子どもの体や発達が気になる何を、どこに、どう伝えるか
いちばん近い様子を選ぶ(1分)
感想ではなく、見て答えられる様子を2つ選ぶと、見立て・なぜそうなるか・今夜やること1つ・お子さんに聞く3択・使える道具・相談できるところが出ます。14日後に同じ質問で前と比べられます(記録はこの端末の中だけ。トップの聞く欄と同じ記録です)。
様子ごとの「なぜ」と、今夜やること
「背や体重など、体の大きさ」とき:まず、公的な平均と比べて、成長の線を見ます
🏠 クラスの背の順で、いちばん前。「大きくなるのかな」と、身長を測るたびに心配になる。
なぜ?と今夜の手順を見る
体の大きさのことは、まわりと比べてしまい、気になりますよね。
なぜ? 身長は、1回の数字より「伸び方」を見るほうが分かることがあります。去年からどのくらい伸びたかを並べると、心配するところかどうかが見えてきます。国の学校保健統計に、年齢ごとの平均があります。気になるときは、その記録を持って小児科へ行くと、話が早く進みます。
根拠:文部科学省「学校保健統計」
今夜の手順
- 学校の健康診断の結果(身長・体重)を年ごとに並べる 理由:伸び方は、何年分か並べて初めて見えるからです。
- 体力手帳で、平均と伸びを並べて見る 理由:国の平均と比べると、どのくらい離れているかが分かります。
- 気になるときは、その記録を持ってかかりつけの小児科へ 理由:記録があると、医師も判断しやすくなります。
言いかえ
- 「もっと食べないと大きくなれないよ」→「(体のことは言わず)いつもどおりの食事で」 理由:体のことを言われ続けると、子どもが気にしてしまいます。
- 「小さいね、大丈夫?」→「いつも元気でいてくれるね」 理由:体の大きさを話題にすると、子どもが気にするようになります。
- 「もっと運動しなさい」→「週末、一緒に外で遊ぼう」 理由:すすめるより、一緒に楽しむほうが続きます。
学年で変わるところ 低学年:低学年は、伸び方の個人差がとても大きい時期です。1回の数字より、年ごとの並びを見ます。 高学年:高学年は、体の変化が早い子と遅い子の差が目立つ時期です。本人が気にしているときは、家で体の話を増やさないようにします。
考えてみてほしい問い 体のことで、いちばん心配なのは何ですか?それは、だれの言葉で気になり始めましたか?(心配のもとが分かると、医師に聞くことが1つにしぼれます。)
今夜はしなくていいこと ネットの平均と見比べて、一喜一憂すること 理由:伸び方は子どもによってちがい、1回の数字より年ごとの並びのほうが大事だからです。
効いているかの見分け方(2週間後) 健康診断の結果を2年分以上並べられたら、相談の準備ができています。
「落ち着き・忘れ物・こだわりなどの行動」とき:「どの場面で、どのくらい」をメモすると、相談が進みます
🏠 忘れ物の連絡が、また連絡帳に書かれている。家でも、話している途中に別のことを始めてしまう。
なぜ?と今夜の手順を見る
落ち着きや忘れ物のことは、毎日のことなので、親も疲れます。
なぜ? 落ち着きや忘れ物は、家と学校で見え方がちがうことがあります。相談先でまず聞かれるのは、「いつ・どこで・どのくらい」です。感想ではなく、場面の記録があると、相談がぐっと進みます。家では、指示を1つずつ・紙に書いて渡すだけでも動きやすくなります。
根拠:米国疾病対策センター「指示の出し方」
今夜の手順
- 1週間、気になった場面を日付と一緒に1行ずつ記録する 理由:相談先で最初に聞かれるのが、この情報だからです。
- そのメモを持って、担任の先生に学校での様子を聞く 理由:家と学校の両方の様子がそろうと、次の相談先が決めやすくなります。
- 家では、指示を1つずつ・紙に書いて渡す 理由:1つずつのほうが、覚えて動きやすいからです。
言いかえ
- 「何回言ったら分かるの」→「(紙に書いて)これを玄関に置いてね」 理由:目で見える形のほうが、忘れにくくなります。
- 「また忘れたの?」→「明日の持ち物、一緒に玄関に置こう」 理由:責めるより、仕組みで助けるほうが続きます。
- 「じっとしてなさい」→「あと5分、座っていられたらおしまいね」 理由:終わりが見えると、がんばりやすくなります。
学年で変わるところ 低学年:低学年は、落ち着きや忘れ物は、まだ育っている途中のことが多い時期です。仕組みで助けます。 高学年:高学年になっても困りごとが続き、勉強や友だち関係にも出ているときは、記録を持って先生と相談します。
考えてみてほしい問い この子が落ち着いて取り組めるのは、どんなときですか?(うまくいく場面に、その子に合ったやり方のヒントがあります。)
今夜はしなくていいこと 子どもの前で、病名や診断の話をすること 理由:判断は医師がすることです。家でできるのは、困る場面の記録を集めることです。
研究でわかっていること 落ち着きや忘れ物の心配は、家だけでなく、学校での様子も合わせて見るのが基本。
🔎 専門家の目安:アメリカ小児科学会が医師向けに出している診察の目安(Wolraich, M. L., Hagan, J. F., Allan, C., et al.(米国小児科学会), 2019)
効いているかの見分け方(2週間後) 2週間の記録で、困る場面が「いつ・どこで」に分けて見えてきたら、相談の材料がそろっています。
お子さんに聞いてみる 「学校で、やりにくいなと思うことは?」
- 「じっとすわっていること」と答えたら:すわっていることがつらいなら、その場面(どの授業か・どのくらいの時間か)を記録して、先生に伝えてください。
- 「先生の話を聞いて覚えること」と答えたら:聞いて覚えるのがつらいなら、家では指示を1つずつ・紙に書いて渡す形にして、効いたかを記録してください。
- 「友だちとのこと」と答えたら:友だちとのことなら、困った場面を記録し、先生に学校での様子を聞いてください。
- 「とくにない」と答えたら:本人が困っていないと答えても、親が気になる場面は記録を続けてください。家と学校で見え方がちがうことがあります。
「ことば・読むこと・書くこと」とき:読み書きは、学校での様子と合わせて見ます
🏠 音読の宿題で、同じ行を何度も読んでしまう。書く字は、鏡に映したように左右が逆になることがある。
なぜ?と今夜の手順を見る
読み書きでつまずく姿を見ると、どうしてあげればいいか迷いますよね。
なぜ? ことばや読み書きは、家と学校でちがう姿が見えることがあります。どこで止まるかを記録しておくと、先生や相談先との話が具体的になります。家では、親と1文ずつ交代で読むだけでも、子どもの負担はぐっと軽くなります。
根拠:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(2022年。担任の先生の回答で、小・中学校の3.5%が「読む」「書く」に著しい困難。医師の診断ではありません)
今夜の手順
- 音読で止まる場所、書くときに止まる字を記録する 理由:どこで止まるかが、相談の手がかりになります。
- 親が1文読み、子どもが次の1文を読む、と交代で読む 理由:全部を1人で読むより、負担が軽くなります。
- 担任の先生に、授業中の様子を聞く 理由:家の様子だけでは、学校で困っているかが分からないからです。
言いかえ
- 「ちゃんと読んで」→「次の1文、読んでみて」 理由:量を小さくすると、取りかかりやすくなります。
- 「何回言ったら読めるの」→「いっしょに読もう」 理由:一緒に読むと、つかえても安心して続けられます。
- 「字がきたない」→「この字、とめがきれいだね」 理由:よいところを1つ言うと、書く気持ちが続きます。
学年で変わるところ 低学年:低学年は、読み書きの速さの差がとても大きい時期です。交代読みで、読む量を少しずつ増やします。 高学年:高学年でも読み書きに強い苦手が続くときは、記録を持って担任の先生や専門の相談先に相談します。
考えてみてほしい問い 読むこと・書くことで、子どもが楽しそうにしていたのは、どんなときでしたか?(好きな題材から入ると、苦手なことにも向かいやすくなります。)
今夜はしなくていいこと 「ちゃんと読んで」と、何度も読み直させること 理由:くり返させるほど、読むこと自体がいやになりやすいからです。
研究でわかっていること 親と子が一緒に声を出して読み、読めるところは任せると、読む力と「読むのが好き」が育ちやすい。
🔎 学校での取り組みの調査:イギリスの多くの学校で行った「ペアで読む」取り組みの調査(Topping, K. J., 1990)
効いているかの見分け方(2週間後) 2週間後、交代読みでつかえる回数が減っていれば、合っています。変わらないなら、記録を持って先生に相談します。
お子さんに聞いてみる 「読むこと・書くことで、いちばんいやなのは?」
- 「読むこと」と答えたら:読むことがいやなら、親が先に1文読み、子どもは次の1文だけ、と交代で読んでみてください。止まる場所を記録します。
- 「書くこと」と答えたら:書くことがいやなら、話したことを親が書き取り、子どもは1行だけ書き写す形からにしてください。
- 「漢字」と答えたら:漢字なら、50問テストで書けなかった字だけを拾い、3日後にもう一度。書けない字が続くときは先生に相談します。
- 「とくにない」と答えたら:本人が困っていなくても、気になる場面の記録は続けてください。
「寝つき・食事・おねしょなどの生活」とき:生活のことは、まず時刻をそろえます
🏠 布団に入っても1時間眠れない。朝はなかなか起きられず、朝ごはんが食べられない。
なぜ?と今夜の手順を見る
寝る・食べるのことは毎日なので、うまくいかないと親も消耗します。
なぜ? 寝つき・食事・おねしょなどは、生活の時刻と結びついていることがあります。なかでも効くのは、寝る時刻より先に「起きる時刻」をそろえることです。朝の時刻がそろうと、夜に眠くなる時刻も自然とそろってきます。
根拠:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
今夜の手順
- 1週間、寝た時刻と起きた時刻を記録する 理由:記録があると、相談先で話が早く進みます。
- 起きる時刻を毎日そろえる 理由:朝の時刻がそろうと、夜も眠くなる時刻がそろいやすくなります。
- 続くとき、心配なときはかかりつけの小児科に相談する 理由:体の原因がないかは、医師にしか確かめられないからです。
言いかえ
- 「早く寝なさい」→「あと10分で電気を消すよ」 理由:終わりの時刻を先に言うと、準備ができます。
- 「またおねしょしたの?」→「大丈夫。一緒にシーツをかえよう」 理由:責められると、緊張してかえって続くことがあります。
- 「いつまで起きてるの」→「あと10分で電気を消すね。明日の楽しみは何?」 理由:終わりの時刻と楽しみを伝えると、切り替えやすくなります。
学年で変わるところ 低学年:低学年は、おねしょや寝つきの悪さは、めずらしくない時期です。責めずに記録します。 高学年:高学年でおねしょが続くと、本人がとても気にします。宿泊行事の前など、早めにかかりつけの小児科に相談できます。
考えてみてほしい問い 寝つきがよかった日は、夕方から寝るまで、何がちがいましたか?(うまくいった日の流れに、毎日に使える手がかりがあります。)
今夜はしなくていいこと 今夜から急に、寝る時刻を早めること 理由:眠くないうちに布団に入ると、かえって寝つきにくくなることがあるからです。先にそろえるのは起きる時刻です。
研究でわかっていること 6〜12歳は、毎日9〜12時間眠るのが目安。足りていると、集中・ふるまい・気持ちが安定しやすい。
🔎 専門家の目安:睡眠の専門家13人が、たくさんの研究をもとに決めた目安(アメリカ)(Paruthi, S., et al., 2016)
効いているかの見分け方(2週間後) 2週間後、布団に入ってから眠るまでの時間が短くなっていれば、効いています。
「まばたき・せき払い・爪かみなどのくせ」とき:くせやチックは、注意するより、気にしない空気のほうが落ち着きやすいです
🏠 テレビを見ながら、子どもが何度もまばたきをしている。気になって、つい「やめなさい」と言いそうになる。
なぜ?と今夜の手順を見る
くせが続くと、どうしても気になってしまいますよね…。
なぜ? まばたき、首ふり、せき払いなどのチックは、小学生ではめずらしくなく、緊張や疲れ、行事の前などで増えたり減ったりします。多くは時間とともに目立たなくなります。本人もわざとではないので、注意されると気にして、かえって増えることがあります。爪かみなども、まず責めないことが先です。
根拠:難病情報センター「トゥレット症候群」、富士市「チック」
今夜の手順
- くせが出ても、今夜は注意しない・見つめない 理由:本人もわざとではないので、注意されると気にして、かえって増えることがあるからです。
- いつ・どんな場面で出たかを、1週間だけ記録する 理由:行事の前や疲れた日など、増える場面が見えると、相談するときの手がかりになります。
- 生活に困るほど続くとき、声が出るチックもあるとき、長く続くときは、かかりつけの小児科に相談する(動画を撮っておくと伝わりやすい) 理由:診察室では出ないことが多いからです。
言いかえ
- 「またやってる、やめなさい」→「(何も言わずに、いつも通り話を続ける)」 理由:気にしない空気のほうが、本人も気にせずにいられます。
- 「その爪かみ、みっともない」→「手がひまなときに、これ持ってみる?」 理由:責めるより、手でできることを渡すほうが変えやすくなります。
- 「わざとやってるの?」→「最近、つかれてない?」 理由:わざとではないので、からだや気持ちのほうを気づかいます。
学年で変わるところ 低学年:低学年は、チックが始まりやすい時期です。多くは時間とともに目立たなくなります。 高学年:高学年でも続くとき、声が出るチックが加わったときは、記録と動画を持って小児科に相談します。
考えてみてほしい問い くせが増えるのは、どんな日の前後ですか?(増える場面が分かると、子どもの疲れや緊張に早く気づけます。)
今夜はしなくていいこと くせを指摘して、やめさせようとすること 理由:注意されると本人が気にして、かえって増えることがあるからです。
研究でわかっていること 子どものチックはめずらしくない。いちばん多い一時的なチックは、子どものおよそ3%に見られる。
🔎 たくさんの研究のまとめ:35の研究をまとめた研究(カナダなど)(Knight, T., Steeves, T., Day, L., Lowerison, M., Jette, N., & Pringsheim, T., 2012)
効いているかの見分け方(2週間後) 2週間の記録で、増える場面(行事の前・疲れた日など)が見えてきたら、それがいちばんの手がかりです。
お子さんに聞いてみる 「さいきん、つかれたなと思うのはどこ?」
- 「学校」と答えたら:学校なら、行事や発表の前など、忙しい時期と重なっていないか、記録で見てみてください。
- 「習い事」と答えたら:習い事なら、1週間の予定を書き出して、休む日を1日つくれるか見てください。
- 「家」と答えたら:家なら、寝る時刻と、寝る前の画面の時間を見直してみてください。
- 「わからない」と答えたら:分からないなら、今日はそれ以上聞かなくて大丈夫です。
学校の先生にはで、変わること
まだ話していない 先生にまだ話していないなら、まずは学校での様子を聞くところからで十分です。下の「先生に伝える文面」も使えます。
話したことがある 先生に話したことがあるなら、その後の学校での様子を、記録と一緒にもう一度聞いてみてください。スクールカウンセラーなど次の相談先につなげてもらえることがあります。
相談するときは、いつ・どこで・どんな様子だったかの記録がいちばん役に立ちます。上の見立てのあとに、日付つきで1行ずつ記録して、先生や医師に見せる形でコピーできます(この端末の中だけ)。
診断はついていないけれど、気になる(発達のグレーゾーン)
病院では「様子を見ましょう」と言われた。先生からは何も言われないのに、家では毎日のようにかんしゃくが続く。診断名がつかないまま、気になる様子だけが続くことを、保護者のあいだでは「グレーゾーン」と呼ぶことがあります。医学の診断名ではありません。
文部科学省が2022年に全国の公立小学校の通常の学級で調べたところ、担任の先生から見て、学習面か行動面で著しい困難があるとされた子は10.4%でした。担任の回答をまとめたもので、医師の診断ではないと、文部科学省自身が書いています。診断がなくても困りごとを抱えている子は、ひとつの学級に数人いる計算です。
「性格なのか、特性なのか」が決めきれないのには理由があります。発達の特性は、場面によって出方が変わります。家では出て学校では出ない子も、その逆の子もいます。1つの場面だけを見て決めることはできません。
「普通であってほしい」と願う気持ちは、わが子を大事に思うから出てくるものです。
今夜やること(1つ):困った場面を3つ、「いつ・どこで・何があって・どうなったか」の順でメモに書きます。気持ちや評価は書かず、見たことだけを書きます。相談するときに、そのまま見せられる記録になります。
診断がなくても相談できるところ:学校では、担任のほかに特別支援教育コーディネーター(校内で支援の相談を受ける先生)やスクールカウンセラーに相談できます。学校の外では、市区町村の子育て・発達の相談窓口や、かかりつけの小児科が入口になります。学校に伝えるときは「家でこういう場面が続いています。学校ではどうですか」と、家の様子を先に渡して、学校での様子を聞く形にします。
書いても誰にも届かない場所で、まず気持ちを出したいときは、このページのただ聞いてほしいときへ。かんしゃくやパニックが続く様子は子どもの気持ちのページでも見立てられます。
出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」(2022年12月13日公表)。
朝どうしても起きられない、午後になると元気(起立性調節障害かもしれないとき)
起こしても起きられない。やっと起きても顔色が悪く、立つとふらつく。昼を過ぎると元気になり、夜は目がさえて眠れない。毎朝のくり返しに、「なまけているのでは」と思ってしまう日もあると思います。
この形は、体の病気のこともあります。立ち上がったときに血のめぐりを調節するしくみがうまく働かなくなる「起立性調節障害(OD)」で、浜松医科大学小児科の説明では、小学生の約5%、中学生の約10%にみられ、小学校の高学年から思春期に多いとされています。午前中に調子が悪く、午後になると少しずつ回復していくので、夜ふかしや気持ちの問題に見えやすいのが特徴です。
同じ資料は、立ちくらみやめまい、朝なかなか起きられず午前中は調子が悪い、顔色が青白い、疲れやすい、などの症状のうち3つ以上あると可能性があり、詳しい検査をする、としています。家で決めることはできないので、当てはまるものが続くときは、かかりつけの小児科で相談します。
今夜やること(1つ):明日から1週間、「起きた時刻・朝の様子(立ちくらみ・頭痛・おなかの痛み)・何時ごろから元気になったか・寝た時刻」をメモします。小児科でそのまま見せられる記録になります。
学校に伝えるとき:診断の前でも伝えられます。「朝の体調が悪く、午後には回復する日が続いています。いま小児科で相談しています」と、様子と次にすることを1文ずつ。遅れて登校できる日の扱いも、そのとき聞いておきます。
出典:浜松医科大学 小児科「起立性調節障害(OD)」(保護者向けの説明)。症状の日内変動は、日本小児心身医学会の説明をもとにした岡山県教育委員会「起立性調節障害対応ガイドライン」でも示されています。
相談できるところ
順番の目安:担任の先生(学校での様子)→ 学校のスクールカウンセラー → お住まいの市区町村の子育ての相談窓口(こども家庭センターなど。2024年4月から市区町村で設置が進んでいます。名前は自治体で異なります)→ かかりつけの小児科。ひとりで抱えなくて大丈夫です。
どこに連絡するか迷ったら:5つ選ぶだけの子育ての相談先ナビ(学校の外の窓口・電話で最初に言うことまで)
ほかのことも話したいときは、子育て相談室へ。ただ聞いてほしい日は受け止めるだけ、試すと決めた一手は3日後に「その後どう?」と続きを聞きます。
ほかの悩みから探す
- 小学生の行き渋り・学校に行きたくない(朝泣く・母子分離・理由がわからない)
- 「学校に行きたくない」と言われた夜に、明日の朝のための一手
- 子どもにイライラして怒ってしまう(自分の育て方が悪かった?と思う夜に)
- 小学生の癇癪・パニック・すぐ怒る・話さない
- 子育てに疲れた・イライラが止まらない・愚痴を言える人がいない
出典:児童福祉法の改正によるこども家庭センター(令和6年4月施行・市町村の努力義務)、文部科学省「学校保健統計調査」、米国疾病対策センター(CDC)「Tips for Giving Directions」、米国マウントサイナイ病院 親子センター「A Parent's Guide to Staying Calm」、米国ヴァンダービルト大学ケネディセンター「Positive Parenting」、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」。スクールコンパスは医学的な判断はしません。
このページについて
書いた人:スクールコンパス編集部。最終確認日:2026年10月9日。
分かること:よくある様子ごとの「なぜそうなりやすいか」、今夜できること1つ、今夜はしなくていいこと、そのまま言える言葉、2週間後の見分け方、相談できる窓口。
分からないこと:お子さんの医学的な判断や診断。気になる様子が続くとき、生活への影響が大きいときは、担任の先生・スクールカウンセラー・かかりつけの小児科・市区町村の相談窓口に、記録を持って相談してください。
根拠にした資料
研究の選び方と言いかえ方、訂正の記録は子育て相談の根拠と編集の決まりにまとめています(書き手:スクールコンパス編集部)。
ひらいて読む(研究と公的資料)
研究でわかっていること(海外の論文と、日本の家庭で確かめた研究から)
論文は英語ですが、ここでは「ひとことで言うと何が分かったか」と「どんな研究か」を先に書き、くわしい中身と出典は下にまとめています。
- 落ち着きや忘れ物の心配は、家だけでなく、学校での様子も合わせて見るのが基本。
🔎 専門家の目安:アメリカ小児科学会が医師向けに出している診察の目安もう少しくわしく・出典
米国小児科学会の診療の指針は、落ち着きや注意の困りごとを判断するときに、家庭だけでなく学校など2つ以上の場面での様子を、保護者と先生の両方から集めることを求めています。
気をつけること:医師向けの指針です。スクールコンパスは診断をしません。家でできるのは、場面ごとの記録を集めて相談の材料にすることです。
出典(英語):Wolraich, M. L., Hagan, J. F., Allan, C., et al.(米国小児科学会)(2019)Clinical Practice Guideline for the Diagnosis, Evaluation, and Treatment of Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder in Children and Adolescents. Pediatrics, 144(4), e20192528 - 親と子が一緒に声を出して読み、読めるところは任せると、読む力と「読むのが好き」が育ちやすい。
🔎 学校での取り組みの調査:イギリスの多くの学校で行った「ペアで読む」取り組みの調査もう少しくわしく・出典
英国の多くの学校で、親や上級生が子どもと一緒に声を出して読み、子どもが読めるところは任せ、つかえたらそっと助ける「ペアで読む」方法を広く行ったところ、読む力と読むことへの気持ちの改善と結びついていました。
気をつけること:著者自身が、成果は以前の報告よりやや小さく、決定的な証拠ではないと書いています。
出典(英語):Topping, K. J.(1990)Outcome evaluation of the Kirklees Paired Reading Project. PhD thesis, University of Sheffield - 6〜12歳は、毎日9〜12時間眠るのが目安。足りていると、集中・ふるまい・気持ちが安定しやすい。
🔎 専門家の目安:睡眠の専門家13人が、たくさんの研究をもとに決めた目安(アメリカ)もう少しくわしく・出典
米国睡眠医学会の専門家13人の合意で、6〜12歳は1日9〜12時間の睡眠をふだんから取ることをすすめています。足りていることは、注意・行動・学習・気持ちの調整がよいことと関連していました。米国小児科学会も支持しています。
気をつけること:たくさんの研究をもとにした専門家の合意で、睡眠時間と結果の「関連」を示したものです。
出典(英語):Paruthi, S., et al.(2016)Recommended Amount of Sleep for Pediatric Populations: A Consensus Statement of the American Academy of Sleep Medicine. Journal of Clinical Sleep Medicine, 12(6), 785-786 - 子どものチックはめずらしくない。いちばん多い一時的なチックは、子どものおよそ3%に見られる。
🔎 たくさんの研究のまとめ:35の研究をまとめた研究(カナダなど)もう少しくわしく・出典
世界の35の研究をまとめると、子どものチックの中でいちばん多いのは、一時的に出るチック(一過性チック)で、子どものおよそ3%でした。チックは大人より子どもに、女の子より男の子に多く見られました。
気をつけること:診断の基準に当てはまったチックの数で、爪かみなどのくせは入っていません。数は調べ方で大きく変わります。お子さんのチックが続くかどうかは、この研究では分かりません。
出典(英語):Knight, T., Steeves, T., Day, L., Lowerison, M., Jette, N., & Pringsheim, T.(2012)Prevalence of tic disorders: A systematic review and meta-analysis. Pediatric Neurology, 47(2), 77-90
答えは、米国の心理学・小児科・公衆衛生の研究と公的資料、日本の公的資料をもとにしています。海外の資料は、やり方(どう関わると効くか)だけを使い、日本の学校のしくみに合わないところは書き分けています。
よくある質問
Q. まず、公的な平均と比べて、成長の線を見ます(どうすればいい?)
A. 学校の健康診断の結果(身長・体重)を年ごとに並べる
Q. 「どの場面で、どのくらい」をメモすると、相談が進みます(どうすればいい?)
A. 1週間、気になった場面を日付と一緒に1行ずつ記録する
Q. 読み書きは、学校での様子と合わせて見ます(どうすればいい?)
A. 音読で止まる場所、書くときに止まる字を記録する
Q. 生活のことは、まず時刻をそろえます(どうすればいい?)
A. 1週間、寝た時刻と起きた時刻を記録する
Q. くせやチックは、注意するより、気にしない空気のほうが落ち着きやすいです(どうすればいい?)
A. くせが出ても、今夜は注意しない・見つめない
Q. 子どもの発達が気になるとき、どこに、どの順番で相談すればいいですか?
A. まず担任の先生に学校での様子を聞き、次に学校のスクールカウンセラー、そしてお住まいの市区町村の子育ての相談窓口(こども家庭センターなど)、必要に応じてかかりつけの小児科へ、という順番が目安です。どこでも聞かれるのは「いつ・どこで・どんな様子か」なので、1週間分の記録を1行ずつつけておくと、短い時間でも伝わります。
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偏食がひどい
無理に食べさせるより、食卓に出し続けて「見る・さわる」から慣らしていきます。体重が減る、食べられるものがとても少ないときは、小児科で相談してください。
背が低い・体が小さいのが気になる
同じ学年でも生まれ月で差があります。毎年伸びているかを見ます。学年別の平均身長・平均体重。