はじめての長い本 11冊
絵本の次の1冊で、失敗しないために
感想文をコンクールに出したいとき、個人では応募できません。青少年読書感想文全国コンクールは学校単位の応募で、担任の先生に言うのが唯一の道です。冬休みの宿題に出る学校もあります。読書感想文の書き方とコンクールのしくみ →
読書週間は10月27日から11月9日です。学校で読書カードが配られる2週間。白いまま何日も過ぎて焦る前に、読書週間に、本を読まない子とどうするかを読んでみてください。ページ数ではなく「なにを読んだか」を書く読書週間の読書カード(14日ぶん・印刷)もあります。1冊読み切らせようとしないこと、寝る前の10分だけ時間を決めること、高学年でも読み聞かせをやめないこと。感想文が宿題で出たら書き方、語彙をふやしたいなら言いかえ辞典があります。
絵本の次に何を渡すかで、その子が本を読む子になるかが決まります。ここで字だけの本を渡すのが、いちばんよくある失敗です。橋になる本には、共通する形があります。制作 スクールコンパス編集部 / 更新 2026年9月4日
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はじめての長い本 11冊
読む順ではなく、いまの子の状態に合うものから1冊選んでください。全部読ませようとしないことが、いちばん続きます。表紙が気に入らなければ、それだけの理由で外してかまいません。
1冊ごとに、字のりょうと、こわさを星で出しています。子どもが自分で選べるように、その本のなかで起きることを3行だけ書きました。つづきと結末は書いていません。読んだ本は「よんだよ」を押すとたまります。記録は端末の中だけに残り、こちらには何も送られません。
どれにするか決められないときは、3つ答えると1冊だけ出します →
エルマーのぼうけん
ルース・スタイルス・ガネット 作/わたなべしげお 訳 / 福音館書店
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
絵本から読み物に変わる橋になる本です。1つの章が短く、次の章で何が起きるかが分かる形になっているので、1日1章ずつ読めます。巻頭に島の地図があり、いま自分がどこまで来たかが目で分かるのも、続く理由になります。1年生に置いているのは、この学年の終わりごろに読み切れる子が出てくるからです。入学直後には長すぎるので、無理に渡さないでください。絵本を自分で1冊読み終えられるようになってからで間に合います。
- エルマーが、りゅうの こどもを たすけに しまへ 行きます。
- もっていくのは、チューインガムと はブラシと むしめがねと、あと いくつか。
- そのへんな もちものが、ぜんぶ やくに立ちます。どう つかうと 思う?
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はじめての長い本章が短い地図つき
読んだあとに聞いてみる エルマーがリュックに入れたもので、いちばん役に立ったのはどれ。
かいけつゾロリ シリーズ
原ゆたか / ポプラ社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
字が少なく、絵とふきだしが多く、しかけページがあります。本を読まない子でもこれだけは読む、ということがよくあります。学習まんがのようで本ではない、と心配される方がいますが、1人で最後まで読み切った経験を作ることのほうが先です。ここから字の多い本に移った子をたくさん見ます。1年生に置いているのは、この学年で自分から本に手を出す子と出さない子が分かれるからです。最初の1冊を自分で選んだ経験があるかどうかが、そのあとを変えます。
- いたずらの てんさい ゾロリが、こんかいも なにかを たくらみます。
- えと ふきだしが おおいので、じを よむのが にがてでも すすみます。
- ページを めくると しかけが 出てくる ところが あります。
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シリーズマンガに近い自分から読む
読んだあとに聞いてみる ゾロリのいたずらで、いちばんうまくいったのはどれ。自分ならどうする。
こまったさんのスパゲティ
寺村輝夫 作/岡本颯子 絵 / あかね書房
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
お話の途中に、実際に作れるレシピが入っています。読んで終わりではなく、その日の夕食で作れます。読んだことが手の動きに変わる形なので、読書が苦手な子でも「読んだ意味」が分かりやすいところにあります。2年生に置いているのは、シリーズものを自分で選びはじめる時期だからです。1冊が合えば、次の1冊を自分で決められます。
- こまったさんが、スパゲティを つくることに なります。
- とちゅうで、ほんとうに つくれる レシピが 出てきます。
- よんだ あとに、きょうの ごはんで ためせます。
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シリーズ料理女の子に人気
読んだあとに聞いてみる こまったさんのレシピ、うちで作ってみる。どれがいい。
車のいろは空のいろ
あまんきみこ / ポプラ社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
空色のタクシーの運転手さんが、ふしぎなお客さんを乗せる短編集です。1話が短いので、1日1話で読めます。教科書に載っている作品の作者なので、学校で名前を見た子がすっと入れます。派手ではありませんが、読み終わったあとに何かが残るタイプの本です。2年生に置いているのは、短編集が読み物への入口として効くからです。1話ごとに終わるので、途中でやめても失敗になりません。
- そらいろの タクシーの うんてんしゅさんが、おきゃくを のせます。
- ところが、その おきゃくは ふつうの 人では ないことが あります。
- 1話が みじかいので、1日1話ずつ 読めます。
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短編教科書でおなじみしずかな話
読んだあとに聞いてみる もし空色のタクシーに乗れたら、どこへ行きたい。
番ねずみのヤカちゃん
リチャード・ウィルバー 作/松岡享子 訳 / 福音館書店
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
声が大きすぎるねずみの子が主人公です。全体が短く、絵も入るので、絵本から読み物に移る橋として使えます。うるさいことが最後に役に立つ、という形になっていて、落ち着きがないと言われがちな子が読むと効きます。その橋がかかるのが2年生です。
- ヤカちゃんは、こえが とてつもなく 大きい ねずみです。
- しずかに しなさいと 言われても、できません。
- その こえが、あるとき やくに 立ちます。
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短い声が大きいはじめての読み物
読んだあとに聞いてみる ヤカちゃんの こえが 大きいのは、こまること だけだった。
ふたりはともだち
アーノルド・ローベル 作/三木卓 訳 / 文化出版局
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
がまくんとかえるくんの短編集です。教科書に載っている「お手紙」もここに入っています。1話が数ページで、文が短く、それでいて中身が深いという珍しい本です。低学年の1人読みの1冊目として、これ以上ないくらい向いています。
- がまくんと かえるくんは、いつも いっしょです。
- ボタンを なくしたり、アイスを おとしたり します。
- たいした ことは おきません。でも おもしろいです。
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短編教科書でおなじみはじめての読み物
読んだあとに聞いてみる がまくんと かえるくん、どっちが 自分に にている。
いやいやえん
中川李枝子 作/大村百合子 絵 / 福音館書店
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
わがままなしげるが主人公の短編集です。ぐりとぐらの作者による最初の読み物で、絵本を卒業する時期にちょうど合います。悪い子が悪いまま話が進むので、道徳の本にありがちな窮屈さがありません。3年生に置いているのは、絵本を卒業しきれていない子がまだ多い学年だからです。読み物の形をしていながら絵本の手ざわりが残っているので、段差を感じずに移れます。
- しげるは、なんでも いやだと 言う 男の子です。
- ある日、ほんとうに 「いやいやえん」に 入れられます。
- そこでは、なにを しても おこられません。
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短編保育園はじめての読み物
読んだあとに聞いてみる しげるは、さいごに かわったと思う。
ロボット・カミイ
古田足日 作/堀内誠一 絵 / 福音館書店
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
ダンボールで作ったロボットのカミイが動き出し、幼稚園で大さわぎを起こします。出版社は、読んであげるなら4才から、自分で読むなら小学校の低学年からとしています。章の切れ目で止められるので、1日1章ずつ進められます。わがままな相手をどう受け入れるかという話で、同じページに『おしいれのぼうけん』を入れているのと同じ作者です。
- ダンボールで 作った ロボットが、しゃべって 動きだします。
- 名前は カミイ。いばりんぼうで、泣き虫です。
- ようちえんに 行った カミイは、あちこちで さわぎを おこします。
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はじめての長い本章が短い気持ちを考える
読んだあとに聞いてみる カミイのわがままに、あなたなら何と言う。カミイの言い分にも理由はあったかな。
ルドルフとイッパイアッテナ
斉藤洋 作/杉浦範茂 絵 / 講談社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
家から遠くはなれてしまった黒ねこのルドルフが、ボスねこのイッパイアッテナと出会います。1冊は長めですが、章が短く次が気になる作りなので、4年生がはじめて厚い本を最後まで読み切る経験に向いています。字を覚えることが自分を助けるという話が、ねこの言葉で出てきます。
- 黒ねこの ルドルフが、トラックに のって 遠くの 町へ 行って しまいます。
- そこで ボスねこの イッパイアッテナと 出会います。
- ルドルフは、字を おぼえる ことに なります。
おうちの方へ この本の細かいところ
はじめての厚い本シリーズ気持ちを考える
読んだあとに聞いてみる イッパイアッテナが字を読めたことは、どこで役に立った。
トムは真夜中の庭で
フィリパ・ピアス 作/高杉一郎 訳 / 岩波書店
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
真夜中に13回鳴った時計の音を聞いたトムが、昼にはないはずの庭へ出ていきます。ふしぎな話ですが、最後まで読むと理屈が通っていることが分かります。4年生は前に読んだところを覚えておく力がついてくるので、あとで意味が分かる仕掛けの気持ちよさをはじめて味わえます。厚い本に手が出るかどうかの分かれ目に置く1冊です。
- トムは、あずけられた 家で つまらない 毎日を すごして います。
- 夜中に 時計が 13回 鳴った ので、外へ 出て みます。
- そこには 昼には ない はずの 庭が 広がって います。
おうちの方へ この本の細かいところ
長い本ふしぎ最後で分かる
読んだあとに聞いてみる トムが庭で会った女の子は、だれだったのだろう。
大草原の小さな家
ローラ・インガルス・ワイルダー 作 / 各社から出ています
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
19世紀のアメリカで、一家がほろばしゃで移り住み、家を建て、井戸をほるまでが細かく書かれています。事件で引っぱる本ではなく、暮らしそのものを読む本です。5年生の社会科で開拓や生活の変化を習うので、教科書の言葉が場面として入ってきます。作者自身の子ども時代がもとになっています。
- 一家が ほろばしゃに のって、大草原へ ひっこします。
- 家を 建て、井戸を ほり、まきを あつめます。
- くらしの ひとつひとつを、自分たちの 手で 作って いきます。
おうちの方へ この本の細かいところ
くらしが細かいシリーズ社会とつながる
読んだあとに聞いてみる いまの自分の暮らしで、この家族がいちばんおどろきそうなものは何だろう。
おうちの方へ 橋になる本には、4つの共通点があります
おうちの方へ 読まないとき、どうするか
段階を1つ飛ばしています。絵が残っている読み物に戻してください。戻ることは、遅れることではありません。
それでかまいません。1冊目にかかる日数は、2冊目で半分になります。しおりを毎日進めるだけで、進んでいることが目に見えます。
やめる必要はありません。1冊を半分ずつ読む方法が使えます。左のページは親、右のページは子。同じ本を一緒に進めている感じになります。
この本を手に入れる前に
買う前に、図書館で1冊だけ借りてみてください。同じ作者やシリーズなら、1冊が合えばあとも合います。逆に、1冊目で止まった本を買いそろえても、たいてい読まれません。図書館で当たりが出てから買う、という順にすると、家の本棚に読まれない本がたまらなくなります。
書店で探すときは、書名と作者名をメモして持っていってください。同じ題名で別の版が出ていることがあります。読み聞かせに使うなら、字の大きさと1ページの文字量を必ず見てから決めるのが確実です。
ほかの学年・テーマ
読んだあと、書くところまで
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