兄弟喧嘩が多い・毎日けんかする 親はどう止める? 年齢別の目安と、仲裁のしかた
💬 毎日のきょうだいげんか、どちらの話を聞けばいいのか分からなくなりますよね。けんかがあるのは、家族の仲が悪いからではありません。
今夜できること1つ 今夜けんかが起きたら、どちらが悪いかを決めずに、「〇〇はいやだったんだね。△△はどうしたかったの?」と2人の気持ちを1つずつ言葉にしてください。
兄弟喧嘩(きょうだいげんか)とは、きょうだいの間で物や順番、親の注目などをめぐって起きる言い合いや取っ組み合いのことです。どの家にもあり、話し合いや折り合いのつけ方を学ぶ場にもなります。
兄弟喧嘩は毎日あってもふつう? 年齢別の目安と、親の入り方
うちの子だけ、ではありません。3〜7歳のきょうだいは、1時間に3回以上もめるという観察があります。毎日けんかするのは、めずらしいことではありません。
小さいころのけんかの多さは、大人になってからの仲の良さとはあまり関係がなく、一緒に楽しく遊べる時間があるかどうかが大事だと分かっています。心配なのは回数より、手が出る・いつも同じ子がやられている、という形です。
| 年齢 | よく見られるけんか | 自分たちで解決できる? | 親の入り方 | 相談を考える目安 |
|---|---|---|---|---|
| 3〜6歳(幼児) | おもちゃの取り合い・たたく・押す | まだむずかしい | 安全を守り、2人の気持ちを親が言葉にする | けがをするほど手が出る |
| 小学校低学年 | 順番・「ずるい」・ゲームの取り合い | 8歳ごろまでは、まだ親の仲立ちが必要 | 仲立ちの4つの手順を、毎回同じ形でくり返す | 毎回同じ子が一方的にやられる |
| 小学校中学年 | 口げんか・からかい・ちょっかい | 自分たちで解決できることがふえる | 解決策は子どもに出させ、親は見守る役にまわる | ひどい言葉や仲間はずれが続く |
| 小学校高学年〜中学生 | 部屋・物・プライバシー、無視 | 多くは自分たちで解決できる | 「2人で決めて、決まったら教えて」と任せ、1人ずつの時間を大事にする | 一方が家にいるのをいやがるほど続く |
この表のもとにした研究・資料(ひらく)
出典:Ross らの観察(3〜7歳のきょうだいは1時間に約3.5回もめる。米国のきょうだい研究者 Kramer の紹介による)、Kramer 2010(Child Development Perspectives。けんかの多さより一緒に楽しむ時間がよい関係のもと)、Siddiqui・Ross 2004(Journal of Family Psychology)、Smith・Ross 2007(Child Development。親の仲立ちで子どもが自分たちで解決できるようになる)。「8歳ごろまではまだ自分たちだけでの解決はむずかしい」は Kramer の指摘です。年齢の区切りはおよその目安です。
わが家のけんかのタイプ(取り合い・親の取り合い・ちょっかい・ゲーム)に合わせた答えは、このすぐ下の「わが家はどれ?」のステップ2で、3問で出せます。
毎日のきょうだいげんかは、どちらの話を聞けばいいのか迷いますよね。
わが家はどれ? 相談室の答え
相談室に届く相談のうち、この悩みで多い場面です。答えは子育て相談室と同じものです。いちばん近い場面を開いてください:兄弟喧嘩が多い・毎日けんかする(止め方)/兄弟喧嘩で、親がイライラして怒ってしまう
兄弟喧嘩が多い・毎日けんかする(止め方)
Q. 「お兄ちゃんがたたいた!」「先にやったのはそっち!」。毎日、夕方になるとおもちゃとゲームの取り合い。どっちの言い分を聞けばいいのか分からない。
💬 毎日きょうだいげんかが続くと、どちらの話を聞けばいいのか、親のほうが疲れてしまいますよね。
きょうだいげんかは、親が審判ではなく「仲立ち」をすると、子どもたちが自分で解決できるようになっていきます
なぜ? きょうだいげんかは、どの家にもあるものです。
今夜の1つ 今夜は、けんかが起きたら、どちらが悪いかを決めずに「〇〇はいやだったんだね。△△はどうしたかったの?」と、2人の気持ちを1つずつ言葉にする
📌 明日のための1行カード:もし「どっちが悪いの!」と言いそうになったら、「〇〇はいやだったんだね。△△はどうしたかったの?」と言う
2週間後 2週間後、けんかのあとに子どもたちから「交代でやる」「半分こにする」など解決策が出てくる日があれば、仲立ちが身についてきています。
そのまま言える言いかえ
- 「どっちが悪いの!」→「〇〇はいやだったんだね。△△はどうしたかったの?」 審判をすると、けんかのたびに親が呼ばれるようになります。
- 「お兄ちゃんなんだから、がまんしなさい」→「お兄ちゃんも、取られていやだったんだね」 上の子だけにがまんさせると、下の子へのいらだちが強くなります。
- 「もうけんかしないで!」→「どうしたら2人とも楽しく遊べるかな?」 けんかをなくすより、一緒に楽しめる方法を探すほうが、仲が育ちます。
今夜の手順
- 2人を落ち着かせる(手が出ているときは、まず離す) 理由:興奮したままでは、話し合いにならないからです。
- それぞれの言い分を聞き、親の言葉で言いかえる(「〇〇は、取られていやだったんだね」) 理由:気持ちを分かってもらえると、相手の話も聞けるようになります。
- 「どうしたら2人ともいい?」と、解決策を子どもに出させる 理由:自分たちで決めた解決策は守られやすく、次のけんかで自分たちで使えるようになります。
- 決めた解決策を、1つだけくり返して確かめる 理由:何を決めたかがはっきりすると、同じけんかが起きにくくなります。
今夜はしなくていいこと けんかのたびに、どちらが悪いかを決めること 理由:審判をすると、けんかが親の注目を集める方法になり、回数がふえやすくなります。
お子さんに聞いてみる 「きょうだいとけんかしたあと、どうしてほしい?」
- 「話を聞いてほしい」と答えたら:話を聞いてほしい子には、相手の話より先に、その子の気持ちを1つ言葉にして返します。
- 「ひとりにしてほしい」と答えたら:ひとりにしてほしい子には、落ち着く場所と時間を決めて、あとで話す約束をします。
- 「どっちが悪いか決めてほしい」と答えたら:決めてほしいと言うときこそ、決めずに「どうしたら2人ともいいかな?」と解決策を出してもらいます。
学年で変わること 低学年は、まだ自分たちだけで解決するのはむずかしい時期です。親が仲立ちの手順を毎回同じ形でくり返します。 高学年は、自分たちで解決できることがふえます。親は「2人で決めて、決まったら教えて」と任せる場面をふやします。
なぜそうなるか・もとにした研究(ひらく)
きょうだいげんかは、どの家にもあるものです。3〜7歳のきょうだいは1時間に3回以上もめるという観察もあり、多いこと自体は心配いりません。小さいころのけんかの多さは、大人になってからのきょうだいの仲の良さとはあまり関係がなく、むしろ一緒に楽しく遊べる時間があるかどうかが大事だと分かっています。親が「どちらが悪いか」を決める審判になるとけんかのたびに呼ばれますが、気持ちを言葉にして解決策を子どもに出させる仲立ちをすると、親がいないところでも自分たちで解決するようになったという研究があります。
根拠:Siddiqui・Ross 2004(Journal of Family Psychology)、Smith・Ross 2007(Child Development)、Kramer 2010(Child Development Perspectives)
研究でわかっていること 親が、きょうだいげんかの「審判」ではなく「仲立ち」をする方法を学ぶと、子どもたちは、親がいないところでも、気持ちや考えを話し合い、より公平に自分たちで解決するようになりました。相手の気持ちや目的を言い当てる力も伸びていました。
くらべる実験(Smith, J., & Ross, H., 2007)
研究でわかっていること きょうだいのけんかをゼロにすることより、一緒に楽しく遊べる時間を育てることが、よいきょうだい関係のもとになるとまとめた論文です。けんかが全く無いことは、かえって自分の意見を言い合う練習の機会を減らしうるとしています。
たくさんの研究のまとめ(Kramer, L., 2010)
考えてみてほしい問い わが家のきょうだいに、大人になったときどんな関係でいてほしいですか?
ステップ2 わが家の場合は?(3問で答えが変わる兄弟喧嘩チェック)
上の答えは、多くの家庭に当てはまる答えです。家庭によって、きっかけも強さもちがいます。3つの問いに答えると、わが家の場合の見立てと今夜の1つが変わり、やってみたあとの様子で次の一手を返します。
- けんかのとき、手は出ますか?(口げんかだけ/ときどき手が出る(たたく・押す)/いつも同じ子が一方的にやられている)
- いちばん多いけんかの理由は?(おもちゃ・物・順番の取り合い/「ずるい」「ひいき」(親の取り合い)/からかい・ちょっかい/ゲーム・テレビ・タブレット)
- きょうだいの年の差は?(1〜2歳/3〜5歳/6歳以上)
この悩みに関わるページ
兄弟喧嘩で、親がイライラして怒ってしまう
Q. 「お兄ちゃんがたたいた!」「先にやったのはそっち!」。毎日のように呼ばれて、裁く役になっている。
💬 きょうだいげんかの仲裁は、毎日だと親のほうが先にくたびれます。
けんかの仲裁は、判定しないほうがおさまりやすくなります
なぜ? きょうだいげんかは、親の注目をとり合うことから起きやすいとされています。
今夜の1つ 手が出たときだけ、すぐ間に入る。それ以外は、なるべく入らない
📌 明日のための1行カード:もし「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」と言いそうになったら、「あなたはどうしたかったの?」と言う
2週間後 2週間後、親が呼ばれる回数が減っていれば、効いています。
そのまま言える言いかえ
- 「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」→「あなたはどうしたかったの?」 年上だからと我慢させると、上の子に不満がたまります。
- 「どっちが悪いの?」→「2人で解決できたら教えてね」 自分たちで解決できたときにほめると、その力が育ちます。
- 「お兄ちゃんなのに」→「2人とも、それぞれの言い分を聞かせて」 くらべずに、1人ずつ話を聞きます。
今夜の手順
- 手が出たときだけ、すぐ間に入る。それ以外は、なるべく入らない 理由:親が審判になると、けんかのたびに呼ばれるようになるからです。
- 1人ずつ、週に何回か10分だけ2人の時間をつくる 理由:親の注目をとり合う必要が減ると、けんかも減りやすくなります。
- 「お兄ちゃんはできたのに」など、比べる言葉を使わない 理由:比べられた子は、自分のほうが大事にされていないと感じやすいからです。
今夜はしなくていいこと どちらが先に手を出したかを、裁くこと 理由:裁くと、どちらかが「親は味方じゃない」と感じやすいからです。
お子さんに聞いてみる 「けんかのとき、どうしてほしい?」
- 「話を聞いてほしい」と答えたら:話を聞いてほしいなら、それぞれ別々に、1人ずつ聞く時間をつくります。
- 「止めてほしい」と答えたら:止めてほしいなら、手が出そうなときは間に入る、と約束しておきます。
- 「ほうっておいてほしい」と答えたら:ほうっておいてほしいなら、危なくないかぎり、少し離れて見守ってみてください。
学年で変わること 低学年のきょうだいげんかは、親が間に入りすぎないほうが、2人で解決する力がつく時期です。 高学年は、上の子が「いつも我慢させられている」と感じやすい時期です。1人ずつの時間をつくります。
なぜそうなるか・もとにした研究(ひらく)
きょうだいげんかは、親の注目をとり合うことから起きやすいとされています。親が審判になると、けんかのたびに呼ばれるようになります。手が出たときだけ間に入り、それ以外は入らない。1人ずつ、短くても2人だけの時間をつくる。比べる言葉を使わない。この3つで、とり合う理由が減っていきます。
根拠:米国小児科学会「Sibling Rivalry」
研究でわかっていること 13歳の時点で親が怒鳴る・ののしるなどの厳しい言葉でしつけていた家庭では、その後の1年で子どもの問題行動と気分の落ち込みが増えていました。親がふだん温かくても、この影響は打ち消されませんでした。
長く追いかけた調査(Wang, M.-T., & Kenny, S., 2014)
考えてみてほしい問い それぞれの子と1対1で過ごした時間は、最近いつでしたか?
この悩みに関わるページ
「お兄ちゃんがたたいた!」「先にやったのはそっち!」。毎日のきょうだいげんかは、どちらの話を聞けばいいのか分からなくなります。まず年齢別の目安で答え、そのあと、場面ごとの今夜の1つをまとめました。
兄弟喧嘩の止め方:審判ではなく「仲立ち」の4つの手順
| 手順 | 親が言うこと(例) | なぜ |
|---|---|---|
| 1. 落ち着かせる | 「ストップ。いったん離れよう」(手が出ているときは、まず離す) | 興奮したままでは、話し合いにならない |
| 2. 気持ちを言葉にする | 「〇〇は、取られていやだったんだね」「△△は、使いたかったんだね」 | 分かってもらえると、相手の話も聞けるようになる |
| 3. 解決策を子どもに出させる | 「どうしたら2人ともいいかな?」 | 自分たちで決めたことは守られやすい |
| 4. 決めたことを確かめる | 「じゃあ、タイマーで10分ずつ交代ね」 | 何を決めたかがはっきりすると、同じけんかが起きにくい |
この手順は、カナダの研究で、親が学ぶと子どもたちのけんかの話し合い方が変わり、親がいないところでも、気持ちや考えを話し合って公平に解決するようになったものです(Siddiqui・Ross 2004、Smith・Ross 2007)。
けんかを減らすのは、止め方より「楽しい時間」
米国のきょうだい研究では、けんかを止めることより、一緒に楽しく遊べる時間をふやすことが、よいきょうだい関係のもとだとされています(Kramer 2010)。協力して遊ぶゲーム、一緒に作る料理、親もまざる10分の遊び。けんかの少ない時間をふやすほど、けんかの理由も減っていきます。
兄弟喧嘩のよくある質問
兄弟喧嘩(きょうだいげんか)は、どのくらいあるのがふつうですか?
3〜7歳のきょうだいは、1時間に3回以上もめるという観察があります。毎日あるのはめずらしいことではありません。大事なのは回数より、手が出ていないか、いつも同じ子が一方的にやられていないか、一緒に楽しく遊べる時間もあるかです。
兄弟喧嘩に親は入るべき?放っておくべき?
8歳ごろまでは、自分たちだけで解決するのはまだむずかしいとされています。どちらが悪いかを決める「審判」ではなく、気持ちを言葉にして解決策を子どもに出させる「仲立ち」として入ります。仲立ちを続けると、親がいないところでも自分たちで解決するようになったという研究があります(Smith・Ross、2007年)。
兄弟喧嘩で手が出るときは?
手が出たときは、話し合いより先に2人を離します。「たたくのはなし。気持ちは聞くよ」と短く伝え、落ち着いてから話を聞きます。いつも同じ子が一方的にやられているときは、いじめに近い形として、やられている子を守ることを優先します。
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と言ってしまいます。
上の子だけにがまんを求めると、下の子へのいらだちが強くなり、けんかがふえることがあります。上の子の「いやだった」も、下の子と同じように言葉にして受け止めます。1人ずつ、その子だけと過ごす時間を作るのも効果があります。
兄弟喧嘩が多いと、大人になっても仲が悪くなりますか?
米国のきょうだい研究では、小さいころのけんかの多さより、一緒に楽しく遊べる時間があるかどうかが、その後の仲の良さに関わるとされています。けんかを止めることより、楽しい時間をふやすことに力を使います。
兄弟喧嘩でイライラして、親が怒鳴ってしまいます。
毎日のけんかに付き合うのは本当に大変です。けんかが多い時間帯(夕方など)に、2人を別々の遊びに分ける時間を先に作ると、ぶつかる回数そのものが減ります。怒鳴ってしまったときの立て直し方は子どもを怒鳴ってしまうときにまとめています。