様子まで追えるということです。梅雨前線は、天気図では1本の線ですが、衛星の絵では東西にのびた白い雲の帯として見えます。もうひとつ、賢いところがあります。ひまわりは1機ではなく、8号と9号の2機が宇宙にいます。片方に不具合が起きたときは、もう片方に観測を切りかえます。実際に切りかえが行われたこともあります。だいじな道具は、こわれない工夫だけでなく、こわれても続けられる工夫をしておく。これは日本標準時の作り方とまったく同じ考え方です。

👤 これを調べた人の話
衛星を打ち上げる人たちは、打ち上がった日を成功とは呼びません。10年以上休まず絵を送り続けて、はじめて成功です。運用する人が毎日そこにいるから、朝のニュースにあの雲の映像が出ます。

知っていると、なにがうれしいか 天気予報の映像が、だれかの仕事の結果に見えてきます。2.5分ごとの意味も分かります。

きょうためせること 気象衛星の画像を、朝と夕方の2回見てみよう。雲がどちらへ動いたかを矢印で紙に書きます。何日か続けると、日本の上空の雲がだいたい西から東へ動くという大きなくせが見えてきます。

6月29日からだ

食中毒は、なぜ梅雨に多いの?

つけない手を あらうふやさない早く ひやすやっつけるしっかり 加熱色も においも 変えずに ふえていく細菌は 夏 ウイルスは 冬に 多い

どっちだと思う? 食中毒は 夏だけ 気をつければ よい / 細菌は 夏に ウイルスは 冬に 多くなる

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細菌がふえやすい条件がそろうからです。多くの細菌は、あたたかくて湿ったところでよくふえます。梅雨から夏にかけては、気温も湿度も上がるので、食べものの中で細菌がふえる速さが一気に上がります。ただし、これは細菌が原因の食中毒の話です。ウイルスが原因のものは、冬に多くなります。だから「食中毒は夏だけ気をつければよい」というのは、正しくありません。

びっくり大事実! 「見た目もにおいも大丈夫だった」は、安全の証明にならない。細菌の多くは、色もにおいも味も変えずにふえていく。目で確かめられないから、時間で守る。

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防ぎ方は、3つにまとめられています。つけない、ふやさない、やっつける。つけないは、手洗いと、生の肉や魚をほかの食べものと分けること。ふやさないは、早く冷やして、室温に長く置かないこと。やっつけるは、しっかり加熱することです。ここでいちばん見落とされやすいのが、まん中の「ふやさない」です。作ったあとに台所へ置きっぱなしにした時間が、いちばん危ないのです。お弁当が心配なのも、作ってから食べるまでの時間が長いからで、材料が悪いからではありません。ちなみに、細菌の多くは目に見えず、においも味も変えないことがあります。「見た目もにおいも大丈夫だった」は、安全の証明にはなりません。

👤 これを調べた人の話
食中毒を減らしてきたのは、新しい薬ではなく、手を洗う、分ける、冷やす、加熱する、という地味な決まりごとでした。派手ではないことをみんなでやり続けたから、助かった人がたくさんいます。

知っていると、なにがうれしいか 台所で気をつける場所が、3つにしぼれます。心配の量がへって、行動がはっきりします。

きょうためせること きょう、作った料理が食べられるまで何分あったかを数えてみよう。夕食なら10分かもしれませんが、お弁当なら5時間ということもあります。時間を意識するだけで、保冷剤を入れる理由が分かります。

6月30日もの

せんぷうきの風は、なぜすずしいの?

かわく風は 空気を 1度も 冷やして いない湿った空気を 吹きとばして 蒸発を 助けるだけ

どっちだと思う? せんぷうきの 風は 部屋の空気より 冷たい / 風は 空気を 冷やさず あせの 蒸発を 助けている

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風そのものは、部屋の空気とだいたい同じ温度です。せんぷうきは空気を冷やしていません。それでも涼しいのは、あせの蒸発を助けているからです。じっとしていると、皮ふのすぐそばに、体から出た湿った空気の層ができます。この層があると、あせはそれ以上蒸発できません。風は、この層を吹きとばして、新しい空気を持ってきます。だから、あせがまた蒸発できるようになり、体から熱が出ていきます。

びっくり大事実! せんぷうきは、空気を1度も冷やしていない。やっているのは、皮ふのそばにたまった湿った空気を吹きとばすことだけ。冷やしているのは、いつも自分の体のほう。

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だから、せんぷうきには効かない場面があります。まわりの空気の温度が体温より高いときは、風は熱を運んでくる側に回ります。湿度がとても高いときも、あせが蒸発できないので効きめが弱くなります。同じ理由で、犬にせんぷうきを向けてもあまり涼しくなりません。犬は人のように全身であせをかかないからです。人間はとても多くの汗腺を持っていて、全身から蒸発で体を冷やせる、めずらしい動物です。長い距離を走り続けられるのも、これと関係があるとされています。せんぷうきの気持ちよさは、機械の力ではなく、自分の体の冷やし方を助けてもらっている気持ちよさなのです。

👤 これを調べた人の話
人が全身で汗をかけることは、動物の中ではめずらしい特徴です。長い距離を走り続けられる体のつくりと結びついていると考えられています。研究者は、そのことを化石や骨の形からも読みとろうとしています。

知っていると、なにがうれしいか 涼しさの正体が分かると、いちばん効く使い方が選べます。うでにきりふきをひと吹きする理由も分かります。

きょうためせること うでにきりふきで水をつけて、片方だけせんぷうきに当ててみよう。当てたほうがはっきり冷たくなります。そのあと、水をつけずに同じことをすると、差が小さいはずです。冷やしているのは風ではなく、蒸発だと確かめられます。

各問の科学的な内容は、気象庁、国立天文台、国土地理院、文部科学省などの公的機関が公表している資料と、小学校学習指導要領にもとづいて確認したうえで、小学生向けに書き直しています。裏取りができなかった問いは掲載していません。制作 スクールコンパス編集部