ホーム › ことば › 中学受験の語彙

中学受験の語彙一覧と語彙力テスト──心情語・抽象語・カタカナ語の意味と使い方

中学入試の国語で点を分けるのは、慣用句やことわざだけではありません。物語文の気持ちを表す言葉(心情語)、説明文の抽象語、カタカナ語、様子を表す言葉を知らないと、文章そのものが読めなくなります。このページでは、入試の読解でつまずきやすい32語を、1語ずつ「意味・小学生の場面・例文・入試での出方」と、「あてはめる」「自分で文を作る」の練習つきでまとめました。

📝 語彙力テスト(20問) 中学受験の読解に出る言葉

このページの32語から、毎回ちがう20問が出ます(問題は全部で62問)。文の空らんにあてはめる問題と、正しい使い方を選ぶ問題です。答えるとすぐ解説が出て、終わるとまちがえた言葉だけをやり直せます。

点数は「このページの言葉をどれだけ使いこなせるか」の目安です。学年の平均とくらべるものではありません。

覚える → あてはめる → 使う(家での進め方)

1 覚える
意味と、小学生の場面での言いかえを読む。にた言葉・反対の言葉と組にする。
2 あてはめる
文の流れに合う言葉を選ぶ問題(文脈判断)で、使い方が合っているかを確かめる。
3 使う
自分の生活の中の文を1つ作る。声に出して読み、例文とくらべる。

心情語(気持ちを表す言葉)(10語)

いたたまれない →はずかしさや気の毒さで、それ以上その場にいられない気持ち。(くわしいページ)もどかしい →思うようにいかず、じれったくて、いらいらする気持ち。(くわしいページ)やるせない →つらい気持ちを晴らす方法がなく、どうにもならないようす。(くわしいページ)おこがましい →自分の立場や力をこえていて、出すぎている。身のほど知らずだ。(くわしいページ)

うしろめたい (うしろめたい・形容詞・5年生から)

意味 自分に悪いところがあって、心がとがめるようす。

小学生の場面で言うと 友だちとの約束をやぶって遊びに行き、楽しいはずなのに心の中がすっきりしない。そんなときの気持ちです。

にた言葉 やましい・気がとがめる 反対の言葉 胸を張る・堂々とした

まちがえやすい 「はずかしい」は人に見られて気まずい気持ち、「うしろめたい」は自分のしたことが悪いと分かっていて、心が落ち着かない気持ちです。

入試ではこう出る 物語文で、登場人物の態度(目をそらす・口数が少ない)の理由を答える問題に出ます。

あてはめてみよう 友だちとの約束をやぶったことが(  )、ぼくはその日、彼の顔を見られなかった。

自分が約束をやぶったことで心がとがめるので「うしろめたく」。

気がひける (きがひける・慣用句・4年生から)

意味 自分に引け目を感じて、遠慮したくなる。気おくれする。

小学生の場面で言うと みんなが手伝っているのに自分だけ休んでいて、「休んでいい」と言われても何となく遠慮したくなる気持ちです。

にた言葉 気おくれする・遠慮する 反対の言葉 堂々とする

まちがえやすい 「気が引き締まる」とは別の言葉です。「気がひける」は、遠慮したくなる気持ちです。

入試ではこう出る 物語文で、登場人物がためらう理由を答える問題に出ます。

あてはめてみよう みんなが掃除をしているのに、自分だけ先に帰るのは(  )。

自分だけ帰るのに引け目を感じて、遠慮したくなるので「気がひける」。

安堵 (あんど・名詞・5年生から)

意味 心配ごとがなくなって、ほっと安心すること。

小学生の場面で言うと 迷子になった弟がやっと見つかって、全身の力がぬけた、そんなときの気持ちです。

にた言葉 安心・ほっとする 反対の言葉 不安・心配

まちがえやすい 「安心」とほぼ同じ意味ですが、「安堵」は心配が続いたあとで、ほっとするときによく使います。

入試ではこう出る 物語文の心情の言葉として、「安堵の表情」「安堵のため息」の形で出ます。漢字の書き取りでも出ることがあります。

あてはめてみよう 行方が分からなかった犬が無事に見つかり、家族はみな(  )した。

心配がなくなってほっとしたので「安堵」。

誇らしい (ほこらしい・形容詞・4年生から)

意味 自分や、自分に関係する人のことを、得意に思って自慢したくなる気持ち。

小学生の場面で言うと 弟が一人で自転車に乗れるようになって、「ぼくが教えたんだ」と胸を張りたくなる気持ちです。

にた言葉 得意・自慢 反対の言葉 はずかしい・うしろめたい

まちがえやすい 「えらそう」は人を見下すようす、「誇らしい」は自分や身近な人を得意に思う気持ちで、悪い意味ではありません。

入試ではこう出る 物語文で、「誇らしげ」「誇らしい気持ち」の形で、成長や達成の場面に出ます。

あてはめてみよう 自分たちで作った花だんを校長先生にほめられて、ぼくたちは(  )気持ちになった。

自分たちのしたことを得意に思う気持ちなので「誇らしい」。

気まずい (きまずい・形容詞・4年生から)

意味 おたがいの気持ちがしっくりいかず、なんとなく居心地が悪い。

小学生の場面で言うと けんかをした次の日、友だちと二人きりになって、何を話せばいいか分からない、そんなときの気持ちです。

にた言葉 居心地が悪い・ぎくしゃくする 反対の言葉 打ちとけた・和やかな

まちがえやすい 「はずかしい」は自分の失敗に向かう気持ち、「気まずい」は相手との間の空気について使います。

入試ではこう出る 物語文で、人間関係の変化(けんか・仲直り)の場面によく出ます。

あてはめてみよう けんかをした次の日、友だちとエレベーターで二人きりになり、(  )沈黙が続いた。

相手との間の空気がしっくりいかないので「気まずい」。

憤り (いきどおり・名詞・6年生から)

意味 正しくないことや理不尽なことに対して、ひどく腹を立てること。

小学生の場面で言うと 弱い子がいじめられているのを見て、「そんなのはおかしい」と強く腹が立つ気持ちです。

にた言葉 怒り・憤慨 反対の言葉 満足・納得

まちがえやすい 「いらいら」は小さな不満、「憤り」は正しくないことへの強い怒りです。

入試ではこう出る 説明文・物語文の両方に出ます。「怒り」よりも、正しくないことへの怒りというニュアンスがあり、理由を答える問題で問われます。

あてはめてみよう 不正を見て見ぬふりをする大人たちに、少年は強い(  )を覚えた。

正しくないことへの強い怒りなので「憤り」。

様子・態度を表す言葉(10語)

おもむろに →ゆっくりと落ち着いて、何かをし始めるようす。(くわしいページ)あながち →(あとに「〜ない」をつけて)必ずしも〜とはいえない。一方的にそ…(くわしいページ)かたくな →自分の考えをかえようとせず、意地を張るようす。がんこなようす。(くわしいページ)やにわに →その場ですぐに。いきなり。(くわしいページ)いささか →少し。わずかに。(「いささかも〜ない」の形で)少しも〜ない。(くわしいページ)しばしば →同じことが、何度もくり返されるようす。たびたび。(くわしいページ)

ひたむき (ひたむき・形容動詞・4年生から)

意味 ほかのことに気をとられず、一つのことに一生懸命に打ちこむようす。

小学生の場面で言うと 毎朝早く起きて、だれに言われなくても素振りを続ける野球少年のようすです。

にた言葉 一生懸命・一途 反対の言葉 いいかげん・なげやり

まちがえやすい 「がむしゃら」は後先を考えずに夢中になるようす、「ひたむき」はまっすぐに一つのことに打ちこむようすで、ほめる気持ちで使います。

入試ではこう出る 物語文で、登場人物の人がらや態度を表す言葉として出ます。

あてはめてみよう 雨の日も休まず練習を続ける彼の(  )な姿に、みんな心を打たれた。

一つのことに一生懸命打ちこむようすなので「ひたむき」。

しみじみ (しみじみ・副詞・4年生から)

意味 心の深いところで、静かに強く感じるようす。

小学生の場面で言うと アルバムを見ながら、「あのころは楽しかったな」と、ゆっくり心にしみてくる気持ちです。

にた言葉 つくづく・心から 反対の言葉 あっさり

まちがえやすい 「じっくり」は時間をかけるようす、「しみじみ」は心に深く感じるようすです。

入試ではこう出る 物語文の情景や心情の表現として出ます。場面の静かな空気を読みとる手がかりになります。

あてはめてみよう 久しぶりにふるさとの駅に降りた父は、「変わらないなあ」と(  )つぶやいた。

心の深いところで静かに感じているようすなので「しみじみ」。

むやみに (むやみに・副詞・4年生から)

意味 よく考えずに、やたらに。度をこして。

小学生の場面で言うと よく考えずに、目についたボタンを次々におしてしまうようなようすです。

にた言葉 やたらに・みだりに 反対の言葉 慎重に

まちがえやすい 「たくさん」とはちがい、「むやみに」は考えなしにやりすぎることを表し、よくない意味で使います。

入試ではこう出る 説明文で、筆者の注意や主張(〜してはならない)の中によく出ます。

あてはめてみよう 知らない人からのメールのリンクを、(  )開いてはいけない。

よく考えずにやたらに開くことをいましめているので「むやみに」。

いたずらに (いたずらに・副詞・6年生から)

意味 むだに。意味もなく。

小学生の場面で言うと 答えの出ない話し合いを何時間も続けて、時間だけが過ぎていった、というようすです。

にた言葉 むだに・無益に 反対の言葉 有意義に

まちがえやすい 「いたずらをする」の「いたずら」とはちがいます。「いたずらに」は「むだに」という意味です。

入試ではこう出る 説明文で、筆者が「〜は意味がない」と主張する場面に出ます。「いたずら(わるさ)」の意味ではないことがポイントです。

あてはめてみよう 話し合いがまとまらず、(  )時間ばかりが過ぎていった。

何も決まらず、むだに時間が過ぎたので「いたずらに」。

説明文の言葉(抽象語)(7語)

普遍的 →どんなものにも、どんな時代にも、広く共通してあてはまるようす。(くわしいページ)

抽象的 (ちゅうしょうてき・形容動詞・6年生から)

意味 いくつかのものに共通する性質だけをぬき出して考えるようす。また、具体的でなくて分かりにくいようす。

小学生の場面で言うと 「りんご・みかん・ぶどう」をまとめて「くだもの」と言うと、1つずつの形や色ははなれて、共通点だけが残ります。この考え方が「抽象」です。

にた言葉 観念的 反対の言葉 具体的

まちがえやすい 「むずかしい言い方」という意味だけではありません。共通点をぬき出して考えることそのものを「抽象」といいます。

入試ではこう出る 説明文の読解の大きなかぎです。説明文は「具体例 → 抽象的なまとめ」の形が多く、まとめの部分に筆者の主張があります。

あてはめてみよう 「平和」や「正義」のように、目に見えない(  )な言葉は、例をあげて説明すると分かりやすい。

目に見えず、形のないことを表すので「抽象的」。

具体的 (ぐたいてき・形容動詞・5年生から)

意味 実際の形や中身がはっきりしていて、すぐに思いうかべられるようす。

小学生の場面で言うと 「部屋をきれいにして」より、「つくえの上の本を本だなにもどして」のほうが、何をすればいいかがはっきりします。これが「具体的」です。

にた言葉 実際的 反対の言葉 抽象的

まちがえやすい 「くわしい」と同じではありません。くわしくても形のない話なら具体的とはいえず、「目に見える・思いうかべられる」ことがポイントです。

入試ではこう出る 説明文で、「具体例」がどこからどこまでかを見分ける問題に出ます。筆者の主張は、具体例ではなく、そのあとのまとめに書かれることが多いです。

あてはめてみよう 「早くねなさい」ではなく、「9時にはふとんに入ろう」と言うほうが(  )で分かりやすい。

時刻まではっきりしていて思いうかべやすいので「具体的」。

主観的 (しゅかんてき・形容動詞・6年生から)

意味 自分だけの見方・感じ方・考え方にもとづいているようす。

小学生の場面で言うと 「この給食はおいしい」は、食べた人によって感じ方がちがいます。自分の感じたことにもとづく見方を「主観的」といいます。

にた言葉 個人的 反対の言葉 客観的

まちがえやすい 「わがまま」という意味ではありません。自分から見た感じ方・考え方であることを表すだけです。

入試ではこう出る 説明文で「主観と客観」の組で問われる代表的な言葉です。意見文を書く問題でも、事実(客観)と意見(主観)を分けられるかが見られます。

あてはめてみよう 「この映画は世界でいちばんおもしろい」というのは、わたしの(  )な感想だ。

自分の感じ方にもとづく感想なので「主観的」。

客観的 (きゃっかんてき・形容動詞・6年生から)

意味 自分の気持ちや考えをまじえず、だれから見ても同じように認められるようす。

小学生の場面で言うと 「気温は30度だった」は、だれがはかっても同じです。このような見方を「客観的」といいます。

にた言葉 公平な 反対の言葉 主観的

まちがえやすい 「冷たい」という意味ではありません。自分の気持ちから一歩はなれて見ることです。

入試ではこう出る 説明文で「主観」と組で出ます。「客観的な事実」「客観的に見る」の形を覚えておくと、言いかえの問題に強くなります。

あてはめてみよう 「暑かった」ではなく、「気温は35度だった」と書くほうが(  )な書き方だ。

だれがはかっても同じ数字なので「客観的」。

相対的 (そうたいてき・形容動詞・6年生から)

意味 ほかのものとくらべることで、成り立ったり決まったりするようす。

小学生の場面で言うと 身長140センチは、1年生の中では高いけれど、6年生の中ではふつうかもしれません。くらべる相手で決まることを「相対的」といいます。

にた言葉 比較的 反対の言葉 絶対的

まちがえやすい 「だいたい」という意味ではありません。くらべる相手があって決まることを表します。

入試ではこう出る 説明文で「相対」と「絶対」の組で出ます。筆者が「〜は相対的なものにすぎない」と主張する文の読みとりがよく問われます。

あてはめてみよう 1年生の中では大きい荷物も、大人から見れば小さい。大きさは(  )なものだ。

くらべる相手によって決まるので「相対的」。

象徴 (しょうちょう・名詞・5年生から)

意味 目に見えない考えや気持ちを、それを思わせる形のあるものや色で表すこと。また、そのもの。

小学生の場面で言うと 「はと」は平和を表す鳥として使われます。目に見えない「平和」を、目に見える「はと」で表すことを「象徴」といいます。

にた言葉 シンボル 反対の言葉 決まった反対の言葉はありません

まちがえやすい 「代表」とはちがいます。代表は全体の中から選ばれたもの、象徴は目に見えない考えを形で表したものです。

入試ではこう出る 物語文で、ものや景色が気持ちを表している(雨が悲しみを象徴する、など)ことを読みとる問題によく出ます。

あてはめてみよう 物語の最後に出てくる「つぼみ」は、主人公のこれからの希望を(  )している。

目に見えない「希望」を、つぼみという形で表しているので「象徴」。

カタカナ語(5語)

アイデンティティ →「自分は自分である」という感覚。自分らしさや、自分がどんな人間…(くわしいページ)ジレンマ →2つのうちどちらを選んでも、どちらかに困ることが起きる、板ばさみ…(くわしいページ)ニュアンス →言葉や色・音などの、細かな意味や感じのちがい。(くわしいページ)ステレオタイプ →多くの人が持っている、決まりきった型どおりの見方や考え方。(くわしいページ)

パラドックス (ぱらどっくす・名詞・6年生から)

意味 正しそうに見える考えをつなげていくと、おかしな結論になってしまう話。また、まちがっているように見えて、じつは正しいことを言っている表現(逆説)。

小学生の場面で言うと 「急がば回れ」は、「急ぐなら遠回りしろ」とおかしく聞こえますが、じつは正しいことを言っています。このような言い方を逆説・パラドックスといいます。

にた言葉 逆説 反対の言葉 決まった反対の言葉はありません

まちがえやすい 「うそ」や「まちがい」という意味ではありません。おかしく聞こえても、よく考えると成り立つ話や表現のことです。

入試ではこう出る 説明文で、「〜なのに、かえって〜になる」という筆者の主張を表す言葉として出ます。

あてはめてみよう 便利な道具がふえたのに、かえっていそがしくなったという(  )を、筆者は問題にしている。

「〜なのに、かえって〜」という逆説なので「パラドックス」。

あわせて覚えたい言葉

ことわざ・慣用句・四字熟語(1,354語)→ 類義語 → 対義語 → 中学入試に出た語句 →

よくある質問

語彙力テストは何問ですか?

このページの語彙32語の問題から、毎回ちがう20問が出ます。文の空らんにあてはめる問題と、正しい使い方を選ぶ問題です。答えるとすぐ解説が出て、まちがえた言葉だけをやり直せます。点数は、このページの語をどれだけ使いこなせるかの目安で、学年の平均とくらべるものではありません。

心情語とは何ですか?

登場人物の気持ちを表す言葉です。「もどかしい」「うしろめたい」「いたたまれない」のように、物語文で気持ちを答える問題のかぎになります。

抽象語とは何ですか?

いくつかのものに共通する性質をぬき出して表した言葉です。「普遍的」「主観的」「相対的」のように、説明文で筆者の主張をまとめる部分によく出ます。反対の言葉と組で覚えると読みやすくなります。

中学受験の語彙は、いつから、どう覚えればいいですか?

読解の文章がむずかしくなる4年生ごろから、少しずつがおすすめです。意味を覚えるだけでなく、文の中にあてはめる、自分で文を作る、の3段で練習すると、使える言葉になります。

意味は国語辞典の一般的な意味を、小学生にわかる言葉で編集部が書きました。例文はすべて編集部の作文で、市販の問題集や入試問題を書き写したものではありません。語は順次ふやします。制作:スクールコンパス編集部。