「気が置けない友だち」は、油断できない友だち? それとも、気楽につきあえる友だち?
大人でもまちがえて覚えている言葉は少なくありません。文化庁の「国語に関する世論調査」でも、本来の意味より、ちがう意味で使う人のほうが多い言葉がいくつも見つかっています。中学入試の国語では、まさにこの「とりちがえ」が問われます。
このページでは、本当の意味と、よくあるまちがいを並べ、子どもに聞かれたときの答え方をそえました。まず下の2択で、親子で当てっこしてみてください。
ボタンを押すと、その場で正しい意味と理由が出ます。毎回ちがう10問が出ます。
字の見た目や、ふだんの使われ方から、反対や別の意味に覚えてしまいやすい言葉です。
本当の意味 遠慮しなくてよい、気楽につきあえる、という意味です
よくあるまちがい 油断できない
👪 子どもに聞かれたら:「えんりょしなくていい、気楽につきあえる、という意味だよ。『油断できない』という意味にまちがえる人が多いから気をつけてね」
本当の意味 その人の力にくらべて、役目が軽すぎることです
よくあるまちがい 力が足りない(力不足のこと)
👪 子どもに聞かれたら:「その人の力にくらべて、役目が軽すぎることだよ。『わたしには役不足です』と言うと、『わたしにはもっと大きな役がふさわしい』という意味になってしまうから気をつけよう。自分の力が足りないときは『力不足』と言うんだ」
本当の意味 よその人のよくない言動も、自分をみがく材料になる、という意味です
よくあるまちがい 見ならうべき、よいお手本
👪 子どもに聞かれたら:「よその山のつまらない石でも、自分の宝石をみがくのに役立つ。ほかの人のよくない言動も、自分をみがく材料になる、ということだよ。目上の人のよいおこないには使わないので注意してね」
本当の意味 ゆっくりと、落ち着いて動き出すようすのことです
よくあるまちがい 急に、とつぜん
👪 子どもに聞かれたら:「ゆっくりと、落ち着いて動き出すようすだよ。『急に』という意味だとかんちがいしやすいことばなんだ」
本当の意味 よろこんでそうする、という意味です
よくあるまちがい しぶしぶ、いやいや
👪 子どもに聞かれたら:「よろこんで、そうするという意味だよ。『協力するのはやぶさかでない』のように使うんだ。『しぶしぶ』という意味とまちがえやすいから注意してね」
本当の意味 当然、ぜひとも、という意味です。あとに「〜べし」が続くのがふつうです
よくあるまちがい すべて、みんな
👪 子どもに聞かれたら:「当然、ぜひとも、という意味で、あとに『〜べし』が続くよ。『すべて』という意味ではないので注意してね」
本当の意味 話や曲の、いちばん聞かせたい部分のことです
よくあるまちがい 話のいちばん最初の部分
👪 子どもに聞かれたら:「話や歌の、いちばん聞かせたい大事な部分のことだよ。『話の最初の部分』という意味でかんちがいしやすいことばなんだ」
本当の意味 世の中でもまれて、悪がしこくなっていることです
よくあるまちがい 世の中のことを知らない(世間知らず)
👪 子どもに聞かれたら:「世の中でもまれて、ずるがしこくなっていることだよ。本当は『世の中を知らない』という意味ではないので注意してね」
本当の意味 おかしさをこらえきれずに、思わず笑ってしまうことです
よくあるまちがい 笑いも出ないほどあきれる
👪 子どもに聞かれたら:「おかしさをがまんできなくて、思わずふき出して笑ってしまうことだよ。『笑いも出ないほどあきれる』という意味で使うのはまちがいなんだ」
本当の意味 おかしくてたまらず、食べていたご飯をふき出してしまうほどのことです
よくあるまちがい 腹が立ってしかたがない
👪 子どもに聞かれたら:「あまりにおかしくて、口に入れていたごはんをふき出してしまうほど、ばかばかしいことだよ。『おこる』という意味だと思う人が多いけれど、本当は『笑ってしまう』のほうなんだ」
本当の意味 その場しのぎで、あとに残らないやり方のことです
よくあるまちがい ひきょう、ずるい
👪 子どもに聞かれたら:「その場だけをしのぐ、間に合わせのやり方のことだよ。『ずるい』『ひきょう』の意味で使う人がとても多いけれど、本当は『その場しのぎ』という意味なんだ」
本当の意味 ものごとの本質を、するどくとらえた見方のことです
よくあるまちがい うたがってかかる、ひねくれた見方
👪 子どもに聞かれたら:「穿つは、穴をあけること。かくれたところまで見通した、するどい見方のことだよ。『うたがってかかる見方』という意味で使う人が多いけれど、本当はほめ言葉なんだ」
本当の意味 借りたものを、少しずつ返して片づけていくことです
よくあるまちがい うやむやにして、なかったことにする
👪 子どもに聞かれたら:「借りたものを少しずつ返していくように、少しずつ片づけていくことだよ。『なかったことにする』『うやむやにする』という意味で使う人が多いけれど、本当は『少しずつ』のほうなんだ」
本当の意味 だれも成しとげなかったことを、初めて成しとげることです
よくあるまちがい 豪快で、型やぶり
👪 子どもに聞かれたら:「だれもできなかったことを、はじめてやってのけることだよ。『型やぶりで豪快』の意味で使う人が多いけれど、もとの意味はそうではないんだ」
本当の意味 思いどおりにならず、がっかりして、ぼんやりしているようすです
よくあるまちがい 腹を立てて、むっとしている
👪 子どもに聞かれたら:「思っていたとおりにならず、がっかりして、ぼんやりしているようすだよ。『おこっているようす』の意味で使う人が多いけれど、もとの意味とはちがうんだ」
本当の意味 流れに乗って、ものごとが調子よく進むようにすることです
よくあるまちがい 流れに逆らう
👪 子どもに聞かれたら:「さおを川底につきさして舟を進めるように、流れにうまく乗って、ものごとを進めることだよ。『流れに逆らう』という反対の意味で使う人が多いから気をつけよう」
本当の意味 すばらしいものに出会って、心が深く感動することです
よくあるまちがい 相手をおこらせてしまう
👪 子どもに聞かれたら:「琴線は、琴の糸のこと。心のおくの、ふれると感動する部分を、琴の糸にたとえたんだ。すばらしいものに出会って、心が深く動くことだよ。『おこらせる』の意味で使うのはまちがいなんだ」
本当の意味 何もしないで、そばで見ていることです
よくあるまちがい 手まねきする
👪 子どもに聞かれたら:「何もしないで、ただそばで見ていることだよ。もとは『うでを組む』という意味で、『手まねきする』という意味ではないんだ」
本当の意味 自分の考えを広く知らせて、みんなに行動をよびかけることです
よくあるまちがい 元気のない人をはげます
👪 子どもに聞かれたら:「檄は、むかし自分の考えを書いて広く知らせた文書のこと。自分の考えを広く知らせて、みんなに行動をよびかけることだよ。『元気のない人をはげます』の意味で使われることが多いけれど、もとの意味とはちがうんだ」
本当の意味 前にしたことが気がかりで、その家や場所へ行きにくい、という意味です
よくあるまちがい 高級すぎて入りにくい
👪 子どもに聞かれたら:「前に約束をやぶったりして、気まずくて、その人の家に行きにくいことだよ。『高級すぎて入りにくい』の意味で使う人が増えているけれど、もとの意味とはちがうんだ」
本当の意味 とてもありがたい、十分満足だ、という意味です
よくあるまちがい まあまあ、ぎりぎり合格
👪 子どもに聞かれたら:「『御』の字をつけたいほど、とてもありがたい、十分満足だ、ということだよ。『まあまあ』『ぎりぎり』の意味で使う人もいるけれど、もとは『大いにありがたい』なんだ」
本当の意味 ちょうどよい時期のことです
よくあるまちがい 終わりにするべき時(だけ)
👪 子どもに聞かれたら:「海の潮が満ちたり引いたりする時を見て、船を出すのにちょうどよい時を決めたことから、何かをするのにちょうどよい時のことだよ。『終わりにする時』だけの意味ではないんだ」
本当の意味 子どもは、はじめが女の子、次が男の子だと育てやすい、という昔からの言い方です
よくあるまちがい 女の子が一人、男の子が二人
👪 子どもに聞かれたら:「子どもは、一人目が女の子、二人目が男の子だと育てやすい、という昔からの言い方だよ。『女の子一人と男の子二人』という人数の意味ではないんだ」
本当の意味 晩秋から初冬にかけての、春のようにあたたかくおだやかな日のことです
よくあるまちがい 春の、おだやかな晴れの日
👪 子どもに聞かれたら:「秋の終わりから冬のはじめごろの、春のようにあたたかくおだやかな日のことだよ。春の天気のことではないから注意してね」
本当の意味 とても用心深く、確かめてから行動することです
よくあるまちがい 用心しすぎて、けっきょく何もしない
👪 子どもに聞かれたら:「じょうぶな石の橋でも、たたいて大丈夫か確かめてから渡るくらい、よく気をつけるってことだよ。テストを出す前に名前と答えを見直すのと同じだね」
本当の意味 荷物の上下を逆さにしてはいけない、という注意書きです
よくあるまちがい 上下はどちらでもよい
👪 子どもに聞かれたら:「天は上、地は下のこと。上と下をひっくり返してはいけない、という注意書きだよ。『どちら向きでもいい』という意味ではないんだ」
本当の意味 おしいと思いながら、あえて省くことです
よくあるまちがい いらないので、ただ省く
👪 子どもに聞かれたら:「大切だと思うものを、惜しいけれど、しかたなく省くことだよ。ただ『はぶく』だけじゃなくて、惜しむ気持ちがこもっているんだ」
本当の意味 自分のしたことを、心の中で深くはずかしく思う気持ちです
よくあるまちがい もどかしくて腹が立つ
👪 子どもに聞かれたら:「自分のしたことを、心の中でとてもはずかしく思う気持ちだよ。『くやしくて腹が立つ』という意味ではないんだ」
本当の意味 話し合いが十分に進んで、結論が出そうになることです
よくあるまちがい 行きづまって、先に進めない
👪 子どもに聞かれたら:「お料理がぐつぐつ煮えて、できあがりに近づくように、話し合いが進んで、もうすぐ答えが出そうになることだよ。『行きづまる』という意味ではないんだ」
本当の意味 人に親切にすると、めぐりめぐって自分にもよいことが返ってくる、という意味です
よくあるまちがい 情けをかけると、その人のためにならない
👪 子どもに聞かれたら:「人に親切にすると、それがめぐりめぐって、自分にもよいことになって返ってくる、という意味だよ。『親切にするとその人のためにならない』という意味ではないんだ」
意味は合っていても、言い方や字をまちがえやすい言葉です。書き取りや「正しいほうを選ぶ」問題で出ます。
正しい形 的を射る(物事の大事な点を、正確についていることです)
よくあるまちがい 的を得る
👪 子どもに聞かれたら:「矢が的のまん中に当たるように、大事なところを正しくつかんでいることだよ。『的を得る』と書くのはまちがいとされることが多いから、テストでは『射る』と書こう」
正しい形 汚名返上(悪い評判を、新しい成果で取りのぞくことです)
よくあるまちがい 汚名挽回
👪 子どもに聞かれたら:「汚名(悪い評判)を返上して(返して)、取りのぞくことだよ。『汚名挽回』と言うのはまちがいとされることが多いんだ。挽回するのは『名誉』のほうだね」
正しい形 五里霧中(どうすればよいか、見通しがまったく立たないことです)
よくあるまちがい 五里夢中
👪 子どもに聞かれたら:「五里(約二十キロ)も続く深いきりの中にいるように、どうしたらいいか見通しが立たないことだよ」
正しい形 玉石混交(すぐれたものと、つまらないものが入りまじっていることです)
よくあるまちがい 玉石混合
👪 子どもに聞かれたら:「玉(宝石)と、ただの石がまじり合っているように、よいものと、そうでないものがまじっていることだよ」
正しい形 とりつく島がない(相手がまったく相手にしてくれず、話のきっかけがつかめないことです)
よくあるまちがい とりつく暇がない
👪 子どもに聞かれたら:「海で船を止める島が見つからないように、相手がまったく相手にしてくれず、話のきっかけがつかめないことだよ。『とりつく暇がない』はまちがいなんだ」
正しい形 泥仕合(たがいの欠点を言い合う、みにくい争いのことです)
よくあるまちがい 泥試合
👪 子どもに聞かれたら:「どろの中でつかみ合うように、おたがいの悪いところを言い合う、みにくい争いのことだよ。『泥試合』と書くのはまちがいなんだ」
正しい形 采配を振る(先頭に立って、指図をすることです)
よくあるまちがい 采配を振るう
👪 子どもに聞かれたら:「采配は、むかし大将が兵に合図をするのにふった道具のこと。先頭に立って、みんなに指図をすることだよ。『采配を振るう』と言う人も多いけれど、もとの形は『振る』なんだ」
正しい形 押しも押されもせぬ(だれもが認めていて、ゆるぎない、という意味です)
よくあるまちがい 押しも押されぬ
👪 子どもに聞かれたら:「押しても押されても動かないほど、だれもが認めていて、ゆるがないことだよ。『押しも押されぬ』と言う人も多いけれど、もとの形は『押しも押されもせぬ』なんだ」
正しい形 物議を醸す(世間の議論やうわさを引き起こすことです)
よくあるまちがい 物議をかもし出す
👪 子どもに聞かれたら:「世の中のいろいろな議論やうわさを、引き起こすことだよ。『物議をかもし出す』と言う人も多いけれど、もとの形は『物議を醸す』なんだ」
正しい形 侃々諤々(えんりょせずに、正しいと思うことを言い合うことです)
よくあるまちがい 喧々諤々(喧々囂々とまざった言い方)
👪 子どもに聞かれたら:「えんりょしないで、正しいと思うことを言い合うことだよ。学級会でみんなが本気で意見を出し合うようすなんだ」
正しい形 喧々囂々(大勢が、やかましく騒ぎ立てることです)
よくあるまちがい 喧々諤々(侃々諤々とまざった言い方)
👪 子どもに聞かれたら:「大勢の人が、口々にやかましくさわぐようすだよ。似た言葉の『侃々諤々』は、堂々と意見を言い合うこと。まぜた『喧々諤々』はまちがいなんだ」
多くは、字の見た目にひっぱられるからです。「噴飯もの」は「噴」がいかりに見え、「おもむろに」は音がいきおいよく聞こえます。もう一つは、まわりの大人がちがう意味で使っているのを聞いて、そのまま覚えてしまうからです。
だから、子どもを責める必要はありません。おうちの人も「どっちだっけ?」と一緒に当てっこするくらいがちょうどよく、そのほうが記憶にも残ります。
本当の意味は、国語辞典の説明と、文化庁「国語に関する世論調査」の結果をもとに編集部がまとめています。辞典によっては、新しい使い方も認めているものがあります。テストでは、もとの意味で答えるのが安全です。