ホーム › 体や発達が気になる › チック・トゥレット症候群

チック・トゥレット症候群とは? 子どものチックの原因と、家でできること

💬 子どもが何度もまばたきをしたり、せき払いをしたりすると、気になって「やめなさい」と言いたくなりますよね。チックは、わざとでも、育て方のせいでもありません。

今夜できること1つ 今夜は、チックが出ても、見つめない・指摘しない・まねしない、と家族で決めてください。注意されないだけで、緊張がほどけて目立たなくなることがよくあります。

🧭 わが家の場合は? 3つの問いで、チックが強くなるきっかけと今夜の1つが分かります →

チックとは、まばたき・首ふりなどの運動チックや、せき払い・声などの音声チックのように、自分の意思で止めにくい動きや声のくり返しです。子どもにはよくあるもので、多くは1年以内に落ち着きます。いろいろな運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上続き、18歳より前に始まるものを、トゥレット症候群といいます。

チックは、うちの子だけ? 年齢ごとの様子と、相談の目安

うちの子だけ、ではありません。米国の調査では、1年以上続くチック(トゥレット症候群を含む)は5〜14歳の子の約50人に1人、トゥレット症候群は子どもの約162人に1人と推定されています。男の子に多く見られます。

多くは1年以内に落ち着くか、思春期以降に軽くなります。1年以上続く、体と声の両方のチックがある、生活に困るほど強いときは、相談してください。

年齢よくある様子家でできること相談の目安
4〜6歳まばたき・顔をしかめるなど、顔のチックから始まることが多い注意しない。疲れや緊張の場面を記録する数か月以上続くとき、小児科へ
小学校低学年せき払いなど音声チックが加わることがある。日によって強さに波がある波を記録し、強い時期は予定を減らす1年以上続くとき
小学校高学年(10〜12歳)いちばん強くなりやすい時期。本人が気にし始める「チックは悪いことじゃない」と伝え、学校と配慮を相談生活に困るほど強いとき、小児科・児童精神科へ
中学生以降(参考)多くは軽くなっていく本人が望めば行動療法(CBIT)を相談続くとき・困っているとき
この表のもとにした研究・資料(ひらく)

出典:米国精神医学会 DSM-5、米国疾病対策センター(CDC)トゥレット症候群のデータ(5〜14歳の約50人に1人が持続性チック、子どもの162人に1人がトゥレット症候群)、Piacentini ほか 2010(JAMA。行動療法 CBIT)。

わが家の場合の見立て(ステップ2)と、チックの波の記録・学校への説明カードは、このすぐ下にあります。

くせやチックは、気になり始めると目が離せなくなりますよね。

わが家はどれ? 相談室の答え

相談室に届く相談のうち、この悩みで多い場面です。答えは子育て相談室と同じものです。いちばん近い場面を開いてください:まばたき・せき払いなどのチック・くせ

まばたき・せき払いなどのチック・くせ

Q. テレビを見ながら、子どもが何度もまばたきをしている。気になって、つい「やめなさい」と言いそうになる。

💬 くせが続くと、どうしても気になってしまいますよね…。

くせやチックは、注意するより、気にしない空気のほうが落ち着きやすいです

なぜ? まばたき、首ふり、せき払いなどのチックは、小学生ではめずらしくなく、緊張や疲れ、行事の前などで増えたり減ったりします。

今夜の1つ くせが出ても、今夜は注意しない・見つめない

📌 明日のための1行カード:もし「またやってる、やめなさい」と言いそうになったら、「(何も言わずに、いつも通り話を続ける)」と言う

2週間後 2週間の記録で、増える場面(行事の前・疲れた日など)が見えてきたら、それがいちばんの手がかりです。

そのまま言える言いかえ

  • 「またやってる、やめなさい」→「(何も言わずに、いつも通り話を続ける)」 気にしない空気のほうが、本人も気にせずにいられます。
  • 「その爪かみ、みっともない」→「手がひまなときに、これ持ってみる?」 責めるより、手でできることを渡すほうが変えやすくなります。
  • 「わざとやってるの?」→「最近、つかれてない?」 わざとではないので、からだや気持ちのほうを気づかいます。

今夜の手順

  1. くせが出ても、今夜は注意しない・見つめない 理由:本人もわざとではないので、注意されると気にして、かえって増えることがあるからです。
  2. いつ・どんな場面で出たかを、1週間だけ記録する 理由:行事の前や疲れた日など、増える場面が見えると、相談するときの手がかりになります。
  3. 生活に困るほど続くとき、声が出るチックもあるとき、長く続くときは、かかりつけの小児科に相談する(動画を撮っておくと伝わりやすい) 理由:診察室では出ないことが多いからです。

今夜はしなくていいこと くせを指摘して、やめさせようとすること 理由:注意されると本人が気にして、かえって増えることがあるからです。

お子さんに聞いてみる 「さいきん、つかれたなと思うのはどこ?」

  • 「学校」と答えたら:学校なら、行事や発表の前など、忙しい時期と重なっていないか、記録で見てみてください。
  • 「習い事」と答えたら:習い事なら、1週間の予定を書き出して、休む日を1日つくれるか見てください。
  • 「家」と答えたら:家なら、寝る時刻と、寝る前の画面の時間を見直してみてください。
  • 「わからない」と答えたら:分からないなら、今日はそれ以上聞かなくて大丈夫です。

学年で変わること 低学年は、チックが始まりやすい時期です。多くは時間とともに目立たなくなります。 高学年でも続くとき、声が出るチックが加わったときは、記録と動画を持って小児科に相談します。

なぜそうなるか・もとにした研究(ひらく)

まばたき、首ふり、せき払いなどのチックは、小学生ではめずらしくなく、緊張や疲れ、行事の前などで増えたり減ったりします。多くは時間とともに目立たなくなります。本人もわざとではないので、注意されると気にして、かえって増えることがあります。爪かみなども、まず責めないことが先です。

根拠:難病情報センター「トゥレット症候群」、富士市「チック」

研究でわかっていること 世界の35の研究をまとめると、子どものチックの中でいちばん多いのは、一時的に出るチック(一過性チック)で、子どものおよそ3%でした。チックは大人より子どもに、女の子より男の子に多く見られました。
たくさんの研究のまとめ(Knight, T., Steeves, T., Day, L., Lowerison, M., Jette, N., & Pringsheim, T., 2012)

考えてみてほしい問い くせが増えるのは、どんな日の前後ですか?

ステップ2 わが家の場合は?(3問で答えが変わるチック・くせのチェック)

上の答えは、多くの家庭に当てはまる答えです。家庭によって、きっかけも強さもちがいます。3つの問いに答えると、わが家の場合の見立てと今夜の1つが変わり、やってみたあとの様子で次の一手を返します。

  1. くせ(チック)は、いつごろからですか?(ここ数週間/数か月/1年以上続いている)
  2. いちばん目立つのは、どんなときですか?(緊張しているとき・新しい環境のとき/疲れているとき・寝る前/テレビやゲームに夢中なとき/注意されたあと)
  3. 生活への影響は、ありますか?(とくにない/本人が気にしている・からかわれた/勉強や遊びがしにくいほど強い)

この悩みに関わるページ

💬 わが家の場合を相談室で続ける(名前・メール不要)→

チックの波の記録と、学校への説明カード

💬 チックは日によって強さが変わるので、「よくなった」「また出た」と一喜一憂してしまいますよね。波があるのはふつうのことです。記録すると、強くなるきっかけが見えてきます。

今日のチックの強さ(寝る前に1回)

今日あったこと(いくつでも)

学校への説明カード(先生に渡す文)

チックの種類(運動チック・音声チック)

💬 子どもが何度もまばたきをしたり、せき払いをしたりすると、つい「やめなさい」と言いたくなりますよね。

チックは、わざとではなく、自分の意思で止めにくい動きや声のくり返しです。緊張・疲れ・興奮したときに強くなり、何かに集中しているときは減ることがあります。

トゥレット症候群とは

💬 「トゥレット」という言葉を見つけて、不安になった方もいるかもしれません。

トゥレット症候群は、いろいろな運動チックと、1つ以上の音声チックが、1年以上続き、18歳より前に始まるものを指します(米国精神医学会 DSM-5)。米国の調査では、子どもの約162人に1人と推定されています。テレビなどで知られる「汚い言葉が出る」チックは、一部の人だけに見られるもので、トゥレット症候群の人の多くには見られません。

家でできること(注意しないことが、いちばんの手立て)

💬 「何もしないでいいの?」と不安になりますよね。注意しないことは、何もしないことではなく、いちばん効く手立てです。

治療の考え方(米国の行動療法・薬)

💬 「このまま治らなかったら」と先のことまで心配になりますよね。

多くの子どものチックは、1年以内に落ち着くか、思春期以降に軽くなっていきます。生活に困るほど強いときは、小児科・児童精神科に相談します。米国では、本人がチックの前ぶれに気づき、別の動きに置きかえる練習をする行動療法(CBIT)の効果が、大きな研究で確かめられています。薬は、生活に大きな支障があるときに医師と相談して使います。

一緒に起きやすい困りごと

💬 チックのほかにも気になる様子があって、「全部つながっているの?」と思うこともありますよね。

米国の調査では、トゥレット症候群の子の約8割に、ADHD・強迫症・不安などほかの困りごとが一緒に見られます。チックそのものより、一緒にある困りごとのほうが生活に影響することもあるので、ADHDのページもあわせてご覧ください。

学校での配慮

💬 学校でからかわれていないか、先生に注意されていないか、気になりますよね。

先生に、チックはわざとではないこと、注意しないでほしいことを伝えます。本人が望めば、クラスに説明してもらうと、からかいが減ることがあります。テストを別室で受ける、休けいできる場所を決めておく、などもお願いできます。

よくある質問

チックは注意すれば止まりますか?

止まりません。チックは自分の意思で止めにくく、注意されると緊張が高まって、かえって強くなることがあります。

チックは何歳まで続きますか?

多くは1年以内に落ち着くか、思春期以降に軽くなっていきます。10〜12歳ごろにいちばん強くなり、その後軽くなる子が多いと言われています。

トゥレット症候群は汚い言葉を言う病気ですか?

いいえ。汚い言葉が出るチックは一部の人だけに見られるもので、トゥレット症候群の人の多くには見られません。

原因は親のストレスや育て方ですか?

いいえ。チックは脳の働きに関わるもので、育て方が原因ではありません。ただ、緊張や疲れで強くなるので、家で安心できる時間は助けになります。

どこに相談すればいいですか?

小児科(小児神経)・児童精神科に相談できます。1年以上続く、体と声の両方のチックがある、生活に困るほど強いときは、早めに相談してください。

このページで使っている資料

診断ができるのは医師だけです。このページは、診断ではなく、家で困りごとを減らすための情報と道具をまとめたものです。

あわせて読みたい