習い事の練習をしない(ピアノなど)
🗓️ 最終更新 2026年10月29日|次の見直し 2027年1月|作成・見直し:スクールコンパス編集部(根拠は研究論文と国の資料)|見直しの決め方
💬 練習しなさいと毎日言うのは、言うほうも疲れますよね。
よくある場面:「練習した?」「あとで」。毎日同じやりとりのまま、ピアノのふたは開かずに寝る時間になる。
練習は、ごほうびより「自分で決めた量」で続きます
今夜できること1つ 練習の時刻と量を、親が決めずに2択で本人に選ばせる
📌 明日のための1行カード もし「練習しなさいって何回言わせるの」と言いそうになったら、「今日は5分と10分、どっちにする?」と言う
なぜ、そうなるの?
「練習したらアイスね」は、その日は効きます。でも続けるうちに、子どもの中で練習が「アイスのための仕事」に変わり、アイスがない日はやらなくなりやすくなります。反対に「さっきの2段目、止まらずに弾けたね」と、できたところをそのまま言われると、子どもは自分から次をやりたくなります。いつ・どれだけやるかを自分で決めたときも、同じです。
今夜の手順
- 「今日は5分と10分、どっちにする?」と2択で聞く
理由:自分で決めた量は、言われた量より守りやすいからです。 - 「練習したら○○を買う」という約束はしない
理由:ごほうびがないと練習しない子になりやすいからです。 - 終わったら、できたところを1つだけそのまま言う。「3回目は、音がそろってたね」
理由:何を続ければいいかが子どもに伝わり、次もやりたくなるからです。
そのまま言える言いかえ
- 「練習しなさいって何回言わせるの」→ 「今日は5分と10分、どっちにする?」
命令より選択のほうが、自分で始めるきっかけになります。 - 「上手だね」→ 「3回目は、前より音がそろってたね」
ほめるのは結果より、変わったところです。何を続ければいいかが子どもに伝わります。 - 「練習しないならやめれば」→ 「練習するとしたら、いつがいい?」
自分で決めた時刻のほうが、守りやすくなります。
今夜はしなくていいこと
「月謝がもったいない」と言うこと
理由:お金の話をされると、練習が親のための決まりごとに変わりやすいからです。
お子さんに聞いてみる
「家で練習するなら、いつがいい?」
- 「学校から帰ってすぐ」と答えたら:帰ってすぐを選んだら、その時刻にタイマーを置いておくだけで、親は声をかけずに見守ります。
- 「ごはんの前」と答えたら:ごはんの前なら、「ごはんができるまで」を区切りにすると、終わりが自然に決まります。
- 「ごはんのあと」と答えたら:ごはんのあとなら、寝る時刻を先に決め、その30分前には終わる量にしておきます。
- 「わからない」と答えたら:分からないなら、1週間、3つの時刻を順にためして、いちばん続いた時刻を本人と選びます。
2週間後に見ること
2週間後、親が声をかける前に練習を始めた日が1日でもあれば、効いています。
学年で変わること
- 低学年(1〜3年生) 低学年の練習は、5分でも毎日続けることが大事な時期です。
- 高学年(4〜6年生) 高学年は、自分で目標を決めると練習が続きやすい時期です。次の発表会などの目標を本人と決めます。
わが家の場合は?(3つの問いで答えが変わる)
ステップ2 わが家の場合は?(3問で答えが変わる「習い事の練習」チェック)
「習い事の練習をしない」は、家庭によってきっかけも強さもちがいます。3つの問いに答えると、わが家の場合の見立てと今夜の1つが変わります。
- 何年生ですか?(1・2年生/3・4年生/5・6年生)
- いちばん近いのは?(言われないと練習しない/練習するとすぐあきる/練習がむずかしくなってきた)
- その習い事は好き?(好き/どちらでもない)
いちばん近いタイプの答え(タイプごとに、今夜の1つが変わります)
言われないと練習しないタイプ
練習は、ごほうびより「自分で決めた量」のほうが続くことが分かっています。毎日の時刻と量を、子どもに決めてもらいます。
今夜の1つ 練習の時刻と量(例:夕食前に5分)を、子どもに決めてもらい紙に書く
「練習しなさい!」→ 「今日の練習、何時にする?」
2週間後 2週間後、言われなくても練習する日がふえていれば、自分で決めた形が効いています。
根拠:自己決定理論(Deci・Ryan)
すぐあきるタイプ
同じ練習をくり返すとあきます。短く区切り、毎回1つだけ「今日できるようにすること」を決めると集中が続きます。
今夜の1つ 練習を5分に区切り、「今日はここができたら終わり」を1つ決める
「もっと練習しなさい」→ 「今日のめあては、ここだけね」
2週間後 2週間後、短い練習を続けられていれば、量は少しずつふやせます。
根拠:Deci・Ryan の自己決定理論(自分で決めたことは続きやすい)(くわしくは習い事のやめどきのページ)
むずかしくなったタイプ
内容がむずかしくなると、「できない」が続いて練習がいやになります。先生に、今の段階で家で何をすればいいかを聞きます。
今夜の1つ 先生に「家では何を、どのくらい練習すればいいですか」と聞く
「なんでできないの」→ 「ここまでできるようになったね」
2週間後 2週間後、先生の言う練習を続けられていれば、また上達していきます。
根拠:Deci・Ryan の自己決定理論(自分で決めたことは続きやすい)(くわしくは習い事のやめどきのページ)
もとにした研究
研究と根拠をひらく
根拠:米国の心理学者デシらが128件の実験をまとめた研究(1999年)。物のごほうびの影響は、大学生より子どもで大きめでした
研究でわかっていること 5年生を対象にした6つの実験で、「頭がいいね」とほめられた子は、失敗のあとに粘りが下がり成績も落ちました。やり方やがんばりをほめられた子は、失敗のあとも粘りました。
実験(Mueller, C. M., & Dweck, C. S., 1998)
研究でわかっていること 128の実験をまとめたところ、「やったら物をあげる」と先に約束するごほうびは、その活動そのものへの意欲を下げていました。物のごほうびは大学生より子どもで悪い影響が出やすく、一方で「できたところ」を言葉で伝えることは意欲を高めていました。
たくさんの研究のまとめ(Deci, E. L., Koestner, R., & Ryan, R. M., 1999)
考えてみてほしい問い 子どもが自分から練習したのは、どんなときでしたか?
わが家の事情で、もう少し相談したいとき
「習い事の練習をしない(ピアノなど)」の相談は、学年や、いつ・どこで起きるかを書き足すと、答えがわが家に合ってきます。💬 子育て相談室で、わが家の場合を続ける(名前・メール不要)→
この悩みに関わるページ
習い事の、ほかの場面
人に話したいとき、子どもの安全や体が心配なときは、子育ての相談先ナビから、無料の電話・LINEの窓口を選べます。
この悩みで、保護者から届いた相談と答え(1件)
子育て相談室に実際に届いた相談です。見出しを押すと、答えと今日の一歩が開きます。答えは相談室と同じものです。
ピアノの練習をしない日が続く。月謝が頭をよぎる前に、決めるのは「いつ・何分」届いた相談:習い事の練習をしない(ピアノなど)
💬 練習しないのを見ると、月謝のことも頭に浮かびますよね。
家での練習が続かないのは、やる気より「いつ・どこで・どれだけ」が決まっていないことが多いです。「夕ごはんの前に、1曲だけ」のように時間と量を小さく決め、終わったら親が1つだけ聞いて「上手になったところ」を言葉にすると、続きやすくなります。それでも何か月もいやがるなら、やめどきのサインかもしれません。
✅ 今日の一歩:練習を「いつ・どこで・何分」で1つ決め、紙に書いてピアノ(道具)のそばに貼る。
📌 前もって決めておく1行:もし練習の時刻になっても始めなかったら、「何分からにする?」と始める時刻だけ一緒に決め直す。
⛔ 今日はしなくていいこと:練習をしないたびに、月謝の話をすること。練習が「しかられる時間」になり、ますます遠ざかるからです。
根拠:実行の意図(いつ・どこで・何をするかを先に決める)の効果(Gollwitzer & Sheeran 2006)