ホーム › 中学受験・塾 › 中学受験をやめたいと言う・続けるか迷う
中学受験をやめたいと言う・続けるか迷う
🗓️ 最終更新 2026年10月29日|次の見直し 2027年1月|作成・見直し:スクールコンパス編集部(根拠は研究論文と国の資料)|見直しの決め方
💬 「やめたい」と言われると、ここまでの毎日が頭をよぎって、心がざわつきますよね。
よくある場面:夜の11時、塾の宿題を前に「もう受験やめたい」と泣かれた。ここまでの3年間と、払ってきた月謝が頭をよぎる。
「やめたい」は、たいてい「いまがつらい」という合図です
今夜できること1つ 今夜は決めずに、「何がいちばんつらい?」とだけ聞く
📌 明日のための1行カード もし「ここまでやってきたのに」と言いそうになったら、「ここまで、よくがんばってきたね」と言う
なぜ、そうなるの?
秋から冬にかけての「やめたい」は、受験そのものより、いまの量や点数がつらいという合図のことがよくあります。話を聞いて量を少し減らすだけで、落ち着く子もいます。だから、続けるかどうかは今夜決めなくて大丈夫です。まず、何がいちばんつらいのかを、子どもの言葉で聞きます。説得するより、本人の言葉で理由を引き出す話し方の研究119件をまとめた分析では、小さいけれど確かな効果があり、時間がたっても続いていました。
今夜の手順
- 今夜は決めずに、「何がいちばんつらい?」とだけ聞く
理由:やめるかどうかより先に、つらさの中身が分かると、打つ手が見えるからです。 - しんどさが量なら、塾の先生に「今週だけ量を減らしたい」と相談する
理由:量を減らすのは、あきらめではなく、続けるための調整です。 - 週末に「続ける」「やめる」「形を変える(受ける学校の数を減らす、塾の回数を減らすなど)」の3つを紙に書いて、家族で話す
理由:二択にしないほうが、子どもが本音を言いやすくなります。 - 決めたことと、その理由を、子どもの言葉で1行書いておく
理由:自分で言葉にした理由のほうが、あとで迷ったときの支えになります。
そのまま言える言いかえ
- 「ここまでやってきたのに」→ 「ここまで、よくがんばってきたね」
これまでの時間を持ち出すと、子どもは責められていると感じて、本音を言えなくなります。 - 「やめるなら、全部むだになるよ」→ 「続けても、やめても、勉強した力は残るよ」
やってきたことが消えないと分かると、子どもは落ち着いて考えられます。 - 「じゃあ勝手にしなさい」→ 「決めるのは一緒にしよう。まず話を聞かせて」
見放されたと感じると、子どもは話すのをやめてしまいます。
今夜はしなくていいこと
今夜、続けるかやめるかを決めること
理由:疲れた夜に決めると、どちらを選んでも後悔が残りやすいからです。決めるのは、眠ったあとの週末で間に合います。
お子さんに聞いてみる
「受験のこと、いまどんな感じ?」
- 「やめたい」と答えたら:やめたいと答えたら、理由を最後まで聞いて「話してくれてありがとう」と返し、決めるのは週末に家族で話してからにする、とだけ伝えます。
- 「つかれた・休みたい」と答えたら:つかれた・休みたいなら、今週1日だけ、塾の宿題を半分にする日を子どもと一緒に決めます。
- 「続けたいけど、こわい」と答えたら:続けたいけどこわいなら、「こわいくらい本気なんだね」と、その気持ちをそのまま受け止めます。
2週間後に見ること
2週間後、受験の話をしても泣いたり黙りこんだりする日が減っていれば、量の調整が合っています。変わらないときや、朝起きられない・食べられない日が続くときは、塾の先生と、学校のスクールカウンセラーに相談してください。
学年で変わること
- 低学年(1〜3年生) 低学年のうちの「やめたい」は、受験というより、塾に通う形が合っていないことが多い時期です。回数を減らす・いったん休むも、選択肢に入れます。
- 高学年(4〜6年生) 高学年、とくに6年生の秋からの「やめたい」は、本番が近づいた不安から出ることがよくあります。決める前に、受ける学校の数を減らす道も考えます。
わが家の場合は?(3つの問いで答えが変わる)
ステップ2 わが家の場合は?(3問で答えが変わる「受験をやめたい」チェック)
「子どもが中学受験をやめたいと言う」は、家庭によってきっかけも強さもちがいます。3つの問いに答えると、わが家の場合の見立てと今夜の1つが変わります。
- お子さんは何年生ですか?(4年生/5年生/6年生)
- 「やめたい」のいちばん近い理由は?(成績が上がらない・クラスが下がった/塾の宿題が多すぎて寝る時間がない/塾の友だち・先生のこと/なぜ受験するのか分からなくなった)
- 「やめたい」と言うのは?(初めて言った/ときどき言う/毎日のように言う・泣く)
いちばん近いタイプの答え(タイプごとに、今夜の1つが変わります)
成績で自信をなくしているタイプ
成績が下がった直後の「やめたい」は、たいてい「今がつらい」という合図です。点数や偏差値ではなく、まちがえた単元を1つ見つけて直すと、「やればできる」が少し戻ってきます。
今夜の1つ 次のテストの「直す1問」だけを一緒に決め、その1問ができたら「できたね」と伝える
「こんな成績ならやめなさい」→ 「今回、ここが分かるようになったね」
2週間後 2週間後、「やめたい」が減り、自分から直しに取りかかる日があれば、自信が戻ってきています。
根拠:Mueller・Dweck 1998(結果より、やり方に目を向ける)(くわしくは模試・成績の見方のページ)
疲れと寝不足が限界に近いタイプ
塾の宿題で寝る時間がけずられているときの「やめたい」は、体からの合図です。全部をこなすより、優先順位をつけて量を減らすほうが、結果的に続けられます。塾の先生に、量の調整を相談できます。
今夜の1つ 塾の宿題を「必ずやる・できたらやる・やらない」に分けて、塾の先生に相談する
「受験生なんだから、寝る時間をけずるのは当たり前」→ 「今日は、ここまでで寝よう」
2週間後 2週間後、寝る時刻が守れていれば、疲れからくる「やめたい」は減っていきます。
根拠:米国睡眠医学会の推奨(6〜12歳は9〜12時間)
塾の人間関係がつらいタイプ
塾の友だちや先生との関係がつらいときは、受験そのものではなく、その環境が合っていない可能性があります。クラスや塾を変えることで、受験は続けられることもあります。
今夜の1つ 塾の先生に、子どもが話していることを伝え、クラスや席の調整を相談する
「我慢しなさい」→ 「どの時間がいちばんつらい?」
2週間後 2週間後、環境の調整ができていれば、受験を続けるかを落ち着いて決められます。
根拠:文部科学省「子供の学習費調査」、Patall・Cooper・Robinson 2008(本人が選ぶと続く)(くわしくは中学受験の塾選びのページ)
受験する理由を見失っているタイプ
何のために受験するのかが分からなくなると、がんばる理由がなくなります。自分の言葉で「行きたい理由」を言えると、続ける力が戻ることが、研究で分かっています(自分で変えたい理由を言葉にする関わり方)。
今夜の1つ 行きたい学校をもう一度見に行くか、学校のページを一緒に見て、「この学校のどこがいい?」と聞く
「ここまでやってきたんだから」→ 「あなたは、この学校のどこがいいと思う?」
2週間後 2週間後、子どもが自分の言葉で行きたい理由を言えれば、続ける力が戻ってきています。言えないなら、やめる選択も考えます。
根拠:Lundahl ほか 2010(自分で変えたい理由を言葉にする関わり方の研究のまとめ)
もとにした研究
研究と根拠をひらく
根拠:Lundahlほか(2010)自分で変えたい理由を言葉にする関わり方の研究のまとめ、Wangほか(2014)
研究でわかっていること 説得するのではなく、本人の「変えたい理由」を本人の言葉で引き出す話し方(動機づけ面接)の研究119件をまとめました。何もしない場合などとくらべると、小さいけれど確かな効果があり、時間がたっても続いていました。ほかのしっかりした方法とは、同じくらいでした。対象は、たばこ・お酒・食事・運動など、わかっていてもやめられない・続かない行動です。
たくさんの研究のまとめ(Lundahl, B. W., Kunz, C., Brownell, C., Tollefson, D., & Burke, B. L., 2010)
研究でわかっていること 13歳の時点で親が怒鳴る・ののしるなどの厳しい言葉でしつけていた家庭では、その後の1年で子どもの問題行動と気分の落ち込みが増えていました。親がふだん温かくても、この影響は打ち消されませんでした。
長く追いかけた調査(Wang, M.-T., & Kenny, S., 2014)
考えてみてほしい問い この子が受験を始めたとき、何をいちばん楽しみにしていましたか?
わが家の事情で、もう少し相談したいとき
「中学受験をやめたいと言う・続けるか迷う」の相談は、学年や、いつ・どこで起きるかを書き足すと、答えがわが家に合ってきます。💬 子育て相談室で、わが家の場合を続ける(名前・メール不要)→
この悩みに関わるページ
中学受験・塾の、ほかの場面
- 中学受験をするか迷ったら
- 中学受験の塾はいつから・どこにするか(費用の合計)
- 中学受験の成績が上がらない・偏差値が伸びない
- 中学受験で親がつらい・親子でぶつかる
- 中学受験の志望校が決まらない・決め方
- 中学受験の結果が思うようにいかなかったとき(子どもへの声かけ)
- 模試の結果で親子がけんかになる(中学受験)
- 中学受験・塾(ぜんぶの場面)
人に話したいとき、子どもの安全や体が心配なときは、子育ての相談先ナビから、無料の電話・LINEの窓口を選べます。
この悩みで、保護者から届いた相談と答え(1件)
子育て相談室に実際に届いた相談です。見出しを押すと、答えと今日の一歩が開きます。答えは相談室と同じものです。
「受験やめたい」と言われた夜。決める前に、聞くのはたった一言です届いた相談:中学受験をやめたい(子どもが言う・親が迷う)
💬 「やめたい」と言われた日は、親の心もぐらぐらしますよね。
「やめたい」は、本当にやめたい場合と、疲れて休みたい・うまくいかなくて悔しい場合があり、その日のうちには見分けられません。まず「何がいちばんいや?」と1つだけ聞き、睡眠と休みの時間を取り戻してから、もう一度話します。やめても公立中学に進む道があり、受験で身につけた力は高校受験でも生きます。続けるか決めるのは、2〜3日たって落ち着いてからで十分です。
✅ 今日の一歩:今夜は勉強の話をせず、「何がいちばんいや?」だけ聞いて、答えを否定せずに聞く。
📌 前もって決めておく1行:もし「もうやめたい」と言われたら、理由を聞く前に「そう思うくらい、しんどかったんだね」とだけ返す。
⛔ 今日はしなくていいこと:「ここまでお金をかけたのに」と言うこと。子どもは自分のせいだと感じ、本当の理由を話せなくなるからです。
根拠:受験期の親子の関わり方(スクールコンパス:親が疲れた日に読む1通)
これって教育虐待?親が線を越えない見分け方 →中学受験、親が疲れた・やめたいと思う日に読む1通 →中学受験するべきか迷ったら(メリット・デメリット) →