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低学年と読む絵本 10冊<br>字が読めるようになっても、絵本はやめなくていい

小学校に入ると、絵本は卒業するものだと思われがちです。実際には逆で、1・2年生のあいだは絵本がいちばん効きます。字を追うのに力を使う時期に、絵が意味を助けてくれるからです。制作 スクールコンパス編集部 / 更新 2026年9月2日

絵本をやめる時期は、決めなくてかまいません

入学したから絵本は終わり、という区切りは、どこにもありません。1年生は1文字ずつ音にしてから意味にしている段階なので、絵の助けがあるほうが話が届きます。読み聞かせも同じです。自分で読めるようになったからやめる、ではなく、子どもが要らないと言うまで続けてかまいません。実際、読み聞かせをやめるのはたいてい親のほうの都合です。もう1つ、絵本は短いので、読み切ったという実感が毎日作れます。長い本で20日かかるところを、絵本なら1日で終わります。この達成感の回数が、本を読む子になるかどうかを決めます。字の多い本と絵本を、どちらかにする必要はありません。両方でかまいません。

読まないとき、どうするか

絵本は幼稚だと言われた

だれに言われたかによりますが、気にしなくてよいです。ここに挙げた絵本のうち何冊かは、高学年で読んでも別のものが残ります。字の量と中身の深さは、比例しません。

同じ絵本ばかり読んでほしがる

いちばんよくあることで、いちばん心配いらないことです。内容を覚えているぶん、言い回しや絵の細部に目が向いています。飽きるまで読んでください。ある日ぱたっと読まなくなります。

読み聞かせをいつまで続けるか迷う

子どもが要らないと言うまでで大丈夫です。1年生で自分で読めるようになっても、寝る前の1冊は続く家が多いです。1冊を半分ずつ読む方法もあります。左のページは親、右のページは子です。

低学年と読む絵本 10冊

読む順ではなく、いまの子の状態に合うものから1冊選んでください。全部読ませようとしないことが、いちばん続きます。表紙が気に入らなければ、それだけの理由で外してかまいません。

はらぺこあおむし

エリック・カール 作/もりひさし 訳 / 偕成社

読み聞かせ穴があいている曜日と数

あおむしが食べたものだけ、ページに穴があいています。指を入れられるので、話を聞くだけでなく手が動きます。曜日の順番と、1つ2つ3つと増えていく数がそのまま出てくるので、入学前から1年生の算数と地続きです。読み聞かせで最初に選んで外れることが、まずありません。

読んだあとに聞いてみる 月曜から日曜まで、ぜんぶで何こ食べたか数えてみよう。

きんぎょがにげた

五味太郎 / 福音館書店

さがす言葉が少ない2歳から

逃げたきんぎょを、ページの中からさがします。文がとても少ないので、まだ字が読めない子でも自分でページをめくれます。読んでもらう本から、自分で開く本に変わる最初の1冊になりやすいところにあります。

読んだあとに聞いてみる きんぎょはどこにかくれていた。つぎはどこにいると思う。

おおきなかぶ

A.トルストイ 再話/内田莉莎子 訳/佐藤忠良 画 / 福音館書店

読み聞かせくり返し声に出す

うんとこしょ、どっこいしょ、が何度もくり返されます。同じ言葉が戻ってくるので、2回目からは子どもが一緒に言えます。声に出して読むことが楽しい、という経験は、そのあとの音読につながります。教科書にも載っているので、学校で出会ったときに「知ってる」となります。

読んだあとに聞いてみる つぎに出てくるのはだれだと思う。だんだん小さくなっていくね。

しろくまちゃんのほっとけーき

わかやまけん / こぐま社

読み聞かせ料理音が楽しい

ホットケーキが焼けていく場面が、見開きいっぱいに順番に並びます。ぽたあん、ぴちぴち、ふくふく。音の言葉が続くので、聞いているだけで楽しい作りです。読んだあとに実際に焼くところまでいけるので、本と生活がつながります。

読んだあとに聞いてみる ホットケーキ、うちでも焼いてみる。どの順番だった。

スイミー

レオ・レオニ 作/谷川俊太郎 訳 / 好学社

教科書でおなじみ考える絵がきれい

小さな魚が集まって大きな魚のふりをします。教科書に載っているので、学校で習う前に家で読んでおくと、その子の中で位置が変わります。絵がスタンプのような版画で、ほかの絵本と手ざわりが違うのも、目を引く理由になります。

読んだあとに聞いてみる スイミーはどうして「ぼくが目になろう」と言えたんだろう。

からすのパンやさん

かこさとし / 偕成社

絵をさがすたくさん出てくるくり返し読める

見開きいっぱいに、80種類以上の変わったパンが並ぶページがあります。子どもはそこだけで何十分も過ごします。話としても、失敗した店が立ち直る筋があって、読み終わったあとに残ります。何度も開ける絵本は、家に1冊あると強いです。

読んだあとに聞いてみる このパンの中で、どれを食べてみたい。自分ならどんなパンを作る。

14ひきのあさごはん

いわむらかずお / 童心社

絵が細かい自然シリーズ

14ひきのねずみの家族が、朝ごはんを作って食べるだけの話です。事件は起きません。そのかわり、絵の中に14ひき全員がいて、だれが何をしているかを毎ページさがせます。文を追うのが苦手な子でも、絵で長い時間もちます。四季ごとにシリーズがあります。

読んだあとに聞いてみる この絵の中で、いちばん小さい子はどこにいる。何をしている。

ねないこ だれだ

せなけいこ / 福音館書店

こわいとても短いハロウィンにも

夜ふかしをしている子は、おばけにされてしまいます。とても短く、絵は貼り絵で、こわさがはっきりしています。こわい本の入口として、いちばん段階が低いところにあります。ハロウィンの時期に、こわいのが苦手な小さい子と読むのにちょうどよい厚さです。

読んだあとに聞いてみる この絵、どこがこわかった。おばけになったら、なにをする。

こんとあき

林明子 / 福音館書店

長めぼうけん年長から

ぬいぐるみのこんと、女の子のあきが、二人で電車に乗って旅をします。絵本としては長く、心細い場面もありますが、そこを越えるからこそ最後が効きます。絵本から読み物に移る少し前の段階で、話を最後まで追う力がつく1冊です。

読んだあとに聞いてみる あきがいちばん心細かったのは、どこだったと思う。

100万回生きたねこ

佐野洋子 / 講談社

高学年でも考える答えが出ない

100万回死んで100万回生きたねこが、1回だけ本気で泣きます。絵本ですが、低学年で読んだときと高学年で読んだときで、まったく違うものが残ります。読み終わったあとに親のほうが黙る本です。学年を問わず、家に置いておく価値があります。

読んだあとに聞いてみる ねこはどうして、100万回目でだけ泣いたんだと思う。

この本を手に入れる前に

買う前に、図書館で1冊だけ借りてみてください。同じ作者やシリーズなら、1冊が合えばあとも合います。逆に、1冊目で止まった本を買いそろえても、たいてい読まれません。図書館で当たりが出てから買う、という順にすると、家の本棚に読まれない本がたまらなくなります。

書店で探すときは、書名と作者名をメモして持っていってください。同じ題名で別の版が出ていることがあります。読み聞かせに使うなら、字の大きさと1ページの文字量を必ず見てから決めるのが確実です。

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