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週刊 AI・ITニュース 2026年 第37号(9月7日〜13日)
インターネットで見る写真や動画は、これまで「だれかが撮ったもの」でした。いまはAIが作ったものが混ざっています。見ただけでは区別がつきません。そこでヨーロッパでは、AIが作ったものには機械が読みとれる印をつけなさいという決まりを始めました。2026年8月2日からです。
なにが あったのか
ヨーロッパ連合(EU)には、AIの使い方を決めた法律があります。「AI法」とよばれる、規則(EU)2024/1689という決まりです。そのうちの第50条という部分が、2026年8月2日から動きはじめました。
決められたのは、大きく2つです。
❶ AIと話しているときは、AIだと分かるようにすること。お店のホームページで質問に答えてくれる相手が人ではなくAIなら、それを伝えなければいけません。
❷ AIが作った画像・音声・動画・文章には、機械が読みとれる印をつけること。目に見える文字だけでなく、コンピュータが後から「これはAI製だ」と読みとれる形の印です。
守らなかったときの罰金は、最大1,500万ユーロか、その会社の世界での売上の3%か、大きいほうと決められています。
なぜ ニュースなのか
いままでも「AIで作った」と自分から書く会社はありました。でもそれは、書きたい会社が書いていただけです。今回はじめて、書かなければいけない決まりになりました。
もうひとつ大事なのは、印を「人が見て分かる形」だけでなく「機械が読める形」で求めたことです。人が見て分かる注意書きは、切り取ったり消したりできます。データの中に埋めこんだ印なら、あとから機械で確かめられます。
世界に どうひびくか
この決まりはヨーロッパの法律ですが、ヨーロッパの外の会社にも関係します。ヨーロッパの人に向けてサービスを出しているなら、日本の会社でも対象になりえます。
会社は国ごとに作り分けるより、全部を同じ形にそろえるほうが安上がりです。だから、ヨーロッパのために作った印が、そのまま世界中のサービスに入っていく可能性があります。ひとつの地域の決まりが、世界の標準になっていくという動き方です。自動車の排気ガスの決まりや、食べ物の表示でも、同じことが起きてきました。
うちの子に どうかかわるか
これから、ネットで見る画像や動画に「AI生成」の印がついたものが増えていきます。
ただし、気をつけることが2つあります。印がついていない=本物、とはかぎりません。決まりが届かない場所で作られたものには、印がつきません。そして2026年8月2日より前に作られたものには、さかのぼって印をつけなくてよいことになっています。
だから、印は助けにはなりますが、それだけで判断はできません。「だれが出したのか」「ほかの場所にも同じ話があるか」を確かめる習慣は、これからも必要です。
親子で話す問い
AIが作った絵に印をつけるのは、なぜ必要だと思う?
そして、印がついていない絵を見たとき、本物かどうかをどうやって確かめる?
出典:欧州連合 規則(EU)2024/1689(AI法)第50条。条文は欧州連合官報(EUR-Lex)で公開されています。https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2024/1689/oj(2026年9月8日 確認)。適用開始日と制裁金の額は同規則および第99条の定めによります。
時事問題としては、次の形で問われる可能性があります。
❶ 語句 「AIが作ったものに印をつける決まりを始めたのはどこか」→ ヨーロッパ連合(EU)。「EU」の日本語名と、加盟国が集まってつくる組織だということは、社会でも出ます。
❷ 理由を書く問題 「なぜ印をつける必要があるのか、20字以内で書きなさい」→「AIが作ったものと人が作ったものの区別がつかなくなるから」のように書きます。
❸ 結びつけ 情報を確かめる力(メディアリテラシー)の単元と結びつきます。「新聞やインターネットの情報を、どうやって確かめるか」を聞かれたときの材料になります。
年号は2026年8月2日。数字を1つだけ覚えるなら、この日付です。
「これ、AIが作ったと思う?」を1日1回、家で聞いてみてください。
テレビでも、スーパーのポスターでも、動画でもかまいません。大事なのは当てることではなく、「どこを見てそう思ったのか」を言葉にすることです。手の指の数、影の向き、文字のくずれ、話し方の間。理由を口に出すと、次から自分で見るようになります。
そのまま自学のネタにもなります。「AIが作った絵を見分けるポイント5つ」を調べてノートにまとめると、1回分の自学になります。自学ネタのページに、まとめ方の見本があります。
その週のニュースだけでは分からないことは、しくみのほうから読むと早いです。どれも、親が説明できるようになることを目標に書いています。