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きょうのかがく──1日1問、2分の理科

理科を好きになるのに、覚える必要はありません。思わず「えっ、そうなの?」と声が出る回数を増やすほうが先です。

ここでは、こたえを先に出しません。まず「どっちだと思う?」を2つならべます。当たっても外れても構いません。外した日のほうが、よく覚えています。

このコーナーは、1日に1問だけ出します。問いが先で、こたえはタップして開きます。最後に、家にあるもので今日できることを1つだけ書いてあります。やるかどうかは自由です。宿題にはしません。

9月18日の1問──こたえを見る前に、予想してみよう

9月18日うちゅう

月は、どうしていつも同じ面しか見えないの?

ちきゅうこっちの面はずっと見えないまわる速さと 回る速さが おなじ

どっちだと思う? 当たっても外れても、カードが1枚手に入ります。

こたえを見る

月が地球のまわりを1周する時間と、月が自分で1回転する時間が、ぴったり同じだからです。だから地球からは、いつも同じ側だけが見えます。

びっくり大事実! 人類が月の裏側を見たのは1959年。それまで、地球のだれ一人として見たことがなかった。しかも裏側は、表とぜんぜんちがう顔だった。黒いもようがほとんどない。先に写真をとった国が名前をつけたので、月にはいまも「モスクワの海」という場所がある。

もっとくわしく

月は回っていない、というのはまちがいです。ちゃんと回っています。回る速さと、まわる速さが同じなので、こちらを向いている面が変わらないのです。反対側は、1959年にソ連の探査機が月の裏へ回りこんで、はじめて写真にとりました。その写真で、裏側は表とちがって黒いもよう(海とよばれる部分)がほとんどないことが分かりました。

👤 これを調べた人の話
月の裏側の写真を人類がはじめて手に入れたのは1959年。それまで何万年ものあいだ、だれ一人として見たことがなかった。地球にいるかぎり絶対に見えないものを、見にいった人たちがいる。

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知っていると、なにがうれしいか うで1本で、その場で実験して確かめられる。

きょうためせること うでを伸ばして人形を持ち、その人形の顔をいつも自分に向けたまま、自分のまわりを1周させてみよう。人形が1回転しているのが分かります。

かがくを知っていると、なにがうれしいのか

「勉強のため」とは書きません。それでは続かないからです。ほんとうのところ、こういうことです。

  1. こわいものが、少しだけこわくなくなる。地震の速さも、台風の目も、正体が分かると、ただこわいだけのものではなくなります。9月1日と9月8日の問いは、そのために置いています。
  2. 「なんで?」に、自分で答えを出せるようになる。大人に聞かなくてもいい場面が増えます。これはけっこう気持ちがいいことです。
  3. ふつうの日が、少しおもしろくなる。コップの水てき、虫の声、雲の高さ。毎日そこにあったものが、意味を持って見えてきます。
  4. だまされにくくなる。AIが描いた絵のどこがあやしいか、地図アプリの「あと5分」がどこから来た数字か。知っていると、うのみにしなくてすみます。

だからこのコーナーには、毎回「びっくり大事実」の1行と、「知っていると、なにがうれしいか」の1行を入れています。読んだあとに、それが自分の得になったかどうかを確かめられるようにするためです。

びっくり大事実とは、おどろきと楽しさの両方です

このコーナーには、毎回「びっくり大事実」の1行が入っています。ただの豆知識ではありません。おどろきと、楽しさの両方がそろっている1行だけを「びっくり大事実」と呼んでいます。

  1. おどろきだけだと、図鑑になります。数字がすごくても、読んで終わりです。
  2. 楽しさだけだと、ただのネタになります。笑って終わりで、何も残りません。
  3. 両方あると、だれかに言いたくなります。言いたくなるから、次の日もまた開きます。

たとえば、心ぞうが80年で30億回打つ、というのはおどろきです。そこに「いま読んでいるあいだにも、たぶん60回くらい打った」を足すと、思わず自分の胸に手を当てたくなります。これが、びっくり大事実です。

台風の目に東京都がまるごと入る、で止めると図鑑です。「世界一でかい天然のドーム球場。しかも入場無料。ただし出られない」まで書くと、だれかに話したくなります。

だから、この1行は毎回いちばん時間をかけて書いています。ここが弱いと、次の日には来てもらえないからです。

調べた人の話も入れています

科学は、いつでもだれかが最初に「なんで?」と思ったところから始まっています。その人がなぜそれを調べようと思ったのかは、答えそのものよりおもしろいことがあります。

ゆれるランプを見ながら、自分の脈で時間をはかった人。台風の中に飛行機で入っていく研究者。囲碁の盤を見ていてQRコードを思いついた技術者。みんな、最初はふつうに「気になった」だけです。特別な人だから科学者になったのではなく、気になったことを放っておかなかっただけです。

問いによっては、この話が入っています。読み物として、いちばんおもしろいところかもしれません。

デジタルも、かがくです

スマホ、AI、ゲーム、QRコード、地図アプリ。これらは天気や生き物と同じように、しくみのあるものです。だから、このコーナーではデジタルを特別あつかいせず、週に1問か2問のペースでふつうに出しています。

ITは言葉が抽象的で、大人でも説明しにくい分野です。だからこのコーナーでは、「ITとは」という説明をしません。かわりに「QRコードはよごれても読めるのはなぜ」「スマホはどうしてわたしの声が分かるの」という、目の前にある物から入ります。

もっと知りたくなったら、IT・AIのなぜに読み物があります。

これまでの問い(366問)

1年ぶんの366問を目指して、毎月ふやしています。過去の問いはいつでも読めます。まとめて読む必要はありません。1日1問で足ります。

てんきうちゅういきものからだものちきゅうデジタル

デジタルも、天気やいきものと同じ理科のひとつとして置いています。しくみが分かるとおもしろい、という点でちがいはないからです。

8月19日てんき

台風は、どうやってできるの?

びょうそく 17メートルを こえたら たいふうにゅうどうぐもすいじょうきが のぼるあたたかい うみまとまって うずに なる

どっちだと思う? つよい風どうしがぶつかって渦になる / あたたかい海の上で、入道雲がたくさん集まる

こたえを見る

あたたかい海の上で、入道雲がたくさん集まってできます。気象庁によると、台風は赤道に近い海の上で多くできます。海面の水温が高いところでは上へのぼる空気の流れが起きやすく、その流れで積乱雲(入道雲)が次々にできます。それが多数まとまって渦になり、渦の中心の気圧が下がって熱帯低気圧になり、風の速さが秒速17メートルをこえたものを台風とよびます。

びっくり大事実! 台風がいちばん多く生まれる月は、じつは8月。ところが日本で「台風の月」といえば9月。生まれる月と、来る月がずれている。8月は台風を運ぶ上空の風がまだ弱いので、進む道が定まらず、ふらふらした経路になりやすいのだ。ちなみに台風の寿命は平均5.2日。いちばん長い記録は、1986年の台風14号の19.25日。

もっとくわしく

気象庁は台風の一生を、発生期・発達期・最盛期・衰弱期の4つに分けています。発達期は、あたたかい海面から送られてくる水蒸気をエネルギー源にして、中心の気圧がぐんぐん下がっていく時期。日本の近くまで来ると、海面の水温が熱帯より低いので水蒸気の供給が減り、弱まって温帯低気圧や熱帯低気圧に変わります。ただし温帯低気圧に変わると、強い風のはんいはかえって広がることがあり、中心から遠い場所で災害が起きることもあります。1991年から2020年の30年平均では、1年に約25個が発生し、約12個が日本から300キロ以内に近づき、約3個が上陸しています。

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知っていると、なにがうれしいか 8月の台風予報が「まだ進路が定まりません」と言われる理由が分かる。

きょうためせること 台風のニュースが出たら、天気図で「台風◯号」がどのあたりの海で生まれたかを見てみよう。日本のはるか南の、あたたかい海の上のはずです。何号まで進んだかを、夏のあいだ数えてみるのもおもしろい。

8月1日ちきゅう

海の色は、なぜ場所によってちがうの?

岸 にごりプランクトンきれいな 沖色は 海の 中身の 報告書

どっちだと思う? 水が 赤い光を 吸い 中に あるものが 色を 加える / 海の 深さだけで 色が 決まる

こたえを見る

水そのものの性質と、水の中に何が入っているかで決まります。水は赤い光を吸いこみやすく、青い光をあまり吸いません。だから深くきれいな海では、残った青が返ってきて濃い青に見えます。ところが岸の近くでは、川から運ばれた細かい土や、植物プランクトンが混じります。それらが緑や黄色の光を返すので、緑がかった色になります。

びっくり大事実! 海の色は、宇宙から測られている。緑が強い場所にはプランクトンが多く、魚も集まりやすい。色を見るだけで、水の中がある程度分かる。

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だから海の色は、その海の中身の報告書のようなものです。人工衛星は、この色を宇宙から測っています。緑が強い場所には植物プランクトンが多く、そこには魚も集まりやすい。にごりが強い場所は、川からの土が多い場所です。宇宙から色を見るだけで、海の中の様子がある程度分かるのです。ただし、その日の空の色や太陽の高さでも見え方は変わります。曇りの日に海が灰色に見えるのは、空の色を映しているからです。だから「今日の海の色」には、海の中身と、空の様子の両方が混ざっています。

👤 これを調べた人の話
海の色を宇宙から測る計画を立てた人たちは、最初「色を見て何になるのか」と言われました。いまその観測は、漁業にも気候の研究にも使われています。役に立つかが分かるのは、たいてい後からです。

知っていると、なにがうれしいか 海を見る目が変わります。色から中身が読めるようになります。

きょうためせること 同じ海を、晴れた日と曇りの日に写真にとってくらべてみよう。同じ場所とは思えないほどちがいます。岸の近くと沖のほうで色がちがうことにも気づくはずです。

8月2日うちゅう

宇宙飛行士は、宇宙で何を食べているの?

くずが ういたら こわれるにおいが分かりにくい香辛料は 必需品こぼれない こと 保存できる こと

どっちだと思う? すべて 粉と 錠剤で できている / ふだんの 食べものに 近いが こぼれない 工夫が ある

こたえを見る

ふだんの食べものによく似たものを食べています。ただし条件がきびしい。まず、こぼれてはいけません。無重量の状態では、パンくずも水のしずくも空中をただよい、機械にまぎれこむと故障の原因になります。だから汁は飛び散らない濃さにし、パンよりトルティーヤのような、くずの出ないものが使われます。長く保存できることも必須です。

びっくり大事実! 宇宙では、においが分かりにくくなるので味も弱く感じる。だからソースやスパイスは、宇宙飛行士にとってぜいたく品ではなく必需品である。

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意外なのは、宇宙では味の感じ方が変わると言われることです。体の水分が上のほうにたまり、鼻がつまったような状態になるため、においが分かりにくくなります。においが分からないと、味も弱く感じます。だから宇宙食には、香りや辛みの強いものが好まれます。ソースやスパイスは、飛行士にとってぜいたく品ではなく必需品です。日本で作られた宇宙食も認証されていて、ラーメンやカレーなど、日本の味が宇宙に持っていかれています。食べることは、体を保つためだけでなく、心を保つためでもある。長い任務ほど、その意味が大きくなります。

👤 これを調べた人の話
宇宙食を作る人たちは、栄養だけでなく「食べたいと思えるか」を大事にします。半年間、同じ場所で働く人にとって、食事は数少ない楽しみだからです。技術の目的が、心のほうを向いています。

知っていると、なにがうれしいか 味とにおいのつながりが体で分かります。宇宙が、遠い話から生活の話になります。

きょうためせること 鼻をつまんで、目をつぶって、何か食べてみよう。味が急に分かりにくくなります。においが味の大部分を作っていることが分かります。のどにつまらせないよう、少量で。

8月3日からだ

あせをかくと、なぜ体重が減るの?

-1.0kgほとんど 水減ったのでは なく まだ 戻して いないその差が 飲むべき 量の 目安

どっちだと思う? あせで 出ていった 水の 重さ / 脂肪が 燃えて 減った 重さ

こたえを見る

減ったのは、ほとんどが水だからです。運動して1キロ体重が減ったとしても、脂肪が1キロ減ったわけではありません。あせで体から出ていった水の重さです。だから水を飲めば、体重はすぐ戻ります。逆にいえば、運動のあとに体重が減ったままなら、それは減らすべきでない水がまだ足りていない状態です。

びっくり大事実! 運動のあとに体重が減っていたら、それは減らしたのではなく、まだ戻していないということ。数字が何を数えているかを確かめないと、逆の意味に読んでしまう。

もっとくわしく

だから、運動する人は運動の前後で体重をはかることがあります。減ったぶんが、失った水の量のおおよその目安になるからです。目的はやせたかどうかを見るためではなく、どれだけ飲まなければいけないかを知るためです。ここは間違えやすいところです。あせをたくさんかくことと、体がしぼれることは、別のことです。サウナや厚着で汗を出しても、それは水が出ただけで、水を飲めば元に戻ります。しかも水分が足りない状態は、力が出ず、熱中症の危険も上がります。体重計の数字が何を数えているのかを、まず確かめる。それが最初の一歩です。

👤 これを調べた人の話
スポーツの現場では、選手の体重を練習の前後で必ずはかるところがあります。減ったぶんを必ず飲ませるためです。数字を鍛える道具ではなく、守る道具として使っています。

知っていると、なにがうれしいか 体重計の数字の意味が分かります。何を見るべきかがはっきりします。

きょうためせること 運動の前と後で体重をはかり、差を見てみよう。その差が、飲むべき水のだいたいの量です。数字は日によってちがうので、何日か記録すると自分のくせが分かります。

8月4日もの

水鉄砲は、どうして水が遠くまで飛ぶの?

太い ところ ゆっくり細い 出口 はやい水は ちぢまない だから 力が そのまま 伝わる車の ブレーキも 同じ 理屈

どっちだと思う? 水を ぎゅっと ちぢめて ためて いる / せまい 出口に 押し出して 勢いを つけている

こたえを見る

水をおしちぢめているのではなく、せまい出口に押し出しているからです。水はほとんどちぢみません。だから押した力は、そのまま水全体に伝わります。太い筒から細い穴へ出るとき、同じ量の水が細い道を通らなければならないので、勢いが増します。出口が細いほど速く、遠くまで飛ぶのはこのためです。

びっくり大事実! 水鉄砲の飛び方と、車のブレーキの効き方は、同じ理屈でできている。水はちぢまないから、力をそのまま遠くへ運べる。おもちゃと機械が、同じ性質を使っている。

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ここに、水の大事な性質があります。水は押してもほとんど体積が変わらないので、力を遠くまで伝える道具になります。車のブレーキは、この性質を使っています。ペダルを踏んだ力が、油を通してタイヤのところまで伝わり、しかも太さを変えることで力を大きくできます。空気なら押すとちぢんでしまうので、こうはいきません。逆に、ちぢむ性質を使ったのが自転車のタイヤやエアクッションです。ちぢむ流体とちぢまない流体を、使い分けている。水鉄砲の飛び方の中に、車のブレーキと同じ理屈が入っています。

👤 これを調べた人の話
力を油で伝える仕組みを考えた人たちは、小さな力を大きな力に変えられることに気づきました。人の足で数トンの車を止められるのは、この発見のおかげです。

知っていると、なにがうれしいか 身のまわりの道具の中に、同じ理屈が何度も出てくると気づけます。遊びが実験になります。

きょうためせること 出口を指で少しふさいで水を出すと、どのくらい遠くまで飛ぶか試してみよう。同じ力でも、出口の広さで飛び方がまるでちがいます。人に向けないこと。

8月5日デジタル

写真から、家の場所が分かることがあるのはなぜ?

見えている 絵日時機種位置情報見えない 情報送っているのは 絵だけでは ない

どっちだと思う? 写真の 中に 目に 見えない 情報が 入って いることが ある / 写真は 絵の 情報 だけで できている

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写真のファイルには、写っている絵のほかに、目に見えない情報がいっしょに入っているからです。いつ撮ったか、どの機種で撮ったか、そして設定によってはどこで撮ったかまで記録されます。これを位置情報といいます。写真をそのまま送ると、この情報もついていくことがあります。

びっくり大事実! 写真には、絵のほかに「いつ・どこで・何で撮ったか」が見えない形で書きこまれていることがある。送っているのは、写っているものだけではない。

もっとくわしく

位置情報が入っていなくても、写っているものから場所が分かることがあります。制服のマーク、電柱の広告、バスの行き先、窓の外の景色、部屋から見えるビルの形。1つだけでは分からなくても、いくつか重なると場所が絞りこめます。これは特別な技術ではなく、注意深く見れば人にもできることです。だから対策は2つあります。位置情報をつけない設定にすること。そして、写真に何が写りこんでいるかを、送る前に一度見ること。楽しく撮った写真を、送るのをやめる必要はありません。送る前にひと呼吸おいて確かめる。それだけで、ほとんどの問題は防げます。

👤 これを調べた人の話
この危なさを最初に指摘したのは、悪用する人ではなく、仕組みを調べていた研究者でした。危険を先に見つけて公表する人がいるから、設定で切れるようになりました。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 送る前にひと呼吸おく理由が分かります。こわがるのではなく、確かめられるようになります。

きょうためせること 自分のスマホやカメラの設定で、写真に位置情報をつける項目がどうなっているか見てみよう。おうちの人といっしょに確かめて、必要かどうかを話してみます。

8月6日てんき

夏の空は、なぜあんなに青いの?

空気の つぶが 青を よく 散らす夕方は 青が 散り尽くして 赤が 残る

どっちだと思う? 空気の 粒が 青い光を よく 散らすから / 空の 上に 青い 層が あるから

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空気の粒が、青い光をよく散らすからです。太陽の光にはいろいろな色が混ざっていますが、空気の小さな粒にぶつかると、波の短い青や紫のほうが強くはねかえされます。散らされた青い光が空じゅうから目に届くので、空が青く見えます。夏に特に青く見えるのは、太陽が高く、光が通る空気の距離が短いからです。

びっくり大事実! 青い昼の空と、赤い夕焼けは、同じ現象の別の場面。夕方は光が空気の中を長く通るので、青はとちゅうで散り尽くして、赤だけが残って届く。

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冬の空も青いのに、夏のほうが濃く感じるのはなぜでしょう。1つは太陽の高さ。もう1つは、雲や湿気の様子です。白い雲が近くにあると、青との差がはっきりして、より濃く見えます。逆に、空気の中に細かいちりや水のつぶが多いと、青以外の色もいっしょに散らされて、白っぽくかすんだ空になります。春に空がかすむのは、そのためです。同じ空気の性質が、夕焼けも作っています。夕方は光が空気の中を長く通るので、青はとちゅうで散らされ尽くし、残った赤が目に届きます。青い昼と赤い夕方は、同じ現象の別の場面です。

👤 これを調べた人の話
空が青い理由を説明した研究者は、まず空気の粒の大きさと光の波の長さを比べることから始めました。目に見えないもの同士の大きさをくらべる。その一歩が、毎日見ている景色の説明になりました。

知っていると、なにがうれしいか 毎日の空に理由があると分かります。写真をとる目が変わります。

きょうためせること 同じ場所の空を、朝・昼・夕方の3回撮ってならべてみよう。青の濃さがちがいます。太陽から遠いほうの空と近いほうの空でも、濃さがちがうことに気づくはずです。太陽は直接見ないこと。

8月7日いきもの

ヤモリは、なぜかべや天井を歩けるの?

細かい 毛が 何百万本すごいのは はがれる こと

どっちだと思う? 足のうらが 吸ばんに なっている / 細かい 毛と 壁の あいだの 弱い力が 集まって いる

こたえを見る

吸ばんでも、ねばねばでもありません。足のうらに、目に見えないほど細かい毛がびっしり生えていて、その先がさらに枝分かれしています。この毛の先が壁の表面にぴったり近づくと、分子どうしのあいだにはたらくごく弱い引き合う力が生まれます。1本では小さくても、何百万本も集まると体を支えられるほどになります。

びっくり大事実! ヤモリのすごさは、くっつくことより、はがれること。ねばねばだったら、走るたびに足が離れず動けない。つけるのも離すのも一瞬でできる、というのが本当の発明。

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すごいのは、くっつくことより、はがれることです。ねばねばでくっついていたら、走るたびに足がはがれず動けません。ヤモリは足の角度を変えるだけで、この力を一瞬で切ることができます。つけるのも離すのも自由で、しかも何度でも使え、汚れてもある程度働きます。この仕組みをまねた接着材の研究が世界中で進んでいて、のりを使わずに何度も貼ってはがせるテープや、宇宙で物をつかむ装置に応用されています。生きものの体は、何億年もかけて試された設計図です。だから、まねをすることは、近道でもあります。

👤 これを調べた人の話
この仕組みを解き明かした研究者たちは、ヤモリの足を顕微鏡で見るところから始めました。何十年も「吸ばんだろう」と思われていたことを、見て、測って、ちがうと示した。当たり前を疑うのに必要なのは、道具と根気です。

知っていると、なにがうれしいか 生きものが、まねる価値のある設計図に見えてきます。身近な生きものの見方が変わります。

きょうためせること ガラス窓にヤモリがいたら、下からそっと足のうらを見てみよう。指が広がっていて、うすい板のようなもようが見えます。さわらず、驚かせず、見るだけにします。

8月8日ちきゅう

地面を少しほると、なぜひんやりするの?

昼は 熱く 夜は 冷える数十センチ下 1日の 変化は ほぼ なし数メートル下 1年 ほぼ 同じ 温度

どっちだと思う? 土の 中から 冷たい 水が 出て いるから / 熱が 下へ 伝わるのに 時間が かかるから

こたえを見る

土が熱を伝えるのに時間がかかるからです。地面の表面は太陽の光で昼に熱くなり、夜に冷えますが、その変化は下へ行くほどゆっくり伝わり、しかも弱まります。数十センチほど下では、1日の温度変化はほとんどなくなります。だから真夏の昼でも、少しほった土はひんやりしています。

びっくり大事実! 数メートル下の地面は、1年じゅうほとんど同じ温度で、その値はその土地の年平均気温に近い。夏に冷たく冬にあたたかく感じるのは、地面ではなく外が変わっているから。

もっとくわしく

もっと深くなると、季節の変化も消えます。数メートル下では、1年を通じてほぼ一定の温度になり、その値はその土地の年平均気温に近くなります。夏に冷たく、冬にあたたかく感じるのは、地面が変わったのではなく、外が変わっているからです。この安定した温度を暮らしに使う方法があります。地面の下にパイプを通し、その温度を使って夏は冷やし冬はあたためる仕組みで、地中熱利用といいます。むかしの家の床下や、野菜を土の中に埋めて保存する知恵も、同じ性質を使っていました。地面は、大きくてゆっくりした保温庫です。

👤 これを調べた人の話
地中の温度を利用する仕組みは、新しい燃料を掘り出すのではなく、もともとそこにある温度を借りる考え方です。何かを増やさずに解く。そういう解き方をさがす研究者がいます。

知っていると、なにがうれしいか 地面の下という、ふだん見ない場所に温度があると分かります。昔の暮らしの知恵の理由も見えます。

きょうためせること 日なたの地面の表面と、10センチほどほった土を、手のひらでさわりくらべてみよう。深いほうがひんやりしています。ほった穴は必ず元に戻すこと。

8月9日うちゅう

月に立てた旗は、いまもあるの?

.風も 雨も ないので 動かない色は残って いない足あとも そのまま

どっちだと思う? 空気も 風も ないので 立てた 場所に 残って いる / 風で たおれて しまって いる

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旗そのものは、立てた場所に残っていると考えられています。月には空気も雨も風もないので、たおれたり流されたりする理由がありません。ただし、色はもう残っていない可能性が高いとみられています。月面には強い紫外線がじかに降りそそぎ、昼と夜で温度が100度以上も変わるからです。布の色は、この条件では長くもちません。

びっくり大事実! 月に残された足あとは、いまもほとんどそのまま。地球なら1日で消えるものが、月では何十年も残る。月は、時間が止まった場所ではなく、消しゴムを持っていない場所である。

もっとくわしく

同じ理由で、宇宙飛行士の足あともほとんどそのまま残っています。風が吹かないので、砂が動かないのです。地球なら1日で消える足あとが、月では何十年も残る。ただし、まったく変化しないわけではありません。宇宙から降ってくる小さな粒が少しずつ表面を削るので、ものすごく長い時間をかければ消えていきます。月は、時間の進み方がちがう場所ではなく、消しゴムを持っていない場所なのです。だから月面は、太陽系の古い記録がそのまま残った巨大なノートになっています。

👤 これを調べた人の話
月に行った人たちは、記念のためだけでなく、実験装置も置いてきました。その一つは鏡で、いまも地球からレーザーを当てて月までの距離を測るのに使われています。50年以上前に置いたものが、いまも仕事をしています。

知っていると、なにがうれしいか 「残る」ということの意味が分かります。地球の風や雨のありがたさにも気づきます。

きょうためせること 砂場で足あとをつけて、次の日にどうなっているか見てみよう。風、雨、人。地球には足あとを消すものがいくつもあります。それを1つずつ数えてみると、月との差が分かります。

8月10日からだ

夏の夜は、なぜねむりにくいの?

熱が 外へ 逃げないねむる 前に内側の 温度を下げる 必要手足が あたたかく なるのは 熱を 捨てる 合図

どっちだと思う? 体の 内側の 温度が 下がらないから / 暑いと 頭が さえて しまうから

こたえを見る

ねむるときには、体の内側の温度を少し下げる必要があるからです。人は、ねむる前に手足の血管を広げて熱を外へ逃がし、内側の温度を下げてから深いねむりに入ります。ところがまわりが暑いと、熱が外へ逃げてくれません。だから体温が下がらず、ねむりが浅くなります。暑くて寝苦しいのは、気持ちの問題ではなく、体の仕組みの問題です。

びっくり大事実! ねむくなるとき、手足があたたかくなる。あれは、体の内側の熱を外へ捨てているところ。ねむりは、体温を下げてから始まる。

もっとくわしく

だから対策は、部屋の温度と湿度を下げることが第一になります。「エアコンを切って寝るほうが体によい」というのは、暑い夜には当てはまりません。夜のあいだに熱中症になる人が実際にいます。もう1つ。ねむる少し前におふろに入ると、かえってねむりやすくなります。いったん体をあたためると、そのあと熱が外へ逃げて内側の温度が下がるので、下がるタイミングとねむる時間が合いやすくなるからです。あたためてから冷やす。逆に見えて、理屈は通っています。

👤 これを調べた人の話
睡眠を研究する人たちは、暗い部屋で何時間も人の体温と脳波を測り続けます。当たり前だと思われていた「眠くなる」という感覚に、ちゃんと数字がついたのは、その積み重ねからです。

知っていると、なにがうれしいか 寝苦しさを、根性ではなく環境で解けます。おふろの時間の意味も分かります。

きょうためせること ねむる前に、手のひらと足のうらをさわってみよう。あたたかくなっていたら、体が熱を逃がし始めた合図です。ねむくなる直前に手足があたたかくなることに気づけます。

8月11日もの

保冷ざいは、なぜ長いあいだ冷たいの?

保冷ざいよく 冷える保冷ざいあまり 冷えない.冷たい空気は 下へ だから 上に 置く

どっちだと思う? 中身が とても 冷たい 液体だから / とけるときに 熱を たくさん うばうから

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とけるときに、まわりから熱をたくさんうばうからです。氷が水に変わるとき、温度は0度のまま変わらないのに、熱だけを吸い続けます。この熱を融解熱といいます。だから、氷やそれに似た材料は、とけ終わるまでのあいだずっと冷やし続けることができます。ただ冷たいものを置いているのとは、効きめがまるでちがいます。

びっくり大事実! 氷は、とけているあいだ0度のまま。温度は上がらないのに、熱だけをずっと吸い続けている。だからただ冷たいものより、ずっと長く冷やせる。

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保冷ざいの中身は、水にゲル状にするものを混ぜたものが多く使われています。ゲルにすると、袋が破れても中身が流れ出しにくく、形もくずれにくい。凍らせて使うタイプは、要するに形をととのえた氷です。ここで使い方のコツがあります。冷たい空気は下へ、あたたかい空気は上へ動くので、保冷ざいは冷やしたいものの上に置くほうがよく効きます。クーラーボックスに入れるときも、上に置くほうが全体が冷えます。同じ枚数でも、置く場所で結果が変わります。

👤 これを調べた人の話
この「とけながら温度が変わらない」性質は、いま建物の壁にも使われはじめています。昼にとけて熱をため、夜に固まって熱を出す材料で、冷房の電気を減らそうという研究です。氷の性質が、家の設計に入っています。

知っていると、なにがうれしいか クーラーボックスの詰め方が変わります。同じ道具で結果がよくなります。

きょうためせること 同じ量の氷を2つ用意し、片方はコップの上に、片方は下に置いて、飲みものの冷え方をくらべてみよう。上に置いたほうが速く冷えます。手がしもやけにならないよう、素手で長く持たないこと。

8月12日デジタル

自由研究のグラフは、どう作ると伝わるの?

00から はじめる80とちゅうから同じ 数字 なのに 印象が ちがう

どっちだと思う? 見やすい 形なら どれでも よい / 何を くらべたいかで 形を えらぶ

こたえを見る

何をくらべたいかで、形を選びます。時間とともに変わるものは折れ線。ものごとの多さをくらべるなら棒。全体の中の割合なら円。順番のない2つの数の関係を見るなら点で打つ。まず「何を言いたいか」を決めて、それに合う形を選ぶ。かっこいい形をえらぶのではありません。

びっくり大事実! 同じ数字でも、たての軸を0から始めるかどうかで、印象がまるで変わる。グラフはうそをつかないが、作り方でうそのように見せることはできてしまう。

もっとくわしく

もう1つ大事なのが、たての軸のはじまりです。棒グラフの軸を0から始めないと、ほんの少しの差が、とても大きな差に見えてしまいます。同じデータなのに、印象がまるで変わる。これは、うそをつかないための約束です。折れ線グラフでは、軸を0から始めないこともありますが、その場合は「0から始めていない」と分かるようにします。あわせて、軸に何の単位かを必ず書くこと。単位のないグラフは、読む人が意味を作れません。グラフは絵ではなく、文章です。読む人が同じ結論にたどりつけるように書くのが、正しいグラフです。

👤 これを調べた人の話
グラフを最初に広めた人たちは、数字の表を見せても人は動かないと知っていました。看護師のナイチンゲールは、兵士の死因を図にして政府を動かしました。伝わる形にすることも、立派な仕事です。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 自由研究の説得力が上がります。人のグラフのごまかしにも気づけます。

きょうためせること 自分のデータで、たての軸を0から始めた棒グラフと、途中から始めた棒グラフの2つを作ってみよう。同じ数字なのに、受ける印象がまるでちがうことに自分でおどろくはずです。

8月13日てんき

お盆のころ、天気がぐずつくのはなぜ?

夏の 高気圧北の 冷たい 空気張り出しが ゆるむと 前線が できる

どっちだと思う? 夏の 高気圧の 勢いが ゆるみはじめる から / お盆の 行事の 火や けむりの 影響

こたえを見る

夏の高気圧の勢いが、少しずつゆるみはじめるからです。日本の夏を晴れにしているのは、南から張り出す太平洋高気圧です。8月の中ごろになると、この張り出しが弱まる時期が出てきて、北から冷たい空気が入りやすくなります。すると、あたたかく湿った空気とぶつかって前線ができ、雨が降ります。台風が近づきやすい時期でもあります。

びっくり大事実! むかしからの言い伝えは、その時代の気候をもとにできている。気候が変われば、言い伝えの当たり方も変わる。「お盆をすぎたら涼しい」は、いま毎年は当てはまらない。

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「お盆をすぎると涼しくなる」とよく言われますが、近年はそう単純ではなく、8月後半も高温が続く年が多くなっています。だから、言い伝えのほうを毎年そのまま当てはめないほうがよい。ここが大事なところです。むかしからの言い伝えは、その時代の気候をもとにできています。気候が変われば、言い伝えの当たり方も変わります。言い伝えを捨てる必要はありませんが、いまの数字と照らし合わせて確かめる。この作業ができるかどうかが、これからの季節の読み方を分けます。

👤 これを調べた人の話
気象庁は、平年値を10年ごとに計算し直しています。基準そのものが動いているということです。変わったものを、変わったままにしておかない。基準を更新し続けることも、正しさの一部です。

知っていると、なにがうれしいか 言い伝えを、確かめる対象にできます。自分のデータで検証する楽しさが分かります。

きょうためせること 8月の1か月間、毎日の最高気温を新聞や天気アプリから書き写してみよう。お盆の前後で下がっているか、自分のデータで確かめられます。1年分では分からないので、来年も同じことをやると、もっと分かります。

8月14日いきもの

虫は、なぜ光に集まってくるの?

集まって いるのか 迷って いるのかじつは まだ はっきり 分かって いない

どっちだと思う? 理由は はっきり 分かって いない / 明るい ところが あたたかいから 集まる

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じつは、はっきりとは分かっていません。長いあいだ「月や星の光を頼りに、一定の角度を保って飛ぶ性質があり、近くの明かりを月とまちがえてぐるぐる回ってしまう」という説明が知られてきました。ただ、この説明だけでは合わないことも報告されていて、いまも研究が続いています。身近な現象なのに、まだ決着していません。

びっくり大事実! あんなに身近な現象なのに、虫が明かりに集まる理由は、まだはっきり決まっていない。毎晩どこでも見られることの中に、まだ答えの出ていない問いがある。

もっとくわしく

近年の研究では、虫は光に向かっているのではなく、光を上だと思って背中を向け続けた結果、まわりを回ってしまうのではないか、という見方も出てきました。虫にとって「明るいほうが上」というのは、空が明るく地面が暗い自然の中では、ほとんど間違いのない手がかりでした。ところが人が地面に明かりを置いたことで、その手がかりが役に立たなくなった。集まっているのではなく、迷わされている、という見方です。夜の照明が増えたことで虫が減っている可能性も指摘されています。明かりは便利ですが、まわりの生きものにとっては、空の作り替えでもあります。

👤 これを調べた人の話
この問いに挑んだ研究者は、虫の飛び方を1秒間に何千枚も撮れるカメラで撮りました。目で見ていたときは「集まっている」に見えたものが、コマ送りにすると「背中を光に向けている」に見えた。見る速さを変えると、話が変わりました。

知っていると、なにがうれしいか 分かっていないことが身近にあると知ると、自分でも調べられる気がしてきます。

きょうためせること 夜、外の明かりに来る虫を、種類ごとに数えてみよう。日によって数がちがいます。白い光と、オレンジ色の光では、来る虫がちがうこともあります。虫にはさわらず、見るだけにします。

8月15日ちきゅう

化石は、どうやってできるの?

すぐ 埋まる下が 古く 上が 新しい.残るのは かたい 部分 だけ

どっちだと思う? 長い時間 地上に 置かれると 化石に なる / すぐに 土や 砂に うずめられる ことが 必要

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死んだ生きものが、すぐに土や砂にうずめられることが必要です。地上に残っていると、他の生きものに食べられたり、風や雨でこわれたりして、跡形もなくなります。ところが川や海の底ですばやく砂に埋まると、体の固い部分が残り、長い時間をかけてまわりの鉱物と入れかわったり、形が押し型として残ったりします。

びっくり大事実! 化石で見つかる生きものの一覧は、当時いた生きものの一覧ではない。残りやすかったものの一覧である。やわらかい体の生きものは、ほとんど記録に残っていない。

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だから化石には、大きな偏りがあります。骨や殻のような固い部分をもつ生きもの、そして水の底に沈む場所で暮らしていた生きものが、圧倒的に残りやすい。やわらかい体の生きものや、山の上で暮らしていた生きものは、ほとんど残りません。つまり、化石で見つかる生きものの一覧は、当時いた生きものの一覧ではありません。残りやすかったものの一覧です。ここを間違えると、昔の世界を読み違えます。研究者が「見つかっていない」と「いなかった」を厳しく区別するのは、このためです。ないことを証明するのは、あることを証明するよりずっと難しいのです。

👤 これを調べた人の話
研究者は「見つかっていない」と「いなかった」を、きびしく区別します。ないことを示すのは、あることを示すよりずっと難しいからです。この慎重さが、科学を信用できるものにしています。

知っていると、なにがうれしいか 見つかった証拠の読み方が分かります。「ない」の意味を、正確に考えられるようになります。

きょうためせること 近くの博物館や、道路ぎわのがけで、地層が見える場所をさがしてみよう。層のならびは、下が古く上が新しいのが基本です。がけには近づかず、道から見るだけにします。

8月16日うちゅう

宇宙から見ると、夜の地球はどう見えるの?

上へ もれる 光は 役に 立って いない地図が なくても 国の 形が 見える

どっちだと思う? まっくらで 何も 見えない / 人の 住む 場所が 光の 点や 線に なって 見える

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人の住んでいる場所が、光の点や線になって浮かび上がります。都市は明るい塊に、道路や海岸線は光の筋に見えます。人工衛星がとった夜の地球の画像を見ると、どこに人が集まっているかが一目で分かります。地図を持っていなくても、明かりだけで国の形が見えることさえあります。

びっくり大事実! 宇宙から夜の地球を見ると、地図がなくても国の形が見えることがある。人の暮らしが、そのまま光の模様になっている。

もっとくわしく

この画像は、きれいなだけではありません。研究に使われています。明かりの量から、その地域の経済の動きや人口の変化を推定する研究があります。災害で停電した範囲を、宇宙から確かめることもできます。一方で、この明るさは問題でもあります。空が明るくなりすぎて星が見えなくなる光害は、天体観測だけでなく、夜に活動する生きものにも影響します。上へ向かって出ていく光は、だれの役にも立っていない光でもあります。だから最近の街灯は、光を下だけに向ける形が増えています。明るさを減らさずに、こぼれる光を減らす。それが今の設計です。

👤 これを調べた人の話
夜の地球の画像を最初に使ったのは、天気を見るための衛星の担当者でした。雲を見るための装置がたまたま都市の明かりをとらえ、それが新しい研究分野になりました。目的外の発見が、分野を作ることがあります。

知っていると、なにがうれしいか 街灯の形に理由があると気づけます。星が見えない理由も分かります。

きょうためせること 夜、家のまわりの街灯を見上げてみよう。かさがついていて光が下だけに向いているか、上にももれているか。まちの照明の設計を、そこで確かめられます。

8月17日からだ

かき氷を食べると、なぜ頭がキーンとするの?

冷たいのは 口痛いのは 頭原因の 場所と痛い 場所が ちがう

どっちだと思う? 原因は 口にあるのに 痛みは 頭に 出ている / 冷たさで 頭の 骨が ちぢんで いる

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はっきりした答えは、まだ完全には決まっていません。有力な説明が2つあります。1つは、口の中の冷たさが、近くを通る神経に伝わり、脳が「頭の痛み」だと勘ちがいしてしまうという説明。もう1つは、急に冷えた口の奥の血管が、いったん縮んだあと急に広がり、その変化が痛みとして感じられるという説明です。

びっくり大事実! 冷えているのは口なのに、痛いのは頭。体はときどき、痛む場所と原因の場所を取りちがえる。だから「痛い場所が悪い場所」とはかぎらない。

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どちらの説明にも共通するのは、痛んでいる場所と、原因の場所がちがうということです。冷えているのは口なのに、痛いのは頭。体はときどき、こういう取りちがえをします。心臓の異常なのに肩や腕が痛むことがあるのも、同じ仕組みだと考えられていて、関連痛と呼ばれます。だから「痛い場所=悪い場所」とはかぎりません。医師が痛みの場所だけで判断しないのは、このためです。ちなみに、かき氷のキーンを防ぐには、ゆっくり食べること、口の中でいったんとかしてから飲みこむこと。冷たいものを口の奥に一気に当てないのがコツです。

👤 これを調べた人の話
この頭痛を調べるため、研究者は自分たちで氷水を飲んで、いつ痛みが来るかを記録しました。身近すぎて研究されていなかったものに、まじめに向き合う人がいます。小さな問いにも、答える価値があります。

知っていると、なにがうれしいか 体の感覚を、そのまま信じすぎなくなります。防ぎ方も1つ手に入ります。

きょうためせること かき氷を、いつもより半分の速さで食べてみよう。キーンとなる回数が減るか、自分で試せます。なったら、口の中の上のほうに舌をあてるとおさまることがあります。

8月18日もの

線香花火は、なぜ最後に玉が落ちるの?

つぼみ 牡丹 松葉 散り菊1つが 2つに2つが 4つに

どっちだと思う? 火が 芯を 燃やしきって しまうから / 玉が 変化して 支えきれなく なるから

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先に丸い玉ができて、それが重さに耐えられなくなるからです。火をつけると、まず先端がとけて液体の玉になります。この玉の中で反応が続き、ガスが吹き出して火花が飛びます。火花が飛ぶあいだ、玉は少しずつ成分を失って、表面の張りも弱くなります。そして支えきれなくなった玉が、ぽとりと落ちて終わります。

びっくり大事実! 線香花火の枝分かれは、飛び出した1つの粒が空中でさらにはじけているところ。1つが2つに、2つが4つに。あの形は、空中で起きた連鎖の記録である。

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線香花火の一生には、名前がついています。つぼみ、牡丹、松葉、散り菊。玉ができる段階、火花が出はじめる段階、いちばん激しく枝分かれする段階、そして細く長く垂れて終わる段階です。火花が枝分かれするのは、飛び出した小さな粒の中でさらに反応が起きて、はじけるからです。1つの粒が2つに、2つが4つに。だからあの形になります。そしてこの一生は、湿気や持ち方で変わります。ゆらすと玉が落ちやすくなるので、まっすぐ下に向けて、動かさずに持つ。日本の線香花火は、その短い時間の変化を見せるために作られています。

👤 これを調べた人の話
日本の線香花火を作れる職人は、いま多くありません。材料も紙もむかしのものが手に入りにくくなっています。それでも作り続けている人たちが、あの数十秒を残しています。

知っていると、なにがうれしいか 最後の数秒に名前があると知ると、見方が変わります。持ち方に理由があることも分かります。

きょうためせること 線香花火を、玉ができてから落ちるまで何秒もつか、時計ではかってみよう。持ち方を変えると時間が変わります。必ず大人といっしょに、水を用意してから。

8月20日てんき

砂ばくは昼あんなに暑いのに、なぜ夜は寒いの?

昼 50度夜 0度ちかく雲は 地面の 毛布

どっちだと思う? 空気が かわいて いて 熱を 受け止める ものが ないから / 砂が 夜に なると 冷たく 変わるから

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熱をためておくものがないからです。空気中の水蒸気は、地面から出ていく熱を受け止めて、また地面へ返す毛布のような役目をします。砂ばくは空気がかわいていて、雲もほとんどありません。だから夜になると、地面にたまった熱がどんどん空へ逃げていき、急に冷えこみます。この冷え方を放射冷却といいます。

びっくり大事実! 雲は、地面の毛布である。雲のある夜のほうが、次の朝はあたたかい。よく晴れた夜ほど、朝は寒い。

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同じことが、日本でも起きています。冬のよく晴れた風のない夜は、朝の冷えこみが強くなります。雲があった夜のほうが、朝はあたたかい。雲が毛布の役目をしているからです。天気予報で「晴れて風が弱く、放射冷却が強まるため冷えこみます」と言うのは、この話をしています。ここに、地球全体につながる話があります。空気中の水蒸気や二酸化炭素が熱を受け止める性質は、地球の温度を保つのに必要なものです。まったく無ければ、地球の平均気温はずっと低くなります。ただし増えすぎれば、逃げる熱が減って温度が上がります。毛布は必要ですが、厚さが問題になるのです。

👤 これを調べた人の話
放射で熱が逃げることを説明した人たちは、目に見えない赤外線を測る道具から作りました。見えないものを測る道具を作るところから始めるのは、科学ではよくあることです。

知っていると、なにがうれしいか 天気予報の言葉が意味を持ちます。朝の寒さを前の晩に予想できます。

きょうためせること よく晴れた夜と、くもりの夜で、次の朝の気温をくらべてみよう。同じ季節でも数度ちがうことがあります。天気予報の「晴れ」と朝の寒さの関係が、自分のデータで見えます。

8月21日うちゅう

宇宙服は、なぜあんなに分厚いの?

酸素を おくる気圧を 保つ温度を 保つ飛んでくる 粒を ふせぐ人 ひとりぶんの 宇宙船

どっちだと思う? 寒さを ふせぐ ためだけに 厚く なっている / 空気 気圧 温度 飛んでくる 粒 すべてに 対応 するため

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1着で、地球の環境をまるごと持ち歩いているからです。宇宙には空気がないので、酸素を送る仕組みが要ります。気圧がないので、体がふくらまないよう内側から押さえる層が要ります。日なたと日かげで温度が極端に変わるので、温度を保つ層が要ります。さらに、小さな粒が高速で飛んでくるので、それを防ぐ層も要ります。全部を重ねると、あの厚さになります。

びっくり大事実! 宇宙服は、服ではなく、人ひとりぶんの宇宙船。しかもいちばん難しいのは、守ることではなく、その中で指を曲げること。

もっとくわしく

むずかしいのは、防ぐことより動くことです。空気を入れてふくらんだ服は、風船と同じで曲げにくくなります。だから、ひじやひざの関節部分には、曲げても内側の体積が変わらない特別な作りが入っています。手袋は特に難しく、指を曲げるだけで疲れるといわれます。作業のあとに手が痛くなるのは、宇宙飛行士にとってふつうのことです。そして服には、生命を保つ装置を背負っています。酸素、二酸化炭素を取りのぞく装置、水を回して体を冷やす仕組み、電気、通信。宇宙服は服ではなく、人ひとりぶんの宇宙船です。

👤 これを調べた人の話
宇宙服を作る仕事には、いまも手で縫う工程が残っています。何百枚もの布を、ずれなく縫い合わせる。命がかかっているので、機械に任せきれない部分があるのです。

知っていると、なにがうれしいか 「宇宙は寒い」だけではない厳しさが分かります。人が行くことの重さが実感できます。

きょうためせること 厚い手袋をはめて、小さなネジやボタンをつまんでみよう。ふだんの何倍も時間がかかります。宇宙で作業をする難しさが、少しだけ体で分かります。

8月22日からだ

夏休みの終わりに、体がだるくなるのはなぜ?

体の 中の 時計が ずれる朝の 光で 直す夜を がまんしても動かない

どっちだと思う? 体の 中の 時計が 後ろへ ずれて いるから / 休みで 体力が 落ちて しまったから

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体の中の時計が、ずれてしまっているからです。人の体には、およそ1日の周期でリズムを作る仕組みがあり、朝の光を浴びることで毎日合わせ直されています。夏休みに起きる時間が遅くなると、この合わせ直しが遅れ、時計そのものが後ろへずれます。すると、夜になっても眠くならず、朝は起きられない。だるさは、なまけではなく、時計のずれです。

びっくり大事実! 体のリズムを直すのは、夜を早くすることではなく、朝を早くすること。夜のほうをがんばっても動かない。動かせるスイッチは、朝の光のほうにある。

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直し方は決まっています。夜を早くするのではなく、朝を早くすることです。朝、決まった時間に起きて光を浴びる。これが一番強く時計を動かします。逆に、夜おそくまで明るい画面を見ると、時計はさらに後ろへずれます。もう1つ。ずれは1日では戻りません。何日かかけて少しずつ戻すほうが、体に負担が少ない。だから夏休みが終わる何日か前から、朝の時間を少しずつ前へ動かします。がんばりや気合いで直すものではなく、光と時間の使い方で直すものです。理由が分かると、自分を責めずにすみます。

👤 これを調べた人の話
体の中の時計を見つけた研究者たちは、光のない場所で人が何時間の周期で暮らすかを調べました。時計も窓もない部屋で、何週間も。そこまでやってはじめて、24時間より少し長いという値が出ました。

知っていると、なにがうれしいか だるさを、自分の弱さのせいにしなくてよくなります。直す手順もはっきりします。

きょうためせること あと何日かで学校が始まるなら、毎朝の起きる時間を15分ずつ早めてみよう。起きたらカーテンを開けて、外の光を浴びる。これだけで、夜に眠くなる時間が前へ動いていきます。

8月23日デジタル

アプリは、なぜ無料で使えるの?

無料あなたは 払わない広告の 会社が払っているわたすのは 自分の 情報だれも 払って いない わけでは ない

どっちだと思う? 作った 会社が 好意で ただに して いる / 広告など 別の ところから お金が 入って いる

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だれかがお金を払っているからです。多くの場合、広告を出す会社が払っています。アプリを作った側は、使う人に広告を見せることでお金を受け取ります。ほかにも、基本は無料で一部の機能だけ有料にする形、月ごとにお金を払う形、企業や団体が費用を負担する形があります。無料というのは「だれも払っていない」ではなく「あなたが払っていない」という意味です。

びっくり大事実! 無料というのは「だれも払っていない」ではなく「あなたが払っていない」という意味。多くの場合、払っているのはお金ではなく、自分についての情報である。

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広告でまかなう形には、性質があります。広告は、見る人に合っているほど価値が高くなります。だから、その人が何に興味を持っているかを知りたくなります。使った記録、見たもの、いた場所。それらが集まるほど、合った広告を出せる。つまり、あなたが払っているのは、お金ではなく情報です。これは悪いことだと決めつける話ではありません。その仕組みのおかげで、多くの便利なものが無料で使えています。大事なのは、何が交換されているかを知っておくことです。設定で広告の個人向け調整を切れる場合もあります。仕組みを知っていれば、選べます。

👤 これを調べた人の話
広告でまかなう仕組みを考えた人たちは、お金を払えない人にも使ってもらう方法をさがしていました。その狙いは実現しました。同時に、情報が集まりすぎる問題も生みました。良いことと問題が、同じ発明から出ています。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 「なぜ無料か」に答えられるようになります。設定を見るきっかけになります。

きょうためせること よく使うアプリの設定を開いて、広告や履歴に関する項目があるか探してみよう。おうちの人といっしょに、どこまで渡すかを話してみます。

8月24日てんき

夏の終わりに、雷が増えるのはなぜ?

上空 秋の 冷たい 空気地上 夏の 暑さ.

どっちだと思う? 上空に 冷たい 空気が 入り 上下の 温度差が 大きく なるから / 秋の 空気が かわいて 電気が たまりやすく なるから

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上と下の空気の温度差が大きくなるからです。地上はまだ夏の暑さが残っているのに、上空には秋の冷たい空気が入りはじめます。あたたかい空気は軽いので、上に冷たい空気があると勢いよくのぼっていきます。この激しい上下の動きが積乱雲を育て、雷を起こします。大気の状態が不安定、というのはこの状態のことです。

びっくり大事実! 日本海側では、冬に雷が多い地域がある。雷は夏のものだと思われているが、必要なのは季節ではなく、上と下の温度差だけ。

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だから雷は、真夏だけのものではありません。春や秋の変わり目にも増え、日本海側では冬に雷が多い地域もあります。冬の雷は、冷たい大陸の空気が、あたたかい日本海の上を通るときに起こります。上下の温度差ができれば、季節に関係なく雷は起きる。ここに、覚えておくと役に立つ見方があります。天気予報で「上空に寒気が入る」と言ったら、それは晴れの話ではなく、荒れる合図です。地上の気温だけを見ていると、この情報を見落とします。空は上下で1組です。

👤 これを調べた人の話
冬の雷は、夏の雷より1回あたりのエネルギーが大きいことがあると分かっています。少ないから弱いとはかぎらない。数の多さと1回の強さを分けて考えるのは、科学のとても大事な習慣です。

知っていると、なにがうれしいか 予報の言葉から危険を読めるようになります。地上の気温だけを見なくなります。

きょうためせること 天気予報で「上空に寒気」という言葉が出た日をメモして、その日の午後に雷や急な雨があったかを記録してみよう。何回か記録すると、言葉と天気の関係が見えてきます。

8月25日いきもの

ツクツクボウシが鳴くと夏が終わるって、本当?

ヒグラシアブラゼミ夕方ヒグラシ同じ 場所でも 時間で 顔ぶれが 変わる声が ぶつからない ように 分け合って いる

どっちだと思う? セミは みんな 同じ 時期に 現れる / 種類ごとに 現れる 時期と 鳴く 時間帯が ちがう

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おおまかには合っています。セミには種類ごとに現れる時期の順番があり、ニイニイゼミやアブラゼミが先、ツクツクボウシは遅い時期に多くなります。だから鳴き声が変わることは、季節が進んだ合図として使えます。ただし、その年の気温や場所によってずれるので、日づけを言い当てる道具にはなりません。

びっくり大事実! セミは、種類ごとに鳴く時間帯までちがう。同じ木の同じ場所でも、朝と昼と夕方でまったくちがう声が聞こえる。声がぶつからないように、時間を分け合っている。

もっとくわしく

おもしろいのは、鳴く時間帯も種類でちがうことです。ヒグラシは明け方と夕方に鳴き、アブラゼミは日中、ミンミンゼミも日中に多い。同じ場所でも、時間で聞こえる声が入れかわります。これは、鳴く相手に声を届けるために、他の種類と時間をずらしているという見方があります。音がぶつかると、どちらの声も届きにくくなるからです。カエルがタイミングをずらすのと似ています。だから、朝と昼と夕方に同じ場所で耳をすませると、まったくちがう録音がとれます。姿を見つけなくても、音だけで季節と時間の記録が作れます。

👤 これを調べた人の話
セミの初鳴きの日を、何十年も同じ場所で記録し続けている人たちがいます。その記録から、鳴きはじめが少しずつ早くなっていることが分かってきました。趣味の記録が、気候の証拠になりました。

知っていると、なにがうれしいか 耳だけで季節が読めるようになります。録音するだけの自由研究ができます。

きょうためせること 同じ公園で、朝・昼・夕方の3回、30秒ずつ聞こえるセミの種類を書き出してみよう。1週間続けると、季節が進むにつれて顔ぶれが変わっていくのが見えます。

8月26日ちきゅう

川で遊ぶとき、いちばん危ないのはどこ?

静か 色が 濃い深くて 速い白く 泡立つ ほうが 浅い見た目と 実際が 逆に なっている

どっちだと思う? 白く 泡立って 音が している ところ / 水面が 静かで 色が 濃い ところ

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見た目が静かな場所です。水面が波立たず、深い色をしているところは、流れが速く深いことが多い。逆に、白く泡立って音がしているところは浅いことが多いのです。人は、静かに見えるほうを安全だと感じますが、川では逆になります。この思いこみが、事故の大きな原因になっています。

びっくり大事実! 川では、静かに見えるところほど深くて速い。人は静かなほうを安全だと感じるので、感覚と実際が逆になっている。だから見た目で選んではいけない。

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もう1つ危ないのが、水の中に沈んだ木や石にひっかかる形の流れです。上から見ると水がすいこまれるように見えるところがあり、そこに入ると流れに押さえつけられて出られなくなります。海と大きくちがうのは、川の水は必ず一方向に流れていて、休む場所がないことです。だから川では「泳ぐ力」より「流れに逆らわない知識」が命を守ります。流されたら、あおむけになり、足を下流に向けて浮く。立とうとしないこと。浅くても、足が石にはさまると立ち上がれなくなり、流れに押し倒されます。そして、上流の雨で水が増えることを忘れないことです。

👤 これを調べた人の話
水の事故を減らすため、「泳ぎを教える」から「浮き方と見分け方を教える」へと、教える中身を変えた人たちがいます。強くすることではなく、危ない場所に入らないことを先に教える。順番を変えただけで、助かる人が増えました。

知っていると、なにがうれしいか 見た目にだまされずに判断できます。家族や友だちにも伝えられます。

きょうためせること 川に行ったら、入る前に立ち止まって、水面の様子を見比べてみよう。波立っている場所と、静かで色の濃い場所。どちらが深そうか、大人と話してみてください。ライフジャケットは必ず着ること。

8月27日うちゅう

夜空の星は、目でいくつ見えるの?

まちの中 数十こ暗い 場所 数千こ.

どっちだと思う? どこで 見ても だいたい 同じ 数が 見える / 場所に よって 見える 数が 100倍 ちかく ちがう

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とても条件のよい場所で、空全体を一度に見わたせたとしても、肉眼で見える星はおよそ数千個といわれます。ただし地面から見えるのは空の半分なので、実際に一度に見えるのはその半分ほどです。町の中ではもっとずっと少なく、数十個しか見えないこともあります。同じ空を見ているのに、場所で見える数が100倍近くちがうのです。

びっくり大事実! 星の明るさの等級は、2000年以上前に目分量で作られた区分。ところがあとから光の強さを測ったら、その古い区分ときちんと対応していた。人の目は、かなり正確な測定器だった。

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「見える」の基準になっているのが、星の明るさを表す等級という数字です。数字が小さいほど明るく、肉眼で見えるのはだいたい6等星までとされてきました。この決め方は2000年以上前から使われてきたもので、いちばん明るい星を1等、やっと見える星を6等と分けたのが始まりです。おどろくのは、この古い区分が、あとから測った光の強さときちんと対応していたことです。人の目が明るさを感じる感覚は、光の強さそのものではなく、その比に近い形で働いていた。だから、目分量で作られた区分が、そのまま数字の体系になりました。

👤 これを調べた人の話
星の明るさを分類した古代の人たちは、望遠鏡も光を測る道具も持っていませんでした。それでも、見える星を一つひとつ書き並べ、明るさで分けました。道具がなくても、ていねいに見て記録すればここまでできる、という証拠です。

知っていると、なにがうれしいか 夜空の見え方が場所で変わる理由が分かります。暗い場所へ行く価値が実感できます。

きょうためせること 同じ夜、家の前と、できるだけ暗い場所の2か所で、こぶしの中に見える星の数を数えてみよう。同じ広さを見ているのに、数がまったくちがうことに気づきます。

8月28日からだ

日やけのあと、皮がむけるのはなぜ?

直せない 細胞まとめて はがれるこわれて 落ちるのでは なく 片づけて いる

どっちだと思う? 体が いたんだ 細胞を 片づけて いる / 日やけで 皮ふが かわいて われて いる

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強い紫外線でいたんだ細胞を、体が捨てているからです。紫外線は、皮ふの細胞の中にある設計図(DNA)を傷つけます。傷が大きすぎて直せない細胞は、そのまま残すと具合が悪いので、体が自分から終わらせて外へ押し出します。それがまとまってはがれるのが、皮むけです。こわれたから落ちるのではなく、片づけているのです。

びっくり大事実! 皮がむけるのは、こわれて落ちているのではない。直せないほど傷ついた細胞を、体が自分から終わらせて外へ出している。片づけの跡である。

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だから皮むけは、体が守っている証拠でもあります。ただし、そこまでいく前に止めるほうがずっとよい。日やけは、一度赤くなるたびに皮ふに負担が積み重なると考えられていて、子どものころに強く日やけをくり返すことの影響が指摘されています。だから対策は、痛くなってから何かするのではなく、なる前に日かげ・帽子・服・日やけ止めで防ぐことです。むけはじめた皮を無理にはがすのはよくありません。下の新しい皮ふがまだ守られていない状態で、外に出てしまうからです。かゆくても、はがさずに保湿して、日に当てないようにします。

👤 これを調べた人の話
紫外線が細胞の設計図を傷つけると突きとめた研究から、傷を直す仕組みの研究が始まりました。その研究は、いろいろな病気の理解につながっています。日やけという身近な現象が、大きな扉になりました。

知っていると、なにがうれしいか 体が自分を直していると分かります。はがさない理由もはっきりします。

きょうためせること 日やけをした場所と、していない場所を写真にとって、1週間の変化をくらべてみよう。いつむけはじめて、いつ落ち着くかを記録すると、体の直す速さが分かります。

8月29日デジタル

写真をとると、本物よりきれいに写らないのはなぜ?

明るさに 合わせる暗さに 合わせる合成する目も じつは 合成した 絵を 見ている

どっちだと思う? カメラの レンズが よごれて いるから / 目と カメラで とらえられる 明るさの 幅が ちがうから

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目とカメラでは、明るさをとらえられる幅がちがうからです。人の目は、明るいところと暗いところを同時にとても広く見分けられます。しかもすばやく調整します。カメラのセンサーはその幅がせまいので、明るいところに合わせると暗いところが真っ黒に、暗いところに合わせると明るいところが真っ白になります。夕焼けも、夜景も、この差が出やすい場面です。

びっくり大事実! カメラは、明るさのちがう何枚かを合成して1枚を作っている。じつは目も同じで、細かく動きながら見た情報を、脳が1枚にまとめている。どちらも合成した絵を見ている。

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だから写真の機械は、明るさのちがう何枚かを連続でとって、良いところだけを合成する方法を使っています。明るい部分は暗くとった1枚から、暗い部分は明るくとった1枚から。人が見た印象に近づけるための工夫です。ここでおもしろいのが、目もじつは同じことをしている点です。目は視野のすべてを同時に見ているのではなく、細かく動きながら少しずつ見て、脳が1枚の絵にまとめています。カメラも目も、実は合成した絵を見ている。ちがうのは、合成しているのが機械か脳かというところです。

👤 これを調べた人の話
写真の技術者たちは長いあいだ、目に近づけることを目標にしてきました。目のほうも合成しているらしいと分かったのは、その追いかけっこの途中です。まねようとした相手の仕組みが、あとから分かりました。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか うまく撮れない理由が分かり、直せます。目のすごさにも気づけます。

きょうためせること 明るい窓を背にして人を撮ってみよう。人が真っ黒になるはずです。次に、窓のほうを背にして撮ると、うまく写ります。光がどちらから来ているかで結果が決まると分かります。

8月30日てんき

台風の予報の白い円は、何を表しているの?

円が 大きいのは 予想が 難しいからいま中心が 70パーセントで 入る 範囲

どっちだと思う? 台風の 大きさを 表して いる / 中心が 70パーセントの 確率で 入る 範囲

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台風の中心が、その時刻に70パーセントの確率で入ると予想される範囲です。台風の大きさではありません。ここをまちがえると、危険をとりちがえます。円が大きくなっていくのは、台風が育つからではなく、先の時間ほど予想がむずかしくなるからです。円の大きさは、自信の度合いを表しています。

びっくり大事実! 予報円が大きくなっていくのは、台風が育つからではない。先の時間ほど予想が難しくなるから。あの円の大きさは、台風の大きさではなく、予報の自信の度合いである。

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もう1つ大事なのは、外れる30パーセントです。予報円の中に自分の町が入っていなくても、来ないとは言えません。そして、赤い線で囲まれた暴風警戒域は、台風の中心が予報円の中を進んだ場合に、風速25メートル以上の暴風になるおそれのある範囲です。こちらは実際に自分に影響が及ぶかどうかの範囲です。見る順番は、まず暴風警戒域に自分の町が入っているか。次に予報円の大きさで、予想がどれくらい定まっているか。最後に中心の線。中心の線は円の中心を結んだだけのもので、そこを通ると決まっているわけではありません。

👤 これを調べた人の話
気象庁は、予報が良くなったことを確かめたうえで、予報円を小さくしました。当たるようになったから、言い方を絞った。自信がついた分だけ具体的にする、という正しい順番です。

知っていると、なにがうれしいか 進路図を正しく読めるようになります。見る順番が決まると、迷いません。

きょうためせること 台風が近づいたら、進路図を朝と夜の2回見て、予報円の大きさが変わったか見てみよう。小さくなっていれば、予想が定まってきた合図です。

8月31日もの

日なたにとめた車の中は、どのくらい熱くなるの?

外 35度30分で45度3センチ 開けても 40度に なった

どっちだと思う? 外より 少し 暑い くらいに おさまる / 30分ほどで 45度 その後 55度を こえた 記録が ある

こたえを見る

外が35度の日、窓を閉め切った車の中は、30分ほどで45度前後になり、その後さらに上がって55度をこえたという実験の記録があります。窓を3センチほど開けても、30分後に40度ほど、午後には45度ほどまで上がりました。曇りの日でも、1時間で40度をこえたという記録があります。少しの時間だから大丈夫、が成り立たない場所です。

びっくり大事実! 窓を3センチ開けても、30分で40度になった記録がある。少し開ければ大丈夫、は成り立たない。車の中は、うっかり作られてしまった温室である。

もっとくわしく

なぜここまで上がるのでしょうか。ガラスは太陽の光を通しますが、あたたまった内側のものが出す熱(赤外線)は通しにくい。だから入った熱が出ていけず、たまり続けます。閉じた空間なので、空気の入れかえもありません。同じ仕組みが、温室で植物を育てるのに使われています。車内は、意図せず作られた温室です。JAFの実験では、ダッシュボードが57度をこえた例もあります。おそろしいのは、子どもは体が小さく体温を調節する力が発達しきっていないため、大人より早く危険になることです。時間の長さではなく、その場所に残さないことが答えになります。

👤 これを調べた人の話
この危なさを数字にしたのは、実際に車を炎天下に置いて測り続けた人たちです。「危ないから気をつけよう」では動かない人も、55度という数字を見ると動く。測ることは、伝えることでもあります。

知っていると、なにがうれしいか 「少しの時間なら」という判断をしなくなります。数字で家族に伝えられます。

きょうためせること 日なたに置いた車のハンドルやシートを、大人にさわってもらってみよう。素手でにぎれない温度になっていることがあります。車の中にペットボトルやスプレー缶を置きっぱなしにしていないかも、いっしょに確かめます。

9月1日ちきゅう

地震のゆれには、はやいゆれとおそいゆれの2つがあるって本当?

しんげんPは はやいSは おそい 大きいおうち

どっちだと思う? ゆれは1しゅるいだけ / はやいゆれとおそいゆれの2しゅるい

こたえを見る

本当です。地震が起きると、2しゅるいのゆれが同時に出発します。はやいほうがP波、おそいほうがS波です。はやいP波が先にとどいて小さくカタカタとゆれ、あとからとどくS波で大きくユサユサとゆれます。

びっくり大事実! カタカタという小さなゆれは、大きなゆれの先ばしり。地面の中を、2つのゆれがちがう速さで走っているからだ。先に着いた小さなゆれをつかまえて「大きいのが来るよ」と知らせるのが、あのアラーム。地震の知らせをいちばん先に運んでいるのは、地震そのものだった。

もっとくわしく

この時間差が、きんきゅう地震そくほうのしくみです。震源にちかい地震計がP波をとらえた瞬間に計算をして、大きなゆれのS波がとどく前にテレビやスマホへ知らせています。震源から遠いほど、知らせを受けてから大きなゆれが来るまでの余ゆうが長くなります。ぎゃくに震源の真上や、震源にとても近い場所では、知らせが間に合わないこともあります。気象庁も、それを限界の一つとして説明しています。

👤 これを調べた人の話
地震のゆれを世界ではじめて機械ではかろうとしたのは、日本にいたイギリス人の先生と、その教え子たちだった。ゆれるたびにこわがるのではなく、ゆれを数字にして正体を見ようとした。こわいものは、正体が分かると少しだけこわくなくなる。

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知っていると、なにがうれしいか きんきゅう地震そくほうが鳴った10秒で、何をすればいいかが自分で決められる。

きょうためせること きんきゅう地震そくほうが鳴ったとき、家のどこにいれば安全かを、今日のうちに家族で1か所だけ決めておこう。

9月2日てんき

雨の日に地面がにおうのは、なぜ?

においは じめんから

どっちだと思う? 雨がにおっている / 地面がにおっている

こたえを見る

においを運んでいるのは、雨つぶが地面に当たったときにできる、目に見えないほど細かいあわです。そのあわの中に、土や石にたまっていたにおいのもとが取りこまれ、いっしょに空気中へまい上がります。かわいた日が長く続いたあとの、さいしょのひと雨のときに、いちばん強くにおいます。

びっくり大事実! 土砂ぶりの日には、雨のにおいがしにくい。においを運んでいるのが、雨つぶが地面に当たったときにできる細かいあわだからだ。強すぎる雨は、あわを作るひまもなく流れていってしまう。雨のにおいは、弱い雨か、中くらいの雨のときにしか、ちゃんと届かない。

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におっているのは、雨そのものではなく地面のほうです。このにおいには「ペトリコール」という名前がついています。ギリシャ語で「石のエキス」という意味です。ハイスピードカメラで落ちる雨つぶを撮った研究で、雨つぶが土や砂に当たった瞬間に、細かいあわ(エアロゾル)がとび出していることが確かめられました。なお、雨がやんだあとにする土っぽいにおいは、これとは別のものです。こちらは土の中の生き物が作っている成分で、「ゲオスミン」といいます。ギリシャ語で「大地のにおい」という意味です。

知っていると、なにがうれしいか においの正体が分かると、雨の強さまで、においで見当がつくようになる。

きょうためせること 弱い雨の日と、はげしい雨の日で、外の空気のにおいをくらべてみよう。雨がふりはじめた最初の5分と、1時間たったあとでもちがいます。

9月3日もの

冷たい飲み物のコップに水てきがつくのは、コップからもれているから?

空気の中の 見えない水→ ひやされて つぶに

どっちだと思う? コップからもれている / 空気の中の水がくっついた

こたえを見る

ちがいます。もれてはいません。空気の中には目に見えない水(水じょう気)がふくまれていて、それが冷たいコップにふれてひやされ、水にもどってくっついたものです。

びっくり大事実! きみの部屋の空気の中には、バケツ何はい分もの水が浮かんでいる。見えないだけで、いまも顔のまわりを漂っている。ちょっと泳げそうな気がしてきた。無理だけど。

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空気があたたかいほど、たくさんの水じょう気をふくむことができます。冷やされるとふくめる量が減るので、あふれた分が水のつぶになります。これを結露といいます。冬に窓ガラスがくもるのも、まったく同じしくみです。

👤 これを調べた人の話
水じょう気が見えないまま空気の中にいる、と最初に言い出した人たちは、まわりから信じてもらえなかった。見えないものがある、と言うのは、いつの時代もむずかしい。それでも、はかって数字にしてみせた人がいたから、いまは天気予報ができる。

知っていると、なにがうれしいか 冬に窓がくもる理由も、めがねがくもる理由も、全部これ1つで説明できるようになる。

きょうためせること 冷たい飲み物のコップと、あたたかい飲み物のコップを1つずつならべて、どちらに水てきがつくかを見くらべてみよう。

9月4日デジタル

QRコードは、よごれても読めることがあるのはなぜ?

3わりよごれてもまだよめる

どっちだと思う? よごれたら読めない / はじめから直せるようになっている

こたえを見る

はじめから、こわれた分を自分でなおせるようになっているからです。QRコードには、絵のデータのほかに「なおすための予備の記号」がいっしょに入っています。だから一部がよごれても、残りから元にもどせます。

びっくり大事実! QRコードのすみっこにある四角。あの黒と白のふとさは、1・1・3・1・1。世界じゅうのチラシや雑誌や段ボールを調べて、「どこにも出てこない形」をわざわざ探し出したんだって。かくれんぼで、ぜったい見つからない場所を本気でさがした人がいる。

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この考え方は、まちがいをなおす仕組み(誤り訂正)といいます。ノートを写すときに、1文字読めなくても前後から意味が分かるのと似ています。予備をたくさん入れるほどよごれに強くなりますが、そのぶんもようは細かくなります。QRコードは1994年に日本で生まれました。特許庁の説明によると、三すみにある四角い目印(切り出しの模様)は、白と黒の幅が1対1対3対1対1になっています。この比率は、開発した原さんが、チラシや雑誌や段ボールなど、ありとあらゆる印刷物を調べて見つけた「印刷物にいちばん出てこない比率」です。めったに出てこない模様だから、機械がまちがえません。

👤 これを調べた人の話
QRコードを作ったのは日本の会社の技術者で、囲碁の盤を見ていて思いついたと語っている。しかも、だれでも自由に使えるようにした。もし使うたびにお金がかかっていたら、いまのように世界中には広まっていない。

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知っていると、なにがうれしいか ぐちゃぐちゃに見えるもようが、実は意味のあるならびだと分かる。世界の見え方が1つ増える。

きょうためせること 身のまわりのQRコードを見て、三すみの四角い目印をさがしてみよう。白と黒の幅をくらべると、まん中の黒が3倍あるのが分かる。スマホを斜めにしても読めるかどうか、ためしてみて。

9月5日いきもの

秋になると虫の鳴き声が変わるのは、なぜ?

コオロギはねをこすって なく

どっちだと思う? 同じ虫が鳴き方を変える / 鳴く虫が入れかわる

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鳴いている虫が入れかわるからです。夏はセミが昼に鳴き、秋はコオロギやスズムシなどが夜に鳴きます。同じ虫がとちゅうで鳴き方を変えているのではありません。

びっくり大事実! コオロギの鳴く速さを数えると、いまの気温が当てられる。つまり虫が温度計。しかも鳴いているのは口ではなく、はねをこすった音。虫は口を使わずに歌っている。カラオケでは絶対まねできない。

もっとくわしく

コオロギのなかまが鳴くのは、はねをこすり合わせているからです。口ではありません。鳴くのはたいていオスで、メスをよぶためと、ほかのオスに場所を知らせるためです。気温が下がると鳴く速さもゆっくりになります。

👤 これを調べた人の話
虫の声を聞き分けて記録した人たちは、研究者だけではない。日本には、鳴く虫を家で飼って音を楽しむ文化が江戸時代からあった。おもしろいと思った人が大勢いたから、種類ごとの鳴き方が細かく残っている。

知っていると、なにがうれしいか 虫の声だけで、いまが何月ごろで、だいたい何度くらいかが当てられるようになる。

きょうためせること 夜、まどをすこし開けて、聞こえる虫の声が何しゅるいあるか数えてみよう。1しゅるいでも十分です。

9月6日からだ

走ったあとに心ぞうがドキドキするのは、なぜ?

10万かい/1日80年で 30おくかい 休みなし

どっちだと思う? 体があつくなったから / 筋肉に酸素をいそいで届けるため

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動いている筋肉に、酸素をいそいで届けるためです。酸素は血に乗って運ばれるので、たくさん必要になると、心ぞうは血を送る回数をふやします。それがドキドキです。

びっくり大事実! 心ぞうは80年で約30億回打つ。休みなし、部品交換なし、説明書なし。しかも本人はそのことをまったく気にしていない。いま読んでいるあいだにも、たぶん60回くらい打った。

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息が上がるのも同じ理由です。息をたくさんすって、血に入れる酸素を増やしています。運動をつづけると心ぞうは少しずつ強くなり、1回で送れる血の量が増えます。すると同じ運動でも、心ぞうを打つ回数が前より少なくてすむようになります。

知っていると、なにがうれしいか 自分の脈をはかると、練習でどれだけ強くなったかが数字で見える。

きょうためせること じっとしているときと、その場で20回ジャンプしたあとで、手首の脈を10秒間数えてくらべてみよう。

9月7日うちゅう

昼間も星は空にあるの?

ちきゅう 空気ありうちゅう 空気なし星は 見えない昼でも 星が見える

どっちだと思う? 夜になると星が出てくる / 昼も星はずっとそこにある

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あります。星は昼も夜も、ずっと同じ場所にあります。ただ、太陽の光が空気にぶつかって空全体が明るくなるので、星の光がまけて見えなくなっているだけです。

びっくり大事実! 昼の空にも星はあるのに見えない。でも、たった1つだけ、昼でも見つけられるものがある。月だ。半月より大きい月なら、青空の中でもあっさり見つかる。見えないのは、なくなったからではない。太陽の光にまけているだけ。月は、そのことを昼の空で毎日証明している。

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空気のない場所では、太陽が出ていても空は青くならず、黒いままです。空が青く見えるのも、昼に星が見えないのも、原因はどちらも同じで、空気が太陽の光を散らしているからです。ただし、昼の空でも見つけられるものが1つあります。月です。半月より大きな月なら、青空の中でも簡単に見つけられます。上弦の月は昼ごろ東からのぼり、日の入りのころには南の空にいます。三日月のような細い月も、注意深くさがせば、昼間に太陽の東がわで見つけることができます。

👤 これを調べた人の話
昼の空がなぜ青いのかを説明したのは、19世紀のイギリスの研究者たちだった。だれもが毎日見ていたのに、だれも説明できていなかった。あたりまえのものに「なんで?」と言えるかどうかが、分かれ目になる。

知っていると、なにがうれしいか 昼の空にも星があると分かる。月なら実際に見つけられる。

きょうためせること 上弦の月(右半分が光っている月)の日に、昼すぎから夕方にかけて、東から南の空を見上げてみよう。青空の中に月が浮かんでいるのが見つかります。

9月8日てんき

台風の目の中は晴れているって本当?

はれまわりは 高さ10キロの雲のかべ目の中

どっちだと思う? 台風の中心はいちばん風が強い / 台風の中心は風が弱く、晴れることがある

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本当です。台風の中心には風が弱く雲の少ない部分があり、これを台風の目といいます。目の中では空気が上から下へおりていて、下におりる空気の中では雲ができないため、青空が見えることがあります。

びっくり大事実! 台風の目には東京都がまるごと入るものがある。その中だけ青空で、まわりは高さ10キロの雲のかべ。世界一でかい天然のドーム球場。しかも入場無料。ただし出られない。

もっとくわしく

目のまわりには、アイウォールとよばれる背の高い雲のかべが立っています。だから目に入ると急に静かになり、目をぬけると反対向きの暴風がもどってきます。静かになっても外に出てはいけないのは、このためです。目の大きさは20キロメートルから200キロメートルほどとされます。

👤 これを調べた人の話
台風の目の中の写真をとるために、飛行機で台風の中に入っていく研究者がいる。こわいから近づかない、ではなく、こわいから正体を知りにいく。

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知っていると、なにがうれしいか 急に静かになっても外に出てはいけない理由が、自分で説明できるようになる。命に関わる知識。

きょうためせること 台風が来た日のニュースで、気象衛星の画像に丸いあなが見えるかどうかをさがしてみよう。

9月9日もの

なぜ氷は水にうくの?

こおり1わり ふえる

どっちだと思う? こおると小さくなる / こおると大きくなる

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水はこおると、体積がふえるからです。同じ重さでも大きくなるので、その分かるくなり、水にうきます。水はこおると体積が減らずにふえる、めずらしい仲間です。

びっくり大事実! 水はこおると1割ふくらむ。この1割が何年もかけて岩をわり、山をくずしている。つまり氷は、静かに地形をつくり変えている。冷とう庫の中でも、たぶん同じ顔をしている。

もっとくわしく

こおると水の分子がすき間の多い形にきちんと並ぶため、体積が約1割ふえます。もし氷がしずむ性質だったら、湖は下からこおって全部こおりつき、魚は冬をこせません。氷がうくおかげで、氷の下の水が守られています。

知っていると、なにがうれしいか ペットボトルの飲み物を冷とう庫に入れっぱなしにしてはいけない理由が分かる。

きょうためせること コップに水を入れて印をつけ、冷とう庫でこおらせて、水面の高さがどうなるかを見てみよう。

9月10日いきもの

どんぐりは、木の実?それとも種?

しまの ぼうしうろこの ぼうしぼうしで 木がわかる

どっちだと思う? 木の実 / 実であり、中に種がある

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どちらでもあります。どんぐりは、かたい皮の中に種が1つ入っている実です。実であり、その中に種があります。

びっくり大事実! どんぐりのぼうしは、木の種類ごとに形がちがう。うろこ、しま、いが。つまり地面に落ちているのは、木の名札。木は自分の名前を書いた帽子を、毎年ばらまいている。

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どんぐりのぼうしの部分は、殻斗といいます。木の種類によって形がちがい、うろこもようのもの、しま模様のもの、いがのようなものがあります。ぼうしの形を見れば、どの木のどんぐりかを見分けられます。どんぐりがなるのは、クヌギ、コナラ、シラカシなどブナ科の木です。

知っていると、なにがうれしいか 公園でひろったどんぐりから、どの木の下にいるかが分かるようになる。

きょうためせること 公園でどんぐりを2つひろって、ぼうしのもようがちがうかどうかをくらべてみよう。

9月11日デジタル

スマホは、どうしてわたしの声が分かるの?

0 1 1 01 0 1 11びょうに 1万6千かい はかって 数字に

どっちだと思う? 声をそのまま聞き分けている / 声を数字のならびに直している

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声を、細かい数字のならびに直しているからです。マイクが空気のふるえをとらえ、それを1秒間に何万回もはかって数字にします。その数字のならびの形を、たくさんの声の形と見くらべて、どの言葉かを当てています。

びっくり大事実! スマホは「おはよう」の4文字を聞くだけで、数万個の数字を作って消している。たった一言のために、あの中で大さわぎが起きている。ちなみに「おはよ」と略しても、ちゃんと大さわぎしている。

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だから、まわりがうるさいと当たりにくくなります。ほかの音の形がまざってしまうからです。同じ言葉でも、話す速さや高さで数字のならびは変わりますが、形のとくちょうは似ているので当てられます。人によって当たりやすさがちがうのも、このためです。

👤 これを調べた人の話
声を数字にするという考え方は、電話を作ろうとした人たちから始まっている。遠くの人に声をとどけたい、というただそれだけの願いが、いまのスマホまでつながっている。

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知っていると、なにがうれしいか 声が数字になると知ると、なぜうるさい場所で当たらないのかが自分で説明できる。

きょうためせること スピーカーやスマホに、同じ言葉を「ゆっくり」と「はやく」で2回言って、答えが変わるかどうかためしてみよう。

9月12日からだ

ねている間に身長がのびるって本当?

あさよる1センチちがう

どっちだと思う? 身長は昼にのびる / ねている間にのびる。朝は夜より少し高い

こたえを見る

本当です。体をつくる働きは、ねている間にさかんになります。背をのばすはたらきをするホルモンは、深くねむっているときに多く出ることが分かっています。だから、よくねることは背をのばす近道です。

びっくり大事実! 宇宙に行った飛行士の中には、背が7センチ以上のびた人がいる。のびたのは骨ではなく、骨と骨のすきま。しかもその分まわりの筋肉が引っぱられて、しばらく背中や腰が痛いらしい。背がのびるのは、いいことばかりではないという話。

もっとくわしく

もう1つ理由があります。せぼねは、24本の骨が軟骨をクッションにしてつながっていて、立っている間はずっと上から重力でおしつぶされています。よこになるとその「おしつぶされた分」が開放されるので、朝は夜より身長が高くなります。JAXAの説明によると、重力のない宇宙ではこれがもっとはっきり起きて、5センチや7センチも背が高くなった宇宙飛行士がいるそうです。地上でも、ねている間や長く水の中にいるときに、少しだけ同じことが起きています。

👤 これを調べた人の話
宇宙飛行士は無重力で数センチ背が伸びて帰ってくる。それを実際にはかって記録した人たちがいる。あたりまえに思えることでも、はかってみるまで本当かどうかは分からない。

知っていると、なにがうれしいか 早くねる理由が、しかられるからではなく、自分のためだと分かる。

きょうためせること 朝おきてすぐと、夜ねる前に身長をはかって、何ミリちがうか見てみよう。

9月13日ちきゅう

川の石は、下流に行くほど丸くて小さいのはなぜ?

じょうりゅう かくかくかりゅう まるい

どっちだと思う? どこも同じ形 / 下流ほど丸くて小さい

こたえを見る

水に流されながら、石どうしがぶつかり合ってけずれていくからです。上流ではごつごつと角ばっていた石が、下流まで運ばれるうちに角がとれて、丸く小さくなります。

びっくり大事実! 手のひらに乗っている川原の丸い石は、何十年もかけて山から転がってきたもの。つまり、きみより長く旅をしている先輩。しかも文句ひとつ言わない。

もっとくわしく

石を運ぶ力は、水の速さで決まります。上流は流れが速いので大きな石も動かせますが、下流は流れがゆるやかなので、小さくて軽いものしか運べません。だから河口ちかくには、砂やどろがたまります。

👤 これを調べた人の話
川原の石を1つずつひろって、丸さと大きさを記録し続けた研究がある。地味な作業だが、そのおかげで、石を見れば上流からどのくらい旅してきたかが分かるようになった。すごい発見の前には、たいてい地味な数え作業がある。

知っていると、なにがうれしいか 川原で石をひろうだけで、その石がどこから来たか想像できるようになる。

きょうためせること 川や海の石を3つひろって、丸いものと角ばったものを分けてみよう。

9月14日もの

ふりこは、おもりを重くすると速くなる?

かるいおもい時間は おなじ

どっちだと思う? おもりが重いと速くなる / ひもの長さだけで決まる

こたえを見る

なりません。ふりこが1往復する時間は、ひもの長さだけで決まります。おもりの重さを変えても、ふれはばを変えても、1往復の時間はほとんど変わりません。

びっくり大事実! ふりこの1往復の時間は、おもりを10倍重くしても変わらない。100グラムでも1キログラムでも同じ。「重いほうが速そう」という感覚が、まるごとハズレる。人の勘は、けっこう当てにならない。

もっとくわしく

変わるのはひもの長さだけです。長くすればゆっくり、短くすれば速くなります。この性質があるから、ふりこ時計は正確に時間をきざめます。ガリレオが教会のランプのゆれを見て気づいた、と伝えられています。

👤 これを調べた人の話
ガリレオは、教会でゆれるランプを見ながら、自分の脈を数えて時間をはかったと伝えられている。時計がない時代に、体を時計にした。

知っていると、なにがうれしいか ブランコをこぐとき、立つとなぜ速くなるのかが分かる。

きょうためせること たこ糸に消しゴムをむすんで、糸の長さを半分にすると、10往復の時間がどう変わるか数えてみよう。

9月15日いきもの

トンボは、どうして後ろにも飛べるの?

はねを 4まい べつべつに目は 2万こ うしろにも とべる

どっちだと思う? 4まいのはねを同時に動かす / 4まいをそれぞれべつべつに動かせる

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4まいのはねを、それぞれべつべつに動かせるからです。前のはねと後ろのはねを、ずらして動かしたり、逆向きに動かしたりできるので、前にも後ろにも、止まったままでも飛べます。

びっくり大事実! トンボの目は、小さな目が1万個をこえる集まり。ほぼ全方向を同時に見ながら、4まいのはねを別々に動かして後ろにも飛ぶ。スペックが高すぎて、後ろからそっと近づく作戦はまず失敗する。

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ほとんどの昆虫は、前後のはねを組み合わせて1組のように動かします。トンボは4まいを別々に動かせる、めずらしい仲間です。この飛び方は小型の飛行機の研究でも注目されています。目は小さな目が1万個をこえる数だけ集まってできていて、ほぼ全方向を同時に見られます。

知っていると、なにがうれしいか トンボに後ろから近づけない理由が分かる。

きょうためせること トンボが止まっているところを、後ろからそっと近づいてみよう。すぐ気づかれるはずです。目のしくみが分かります。

9月16日からだ

マラソン選手は、どうしてあんなに長く走れるの?

さんそとりこむ力が 2ばいちかい

どっちだと思う? 生まれつき体がちがうから / 酸素を取りこむ力と運ぶ力をきたえたから

こたえを見る

体の中で、走るためのエネルギーをつくり続けられるからです。そのためには酸素が必要で、練習を重ねると、酸素を取りこむ力と、それを筋肉へ運ぶ力が高くなります。

びっくり大事実! 息を取りこむ力は、走るほど大きくなる。同じ空気を吸っているのに、体の中の受け取り方が変わっていく。しかも、その力が強い体はじょうぶな体でもあると分かっている。走る練習は、こっそり体ぜんぶをきたえていた。

もっとくわしく

短いきょりを全力で走るときは、酸素をあまり使わないつくり方でエネルギーを出します。この方法は力が強いかわりに長く続きません。長いきょりでは、酸素を使うつくり方に切りかわります。マラソン選手は、このつくり方をできるだけ長く保てるように体をきたえています。1分間にどれだけ酸素を取りこめるかを表す値は、運動を続けることで高くなります。

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知っていると、なにがうれしいか 自分の練習が体のどこを変えているのかが分かる。

きょうためせること 早足で3分間歩いてから、息の上がり方を全力で30秒走ったときとくらべてみよう。

9月17日デジタル

ゲームのてきは、どうしてだんだん強くなるの?

1日目10日目てきの つよさ作った人が そう決めている

どっちだと思う? てきが自分で強くなっている / 作った人が、そう決めている

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作った人が、そう決めているからです。プレイヤーの進み具合や、勝った回数などを見て、てきの強さや出てくる数を変える決まりが、あらかじめ書きこまれています。

びっくり大事実! ゲームを作る人は「むずかしすぎてやめる」と「やさしすぎて飽きる」の、あいだのせまい道をさがしている。きみが夜ふかししてしまう時間は、だれかが計算して作った時間でもある。作戦にはまっている。

もっとくわしく

この決まりは、たとえば「3回続けて勝ったら1つ強くする」といった、条件と結果の組み合わせでできています。強くしすぎるとやめてしまい、弱すぎるとつまらない。作る人はその間をさがしています。だから、強くなったと感じたら、それは自分が上手になった合図でもあります。

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知っていると、なにがうれしいか 強くなったと感じたら、それは自分が上手になった合図だと分かる。

きょうためせること ゲームをする前に、今日は何分でやめるかを自分で決めて、紙に書いてから始めてみよう。

9月18日うちゅう

月は、どうしていつも同じ面しか見えないの?

ちきゅうこっちの面はずっと見えないまわる速さと 回る速さが おなじ

どっちだと思う? 月は回っていない / 月は回っている。回る速さとまわる速さが同じ

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月が地球のまわりを1周する時間と、月が自分で1回転する時間が、ぴったり同じだからです。だから地球からは、いつも同じ側だけが見えます。

びっくり大事実! 人類が月の裏側を見たのは1959年。それまで、地球のだれ一人として見たことがなかった。しかも裏側は、表とぜんぜんちがう顔だった。黒いもようがほとんどない。先に写真をとった国が名前をつけたので、月にはいまも「モスクワの海」という場所がある。

もっとくわしく

月は回っていない、というのはまちがいです。ちゃんと回っています。回る速さと、まわる速さが同じなので、こちらを向いている面が変わらないのです。反対側は、1959年にソ連の探査機が月の裏へ回りこんで、はじめて写真にとりました。その写真で、裏側は表とちがって黒いもよう(海とよばれる部分)がほとんどないことが分かりました。

👤 これを調べた人の話
月の裏側の写真を人類がはじめて手に入れたのは1959年。それまで何万年ものあいだ、だれ一人として見たことがなかった。地球にいるかぎり絶対に見えないものを、見にいった人たちがいる。

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知っていると、なにがうれしいか うで1本で、その場で実験して確かめられる。

きょうためせること うでを伸ばして人形を持ち、その人形の顔をいつも自分に向けたまま、自分のまわりを1周させてみよう。人形が1回転しているのが分かります。

9月19日からだ

スタートの合図でいちばん速く反応できるのは、目と耳のどっち?

みみのほうが はやい やく0.1びょう

どっちだと思う? 目のほうが速い / 耳のほうが速い

こたえを見る

耳です。音のほうが、光より速く体を動かす合図になります。だから陸上や水泳のスタートは、旗ではなくピストルの音で合図をします。

びっくり大事実! 0.099秒でスタートして、失格になった選手がいる。ルールの線は0.100秒。差は0.001秒。まばたき1回の、100分の1くらい。それでレースが終わってしまった。

もっとくわしく

音は耳に入ってから、光は目に入ってから、脳にとどくまでの道すじがちがうためだと考えられています。陸上の競技規則では、号ほうが鳴ってから0.100秒より速くスタートした場合を不正スタート(フライング)とします。この0.100秒は、人が音を聞いて体を動かせる最短の時間の見積もりから決められた線です。ただし、それより速く反応できる人がいることを示す研究もあり、線引きの正しさは今も議論されています。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか スタートの合図がピストルの音である理由が分かる。

きょうためせること だれかに手をたたいてもらい、その音で立ち上がるのと、手を上げたのを見て立ち上がるので、どちらが速いかをためしてみよう。

9月20日もの

水泳で速く泳ぐコツに、科学はある?

ていこう小ていこう大

どっちだと思う? たくさん力を出すこと / 水の抵抗を小さくすること

こたえを見る

あります。水の中で体を進めるとき、いちばんじゃまをするのは水の抵抗です。だから速く泳ぐには、たくさん力を出すことよりも、抵抗を小さくすることのほうが先です。

びっくり大事実! 速さが2倍になると、水のじゃまは8倍近く。倍々どころではない増え方をする。だから一流の選手は、力を強くする前に、まず体をまっすぐにして水に当たる面を小さくする。がんばる前に、細くなる競技。

もっとくわしく

体をまっすぐ伸ばして引っぱられるときの水の抵抗は、速さが2倍になると4倍ほどになります。ところが、手足を動かして実際に泳いでいるときをはかると、速さの約3乗、つまり2倍の速さで8倍近くにまでふえるという結果が出ています。速く泳ごうとするほど、じゃまは倍々どころではない勢いで大きくなるということです。だから選手は、頭からつま先までを一直線にして、体の正面から見た面積をできるだけ小さくします。手でかく力より先に、姿勢を直すほうが効きます。

👤 これを調べた人の話
水の抵抗を減らすために、選手の姿勢を水中カメラで何百回も撮って調べる研究者がいる。速く泳ぐコツは、根性ではなく計測から出てきた。

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知っていると、なにがうれしいか おふろでも試せる。手のかき方より姿勢が先だと分かる。

きょうためせること おふろで、体をまっすぐにしたときと、体を曲げたときで、手で水をかくときの重さのちがいを感じてみよう。

9月21日からだ

年をとると、どうして朝早く目がさめるの?

あさの光で時計あわせからだの中の時計

どっちだと思う? がまんして早起きしている / 体の中の時計が前にずれていく

こたえを見る

体の中の時計の、はたらく時間帯が少しずつ前にずれていくためだと考えられています。人の体には、およそ1日の周期でねむけや体温を変える働きがあり、その山と谷の時間が年齢とともに動いていく、と説明されています。

びっくり大事実! 人の体内時計は、ぴったり24時間ではない。だから毎朝、光で合わせ直している。つまり人間は、毎日ちょっとずつ時計が狂う機械。朝日は、その修理係。

もっとくわしく

この体内時計は、朝の光でリセットされます。厚生労働省の解説によると、体内時計の周期は平均して24時間10分前後で、24時間よりほんの少し長いことが分かっています。だから毎日、少しずつ時刻を合わせ直す必要があります。合わせ方は光です。朝からお昼にかけて光を浴びると早寝早起き型に、夕方から夜に光を浴びると夜ふかし型に動きます。夜ふかしを直したいときに、夜より朝を先に直したほうが早いのは、このためです。おじいさん、おばあさんが早起きなのは、体のせいであって、がまんしているからではありません。

👤 これを調べた人の話
体の中に時計がある、と最初に言った人は、植物の葉が暗い所でも開いたり閉じたりするのを見て気づいた。植物1本から、人の眠りの話までつながっている。

知っていると、なにがうれしいか 夜ふかしを直したいとき、夜ではなく朝を直すほうが早いと分かる。

きょうためせること けいろうの日に、家の人が朝何時におきるか聞いてみよう。自分の起きる時間とくらべてみよう。

9月22日てんき

秋の空がたかく見えるのは、気のせい?

なつ ひくい雲あき 高い雲

どっちだと思う? 気のせい / 雲の高さが夏とちがう

こたえを見る

気のせいではありません。秋は、空にうかぶ雲の高さが夏とちがうからです。夏は低い場所にもくもくした雲が出ますが、秋は高い場所にすじのような雲が出ることが多くなります。

びっくり大事実! 夏の入道雲は、高さ10キロをこえる。飛行機が飛ぶ高さだ。そんなに大きいのに、雨をふらせて30分か1時間で消えてしまう。10キロの山を、1時間でつくって1時間でかたづけている。

もっとくわしく

夏はしめった空気が上へのぼって、入道雲のような背の高い雲を作ります。秋になるとかわいた空気に入れかわり、高いところにうすい雲ができます。うろこ雲、いわし雲、ひつじ雲とよばれるものです。同じ空でも、雲の位置が高いので、空全体が高く感じられます。

知っていると、なにがうれしいか 空を見ただけで、季節が変わったことに気づけるようになる。

きょうためせること 今日の雲が「もくもく」か「すじ・うろこ」かを見て、ノートに絵で1つ書いておこう。

9月23日うちゅう

秋分の日は、昼と夜がぴったり同じ長さ?

ほんとうの太陽は もう下にある見えているのは 光

どっちだと思う? ぴったり同じ / 昼のほうが十数分ながい

こたえを見る

ぴったり同じではありません。実際には、昼のほうが十数分ながくなります。ほぼ同じ長さになる、が正しい言い方です。

びっくり大事実! 空気が光を曲げるので、地平線にしずんだ太陽がまだ見えている。つまり夕日を見ているとき、その太陽はもうそこにいない。かなり大がかりな置き手紙。

もっとくわしく

理由は2つあります。1つは、太陽が地平線から少しでも顔を出した瞬間を日の出とするため、中心が出るときより早く始まること。もう1つは、空気が光を曲げるので、地平線の下にある太陽が見えてしまうことです。この2つのぶんだけ、昼が長くなります。東京の秋分の日を例にすると、昼は12時間8分、夜は11時間52分ほどで、その差は16分ほどになります。

👤 これを調べた人の話
日本の秋分の日は、国立天文台が前の年に計算して決めている。太陽の動きは毎年ぴったり同じではないので、毎年計算し直している。カレンダーの日付は、だれかが計算した結果として、そこにある。

知っていると、なにがうれしいか 日の出と日の入りの時こくを見ただけで、計算で確かめられる。

きょうためせること 今日の日の出と日の入りの時こくを調べて、昼の長さを計算してみよう。12時間より長いはずです。

9月24日いきもの

動物にも、右きき左ききはあるの?

こっち?こっち?ネコにもききてが ある

どっちだと思う? 人だけ / 動物にもある

こたえを見る

あると報告されています。ネコやサル、鳥のなかまなどで、よく使う手や足がかたよっている例が知られています。人ほどはっきりしていない種類も多いですが、かたよりそのものは見つかっている、とされています。

びっくり大事実! ネコにも右きき左ききがある。しかもオスとメスでかたよりがちがう、という結果まで出ている。うちのネコがどっちかを本気で調べた人が、世界には何人もいる。

もっとくわしく

人は右ききのほうが多いのですが、動物では右と左がだいたい半々のことも多いようです。人だけ大きくかたよっているのは、言葉を使う働きが脳の片側にあることと関係があるのではないか、と考えられていますが、まだはっきり分かっていません。

知っていると、なにがうれしいか 身のまわりの動物を、観察する目で見られるようになる。

きょうためせること ペットや家族が、どちらの手や足を先に出すかを、3回だけ数えてみよう。

9月25日うちゅう

お月さまが大きく見える日があるのはなぜ?

ちかい日 大きいとおい日見える大きさが 1わり ちがう

どっちだと思う? いつも同じ大きさ / 地球に近い日は大きく見える

こたえを見る

月が地球のまわりを回る道が、まん丸ではなく少しつぶれた形をしているからです。地球に近い日は大きく、遠い日は小さく見えます。国立天文台によると、いちばん近い満月といちばん遠い満月では、見かけの大きさが1割から1割5分ほど(およそ12から14パーセント)ちがいます。

びっくり大事実! 大きく見えるほうの月が、じつは小さいことがある。地平線の月は大きく感じるのに、はかってみると真上の月のほうが少しだけ大きい。目のほうが、毎回だまされている。

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月までの距離は、満月のときでおよそ35万6000キロメートルから40万7000キロメートルの間で変わります。もう1つ、目のさっかくもあります。月が地平線の近くにあるとき、建物や山とならぶので大きく感じます。でもこれは錯覚で、写真にとってくらべるとほとんど同じ大きさに写ります。おもしろいのはここからで、国立天文台によると、正確にくらべると真上に見える月のほうが、ほんのわずかに大きいのだそうです。地面から見上げているぶん、真上の月のほうが地球の半径(約6400キロメートル)だけ近いからです。今日は中秋の名月です。

👤 これを調べた人の話
月までのきょりは、月に置いてきた鏡にレーザーの光を当てて、はね返ってくるまでの時間ではかっている。この鏡は、月へ行った人たちが置いてきたもので、いまも使われている。

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知っていると、なにがうれしいか 5円玉のあなひとつで、目のさっかくを自分で見やぶれる。

きょうためせること 月が出たばかりのときと、夜おそく高くのぼったときに、うでをのばして5円玉のあなから月をのぞいてくらべてみよう。同じ大きさに見えるはずです。

9月26日デジタル

AIは、どうやって絵をかくの?

てんの あつまりだんだんかたちに

どっちだと思う? 白い紙に一から線を引いていく / 砂あらしのようなノイズから始める

こたえを見る

たくさんの絵と、その絵の説明の組み合わせを見て、どんな言葉のときにどんな形や色が出やすいかを覚えています。かき始めるのは白い紙からではありません。砂あらしのようなノイズから始めて、そこから少しずつノイズを取りのぞいていくと、絵が出てきます。

びっくり大事実! 絵をかくAIは、白い紙からではなく、砂あらしのようなノイズから始める。しかもその力は、絵をきれいにする練習ではなく、絵をぐちゃぐちゃにこわしていく道すじを覚えることで身についた。こわし方をおぼえると、作り方が分かる。

もっとくわしく

おどろくのは、その力の身につけ方です。まず、もとの絵にノイズを少しずつ足していって、最後は砂あらしにしてしまいます。その「こわしていく道すじ」を見せて、逆をたどれるように練習させるのです。だから、絵をきれいにする練習ではなく、絵をぐちゃぐちゃにする道すじを覚えることが、絵をかく力になります。ただし、見たことのない組み合わせをたのむと、うまくいかないことがあります。手の指の数をまちがえることが多かったのも、指の形が絵によってちがいすぎて、決まった形を覚えにくかったからだと言われています。AIは、絵の意味を分かってかいているわけではありません。

👤 これを調べた人の話
AIに絵を描かせる研究をしていた人たちは、はじめは「ぼやけた点のあつまり」しか作れなかった。うまくいかない期間が何年も続いた。いまの絵は、その失敗の上に立っている。

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知っていると、なにがうれしいか AIの絵を見て、どこがあやしいかを自分で見つけられるようになる。

きょうためせること 同じ言葉で2回たのむと、ちがう絵が出てくるかどうかを、家の人といっしょにためしてみよう。

9月27日もの

鉄はさびるのに、アルミのなべがさびないのはなぜ?

てつ おくまで すすむアルミ 表面で ふた1万分の1ミリの まく

どっちだと思う? アルミはさびない / アルミもさびる。ただし表面でふたをする

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アルミもさびています。ただし、アルミのさびは表面にうすくてかたい膜をつくり、それ以上おくへ進まないようにふたをします。だから、さびているように見えません。

びっくり大事実! アルミのなべを守っている膜は、1ミリを100万にわけた、その1つぶんのうすさ。それなのに、けずれてもすぐに自分で作り直される。だから何年使っても銀色のまま。さびが、そのままよろいになっている。

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鉄のさびは、ぼろぼろにはがれるので、下の鉄が空気にふれて、また進みます。アルミのさびははがれないので、中を守るはたらきをします。かわいた空気の中でできるこの膜の厚さは、およそ1ナノメートル。1ミリを100万にわけた、その1つぶんです。しかも、けずれてもすぐに作り直されます。同じ「さびる」でも、結果が正反対になるのはこのためです。

👤 これを調べた人の話
アルミがなぜさびても中まで進まないのかを調べた研究のおかげで、電車も飛行機も軽くできるようになった。さびという、こまったことの正体を調べたら、こまったことではなくなった。

知っていると、なにがうれしいか 同じ『さびる』でも結果が正反対になることが分かる。

きょうためせること 家にあるアルミのなべや1円玉の表面を、光にかざして見てみよう。かすかに白っぽいのが膜です。

9月28日からだ

なぜ、きんちょうすると手のひらに汗をかくの?

きんちょうすると 出る

どっちだと思う? 暑いから / 体をすぐ動かせるようにそなえている

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心が動いたときに出る、別のしくみの汗だからです。この汗は、手のひら・足のうら・わきの下だけに出て、すずしい場所にいても出ます。暑いときにかく汗は、手のひらと足のうらをのぞいた体の表面から出るので、出る場所からちがいます。

びっくり大事実! 汗には電気を通す成分が入っている。だから、きんちょうすると手のひらの電気の通しやすさが、ほんの数秒で変わってしまう。この変化をはかるしくみは、いわゆる「うそ発見器」にも使われている。ただし、はかっているのは体の反応であって、うそそのものではない。

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心が動いたときの汗を精神性発汗、暑いときの汗を温熱性発汗といいます。手のひらに少ししめり気があると、物をつかんだときにすべりにくくなります。木にのぼったり、しっかり物をにぎったりしていたころのなごりだと考えられています。そして、汗には電気を通す成分がふくまれています。そのため、きんちょうすると手のひらの電気の通しやすさが、ほんの数秒で変わります。

知っていると、なにがうれしいか きんちょうしている自分に、自分で気づける。機械が何をはかっているのかも分かる。

きょうためせること 大事な場面の前に、手のひらをそっとさわってみよう。ふだんとちがうかどうか、自分で確かめられます。

9月29日ちきゅう

日本に山が多いのは、たまたま?

プレートが ぶつかって 山になる

どっちだと思う? たまたま / プレートがぶつかり合う場所にあるから

こたえを見る

たまたまではありません。日本は、地球の表面をおおういくつもの板(プレート)がぶつかり合う場所にあります。おし合う力で土地がもり上がるため、山ができます。

びっくり大事実! 日本の国土のおよそ4分の3が山地。山が多い理由と、地震が多い理由と、温泉が多い理由は、ぜんぶ同じ1つの原因。プレートがぶつかっているから。困ることとうれしいことが、同じ場所から出てくる。

もっとくわしく

同じ理由で、地震も火山も多くなります。山が多いことと、地震が多いことは、別々のことではなく、同じ原因から起きています。日本の国土のおよそ4分の3が山地とされるのは、この場所にあるからです。

👤 これを調べた人の話
大陸が動いているという考えは、100年前に出されたとき、ほとんどの学者に相手にされなかった。言い出した人は生きているうちに認められなかった。それでも証拠が集まって、いまは教科書に書いてある。

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知っていると、なにがうれしいか 山が多いことと地震が多いことが、同じ原因だと分かる。

きょうためせること 日本地図を開いて、まん中に背骨のように山がならんでいるのを指でなぞってみよう。

9月30日デジタル

地図アプリは、どうやって「あと5分」を計算しているの?

120びょう180びょういまつくごうけいが いちばん小さい道を えらぶ

どっちだと思う? だれかが数えている / 道を点と線に分けて計算している

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道を、たくさんの点と線に分けて考えているからです。それぞれの線に「ここを通るのに何秒かかるか」という数がついていて、その数の合計がいちばん小さくなる道すじを選んでいます。

びっくり大事実! いちばん短い道をさがすやり方は、オランダの研究者が、婚約者と買い物に行ったカフェで思いついた。紙もえんぴつも持っていなかったので、頭の中だけで20分で組み立てたそうだ。その20分が、いま毎日世界じゅうで何十億回も使われている。

もっとくわしく

その秒数は、いつも同じではありません。時間帯や、実際に走っている車の速さの情報で、日々書きかえられています。だから、朝と夜で同じ道でも案内が変わります。工事や事故で線が使えなくなると、次に合計の小さい道すじにすぐ切りかわります。

👤 これを調べた人の話
地図の上でいちばん短い道をさがす計算のやり方は、1950年代にオランダの研究者が考えた。買い物の途中、コーヒーを飲みながら20分で思いついた、と本人が語っている。

知っていると、なにがうれしいか 地図アプリの『あと5分』が、どこから出てきた数字か分かる。

きょうためせること 家から学校までの道を紙に線でかいて、曲がり角に点を打ってみよう。何本の線でできているか数えてみよう。

10月1日からだ

走ると横っ腹が痛くなるのは、なぜ?

?よこかくまく まだ決着していない

どっちだと思う? 原因はもうはっきり分かっている / じつは、まだ完全には分かっていない

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はっきりした原因は、まだ完全には分かっていません。ただ、横かくまくという息をするための筋肉が、うまく動かなくなって痛む、という考え方が有力です。おなかの中のものがゆれてひっぱる、という説もあります。

びっくり大事実! 毎日何万人も走っているのに、横っ腹が痛くなる理由は、いまも完全には決着していない。人類は月まで行ったのに、脇腹はまだ攻略できていない。宇宙より身近なほうが、むずかしいことがある。

もっとくわしく

分かっていないことがある、というのは科学ではふつうのことです。教科書に書いてあることも、だれかが調べて分かった分だけです。まだ分かっていない場所が、いまも大量に残っています。走るときに息をゆっくり深く吐くと軽くなる人が多い、というのは実際にためせます。

👤 これを調べた人の話
分からないことを『分からない』と書けるのが、科学の強いところ。分かったふりをしない、と決めた人たちが積み上げてきたから、いまの教科書は信用できる。

知っていると、なにがうれしいか 教科書に書いていないことを見つけたとき、それが自分の研究テーマになるかもしれない、と気づける。

きょうためせること 走る前と走ったあとで、息をどこで吸っているか(胸かおなかか)を手を当ててくらべてみよう。

10月2日もの

色えんぴつの赤と、光の赤は、同じ赤?

えのぐ まぜると くらいひかり まぜると しろい

どっちだと思う? どちらも同じ赤 / えんぴつは引き算、光は足し算

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同じではありません。えんぴつの赤は、白い光から赤いろ以外を吸いとって、赤だけをはね返しています。光の赤は、赤い光そのものを出しています。引き算と足し算のちがいです。

びっくり大事実! えのぐは混ぜるほど黒くなり、光は混ぜるほど白くなる。まったく逆のことが、どちらも「色を混ぜる」と呼ばれている。図工と理科で言うことがちがうのは、きみのせいではない。

もっとくわしく

だから、絵の具は混ぜるほど黒っぽくなり、光は混ぜるほど白っぽくなります。テレビやスマホの画面は、赤・緑・青の3色の光を足して、すべての色を作っています。虫めがねで画面をのぞくと、その3色が見えます。

👤 これを調べた人の話
光を3色に分けて考える方法を決めた人たちのおかげで、いまのテレビもスマホも成り立っている。色の正体を調べただけで、世界中の画面が生まれた。

知っていると、なにがうれしいか スマホの画面が何でできているかを、虫めがね1つで自分の目で確かめられる。

きょうためせること スマホの白い画面を、虫めがねか水てき越しに見てみよう。赤・緑・青のつぶが見えたら成功。

10月3日いきもの

運動会でつかう万国旗の国、いくつ言える?

この旗は どこの国?入れる国は 作る人しだい

どっちだと思う? 万国旗の国は決まっている / 作る人によってちがう

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決まった答えはありません。万国旗は、いろいろな国の旗をつないだ飾りで、どの国を入れるかは作る人によってちがいます。だから「全部で何か国」という正解はありません。

びっくり大事実! 国旗の三日月と星はイスラム教とつながりの深い国に多く、赤・白・黒・緑はアラブの国に多い。つまり万国旗は、ただの飾りではなく世界地図。運動会の上に、こっそり社会科がぶら下がっている。

もっとくわしく

国旗には、その国の歴史や地形が入っています。三日月と星はイスラム教とつながりの深い国に多く、赤・白・黒・緑の組み合わせはアラブの国に多く見られます。同じ形が並んでいるのは、たまたまではありません。

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知っていると、なにがうれしいか 運動会の飾りが、世界地図に見えるようになる。

きょうためせること 運動会の万国旗の中から、知らない旗を1つ選んで、どこの国かを調べてみよう。

10月4日うちゅう

閉会式の花火は、なぜ音がおくれて聞こえるの?

ひかり さきおと あと 340m/びょう

どっちだと思う? 光と音は同じ速さ / 光のほうがずっと速い

こたえを見る

光と音では、進む速さがまるでちがうからです。光は1秒で地球を7周半しますが、音は1秒で約340メートルしか進みません。だから、見えてから遅れて聞こえます。

びっくり大事実! 光は1秒で地球を7周半、音は1秒で340メートル。100メートル走のゴールにやっと届く速さ。花火が光ってから音が来るまでを数えると、距離が計算できる。夏の夜、いきなり理科の授業が始まる。

もっとくわしく

音の速さは、空気の温度で少し変わります。気温15度くらいのときで、およそ秒速340メートルです。この差を使うと、花火までのきょりが計算できます。光ってから音が聞こえるまでの秒数に340をかければ、だいたいのメートル数になります。3秒なら約1キロメートル。かみなりでも同じ方法が使えます。

👤 これを調べた人の話
音の速さを最初にはかろうとした人たちは、遠くではなたれた大砲の光と音の差を、ふりこや脈で数えた。時計がない時代に、体で時間をはかっていた。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか かみなりの音が遅れたら、その分だけ遠いと分かる。安全かどうかを自分で判断できる。

きょうためせること 花火やかみなりが光ってから、音が鳴るまでの秒数を数えて、340をかけてみよう。

10月5日てんき

秋に空が高く感じるのは、雲だけのせい?

なつ ぼんやりあき くっきり

どっちだと思う? 雲の高さだけ / 空気がすんで、遠くまで見えるから

こたえを見る

雲だけではありません。もう1つ、空気そのものが変わります。秋はしめり気が減って空気がすんでくるので、遠くまで見通せるようになります。見える距離がのびると、空が広く高く感じます。

びっくり大事実! 秋によく見えるうろこ雲は、地上から5000メートルより高いところにある。飛行機が飛んでいるあたりだ。夏の入道雲は、下のほうが2000メートルより低いところから立ち上がる。つまり「秋の空は高い」というのは、気分の話だけではない。ほんとうに、遠くを見ている。

もっとくわしく

もうひとつ、見上げている雲そのものの高さもちがいます。秋によく見えるうろこ雲やいわし雲は、上層雲とよばれる高いところの雲で、地上から5000メートルより上、高いときは1万メートルをこえるあたりにあります。夏の入道雲は、下のほうが2000メートルより低いところから立ち上がっていきます。同じ「空の雲」でも、見上げている先の高さがちがうのです。そこに、空気がすんで遠くまで見通せることが重なります。

知っていると、なにがうれしいか 雲を見て、その雲がどれくらい高いところにあるかを想像できる。

きょうためせること 空の雲を見て、小さなかたまりが魚のうろこのようにならんでいたら、それは高いところの雲です。もくもくと立ち上がっていたら、低いところの雲です。どちらが多い日か、数えてみよう。

10月6日デジタル

動画のおすすめは、どうして自分の好きなものばかり出るの?

にた行動の人が 見たもの

どっちだと思う? だれかが選んでいる / にた行動の人が見たものを出している

こたえを見る

あなたが何を見て、どこで止めて、何をとばしたかが、ぜんぶ記録されているからです。にた行動をしている他の人が見たものを、あなたにも出しています。あなたを知っているのではなく、行動がにている人を探しています。

びっくり大事実! おすすめは、きみの好みを知っているのではない。行動がにている人を、何百万人の中から探している。つまり画面の向こうに、きみとそっくりな行動をする知らない誰かがいる。ちょっと会ってみたい。

もっとくわしく

だから、たまたま一度見ただけのものが続けて出ることがあります。1回の行動を、好みだと受け取られたからです。逆に、いつもとちがうものを見ると、出てくるものも変わります。おすすめは、あなたが作っています。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 自分の画面が、自分の行動でできていると分かる。見るものを、自分で選び直せる。

きょうためせること いつも見ないジャンルの動画を1本だけ最後まで見て、次の日におすすめがどう変わるかを見てみよう。

10月7日いきもの

紅葉は、葉っぱが赤いえのぐを出しているの?

みどりきいろ かくれてたあか 新しく作る

どっちだと思う? 赤も黄も、新しく作られる / 黄はかくれていたもの、赤は新しく作られる

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ちがいます。木が、葉の中の栄養を幹や枝に回収しているとちゅうの姿です。まず緑の色のもと(クロロフィル)を分解します。すると、もとからあった黄色が見えてきます。赤くなる木では、それとは別に、赤い色のもと(アントシアニン)が新しく作られます。

びっくり大事実! 紅葉は、木が葉をすてる準備ではない。葉の中の栄養を、幹や枝へ運び出しているとちゅうの姿だ。緑をこわして中身を持ち出すから、かくれていた黄色が出てくる。つまり、あの山いっぱいの色は、引っこしの最中の景色だった。

もっとくわしく

色は3通りあります。緑がこわれて、もとからある黄色が目立つと黄色(イチョウなど)。赤い色のもとが新しく作られると赤(イロハモミジなど)。茶色の色のもとがふえると茶色(コナラ、ケヤキなど)。赤い色のもとを作るには、日光に当たることが必要です。色づきは、1日の最低気温が8度以下になると始まり、5度から6度以下になるとさらに進むといわれています。ただし、赤い色のもとが作られはじめるきっかけやそのはたらきは、まだ完全には分かっていません。強すぎる光から葉を守っているのではないか、と考えられています。

知っていると、なにがうれしいか 木の色が変わる意味が分かる。木の種類を色で見分けられるようにもなる。

きょうためせること 公園で、黄色くなる木(イチョウなど)、赤くなる木(モミジなど)、茶色くなる木(ケヤキなど)を1本ずつさがしてみよう。同じ木でも、日がよく当たる側のほうが赤いかどうかも見てみて。

10月8日からだ

ハロウィンのおかしを食べすぎると、なぜ気持ち悪くなるの?

いちどに食べると 大きくゆれる分けて食べると おだやか

どっちだと思う? 量が多いから / 一度にたくさん食べるから

こたえを見る

あまいものを一度にたくさん食べると、体が血の中の糖を急いで下げようとします。その動きが強すぎると、こんどは下がりすぎて、だるさや気持ち悪さが出ることがあります。

びっくり大事実! 同じ量のおかしでも、一度に食べるか分けるかで体の感じ方がまるでちがう。つまり「明日の分にとっておく」は、がまんではなく作戦。分けた人のほうが、あとでゆっくり楽しめる。

もっとくわしく

だから、同じ量でも一度に食べるか、分けて食べるかで体の感じ方がちがいます。おかしを配る文化のある日は、量そのものより「一度に」が問題になります。全部食べないという選択も、体の話として説明できます。

知っていると、なにがうれしいか おかしを分ける理由を、しかられるからではなく、自分の体のためだと説明できる。

きょうためせること おかしを食べる前に、今日の分と明日の分に分けてみよう。分けるだけでいい。

10月9日ちきゅう

日本の川は、外国の川とくらべて短いって本当?

日本 みじかい 急外国 ながい ゆるやか

どっちだと思う? 外国の川と同じくらい / 日本の川は短くて急

こたえを見る

本当です。日本は国土がせまく、山が海の近くまでせまっているため、川が短く、かたむきが急になります。世界の大きな川とくらべると、日本の川は流れが速く、一気に海へ出ます。

びっくり大事実! 日本の川は、上流と下流がすぐ隣にある。山のふもとから海まで、ひと続きの坂道のようなものだ。だから雨は、ためられることなくそのまま海へ出ていく。川が短いという話は、そのまま洪水の話につながっている。

もっとくわしく

だから、雨がふるとすぐに水かさが増します。ゆっくりためる時間がないためです。日本で洪水対策やダムの話が多いのは、この地形のせいです。川の長さと災害は、つながっています。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 自分の町でなぜ洪水対策が必要なのかが、地形の話として分かる。

きょうためせること 地図で自分の県の川を1本えらんで、山から海までの長さを指ではかってみよう。

10月10日もの

ペットボトルのふたが、かたいのはなぜ?

中からおされてる

どっちだと思う? 中身がこぼれないため / 中からの力にたえるため

こたえを見る

中の飲み物が外に出ないようにするためだけではありません。中に入れた気体の圧力や、運ぶときのゆれに耐えるためでもあります。炭酸の入ったボトルは、中から強い力でおされ続けています。

びっくり大事実! 炭酸のペットボトルの底が花びらの形なのは、デザインではない。平らだと中からの力でふくらんで立てなくなる。あの底は、必死にふんばっている姿。

もっとくわしく

炭酸のボトルの底が丸く花びらのような形をしているのも、同じ理由です。平らだと、中からの力で底がふくらんでしまい、立たなくなります。形には、たいてい理由があります。

知っていると、なにがうれしいか ものの形を見て、なぜその形なのかを考えるくせがつく。

きょうためせること 炭酸のボトルと、お茶のボトルの底の形をくらべてみよう。

10月11日うちゅう

星の色がちがうのは、気のせい?

ぬるいとても熱い色でわかる 星の温度

どっちだと思う? 赤い星のほうが熱い / 青白い星のほうが熱い

こたえを見る

気のせいではありません。星の色は、その星の表面の温度でちがいます。赤っぽい星はぬるく、青白い星はとても熱いです。オレンジのたき火より、青いガスの火のほうが熱いのと同じです。

びっくり大事実! 星は色を見るだけで表面の温度が分かる。何百光年も先まで行かずに、見るだけで測れる。人類、行けない場所を調べる方法だけはやたらうまい。

もっとくわしく

だから、星を見ただけで温度が分かります。星までは行けませんが、色を見るだけで表面の温度が言えます。遠くにあるものを、行かずに調べる方法を考えるのが、天文学の仕事です。

👤 これを調べた人の話
遠くの星の成分まで、光を細かく分けるだけで分かるようになった。行かずに調べる、というやり方を発明した人たちがいる。

知っていると、なにがうれしいか 夜空を見上げたときに、色のちがいに気づけるようになる。

きょうためせること 夜、星を2つ見つけて、色がちがうかどうかを見くらべてみよう。

10月12日デジタル

ネットの情報が本当かどうか、どう見分ける?

だれが書いたいちばん下までスクロール

どっちだと思う? たくさんの人が言っていれば本当 / だれが言っているかを確かめる

こたえを見る

見分けるコツは1つだけです。「だれが言っているか」をさがすことです。書いた人や組織の名前が見つからない情報は、確かめようがありません。名前があれば、その人が何を根拠にしているかを追えます。

びっくり大事実! 同じ話が100か所にあっても、出どころが1つなら証拠は1つ。数がふえても、確かさはふえない。100人が同じうわさを言っても、確かさは1人分のまま。

もっとくわしく

もう1つは、同じことを別の場所でも言っているかを見ることです。ただし、コピーされただけのものが並んでいることもあるので、元の出どころが同じでないかを見ます。数の多さは、正しさの証明にはなりません。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 情報を信じる前に、1つだけ確かめる場所が分かる。ページのいちばん下。

きょうためせること きょう見たページを1つ選んで、だれが書いたものかを一番下までスクロールしてさがしてみよう。

10月13日からだ

目をつぶっても、片足で立てるのはなぜ?

みみあしのうら

どっちだと思う? 目だけで立っている / 耳と足も使って立っている

こたえを見る

耳の奥に、体のかたむきを感じる部分があるからです。目だけで立っているのではありません。耳の中の器官と、足のうらの感覚、この3つで体をまっすぐに保っています。

びっくり大事実! まっすぐ立つために、耳が働いている。耳は音を聞くだけの器官ではない。目をつぶって片足で立つと、耳が急に本気を出すのが分かる。ふだんは静かに、ずっと仕事をしている。

もっとくわしく

だから、目をつぶるとふらつきますが、まったく立てなくなるわけではありません。目を閉じてどのくらい立てるかは、体のバランス能力の目安になります。年をとると短くなることも分かっています。

知っていると、なにがうれしいか めまいがする理由や、乗り物よいの理由が、耳の話としてつながる。

きょうためせること 目を開けたときと、閉じたときで、片足で何秒立てるかを数えてくらべてみよう。

10月14日いきもの

冬眠する動物は、春までずっとねむっているの?

心ぞうも 呼吸も ゆっくりふゆ

どっちだと思う? 春までずっとねむり続けている / ときどき目を覚ましている

こたえを見る

ずっとではありません。シマリスのような小さな動物は、深い冬眠と、目を覚ましている時間をくり返しています。深いときは体温が4度くらいまで下がり、起きるときは37度くらいまでもどして、ためておいた食べ物を食べます。

びっくり大事実! シマリスが深い冬眠に入っているとき、心ぞうは1分間に1回ほどしか打たない。体温は4度くらいまで下がり、さわると冷たい。それでも春には、何ごともなかったように起き上がる。人には、まねができない。どうしてできるのかも、まだ分かっていない。

もっとくわしく

体温が4度まで下がっているとき、心ぞうは1分間に1回ほどしか打ちません。さわると冷たく感じるほどです。いっぽう、クマはちがいます。冬眠中でも体温は数度しか下がりません。ふだんが37度から39度で、冬眠中でも31度から35度ほどあります。だから、目が覚めるとすぐに動き出せます。人は体温が下がりすぎると、自分でもとにもどせなくなります。けれど冬眠する動物は、何ごともなかったようにもどせます。そのしくみは、じつはまだほとんど分かっていません。

知っていると、なにがうれしいか 冬眠がただの長いねむりではないと分かる。まだ分かっていないことがあるとも知れる。

きょうためせること 自分の心ぞうが1分間に何回打つか、手首をさわって数えてみよう。その数と、冬眠中のシマリスの1回をくらべてみて。

10月15日もの

マジックの手品は、科学で説明できる?

見せたいほうこっちを見る注意は 1か所にしか置けない

どっちだと思う? ただのごまかし / 人の目と脳のくせを使っている

こたえを見る

できるものが多くあります。人の目と脳には、はっきりした弱点があります。動きの速いものを追うと、そのあいだの別の動きを見のがす、といったくせです。手品は、そのくせを知ったうえで作られています。

びっくり大事実! よく似た2枚の絵を交互に見せられると、どこか1か所が大きく変わっていても、人はなかなか気づけない。目はちゃんとそこを向いているのに、である。見ていないのではなく、見ているのに気づけない。マジックは、この人間のくせを知ったうえで組み立てられている。だから、しくみを知っても、やっぱりだまされる。

もっとくわしく

マジシャンは、見ている人が気づかないうちに注意を別の場所へ向けさせています。これを研究しているのが認知科学という分野です。よく使われる実験に、よく似た2枚の絵を交互に見せて、どこが変わったかをさがしてもらうものがあります。1か所が大きく変わっていても、人はなかなか気づけません。これを「変化の見落とし」といいます。だから、手品を見やぶるコツは「見ようとしない場所を見る」ことです。指し示されたほうを見ないで、反対の手を見ます。

知っていると、なにがうれしいか だまされるしくみを知ると、広告やうその情報にも同じ手が使われていると気づける。

きょうためせること だれかに手品を見せてもらうとき、演者が見てほしそうな手ではなく、もう片方の手を見てみよう。まちがいさがしの2枚の絵を、交互にすばやく見せてもらうのもいいです。

10月16日ちきゅう

富士山は、どうして日本でいちばん高いの?

平らな場所から いきなり立ち上がる

どっちだと思う? まわりの山におし上げられた / ふん火したものが積み上がった

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火山だからです。ふつうの山は、大地がおし上げられて、けずられながらできます。富士山は、ふん火でふき出したものが積み重なってできた成層火山なので、まわりに関係なく高くなれます。山梨県と静岡県にまたがる、日本の最高峰です。

びっくり大事実! だれもが覚えている「3776」は、山頂の測量の目印の高さではない。目印は3775メートル56センチ。いちばん高いのは、そこから少し北にある岩の上で、3776メートル12センチ。あの4けたの数字は、岩ひとつぶんの高さの上に立っている。しかも3776と決まったのは大正15年。2026年で、ちょうど100年になる。

もっとくわしく

しかも富士山は、平らな場所からいきなり立ち上がっています。まわりに高い山がないので、実際の高さ以上に大きく見えます。ところで「3776メートル」という数字は、山頂にある測量の目印の高さではありません。その目印の高さは3775メートル56センチです。いちばん高いのは、目印から少し北にある岩の上で、そこが3776メートル12センチ。四捨五入して3776メートルになります。山の高さは海面からはかるので、地面からの立ち上がりとは別の数字です。

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知っていると、なにがうれしいか 山を見たとき、それが火山かどうかを形から想像できる。標高の数字が何をはかった数字かも分かる。

きょうためせること 地図で富士山のまわりを見て、近くに高い山があるかどうかを確かめてみよう。あわせて、自分の住んでいる場所の標高も地図で調べてみよう。

10月17日てんき

天気予報は、なぜ外れることがあるの?

いま先へ行くほど ずれが大きくなる

どっちだと思う? 観測がいいかげんだから / わずかなちがいが大きく育つから

こたえを見る

空気の動きは、ほんのわずかなちがいが、時間がたつと大きなちがいになるからです。だから、いまの空気の様子をどれだけくわしくはかっても、先へ行くほどずれが大きくなります。

びっくり大事実! 空気のほんの少しのゆらぎが、数日後にはぜんぜんちがう天気になる。だから、どんなに大きな計算機を使っても、2週間先の天気を「あしたの天気」みたいには当てられない。世界じゅうの研究者が、そろって同じかべの前で止まっている。

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この性質があるので、予報は「70パーセント」のように確からしさで出されます。いいかげんだからではなく、正直に出すとそうなるからです。1日先の予報の的中率はとても高く、1週間先はぐっと下がります。

👤 これを調べた人の話
天気を計算で当てようと最初に言い出した人は、手計算で挑んで、1回の予報に何か月もかけた。計算機ができるずっと前の話。

知っていると、なにがうれしいか 予報の70パーセントが何を言っているのかが分かる。傘を持つかどうかを自分で決められる。

きょうためせること 今日の予報と、実際の天気を1週間だけメモしてくらべてみよう。

10月18日からだ

車いすバスケの車いすは、なぜタイヤがななめ?

八の字で たおれにくく 速く回る

どっちだと思う? 見た目のため / たおれにくく、速く回るため

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たおれにくくして、速く向きを変えるためです。タイヤを八の字にななめにすると、横からの力に強くなり、その場で回りやすくなります。この角度をキャンバー角といい、競技用ではおよそ14度から20度。ふだん使う車いすは、せまい所を通れるように0度です。

びっくり大事実! 競技用の車いすには、ブレーキがついていない。止まるのも、曲がるのも、その場で回るのも、ぜんぶ自分のうででタイヤをつかんでやる。あのスピードの中で、動かす係も、止める係も、同じ両うでがやっている。

もっとくわしく

きょうから、この愛知・名古屋でアジアパラ競技大会が始まります。車いすバスケ、ボッチャ、ゴールボールなど18競技が行われます。競技用の車いすには、ほかにもちがいがあります。折りたためないように溶接でとめてあること、足を守るバンパーがついていること、後ろに転倒防止のキャスターがついていること。道具のかたちを見ると、その競技で何が必要かが分かります。

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知っていると、なにがうれしいか 道具の形を見て、その競技で何が大事なのかを読めるようになる。

きょうためせること 自転車やいすを見て、なぜその形なのかを1つだけ考えてみよう。タイヤやあしの角度に、理由があるかもしれません。

10月19日デジタル

ゲームのキャラクターは、どうやって動いているの?

なかの ほね

どっちだと思う? 絵をパラパラめくっている / 中の骨の動きを計算している

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人の体と同じように、中に骨のようなものが入っています。その骨をどう動かすかの数字を、1秒間に何十回も計算して、画面に出しています。絵をパラパラめくっているのではありません。

びっくり大事実! ゲームの中の走り方は、本物の人が走った動きを記録したものかもしれない。画面の向こうのキャラクターは、どこかのだれかの動きを借りている。あの走り方、誰かの走り方。

もっとくわしく

だから、走る動きを1つ作れば、どのキャラクターにも使えます。実際の人の動きをカメラで記録して、その数字をキャラクターの骨に流しこむ方法もあります。ゲームの中の動きは、本物の人の動きだったりします。

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知っていると、なにがうれしいか キャラクターの動きが不自然に見えるとき、どこがおかしいのかを説明できる。

きょうためせること 自分の腕を曲げて、どこが動いてどこが動かないかを確かめてみよう。動かないところが骨。

10月20日うちゅう

宇宙にはにおいがある?

こげた金属のにおい?原因は まだ未決着

どっちだと思う? 宇宙は無臭だと確かめられている / においの報告があるが、原因は未決着

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宇宙そのものは空気がほとんどないので、においはとどきません。ただ、宇宙から帰ってきた飛行士が、宇宙服や道具に金属を焼いたようなにおいがついていた、と話しています。

びっくり大事実! 宇宙飛行士たちは、宇宙服についていたにおいを「焼けた金属」「火薬」とたとえている。何人も同じことを言っているのに、原因はまだ決まっていない。宇宙、まだ正体を明かしていない。

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これは、宇宙にただよう物質が宇宙服にくっついて、船内の空気にふれたときに変化してにおう、と考えられています。ただし、はっきりした原因はまだ決まっていません。分かっていないことは、分かっていないと書きます。

知っていると、なにがうれしいか 分かっていないことがある、というのが正直な科学の姿だと分かる。

きょうためせること 使ったあとのフライパンや、消したろうそくのにおいをかいでみよう。金属や焦げのにおいがどんなものかが分かる。

10月21日もの

消しゴムは、どうして字を消せるの?

黒いつぶを くっつけて 落とす

どっちだと思う? 紙をけずって消している / 黒いつぶをくっつけて落としている

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えんぴつの字は、紙のでこぼこに黒いつぶが引っかかっているだけです。消しゴムは、そのつぶを自分にくっつけて、けずれながら一緒に落ちていきます。だから消しかすが出ます。

びっくり大事実! 消しかすは、消しゴムがけずれたものと、えんぴつの黒がまざったもの。消しゴムは自分がへることで字を消している。ちいさくなった消しゴムは、それだけ働いた証拠。

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ボールペンが消えないのは、インクが紙にしみこんでいるからです。上に乗っているか、しみこんでいるか。この差だけで、消せるか消せないかが決まります。

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知っていると、なにがうれしいか なぜボールペンは消えないのかが、同じ理由で説明できる。

きょうためせること えんぴつで書いた紙を、指でこすってみよう。少しだけ黒がうつるはず。乗っているだけだから。

10月22日いきもの

どんぐりを埋めたリスは、場所を覚えているの?

わすれた どんぐりが 木になる

どっちだと思う? ほとんど忘れてしまう / かなりよく覚えている

こたえを見る

かなりよく覚えている、と考えられています。においと、まわりの木や石などの目印と、場所そのものの記憶を組み合わせて、埋めたどんぐりを見つけ出します。「リスは忘れっぽいから森ができる」とよく言われますが、そう単純ではないようです。

びっくり大事実! どんぐりは、自分では1ミリも動けない。だから、だれかに運んでもらうしかない。リスは食べるつもりで運んでいるだけなのに、その何割かが取り残されて、森になる。だれもそのつもりがないのに、ちゃんと仕事が回っている。

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それでも、埋めたどんぐりが全部ほり出されるわけではありません。食べられずに残ったものが、春に芽を出します。どんぐりは自分では動けないので、親の木の下に落ちたままだと、日かげで育ちにくくなります。リスが運んで地面の中に置いてくれたおかげで、親の木からはなれた場所で芽を出すことができます。リスは食べるために運んでいるのであって、木を育てるつもりはありません。それでも結果として、森は広がっていきます。

知っていると、なにがうれしいか 忘れることや失敗することが、いつも悪いわけではないと分かる。

きょうためせること 公園や庭で、どんぐりが落ちている場所と、そこから芽が出ている場所がどれくらいはなれているかを見てみよう。

10月23日ちきゅう

地面をほると、なぜ色がちがう層が出てくるの?

火山ばい ここでふん火あたらしいふるい

どっちだと思う? 土の種類がちがうだけ / 積もった時期がちがう

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その土が積もった時期がちがうからです。下にあるほど古く、上にあるほど新しくなります。火山灰の層があれば、そのときにふん火があったと分かります。土は、その土地の日記のようなものです。

びっくり大事実! 九州の火山がふん火したとき、その灰が日本ぜんたいをおおって積もったことがある。つまり、遠くはなれた土地の地面の下に、同じ日を指す線が1本ずつ引かれている。文字も地図もなかったころのある1日が、日本じゅうの地面に、いまも同時に記録されている。

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とくに強い手がかりになるのが火山灰の層です。ふん火のときに降った灰は、短い時間で広い範囲に積もるので、はなれた場所の地層にも同じ層が残ります。その1本の層は「ふん火が起きたとき」という、たった1つの時間を指しています。だから、はなれた土地の地層どうしを、その線でつなげてくらべることができます。火口の近くでは大きな軽石、遠くなるほど細かい灰、と見た目は変わりますが、同じときに同じふん火でできたものであることに変わりはありません。この層をたよりに、遺跡がいつのものかが分かることもあります。

知っていると、なにがうれしいか がけや工事現場のしま模様を、ただの土ではなく記録として見られる。

きょうためせること 工事現場や、けずられたがけの断面を、安全な場所から見て、しま模様があるかさがしてみよう。白っぽい細かい層が見つかったら、火山灰かもしれません。

10月24日からだ

パラスポーツの選手は、どうやって速さを競うの?

T53T54T11近い人どうしで きそう記号は クラスを表している

どっちだと思う? みんな同じ条件で競う / 体の状態でクラスに分けて競う

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クラス分けというしくみがあります。競技に必要な動きに、障がいがどれくらい影響するかを調べて、同じくらいの人どうしでグループを作ります。「障がいが軽いほうが上のクラス」という分け方ではありません。

びっくり大事実! クラス分けは、条件をそろえるためだけの線引きではない。そろえたその先で、練習してきたことだけが結果に出るようにするためのしくみだ。何をそろえるかを決めることは、何で結果を決めるかを決めることでもある。ルールを作るというのは、じつはそういう仕事らしい。

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きょう、アジアパラ競技大会が閉幕します。クラス分けのねらいは、障がいの影響をできるだけ小さくして、きたえてきた技術やパワー、持久力、作戦、気持ちの強さで結果が決まるようにすることです。競技によって必要な動きがちがうので、クラス分けのしくみも競技ごとにちがいます。だから、ある競技のクラスと、別の競技の同じような記号を、そのままくらべることはできません。記録の横についているアルファベットと数字は、その競技でのクラスを表しています。どう分けるかは今も研究され、見直され続けています。

知っていると、なにがうれしいか 公平とは何かを、決まりの作り方から考えられる。記録表の記号の意味も分かる。

きょうためせること 大会の記録表を見て、同じ種目の中にいくつのクラスがあるかを数えてみよう。競技によって数がちがうことに気づけます。

10月25日デジタル

パスワードは、どうして長いほうがいいの?

4けた16けたいっしゅんで やぶられる何年かかっても むり

どっちだと思う? 記号がまざっているほど強い / 長いほうが強い

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試す組み合わせの数が、けたが1つ増えるごとに何十倍にもなるからです。短いパスワードは、機械なら一瞬で全部試せます。長いだけで、試すのに何年もかかるようになります。

びっくり大事実! 「てれびがだいすき」をローマ字にすると、それだけで15文字。記号も数字もまぜていないのに、短くて複雑なものよりずっと破られにくい。強いパスワードの正体は、覚えられないほどのむずかしさではなく、ただの長さだった。

もっとくわしく

だから、記号をまぜて短くするより、まず長くするほうが効きます。すすめられているのは、好きな言葉やフレーズをローマ字にして15文字くらいにする方法です。「てれびがだいすき」なら terebigadaisuki で15文字。そのうえで、一部を大文字にしたり、数字をつけ足したりします。記号は、さらに安全性を高めたいときに足すものとされています。そして、いちばん大事なのは同じパスワードをあちこちで使い回さないことです。1か所からもれると、ほかの場所も全部開いてしまうからです。

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知っていると、なにがうれしいか 自分のパスワードが強いかどうかを、自分で判断できる。

きょうためせること 自分の好きなフレーズを1つ決めて、ローマ字にすると何文字になるか数えてみよう。15文字をこえたら、それだけでかなり強い。数えるだけにして、紙には書かないこと。

10月26日てんき

山の「初冠雪」は、どうやって決めているの?

人が 目で見て 記録する

どっちだと思う? 山の上に雪があれば初冠雪になる / ふもとから見えないと初冠雪にならない

こたえを見る

ふもとの気象台から山を見て、山のてっぺんが白くなっているのが、その秋はじめて確かめられた日が初冠雪です。山にのぼってはかるのではなく、はなれた場所から見て決めます。

びっくり大事実! 山の上にたしかに雪がつもっていても、ふもとから見えなければ「初冠雪」にはならない。つまりこの記録は、雪の話であると同時に、その日どれだけ空が晴れていたかの話でもある。雪と、雲と、見る人の目。3つがそろった日だけが、記録に残る。

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山頂が見えないときは中腹で見ます。白く見えていれば、雪だけでなく、みぞれやあられなどでおおわれた場合もふくみます。ぎゃくに、山の上にたしかに雪がつもっていても、その日に雲がかかっていて気象台から見えなければ、初冠雪にはなりません。だから初冠雪の日は、山の話であると同時に、その日の空がどれだけ晴れていたかの話でもあります。記録は「日」の単位でつけられます。

👤 これを調べた人の話
同じ山を、毎年おなじ場所から見上げつづけた人たちがいる。見えた日を1日ずつ書きとめる。その積み重ねが、山の季節がどうずれてきたかを教えてくれる記録になった。

知っていると、なにがうれしいか ニュースの「初冠雪」が、どこから見た記録なのかが分かる。

きょうためせること 今日、遠くの山や高い建物がどこまで見えるかを、まどから確かめてみよう。同じ場所でも、日によって見える距離がちがうことに気づけます。

10月27日からだ

おばけやしきは、どうして暗いの?

30分かかる1分ですむくらさに なれるあかるさに なれるおなじ目なのに 30ばいのちがい

どっちだと思う? こわく見せるためだけ / 目が暗さに慣れるのに時間がかかるから

こたえを見る

こわく見せるためだけではありません。人の目が暗さに慣れるまでに、とても時間がかかることを使っています。明るいところから暗いところに入ると、目が慣れきるまでにおよそ30分かかります。

びっくり大事実! 暗さに慣れるのに30分、明るさに慣れるのに1分。行きと帰りで30倍もちがう。そのあいだに、目の感じる力は100万倍まで変わっている。おばけやしきの通路が長くて暗いのは、この30分をこちらに味方させないためだ。目が慣れきる前に出口へ着くように作られている、ということでもある。

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この慣れることを暗順応(あんじゅんのう)といいます。おもしろいのは、その逆です。暗いところから明るいところに出たときのまぶしさに慣れるのは、1分ほどですみます。行きは30分、帰りは1分。同じ目なのに30倍もちがいます。暗いところでは、ひとみも大きく開きます。ふだんは3ミリから4ミリほどですが、暗いと最大8ミリほどまで広がって、少しでも多くの光を取りこもうとします。

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知っていると、なにがうれしいか おばけやしきに入ったとき、自分の目が慣れていく途中だと分かる。

きょうためせること 夜、部屋の電気を消して、1分後に何が見えるかを言ってみよう。そのまま10分すわって、もう一度見てみて。見えるものが増えているはずです。歩き回らず、平らな部屋ですわったままやること。

10月28日からだ

暗いところでは、なぜ色が分かりにくくなるの?

くらいと 色が わからないみどりだけ よく見えるくらい ところだから ひじょうぐちは みどり

どっちだと思う? 暗いと色そのものが消えている / 暗いところ用の細ぼうに色を見分ける力がない

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目の中で、暗いところ用の細ぼうには色を見分ける力がないからです。明るいところ用の細ぼうが色を見分けていますが、暗くなるとその働きが弱くなります。だから暗いと、形は分かるのに色ははっきりしません。

びっくり大事実! 映画館やおばけやしきで、緑の非常口ランプだけがやけによく見えると思ったことはないだろうか。あれは気のせいではない。暗いところではたらく細ぼうは、とくに緑の光に反応しやすいのだ。暗い場所で緑がいちばん目立つと知っていたから、非常口のマークは緑になっている。

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目のおくの網膜には、光を受け取る細ぼうが2しゅるいあります。明るいところではたらくほうは3しゅるいあって、その組み合わせで色を見分けます。暗いところではたらくほうは1しゅるいしかないので、色を区別できません。そのかわり、わずかな光でも感じ取れます。網膜の厚さは0.1ミリから0.4ミリほど。新聞紙1枚が0.1ミリくらいなので、その薄さの中に、光を受け取る細ぼうが片目だけで1億個以上つまっています。

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知っていると、なにがうれしいか 暗いところで色が分からない理由と、非常口が緑である理由が同時に分かる。

きょうためせること 夜、部屋を暗くしてから、色ちがいのえんぴつを2本ならべてみよう。形は分かるのに、どちらが赤でどちらが青か、すぐには分からないはずです。

10月29日いきもの

かぼちゃは、野菜?くだもの?

やさい?くだもの?分け方しだいで 両方 正解

どっちだと思う? どちらか1つに決まっている / 決め方によって変わる

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決め方によって変わります。植物としては、花が実になったものなのでくだものの仲間に入ります。でも料理や農業の分け方では、畑で作る野菜としてあつかわれます。どちらも正解です。

びっくり大事実! いちごも、すいかも、メロンも、農業の分け方では野菜。分かれ目は、あまさでも大きさでもなく「木になるかどうか」。木にならないものは、どんなにあまくても野菜の側に立たされる。しかもそのままだと呼びにくいので、「果実的野菜」というあいまいな名前がちゃんと用意されている。

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農業の分け方では、だいたい2年以上そだてて実を食べるものを果樹とよび、1年でそだつものは野菜としてあつかいます。この分け方だと、いちごもメロンもすいかも野菜の仲間です。ただし、ふだんは果物として食べられているので「果実的野菜」というよび名がついています。かぼちゃは、きゅうりやトマトと同じ「果菜類」の野菜です。分類は、自然が決めているのではなく、人が目的に合わせて決めています。だから「正しい分け方は1つ」とは限りません。

知っていると、なにがうれしいか 答えが1つに決まらない問いがあると分かる。テストの問いのほうがめずらしい。

きょうためせること 家にある食べ物を1つえらんで、野菜かくだものかを家族で言い合ってみよう。理由まで言えたら、もっといい。

10月30日ちきゅう

ハロウィンのかぼちゃは、なぜオレンジ色?

むかしは カブいまは かぼちゃ

どっちだと思う? 最初からかぼちゃ / 最初はカブだった

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もともとはカブでした。アイルランドなどでカブをくりぬいて灯りにする風習があり、それがアメリカへ伝わったとき、手に入りやすいかぼちゃに変わったと伝えられています。

びっくり大事実! ハロウィンのちょうちんは、もとはカブだった。アメリカに渡ったときに、そこにあったかぼちゃに変わった。文化は、旅先の材料で作り直される。カブ、出番をうばわれた。

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文化は、伝わる先の土地にあるもので作り変えられます。日本のハロウィンも、アメリカのものとはちがう形になっています。同じ行事でも、場所によって中身が変わるのはふつうのことです。

知っていると、なにがうれしいか 身のまわりの行事が、どこから来て何が変わったのかを考えられるようになる。

きょうためせること 家にあるもので、かぼちゃ以外の顔を作れるものをさがしてみよう。切らないで、貼るだけでいい。

10月31日もの

おばけが白いのは、なぜ?

白いのは風習から

どっちだと思う? 科学で決まっている / その土地の風習から来ている

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科学の答えではなく、文化の答えになります。日本では、亡くなった方に白い衣を着せる風習があったため、絵に描かれるおばけも白い姿になったと考えられています。国によっておばけの姿はちがいます。

びっくり大事実! おばけの姿は、その国の昔の服装からできている。つまり、おばけを見れば、その国の人が昔なにを着ていたかが分かる。しかも、なぜ白いのかという理由は、いまも1つに決まっていない。こわいものの正体をたどっていくと、たどりつくのは科学ではなく、その土地の暮らしだった。

もっとくわしく

きょうはハロウィンです。おもしろいのは、なぜ白いのかという理由が1つに決まっていないことです。日本では昔から、赤ちゃんの「赤」と対になる色として白を考えてきた、という説があります。また、遠くへ旅に出る人が白い衣を着たことから、旅立ちの姿として白になった、という説もあります。どちらか一方に決まっているわけではありません。西洋のおばけが白い布をかぶった形で描かれることが多いのも、布で体をつつむ風習と関係があるとされます。こわいと言われるものの姿にも、その土地の暮らしが入っています。

知っていると、なにがうれしいか こわい話や昔話を、文化を知る手がかりとして読める。

きょうためせること 自分の考えたおばけを1つ描いてみよう。何色にするか、その理由も考えてみると、おもしろい。家の人が思いうかべるおばけと、色がちがうかもしれません。

11月1日からだ

きんちょうすると手が冷たくなるのはなぜ?

まん中に あつめるつめたいつめたい

どっちだと思う? 体の調子がわるくなっている / だいじな所を先に守っている

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体が「だいじな所を先に守ろう」として、血のめぐりを体の中心に集めるからです。手や足の先の細い血管がせまくなり、流れる血がへるので、指先から温度が下がります。

びっくり大事実! きんちょうして手が冷たくなるのは、体が勝手に「守りをかためた」合図。つまり本番前のつめたい指は、体からの『準備できました』という連らく。ただし本人には何も知らされていない。

もっとくわしく

これは体がこわれているのではなく、うまく働いている証拠です。もともとは、危ないことが起きたときに、けがをしやすい手足より、心ぞうや脳を守るためのしくみでした。だから冷たくなったときは「よし、体が本気を出した」と思ってよい場面です。深く息をはくと、体は「もう危なくない」と受け取って、指先に血がもどってきます。

👤 これを調べた人の話
体が自分で温度や血の流れを一定にたもとうとするはたらきは、100年ほど前に研究者たちが名前をつけて説明した。それまでは、ただの気のせいだと思われていたことが、調べたら体のしくみだった。

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知っていると、なにがうれしいか 本番前に手が冷たくなっても、あわてなくてすむ。

きょうためせること 手が冷たいなと思ったら、息を4つ数えて吸い、8つ数えてはいてみよう。3回くり返してから、もう一度指先をさわってみて。

11月2日からだ

おぼえたことは、ねている間に整理されているって本当?

きょう おぼえたのこすねている間に しわけ

どっちだと思う? ねている間の脳は休んでいるだけ / ねている間に整理されている

こたえを見る

本当です。ねている間に、その日おぼえたことがくり返し呼び出されて、残すものと消すものに分けられていると考えられています。だから、ねる前におぼえたことは思い出しやすくなります。

びっくり大事実! ねている間にうまくなるのは、おぼえた言葉だけではない。なわとび、自転車、ピアノの指づかい。むずかしい動きほど、ひと晩ねたあとのほうができるようになっている。練習をやめたあとも、体のほうが練習を続けている。

もっとくわしく

起きている間の脳は、新しい出来事を受け取ることでいそがしくなっています。ねている間は新しい入力がほとんど止まるので、そのすきに整理ができます。おぼえた直後に夜ふかしをすると、次の日からの思い出しやすさが大きく下がることが分かっています。しかも、これは言葉をおぼえるときだけの話ではありません。スポーツや楽器のように体の動きをおぼえるときも同じで、むずかしい動きほど、ねむることが効いてきます。

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知っていると、なにがうれしいか 早くねることが、さぼりではなく作戦だと分かる。

きょうためせること ねる前の5分だけ、その日おぼえたことを声に出さずに思い出してみよう。次の朝、どれだけ残っているか確かめてみて。

11月3日デジタル

マークシートは、どうやってぬった所を見つけている?

光が かえって こないぬった所は 光を すう

どっちだと思う? 形を写真のように見ている / はね返る光の量をはかっている

こたえを見る

光を当てて、はね返ってくる光の量をはかっています。えんぴつでぬった所は光を吸ってしまい、はね返りが少なくなります。その差で「ここはぬられている」と判断します。

びっくり大事実! 読み取り機は、答えの中身を1文字も理解していない。ただ「光が少ない場所」を数えているだけ。世界中の試験が、光の量くらべで決まっている。えんぴつは、そんなことを一度も自慢しない。

もっとくわしく

えんぴつの黒は炭でできていて、光をよく吸います。だから、色えんぴつやボールペンでは正しく読めないことがあります。読み取り機は1枚を1秒かからずに処理しますが、はみ出しや消し残りがあると、両方ぬられていると判断されることがあります。消しゴムでしっかり消すのは、機械にとってはとても重要な作業です。

👤 これを調べた人の話
マークシートのしくみを考えた人たちは、たくさんの答案を早く正確に見るために、人が目で追う作業を光の量に置きかえた。難しいことをするのではなく、かんたんなことに置きかえたのが発明だった。

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知っていると、なにがうれしいか 消し残しがなぜ危ないのかが、理由から分かる。

きょうためせること えんぴつでぬった紙と、色ペンでぬった紙を、明るい所でななめから見くらべてみよう。えんぴつの黒だけ、てかりが少ないのが分かります。

11月4日てんき

秋に「すっきり晴れた日」が多いのはなぜ?

西から 東へ 交たいで 通る中は はれ

どっちだと思う? 秋は雲の材料が空にないから / 高気圧が次つぎ通っていくから

こたえを見る

秋は、高気圧と低気圧が交たいで東へ流れていくからです。高気圧の中では空気が上から下へおりてきて、雲ができにくくなります。その高気圧が日本の上を通るとき、すっきり晴れます。

びっくり大事実! 秋の高気圧は、だいたい西から東へ動く。つまり秋の天気は「西の空を見れば数日後が分かる」。日本の天気予報は、ずっと昔から西を見て当ててきた。西の人にとっては、ただの今日である。

もっとくわしく

夏は日本の南に大きな高気圧がいすわり、しめった空気が入りこみます。冬は北西から冷たい風がふきつけます。秋はそのどちらでもなく、高気圧と低気圧が数日おきに入れかわります。だから「三日にあげず天気が変わる」と言われ、晴れとくもりのくり返しになります。運動会や遠足が秋に多いのは、この晴れの日の割合と関係があります。

知っていると、なにがうれしいか 天気図の高気圧の位置を見て、週末の空が読めるようになる。

きょうためせること 天気予報の天気図を3日つづけて見て、高気圧の記号がどちらへ動いたか矢印を書いてみよう。

11月5日いきもの

わたり鳥は、どうやって行き先が分かる?

じしゃく太陽・星・じしゃくぜんぶ 使う

どっちだと思う? 1つの手がかりだけをたよりにする / いくつもの手がかりを組み合わせる

こたえを見る

1つではなく、いくつもの手がかりを組み合わせています。太陽の位置、夜の星のならび、そして地球の磁石の向きです。地形や川の形をおぼえている鳥もいます。

びっくり大事実! 何千キロも先の、去年と同じ林にもどってくる鳥がいる。地図もアプリも持たず、充電もしない。人間はその方法をまだ完全には説明できていない。毎年きちんと着いているほうが、説明できずにいる。

もっとくわしく

地球は大きな磁石になっていて、方位磁針の針が北を向くのはそのためです。鳥の中には、この磁石の向きを感じ取れるものがいると考えられています。ただし、どこでどう感じているのかは、今も研究が続いているところです。分かっていないことがある、というのも正しい答えの一部です。

👤 これを調べた人の話
鳥の道を調べる研究者は、鳥にとても軽い記録装置をつけ、帰ってきたときに外して読み取る。1年待ってやっと1回ぶんのデータが取れる。待つことも研究のうち。

知っていると、なにがうれしいか 分かっていないことが今も残っている分野がある、と知れる。

きょうためせること 方位磁針を持って、家の前でどちらが北か確かめてみよう。わたり鳥が使っているのと同じ向きです。

11月6日もの

使いすてカイロは、どうしてあたたかくなる?

てつの こな + さんそねつ火は ついていない

どっちだと思う? 中で小さな火がついている / 鉄が酸素とむすびついて熱を出す

こたえを見る

中の鉄の粉が、空気の中の酸素とむすびつくときに熱を出すからです。ふくろを開けると空気が入り、その反応が始まります。もえているわけではありません。

びっくり大事実! カイロのふくろに書いてある「◯時間」は、あたたかさが消えるまでの時間ではない。40度を下回るまでの時間だ。国の決まりで、40度という線がきちんと引かれている。つまりあの数字は、だれかが感じたあたたかさではなく、はかった温度で決まっている。

もっとくわしく

鉄がさびるのと同じ反応ですが、粉にして表面をうんと広くしてあるので、ふつうの鉄よりずっと速く進みます。中には塩や活性炭、水を持つ材料も入っていて、反応の速さをちょうどよく調節しています。ゆっくりすぎると温かくならず、速すぎると熱くなりすぎるので、その中間をねらって作られています。じつは使いすてカイロには、日本産業規格(JIS)という国の決まりがあります。そこでは、あたたまり始めてから40度になるまでを「立ち上がり時間」、40度以上をたもち続ける時間を「持続時間」とよぶ、と決められています。

知っていると、なにがうれしいか パッケージの「◯時間」が何をはかった数字かが分かる。

きょうためせること 家にあるカイロのふくろを見て、持続時間が何時間と書いてあるか確かめてみよう。その数字は、40度以上をたもっていられる時間です。使い終わったカイロは、ふくろの表示にしたがって捨てること。

11月7日ちきゅう

きょうは立冬。こよみの冬と、寒さの本番がずれるのはなぜ?

光が いちばん 弱い日さむさの 本番1か月 おくれて やってくる

どっちだと思う? こよみのほうが間違っている / 地面や海が冷えるのに時間がかかる

こたえを見る

こよみの上の冬の始まりは、気温ではなく太陽の位置で決まっているからです。そのうえ、地面や海はあたたまるのも冷えるのもゆっくりなので、寒さの本番は日づけよりあとからやってきます。

びっくり大事実! 立冬の日づけは、寒さではなく、空のどこに太陽がいるかで決まっている。つまりこよみは、気温をひとつも見ないで「きょうから冬です」と言っている。体で感じる冬とずれるのは当然で、ずれているほうが正しい。

もっとくわしく

そもそも立冬という日は、気温で決められたものではありません。二十四節気は、空での太陽の位置で決まっていて、寒いか寒くないかは関係なく日づけが決まります。だから、こよみの冬と、体で感じる冬がずれるのは当たり前なのです。同じずれは夏にも起きています。太陽がいちばん高いのは夏至ですが、暑さの本番は7月から8月です。空気そのものより、地面や海が温度をたくわえたり手ばなしたりするのに時間がかかるためです。

知っていると、なにがうれしいか 暦の上では冬なのにまだ暖かい、の理由が説明できる。

きょうためせること 1日の中でも同じ遅れが起きています。太陽がいちばん高いのは正午ごろですが、気温がいちばん高いのは何時ごろか、天気アプリの1時間ごとの気温で確かめてみよう。

11月8日からだ

歯は、どうして一度だけ生えかわる?

にゅうし 20本下で ずっと 待っている

どっちだと思う? こわれるから取りかえる / あごが大きくなるから取りかえる

こたえを見る

体が大きくなると、あごも大きくなるからです。小さいあごに合う小さい歯で始めて、あごが育ってから大きい歯に取りかえます。生まれたときの歯のままだと、大きくなったあごにすき間だらけになってしまいます。

びっくり大事実! 大人の歯は、みんなが同じ本数というわけではない。28本の人もいれば、32本の人もいる。いちばん奥の親知らずは、生えてくる人と、一生出てこない人がいるからだ。歯の数は、身長と同じで、人によってちがう。

もっとくわしく

乳歯は20本です。それが生えかわってできる永久歯も20本。そこに、乳歯の奥へ新しく生えてくる歯が8本くわわって、合わせて28本になります。いちばん奥の親知らずが4本ぜんぶ生えると32本ですが、親知らずは生えてこない人もいるので、大人の歯は28本から32本と人によってちがいます。生えかわりは6歳ごろに始まり、15歳ごろまでに永久歯がそろいます。永久歯は、乳歯の下でずっと待っていて、根っこがとけて短くなった乳歯を押し上げます。つまり、ぐらぐらしてきた歯は、下から順番待ちの歯が合図を出している状態です。

知っていると、なにがうれしいか 歯がぐらぐらしても、こわれたのではないと分かる。

きょうためせること 鏡で自分の歯を数えてみよう。上と下で何本ずつあるか。生えかわり中の場所も見つかります。おうちの人の本数も聞いてみると、ちがうかもしれません。

11月9日デジタル

けむり感知器は、どうやってけむりに気づいている?

ちらばった光けむりが 光を ちらす

どっちだと思う? 熱くなったのを感じている / 散らばった光をとらえている

こたえを見る

多くのものは、中で光を出していて、けむりの粒に当たって曲がった光をとらえたときに知らせます。ふだんは光がまっすぐ進むだけで、受け取る所には届かないようになっています。

びっくり大事実! 天じょうの白い丸は、24時間ずっと光を出して見はっている。ほとんどの家で、10年間ずっと鳴らない。鳴らないのが大成功。でも10年たつと中身が古くなるので、電池ではなく本体ごと取りかえる。ずっとだまって働いていた人が、ある日そっと引退する感じ。

もっとくわしく

けむりの粒が入ってくると、光がその粒に当たってあちこちへ散らばります。その散らばった光が受光部に入った瞬間、警報が鳴ります。熱ではなくけむりで気づく作りなので、火が大きくなる前に知らせることができます。台所の湯気やほこりでも鳴ることがあるのは、光が同じように散らばるためです。そしてこの機械には寿命があります。消防庁は、電池ではなく本体ごと、10年を目安に交換するようすすめています。電池を替えても、中のセンサーや部品が古くなると、火事のときに気づけないことがあるからです。

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知っていると、なにがうれしいか 家のどこに感知器があるかを、自分で言えるようになる。

きょうためせること 家の天じょうにある警報器を、さわらずに見上げて数えてみよう。本体の側面や裏に、取りつけた年か作られた年が書いてあることが多い。10年より前の年だったら、家の人に「そろそろ取りかえどきだって」と伝えてみて。

11月10日うちゅう

星がチカチカまたたいて見えるのはなぜ?

空気の そう温度が ちがう通るたび 少し まがる

どっちだと思う? 星そのものが光ったり消えたりしている / 地球の空気が光をゆらしている

こたえを見る

星の光が、地球の空気の中を通ってくるときに、あちこちへ少し曲げられるからです。空気は場所によって温度がちがい、その境目で光の道がゆれます。

びっくり大事実! 山の上の天文台では、寒くてもストーブを使わない。あたためた空気がゆらぐと、それだけで星の像がぼやけてしまうからだ。つまり、星をきれいに見るために、見ている人のほうが寒さをがまんしている。ストーブ1台ぶんの熱が、何百光年も先から来た光をだいなしにする。

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空気は場所によって温度がちがい、温度がちがうと光の曲がり方も変わります。その境目を通るたびに、星の光の道が少しずつゆれます。だから、空気の外にある宇宙ではまたたきません。また、惑星はまたたきにくいという特ちょうがあります。星は遠すぎて点にしか見えませんが、惑星は近いので小さな面として見えていて、ゆらぎが打ち消し合うためです。空を見て「あれはあまりまたたかないな」と思ったら、惑星のことが多いです。この空気のゆらぎは、天文台にとってはじゃまものです。だから天文台は、地表の熱の影響が少ない山の上に建てられます。しかも、寒くてもストーブを使いません。ストーブの熱で空気がゆらいでしまうからです。

知っていると、なにがうれしいか 星のまたたきが、星ではなく空気のせいだと分かる。

きょうためせること 晴れた夜に、地平線に近い星と、真上に近い星を見くらべてみよう。地平線に近いほうがよくまたたきます。通ってくる空気が長いからです。

11月11日もの

細長い棒は、なぜ真ん中から折れやすい?

そとがわ のびるまん中は そのままうちがわ ちぢむ力が いちばん つよいのは まん中

どっちだと思う? 真ん中の材料が弱くできている / 真ん中にいちばん強い力がかかる

こたえを見る

両はしを持って曲げると、真ん中にいちばん強い力がかかるからです。曲げられた棒は、外がわがのび、内がわがちぢみます。そのちがいが最も大きくなるのが真ん中です。

びっくり大事実! 曲がっている棒の中では、外がわがのびて内がわがちぢんでいる。同じ1本の中で、まったく逆のことが同時に起きている。そして、太さのちょうど真ん中の層だけは、のびもちぢみもしていない。たった一つ、何もしていない層がある。

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同じ材料でも、太さが2倍になると曲げに対する強さは2倍どころではなく、ずっと大きくなります。だから、棒を強くしたいときは長さを短くするか、太くします。橋やビルの柱が太いのも、途中に支えを入れるのも、同じ理由です。折れる場所が決まっているというのは、逆に言えば、どこを補強すればよいかが分かるということです。

知っていると、なにがうれしいか 物を強くするには太さと長さを変えればよい、と分かる。

きょうためせること わりばしを1本と、2本まとめたもので、曲がりにくさをくらべてみよう。折るところまではやらず、たわみ方だけを見ること。

11月12日デジタル

スマホの顔認証は、顔のどこを見ている?

62 / 48 / 9137 / 55 / 20形を 数字に する写真では ない

どっちだと思う? 顔の写真とくらべている / 顔の形を数字にしてくらべている

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顔の形の特ちょうを数字にして、登録してある数字と近いかどうかを確かめています。目と目のはなれ方、鼻の高さ、あごまでの長さなどです。写真そのものをくらべているわけではありません。

びっくり大事実! パスワードは、もしもれてしまっても、新しいものに変えればいい。でも顔は変えられない。指紋も変えられない。つまり顔でカギを開けるというのは、一生取りかえのきかないカギを、毎日おもてに出して持ち歩いているようなものだ。便利さと引きかえに、あずけているものは大きい。

もっとくわしく

やり方はひとつではありません。カメラでうつした平らな画像から特ちょうを取り出すものもあれば、目に見えない光を顔に当てて、でこぼこのぐあいまではかるものもあります。あとのほうは、写真をかざしただけでは開きにくくなります。こうした、体の特ちょうで本人かどうかを確かめるやり方を生体認証といい、顔のほかに指紋、目の中のもよう、声などが使われます。パスワードとちがって、覚えたり持ち歩いたりしなくてよいのが長所です。

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知っていると、なにがうれしいか 生体認証が絶対ではない理由を、自分の言葉で説明できる。

きょうためせること スマホの顔認証を、めがねをかけたときと外したとき、前がみを上げたときと下ろしたときでためしてみよう。どこまで変えると開かなくなるかで、機械が顔のどこを見ているかが見えてきます。

11月13日いきもの

冬になると、虫はどこへ行ってしまう?

よう虫たまごさなぎおち葉の 下は まんしつ

どっちだと思う? ほとんど死んでしまう / 姿を変えて冬をこしている

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いなくなるのではなく、多くは形を変えて冬をこしています。たまごで冬をこすもの、幼虫のまま土の中にいるもの、さなぎで待つもの、成虫のまま落ち葉の下でじっとしているもの。種類によってちがいます。

びっくり大事実! 成虫で冬をこす虫にとって、冬のあたたかい日は、うれしい日ではない。あたたかいと動いてしまい、ためておいた力を使ってしまうからだ。だからわざと、日の当たらない北がわや、くち木の中をえらぶ。寒いところをえらぶことが、春まで生きるための方法になっている。

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どの姿で冬をこすかは、その虫にとっていちばん生き残りやすい形が選ばれています。カマキリはあわのようなかたまりの中のたまご、テントウムシは成虫のまま集まって、アゲハはさなぎで待ちます。おどろくのは、その準備の始め方です。虫は、寒くなってから気づくのではありません。冬が来る前に、日の長さで季節を知り、体の中で凍らないための物質を作るようにしくみを切りかえます。また、成虫で冬をこすものは、わざと温度の変わりにくい場所をえらびます。木の北がわや、くち木の中などです。春に虫が一気に増えたように見えるのは、生まれたからではなく、待っていたものが動き出したからです。

知っていると、なにがうれしいか 冬の公園が、何もない場所ではないと分かる。

きょうためせること 落ち葉を1か所そっとめくって、下に何かいるか見てみよう。見たあとは元にもどしてあげること。そこはだれかの冬の家です。木の北がわの、日の当たらないところもさがしてみて。

11月14日てんき

寒い日に息が白く見えるのはなぜ?

あたたかい 水じょう気ひえて 水の つぶに

どっちだと思う? 息そのものが白い色をしている / 水じょう気が冷えてつぶになっている

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息にふくまれている水じょう気が、外の冷たい空気で冷やされて、小さな水のつぶにもどるからです。白く見えているのは、水じょう気ではなく、目に見える大きさになった水のつぶです。

びっくり大事実! 寒いほど息は白くなる、と思いきや、そうでもない。マイナス25度くらいの冷凍倉庫の中では、息は白くならない。水のつぶになる前に、一瞬で細かすぎる氷になってしまうからだ。見えなくなったのは、何も起きていないからではなく、速すぎたから。

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空気は、温かいほどたくさんの水じょう気をかかえていられます。体の中で温められた息は、水じょう気をたっぷり持っています。それが外に出たとたんに冷やされ、かかえきれなくなった分がつぶになります。雲ができるのも、やかんの湯気も、まったく同じしくみです。だから、暑い日には息は白くなりません。ところが、寒ければ寒いほど白くなる、というわけでもありません。マイナス25度くらいの冷凍倉庫の中では、息の中の水分は、水のつぶに育つ前に一瞬で細かい氷になってしまいます。つぶが小さすぎるので、目には見えません。

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知っていると、なにがうれしいか 雲・湯気・白い息が、全部同じしくみだと分かる。

きょうためせること 寒い朝に、口を大きく開けて長くはいたときと、口をすぼめて強くはいたときで、白さがちがうか見くらべてみよう。川や池の水面から湯気が立っていたら、それもかなり冷えこんでいるしるしです。

11月15日からだ

きょうは七五三。身長は、体のどこがのびている?

ここがのびるかたい ほねかたい ほね

どっちだと思う? 骨の真ん中がのびる / 骨のはしの近くがのびる

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骨のはしのほうにある、やわらかい部分がのびています。ここでは骨のもとになる細ぼうが増え、それが固い骨に変わっていきます。この部分が働いている間だけ、背は高くなります。

びっくり大事実! いま背がのびている場所は、レントゲンにうつすと黒い線に見える。かたい骨は白くうつるのに、そこだけ黒い。そして大人になると、その線は消えてなくなる。つまり「まだのびるかどうか」は、写真の中にちゃんと写っている。

もっとくわしく

のびる場所は骨の真ん中ではなく、両はしの少し内がわです。ここを骨端線(こったんせん)といいます。レントゲンでは、かたい骨は白くうつりますが、この部分はやわらかい軟骨なのでうつらず、黒い線に見えます。大人になるとこの部分が固い骨に変わり、線は見えなくなります。これを「骨端線が閉じる」といい、身長の伸びが止まったことを意味します。閉じる時期には個人差が大きく、何歳とは決まっていません。七五三が3歳・5歳・7歳の節目なのは、昔、子どもが元気に育つことが今よりずっと難しかった時代に、無事に育ったことをよろこぶ行事として始まったからだといわれています。

👤 これを調べた人の話
子どもの体がどう育つかを調べるために、たくさんの子の身長と体重を長い年月にわたって記録し続けた人たちがいる。おかげで今、自分の育ち方が平らな線ではなく波であることが分かっている。

知っていると、なにがうれしいか 背がのびるというのが、体のどこで起きていることなのかが分かる。

きょうためせること 自分が生まれたときの身長を家の人に聞いて、いまの身長が何倍になったか計算してみよう。同じ日に、家の人の身長ものばしてもらって記録しておくと、来年くらべられます。

11月16日もの

おふろの湯気と、たき火のけむりは同じもの?

ゆげ 水の つぶけむり すすの つぶ

どっちだと思う? どちらも同じ気体 / 湯気は水のつぶ、けむりは固体のつぶ

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ちがいます。湯気は、水じょう気が冷えてできた小さな水のつぶです。けむりは、燃えたあとに残る細かい炭やすすなどの固体のつぶです。同じ白でも、中身がまったくちがいます。

びっくり大事実! 白いモヤと湯の面のあいだには、何も見えないすきまがある。じつは、そこがいちばん水じょう気の濃いところ。白く見えているほうは、もう水のつぶにもどったあとだ。つまり「湯気が見えた」と言った時点で、それはもう気体ではない。いちばんたくさんあるものが、いちばん見えていない。

もっとくわしく

見分け方は、しばらく待つことです。湯気の水のつぶはやがて空気にとけて消えますが、けむりのつぶは固体なので消えずに広がり、においや汚れが残ります。だから火事のけむりは、へやの中にたまり続けます。東京消防庁の説明では、けむりが上にのぼる速さは毎秒3メートルから5メートルで、人が階段をのぼるよりずっと速いとされています。横に広がる速さは毎秒0.5メートルから1メートルほどです。上へ逃げようとすると追いつかれてしまうのは、この差のためです。そして、やかんの口のすぐそばに、白いものが見えない透明な部分があるのに気づいたら、そこが本当の水じょう気です。白く見え始めた所からが湯気です。

知っていると、なにがうれしいか 白いものを見て、水か燃えかすかを見分けられる。火事のけむりがなぜ危ないかも分かる。

きょうためせること あたたかいスープやおふろの湯気を、少しはなれたところから見てみよう。湯の面と白いモヤのあいだに、うっすらと「何も見えないところ」があるのが分かります。やかんの口は熱いので、近づかないこと。

11月17日うちゅう

月が昼間の空にも見えるのはなぜ?

昼の空にも 月はいる目立たないだけ

どっちだと思う? 昼は月が空にいない / 昼も空にいて、見える日がある

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月は、昼も空にいるからです。太陽が明るすぎて見えない日もありますが、月が太陽から十分はなれた位置にあるときは、青空の中でも白く見えます。

びっくり大事実! 昼の空に浮かぶ白い月は、夜と同じ月。ただ、まわりが明るすぎて目立たないだけ。毎日そこにいるのに、半分の日はだれにも気づかれていない。気にしている様子もない。

もっとくわしく

月は毎日およそ50分ずつおそく出てきます。だから、見える時間帯も日ごとにずれます。半月のころは昼間に見つけやすく、満月のころは太陽と入れかわりの動きになるので、昼にはほとんど見えません。「月は夜のもの」というのは、思いこみのほうです。

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知っていると、なにがうれしいか 昼に月を見つけて、家の人に教えられる。

きょうためせること よく晴れた日の午後、南の空を見上げて白い月をさがしてみよう。半月のころがいちばん見つけやすいです。

11月18日デジタル

ほんやくアプリは、どうやって別のことばにしている?

こんにちはHelloつながりやすさの 数字を たどる

どっちだと思う? 人が文法の決まりを1つずつ書いている / 同じ意味の文の組をたくさん見て自動で学んでいる

こたえを見る

同じ意味の文を2つのことばで組にした、大量のデータから学んでいます。むかしは、人が文法の決まりと辞書を1つずつ書いて訳させていましたが、いまはその方法ではありません。ことばの意味を分かって訳しているわけでもありません。

びっくり大事実! ほんやくアプリの中には、いちど英語に直してから目的のことばにしているものがある。日本で作られたあるアプリは、そこをわざと通さず、日本語から直接ほかの30のことばへ訳す。間に1つはさむだけで、言いたいことは少しずつずれていくからだ。伝言ゲームで起きることが、機械の中でも同じように起きる。

もっとくわしく

学習に使うのは対訳とよばれるデータで、同じ意味の文が2つのことばでならんだものです。だから、対訳がたくさん集まっていることばほど上手に訳せて、資料の少ないことばは苦手になります。また、前後の話が分からないと、同じ単語でも訳し方をまちがえます。「かける」が電話なのか、いすなのか、かけ算なのか、文だけでは決められないことがあるのと同じです。訳した文をそのまま信じずに、意味が通るか自分で読み直すのが正しい使い方です。

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知っていると、なにがうれしいか ほんやく結果をそのまま信じない理由が説明できる。

きょうためせること 日本語を英語にほんやくして、その英語をもう一度日本語にもどしてみよう。どこがずれたかを見ると、間に1つはさむとどうなるかが、そのまま分かります。

11月19日ちきゅう

温泉のお湯は、だれもわかしていないのに、なぜ熱い?

あめ水地下は 深いほど あついおんせん

どっちだと思う? 地下水がこすれて熱くなる / 地下そのものが熱い

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地下が熱いからです。地面の下は深くなるほど温度が上がり、火山の近くではとくに高くなります。しみこんだ雨水がその熱であたためられ、地表へもどってきたものが温泉です。

びっくり大事実! 温泉は、つめたくても温泉になれる。決められた成分が入っていれば、25度より冷たい水も、法律の上ではれっきとした温泉。そういうお湯は、わかしてから湯ぶねに入れる。「わかした温泉」という、字だけ見ると変な言葉が、ちゃんと成り立っている。

もっとくわしく

日本に温泉が多いのは、プレートがぶつかる場所にあって火山が多いからです。ただし、火山がない所にも温泉はあります。深く掘れば地下の熱でお湯になるためです。温泉に色やにおいがあるのは、地下を通る間に岩の成分がとけこむからで、どんな岩の中を通ってきたかが、そのままお湯の性質になります。なお、法律の上での温泉は「あたたかいお湯」だけを指すのではありません。地中からわき出た水などで、わき出たときの温度が25度以上あれば温泉です。そのうえ、25度より冷たくても、決められた成分が決まった量以上入っていれば、それも温泉になります。

知っていると、なにがうれしいか 温泉の色やにおいのちがいに、理由があると分かる。

きょうためせること 次に温泉に行ったら、浴室の入口にある表示を見てみよう。とけている成分と、わき出たときの温度が必ず書いてあります。25度に近い数字が書いてあることもあります。

11月20日いきもの

わたり鳥がV字にならんで飛ぶのはなぜ?

先頭は いちばん つかれるだから 交たいで 前に出る

どっちだと思う? 見はりをしやすい形だから / 後ろの鳥が楽に飛べるから

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前の鳥のはねが作った空気の流れを利用して、後ろの鳥が楽に飛べるからです。まっすぐ真後ろではなく、少し横にずれた位置がいちばん楽になります。だから列がななめになります。

びっくり大事実! 先頭はいちばん大変な場所で、後ろは楽をできる場所。だから鳥たちは交代する。ある研究では、1羽ずつが、楽な後ろにいる時間と大変な先頭にいる時間を、きちんとつり合わせていた。ずっと後ろにいるだけの鳥は、1羽もいなかった。

もっとくわしく

鳥がはばたくと、つばさの後ろにうずを巻いた風が残ります。そのうずの外がわは上向きの流れになるので、少し横にずれた位置に入ると、強くはばたかなくても浮く力が得られます。まっすぐ真後ろは下向きの流れになるので、かえって損です。だから列がななめになり、下から見るとV字に見えます。ただし、この位置に入るにはとても正確なならび方が必要で、飛びながらそんなことができるとは長いあいだ考えられていませんでした。背中に記録装置をつけてはかった研究で、鳥がはばたくタイミングまで合わせていることが確かめられました。

知っていると、なにがうれしいか 群れの形に理由があると分かって、空を見るのが楽しくなる。

きょうためせること 空を見て、鳥の群れがどんなならび方をしているか見てみよう。V字になるものと、ばらばらに飛ぶものがいることに気づけます。

11月21日からだ

寒いと体がふるえるのはなぜ?

きんにくをこまかく 動かすじぶんで ねつを 作っている

どっちだと思う? 寒さで体がこわばっているだけ / 筋肉を動かして熱を作っている

こたえを見る

体が自分で熱を作っているからです。筋肉をこまかく動かすと熱が出ます。ふるえは、その熱を出すために、体が勝手に筋肉を動かしている状態です。

びっくり大事実! ふるえているとき、体の中では、曲げる筋肉とのばす筋肉が同時に力を出している。両方が引っぱり合うので、体はほとんど動かない。だから使ったエネルギーが、外の仕事に使われずに、まるごと熱になる。ふるえとは、わざと「どこにも進まない運動」をして、熱だけを取り出しているということだ。

もっとくわしく

人の体は、外がどんなに寒くても中の温度をほぼ一定にたもとうとします。まず血管をせまくして熱がにげるのをふせぎ、それでも足りないとふるえで熱を作ります。このときの熱の量は、じっとしているときの2倍から3倍にもなります。ただし、体がゆれることで熱もにげやすくなるため、作った熱のうち体に残るのは半分ほどだと言われています。ふるえが止まらないほど寒いときは、体が限界に近いという合図なので、すぐ暖かい所に入ってください。

知っていると、なにがうれしいか ふるえが体の守りだと分かって、早めに暖を取れる。

きょうためせること 寒い日に外へ出る前と、5分歩いたあとで、手のあたたかさを自分でくらべてみよう。動かすと熱が出ることが、体で分かります。

11月22日いきもの

みかんの白いすじは、何のためにある?

水と ようぶんの 通り道

どっちだと思う? 実を丈夫にするための繊維 / 水と養分を運んでいた管

こたえを見る

実に水と養分を運ぶための管です。木から実へ、実の中のひと粒ひと粒へと、必要なものを届けていた通り道です。役目を終えたあとも、そのまま残っています。

びっくり大事実! みかんの白いすじは、木からここまで水を運んできた配管の終点。木の根から出発した水は、この細い道を通ってひと粒ずつに配られた。食べる前に、荷物はもう届き終わっている。

もっとくわしく

人の体でいえば血管にあたるはたらきです。この管は木の枝の中にもつながっていて、みかん1個は木の先たんにある小さな工場のようなものです。すじがついたままでも食べられます。取るか取らないかは好みの問題で、どちらが正しいというものではありません。

知っていると、なにがうれしいか 植物の水の通り道を、目で見て確かめられる。

きょうためせること みかんの皮をむいたら、すじがどこから来てどこへ向かっているか、指でたどってみよう。1本の道としてつながっています。

11月23日いきもの

きょうは勤労感謝の日。お米は、植物のどこを食べている?

お米は たねめが 出るはずだった 所ごはん1ぱいで やく3000つぶ

どっちだと思う? くきの部分を食べている / たねの部分を食べている

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たねの部分です。芽が出て育つための養分がつめこまれている場所を、人が食べています。パンの小麦も、とうもろこしも同じで、たねを食べています。

びっくり大事実! ごはん茶わん1ぱいは、お米およそ3250粒。稲でいうと2株ぶん。穂にすると46本ぶん。田んぼの一角が、まるごと茶わんに入っている。

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たねには、芽が土から顔を出して自分で光合成を始めるまでの間の食料が入っています。人はそこを横取りしている形です。白米は、そのたねから外側の皮と芽の部分を取りのぞいたもので、玄米はそれが残っています。農林水産省によると、茶碗1ぱい(中盛り)のごはんは約150グラムで、炊く前のお米は約65グラム、粒の数はおよそ3,250粒です。稲1株には穂が約22本つき、1本の穂には籾が約70粒つくので、茶碗1ぱいは稲およそ2株ぶんになります。勤労感謝の日はもともと、その年に取れたものに感謝する日として続いてきた行事とつながっています。

👤 これを調べた人の話
寒い土地でお米が育つようになったのは、寒さに強い品種を長い年月かけて選び続けた人たちがいたから。1年に1回しか試せない研究を、何十年も続けた成果が、いまの一ぱいになっている。

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知っていると、なにがうれしいか 毎日食べているものが植物のどこかを、言えるようになる。

きょうためせること ごはんつぶを1つぶ、指でつぶさずによく見てみよう。少しへこんでいる部分が、芽が出るはずだった場所です。

11月24日てんき

「初雪」は、だれがどうやって決めている?

みぞれでも はつゆき気しょう台が みて 発表

どっちだと思う? その町のどこかに降れば記録になる / 気象台のある場所に降らないと記録にならない

こたえを見る

各地の気象台が、その冬はじめて降った雪を記録して発表します。ただし、いまは多くの気象台で、人が目で見るのではなく、装置が自動で雨・みぞれ・雪を見分けています。

びっくり大事実! 「初雪」は、その町に雪が降った日ではなく、気象台のあるその一点に雪が降った日。だから同じ市の中で「降ったのに初雪じゃない」が起きる。記録という言葉は、いつも「どこではかったか」とセットになっている。

もっとくわしく

昔は職員が目で見て記録していました。2020年2月から、多くの気象台で自動の判別に切りかわりました。目で見た記録と装置の記録では結果がそろわないため、それまでの「いちばん早い記録」「いちばん遅い記録」の順位は、そこでいったん区切られています。古い記録と新しい記録を、そのまま並べて比べることはできません。また、記録は気象台のあるその場所での話です。だから同じ市の中でも「うちは降ったのに、ニュースでは初雪と言わない」ということが起きます。

👤 これを調べた人の話
雪が降ったかどうかを、毎年おなじ場所で書きとめつづけた人たちがいる。いまは装置がその役目をついでいるが、比べられる記録が残っているのは、書きとめつづけた人がいたからだ。

知っていると、なにがうれしいか ニュースの「初雪」が、どこの、どんな記録なのかが分かる。

きょうためせること きょうのニュースで見た天気の数字を1つえらんで、それがどこではかられたものかを調べてみよう。

11月25日もの

雪の結しょうが六角形なのはなぜ?

同じ形は 二つとない六角形

どっちだと思う? 風で角がけずられて六角形になる / 水のつぶのならび方がもともと六角形

こたえを見る

水のつぶが氷になるとき、決まった角度でならぶからです。そのならび方が六角形なので、大きくなっても六角形のまま育ちます。

びっくり大事実! 世界ではじめての人工の雪は、うさぎの毛の先っぽにできた。ビーカーのお湯の湯気を冷やして、毛先に六角形を育てたんだって。「雪は空から送られた手紙」と言ったのはこの人。空の手紙を読むために、まず自分で1枚書いてみた人だ。

もっとくわしく

同じ六角形でも、形は一つとして同じになりません。空から落ちてくる間に通った場所の温度としめり具合で、板のようになったり、はりのようになったり、枝分かれしたりするからです。つまり結しょうの形を見ると、その雪がどんな空を通ってきたかが分かります。雪は、空の記録を持って落ちてくる手紙のようなものです。

👤 これを調べた人の話
世界ではじめて人工の雪を作ったのは、日本の中谷宇吉郎という人。1936年3月12日、北海道の大学のとても寒い実験室でのことだった。ビーカーのお湯から立ちのぼる湯気を冷やして、上からつるした「うさぎの毛」の先に、小さな六角形を育てることに成功した。温度としめり具合を変えると形が変わることも、このときに分かった。

知っていると、なにがうれしいか 雪を見て、その日の空の様子まで想像できる。

きょうためせること 雪が降ったら、黒っぽい布や紙を外で冷やしてから雪を受けて、虫めがねで見てみよう。手のひらで受けるとすぐとけてしまう。うさぎの毛の先に雪を育てた人がいる、と思うと、1つぶが少しちがって見えるかも。

11月26日からだ

冬になると、のどが痛くなりやすいのはなぜ?

こまかい毛が 外へ 送り出すかわくと 止まりぎみに なる

どっちだと思う? 寒さでのどが縮んでいる / かわいて異物を運び出せなくなる

こたえを見る

空気がかわくと、のどの表面をまもっているうすい水の膜がへってしまうからです。この膜には、入ってきたごみやウイルスを外へ運び出すはたらきがあります。かわくと、その運び出しがうまくいかなくなります。

びっくり大事実! のどの内がわには、1ミリの1000分の1という細さの毛がびっしり生えていて、1分間に1000回をこえる速さで波打っている。その波が、つかまえたごみを1分間に5ミリから1センチずつ、口のほうへ送り出している。いま息をしているあいだにも、のどの中では大玉送りがずっと続いている。

もっとくわしく

のどや鼻の表面には、線毛(せんもう)とよばれる細い毛がびっしり生えています。太さは1ミリの1000分の1ほどです。この毛が波打って、表面の粘液をゆっくり口のほうへ動かしています。吸いこんだごみやウイルスは、まず粘液につかまり、粘液ごと運び出されます。運ばれる速さは1分間に5ミリから1センチくらい。口までもどってきたものは、たんとして出されるか、飲みこまれて胃で消化されます。空気がかわくと粘液がへってねばくなり、このコンベアが動きにくくなります。冬に加湿や水分をとることが大事だと言われるのは、この運び出しを動かし続けるためです。

知っていると、なにがうれしいか 加湿がなぜ効くのかを、しくみから説明できる。

きょうためせること 部屋の湿度計を見てみよう。なければ、コップに水を入れて置いた日と置かない日で、朝ののどの感じがちがうか、くらべてみて。

11月27日デジタル

年賀状の郵便番号は、どうやって読み取られている?

1000001わくの中に 書くと 読める7つの数字で 行き先が 決まる

どっちだと思う? 人がすべて目で読んでいる / 機械が形を読み取り、読めない分だけ人が見る

こたえを見る

機械が数字の形を光で読み取り、あらかじめ知っている形とくらべて判断しています。読み取っているのは郵便番号だけではありません。あて名の住所もいっしょに読み取っています。

びっくり大事実! あなたが出したはがきには、目に見えないバーコードが印刷されている。住所ぜんたいを表す線が、透明なインクで刷られているのだ。しかも機械は、あて先で分けるだけでなく、配達する人が回る順番にまで並べてくれている。はがきは、自分がどこへ行くかを、見えない文字で持ち歩いている。

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読み取ったあと、郵便局の機械は、住所ぜんたいを表すバーコードを、透明なインクではがきに印刷します。そのあとの仕分けは、そのバーコードを読んで進みます。配達する側の郵便局では、そのバーコードを読んで、配達する人が回る順番に並べるところまで機械がやります。それでも、数字がわくからはみ出したり、重なったりすると読めません。読めなかったものは、人の目で確認する工程に回されます。わくの中に数字を入れるという小さな決まりが、全体の速さを支えています。ちなみに、手書きの文字を読む機械は1967年に日本で世界ではじめて作られました。いま写真の中の文字を読み取るのに使われている技術は、その流れをくんでいます。

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知っていると、なにがうれしいか わくの中に書くことに意味があると分かる。はがきの見えない仕事も知れる。

きょうためせること 家にとどいたはがきの下のほうを、明るいところでよく見てみよう。何も見えなければ、それは透明なインクで印刷されているからです。

11月28日うちゅう

冬の星空が明るくにぎやかに見えるのはなぜ?

冬の夜がわに 明るい星が 多い地球が 場所を かえている

どっちだと思う? 冬は星が近づいてくる / 夜に向いている方向に明るい星が多い

こたえを見る

冬の夜に見える方向に、明るい星が多く集まっているからです。あわせて、冬はかわいた空気におおわれるので、遠くまで見通しがよくなります。見通しがよいことと、星がまたたかないことは別の話で、冬は上空の風が強いぶん、星はよくまたたきます。

びっくり大事実! 季節で星空が変わるのは、星が動いたからではなく、地球が引っこししたから。1年で1周する引っこしを、生まれてからずっと続けている。荷物はそのままでよい。しかも冬の星は、よく見えるのにいちばんチカチカする。

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地球は太陽のまわりを回っているので、季節によって夜に向いている方向が変わります。冬の夜に向いている側には、オリオン座をはじめとする明るい星が集まっています。反対に夏の夜側には、天の川の中心方向が来ます。同じ空でも、季節ごとに見える景色がちがうのは、地球が場所を変えているからです。冬の空気はかわいていて、水蒸気やほこりが少ないので、光がじゃまされずにとどきます。いっぽう上空の風は冬のほうが強いので、11月10日にやった「またたき」は冬のほうがはげしくなります。よく見えることと、じっとして見えることは、べつのことです。

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知っていると、なにがうれしいか 季節で星座が変わる理由を、地球の動きから説明できる。

きょうためせること 晴れた夜、南の空にならんだ3つの星をさがしてみよう。見つけたら、その両側にある明るい星まで目で線を引いてみて。

11月29日ちきゅう

落ち葉は、そのあとどこへ行く?

おち葉 → こまかく → 土へ土の中の 生きものが 分かいする

どっちだと思う? かわいて風で飛んでいく / 土の中の生き物が分解している

こたえを見る

土の中の生き物に分解されて、土の一部になります。ミミズやダンゴムシが細かくし、さらに目に見えない菌やび生物が分解して、木がまた使える養分にもどします。

びっくり大事実! 足もとの土、たった1メートル四方の中に、トビムシという小さな生き物だけで数万びきいることがある。しかも最近の研究で、その多くは落ち葉を食べていなかったと分かった。ずっとそう思われていたのに、である。足の下のことは、まだ分かりきっていない。

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だから森では、だれも落ち葉をかたづけていないのに、何十年たっても落ち葉で埋まりません。木が葉を落とし、生き物が分解し、その養分でまた葉ができます。この輪が切れると、土はやせていきます。土の中の生き物の数はとても多く、トビムシという小さな生き物だけで、森の土には1平方メートルあたり数万びきいることも多いとされています。ただし、だれが何を食べているのかは、まだ調べ直されている最中です。2021年に発表された研究では、そのトビムシの多くの種が、落ち葉よりも新しくできたものを主に食べていることが分かりました。土の中の生き物が、みんな落ち葉を分解しているわけではなさそうだ、ということです。

知っていると、なにがうれしいか 落ち葉が消える理由が分かる。そして、まだ分かっていないことがあると知れる。

きょうためせること 公園の落ち葉を1枚めくって、下のほうの黒っぽくなった葉をさがしてみよう。上の新しい葉との差が、分解のとちゅうの姿です。見たあとは元にもどしてあげること。

11月30日もの

セロハンテープは、どうしてくっつく?

やわらかい のりがでこぼこの 奥まで 入りこむ

どっちだと思う? かわいて固まってくっつく / やわらかいのりがでこぼこに入りこむ

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のりが液体と固体の中間のようなやわらかさで、相手の表面の細かいでこぼこに入りこむからです。入りこんだあと、はなれにくくなります。かわいて固まっているわけではありません。

びっくり大事実! テープののりは、いつまでも固まらないまま働き続けている。かたまったら、その瞬間に役目が終わる。ずっと中途はんぱでいることが、この仕事の正解。

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だから、ざらざらした紙にはよくつき、つるつるした面やほこりのついた面ではつきにくくなります。強く押しつけるとよくつくのは、のりがでこぼこの奥まで入る時間をあげているからです。逆に、ゆっくりはがすと切れずにはがれ、素早く引くとちぎれやすいのも、このやわらかさのせいです。

知っていると、なにがうれしいか つきにくい場所の理由が分かって、貼り直しがへる。

きょうためせること 同じテープを、ざらざらした紙、つるつるした下じき、ほこりのついた面の3か所につけて、はがれやすさをくらべてみよう。

12月1日もの

本のにおいが好きな人がいるのは、なぜ?

ふるい本あたらしい本紙が変わって 気体が出る

どっちだと思う? 紙は変化しない / 紙が変化して気体を出している

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紙やインクが、時間とともに少しずつ変化して、いろいろな気体を出しているからです。古い本のにおいは、その変化で出た気体のまざったものです。バニラに近い成分がふくまれることが知られています。

びっくり大事実! 古い本のにおいには、バニラに近い成分がふくまれている。だから甘く感じる人がいる。図書館であのにおいをかいで幸せになる人は、化学的に正しい。

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きょうから読書週間が始まります。においの成分を調べると、その本の紙がどんな作り方で、どのくらい古いかが推定できます。においから本の年齢を調べる研究もあります。

知っていると、なにがうれしいか 図書館のにおいが、何のにおいなのかを説明できる。

きょうためせること 図書館で、新しい本と古い本のにおいをかぎくらべてみよう。

12月2日うちゅう

流れ星は、星が落ちてきているの?

すなつぶが 空気とこすれて 光る

どっちだと思う? 星が落ちている / 小さなつぶが空気の中で光っている

こたえを見る

ちがいます。宇宙にただようごく小さなつぶが、地球の空気にとびこんで、こすれて光っているものです。光っているのは地面から数十キロメートルの高さで、そのほとんどは空気の中で蒸発してしまい、地面までは届きません。

びっくり大事実! 流れ星の色は、なにが光っているかで変わる。マグネシウムや酸素なら緑、窒素なら赤。つまり夜空を横切るあの一瞬の光は、宇宙から来たつぶの中身を、色で読み上げている。1秒たらずで終わる、空いっぱいの理科の実験。

もっとくわしく

地面まで落ちてくることは、ごくまれです。隕石の落下は数年に一度くらいしか起きません。ふつうより明るい流れ星は火球とよばれ、日本全国では平均すると1か月に数個ほど目げきされています。とても近くに落ちたように見えることがありますが、たいていは遠くの流れ星を見ているだけです。また、とくに明るい火球が通ったあとには、うっすら光る雲のような跡が数秒から、ときには数十分にわたって残ることがあります。空気は、私たちを守る屋根の役目もしています。

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知っていると、なにがうれしいか 夜空を見上げたときに、何を見ているのかが分かる。

きょうためせること 夜、空を10分だけ見上げてみよう。何も見えなくてもいい。もし見えたら、色を覚えておこう。何が光っていたかのヒントになります。

12月3日もの

静電気は、どうして冬にばかり起きるの?

なつ しめっているふゆ かわいている水分が にがしてくれるにげ道がなく たまるふえたのではなく 出口がなくなった

どっちだと思う? 冬だけ多く生まれている / 夏も起きているが、逃げ道があるだけ

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じつは、冬だけ多く生まれているわけではありません。夏も同じように起きています。ちがうのは、逃げ道です。空気に水分が多いと、電気はそこから静かに逃げていきます。冬は空気がかわいていて逃げ道がないので、体にたまってから一気に流れます。それがバチッの正体です。

びっくり大事実! 静電気は、冬にだけ生まれているのではない。夏も同じように起きている。ただ、夏は空気の水分が電気をこっそり逃がしてくれるので、たまる前に消えているだけだ。つまり冬にバチッとくるのは、電気が増えたからではなく、出口がなくなったから。

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静電気は、気温25度以下・湿度20パーセント以下で起きやすいといわれています。冬の部屋はまさにその条件です。もうひとつの原因は重ね着です。物には、プラスの電気を持ちやすいものと、マイナスを持ちやすいものがあり、その順番を帯電列(たいでんれつ)といいます。この列で遠いものどうしをこすり合わせるほど、静電気は起きやすくなります。たとえばフリースはポリエステルなので、ウールのセーターより木綿のシャツを合わせたほうが起きにくくなります。

知っていると、なにがうれしいか 何を着るとバチッとしにくいかが、自分で選べる。

きょうためせること 自分の冬の服が何でできているか、洗たくタグを見てみよう。上と下でちがう素材を着ている日と、同じような素材の日で、バチッとくる回数がちがうか、くらべてみて。

12月4日からだ

同じ部屋なのに、鉄のてすりが木より冷たいのはなぜ?

てつおなじ へやの おなじ おんどねつが はやく にげるゆっくり にげるつめたさ=にげる はやさ

どっちだと思う? 鉄のほうが温度が低いから / 熱が伝わる速さがちがうから

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温度がちがうからではありません。同じ部屋に置いてあれば、鉄も木もだいたい同じ温度です。ちがうのは、熱の伝わる速さです。鉄は手の熱をすばやく持っていくので、冷たいと感じます。

びっくり大事実! 温度計をあてると、鉄のてすりも木のてすりも同じ温度だ。それなのに鉄だけが冷たい。つまり、あなたが感じている「冷たさ」は、相手の温度ではない。自分の手から熱が逃げていく速さのほうだった。手は温度計ではなく、熱の流れをはかる道具だったということになる。

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熱の伝わりやすさを熱伝導率(ねつでんどうりつ)といいます。金属はこれがとても大きく、木やプラスチック、発ぽうスチロールはとても小さい値です。だから同じ温度でも、金属にさわると自分の熱がどんどん出ていき、木にさわると出ていきにくいのです。つまり、あなたの手が測っているのは相手の温度ではなく、自分の熱が逃げる速さのほうです。冷たいものを運ぶ箱に発ぽうスチロールが使われるのも、この値がとても小さいからです。

知っていると、なにがうれしいか 「冷たい」と感じることの意味が変わる。冬の持ち物えらびにも使える。

きょうためせること 同じ部屋に、金属のスプーンと木のはしを1時間おいてから、両方いっしょににぎってみよう。どちらが冷たく感じるか。温度計があれば、両方の温度もはかってみて。

12月5日てんき

氷はとうめいなのに、雪はどうして白いの?

かたまりの こおり光が とおりぬけるこまかい つぶはねかえって しろく なるかき氷が しろいのと おなじ

どっちだと思う? 雪のつぶが白い色をしている / とうめいなつぶが集まると白く見える

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雪のつぶも、ひとつぶずつは氷なので、とうめいです。でも、小さなつぶがたくさん集まると、光がつぶのあいだであちこちに反射して、いろいろな色の光がまざって目にとどきます。だから白く見えます。

びっくり大事実! かき氷は、とうめいな氷をけずっただけなのに、まっ白になる。色をつけたわけではない。細かくすると、白くなるのだ。雪が白いのも、雲が白いのも、牛にゅうが白いのも、ぜんぶ同じ理由。白は、色ではなく、光が何度も跳ね返った結果だった。

もっとくわしく

この、あちこちに反射することを乱反射(らんはんしゃ)といいます。光にはいろいろな色がまざっていて、それが同じようにぜんぶ返ってくると、人の目には白に見えます。つぶがひとつながりの大きなかたまりだと、光はそのまま通りぬけるので、とうめいに見えます。雲が白いのも、牛にゅうが白いのも、同じ理由です。小さなつぶがたくさんあると、光は通りぬけられなくなります。

知っていると、なにがうれしいか 雪・雲・牛にゅうが白い理由が、1つの説明でつながる。

きょうためせること とうめいな氷を、ビニールぶくろに入れて、タオルの上からかたいもので細かくくだいてみよう。とうめいだった氷が、白くなります。手を切らないよう、ふくろから出さずにやること。

12月6日もの

スケートの氷は、どうしてあんなにすべるの?

こおりスケートぐつ9ナノメートルこおっているのに ぬれているみずより 200ばい ながれにくい

どっちだと思う? 体重で氷がとけて水になるから / 氷の表面は、はじめから少しぬれているから

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氷の表面には、こおっているはずの温度でも、ごくうすい水のような層があります。擬似液体層(ぎじえきたいそう)といいます。0度より低くても、氷の表面だけは少しぬれているのです。この層があるから、氷はすべると考えられています。

びっくり大事実! 氷の表面は、こおっているのに、ぬれている。しかもそこの水は、ふつうの水の200倍も流れにくい。厚さは1ミリの10万分の1ほど。そんなうすい水の上を、スケートぐつはすべっている。そして、なぜその水があるのかは、150年たっても、まだだれも分かっていない。

もっとくわしく

北海道大学の低温科学研究所が、分子1つぶんの高さの段差まで見える顕微鏡を自分たちで作って、この層をじかに観察しました。うすい膜になっているときの厚さは、およそ9ナノメートル。1ナノメートルは1ミリの100万分の1なので、1ミリの10万分の1くらいです。しかもこの層の水は、ふつうの水よりも200倍も流れにくいことが分かりました。同じ水なのに、氷の表面にはりついているだけで、性質が変わっているのです。氷の表面がぬれるこの現象は150年以上前から知られていますが、なぜ起きるのかは、今もまだ分かっていません。

👤 これを調べた人の話
北海道大学の村田憲一郎さんたちは、ナノメートルの世界を見るために、まず顕微鏡そのものを作るところから始めた。見たいものが見える道具がなければ、道具から作る。研究というのは、そういう順番になることがある。

知っていると、なにがうれしいか 身近な氷にも、まだだれも分かっていないことがあると知れる。

きょうためせること 冷とう庫の氷を2つ、平らな面どうしをそっと合わせて、30秒ほどそのままにしてから引きはなしてみよう。くっついて離れにくくなることがある。氷の表面がぬれている証拠の1つです。

12月7日ちきゅう

きょうは大雪(たいせつ)。こよみのこの日づけは、だれが決めているの?

ちきゅうたいよう255どたいせつ12月7日きめているのは てんもんだい

どっちだと思う? 昔から決まっている日づけを使っている / 毎年、天文台が計算して決めている

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国立天文台が計算して決めています。二十四節気は、太陽が空のどこにいるかで決まります。大雪は、太陽の位置を表す数字(黄経)が255度になった瞬間をふくむ日。2026年は12月7日の11時53分でした。だから、年によって日づけが1日ずれることがあります。

びっくり大事実! 「きょうは大雪です」の大雪は、雪がふったから決まったのではない。太陽の位置が255度になった、という理由だけで決まっている。しかも決めているのは気象台ではなく、天文台。雪という名前のついた日を、空の上の角度で決めていた。

もっとくわしく

国立天文台は毎年2月ごろ、翌年の「暦要項(れきようこう)」を発表します。国民の祝日、二十四節気と雑節、東京の日の出入り、日食や月食などがまとめられています。2026年の場合、立冬が11月7日、大雪が12月7日、冬至が12月22日。角度でいうと、立冬が225度、大雪が255度、冬至が270度。15度きざみで24個に分けているので、二十四節気といいます。春分の日と秋分の日が法律で日づけを決めていないのも、同じ理由です。

知っていると、なにがうれしいか カレンダーのすみに小さく書いてある字の意味が分かる。

きょうためせること 家のカレンダーで「大雪」と書いてある日をさがしてみよう。見つけたら、次の節気「冬至」まであと何日あるか数えてみよう。

12月8日てんき

冬の空気はかわいている。それなのに、洗たく物が乾きにくいのはなぜ?

25どの くうき23gたくさん うけとれる5どの くうき6.8gすこししか うけとれない>1立方メートルあたり

どっちだと思う? 冬は空気がしめっているから / つめたい空気は水蒸気をあまりかかえられないから

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つめたい空気は、もともとかかえられる水蒸気の量が少ないからです。1立方メートルの空気がかかえられる水蒸気は、25度なら約23グラム、5度なら約6.8グラム。3分の1以下になります。湿度の数字が低くても、受け取れる量そのものが小さいので、乾くのに時間がかかります。

びっくり大事実! 冬の空気は「かわいている」のに、洗たく物は乾かない。同じ1立方メートルでも、25度の空気は水蒸気を23グラムかかえられるのに、5度の空気は6.8グラムしか持てない。かわいているのではなく、はじめから入れ物が小さかったのだ。

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湿度というのは、「いま入っている水蒸気の量」を「その温度でかかえられる最大の量」で割った割合です。冬は割る数のほうが小さいので、少しの水蒸気でも湿度の数字は上がります。だから乾かすには、温度を上げる、風を当てる、しめった空気を外に出す、の3つがきく。部屋干しがなかなか乾かないのは、洗たく物から出た水蒸気が部屋にたまって、空気がいっぱいになってしまうからです。まどを少し開けたり、風を送ったりすると変わります。

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知っていると、なにがうれしいか 部屋干しが乾かないとき、まず何をすればいいかを自分で決められる。

きょうためせること 同じくらいぬらしたハンカチを2まい用意して、1まいは風の当たる所、1まいは風の当たらない所に置いてみよう。どちらが先に乾くか、時計で計ってみよう。

12月9日からだ

みかんをたくさん食べると、手が黄色くなるのはなぜ?

みかんきいろい いろそてのひらが きいろくたべたりょうが からだに のこる

どっちだと思う? みかんの皮の色が手についたから / みかんの色素が体の中にたまったから

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みかんにふくまれる黄色い色素が、体の中を通って皮ふにたまるからです。この色素はあぶらにとけやすいので、すぐには出ていかず、しばらく体に残ります。とくに、皮の厚い手のひらと足のうらが黄色くなります。柑皮症(かんぴしょう)とよばれます。

びっくり大事実! みかんを何個食べたかは、血をしらべると分かる。しかも、みかんの町として知られる静岡県の三ヶ日では、この色素の血の中の量が世界でもっとも多い水準だという。冬になると手が黄色くなる町。食べた量が、そのまま体に書きこまれている。

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温州みかんに多いのは、β-クリプトキサンチンという色素です。農研機構によると、これはニンジンのβ-カロテンやトマトのリコペンと同じカロテノイドの仲間で、人の血の中にある主なカロテノイドの1つ。静岡県の三ヶ日では、農研機構と浜松医科大学と町が組んで、約1000人に10年間協力してもらう調査を行いました。血の中のこの色素の量を測ると、みかんをどれだけ食べたかが分かるのだそうです。手が黄色くなっても、食べる量をへらせば元にもどります。白目まで黄色くなる場合は別のことなので、そのときは家の人に話してください。

👤 これを調べた人の話
三ヶ日の調査は、「この町の人は、どうして長生きなのだろう」という素朴な問いから始まった。答えを出すために、約1000人が10年間つきあった。1回の実験では分からないことを調べるには、10年かかることがある。

知っていると、なにがうれしいか 自分の体に起きた色の変化に、ちゃんと理由があると分かる。

きょうためせること みかんを食べたあと、手のひらを白い紙とならべて見くらべてみよう。何日か続けて同じ場所で写真をとると、変化が分かりやすい。

12月10日てんき

雪がふると、なぜ町が静かになるの?

おとが すいこまれるゆきは すきまだらけおとを ねつに かえてしまう

どっちだと思う? みんなが外に出ないから / 雪が音を吸いこむから

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雪が音を吸いこむからです。雪は小さな氷のつぶが、すきまだらけに積み重なったもの。音は空気のふるえなので、そのすきまに入りこむと、あちこちでこすれて熱に変わり、はね返ってこなくなります。ふつうなら地面ではね返って遠くまで届く音が、雪に吸われてしまうのです。

びっくり大事実! 雪の日の静けさは、気のせいではない。雪はすきまだらけで、音を熱に変えてしまう。しかも、どんな雪でもいいわけではない。大つぶのぼたん雪の日がいちばん静かで、さらさらの粉雪の日はそれほどでもない。静けさにも、雪の種類がある。

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これは、部屋に貼る吸音材(きゅうおんざい)とまったく同じしくみです。綿やウレタンのように、中に細かいすきまがたくさんある物は、音をよく吸います。おもしろいのは、雪ならいつでも静かになるわけではないこと。中谷宇吉郎 雪の科学館の解説によると、とくに静かに感じるのは、結晶がたくさんからみ合った大つぶの「ぼたん雪」がふる日。気温の低い真冬に、結晶がバラバラのままふるときは、あまり静かに感じないのだそうです。積もったあとの朝が静かなのは、積もった雪にも同じはたらきがあるからです。

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知っていると、なにがうれしいか 雪の日の「なんだか静か」の正体が分かる。

きょうためせること 雪がふった日か、ふった次の朝に、外で10秒だけ耳をすませてみよう。いつも聞こえる音のうち、どれが消えているか数えてみよう。

12月11日デジタル

寒い外にいると、スマホの電池が急にへるのはなぜ?

あたたかいよく でんきが でるさむいとりだせる ぶんが へるこわれたのでは ない

どっちだと思う? 寒いと電池がこわれるから / 寒いと電池の中の動きがおそくなるから

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電池は、中で起きる化学反応で電気を出しています。寒くなると、その反応がおそくなり、電気の通り道のじゃま(内部抵抗)が大きくなります。だから、同じ電池でも取り出せる電気が少なくなります。こわれたのではなく、寒さで動きがにぶくなっているだけです。

びっくり大事実! 寒い日にスマホが急に0%になっても、電気がなくなったとはかぎらない。中の動きがにぶって、取り出せなくなっているだけのことがある。実験では、0度で使い始めた電池が、自分の発熱で少し元気を取りもどしていた。電池は、寒がりだった。

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電池の試験を行う会社が、リチウムイオン電池をマイナス10度から40度まで10度きざみで測った実験があります。温度が下がるほど電圧が下がり、マイナス10度では放電を始めてすぐに電圧が落ちてしまい、ほとんど容量が取り出せませんでした。原因は、電解液の中をイオンが動きにくくなり、内部抵抗が増えることです。おもしろいのは0度のとき。放電の直後に電圧がぐっと下がるのに、そのあと少し上がってくる。電池自身が使われて発熱し、自分で温まったからです。

知っていると、なにがうれしいか 冬に電池が急にへっても、こわれたとあわてなくてすむ。

きょうためせること 寒い日に外へ出るとき、時計やゲーム機を上着の内がわのポケットに入れてみよう。かばんの外ポケットに入れたときと、電池のへり方をくらべてみよう。

12月12日いきもの

葉の落ちた冬の枝に、もう春の芽ができている?

ようこんふゆめはるの はと はなは もう ここにかたい かわで まもられている

どっちだと思う? 春になってから芽ができる / もうできていて、冬をこしている

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できています。冬芽(ふゆめ)といいます。葉が落ちたあとの枝をよく見ると、小さなふくらみがついています。この中に、来年の葉や花がぎゅっとたたまれて入っています。かたい皮や毛におおわれていて、寒さや乾燥から、また鳥や動物に食べられることから守られています。

びっくり大事実! 12月の枝の中では、もう来年の春の準備が終わっている。サクラの冬芽をけんび鏡で見ると、花粉までできはじめているという。春はある日とつぜん来るのではない。もう、そこにある。しかも小さくたたまれて、コートを着て待っている。

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冬芽には、葉が入っている葉芽、花が入っている花芽、両方入っている混芽があります。冬芽のすぐ下には葉痕(ようこん)という、葉が落ちたあとの跡が残ります。葉痕の中に見える点々は、水や養分を運んでいた管の跡。木の種類によって形がちがい、人や動物の顔に見えるものがたくさんあります。富山県の理科教材によると、12月中旬のサクラの花芽をけんび鏡で見ると、中ではもう花粉ができ始めているそうです。木によっては、主役の芽が育たなかったときのために、予備の芽まで用意しています。

知っていると、なにがうれしいか 冬の枯れ木のような枝が、ぜんぜん枯れていないと分かる。

きょうためせること 近所の、葉の落ちた木の枝を見て、冬芽と葉痕をさがしてみよう。葉痕が顔に見える木を1本見つけられたら大成功。枝は折らないこと。

12月13日うちゅう

流星群は、なぜ毎年おなじ時期に来るの?

たいようちきゅうちりの おびまいとし おなじ ばしょを よこぎる12月14日 23じ ごろ さいだい

どっちだと思う? 流れ星が毎年その時期に生まれるから / 地球が毎年おなじ場所を通るから

こたえを見る

地球が毎年おなじ場所を通るからです。宇宙には、小さなちりのつぶが帯のようにばらまかれた道があります。地球は1年かけて太陽のまわりを1周するので、毎年おなじ時期にその帯を横切ります。そのときちりが地球の空気にとびこんで光る。これが流星群です。

びっくり大事実! 流れ星は、まぐれで飛んでくるのではない。宇宙にまかれたちりの帯を、地球が毎年ほぼおなじ日に横切っている。つまり流星群は、1年前から日づけの決まっている行事だ。しかも今年は、いちばん多い時間に月がしずんでいる。国立天文台の予想では、絶好の条件。

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国立天文台によると、2026年のふたご座流星群は12月14日の23時ごろに極大(いちばん活発になること)と予想されています。14日の夜の月は21時ごろまでにしずむので、そのあとは月明かりの影響がまったくありません。空の暗い場所なら、21時ごろですでに1時間に35個から40個ほど、15日の0時から2時ごろにはおよそ60個も見られそうだとされています。前の晩の13日夜から14日明け方にかけても、比較的多く見えると予想されています。町の明かりがある場所では、これよりずっと少なくなります。

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知っていると、なにがうれしいか 「今夜見えるかも」が、うわさではなく計算で分かる。

きょうためせること 今夜と明日の夜、寝る前に10分だけ、おうちの人といっしょに空を見上げてみよう。方角はどこでもいい。空が広く開けているほうを、ぼんやり見るのがコツ。とてもさむいので、しっかり着こむこと。

12月14日うちゅう

オリオン座の赤い星は、いつか爆発する?

みつぼしあかい ほしあおじろい ほし640こうねんいま みえるのは 640ねんまえの すがた

どっちだと思う? ずっとこのまま光りつづける / いつか爆発すると考えられている

こたえを見る

いつか爆発すると考えられています。オリオン座の赤い1等星ベテルギウスは、赤色超巨星(せきしょくちょうきょせい)という、一生の終わりに近づいた星だからです。ただし「いつ」なのかは、まだ分かっていません。

びっくり大事実! 今夜見えているベテルギウスは、640年前の姿。日本が南北朝時代のころに出発した光だ。だから、もし今この瞬間に爆発していても、それを知るのは640年あとの人になる。そして、いちばん先に気づくのは望遠鏡ではなく、岐阜の山の地下にある巨大な水のタンクかもしれない。

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地球からの距離は約640光年と見積もられていますが、測るのがむずかしく、150光年ほどの誤差があります。つまり今見えている光は、およそ640年前に出発したもの。国立天文台の研究者の説明によると、爆発すれば昼間でも見えるほど明るい星が空にあらわれます。地球への深刻な影響はありません。遠すぎるからです。そして爆発の直前には、星の中心がつぶれるときにニュートリノという小さな粒が飛び出すので、それをスーパーカミオカンデがとらえると考えられています。

👤 これを調べた人の話
この講演会で「もし爆発したら、地球に被害はないのですか」と質問したのは、8歳の子だった。国立天文台の研究者はこう答えている。遠いので、ほとんど影響はありません。ただ、オリオン座の有名な星が消えてしまうのは残念ですね、と。

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知っていると、なにがうれしいか 星を見上げるとき、それが「今の姿ではない」と分かる。

きょうためせること 夜7時ごろ、南東から南の空を見てみよう。3つならんだ星(三つ星)が見つかったら、そのななめ上にある少し赤っぽい星がベテルギウス。反対がわの青白い星(リゲル)と、色をくらべてみよう。

12月15日いきもの

木は、葉を全部落としても枯れないのはなぜ?

はを ぜんぶ おとすふゆの は はかせぐより でていくが おおいだから おとしたほうがとくに なる

どっちだと思う? 葉を落とすと弱るが、がまんしている / 葉を落としたほうが、冬は得になるから

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冬は、葉があるほうが損になるからです。葉は光を受けて栄養を作る場所ですが、冬は日が短くて寒く、作れる量が減ります。それなのに葉からは水が出ていき、こおるきけんもあります。だから落葉樹は葉を落として、枝と幹と根で冬をこします。

びっくり大事実! 木が葉を落とすのは、弱ったからではない。冬の葉は、かせぐ量より出ていく量のほうが多くなる。だから思い切って、全部すてる。木は毎年、たくわえた財産のような葉を、計算のうえで手ばなしている。

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京都大学の研究グループが、同じ場所に生えている落葉樹と常緑樹の葉について、「使った炭素」と「かせいだ炭素」をくわしく調べました。常緑樹は、冬にこおっても大丈夫なじょうぶな葉を作るため、落葉樹のおよそ2倍の炭素を使っていました。そのかわり、長い期間その葉で光合成ができます。差し引きの費用対効果は、落葉樹でも常緑樹でも同じくらいでした。冬をさけるか、冬にたえるか。まったくちがう2つの方法が、同じ森で成り立っている理由が、これで説明できたのです。

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知っていると、なにがうれしいか 冬の裸の木が、失敗ではなく作戦だと分かる。

きょうためせること 落ち葉を1まいひろって、光にすかしてみよう。細い線(葉脈)が枝分かれして見えるはず。これが、水と栄養が通っていた道です。

12月16日てんき

寒い日は、なぜ遠くの音がよく聞こえる?

じょうくうは あたたかいじめんが つめたいおととおくまでとどくみちすじが まがって もどる

どっちだと思う? 寒いと音が速くなるから / 寒いと音の道すじが曲がるから

こたえを見る

空気の温度によって、音の道すじが曲がるからです。よく晴れた冬の夜は、地面のほうが先に冷えて、上のほうの空気のほうがあたたかくなります。すると音の進む道が曲げられて、地面のほうへもどってきます。だから、ふだんは聞こえない遠くの電車やサイレンが聞こえるのです。

びっくり大事実! 寒い日、音はむしろおそくなる。0度の音は15度の音より、1秒で9メートルもおくれる。それなのに、遠くまでよく届く。速さではなく、道すじが曲がって地面にもどってくるからだ。おそくなったのに、遠くまで行く。

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音の速さは温度で変わります。0度なら1秒に約331メートル、15度なら約340メートル。あたたかいほど速い。上のほうがあたたかいと、音の進む向きが少しずつ変わって、地上へ戻ってきます。これを音の屈折(くっせつ)といいます。夏の昼のように地面のほうが熱いときは逆になり、音は遠くへ届きにくくなります。ここでおもしろいのが、この前の「雪の日は静か」との組み合わせ。冬の夜には、正反対のことが2つ起きています。晴れて冷えこんだ夜は遠くまで聞こえ、雪がふって積もった夜は吸われて静かになる。

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知っていると、なにがうれしいか 冬の夜にふと聞こえた遠くの音の、正体が分かる。

きょうためせること 晴れて冷えこんだ夜、まどを少しだけ開けて、10秒だけ耳をすませてみよう。昼には聞こえない音がないかさがしてみよう。開けたらすぐ閉めること。

12月17日ちきゅう

同じ日なのに、日本海側は大雪で、太平洋側は晴れ。どうして?

たいりくやまで 2つにゆきぐもやまを こえると はれおびに なって おおゆき

どっちだと思う? 同じ日でも天気は場所でばらばらだから / 山が雪を降らせて、雲をせき止めているから

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冬の風と、日本の真ん中にある山のせいです。冬は大陸から冷たい風がふいてきます。この風が日本海の上をわたるとき、海から水蒸気と熱をもらって雪雲になります。その雲が日本の中央の山にぶつかって、日本海側に雪を降らせます。山をこえたときには水分が残っていないので、太平洋側は晴れるのです。

びっくり大事実! 日本海側の大雪の原因の1つは、日本の山ではない。1000キロもはなれた、朝鮮半島の北にある山だ。そこで2つに分かれた冷たい風が、日本海の上でぶつかりなおして、雪の帯を作る。ニュースで「JPCZ」と言っているのは、このこと。

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気象衛星の画像を見ると、日本海に筋のような雲が何本もならんでいます。この筋が1本の太い帯になることがあり、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)とよばれます。長さは1000キロほど。この帯がかかった場所では、短い時間で一気に大雪になります。おどろくのは、その原因の1つが日本の外にあること。朝鮮半島の北にある長白山脈(いちばん高い白頭山は2744メートル)に冷たい風がぶつかって2つに分かれ、日本海の上でもう一度合流するために、この帯ができると考えられています。

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知っていると、なにがうれしいか ニュースに出てくる「JPCZ」が何のことか分かる。

きょうためせること 天気予報の雲の画像を見て、日本海に筋のような雲がならんでいないかさがしてみよう。筋が集まって太い帯になっている日は、どこかで大雪になっているかもしれない。

12月18日もの

湯たんぽは、なぜ朝までぬくいの?

1グラムを 1ど あたためる ねつ4.2みず0.45てつやく9ばい

どっちだと思う? 中に特別な物が入っているから / 中身がただの水だからこそ、さめにくい

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中身が水だからです。水は、あたためるのにたくさんの熱が要るかわりに、さめるときもゆっくり時間をかけて熱を出します。同じ重さでくらべると、水は鉄のおよそ9倍の熱をためられます。だから1リットルほどの水が、朝までぬくもりを出しつづけられるのです。

びっくり大事実! 湯たんぽの中身は、ただの水。特別な物は入っていない。それでも朝までぬくいのは、水がほかの物にくらべてけたはずれに熱をためこめるから。鉄の9倍。そのわけは、水の分子どうしが手をつないだりはなしたりして、熱をしまいこんでいるからだ。海が地球の温度を安定させているのも、同じ理由。

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1グラムの物を1度あたためるのに要る熱を比熱(ひねつ)といいます。水は約4.2、鉄は約0.45、アルミニウムは約0.90(単位はJ/(g・K))。水はほかの物質にくらべてとびぬけて大きいのです。日本原子力研究開発機構の解説によると、その理由は水分子どうしをつなぐ「水素結合」にあります。液体の水では、加えられた熱が水素結合を変形させたり切ったりすることに使われるので、たくさんのエネルギーを吸いこめる。水素結合が熱の貯金箱の役目をしている、というわけです。海が地球の気温を安定させているのも、同じ理由です。

知っていると、なにがうれしいか 湯たんぽもお風呂も海も、同じ1つの性質で説明できる。

きょうためせること 同じ量のお湯を、金ぞくのコップとふつうのコップに入れて、10分後にどちらがぬるくなっているか、さわって比べてみよう。やけどしないよう、ぬるめのお湯で。

12月19日てんき

あたたかい部屋のまどがくもる。あの水は、どこから来たの?

へやのなか 20ど17.3gもてる りょうまどまどぎわ 5ど6.8gあふれた 10.5g がみずに なる

どっちだと思う? 外の雨や雪の水がしみてきた / 部屋の空気の中にあった水蒸気が水にもどった

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部屋の空気の中にあった水蒸気です。空気は、温度が高いほど水蒸気をたくさんかかえられます。あたたかい部屋の空気が、外の寒さで冷えたまどガラスにさわると、かかえきれなくなった分が水のつぶになって出てきます。これが結露(けつろ)です。

びっくり大事実! まどについた水は、外から入ってきたのではない。部屋の中にあった水だ。しかもその一部は、自分たちがはいた息。冬のまどのくもりは、その部屋に何人いて、どれだけ息をしたかを、うっすら書き出しているようなものだ。

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数字にすると分かりやすくなります。20度の空気は、1立方メートルあたり約17.3グラムまで水蒸気をかかえられます。その同じ空気が、まどのそばで5度まで冷やされると、かかえられるのは約6.8グラムだけ。あふれた約10.5グラムが、水のつぶになってガラスにつきます。水になりはじめる温度のさかい目を露点(ろてん)といいます。部屋の中の水蒸気は、人の息、料理、洗たく、おふろから出ています。つまり、まどがくもるのは、その部屋で人が暮らしている証拠でもあります。

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知っていると、なにがうれしいか まどをふくかどうか、換気するかどうかを自分で判断できる。

きょうためせること くもったまどに指で線を1本ひいてから、そのままにして時間をおいてみよう。かわいて消える日と、たれて下にたまる日がある。何がちがうか考えてみよう。

12月20日からだ

大そうじで出てくる白いほこり。あれは、どこから来たの?

7わりせんいいえの ほこりの なかみふく タオル ふとんカーテン カーペット+ ひふの かけら+ かふん つちそとから きた ごみでは ない

どっちだと思う? 外から入ってきた砂やちり / 家の中の物が、少しずつけずれたもの

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その多くは、家の中にあった物です。服、タオル、カーテン、ふとん、カーペット。布は使うたびに、ごくわずかずつ繊維(せんい)がぬけます。それが空中をただよってたまり、そこに人やペットの皮ふのかけら、かみの毛、外から来た花粉や土がまざります。

びっくり大事実! たなの上の白いふわふわは、外から来たごみではない。その7割ほどは、服やタオルやふとんのかけら。つまり、家の中の物が少しずつ小さくなって、そこに集まっている。ほこりをすてるということは、家の一部をすてているということだった。

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そうじの会社の開発研究所が家庭のほこりの成分を調べたところ、およそ7割が繊維のほこりでした。国立環境研究所の説明では、家の中のほこり(ハウスダスト)はおよそ20種類に分けられ、皮ふ、花粉、土、すす、灰、繊維、植物のかけらなどが複雑にまざった混合物だとされています。研究に使うときは、毛髪や小石や紙くずのような大きなものを1つずつ手で取りのぞいてから調べるそうです。だからほこりは「どこかから来たごみ」というより、家にある物の一部が形を変えたもの、と言ったほうが近いのです。

知っていると、なにがうれしいか そうじしても「なぜまたたまるのか」が分かる。

きょうためせること 太陽の光が細く差しこんでいる部屋で、光の中をのぞいてみよう。ふだんは見えないほこりが、光の中だけキラキラ動いて見える。窓を開けたときと閉めたときで、量がちがうかも見てみよう。

12月21日うちゅう

あしたは冬至。でも、日の入りがいちばん早い日は、もう終わっている?

はんつき まえいちばん はやいひのいりとうじいちばん みじかい ひるはんつき あといちばん おそいひので3つの いちばんは べつの ひ

どっちだと思う? 冬至の日が、日の入りもいちばん早い / 日の入りがいちばん早い日は、冬至より前

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終わっています。冬至は「昼がいちばん短い日」ですが、「日の入りがいちばん早い日」でも「日の出がいちばんおそい日」でもありません。国立天文台の説明によると、日の入りがいちばん早いのは冬至の半月ほど前、日の出がいちばんおそいのは冬至の半月ほどあとになります。

びっくり大事実! 冬至は「いちばん昼が短い日」。それは正しい。でも「いちばん早く暗くなる日」ではない。それは半月ほど前に、もう終わっている。そして「いちばんおそく明るくなる日」は、まだ半月先。3つの「いちばん」が、ぜんぶ別の日にあった。

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理由は2つあります。1つは太陽の高さ。冬至の日に太陽がいちばん低いところを通るので、昼がいちばん短くなります。もう1つは、太陽が空を動く速さが季節によって少しずつちがうこと。太陽が真南に来る時刻(南中時刻)が毎日わずかにずれていくため、日の出と日の入りは昼の長さだけでは決まりません。冬至のころは太陽の高さの変化が小さくなるので、この南中時刻のずれのほうが目立ちます。その結果、12月下旬から1月上旬にかけて、日の出の時刻がほとんど変わらない期間ができます。

知っていると、なにがうれしいか 「冬至を過ぎたのに、朝はまだ暗くなる」の理由が分かる。

きょうためせること 新聞やアプリで、今日と1週間後の日の出・日の入りの時刻をメモしてみよう。冬至を過ぎても、日の出はまだおそくなり続けているのが分かる。

12月22日ちきゅう

きょうは冬至。かぼちゃとゆず湯、記録が古いのはどっち?

1838ねんゆずゆの きろくえどじだいの ほんにめいじ より あとかぼちゃえどの ほんには ないおなじ ひに ならぶ 2つの ならわし

どっちだと思う? かぼちゃのほうが古い / ゆず湯のほうが古い

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ゆず湯のほうが、古い記録が残っています。1838年(天保9年)に出た江戸の年中行事の本『東都歳事記』に、冬至の日に銭湯でゆず湯をたく、と書かれています。いっぽう「冬至にかぼちゃ」は江戸時代の本には見あたらず、明治より後に広まった、比較的新しい習慣と考えられています。

びっくり大事実! 「冬至といえば、かぼちゃとゆず湯」。ところが江戸時代の本を開くと、ゆず湯は出てくるのに、かぼちゃは出てこない。約190年前の本に「きょうは銭湯でゆず湯をたく」と書いてある。同じ日にならぶ2つの習慣なのに、片方はずっとあとから仲間入りしたらしい。

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冬至には「ん」が2つつく食べ物を食べる、という言い方があります。なんきん(かぼちゃ)、にんじん、れんこん、ぎんなん、かんてん。「ん」が「運」に通じるという語呂合わせで、運盛りとよばれます。かぼちゃが選ばれた理由としては、夏にとれたものを冬まで保存できたこと、緑黄色野菜として栄養があることが挙げられます。ただし、これらは説であって、記録として確かめられているのはゆず湯のほうです。行事の由来は、言い伝えと、文字で残っている記録を分けて考えると見え方が変わります。

知っていると、なにがうれしいか 行事の話を「いつからあるのか」で考えられるようになる。

きょうためせること 家の人に「うちは冬至に何をする?」と聞いてみよう。地いきによって、あずきがゆやこんにゃくを食べるところもある。おじいさんおばあさんに聞くと、また別の答えが出てくるかもしれない。

12月23日いきもの

モミの木は、なぜ冬も緑のまま?葉を落とす木と、どちらが得なの?

じょうりょくじゅらくようじゅはの ざいりょうはやく 2ばい かかるでも さしひきはほぼ おなじやりかたが 2つ あるだけ

どっちだと思う? 常緑樹のほうが得 / どちらも、得はほぼ同じ

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得はほとんど同じです。京都大学の研究グループが、同じ場所に生えている常緑樹と落葉樹の葉を調べました。常緑樹は、冬にこおっても大丈夫なじょうぶな葉を作るので、落葉樹の約2倍の材料(炭素)がかかります。そのかわり長い期間その葉を使えるので、かかった分とかせいだ分の割合は、どちらもほぼ同じでした。

びっくり大事実! クリスマスツリーになる木と、まる裸で立っている木。どちらかがすぐれているのだと思っていた。ところが計算してみると、差し引きはほぼ同じだった。だから森には両方いる。いい方法が1つあるのではなく、やり方が2つあるだけだった。

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モミやスギやマツのような針のような葉は、表面積が小さく、外側がかたくて、水が出ていきにくい形をしています。だから寒さと乾燥に強い。逆にサクラやイチョウのような広い葉は、光をたくさん受けられるかわりに、寒さには弱い。冬にたえるか、冬をさけるか。まったくちがう2つの方法が同じ森で成り立っている理由が、この研究で説明されました。クリスマスツリーに針葉樹が使われるのも、冬に緑の葉が残っている木だからです。

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知っていると、なにがうれしいか 冬でも木の見分け方が1つ増える。

きょうためせること 家のまわりで、今も緑の葉をつけている木と、葉が全部落ちた木を1本ずつさがしてみよう。緑のほうの葉をそっとさわると、厚くてかたいことが分かる。

12月24日ちきゅう

クリスマス・イブの「イブ」は、何のこと?

ひのいりから かぞえると24にちの ゆうがた= もう 25にちひのいりいまの かぞえかたまよなかから1にちが はじまるイブは まえのひ ではなく さいしょの じかん

どっちだと思う? 「前の日」という意味 / 「夕方・晩」という意味

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「夕方・晩」のことです。英語の eve は evening(夕方)と同じ仲間のことばで、「前の晩」を指します。だから12月24日は「クリスマスの前の晩」。ハロウィンも同じつくりで、All Hallows' Eve(聖なる人たちの日の前の晩)がちぢまって Halloween になりました。

びっくり大事実! 日の入りから1日が始まる数え方だと、クリスマス・イブとクリスマスの朝は、同じ1日になる。イブは「前の日」ではなく、その日のいちばん最初の時間だったことになる。国立天文台のこよみの解説に、そう書いてある。イブは、フライングではなかった。

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ここから、こよみの話につながります。1日は、いつでも真夜中に始まると決まっているわけではありません。国立天文台の暦計算室によると、天体観測の途中で日づけが変わると不便なので、昔の天文学では正午から正午までを1日としていました。これを天文時といいます。また、夕方に見える細い月を新月とするこよみでは、日の入りが1日の始まりになります。この数え方だと、クリスマス・イブとクリスマスの朝は同じ1日になります。今でもイスラム暦やユダヤ暦は日の入りを基準にしています。日本でも、江戸時代のこよみでは真夜中から1日が始まることになっていましたが、人々の意識では夜明けが1日の始まりだったようです。

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知っていると、なにがうれしいか ハロウィンとクリスマス・イブが、同じつくりの名前だと分かる。

きょうためせること 「イブ」がつくことばを、ほかにさがしてみよう。New Year's Eve は何の前の晩か、考えてみよう。答えは1週間後の問いにも出てきます。

12月25日デジタル

イルミネーションの白い光は、なぜ最近まで作れなかった?

あかみどりあおここだけ 20ねん できずしろあおが できて はじめて しろが できた

どっちだと思う? ずっと前から作れた / 青いLEDができるまで、白い光は作れなかった

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青いLEDが作れなかったからです。光の三原色は赤・緑・青。LEDは1960年代に赤と黄緑ができましたが、青だけがどうしてもできませんでした。青がそろわないと、白い光は作れません。1980年代から90年代にかけて、日本の研究者が窒化ガリウムという材料で青色LEDを実現し、そこではじめて白いLEDの光ができたのです。

びっくり大事実! 12月の町を光らせている白い光は、1990年ごろまでこの世になかった。赤も緑もあったのに、青だけが20年以上できなかったからだ。「20世紀中は無理」と言われた青を作ったのは、日本の3人。イルミネーションの前に立つとき、あの白は、けっこう新しい色だ。

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この功績で、赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さんの3人が2014年のノーベル物理学賞を受賞しました。受賞の理由は「高輝度、省エネルギーの白色光源を可能とした高効率青色発光ダイオードの発明」。当時、青色LEDは「20世紀中の実現は不可能」とまで言われ、世界中の研究者が窒化ガリウムから手を引いていました。1989年に世界ではじめて青色LEDが実現します。LEDが省エネなのは、電気を熱にせず直接光に変えられるから。白熱電球は、電気の大部分が熱になってしまいます。

👤 これを調べた人の話
赤崎勇さんと天野浩さんは、世界中の研究者が手を引いた窒化ガリウムを選んで続けた。2人はのちに、うまくいかなかった実験も、その結果が次の研究の方向を決めるもとになったので決してむだではなかった、と語っている。うまくいかない日のほうが多い仕事だった。

知っていると、なにがうれしいか 目の前の光が、いつ生まれたものか分かる。

きょうためせること 家や町のイルミネーションを見て、白・青・赤・緑の色をさがしてみよう。白い光をよく見ると、少し青っぽいものと黄色っぽいものがある。同じ「白」でもちがう。

12月26日てんき

冬の晴れた日、遠くの山がくっきり見えるのはなぜ?

なつすいじょうきと ちりが おおいふゆすくないので くっきり

どっちだと思う? 冬は空気そのものがきれいだから / 冬は空気の中の水蒸気とちりが少ないから

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空気の中の水蒸気やちりが少なくなるからです。気象庁の説明では、空気がにごって見えるか澄んで見えるかは、空気中の水蒸気やちりが多いか少ないかで決まります。冬は気温が低く、空気の上下の動き(対流)も弱いので、水蒸気やちりが少なくなる。だから冬の空は夏より澄んで見えます。

びっくり大事実! 冬に遠くの山がくっきり見えるのは、山が近づいたからではない。空気から水蒸気とちりが減って、じゃまものがなくなったからだ。そしておもしろいことに、遠くがよく見える日ほど、その夜はよく冷える。景色がいちばんきれいな日と、朝がいちばん寒い日は、同じ日だったりする。

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遠くがどれくらい見えるかを視程(してい)といい、気象台でも観測しています。冬の晴れた日には、東京から富士山がはっきり見えることがあります。星がよく見えるのも同じ理由です。ここで1つつながる話があります。雲がなくて水蒸気が少ないということは、地面の熱が空へ逃げやすいということでもある。これを放射冷却といいます。だから、遠くがよく見える日ほど、その夜はよく冷えこみます。しかも冷えこんだ夜は、音も遠くまで届きやすくなります。

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知っていると、なにがうれしいか 「今日は遠くが見える」から、夜の冷えこみが読める。

きょうためせること 晴れた日に、いちばん遠くに見える建物か山を1つ決めておこう。日によって見えたり見えなかったりする。よく見えた日は、次の朝の気温をたしかめてみよう。

12月27日もの

おもちは、なぜあんなにのびる?

アミロースまっすぐアミロペクチンえだわかれ して からみあうもちごめは えだわかれ だけ だから のびる

どっちだと思う? もち米のつぶが大きいから / もち米のでんぷんの形がちがうから

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もち米と、ふつうのごはんのお米(うるち米)では、でんぷんの形がちがうからです。でんぷんには、まっすぐつながったアミロースと、枝分かれしたアミロペクチンの2種類があります。もち米のでんぷんはアミロペクチンだけ。枝分かれの多いでんぷんは、たがいにからみ合うので、よくのびます。

びっくり大事実! もち米とふつうの米は、見た目がそっくりで、育つ場所も同じ。ちがいは、中のでんぷんのつながり方が「まっすぐ」か「枝分かれ」かだけ。たったそれだけのちがいで、片方はごはんになり、片方はぐんぐんのびる。

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農研機構によると、もち米のでんぷんはすべてアミロペクチンで、アミロースの割合は0パーセント。日本の一般的なうるち米は、アミロースが17から23パーセント入っています。アミロースが少ないほど、ねばりが強いごはんになります。この2つの中間の「低アミロース米」(アミロース3から17パーセントほど)という品種もあり、ふつうのうるち米よりよくねばり、冷めてもかたくなりにくいので、おにぎりやお弁当に向いています。ついたときに強い力が加わると、でんぷんのつぶがこわれて中身が外に出て、全体がつながる。だからのびるのです。

知っていると、なにがうれしいか 台所の食べ物のちがいが、目に見えないつくりのちがいだと分かる。

きょうためせること おもちを食べるとき、のびるようすをよく見てみよう。用意はおうちの人にたのんで、小さく切って、よくかんで食べること。のどにつまらせないよう気をつけて。

12月28日もの

年こしそばは、なぜ切れやすい?

そばこ だけきれやすいそばこ 8 + こむぎこ 2グルテンが つなぐながく するために つなぎを いれている

どっちだと思う? そばの実がかたいから / そば粉には、麺をつなぐしくみがないから

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そば粉には、小麦粉のようなグルテンができないからです。グルテンは、小麦粉に水を加えてこねるとできる、網のような形のたんぱく質。これが粉どうしをつなぎ、コシを出します。そば粉だけではこれができないので、麺がばらばらになりやすい。そこで小麦粉を「つなぎ」として入れます。

びっくり大事実! 年こしそばは「細く長く」と言うけれど、そばはうどんやラーメンにくらべて、とても切れやすい。長くつなげるために、わざわざ小麦粉を2わり混ぜている。長く生きることを願う麺が、じつはいちばん切れやすい麺だった。

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そば粉8に小麦粉2の割合で作るものを二八そば、そば粉だけのものを十割そばといいます。小麦粉をつなぎに使う記録は江戸時代までさかのぼります。1668年(寛文8年)の『料理塩梅集』に、夏はそばがつながりにくくなるのでうどん粉を入れるとよい、と書かれていて、これが今のところいちばん古い記録とされています。小麦粉を多くするほど切れにくくなりますが、そばらしい「ほろっと切れる」感じは弱まります。つなぎの量は、切れにくさとそばらしさのつり合いで決まっているのです。

知っていると、なにがうれしいか 台所やお店で言う「つなぎ」の意味が分かる。

きょうためせること ゆでる前のそばとうどんを1本ずつ、おうちの人に分けてもらって、両手でそっと引っぱりくらべてみよう。折れ方がちがう。

12月29日ちきゅう

初日の出がいちばん早いのは、日本のいちばん東?

いぬぼうさきふじさん さんちょうたいようたかい ところほど さきに みつけられるにほんの だいぶぶんは 1じかんの はば

どっちだと思う? いちばん東の場所がいちばん早い / いちばん東とはかぎらない

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いちばん東とはかぎりません。この時期の日の出は、北東へ行くほどおそく、南西へ行くほど早くなる向きがあります。太陽が真東より南寄りから昇るからです。国立天文台の説明によると、札幌は京都よりずっと東にあるのに、このころの日の出の時刻は京都とほぼ同じになります。

びっくり大事実! 初日の出がいちばん早い場所は、日本のいちばん東ではない。平地なら千葉県の犬吠埼。でも高さを入れると、富士山の山頂のほうが早くなる。まわりより高いところに立つだけで、地平線の先をのぞきこめてしまうからだ。3776メートルの高さは、時間を少し先取りする。

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国立天文台の暦計算室によると、日本の中で初日の出がいちばん早いのは太平洋上の島々です。北海道・本州・四国・九州の平地では、千葉県の犬吠埼がいちばん早い。そして標高も考えに入れると、富士山の山頂がいちばん早くなります。高い場所ほど、地平線の向こうにある太陽を先に見つけられるからです。日本の大部分は、日の出の時刻がだいたい1時間ほどの幅におさまっています。だからこそ、日本中の人がほぼ同じ時間に初日の出を見ることができるのです。

知っていると、なにがうれしいか 初日の出を見に行く場所と時間を、自分で計画できる。

きょうためせること 元日の日の出の時刻を、住んでいる町と、東京と、札幌でくらべてみよう。思ったほど差がないことに気づくはず。

12月30日デジタル

大みそかのカウントダウン。あの「0時」は、だれが決めているの?

げんし どけいこがねいひょうじゅん でんぱJJYいえの とけいおおみそかの 0じは ここで つくられる

どっちだと思う? テレビ局が決めている / 研究所の原子時計が決めている

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情報通信研究機構(NICT)という国の研究所です。東京都小金井市にある建物の中で、セシウム原子時計や水素メーザという時計をいくつも動かし、それらの時刻を1時間に1回、平均してまとめています。こうして作られた時刻が日本標準時。テレビもスマホも、もとをたどればこの時刻に合わせています。

びっくり大事実! 大みそかの「5、4、3、2、1」のうしろには、東京・小金井の建物の中で動いている原子時計がいる。しかも、地球の自転のほうが少しずつずれるので、ときどき1秒をたす「うるう秒」が入る。その1秒を入れる日の第一候補は、1月1日の朝9時の直前。つまり、大みそかの夜の続きだ。

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この時刻は、標準電波JJYとして電波でも流されています。送信所は、福島県のおおたかどや山(40キロヘルツ)と、福岡県と佐賀県にまたがるはがね山(60キロヘルツ)の2か所。電波時計は、この電波を受け取って自分で時刻を直しています。正確さは13けた(1×10のマイナス13乗)の桁。2018年からは神戸にも副局があり、災害で本部が止まっても日本標準時が止まらないようにしてあります。おもしろいのは、地球の自転のほうが少しずつずれるので、それに合わせて1秒をたし引きする「うるう秒」があること。日本での調整日の第一候補は、1月1日の朝9時の直前です。

知っていると、なにがうれしいか 「正しい時刻」がどこから来ているのか分かる。

きょうためせること 家にある電波時計をさがしてみよう。うらや説明書に「JJY」や「40kHz」「60kHz」と書いてあるはず。それが、福島か福岡から届いている電波です。

12月31日うちゅう

1年は、なぜ365日と「少し」なの?

たいようのこり やく 6じかん365にち では まだ 1しゅう していない4ねんで 1にち たまる = うるうどし

どっちだと思う? ぴったり365日で1周している / 365日では、まだ1周し終わっていない

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地球が太陽のまわりを1周する時間が、365日ぴったりではないからです。国立天文台によると、1太陽年は約365.2422日。365日たっても、まだ0.2422日ぶん、およそ6時間足りません。この6時間が4年でほぼ1日たまるので、4年に1度うるう年を入れて、つじつまを合わせています。

びっくり大事実! 今夜0時に、新しい年が始まる。でも地球のほうは、まだ1周し終わっていない。あと6時間ほど残している。つまり私たちは毎年、少し早めに「あけましておめでとう」と言っている。そのずれをまとめて返す日が、4年に1度の2月29日だ。

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それでも完全ではありません。4年に1度だけだと入れすぎになるので、今のグレゴリオ暦では400年に97回にしています。平均すると1年は365.2425日。本当の365.2422日とは、まだ0.0003日ちがいます。だから2100年、2200年、2300年はうるう年ではありません(2000年はうるう年でした)。国立天文台の暦計算室は、もっと正確にする案をいくつも紹介していますが、長く続いてきたしくみを変えるのは簡単ではない、とも書いています。1年の長さを見つけることは、農作業の計画のために大昔からとても大事なことでした。

知っていると、なにがうれしいか 4年に1度の2月29日の意味と、今夜の「あと6時間」が分かる。

きょうためせること 家のカレンダーで、次のうるう年(2028年)をさがしてみよう。そのあと、2100年がうるう年かどうかを考えてみよう。

1月1日うちゅう

元日の日の出は、1年でいちばんおそい?

12月上じゅん12月21日ごろ1月上じゅん日の入りがいちばん早いひるがいちばん短い日の出がいちばんおそい3つとも べつの日

どっちだと思う? 冬至の日に、日の出もいちばんおそい / 日の出がいちばんおそいのは、冬至より あと

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いちばんおそい日は、だいたい1月の上じゅんです。だから元日は、いちばんおそいころに入っています。国立天文台によると、昼がいちばん短い日は冬至(12月21日ごろ)ですが、日の出がいちばんおそい日は冬至の半月ほどあと。日の入りがいちばん早い日は、逆に冬至の半月ほど前です。冬至の日に3つがそろっているわけではありません。

びっくり大事実! 冬至は「昼がいちばん短い日」。でも「日の出がいちばんおそい日」でも「日の入りがいちばん早い日」でもない。3つとも別の日だ。1年でいちばん暗い日は、実は3回に分かれてやってくる。

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どうしてずれるのか。理由は2つあります。1つめは、太陽の通り道(黄道)が天の赤道に対して23.4度かたむいていること。2つめは、地球が太陽のまわりを回る道が真円ではなく、少しつぶれた形をしていることです。この2つのせいで、太陽が真南に来る時刻(南中時刻)が1年のあいだで前後します。冬至の前後は、その南中時刻がどんどんおそくなっていく時期にあたります。南中時刻は日の出と日の入りのほぼまん中なので、まん中がおそいほうへずれれば、日の出も日の入りもいっしょにおそいほうへ引っぱられます。だから冬至をすぎて昼が長くなり始めても、しばらくは日の出だけがおくれ続けるのです。12月21日に読んだ「日の入りがいちばん早い日はもう終わっている」の、ちょうど反対がわの話です。

👤 これを調べた人の話
日の出の時こくは、だれかが外に出て見はっているわけではありません。国立天文台が、地球と太陽の動きから計算して出しています。空に雲があっても、ビルがじゃまでも、計算の答えは変わりません。「見えなくても分かる」というのが、天文学のいちばん強いところです。

知っていると、なにがうれしいか 元日の朝、家族に「きょうは1年でいちばん日の出がおそいころなんだよ」と言える。しかも理由まで言える。

きょうためせること 新聞やアプリで、1月1日と1月10日の日の出の時こくを見くらべてみよう。ほとんど同じか、1月上じゅんのほうがおそいはずです。同じ日の日の入りは、もう5分くらいおそくなっています。

1月2日もの

おせちが何日も日もちするのは、なぜ?

水が つかえるしおと さとうが とりこむ水はある。でも つかえない

どっちだと思う? 味がこいと、ばいきんが にがいと感じて にげる / 味がこいと、ばいきんが使える水が へる

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塩や砂糖やお酢が、食べ物の中の水を使えなくするからです。ばいきんも生きものなので、育つには水がいります。ところが、まわりに塩や砂糖がたくさんあると、水はそちらに引きよせられて、ばいきんが使える水が減ります。水が足りないとばいきんは増えられません。冷ぞう庫がなかった時代に、正月の三が日を台所を休んで過ごすために考えられた作り方です。

びっくり大事実! ばいきんは、水の中にいるのではなく、水を飲んでいる。だからおせちは、水をなくしたのではなく「取られないように、砂糖と塩で先に予約してある」。栗きんとんの甘さは、味つけのふりをした、ばいきんへの通せんぼだ。

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水そのものは残っているのに、使えない、というところが面白いところです。食品を調べるときは「水分がどれだけあるか」ではなく「そのうちどれだけが自由に動けるか」を見ます。これを水分活性といいます。同じ湿りぐあいに見えても、砂糖づけの栗きんとんと、ゆでただけのいもでは、使える水の量がまったくちがいます。かずのこや昆布巻きが塩からいのも、黒豆があまいのも、味つけであると同時に、日もちの仕組みそのものなのです。だから薄味にすると、おいしくても早くいたみます。ジャムや梅ぼしや干物も、まったく同じ理屈で持たせています。

知っていると、なにがうれしいか ジャム、梅ぼし、干物、塩ざけ。日もちする食べ物が、全部ひとつの理由でつながって見えるようになる。

きょうためせること 家におせちが残っていたら、どの料理がいちばん味がこいか、順番をつけてみよう。こい順が、だいたい日もちする順になっているはずです(生ものはのぞく)。

1月3日デジタル

年賀状の手書きの数字を、機械はどうやって読んでいるの?

980ねんがじょうマスの こさ9 かな4 かな多いほうにきめる形を 数字にして くらべている

どっちだと思う? 形を見て「7っぽい」と考えている / 点の明るさの数字にして、計算でくらべている

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数字の形を、たくさんの点の明るさの数字に置きかえて、これまで見た何万通りもの書き方と見くらべています。人が読むように「7っぽいな」と考えているのではなく、点の並び方が7のなかまにどれくらい近いかを計算しています。だから、少しくずれた字でも読めるし、ときどきまちがえます。

びっくり大事実! 機械は「7」を知らない。知っているのは「これまで7だと教わった何万通りの点の並び」だけ。つまり年賀状の数字は、読まれているのではなく、投票で決められている。あなたの1は、世界中の1に多数決で似ていると判定されて、ようやく1になる。

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郵便番号の7けたは、はがきの決まった場所にある赤い枠の中に書きます。この枠には意味があって、機械は「ここに数字がある」と分かった状態から始められます。どこに字があるかを探すところが、いちばん難しいからです。次に、1文字ぶんを小さなマス目に区切り、マスごとの黒さを数字にします。この数字の列が、その文字の特ちょうです。あとは、正解が分かっている大量の手書き数字とくらべて、いちばん近いなかまを選びます。近ごろは、この見くらべの部分をAIが担っています。読み取れなかったはがきは人が見ます。だから、枠からはみ出したり、5と6を続け字で書いたりすると、そのぶん配達に時間がかかります。ていねいに書くことには、ちゃんと理由があるのです。

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知っていると、なにがうれしいか なぜ枠の中にていねいに書くのかが、自分で説明できるようになる。書き直しをたのまれても、納得して直せる。

きょうためせること 年賀状を出す前に、自分で書いた0から9の数字を、目を細めて遠くから見てみよう。1と7、4と9、3と8。遠目で見分けにくい組み合わせが、機械にとっても難しいところです。

1月4日ちきゅう

温泉のお湯は、だれがあたためているの?

マグマの ねつあまみずおんせんふかいほど あつい

どっちだと思う? 火山のふん火のときだけ、あたたまる / 地球の内部の熱で、いつもあたためられている

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地球そのものです。地面の下は、深くなるほど温度が上がります。日本は火山が多いので、地下にたまったマグマの熱が上のほうまで伝わっているところがあります。そこにしみこんだ雨水があたためられ、地上にわき出したものが温泉です。ボイラーではなく、地球の内部の熱で沸かしたおふろだと考えると分かりやすいです。

びっくり大事実! 温泉のお湯は、あなたが生まれるずっと前に降った雨かもしれない。地面にしみこみ、何十年もかけて地下をめぐり、地球の熱であたためられて、いま出てきている。ふろおけ1杯ぶんの湯を、地球が何十年もかけて用意していたことになる。

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地球の中が熱い理由は2つあります。1つは、地球ができたときの熱がまだ残っていること。もう1つは、地下の岩の中にふくまれる放射性の物質が、少しずつこわれるときに熱を出し続けていることです。この熱がプレートを動かし、火山を作り、地震を起こしています。9月29日に読んだ「日本に山が多いのはなぜか」と、根っこは同じ熱です。つまり温泉と山と地震は、同じ地球の熱から生まれた三つ子のようなものです。火山のないところにも温泉はあります。その場合は、深く掘って地下の温度そのものを利用しています。日本の温泉が多いのは、たまたまではなく、日本がプレートのぶつかるところにあるからです。

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知っていると、なにがうれしいか 温泉に行ったとき、湯ぶねの中で「この熱はどこから来たか」を家族に説明できる。しかも、地震の話とつながっている。

きょうためせること 温泉に行ったら、入り口の掲示に書いてある源泉の温度を見てみよう。その温度は、だれもガスで沸かしていない温度です。地面の下から、その温度で出てきています。

1月5日いきもの

冬眠しているクマは、ずっとねているだけ?

クマ 体温は あまり下がらないヤマネ体温が 5どまでおなじ とうみんでも べつもの

どっちだと思う? 体温がうんと下がって、さわっても起きない / 体温はあまり下がらず、物音がすれば起きられる

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ぐっすりねむり続けているわけではありません。クマの冬眠は、体温がそれほど大きく下がらず、物音がすれば起きられる状態です。しかもメスは、この冬ごもりの間に子どもを産んで育てます。同じ「冬眠」という言葉でも、ヤマネやコウモリのように体温が外の気温近くまで下がって、さわっても起きないタイプとは別ものです。

びっくり大事実! クマは、何か月も食べず飲まず、トイレにも行かないのに、春に出てきたときも歩ける。人間が同じことをしたら、立ち上がることすらできない。しかも、その間に子どもを産んで育てている。世界一忙しい「ねているだけ」だ。

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生きものが冬をこす方法は、大きく3つに分かれます。1つめは、体温をぐっと下げて、心ぞうの動きも呼吸もうんと減らすタイプ。ヤマネやコウモリがこれで、体温が5度くらいまで下がることもあります。2つめが、クマのように体温をあまり下げず、代わりに食べず飲まず出さずで何か月も過ごすタイプ。冬ごもりと呼び分けることもあります。3つめが、そもそも眠らずに冬を活動して過ごすタイプで、キツネやタヌキがこれです。クマがすごいのは、何か月も動かないのに筋肉があまりおとろえないことです。人が何か月も寝たきりになれば筋肉は大きく減ります。この仕組みは、宇宙で長く過ごす人の体を守る研究とも結びついていて、いまも調べられているところです。

👤 これを調べた人の話
クマがなぜ筋肉をなくさないのかを調べている研究者がいます。もし仕組みが分かれば、長く入院した人や、宇宙で長く過ごした人の体を守れるかもしれないからです。冬の山で寝ている動物の研究が、宇宙飛行士の役に立つかもしれない。研究のおもしろさは、こういうところにあります。

知っていると、なにがうれしいか 「冬眠」がひとつではないと知っていると、動物園でも図鑑でも、見えるものが増える。

きょうためせること 動物園のクマの説明板に、冬の様子が書いてあることがあります。読んでみよう。飼われているクマは、えさがあるので冬眠しないこともあります。それも「なぜか」を考える材料になります。

1月6日てんき

雪の結しょうは、なぜ六角形なの?

かならず 六角形温度と 水じょうきで 形が かわる雪は 天からの てがみ

どっちだと思う? 風でけずられて、六角形になる / 水の粒が、六角形に並びやすいから

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水の粒どうしが、六角形に並びやすい形をしているからです。水がこおるとき、粒はでたらめにくっつくのではなく、決まった角度でつながります。その角度でつながっていくと、自然に六角形の板になります。だから、どこで降った雪も、だれも見ていない雪も、六角形の親せきの形になります。

びっくり大事実! 降ってきた雪の形を見ると、その雪が空のどのあたりで、何度くらいのところを通ってきたかが分かる。つまり雪は、上空の天気の記録を自分の体に書いて落ちてくる。手のひらの上でとける数秒間だけ読める、消えるインクの手紙だ。

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面白いのは、六角形なのに、まったく同じ形がほとんどないことです。結しょうの育ち方は、雲の中の温度と、水蒸気の量で変わります。細長い針のようになるか、平たい板になるか、枝がびっしり出た星形になるか。この対応を表にまとめたのが、中谷宇吉郎という日本の物理学者です。中谷は1936年3月12日、北海道大学の低温の実験室で、うさぎの毛の先に世界で初めて人工の雪を作りました。ビーカーの水をあたためて水蒸気を上げ、冷やして毛の先に結しょうを育てるという装置です。温度と水蒸気の量を変えると形が変わることを確かめ、その関係を1枚の表にしました。いまは中谷ダイヤグラムと呼ばれています。ここまで来ると、降ってきた雪の形を見れば、その雪が育った雲の中がどんな様子だったかを読み取れます。中谷はこれを「雪は天から送られた手紙である」と言いあらわしました。

👤 これを調べた人の話
中谷宇吉郎は、アメリカの農家の人が撮った雪の結しょうの写真集を見て、その美しさに心を動かされ、研究を始めました。きれいだと思ったところから始まって、世界で初めて人工の雪を作るところまで行ったのです。「きれいだな」は、りっぱな研究の出発点になります。

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知っていると、なにがうれしいか 雪の日に外に出る理由ができる。しかも、見るところが決まっているので、ちゃんと見つかる。

きょうためせること 雪の日に、こい色のフリースやマフラーを外に出して、そこに落ちた雪を見てみよう。手ぶくろの上でもよい。息がかかるととけるので、少しはなれて見ること。虫めがねがあれば、六本の枝が見えます。

1月7日いきもの

春の七草は、どこにでも生えている草?

のの草 5つカブと ダイコン七草は 草5つ + やさい2つふゆは 地めんに ぺったり

どっちだと思う? 7つとも、畑で育てる野菜 / 5つは野の草で、2つは野菜

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半分くらいは、いまも道ばたや畑のすみで見つかります。セリ、ナズナ(ぺんぺん草)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ(コオニタビラコ)、ゴギョウ(ハハコグサ)は野の草です。残りのスズナはカブ、スズシロはダイコンで、こちらは畑の野菜。つまり七草がゆは、野の草5つと野菜2つの組み合わせです。

びっくり大事実! 七草がゆに入っている「すずしろ」は、ダイコンだ。つまり毎年1月7日、日本中の食卓で、あの太いダイコンが草あつかいされている。しかもそれで正解である。

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なぜ1月7日に草を食べるのか。むかしの暦では、いまの2月ごろにあたります。雪の下から真っ先に出てくる緑を、1年のはじめに体に入れるという意味がありました。冬のあいだ、生の葉ものがほとんど手に入らなかった時代の知恵でもあります。植物の側から見ると、この5つはどれもロゼットという形で冬をこします。地面にぺったりと葉を広げ、真上から見ると花びらのように放射状に並んでいる形です。上に伸びないので風に強く、地面の熱をもらえて、日光もむだなく受けられます。背を伸ばすのは春まで待ち、冬は低く広がる。この作戦をとる草は七草以外にもたくさんあり、タンポポもそのなかまです。

知っていると、なにがうれしいか 1月7日の朝、家族に「これ、5つは草で2つは野菜だよ」と言える。しかも、どれがどれかまで分かる。

きょうためせること 公園や校庭のはしっこで、地面にぺったり広がった葉を探してみよう。真上から写真を撮ると、放射状に並んでいるのがよく分かります。これがロゼットです。冬の間はどれも背が低いので、しゃがまないと見つかりません。

1月8日うちゅう

冬の星が、とくによく見えるのはなぜ?

1とうせいは 空ぜんぶで 21こそのうち 7こが ふゆの空に

どっちだと思う? 冬は星が地球に近づいている / 冬は空気がかわいていて、明るい星も多い

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理由は3つあります。1つめは、冬は空気がかわいていて、水蒸気が少ないので、光がにごりにくいこと。2つめは、日が暮れるのが早いので、子どもでも起きている時間に暗くなること。3つめは、冬の方角にたまたま明るい星が集まっていることです。よく見えるようになったのではなく、見える条件が3つ重なるのが冬なのです。

びっくり大事実! 空全体で、いちばん明るい1等星はたった21個しかない。そのうち7個が、冬の夜に同じ空へ上がってくる。1年のうちのこの数か月だけ、空はふだんの3倍ぜいたくになる。

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3つめの「たまたま」を、もう少し。星は空にまんべんなく散らばっているわけではありません。1等星は空全体で21個しかなく、そのうち冬の夜に見えるものが特に多くなっています。オリオン座のベテルギウスとリゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のポルックス。この並びが冬の夜空に一度に上がってきます。だから冬は、星座を覚えるのにいちばんよい季節です。1つめの空気の話は、12月26日に読んだ「遠くの山がくっきり見えるのはなぜか」と同じ理由です。山がよく見える日は、星もよく見えます。ただし、星がまたたいて見えるのは上空の空気がゆれているからで、こちらは冬のほうが強くなります。よく見えるのに、よくまたたく。この2つは別のことです。

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知っていると、なにがうれしいか 「冬は星がきれい」と言われる理由を、感想ではなく理由として3つ言える。

きょうためせること 晴れた冬の夜に、家の外へ5分だけ出てみよう。まず目を暗さに慣らすため、スマホの画面を見ないで3分待つこと。それから南の空を見上げると、さっきまで見えなかった星が増えています。

1月9日からだ

冬に出る白い息は、息が白いから?

白いのは 空気ではなく 水のつぶじぶんで作った 小さな雲

どっちだと思う? 息の中の空気が、白い色をしている / 息の中の水蒸気が、冷えてつぶになっている

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息そのものは白くありません。白く見えているのは、水のつぶです。体から出た息はあたたかく、水蒸気をたっぷりふくんでいます。それが外の冷たい空気に出たしゅん間に冷やされ、目に見えないままではいられなくなって、小さな水のつぶになります。そのつぶが光を散らすので、白く見えます。雲や湯気とまったく同じ仕組みです。

びっくり大事実! 白い息は、あなたが作った雲だ。しかも、ふつうの雲とまったく同じ作り方でできている。ちがうのは大きさと、寿命が3秒しかないことだけ。冬の朝、通学路は小さな雲でいっぱいになっている。

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あたたかい空気は水蒸気をたくさん持てて、冷たい空気は少ししか持てません。だから、あたたかい息が急に冷やされると、持ちきれなくなった水蒸気があまって、つぶになります。この「持ちきれる量」を飽和水蒸気量といいます。12月19日に読んだ「まどがくもる」も、12月3日ごろの結ろの話も、根っこはこれです。息が白くなるかどうかは、気温だけでは決まりません。同じ0度でも、外の空気がすでに湿っていれば白くなりやすく、からからにかわいていれば白くなりにくい。だから「今日は白くならないから、そんなに寒くないね」は、正しくないことがあります。寒さではなく、湿りぐあいを見ているのです。

知っていると、なにがうれしいか 「白い息が出ない日=あたたかい日」ではないと分かる。天気予報の湿度の欄を見る理由ができる。

きょうためせること 外で息をはいたあと、その白いかたまりが何秒で消えるかを数えてみよう。日によってちがいます。長く残る日は、まわりの空気がすでに湿っている日です。

1月10日てんき

霜柱は、なぜ土の中から「生えて」くるの?

上は ふるい氷下は あたらしい氷下から おし上げられる

どっちだと思う? 空から降った雪が、土にささっている / 土の中の水が、下からこおり続けている

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土の中の水が、下から次々にすい上げられて、地面のすぐ下でこおり続けるからです。まず地面近くの水がこおります。すると、そのすぐ下の水がすい上げられてきて、こおった氷の下にくっついてこおります。これがくり返されると、氷の柱が下へ下へと足されていき、結果として上へおし上げられます。上から降ってきたのではなく、下から生えているのです。

びっくり大事実! 霜柱は、上にのびているのに、新しい氷は下にできている。つまり、あの柱はところてんのように下からおし出されている。踏んだときのサクッという音は、ゆうべ一晩かけて下から積み上げられた氷が、一瞬でこわれる音だ。

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だから霜柱は、どこにでもできるわけではありません。3つの条件がいります。1つめは、土がしめっていること。2つめは、水を細いすき間で上へ運べる土であること。3つめは、地表が0度より下がり、少し下は0度より上であること。しめった畑や公園の土ではよくできるのに、アスファルトの上には絶対にできないのはこのためです。よく見ると、霜柱の柱は、たいてい上のほうが古く、下のほうが新しい氷です。上に土のかけらが乗ったまま持ち上がっていることもあります。同じ仕組みが大きく起きると、道路や建物の土台を持ち上げてこわすことがあり、これを凍上といいます。寒い地方の道路工事では、この対策がとても大事です。踏むと気持ちのよいあの音は、道路をこわす力と同じ力です。

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知っていると、なにがうれしいか 霜柱がどこにできてどこにできないかを、見る前に予想できる。ねらった場所で見つかると、うれしい。

きょうためせること よく晴れて冷えた朝、公園の日かげの土を探してみよう。見つけたら、踏む前に横から見ること。細い柱が何本も立って並んでいるのが分かります。それから踏むと、音が変わります。

1月11日もの

きょうは鏡開き。鏡もちは、なぜカチカチになるの?

つきたて 水を かかえているならび直して 水を はき出す

どっちだと思う? 水が完全になくなって、石のようになった / でんぷんが並び直して、水をはき出した

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水がぬけたことと、もちの中のでんぷんの並び方が変わったことの両方です。つきたてのもちの中では、でんぷんがばらばらにほどけていて、水をかかえこんでいます。時間がたつと、ほどけていたでんぷんがまた並び直し、かかえていた水をはき出します。その水が表面から蒸発していくので、外側からかたくなります。

びっくり大事実! ごはんがいちばん早くかたくなる温度は、実は冷ぞう庫の中だ。あたたかい部屋に置くよりかたくなる。おにぎりを冷ぞう庫に入れた翌朝のあの残念な食感には、ちゃんと科学の名前がついている。

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このでんぷんが並び直すことを、老化といいます。年をとるという意味ではなく、生のでんぷんに近い並びに戻る、という意味です。ごはんが冷えるとかたくなるのも、パンが翌日ぱさつくのも、同じことが起きています。おもしろいのは、この老化がいちばん進みやすいのが0度から5度くらい、つまり冷ぞう庫の中の温度だということです。だからごはんを冷ぞう庫に入れると、常温よりかたくなります。逆に、冷とう庫のようにぐっと下げると、並び直すひまがないので老化が止まります。あたためると、並んだでんぷんがまたほどけて、やわらかさが戻ります。鏡開きでかたくなったもちを焼くと食べられるのは、このためです。なお鏡もちは、刃物で切らずに手や木づちで割る決まりになっています。

知っていると、なにがうれしいか ごはん、パン、もち。かたくなる食べ物が、ひとつの理由でつながる。しかも、冷ぞう庫に入れるかどうかの判断に使える。

きょうためせること 炊きたてのごはんを少しだけ小皿に取り、ラップをせずに置いて、1時間後、3時間後にさわってみよう。表面のかたさが変わっていきます。同じごはんをラップして置いたものと見くらべると、水がぬけることの効きめが分かります。

1月12日ちきゅう

高い山の上は、なぜ夏でも寒いの?

空気が うすい=ひろがって さむいこい1000mで 6どから10ど 下がる

どっちだと思う? 山の上は、太陽に近いのに寒い理由がある / 山の上は、太陽から遠いから寒い

こたえを見る

太陽に近いからではありません。空気は、上へ行くほどうすくなります。うすいということは、同じ場所にある空気の量が少ないということ。空気は上へのぼるときに広がり、広がるときに温度が下がります。だから高いところの空気は冷たいのです。高さが1000メートル上がるごとに、だいたい6度から10度くらい下がります。

びっくり大事実! 太陽までの距離はおよそ1億5000万キロ。富士山に登っても、近づけるのは3776メートル、つまり全体の4万分の1にもならない。「太陽に近いから暑いはず」という考えは、桁がまったく足りていない。

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広がると冷える、というのが分かりにくいところです。空気の温度は、粒がどれだけはげしく動いているかで決まります。空気のかたまりが上へ行くと、まわりの気圧が下がるので、かたまりはふくらみます。ふくらむとき、かたまりはまわりの空気をおしのける仕事をします。仕事をしたぶん、粒の動きの元気がへる。だから温度が下がるのです。スプレー缶を続けて使うと缶が冷たくなるのも、中の気体が急に広がるからで、まったく同じことです。反対に、山を越えて下りてきた空気はおしちぢめられて温度が上がります。冬に太平洋側がかわいて晴れるのは、12月17日に読んだとおり、この下りてくる空気のせいでもあります。富士山の山頂は、真夏でも平均すると10度に届きません。

知っていると、なにがうれしいか 山に登るとき、ふもとより何度低いかを自分で見つもれる。持っていく上着を自分で決められる。

きょうためせること シュッと出すタイプのスプレー(水でよい)を10秒ほど続けて出し、缶の側面をさわってみよう。冷たくなっています。中の気体が広がって温度が下がった、そのままの現象です。

1月13日デジタル

動画は、なぜ「動いて」見えるの?

とまった絵を 1びょうに 30まい動いているのは 見ている がわ2時間の えいがで 20まんまい いじょう

どっちだと思う? 絵が本当に動いている / 止まった絵を、速く切りかえている

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止まった絵を、1秒間に何十枚も切りかえているだけです。テレビやスマホの動画は、ふつう1秒に30枚ほど。ゲームだと60枚のこともあります。人の目と脳は、それだけ速く切りかわると、1枚ずつを別のものとして見分けられず、つながって動いているように感じます。動いているのは、画面ではなく、見ている側の受け取り方です。

びっくり大事実! 2時間の映画には、静止画がおよそ20万枚以上入っている。つまり映画館では、2時間かけて20万枚のパラパラまんがを見せられている。1枚も見のがさずに見た人は、まだ1人もいない。

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パラパラまんがも映画も、原理はまったく同じです。ちがうのは1秒あたりの枚数だけ。枚数が少ないとカクカクして見え、多いとなめらかに見えます。ではいくらでも増やせばよいかというと、そうでもありません。枚数を増やすと、送るデータの量も、計算する量も増えます。だから動画のアプリは、まったく同じ絵を毎回送るのではなく、前の絵からどこが変わったかだけを送るという工夫をしています。動きの少ない場面ではデータが小さく、はげしく動く場面では大きくなるのはこのためです。通信が弱いときに、動きの多い場面だけ画質が落ちるのを見たことがあるかもしれません。あれは、変わった部分が多すぎて送りきれていない状態です。

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知っていると、なにがうれしいか 通信が弱いときに、なぜ動きの多い場面だけ画質が落ちるのかが分かる。

きょうためせること ノートのはしに、少しずつ形を変えた絵を10枚描いて、パラパラめくってみよう。ゆっくりめくると別々の絵、速くめくると動いて見えます。動いて見え始める速さが、自分の目の境目です。

1月14日てんき

つららは、なぜ下にのびるの?

ひるに とけてよるに こおるさむすぎる日は のびない

どっちだと思う? 空気中の水蒸気が、直接こおって育つ / とけた水が、落ちるとちゅうでこおる

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とけた水が、したたり落ちるとちゅうでこおるからです。屋根の上の雪は、日光や建物の熱で下のほうから少しとけます。その水が屋根のはしまで流れ、たれ下がったところで冷たい空気に当たってこおります。次の水がその上を流れて、また先でこおる。これがくり返されて、下へ下へとのびていきます。

びっくり大事実! つららは、寒ければ寒いほど育つわけではない。氷点下20度の日には、ほとんどのびない。とけないと、こおる材料が作れないからだ。つららは、寒さとあたたかさの両方がないと生まれない、めずらしい氷である。

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つららができるには、とける条件とこおる条件が同時にいります。まったく寒すぎると水がとけないのでできません。あたたかすぎても、こおらないのでできません。だから、つららは真冬の一番寒い日ではなく、日中に少しゆるんで夜に冷える日にできやすいのです。よく見ると、つららの先には水のしずくがついたままこおっていて、内側に細い空どうがあることがあります。水が中を通って先へ運ばれた跡です。氷は下向きだけでなく、太さも増していきます。だから長いつららは重くなります。屋根から落ちるつららは危険で、雪国では落雪と合わせて注意が呼びかけられます。きれいだと思っても、真下に立たないこと。これは知識ではなく、身を守るための約束です。

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知っていると、なにがうれしいか つららができる日を予想できる。そして、真下に立ってはいけない理由を自分の言葉で説明できる。

きょうためせること つららを見つけたら、真下ではなく横から観察しよう。先のほうが細いか、太いか。表面に、輪のような線が何本も見えることがあります。それは、こおった回数の記録です。

1月15日いきもの

ハクチョウは、どこから来て、どこへ帰るの?

きたの国からふゆだけ 日本へV字は 前の風を つかう日本は かれらの みなみの国

どっちだと思う? 日本で生まれて、日本でずっと暮らしている / 北の国から、冬のあいだだけ日本へ来る

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多くはシベリアなど北の地方から来て、日本で冬をこし、春にまた北へ帰ります。夏のシベリアは日が長く、虫も草も豊富で、子育てに向いています。ところが冬は、こおって食べ物がなくなる。そこで、冬のあいだだけ食べ物がある日本まで来るのです。日本で見るハクチョウは、旅の途中ではなく、冬の家にいる状態です。

びっくり大事実! ハクチョウにとって、日本は南国だ。あの寒い湖の氷の上で、彼らは「あたたかいところまで来た」と思って立っている。こちらが震えている真横で。

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何千キロも飛ぶのに、道に迷わないのが不思議なところです。渡り鳥は、太陽の位置、星の並び、地磁気、それに地形の記おくなど、いくつもの手がかりを組み合わせて方角を決めていると考えられています。1つがだめでも、別の手がかりで補える作りです。曇りの日でも飛べるのは、このためです。群れがV字に並ぶのにも意味があります。前の鳥が羽ばたいてできた空気の流れの、都合のよいところに次の鳥が入ると、少ない力で飛べます。先頭はいちばん大変なので、交代しながら飛びます。日本各地の湖やダムには、ハクチョウが毎年来る場所があり、観察できるようになっているところもあります。ただし、えさやりを禁止しているところが多いので、必ず掲示に従ってください。

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知っていると、なにがうれしいか 冬の川や池で、鳥を見る目的ができる。どこから来たのかを知っていると、同じ景色が旅の終着点に見える。

きょうためせること 近くにハクチョウやカモが来る川や池があれば、羽の色ではなく並び方を見てみよう。飛び立つときの列の形と、休んでいるときの向きがそろっているかどうか。同じ方角を向いていることが多く、それは風の向きと関係しています。

1月16日うちゅう

宇宙は寒い?それとも熱い?

日なた100どこえ日かげマイナス100ど空気がないので 熱が つたわらない

どっちだと思う? 宇宙は、どこでもものすごく寒い / 日なたは熱く、日かげは寒い

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どちらも正しく、どちらもまちがいです。宇宙にはほとんど空気がないので、温度を伝えるものがありません。だから、日の当たるところはものすごく熱くなり、かげはものすごく冷たくなります。同じ物の表と裏で、100度以上ちがうことがあります。「宇宙の気温」は、じつは決められないのです。

びっくり大事実! 宇宙飛行士がいちばん困るのは、寒さではなく熱の捨て場がないことだ。人は放っておくと熱を出し続ける。空気のない場所では、その熱が逃げていかない。宇宙服の中では、人が自分の熱で困っている。

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熱の伝わり方は3つあります。物が直接ふれて伝わる伝導、空気や水が動いて運ぶ対流、光のように飛んでいく放射です。宇宙には空気がないので、伝導と対流がほとんど使えません。残るのは放射だけ。だから日なたは太陽の放射でどんどん熱くなり、日かげは熱を放射で出す一方になってどんどん冷えます。宇宙服が分厚いのは、寒さから守るためだけではありません。熱すぎるのと冷たすぎるのの両方から守り、さらに中で人が出す熱を外に捨てる必要もあります。人は放っておくと熱を出し続ける発熱体だからです。宇宙船も同じで、熱を捨てる装置がついています。真空は、熱を通しにくい。魔法びんが二重のガラスのあいだを真空にしているのも、まったく同じ理由です。

知っていると、なにがうれしいか 魔法びんと宇宙服が、同じ理屈でできていると分かる。理科の熱の学習が、いっぺんに実物とつながる。

きょうためせること 家に魔法びんや保温マグがあれば、外側をさわってみよう。中に熱いお湯が入っているのに、外はぬるいはずです。あいだの真空が、宇宙と同じ働きをしています。

1月17日ちきゅう

同じ地震なのに、場所でゆれの大きさがちがうのはなぜ?

しんげんかたい地ばんやわらかい地ばんおなじ地しんでも ゆれが ちがう

どっちだと思う? 震源から近いか遠いかだけで決まる / 地面の下の作りで、ゆれの大きさが変わる

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地面の下の作りがちがうからです。かたい岩ばんの上ではゆれが小さく、やわらかい土がつもった場所ではゆれが大きくなります。やわらかい地ばんは、ゆれをそのまま伝えるのではなく、増幅させてしまいます。だから、震源からの距離が同じでも、となり町より大きくゆれることがあります。

びっくり大事実! 同じ地震でも、道を1本はさんだだけでゆれ方がちがうことがある。地面の下は、見えないだけで、町ごとにまったく別の作りをしている。足元の数十メートルが、その日の運命を分けることがある。

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なぜやわらかいと大きくなるのか。地震の波は、かたいところでは速く、やわらかいところではおそく進みます。速いところから、おそいところへ波が入ると、波はゆっくりになるかわりに、ゆれのはばが大きくなります。これが増幅です。むかしの川や沼をうめ立てた土地、海ぞいのすなの上などは、やわらかい土がつもっていることが多く、注意が必要な場所とされています。多くの自治体が、地ばんのかたさやゆれやすさをまとめた地図を公開しています。自分の住むところが、ゆれやすいのか、そうでないのかは、調べれば分かります。9月1日の防災の日に読んだPとSの話は、波が「どう伝わるか」でした。今日は「どこを通ってきたか」で結果が変わる、という話です。1月17日は、1995年に大きな地震が起きた日でもあります。

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知っていると、なにがうれしいか 自分の家がゆれやすい場所かどうかを、知っている状態になれる。家具の固定を「やったほうがいい」ではなく「うちはやるべき」と判断できる。

きょうためせること おうちの人と、住んでいる市区町村のハザードマップを1枚だけ開いてみよう。ゆれやすさの地図があれば、自分の家のあたりが何色かを見ること。色を1つ知っておくだけで、話ができるようになります。

1月18日もの

手をあらうと、あわがよごれを落とすのはなぜ?

あぶらあたま=水すきしっぽ=あぶらすき

どっちだと思う? あわが、よごれをおしのけている / せっけんの粒が、油を包んでいる

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せっけんの粒が、水となかよしの側と、油となかよしの側の両方を持っているからです。手のよごれの多くは油です。水だけでは油をはがせませんが、せっけんの粒は油の側を油にくっつけ、水の側を外に向けて、油を小さな玉にして包みます。包まれた油は水と流れていける。あわは、その働きが起きている目印です。

びっくり大事実! せっけんは、油をきらう水と、水をきらう油のあいだに立って、両方と手をつなげる。世界一の仲直り役だ。しかも、仲直りさせたあと、油のほうを連れて排水口へ去っていく。

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せっけんの分子は、細長い形をしています。頭のほうが水と仲がよく、しっぽのほうが油と仲がよい。水の中に入れると、しっぽどうしを内側に集めて丸まります。そこへ油が来ると、その丸の内側に油を取りこんで、外側は水と仲のよい頭でおおわれた状態になる。だから水で流せるのです。この仕組みを知っていると、あらい方も変わります。大事なのは、あわの量ではなく、こすっている時間と、すみずみまで届いているかどうか。指のあいだ、つめの先、親指のつけね、手首は、意識しないと届きません。せっけんは油を包む道具なので、包むひまが必要です。さっとつけてすぐ流すと、包み終わる前に流れてしまいます。

知っていると、なにがうれしいか あわの量より、こすっている時間と場所が大事だと分かる。手あらいの意味が変わる。

きょうためせること コップに水を入れ、油を数てき落として、よくふってみよう。すぐ分かれます。次に、せっけん水を少し足してもう一度ふると、白くにごって分かれにくくなります。油が包まれた状態です。

1月19日デジタル

天気予報は、だれが計算しているの?

空を マスに 区切って 計算するスーパーコンピュータはじめが 少しちがうと 先で 大きくずれる

どっちだと思う? ベテランの予報官が、経験で決めている / コンピュータが、空をマス目にして計算している

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スーパーコンピュータです。気象庁は、日本のまわりの空を細かいマス目に区切って、それぞれのマスの気温や風や湿りぐあいを数字にします。そして、空気の動きを表す式にあてはめて、少し先の状態を計算する。それをくり返して、何時間後、何日後を出しています。人が勘で決めているのではなく、計算で出しているのです。

びっくり大事実! あすの空を知るために、コンピュータは日本の上空を何百万個ものマスに区切り、その全部について風と温度と湿りぐあいを計算している。天気予報の30秒の裏側で、数百兆回の計算が終わっている。

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これを数値予報といいます。むずかしいのは、マス目より小さいものが計算からこぼれることです。雲のつぶ、山のくぼみ、都市の建物。マスを細かくすれば正確になりますが、計算の量が一気に増えます。だから気象庁は、広い範囲をあらいマスで見る計算と、日本の近くだけを細かいマスで見る計算を、目的ごとに使い分けています。もう1つの難しさは、はじめの数字がほんの少しちがうだけで、先へ行くほど答えが大きくずれることです。だから今は、はじめの数字をわざと少しずつ変えた予報を何十通りも走らせ、そのばらつきから「どれくらい確からしいか」を出します。降水確率という言い方は、ここから来ています。予報が外れるのは、いいかげんだからではなく、空気がそういう性質を持っているからです。

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知っていると、なにがうれしいか 降水確率30パーセントの日に雨が降っても、予報が外れたわけではないと分かる。予報の見方が変わる。

きょうためせること 1週間、家のカレンダーに「あすの降水確率」と「実際に雨が降ったか」を書いてみよう。7日ぶんたまると、確率という言葉の意味が体で分かります。30パーセントの日に降っても、予報は外れていません。

1月20日てんき

きょうは大寒。1年でいちばん寒いのは、本当にこのころ?

太陽から もらう熱出ていく熱とうじだいかんここが いちばん さむい

どっちだと思う? 昼がいちばん短い冬至が、いちばん寒い / 冬至より1か月ほどあとが、いちばん寒い

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だいたい合っています。日本の多くの場所で、平均の気温がいちばん低くなるのは1月の下じゅんから2月のはじめごろです。昼がいちばん短い冬至は12月21日ごろなのに、いちばん寒いのはそれより1か月ほどあと。太陽の高さがいちばん低い日と、いちばん寒い日は、同じではありません。

びっくり大事実! 地球は、寒さを1か月おくれで受け取る。太陽はもう1か月前から「あたためる側」に回っているのに、地面がまだ追いついていない。いちばん寒い朝は、日がのびはじめてから1か月後にやってくる。

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なぜ1か月おくれるのか。地面や海は、あたたまるのにも冷えるのにも時間がかかるからです。冬至をすぎると太陽が受け取る熱は増え始めますが、しばらくは「出ていく熱のほうが多い」状態が続きます。貯金にたとえると、収入が増え始めても、支出のほうがまだ多ければ、残高は減り続ける。残高がいちばん少なくなるのは、収入と支出がつり合う日です。それが1月下じゅんから2月はじめにあたります。夏も同じ理由で、夏至は6月21日ごろなのに、いちばん暑いのは8月です。海は特にゆっくりなので、海に近い町ほどこのおくれが大きくなります。大寒という言葉は二十四節気の1つで、日付は毎年わずかに動きます。国立天文台が計算して、前の年の2月1日に発表しています。

知っていると、なにがうれしいか 「日が長くなってきたのに、なんで今がいちばん寒いの」に、はっきり答えられる。

きょうためせること 新聞やアプリで、自分の町の1月と2月の平年の気温を見くらべてみよう。どちらが低いか。海ぞいの町と、内陸の町でもくらべると、ちがいが見えます。

1月21日からだ

寒いと、なぜ体がふるえるの?

きんにくを 細かく うごかす1 にがさない2 とりはだ3 ふるえて 作るじゅんばんが ある

どっちだと思う? 寒さでからだがこわれかけている / 筋肉を動かして、熱を作っている

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体温を上げるために、筋肉をわざとこきざみに動かしているからです。筋肉は動くと熱を出します。運動して体が熱くなるのと同じです。寒くなって体温が下がりそうになると、脳が「筋肉を細かく動かして熱を作れ」と命令します。自分でふるえようと思っていないのに始まるのは、意識と関係なく決まる仕組みだからです。

びっくり大事実! ふるえは、その場で走っているのと同じことを、動かずにやっている状態だ。体は「外に出て運動しろ」と言うかわりに、勝手に筋肉だけ運動させている。こたつの中で、体だけがマラソンを始めている。

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人の体は、体温をほぼ一定にたもとうとします。寒いときに使う手は3つ。1つめが、皮ふの近くの血管を細くして、熱が外へ逃げるのを減らすこと。寒いと手足が白っぽく冷たくなるのはこれです。2つめが、毛を立てて空気の層を作ろうとすること。人ではあまり効きませんが、鳥肌はそのなごりです。3つめが、ふるえて熱を作ること。順番があって、まず逃がさない、次に作る、という流れになっています。だからふるえが始まったときは、体がすでに「守り」から「作り」に切りかえた段階です。上着をもう1枚着るのは、逃がさない側を助けることになります。反対に、走ってあたたまるのは作る側を助けること。どちらも正しいのですが、外にいる時間が長いときは、まず逃がさない側を厚くするほうが長持ちします。

知っていると、なにがうれしいか ふるえが「異常」ではなく、体がちゃんと働いている合図だと分かる。そして、上着を着るのと走るのの、どちらが効くかを選べる。

きょうためせること 外に出る前と、5分外にいたあとで、手の甲の色を見くらべてみよう。血管をせばめて熱を逃がさないようにしているので、色が変わっているはずです。

1月22日もの

雪が積もった道に、しおをまくのはなぜ?

きれいに ならぶ → 0どで こおるしおが じゃま → もっと下げないととかすのではなく こおりにくくしている

どっちだと思う? しおが、氷をけずって細かくする / しおがまざると、こおる温度が下がる

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氷がとける温度を、0度より低くするためです。水にしおが混じると、こおり始める温度が下がります。だから、しおをまいた道では、0度より少し寒くても水のままでいられて、雪が氷にならずにすみます。とかすというより、こおりにくくしている、と考えると近いです。

びっくり大事実! しおをまいた氷にさわると、まく前より冷たいことがある。とけているのに、冷たくなる。氷がとけるとき、まわりから熱をうばっていくからだ。とかす作業が、その場をさらに冷やしている。

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なぜ下がるのか。水がこおるとき、水の粒はきれいに並ばなければなりません。そこにしおの粒がまざっていると、並ぼうとするじゃまになります。じゃまがある分、もっと温度を下げないと並べない。これが、こおる温度が下がる理由です。まぜる量が多いほど下がりますが、いくらでも下がるわけではなく、限界があります。道路にまくものは、食べるしおとは限らず、塩化カルシウムなどが使われることが多いです。こちらは、水にとけるときに熱を出すので、そのぶん早く効きます。ただし、金属をさびさせやすいので、車の下まわりや自転車には影響が出ます。雪国で「春になったら車の下を洗う」と言われるのは、このためです。よいことばかりの道具は、あまりありません。

知っていると、なにがうれしいか アイスクリームを作るときに氷としおを使う理由も、同じ話だと気づける。

きょうためせること 氷を2つ用意して、片方だけにしおを少しかけ、5分置いて見くらべよう。しおをかけたほうが、表面がとけて水っぽくなります。さわると、かけたほうがつめたく感じることがあります。

1月23日いきもの

冬になると、虫はどこへ行ってしまうの?

ようちゅうさなぎたまごいなくなったのでは ない見おわったら 落ち葉を もとにもどす

どっちだと思う? あたたかい南の国へ、みんな飛んでいく / たまご・幼虫・さなぎ・成虫のどれかで、その場にいる

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いなくなったのではなく、姿を変えて、その場にいます。虫は種類によって、たまごで冬をこすもの、幼虫で土や落ち葉の中にいるもの、さなぎのまま木にくっついているもの、そして成虫のまますき間に入るものに分かれます。だから冬の林は、虫が0になっているのではなく、動かない虫でいっぱいの状態です。

びっくり大事実! 冬の落ち葉の下は、動かない虫でぎっしりだ。あなたが毎日ふんでいるあの道の下に、来年の夏に飛ぶチョウが、いまカチカチになって待っている。夏の虫かごは、冬の落ち葉の中で作られている。

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寒さで死なないための工夫もあります。多くの虫は、冬が近づくと体の中の水を減らし、代わりに凍りにくい成分をためます。これがあると、氷点下でも体の中に氷ができにくくなります。体温を上げて戦うのではなく、こおっても平気な体に作りかえてしまう、という別のやり方です。冬の虫探しは、じつは夏よりかんたんなことがあります。動かないので逃げないからです。落ち葉をそっとどけると幼虫が出てきますし、木のみきの割れ目や、皮のはがれたところには、成虫やさなぎが入っています。12月12日に読んだ冬芽の話と合わせると、冬の木は「来年の準備をしている場所」として見えるようになります。見たあとは、必ず元にもどしてください。冬の家をこわされると、その虫は春を迎えられません。

知っていると、なにがうれしいか 冬でも生きもの観察ができると分かる。しかも、逃げないので夏より見つけやすい。

きょうためせること 公園の落ち葉を、手ぶくろをして少しだけそっとどけてみよう。土の色と、丸まった幼虫を探すこと。見終わったら、落ち葉を必ず元どおりにかけ直すこと。ここまでが観察です。

1月24日うちゅう

宇宙は、どのくらい「上」にあるの?

高さ 100キロ から うちゅうひこうきは 10キロあたりとなりの県まで 行くのと おなじ きょり

どっちだと思う? 何十万キロも上にある / 100キロくらい上から、もう宇宙

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だいたい高さ100キロメートルから上を宇宙とする決め方が、広く使われています。100キロというと、遠くに感じるかもしれませんが、地図でいえば東京から静岡のあたりまでの距離です。もし道路がまっすぐ上にのびていたら、車で1時間半ほど。宇宙は、横に行くよりずっと近いところにあります。

びっくり大事実! 宇宙は、まっすぐ上に100キロ。近所の県まで行くのと同じ距離だ。それなのに人類が行けるようになったのは、たった70年ほど前。横に100キロ歩くのは大昔からできたのに、上に100キロだけが、ずっと遠かった。

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なぜ100キロで区切るのか。ここまで来ると空気がうすすぎて、飛行機のように翼で浮くことができなくなるからです。翼で飛ぶには、翼にぶつかる空気がいります。空気がうすいと、浮くために必要な速さがどんどん上がり、あるところで「浮くための速さ」と「地球のまわりを回り続けるための速さ」が同じくらいになります。そこから上は、飛ぶのではなく回る世界です。この考え方から出た高さが約100キロで、カーマン線と呼ばれています。ただし、この線は自然が引いた線ではありません。空気は上へ行くほど少しずつうすくなるだけで、どこかで急になくなるわけではないからです。だから国によって、宇宙の始まりを80キロとする決め方もあります。空の終わりは、人が話し合って決めたのです。

知っていると、なにがうれしいか 宇宙が「果てしなく遠いどこか」ではなく、具体的な距離として分かる。ニュースで高度何キロと聞いたとき、すぐ想像できる。

きょうためせること 自分の家から100キロ先に何があるか、地図で調べてみよう。その距離を、まっすぐ上に立てたところが宇宙のはじまりです。思っているより近いはずです。

1月25日ちきゅう

南極の氷には、むかしの空気が入っているって本当?

あさい=あたらしいふかい=ふるいあわの中みはむかしの空気

どっちだと思う? 氷はこおるとき、空気を全部おし出す / 雪のすき間の空気が、あわのまま残る

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本当です。南極では、降った雪がとけずに積み重なり、下の雪はおしつぶされて氷になります。このとき、雪のすき間にあった空気が、小さなあわとして氷の中にとじこめられます。深いところの氷を掘り出せば、その氷ができた時代の空気が、そのまま出てくるのです。

びっくり大事実! 南極の深い氷を割ると、パチパチと音がすることがある。何万年も前の空気が、いま出てきた音だ。マンモスがいたころの空気を、その場で吸うことができる。

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深い氷ほど古い空気が入っています。だから、氷を柱のように掘り出して上から順に調べると、空気の成分がどう変わってきたかが分かります。この柱を氷床コアといいます。氷の中のあわを取り出して調べることで、むかしの二酸化炭素の量を直接はかることができます。推定ではなく、実際の空気をはかっているところが強みです。あわせて、氷そのものにふくまれる水の性質から、当時の気温も見つもれます。日本は1957年から南極で観測を続けていて、昭和基地の観測結果はオゾンホールの発見にもつながりました。南極は、地球でいちばん人から遠い場所です。だからこそ、地球全体の空気の変化がきれいに記録されます。よごれのない場所は、記録を読むのにいちばん向いた場所なのです。

👤 これを調べた人の話
南極の氷を掘る仕事は、寒くて、暗くて、何か月も家に帰れません。それでも人が行くのは、そこにしかない記録があるからです。過去の空気は、実験室では作れない。世界で一番不便な場所にだけ、答えが置いてあることがあります。

知っていると、なにがうれしいか 「むかしの気温が分かる」というニュースを聞いたとき、どうやって分かるのかを説明できる。

きょうためせること 製氷皿で作った氷をよく見てみよう。白くにごった部分には、細かいあわが入っています。水道水にとけていた空気です。ゆっくりこおらせたか、急にこおらせたかで、あわの入り方が変わります。

1月26日デジタル

お年玉をスマホで送ると、お金はどこを通るの?

おくる人-1000もらう人+1000セットお金は うごいていない両方できたときだけ 記ろくが かくてい

どっちだと思う? お金のデータが、線を通って運ばれていく / 2つの口座の数字が、書きかえられているだけ

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お金そのものは動きません。動くのは、数字を書きかえる指示だけです。送る人の口座から数字を減らし、受け取る人の口座に同じだけ足す。この2つが必ずセットで行われます。銀行のコンピュータの中で、記録が書きかわっているだけで、お札はどこへも運ばれていません。

びっくり大事実! あなたが送った1000円は、どこも通っていない。1000円ぶんの数字がこちらで減り、あちらで増えただけだ。それでも受け取った人は1000円を使える。お金とは、モノではなく、みんなが信じている記録だということが、ここでばれる。

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大事なのは、この2つが必ずセットになることです。減らしただけで足すのに失敗すると、お金が消えてしまう。だからコンピュータは、両方成功したときだけ記録を確定し、途中で失敗したら全部なかったことに戻します。この仕組みがあるので、送金の途中でスマホの電池が切れても、お金は消えません。もう1つ大事なのが、記録が1か所にしかないと、こわれたときに全部なくなることです。だから同じ記録を複数の場所に持ち、そのどれもが同じ数字になるようにしてあります。現金とデジタルのちがいは、そこにあります。財布のお札は、なくしたら誰のものか分かりません。口座の数字は、なくしても記録が残ります。かわりに、記録を守る仕組みが止まると使えなくなります。どちらが上ということはなく、弱いところがちがうのです。

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知っていると、なにがうれしいか キャッシュレスがなぜ止まることがあるのか、そして止まったときになぜ現金が強いのかが分かる。

きょうためせること おうちの人に、電子マネーやアプリの明細画面を見せてもらおう。1つ1つに日時と相手が並んでいます。それが記録そのものです。現金の財布に、明細は残りません。

1月27日てんき

冬の朝、車のまどが白くなるのはなぜ?

はれた よるは 熱が 空へ にげる白く なる下から 熱を もらえるくもりの よるは 白く なりにくい

どっちだと思う? 夜のうちに、小さな雪が降っていた / 空気中の水蒸気が、冷えた面で直接こおった

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よく晴れた風のない夜に、地面や車が自分の熱を空へ逃がして、まわりの気温より冷たくなるからです。これを放射冷却といいます。空気中の水蒸気が、その冷たい面にふれて、直接氷のつぶになったものが霜です。雨も雪も降っていないのに白くなるのは、空から降ったのではなく、その場でできたからです。

びっくり大事実! よく晴れた夜、地面は空にむかって熱を捨て続ける。宇宙は、いくら熱を捨てても文句を言わない。だから晴れた夜の地面は、空気より冷たくなれる。天気予報の「冷えこみ」は、地球が宇宙に熱を返している音のない現象だ。

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曇りの夜には、あまり霜が降りません。雲があると、逃げていく熱が雲にはね返されて戻ってくるからです。風のある夜も同じで、空気がかき回されると、地面のすぐ上だけが冷えることができません。だから、晴れていて風がない夜の翌朝が、いちばん霜が降ります。天気予報が「あすの朝は冷えこみます」と言うのは、気温だけでなく、この条件を見ています。同じ気温でも、車の屋根や橋の上は特に冷えます。下から熱をもらえないからです。橋が凍りやすいのはこのためで、道路には注意の看板が立っています。1月10日に読んだ霜柱は、土の中の水がこおったもの。きょうの霜は、空気中の水蒸気がこおったもの。名前は似ていますが、水の出どころがちがいます。

知っていると、なにがうれしいか あすの朝に霜が降りるかどうかを、夜のうちに予想できる。当たるとうれしい。

きょうためせること 晴れて風のない夜のあと、朝いちばんに外を見てみよう。車の屋根、自転車のサドル、地面。どこが白くなって、どこがなっていないか。下から熱をもらえるところは、白くなりにくいはずです。

1月28日てんき

雪国の家の屋根は、なぜ形がちがうの?

おとす やねためる やね1メートルの雪は とても おもい

どっちだと思う? 雪国の屋根は、すべて急な角度になっている / 落とす屋根と、ためる屋根の2つの考え方がある

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雪をどうするかの考え方がちがうからです。大きく2つあります。1つは、急な角度にして雪を自分から落とす屋根。もう1つは、あえて平らに近くして雪を屋根の上にためておく屋根です。落とすなら落ちる場所が必要で、ためるなら建物が重さにたえられる作りが必要になります。どちらも、雪の量と土地の広さから決まります。

びっくり大事実! 雪をわざと屋根にためる家がある。落とさないほうが安全だからだ。1メートル積もった雪は、人が何十人も屋根に乗っているのと変わらない重さになる。それでも、あえて乗せておくという判断がある。

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落とす屋根は、雪をおろす手間が減りますが、落ちた雪が家のまわりに山になります。となりの家との間がせまい町なかでは、落とす場所がありません。そこでためる屋根が出てきました。屋根の雪を落とさず、あたためてとかしたり、屋根の中央に集めて流したりする作りもあります。積もった雪はとても重く、湿った雪はさらに重くなります。だから雪国の家は、柱も梁も太く作られています。雪下ろしは毎年事故が起きる作業で、必ず2人以上で、命づなを使うことが呼びかけられています。屋根の形は、見た目のデザインではなく、その土地で人が生きてきた答えです。地図で日本海側の町の写真を見ると、同じ県の中でも形がちがうことがあります。それは、そこにどれだけ雪が積もるかのちがいです。

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知っていると、なにがうれしいか 旅行や地図で建物を見たとき、形から気候が読めるようになる。社会の学習にもそのまま使える。

きょうためせること 雪の多い地域の町を、地図アプリの写真で見てみよう。屋根の角度がそろっているか、ばらばらか。同じ通りに同じ形が並んでいたら、それがその土地の答えです。

1月29日ちきゅう

日本の南極の基地は、いつからあるの?

1957年 4とういま 60とう いじょう1957年1月29日 ひがしオングル島70年ちかく かんそくが 止まっていないしょうわきち

どっちだと思う? 最近になって作られた / 70年ちかく前から、ずっとある

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1957年1月29日からです。この日、第1次南極地域観測隊が東オングル島に上陸し、その場所を昭和基地と名づけました。最初の建物はたった4棟。いまは60棟をこえ、毎年およそ30人が1年間そこで暮らして観測を続けています。70年近く続いている、日本でいちばん遠い職場です。

びっくり大事実! 1957年から今日まで、昭和基地では気象の観測が止まっていない。ブリザードの日も、正月も、だれかがはかり続けている。世界でいちばん人から遠い場所に、70年間ずっと日本人がいるということだ。

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昭和基地では、気象庁が第1次隊から気象の観測を続けています。同じ場所で、同じやり方で、何十年もはかり続けたデータは、途中で作り直すことができません。だから何より貴重です。この観測は、オゾンホールの発見にもつながりました。上空のオゾンが春先に大きく減っていることに、日本の観測が気づいたのです。1年の観測を、たった数十人で回します。研究者だけでは足りません。発電の担当、通信の担当、料理の担当、医師。全員がそろって、はじめて1年間の観測が成り立ちます。南極でいちばん大事な仕事は、観測ではなく、そこで生き続けることだとも言われます。1月29日は、昭和基地の開設記念日です。

👤 これを調べた人の話
南極の越冬隊には、研究者だけでなく、発電機を守る人、料理を作る人、医師が入ります。研究がしたくて南極に行った人ばかりではありません。自分の仕事で、だれかの研究をささえに行った人がたくさんいます。科学は、研究者だけでできているのではないのです。

知っていると、なにがうれしいか ニュースで南極観測船の話が出たとき、どこへ何をしに行くのかが分かる。

きょうためせること 世界地図で、日本から南極までを指でたどってみよう。途中でどの海を通るかを見ること。南極観測船は、この道を毎年往復しています。

1月30日いきもの

みかんの白いすじは、何のためにあるの?

白いすじ=水と ようぶんの 管えだから つづいている

どっちだと思う? 実を守るための、いらないもの / 水と養分を運ぶ管

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実に水と養分を運ぶ管です。木から枝、枝から実へと運ばれてきた水や養分は、あの白いすじを通って、一つ一つのふくろに届けられます。人が食べるためではなく、みかんが自分の実を育てるために作った配管です。じゃまなものではなく、実がふくらんだ理由そのものです。

びっくり大事実! みかんの白いすじは、木からのびてきた配管の終点だ。あなたが取ってすてているその1本は、去年の夏に葉が作った養分を、そのふくろまで運びきった管である。仕事を終えた直後に、はがされている。

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植物の体には、水を運ぶ管と、葉で作った養分を運ぶ管があります。木のみきにも、枝にも、葉の葉脈にも、そして実の中にも通っています。みかんの白いすじは、その管が実の表面から中へ入りこんだものです。だから、みかんの外側の白い部分と、房についているすじは、もとをたどれば同じものにつながっています。とるかどうかは好みで決めてよく、どちらが正しいということはありません。ただ、あのすじを見て「植物の血管だ」と気づくと、みかんの見え方が変わります。ついでに、みかんの房の数は、花のときの部屋の数で決まっています。皮をむく前に、へたの反対側にある放射状の跡を数えると、中の房の数と合っていることが多いです。

知っていると、なにがうれしいか みかんをむくたびに、確かめられる実験が1つ手に入る。家族で当てっこができる。

きょうためせること みかんをむく前に、へたの反対がわを見て、うっすら見える線の数を数えてみよう。それから皮をむいて、房の数と合っているかを確かめよう。何個かためすと、当たる確率が分かります。

1月31日いきもの

節分の豆は、なぜ「いった豆」でなくてはいけないの?

なま=めが 出るいった豆=めが 出ないまく豆は 火を通した たね

どっちだと思う? いったほうが、おいしいから / いっていないと、まいた豆から芽が出るから

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いっていない豆は、芽を出してしまうからです。まいた豆から芽が出るのは縁起が悪いとされ、火を通した豆を使う決まりになりました。豆は種です。水と温度と空気がそろえば、家の中でも芽を出します。いることで種としての力がなくなり、まいても芽は出ません。習わしの理由が、そのまま植物の性質になっています。

びっくり大事実! 節分の夜、家中にまかれているのは、火を通して芽が出なくした種である。もし生の豆をまいていたら、春に家の中から大豆畑ができていたかもしれない。昔の人はそれを知っていて、先にいった。

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種が芽を出すのに必要なのは、水、適した温度、そして空気(酸素)です。土や光は、種類によっては必要ではありません。種の中には、芽と根のもとと、それを育てるための養分が最初から入っています。だから土がなくても、しばらくは育ちます。大豆やインゲンの種を割ると、中に小さな芽の形が見えることがあります。いった豆でこれをやっても、もう芽は出ません。熱で、種の中のはたらきが止まってしまうからです。食べ物として保存しやすくなる代わりに、生きものとしては終わっている。同じ豆が、料理では「いったほうがよい」、栽培では「いってはいけない」となるのは、目的がちがうからです。あすは2月1日。節分は2月2日か3日で、年によって動きます。

知っていると、なにがうれしいか 習わしの理由が、理科の実験で確かめられる。しかも、来年の節分の前に家で確かめられる。

きょうためせること だいずを数つぶ、水にひたしたぬれたティッシュの上に置き、あたたかい部屋に3日置いてみよう。ふくらんで、根が出てきます。いった豆でも同じことをして、見くらべると、ちがいがはっきり分かります。

2月1日うちゅう

2月は、なぜ28日しかないの?

なまえと 数が 2つ ずれているSeptemberOctoberNovemberDecember= 7ばんめ= 8ばんめ= 9ばんめ= 10ばんめ→9月→10月→11月→12月むかしは 3月が 1ばんめ だった

どっちだと思う? 地球の動きの都合で、2月だけ短い / 人が決めた順番のなごりで、2月が短い

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むかしのローマの暦で、2月が1年のいちばん最後の月だったからです。日数の帳じりを合わせる係が2月に回され、あまった分だけが2月の長さになりました。地球の動きに2月だけ短くなる理由があるのではなく、人が決めた順番のなごりです。だから、うるう日も2月に足されます。

びっくり大事実! 9月のSeptemberは、もともと「7番目の月」という意味だ。つまり英語の月の名前は、2000年以上ずれたまま、だれも直さずに使い続けられている。世界中が毎年、直っていない名札を9月から12月まで4か月ぶん読み上げている。

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もともとローマの暦は3月から始まり、冬のあいだの2か月には月の名前すらなかったと伝えられています。あとから1月と2月が足され、最後に置かれた2月が調整用になりました。いまの英語の月の名前にもその跡が残っています。9月のSeptemberは7を表す言葉から、10月のOctoberは8、11月のNovemberは9、12月のDecemberは10です。数が2つずつずれているのは、もともと3月が1番目だったからです。日本でも、むかしの暦では月の長さが年によって変わり、1年が13か月ある年もありました。暦は自然の法則ではなく、人が使いやすいように何度も作り直してきた道具です。12月31日に読んだ「1年は365日と少し」は、その道具のずれをどう埋めるかという話でした。

知っていると、なにがうれしいか 9月から12月の英語の名前が、なぜ数と合わないのかを説明できる。英語の授業でも使える。

きょうためせること 英語の9月から12月の名前を書き出して、7・8・9・10と書きそえてみよう。2つずれているのが目で見えます。なぜずれたのかを、家の人に説明してみよう。

2月2日デジタル

スマホのカメラは、暗いところでもなぜ写るの?

くらい 1まい1まいかさねると明るく なるざらざらは 打ち消し合う

どっちだと思う? レンズが暗い光を明るく変えている / 何枚も撮って重ね、計算でおぎなっている

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少ない光をできるだけ集めて、足りないぶんを計算でおぎなっているからです。カメラの中には、光が当たると電気が生まれる小さなマス目がびっしり並んでいます。暗いと届く光が少ないので、シャッターを長く開けて光をためたり、何枚も撮って重ね合わせたりします。目で見えないものが写るのは、写しているのではなく作っているところがあるからです。

びっくり大事実! 暗い場所で撮った1枚の写真は、実は10枚以上の写真を重ねて作られていることがある。つまりその写真は、1つの瞬間ではない。あなたのアルバムの中の何枚かは、存在しなかった一瞬を写している。

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光をためる時間を長くすると、手ぶれで写真がぶれます。そこで最近のスマホは、短い時間の写真を何枚も連続で撮り、位置を合わせて重ねます。同じ場所の点を何枚もたし合わせると、本当の光は積み上がり、ばらばらのノイズは打ち消し合います。だから暗い場所で1枚撮るより、10枚重ねたほうがきれいになります。ここが、フィルムのカメラとはっきり違うところです。フィルムは光をそのまま写しますが、スマホは光の情報を数字にしてから作り直します。だから同じ景色を撮っても、機種によって色や明るさがちがいます。撮った人がそこで見た景色と、写真に写った景色は、もう同じものではありません。写真は記録であると同時に、計算の結果でもあるのです。

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知っていると、なにがうれしいか 同じ場所を撮ったのに友だちのスマホと色がちがう理由が分かる。どちらかが壊れているわけではありません。

きょうためせること 暗い部屋でスマホのカメラを向けたまま、画面をじっと見てみよう。1秒ほどで画面がだんだん明るくなります。あの数秒が、集めて計算している時間です。

2月3日ちきゅう

方位じしんの「北」は、本当の北?

ちずの北じしゃくの北へんかく日本では 西へ 数どから10ど

どっちだと思う? 方位じしんの北は、地図の北とぴったり同じ / 少しずれていて、場所によってもちがう

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少しずれています。方位じしんが指すのは地球の磁石の北で、地図の上の北とは同じではありません。このずれを偏角といいます。日本では場所によってちがい、西へ数度から10度ほどずれます。地図やコンパスを使うときは、このずれを知っているかどうかで結果が変わります。

びっくり大事実! 地球のN極は、磁石でいうとS極だ。方位じしんのN極が北を向くのは、引き合っているから。つまり私たちは何百年ものあいだ、地球の磁石の名前を逆に呼び続けている。しかも、もう直せない。

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なぜずれるのか。地球が磁石のようにふるまうのは、中心近くにあるどろどろの金属が動いているためだと考えられています。動いているものが作る磁石なので、位置も強さも変わり続けます。国土地理院は日本各地の偏角を調べて公表しており、地図にもその値が書かれています。もう1つ面白いことがあります。磁石のN極が北を指すということは、地球の北側は磁石でいうS極だということです。ちがう極どうしが引き合うからです。学校で習う磁石の決まりと、地球の呼び方が食いちがって見えるのはこのためです。さらに長い目で見ると、地球の磁石の向きは過去に何度も入れかわっています。地層の中に、当時の向きのまま固まった記録が残っています。

知っていると、なにがうれしいか 地図とコンパスを一緒に使うときに、なぜずれるのかが分かる。登山や防災の場面でそのまま役に立ちます。

きょうためせること 方位じしんがあれば、地図の北と見くらべてみよう。スマホのコンパスでも、設定によって真北と磁北を切りかえられるものがあります。数度のちがいでも、遠くまで歩くと大きな差になります。

2月4日てんき

きょうは立春。こよみの春と、体で感じる春がずれるのはなぜ?

たいようの 高さ気おんとうじだいかんりっしゅんたいようで きめた春

どっちだと思う? 立春は、あたたかくなる日として決めてある / 立春は、太陽の位置で決めてある

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立春は、太陽の位置で決めた春の始まりだからです。気温で決めているのではありません。太陽の高さは冬至を過ぎてから上がり続けていて、その途中の節目が立春です。ところが地面や海はあたたまるのがおそいので、いちばん寒いのは1月下じゅんから2月はじめ。つまり立春は、寒さのピークを過ぎたばかりの日にやってきます。

びっくり大事実! 立春は「春が来た日」ではなく「これから春に向かうと決めた日」だ。むかしの人は、寒さの底にいるその日に、もう春だと言い切った。天気ではなく、太陽のほうを信じたのである。

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1月20日に読んだ大寒の話と、ちょうど地続きです。太陽から受け取る熱は12月下じゅんから増え始めているのに、出ていく熱のほうがまだ多いので、気温は下がり続ける。その2つがつり合うのが1月下じゅんから2月はじめで、そこから気温は上がりに転じます。立春は、その転じたばかりのところに置かれています。だから、こよみが間違っているのではありません。立春は気温の話ではなく、太陽の話なのです。むかしの暦は農作業の計画のために作られました。種まきや田おこしは気温だけでは決められず、これから日が長くなるかどうかが大事です。太陽で春を決めるのは、農作業から見ればとても理にかなった決め方でした。

知っていると、なにがうれしいか 「立春なのに寒い」の理由を、こよみのせいにせず説明できる。ニュースの言い回しの意味が分かります。

きょうためせること 新聞やアプリで、立春の日と、その1週間前・1週間後の最低気温を見くらべてみよう。まだ寒いはずです。それでも日の入りの時こくは、12月より30分以上おそくなっています。

2月5日うちゅう

太陽は、あと何年もえ続けるの?

1500万ど46おく年 すぎたのこり 50おく年もえているのでは ない

どっちだと思う? あと100年ほどで燃えつきる / あと50億年ほどもえ続ける

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およそ50億年と考えられています。太陽は火が燃えているのではなく、中心で水素どうしがくっついてヘリウムになるときに、ものすごい熱と光を出しています。この材料はまだたっぷり残っています。太陽ができてから今までがおよそ46億年なので、いまはちょうど折り返し地点のあたりです。

びっくり大事実! 太陽が急に消えても、地球の私たちが気づくまでに8分20秒かかる。その8分間、世界は何も知らずにいつもどおり動いている。授業のちょうど1問ぶんくらいの時間だ。

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「燃える」と「核融合」はちがいます。ものが燃えるのは酸素と結びつくことですが、宇宙には酸素も空気もありません。太陽の中心はおよそ1500万度と高温高圧で、水素の原子核どうしが押しつけられてくっつきます。このときほんの少しだけ重さが減り、その分が莫大なエネルギーになります。太陽の中心で生まれた光は、まわりの物質にぶつかりながら進むので、表面に出てくるまでに何万年もかかると考えられています。つまり、いま私たちが浴びている光のもとは、大むかしに作られたものです。表面を出てからは、地球まで約8分20秒。もし太陽が急に消えても、8分20秒のあいだ、私たちは気づきません。

知っていると、なにがうれしいか 太陽が「燃えている」のではないと分かる。理科で習う燃焼と、まったく別の仕組みだと気づける。

きょうためせること 晴れた日に外へ出て、顔に当たる日ざしを感じてみよう。そのあたたかさは、1億5000万キロ先から8分20秒かけて届いたものです。目では絶対に太陽を見ないこと。

2月6日いきもの

寒い2月に咲く花があるのは、なぜ?

ウメ かおりで よぶスギ 風に まかせる虫が 少ない時期を えらんでいる

どっちだと思う? あたたかい日をまちがえて咲いてしまう / 虫が少ない時期を、わざと選んでいる

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虫が少ない時期をわざと選んでいる花があるからです。春や夏はたくさんの花が同時に咲くので、虫の取り合いになります。ところが冬は花が少ないので、数少ない虫がその花に来てくれます。ウメやロウバイのように、寒い時期に強い香りを出す花は、遠くまで届くにおいで虫を呼んでいます。

びっくり大事実! ウメのつぼみは、去年の夏にはもうできている。しかも、寒さに当たらないと開かない。あたたかい部屋に持っていっても咲かないのだ。ウメは冬を通り抜けた証明書を見せないと、春に入れてもらえない。

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もう1つ、風で花粉を運ぶという作戦もあります。スギやハンノキは虫にたよらず、葉が出る前の風通しのよい時期に大量の花粉を飛ばします。虫を呼ぶ花は目立つ色と香りを持ち、風にたよる花は地味で香りもありません。花の見た目を見れば、その花がどちらの作戦をとっているかが分かります。冬に咲くための工夫もあります。ウメのつぼみは前の年の夏にはもうできていて、寒さに一定期間当たることで、ようやく開く準備が整います。これを休眠打破といいます。あたたかいだけでは咲きません。冬がないと春が来ないというのは、たとえ話ではなく、植物にとっては実際の仕組みです。12月12日に読んだ冬芽と、同じ話の続きです。

知っていると、なにがうれしいか 花の色や香りを見ただけで、虫を呼ぶ花か風にたよる花かを見分けられる。

きょうためせること 公園や庭でウメを見つけたら、花に鼻を近づけてみよう。そのあと枝を見て、まだ開いていないつぼみを数えてみよう。1本の枝に何個あるか。全部が咲くわけではありません。

2月7日デジタル

インターネットは、どこにあるの?

日本かいがいかいていケーブル空ではなく 海の底を 通っている

どっちだと思う? 人工衛星が、空から全部つないでいる / 海の底のケーブルが、国と国をつないでいる

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空ではなく、海の底です。国と国をつなぐ通信の多くは、海底に敷かれたケーブルを通っています。日本から海外のサイトを見るとき、その情報は太平洋の底を通って行き来しています。太さは水道ホースくらいで、中に髪の毛より細いガラスの線が入っています。そこを光が走ります。

びっくり大事実! あなたが見ている海外の動画は、いま太平洋の底を通ってきた。深さ数千メートル、まっ暗で、魚しか通らない場所を、光が1秒間に何度も往復している。インターネットのいちばん大事な部分は、だれも見に行けない場所にある。

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人工衛星ではないのか、と思うかもしれません。衛星も使われますが、量とおくれの点で海底ケーブルにかないません。衛星までは上に行って下りてくるだけで往復7万キロ以上になり、そのぶん時間がかかります。海底ケーブルなら、地球の表面をたどるので短くて済みます。ガラスの線の中を光が進むのは、光が線の中で何度も反射して外へ逃げないようにできているからです。ケーブルは船で敷かれ、こわれたときも船が出て引き上げて直します。地震や船のいかりで切れることがあり、切れると通信が遅くなったり止まったりします。つまりインターネットは、雲の上にあるふわふわしたものではなく、海の底に置かれた物です。落としたり切ったりできるものの上に、世界中の通信が乗っています。

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知っていると、なにがうれしいか 「クラウド」という言葉が、実は雲でも空でもないと分かる。通信が止まるニュースの意味も分かります。

きょうためせること 世界地図を広げて、日本からアメリカまでの最短の道を指でたどってみよう。次に、地球の反対側までの道も。海底ケーブルは、だいたいその線に沿って敷かれています。

2月8日からだ

寒い日に、なぜ鼻水が出るの?

つめたい空気あたためてしめらせるあふれた分が 鼻水

どっちだと思う? 寒さでからだが弱っているサイン / 冷たい空気をあたためて湿らせている働き

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鼻の中で、冷たい空気をあたためて湿らせているからです。肺は冷たくかわいた空気が苦手なので、鼻を通るあいだに体温近くまであたため、水分も足します。そのために鼻の内側はいつもぬれています。外が寒いと、その水分が冷えてつぶになり、あふれて出てきます。かぜでなくても出るのは、そのためです。

びっくり大事実! 鼻は、1日に何百リットルもの空気を体温近くまであたためている。しかも電気を使わず、音も立てず、あなたが気づかないうちに。世界一静かなエアコンが、顔のまん中についている。

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もう1つ理由があります。はいた息は水蒸気をたっぷりふくんでいて、冷たい鼻の中を通るときに一部が水にもどります。1月9日に読んだ白い息と同じ仕組みが、鼻の中でも起きているのです。だから寒い日の鼻水は、外から入る空気と、中から出る息の両方から来ています。鼻の内側には細かい毛が並んでいて、入ってきたごみを外へ運ぶ役目もしています。鼻はただの穴ではなく、空調と空気清浄機を兼ねた入口です。ちなみに、口で息をすると、このあたためと湿らせがほとんどできません。寒い日に走ったあとにのどが痛くなりやすいのは、口で息をしているからでもあります。

知っていると、なにがうれしいか 寒い日の鼻水が、体の不調ではなく仕事の結果だと分かる。鼻で息をする理由もはっきりします。

きょうためせること 寒い日に外へ出て、鼻で3回、口で3回、深く息をすってみよう。のどに届く空気の冷たさがちがいます。どちらが冷たいか、自分で確かめてみよう。

2月9日ちきゅう

日本に四季があるのは、なぜ?

北がわが 上を向く北がわが 下を向くなつふゆきょりでは なく 23.4どの かたむき

どっちだと思う? 夏は太陽に近く、冬は遠いから / 地球がかたむいたまま回っているから

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地球が、こまのように少しかたむいたまま太陽のまわりを回っているからです。かたむきはおよそ23.4度。このかたむきのせいで、太陽の高さと昼の長さが1年のあいだで変わります。夏は太陽が高く昼が長く、冬は低く短い。だから受け取る熱の量が変わり、季節が生まれます。太陽との距離のせいではありません。

びっくり大事実! 地球が太陽にいちばん近づくのは、1月だ。日本がいちばん寒い時期に、距離としては1年でいちばん近い。「近いから暑い」という思いこみは、毎年1月に静かに裏切られている。

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意外に思うかもしれませんが、地球が太陽にいちばん近づくのは1月ごろです。日本がいちばん寒い時期に、距離としてはいちばん近い。だから距離は季節の理由になりません。かたむきが理由だという証拠はほかにもあります。北半球が夏のとき、南半球は冬です。同じ日に、地球の上と下で反対の季節が起きています。もし距離が理由なら、地球全体が同時に夏か冬になるはずです。赤道の近くでは太陽の高さがあまり変わらないので、はっきりした四季になりません。かわりに雨の多い季節と少ない季節に分かれます。四季があることは当たり前ではなく、かたむきのある星の、中くらいの緯度にある土地だけの特徴です。

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知っていると、なにがうれしいか 「夏は太陽に近いから暑い」という説明が正しくないと分かる。南半球の季節の話とも、きちんとつながります。

きょうためせること 晴れた日の正午に、自分のかげの長さをはかって記録しておこう。3か月後にもう一度、同じ時刻にはかると、はっきりちがいます。太陽の高さが変わった証拠です。

2月10日てんき

さらさらの雪と、べたべたの雪。何がちがうの?

さらさら かるい気おんが ひくいままべたべた おもい0どより上を 通ってきた

どっちだと思う? 雲のちがいで、雪の質が決まる / 落ちてくる とちゅうの気温で決まる

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とけている水の量です。降ってくるとちゅうの気温が低いままだと、結しょうがとけずに落ちてきます。これがさらさらの雪。とちゅうで0度より高いところを通ると表面が少しとけ、水がまじった状態で落ちてきます。これがべたべたの雪です。同じ雲から降っても、通り道の気温で別ものになります。

びっくり大事実! 同じ深さの雪でも、重さが何倍もちがうことがある。屋根に1メートル積もった湿った雪は、車が1台乗っているのと変わらない。ふわふわに見えるものが、家をこわす側に回ることがある。

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この差は、暮らしに直接ひびきます。べたべたの雪は水をふくむぶん重く、同じ深さでも何倍も重い。電線や木の枝に貼りつくので、雪の重みで枝が折れたり、停電が起きたりします。屋根の雪おろしがとくに危ないのもこの雪です。1月28日に読んだ屋根の話とつながります。一方、さらさらの雪は積もっても軽く、風で飛ばされて視界が悪くなります。スキー場が北の内陸に多いのは、さらさらの雪が降りやすいからでもあります。気象庁は雪の予報で、量だけでなく雪の質にもふれることがあります。「湿った重い雪」と言われた日は、量が少なくても被害が出ることがある、という合図です。

知っていると、なにがうれしいか 天気予報の「湿った重い雪」という言い方が、ただの説明ではなく警告だと分かる。

きょうためせること 雪の日に、こい色の布の上に雪を受けて、手ぶくろの上で軽くにぎってみよう。かたまりになるのがべたべたの雪、さらさらこぼれるのがさらさらの雪です。同じ冬でも日によってちがいます。

2月11日もの

金メダルは、金だけでできている?

中みはぎんつかわない 小がた家電としこうざん から とれる 金もある

どっちだと思う? 金メダルは、全部が金でできている / 中身は銀で、表面が金

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ほとんどが銀です。国際的な決まりで、金メダルは銀で作り、表面を一定量の金でおおうことになっています。だから中身は銀。全部を金で作ると、重すぎて、値段も大変なことになります。表面だけ金であっても、見た目も価値も十分にあるという判断です。

びっくり大事実! 金メダルの中身は銀だ。それでも、受け取った人の価値は1ミリも下がらない。メダルの値打ちは、材料ではなく、そこまでの時間のほうに入っているからだ。

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なぜ銀なのか。金は重く、やわらかく、そして高価です。純金でメダルを作ると、首にかけたときに重すぎて、傷もつきやすくなります。銀は金より軽くて硬く、加工しやすい。そのうえ、みがくと美しく光ります。表面に金をかぶせる方法にはめっきなどがあり、うすい層でも金の色になります。近年は、使わなくなった電子機器から金属を取り出してメダルを作る取り組みもありました。携帯電話や小型家電の中には、ごくわずかですが金や銀や銅が使われています。1トンの鉱石から取れる金より、1トンの使用済み携帯電話から取れる金のほうが多いことがあり、これを都市鉱山と呼びます。メダルの話は、そのまま資源の話につながります。

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知っていると、なにがうれしいか 「都市鉱山」という言葉の意味が分かる。小型家電のリサイクルの回収箱を見る目が変わります。

きょうためせること 家にある金色のものを見て、本当に金かどうか考えてみよう。多くは、うすい層や塗料で金色にしてあります。重さを手で比べると、金は思っているよりずっと重い金属です。

2月12日うちゅう

人工衛星は、なぜ落ちてこないの?

よこに 速いと 地面が にげていくよわいおちていないのでは なく 当たらない

どっちだと思う? 高いところには重力がはたらかない / 落ち続けているのに、地面に当たらない

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実は、ずっと落ち続けています。ただし、横向きにものすごく速く進んでいるので、落ちるより先に地球の丸みが逃げていきます。その結果、いつまでも地面に届かない。これが「回っている」という状態です。落ちていないのではなく、落ち続けているのに当たらないのです。

びっくり大事実! 宇宙飛行士が浮いているのは、重力がないからではない。宇宙船ごと、いっしょに落ち続けているからだ。あの人たちは笑顔で、時速2万7000キロで落下している。しかも、もう何年も落ち続けている。

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考え方は簡単です。ボールを横に投げると、少し飛んで落ちます。もっと強く投げると、もっと遠くに落ちます。どんどん強くしていくと、あるところで、落ちる曲がり方と地球の丸みがちょうど同じになります。そうなるとボールは地面に届かないまま、地球を1周してしまいます。国際宇宙ステーションはおよそ400キロの高さを、1周90分ほどで回っています。中の人が浮いているのも、重力がないからではありません。人も宇宙船もいっしょに落ち続けているので、床が体を押さないだけです。無重力ではなく、正しくは無重量。ちなみに、この高さにも空気がわずかに残っていて、少しずつブレーキがかかります。だから国際宇宙ステーションは、ときどきエンジンで高度を上げ直しています。

知っていると、なにがうれしいか 「無重力」という言い方が正しくないと分かる。ニュースの映像の見え方が変わります。

きょうためせること 消しゴムを横に軽く投げて、落ちるところに印をつけよう。次はもう少し強く。だんだん遠くなります。この延長線上に、人工衛星があります。

2月13日いきもの

チョコレートは、どんな木からできるの?

みきに直せつ なるたねを はっこうさせて はじめて あの かおり

どっちだと思う? カカオの実は、枝の先になる / カカオの実は、木の幹に直接なる

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カカオという木の実からできています。カカオは赤道に近いあたたかい地域で育ち、幹に直接、ラグビーボールのような大きな実がなります。中に入っている種を取り出し、発こうさせ、かわかして、いってから細かくすりつぶします。ここではじめて、チョコレートの元になるどろどろしたものになります。

びっくり大事実! カカオの実は、枝ではなく木の幹からいきなり生えている。人の胴体からスイカがぶら下がっているようなものだ。そして、その中の種をかじってもチョコの味はしない。あの味は、人が何日もかけて作り出したものである。

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面白いのは、カカオの実は枝ではなく幹や太い枝に直接なることです。これを幹生花といい、熱帯の森でよく見られます。地面に近いところで咲けば、飛ぶ力の弱い小さな虫でも受粉できます。カカオの花を運ぶのは、ハエのなかまのごく小さな虫だと考えられています。もう1つ、種そのものは甘くありません。発こうさせないと、あの香りは出てきません。とれたての種をかじっても、チョコレートの味はしないのです。つまりチョコレートは、木からそのまま出てくる食べ物ではなく、人の手間を何段も重ねてはじめて生まれる食べ物です。カカオは日本ではほとんど育たないので、板チョコの1枚は必ず、赤道の近くから海をこえて来ています。

知っていると、なにがうれしいか 板チョコ1枚が、どれだけ遠くから、どれだけの手間をかけて来たのかが分かる。

きょうためせること 板チョコの箱や包み紙を見て、カカオの産地が書いてあるか探してみよう。書いてあれば、地図でその国を探すこと。だいたい赤道の近くにあるはずです。

2月14日もの

チョコレートは、なぜ口の中でだけとけるの?

手のひら 32どより下口の中 36どとける温度が 体温の すぐ下

どっちだと思う? 口の中のつばで、とけている / カカオバターが、体温の少し下でとける

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チョコレートにふくまれるカカオバターという油が、人の体温のすぐ下でとける性質を持っているからです。とける温度がおよそ32度から34度。手に持っているあいだはぎりぎりとけず、口に入れたとたんにとけます。ちょうど体温の少し下、というところが、この食べ物のいちばんの発明です。

びっくり大事実! チョコレートがとける温度は、人の体温のわずか数度下だ。もし人間の体温がもう少し低い生きものだったら、チョコレートは口の中でとけず、ただのかたい板だった。あの口どけは、たまたま人間に合っている。

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もう1つ、チョコレートを固めるときには温度を上げ下げする作業があります。これをテンパリングといいます。同じカカオバターでも、固まり方が何通りもあり、そのうち1つだけが、つやがあってパリッと割れる形になります。ゆっくり冷やすだけでは、別の形で固まってしまい、白っぽくなったり、ぼそぼそになったりします。作る人は、温度計を見ながらこの形になるようにそろえています。だから、夏に一度とけたチョコレートを冷やし直すと、味は同じでも見た目と食感が変わります。白い粉をふいたようになるのは、いたんだのではなく、固まり方が変わったからです。1月11日に読んだ、もちのでんぷんが並び直す話と、考え方はよく似ています。

知っていると、なにがうれしいか 白くなったチョコレートが、いたんだのではないと分かる。すてなくてよい理由が説明できます。

きょうためせること チョコレートのかけらを、手のひらにのせて30秒待ってみよう。まだ形が残っているはずです。次に口に入れると、すぐにとけます。この差が、たった数度のちがいです。

2月15日デジタル

パスワードは、なぜ他の人に分からないの?

sakura7sakura8a91f...4c2e3d0b...ff171文字ちがうと まるごと べつもの「おしい」が 存在しない

どっちだと思う? パスワードは、そのまま保管されている / 計算して別の文字列に変えてから保管する

こたえを見る

きちんと作られたサービスでは、パスワードそのものを保存していないからです。かわりに、パスワードを決まった計算にかけて、まったく別の長い文字列に変えたものを保存しています。この計算は、元に戻せません。だから、記録を全部見られても、そこから元のパスワードは分からない仕組みになっています。

びっくり大事実! パスワードを1文字変えるだけで、保存される文字列は最初から最後まで別ものになる。「ほとんど合っている」という状態が存在しない。だからコンピュータは、あなたのパスワードを惜しいとは絶対に思わない。

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では、どうやって本人だと確かめるのか。ログインのたびに、入力されたパスワードを同じ計算にかけ、保存してある文字列と一致するかを見ます。一致すれば本人。元に戻す必要はありません。この計算をハッシュといいます。ハッシュには面白い性質があります。元の文字を1文字変えるだけで、出てくる文字列がまるごと別ものになります。少し似た文字列にはなりません。だから、似ているかどうかを比べることもできません。それでも、同じパスワードを別のサービスでも使っていると危険です。1か所から漏れた情報をもとに、ほかのサービスで片っぱしから試されることがあるからです。だからパスワードは、長さと、使い回さないことの2つが大事です。むずかしい記号を1つ足すより、長くするほうが効きます。

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知っていると、なにがうれしいか パスワードを長くすることと、使い回さないことが、なぜ大事なのかが分かる。家族で見直す話ができます。

きょうためせること おうちの人と、家で使っているサービスのパスワードが同じものになっていないか、数を数えてみよう。数えるだけでよく、中身を見せ合う必要はありません。同じものが2つ以上あれば、そこが弱いところです。

2月16日てんき

春一番って、どんな風?

南から あたたかい強い風つぎの日寒気が もどる春一番の あとは たいてい 寒くなる

どっちだと思う? 春一番のあとは、そのままあたたかくなる / 春一番のあとは、たいてい寒さが戻る

こたえを見る

立春から春分までのあいだに、はじめて吹く強い南よりの風のことです。気象庁が地方ごとに発表しています。日本海で低気圧が発達すると、その南側で南から強い風が吹きこみます。気温も上がります。ただし、必ず毎年あるわけではありません。条件に合う風が吹かない年は、発表されないままになります。

びっくり大事実! 春一番は、毎年あるとはかぎらない。条件に合う風が吹かなければ、その年は発表されないまま春になる。日本には、来ない年がある春の便りがある。

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春一番のあとは、たいてい寒さが戻ります。低気圧が通り過ぎたあと、北から冷たい空気が入るからです。あたたかくなって喜んだ翌日に冷えこむのは、この流れです。春は、寒い日とあたたかい日をくり返しながら進みます。この行ったり来たりを三寒四温と言うことがあります。もう1つ、春一番は強い風なので注意も必要です。物が飛ばされたり、海が荒れたり、山では雪崩が起きやすくなったりします。もともとこの言葉は、漁に出る人たちが、この時期の突風を警戒して使っていた言葉だと伝えられています。うれしい春の便りという顔と、気をつけろという顔の、両方を持った言葉です。天気予報で春一番と聞いたら、あたたかさより先に、風の強さのほうを見てください。

知っていると、なにがうれしいか 春一番のニュースを、あたたかさの話ではなく風の話として聞ける。洗たく物やベランダの片づけの判断に使えます。

きょうためせること 春一番が発表された日と、その次の日の最高気温を見くらべてみよう。たいてい下がっています。この上がって下がるのくり返しが、春の進み方です。

2月17日ちきゅう

地面をどこまで掘ったら、反対側に出られる?

はんけい 6400キロ ほったのは 12キロちかくマントルかくここだけ

どっちだと思う? すでに何百キロも掘った実績がある / いちばん深い穴でも、12キロほど

こたえを見る

人はまだ、地球の皮のところまでしか掘れていません。地球の半径はおよそ6400キロ。いちばん深く掘った穴でも12キロほどです。地球をリンゴにたとえると、皮にすら届いていません。しかも深くなるほど熱く、圧力も高くなるので、掘る道具のほうが先にこわれます。反対側までは、まだまったく届いていません。

びっくり大事実! 人類が掘った最も深い穴は、約12キロ。地球の半径の500分の1にもならない。私たちは足元の星について、その表面をひっかいただけで、中身は一度も見たことがない。それでも中心の温度を知っている。

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地球は、外側から地殻、マントル、外核、内核に分かれています。地殻の厚さは、大陸で30キロから40キロ、海の底で6キロほど。だから深く掘りたいときは、海の底のほうが近道です。中心の内核はおよそ5000度以上と考えられ、鉄がとけずに固まっているのは、上から押さえつける圧力がとても大きいからです。では、なぜ行けもしない場所の温度が分かるのか。地震の波を使うのです。地震が起きると波が地球の中を通り抜け、通ってきた場所の性質によって速さや進み方が変わります。世界中の地震計で受け取った波を突き合わせると、中がどうなっているかが見えてきます。1月17日に読んだ地盤の話と同じで、波は通り道の情報を持って帰ってくるのです。

👤 これを調べた人の話
地球の中を見た人は、まだ1人もいません。それでも中身が分かっているのは、地震の波を世界中ではかり続けた人たちがいるからです。行けない場所を、行かずに調べる。これは科学のいちばん得意なやり方の1つです。

知っていると、なにがうれしいか 「地球の中はこうなっている」という図が、どうやって描かれたのかが分かる。

きょうためせること リンゴを半分に切って、皮の厚さと全体の大きさを見くらべてみよう。人が掘れた深さは、そのリンゴの皮よりずっとうすい割合です。

2月18日からだ

あくびは、なぜうつるの?

なぜ うつるのか まだ わかっていないわかっていない=これから 調べる場所

どっちだと思う? 酸素が足りないから、うつる / はっきりした理由は、まだ分かっていない

こたえを見る

はっきりした理由は、まだ分かっていません。有力な考え方の1つが、人が相手のしぐさを自然にまねる仕組みを持っている、というものです。うつりやすさは相手との近さで変わり、家族や親しい友だちのあくびのほうがうつりやすいという報告があります。ヒト以外の動物でも、うつる例が報告されています。

びっくり大事実! 世界中の研究者が調べても、あくびがなぜうつるのかは、まだ決着していない。毎日だれもが何度もやっているのに、だ。いちばん身近な動きが、いちばん解けていない問いだったりする。

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科学には、まだ答えが出ていないことがたくさんあります。あくびもその1つで、そもそも何のためにあくびをするのかも、決着していません。眠いときの脳の温度を下げるためという説、酸素とは関係ないという指摘、退くつのときに気持ちを切りかえるためという説など、いくつも並んでいます。大事なのは、こういうときに1つの説を正解として覚えないことです。「まだ分かっていない」というのは、科学が負けている状態ではありません。答えが決まっていない場所こそ、これから調べる人の出番があるところです。学校で習うことの多くは、すでに決着した話です。決着していない話が身のまわりにいくらでもあることを知っておくと、理科の見え方が変わります。

👤 これを調べた人の話
あくびのようなささいなことを、まじめに何年も調べている研究者がいます。役に立つかどうかが先に分かっている研究ばかりではありません。気になったから調べる。それが許されているところが、科学のいいところです。

知っていると、なにがうれしいか 「まだ分かっていない」が、りっぱな答えだと分かる。自分で調べてよい場所が、まだたくさんあると気づけます。

きょうためせること 家の人の前で、わざとあくびをしてみよう。何人にうつるか。次に、テレビの中の人のあくびでもうつるか試してみよう。相手との近さで結果が変わるかどうか、自分で確かめられます。

2月19日うちゅう

星までの距離は、どうやってはかるの?

なつふゆ半年で 見る場所が かわる → ずれで はかるずれが 大きいほど ちかい星

どっちだと思う? 光の速さで時間をはかっている / 見る場所を変えたときの ずれではかる

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近い星は、見る場所を変えたときのずれではかります。地球は太陽のまわりを回っているので、半年たつと見る位置が大きく変わります。そこから同じ星を見ると、遠くの星に対してほんの少しだけずれて見えます。このずれが大きいほど近い星。指を立てて右目と左目で交ごに見ると位置がずれるのと、まったく同じ考え方です。

びっくり大事実! 宇宙の大きさは、たくさんの物差しをつないで測られている。いちばん手前の物差しが少しずれると、いちばん遠い答えが何千万年ぶんも動く。人類の宇宙地図は、いまも少しずつ描き直されている。

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この方法を年周視差といいます。ただし、ずれはとても小さく、近い星でも1度の3600分の1のさらに何分の1という角度です。だから望遠鏡が良くならないと測れませんでした。もっと遠い星には別の方法を使います。明るさが規則正しく変わる星の中に、変わる周期と本当の明るさが対応しているものがあります。周期をはかれば本当の明るさが分かり、見かけの暗さと比べれば距離が出ます。もっと遠い銀河には、また別の方法。近い方法で遠い方法を較正し、それをまた次の方法の物差しにする。これを何段も積み重ねて宇宙の大きさをはかっています。だから、いちばん近い段が少しずれると、いちばん遠い答えも動きます。宇宙の距離は、たくさんの物差しをつないだ長い1本なのです。

知っていると、なにがうれしいか 「◯◯光年」という数字が、どうやって出されたのかが分かる。ニュースで見たときの受け取り方が変わります。

きょうためせること 人差し指を目の前に立て、右目だけ、左目だけで交ごに見てみよう。指が横に動いて見えます。次に指を遠くにのばして同じことをすると、動きが小さくなります。これが距離のはかり方です。

2月20日いきもの

ネコのひげは、何のためにあるの?

ひげは かざりでは なく 感じる器官目の おくに 鏡がある

どっちだと思う? ひげは、見た目のかざり / ひげは、さわって感じるための器官

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さわるための道具です。ひげの根もとには神経がたくさん集まっていて、ふれたものや、わずかな空気の動きを感じ取れます。暗いところでもぶつからずに歩けるのは、目だけでなくひげで確かめているからです。すき間を通れるかどうかも、ひげをあてて判断していると考えられています。

びっくり大事実! ネコの目が暗闇で光るのは、目の奥に鏡があるからだ。一度通り抜けた光を、もう一度もどして使っている。ネコは、少ない光を2回読み直している。まじめな子の勉強法である。

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ひげは飾りではなく、感じる器官です。だから切ってはいけません。切られると距離感がつかめず、動きがぎこちなくなることが知られています。ひげの向きにも意味があります。気持ちが落ち着いているときは横に広がり、警戒すると前に向き、こわがると後ろに引きます。表情の代わりに、ひげが動いています。目についても面白い工夫があります。ネコの目が暗いところで光るのは、目の奥に鏡のような層があり、一度通り抜けた光をもう一度もどして感じ取っているからです。少ない光を2回使う仕組みです。ネコが夜に強いのは、この鏡とひげの合わせ技だからで、どちらか一方ではありません。あすは2月22日、猫の日です。

知っていると、なにがうれしいか ネコのひげを切ってはいけない理由を、はっきり説明できる。ネコの気持ちも、ひげから読めるようになります。

きょうためせること ネコがいる家では、さわらずに顔を見てみよう。落ち着いているときと、こちらが近づいたときで、ひげの向きが変わります。ひげには絶対にさわらないこと。

2月21日デジタル

ロボットが人のように歩くのは、なぜ難しいの?

たおれながら 受けとめる0.1びょうのおくれで ころぶはかって 計算し直す

どっちだと思う? 部品が重すぎて歩けない / 2本足で立つこと自体が、不安定だから

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2本の足で立つこと自体が、そもそも不安定だからです。人は歩くたびに、片足だけで体を支え、倒れかけては次の足を出す、をくり返しています。つまり歩くとは、倒れながら受け止め続けることです。ロボットにこれをさせるには、体の傾きを何百回も測り、そのつど関節の力を計算し直さなければなりません。

びっくり大事実! 歩くとは、倒れることの連続だ。人は1歩ごとに前へ倒れ、間に合うように足を出している。つまり私たちは毎日、何千回も転びかけては助かっている。しかも一度も気づいていない。

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人はこれを、意識せずにやっています。足のうらや耳の奥にある器官が体の傾きを感じ取り、脳が自動で調整しています。転びそうになったとき、考える前に足が出るのはそのためです。ロボットは同じことを、センサーと計算でやります。しかも遅れが許されません。0.1秒の計算のおくれが、そのまま転倒になります。近ごろ二足歩行のロボットが上手に歩けるようになったのは、センサーが速く正確になり、計算する部品が小さく強くなったからです。ただ、階段、ぬれた床、じゅうたんのはしなど、少し変わるだけで難しさが跳ね上がります。私たちが何も考えずにできていることの多くは、実はとても複雑な処理の結果です。ロボットを作ってはじめて、人のすごさが分かる、というのはよくあることです。

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知っていると、なにがうれしいか 何気なくやっている動きが、どれだけ複雑かが分かる。ロボットのニュースの受け取り方が変わります。

きょうためせること 片足で立って、目を閉じてみよう。何秒立っていられるか。目を開けているときとの差が、体が使っている情報の量です。転ばないよう、かべの近くでやること。

2月22日いきもの

きょうは猫の日。ネコは高いところから落ちても、なぜけがをしにくいの?

前半身と 後半身を 反対に ねじるけがを しないわけでは ない。まどの対さくを

どっちだと思う? 体が軽いので、けがをしない / 空中で体をひねって、足から着地する

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落ちているあいだに体をひねって、足から着地できるからです。空中で体をねじる仕組みを持っていて、背骨がとてもよく曲がります。さらに、足を広げて空気の抵抗を受け、着地では関節をたっぷり曲げて衝げきを吸収します。ただし、けがをしないわけではありません。落ちる高さによっては、大けがをします。

びっくり大事実! ネコは、つかまるものが何もない空中で、体の向きだけを変えられる。物理の決まりを破っているように見えて、実は前半身と後半身を反対にねじっているだけ。ネコは、自分の体を2つに分けて使っている。

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面白いのは、空中に何もつかまるものがないのに向きを変えられることです。前半身と後半身を反対向きにねじり、それを順番に戻すことで、全体の向きだけを変えています。フィギュアスケートの選手が腕を縮めて回転を速くするのと同じで、体の形を変えることで回りやすさを調整しているのです。この動きはとても速く、写真に何枚も分けて撮ってはじめて分かりました。研究者は写真の技術ができてから、やっと仕組みを説明できるようになりました。なお、これは高いところが安全という意味ではありません。ネコの落下事故は動物病院でよく扱われるもので、窓やベランダの安全対策は必要です。すごい能力を持っていることと、危なくないことは、別の話です。

知っていると、なにがうれしいか ネコのすごさが分かると同時に、ベランダや窓の対策が必要な理由も分かる。

きょうためせること ぬいぐるみを低いところから落として、どこから着地するか見てみよう。生きているネコで試してはいけません。高いところからも絶対に落とさないこと。

2月23日ちきゅう

きょうは富士山の日。富士山は、なぜあの形なの?

ようがんと 火山ばいの かさなり同じ火口から 何度も くりかえした 記ろくせいそう火山

どっちだと思う? 風にけずられて、あの形になった / マグマが何度も流れて、積み重なった

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ねばりの弱いマグマが、同じ火口から何度も流れ出て積み重なったからです。ねばりが弱いと遠くまで流れ、まわりに広がります。それが噴火のたびにくり返されると、すそが長くのびた円すいの形になります。この形を成層火山といいます。形は火山の性質そのもので、たまたまきれいなのではありません。

びっくり大事実! 富士山のあの形は、山が何百回も同じ場所から自分をつくり直した結果だ。1回の噴火では、あの形にはならない。私たちが見ている美しい三角形は、途方もない回数の積み重ねの記録である。

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マグマのねばりは、ふくまれる成分で決まります。ねばりが強いマグマは流れずに火口の近くで固まり、ドーム状のふくらんだ山になります。ねばりが弱いと平べったい山になります。富士山はその中間にあたり、溶岩と火山灰が交ごに積み重なっているので、成層火山と呼ばれます。積み重なりが左右にかたよらなかったため、あの整った形になりました。富士山は活火山です。活動していないという意味ではなく、今後も噴火する可能性がある山として、国が監視の対象にしています。江戸時代の宝永の噴火では、江戸まで火山灰が降りました。美しい山であることと、備えが必要な山であることは、両立します。9月29日に読んだ、日本に山が多い理由の話とつながっています。

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知っていると、なにがうれしいか 山の形を見ただけで、どんなマグマが出た火山かをおおよそ言える。社会の地形の学習にもそのまま使えます。

きょうためせること 富士山の写真と、日本のほかの火山の写真を見くらべてみよう。ふくらんだ形の山、平べったい山。形がちがう理由が、マグマのねばりです。

2月24日もの

春に飛ぶスギの花粉は、どのくらい小さいの?

かみの毛 1本かふん 1つぶかみの毛の やく 3分の1 1ミリの30分の1かるいので 何十キロも 風にのる

どっちだと思う? 目で1粒ずつ見えるくらいの大きさ / 髪の毛の3分の1ほどで、目では見えない

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直径がおよそ30マイクロメートル、つまり1ミリの30分の1ほどです。髪の毛の太さのおよそ3分の1。目では1粒を見ることができません。これだけ小さくて軽いと、風にのって何十キロも運ばれます。木の下にいなくても飛んでくるのは、そのためです。

びっくり大事実! 目に見えないほど小さな粒を、決まった場所で1粒ずつ数えている人たちがいる。花粉の予報は、その数えた数の上に成り立っている。ニュースの短い一言の裏に、顕微鏡をのぞく毎日がある。

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風で運ぶ花は、虫を呼ぶ必要がないので、色も香りもありません。そのかわり、途方もない数の花粉を出します。ほとんどはめしべに届かず地面に落ちるので、数でおぎなうしかないからです。2月6日に読んだ、虫を呼ぶ花と風にたよる花の話の続きです。飛び方にも決まりがあります。晴れて気温が上がり、風のある日は多く飛び、雨の日は空気中から洗い流されます。ただし雨の翌日は、たまっていたぶんが一度に飛ぶことがあります。気象庁や自治体は花粉の観測を行っていて、決まった場所に置いた装置で1平方センチあたりに落ちた粒の数を数えています。目に見えないほど小さいものを、1粒ずつ数えている人がいるということです。花粉の量の予報は、その積み重ねの上に出されています。

知っていると、なにがうれしいか 花粉の予報が、どうやって作られているのかが分かる。数字の意味が変わって見えます。

きょうためせること 晴れて風の強い日に、白い紙を1時間だけ屋外に置いてみよう。取りこんだあと、虫めがねで表面を見ると、細かい粒がついています。紙を口や目に近づけないこと。

2月25日てんき

春に、空がかすんで見えるのはなぜ?

ふゆ くっきりはる かすむ水じょうき・土ぼこり・かふん が ふえる

どっちだと思う? 春は太陽の光が弱くなるから / 空気の中の細かい粒が増えるから

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空気の中に、細かい粒が増えるからです。冬は空気がかわいていて、大陸から冷たく澄んだ風が来るので遠くまで見えます。春になると気温が上がり、水蒸気が増え、風も弱まって空気が動きにくくなります。そこへ土ぼこりや花粉も加わり、光が散らされて白っぽく見えます。これが春がすみです。

びっくり大事実! 同じ場所から同じ山を見ても、冬と春では見える距離がまるでちがう。空気は透明に見えて、実は季節ごとに中身が入れかわっている。私たちは1年かけて、別の空気の中を歩いている。

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12月26日に読んだ、冬に遠くの山がくっきり見える話の、ちょうど反対です。同じ場所から同じ山を見ても、季節で見え方が変わります。もう1つ、大陸から細かい砂が飛んでくることもあります。黄砂です。乾いた地域の砂が強い風で舞い上がり、上空の風にのって運ばれてきます。気象庁は黄砂の予測を発表しています。空がかすむ理由が水蒸気なのか、砂なのかは、見た目だけでは分かりません。予報を見ると分かります。ちなみに、かすんで見えるのは悪いことばかりではありません。遠くがぼんやりすると、近くのものがはっきり浮き上がって見えます。春の風景がやわらかく見えるのは、この効果もあります。日本の絵や歌に春がすみがよく出てくるのは、偶然ではないのかもしれません。

知っていると、なにがうれしいか 「春がすみ」という言葉が、詩の言葉ではなく現象の名前だと分かる。国語にも理科にも使えます。

きょうためせること 同じ場所から、同じ山や建物を、冬と春に写真に撮って見くらべてみよう。1か月おきに撮ると、だんだんかすんでいくのが分かります。

2月26日うちゅう

月には、なぜ空気がないの?

ちきゅうおもい → 空気を つかまえるかるい → にげてしまう音も 青空も ない

どっちだと思う? 月ができたときに、空気を作らなかった / 重力が弱くて、気体をつかまえておけない

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月は小さくて重力が弱いので、気体をつかまえておけないからです。気体の粒はいつも激しく動いていて、重力が弱いと、その動きだけで宇宙へ逃げてしまいます。地球は月よりずっと重いので、空気を引きとめておけます。空気があるかどうかは、その星の重さと温度で決まります。

びっくり大事実! 月に残された人類の足あとは、いまも消えていないと考えられている。風も雨もないので、消すものがないからだ。50年以上前の靴の形が、いまも同じ場所にある。地球では1日で消える跡が、月では歴史になる。

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月には空気がないので、いろいろなことが地球とちがいます。音が伝わりません。音は空気のふるえだからです。空が青くありません。青空は、空気の粒が青い光をよく散らすことで生まれます。空気がなければ、昼でも空はまっ黒で、星が見えます。1月16日に読んだ宇宙の熱の話も同じで、日なたと日かげの温度差が極端になります。風もふきません。だからアポロが月面に残した足あとは、いまも消えずに残っていると考えられています。雨も風もない場所では、消すものがないからです。天体によって事情はちがいます。火星は月より重く、うすい大気を持っています。金星は地球と大きさが近いのに、とても厚い大気があり、高温です。大きさだけでは決まらないところが、また面白いところです。

知っていると、なにがうれしいか 「月では音が聞こえない」「月の空はまっ黒」の理由が、1つの原因からまとめて説明できる。

きょうためせること 月の写真をよく見てみよう。かげの部分の境目が、地球の景色よりくっきりしています。空気がないので、光がまわりこまないからです。

2月27日デジタル

古いゲーム機のセーブデータは、なぜ消えてしまうの?

SAVE 1電池NO DATAこわれたのでは なく 電池が 切れたデジタルは 世話をし続けて はじめて のこる

どっちだと思う? ソフトの中身が古くなって消える / 中の電池が切れて、記録が消える

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むかしのゲームソフトの多くは、小さな電池で記録を保っていたからです。電池がなくなると、記録も消えます。電池の寿命はおよそ10年から20年ほどで、発売から時間がたったソフトは、そろそろその時期にあたります。壊れたのではなく、電池が切れたのです。

びっくり大事実! 30年前のゲームの記録は、小さな電池1個が守っていた。その電池が切れた日に、何十時間ぶんの冒険が消える。世界を救った記録が、ボタン電池の寿命より短かったということだ。

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いまのゲーム機や、写真を残すメモリーカードは電池がいりません。電気を切っても消えない部品を使っているからです。ただし、それも永久ではありません。書きこみの回数に限りがあり、長い年月のうちに少しずつ内容が変わってしまうこともあります。紙やレコードのように、見れば分かる形で残っているものとちがい、デジタルの記録は読み出す機械がなくなると、あるのに読めない状態になります。フロッピーディスクやMDが、いま読めなくて困っているのがまさにこれです。大事なデータを長く残したいなら、1か所に置かないこと、そしてときどき新しい入れものに移し替えることが必要です。デジタルは、置いておけば残るものではありません。世話をし続けてはじめて残ります。

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知っていると、なにがうれしいか 写真や作品を長く残すために、何をすればよいかが分かる。バックアップの意味が実感として分かります。

きょうためせること 家に、いまの機械では読めない記録が残っていないか探してみよう。カセットテープ、フロッピー、ビデオテープ。読める機械がまだ家にあるかどうかも確かめてみよう。

2月28日いきもの

春に生きものが動き出すきっかけは、気温?それとも日の長さ?

日の長さ毎年 きっちり同じ気おん年によって ぶれる生きものは べつべつの 時計で 春を まつ時計が ちがうと 待ちあわせが ずれる

どっちだと思う? どの生きものも、気温だけで動き出す / 生きものによって、たよる手がかりがちがう

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両方ですが、たよっている割合は生きものによってちがいます。日の長さは毎年きっちり同じで、あたたかい年でも寒い年でも変わりません。気温はその年によって大きくぶれます。だから、失敗できない大事な行動ほど、日の長さを手がかりにする生きものが多いと考えられています。

びっくり大事実! 生きものは、それぞれ別の時計で春を待っている。日の長さで動く者と、あたたかさで動く者。いままで同じ日にそろっていた待ち合わせが、いま少しずつずれ始めている。だれも遅刻していないのに、会えなくなる。

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たとえば渡り鳥が旅立つ時期や、動物の繁はんの準備は、日の長さで決まっている例が知られています。あたたかい日が数日続いただけで動き出してしまうと、また寒くなったときに取り返しがつかないからです。一方、虫が出てくる時期や、植物が花を開くところは、気温の影響を強く受けます。だから、あたたかい年は桜が早く咲きます。ここに1つ問題があります。気候が変わって春が早く来るようになると、気温にたよる生きものだけが早まり、日の長さにたよる生きものは変わりません。花が咲いたのに虫がまだいない、虫が出たのに鳥がまだ来ていない、というずれが起きます。これを季節のずれといい、いま各地で調べられているところです。生きものは、それぞれの時計で春を待っています。時計の種類がちがうことが、今になって効いてきています。

👤 これを調べた人の話
いつ花が咲いたか、いつチョウを見たかを、何十年も記録し続けている人たちがいます。1年ぶんでは何も言えませんが、50年ぶんたまると、季節が動いていることが見えてきます。毎日の記録は、そのときはただの記録です。

知っていると、なにがうれしいか 「今年は桜が早い」というニュースの裏で、何が起きているのかが分かる。自分の記録にも意味が出てきます。

きょうためせること 家のまわりで、いちばん早く春に気づく生きものを探してみよう。虫か、鳥か、草か。見つけた日を記録しておくと、来年くらべられます。

2月29日ちきゅう

1日の長さは、じつは少しずつ変わっているって本当?

サンゴの 化石すじは 365より 多い潮の まさつが ブレーキに なる

どっちだと思う? 1日の 長さは いつでも きっちり 同じ / 地球の 回る 速さは 少しずつ 変わって いる

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本当です。地球の自転の速さは一定ではなく、ごくわずかに変化しています。長い目で見ると、月の影響で自転はゆっくりになる向きに働いています。潮の満ち引きが起きるとき、海水と海底のあいだで摩擦が生まれ、そのぶん地球の回転にブレーキがかかるからです。1日が長くなる量はごくわずかですが、何億年もためると大きな差になります。

びっくり大事実! 昔は1日が短く、1年に入る日数がいまより多かった。その証拠は、サンゴの化石に残っている。1日ごとのすじを数えると、365より多い。

もっとくわしく

証拠は、化石に残っています。サンゴの化石には、1日ごとの成長のすじと、1年ごとの区切りがついているものがあります。古い時代のサンゴを数えると、1年あたりのすじの数が、いまの365より多いのです。つまり昔は1日が短く、1年に入る日数が多かった。しかも、地球の自転は毎年きれいに遅くなるわけではなく、地震や、大気や海水の動きでも速さが少し変わります。だから正確な時計の時刻と、地球の向きから決めた時刻はずれていきます。そのずれを直すために、うるう秒という1秒の調整が行われてきました。2月29日が4年に1度あるのも、根っこは同じ話です。地球の動きは、きれいな数字になっていないのです。

👤 これを調べた人の話
サンゴのすじを数えて昔の1日の長さを推定した研究者がいます。時計も記録もない時代の話を、生きものが残したすじから読みとった。証拠は、思いがけない場所に残っています。

知っていると、なにがうれしいか 「1日」や「1年」が、決めごとではなく測った結果だと分かります。4年に1度の日の意味も変わります。

きょうためせること カレンダーで、うるう年の年を4つ書き出してみよう。4で割り切れる年がうるう年ですが、100で割り切れる年は例外で、400で割り切れる年は元にもどります。2000年はうるう年で、1900年はちがいました。

3月1日てんき

3月なのに雪が降ることがあるのは、なぜ?

南から水じょうき北から 寒気南の低気圧なのに 雪をふらせる

どっちだと思う? 北から寒い風が吹きつけて降る / 南から来る低気圧が、雪を降らせる

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日本の南の海の上を通る低気圧のせいです。この低気圧は北から冷たい空気を引きこみながら、南から大量の水蒸気を運んできます。あたたかくなってきた3月でも、上空にまだ冷たい空気が残っていると、その雨が雪に変わります。南から来る低気圧なのに雪を降らせる、というところが不思議なところです。

びっくり大事実! 雨になるか雪になるかは、低気圧の道がほんの数十キロずれるだけで変わる。東京から見れば、横浜くらいの距離だ。その差で、電車が止まるかどうかが決まる。日本でいちばん当てにくい予報が、この日の予報である。

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冬の雪と3月の雪は、降り方がまるでちがいます。真冬の日本海側の雪は、大陸から吹き出す冷たい風が海で水蒸気をもらって降らせるもので、さらさらしています。3月の雪は、南の海の水蒸気が元なので水分が多く、重くべたべたした雪になります。2月10日に読んだ、さらさらとべたべたの話です。この雪は太平洋側にも降ります。ふだん雪の少ない地域なので、少し積もっただけで交通が止まります。同じ低気圧でも、通る道が少し南にずれるだけで雨になり、少し北にずれると雪になります。この差はほんの数十キロで、予報がいちばん難しい場面のひとつです。気象庁が「雪か雨か、微妙です」という言い方をするのは、いいかげんだからではありません。

知っていると、なにがうれしいか 3月の雪と真冬の雪がちがう理由が分かる。予報が「雨か雪か微妙」と言う意味も分かります。

きょうためせること 3月に雪の予報が出たら、気温の予報も一緒に見てみよう。同じ「雪」でも、気温が2度と0度では積もり方がまったくちがいます。翌朝の道の様子と見くらべてみよう。

3月2日からだ

春になると、なぜ眠くなるの?

からだの時計ふゆの設定はるの設定へ合わせ直しの とちゅうだから 眠い

どっちだと思う? 春は空気がうすくなって、酸素が減る / 体の中の時計を、合わせ直している途中

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体の中の時計が、季節の変わり目に合わせ直しているところだからです。人の体には、朝に目がさめて夜に眠くなるリズムがあり、これは光の量で調整されています。春は日の出がぐんぐん早くなり、気温も上がるので、そのリズムを作り直している最中になります。合わせ直しの途中は、リズムがずれて眠く感じやすいのです。

びっくり大事実! 人の体内時計は、きっちり24時間ではない。放っておくと毎日少しずつずれていく。それを毎朝リセットしているのは、目に入る光だ。つまり私たちは、太陽の光でネジを巻き直す時計を体に入れて歩いている。

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体内時計は、実はきっちり24時間ではありません。人によって少しずれていて、そのずれを毎日リセットしているのが朝の光です。目に強い光が入ると、体は「朝だ」と判断し、そこから約14時間後に眠くなる準備を始めます。だから、朝に光を浴びる時間が変わると、夜の眠くなる時刻も動きます。春は日の出が1か月で30分以上早くなるので、体は毎日少しずつ設定を変え続けています。あわせて、あたたかくなると体の表面の血管が広がり、熱を逃がしやすくなります。眠くなるときも体は熱を逃がすので、この2つが重なります。春眠暁を覚えずという言葉は千年以上前からありますが、その理由が説明できるようになったのは、ずっとあとのことです。

知っていると、なにがうれしいか 春に眠いのは、なまけているからではないと分かる。朝にカーテンを開ける理由もできます。

きょうためせること 1週間、起きた時刻と、外が明るかったかどうかを書き出してみよう。カーテンを開けて寝た日と閉めて寝た日で、目のさめ方がちがうかどうか。自分の体で確かめられます。

3月3日うちゅう

きょうは桃の節句。でも、桃はまだ咲いていないのはなぜ?

むかしの3月3日= いまの4月ごろ桃が さくころ日づけだけ 移された

どっちだと思う? 昔から3月3日に決まっていて、桃も昔は早かった / むかしの暦の3月3日は、いまの4月ごろだった

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むかしの暦の3月3日は、いまの4月ごろにあたるからです。むかしの日本は月の満ち欠けをもとにした暦を使っていて、いまの暦とは1か月ほどずれます。行事の日付だけを新しい暦に移したので、季節が合わなくなりました。桃が咲くころの行事だったものが、桃の咲く前に来てしまっているのです。

びっくり大事実! 日本の年中行事の多くは、季節が1か月ずれたまま行われている。桃の節句に桃がなく、七草に七草が生えていない。それでも誰も日付を戻さない。行事は、季節ではなく人の習慣のほうに住んでいる。

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むかしの暦は、月が新月から次の新月まで、およそ29.5日で1か月としていました。12か月では約354日で、太陽の1年より11日ほど短くなります。そのままだと季節がどんどんずれるので、数年に一度、1年を13か月にして調整していました。この余分な月をうるう月といいます。1月7日の七草も、1月11日の鏡開きも、本来はいまより1か月ほどあとの行事でした。だから七草がいまの野原になかなか見つからないのも、当たり前なのです。地域によっては、いまでも4月3日にひな祭りをするところがあります。そちらのほうが、もとの季節に近い形です。行事の日付がずれて見えるときは、たいてい暦が変わったせいだと考えると、たいがい当たります。

知っていると、なにがうれしいか 季節と行事が合わない理由が、ひとつの説明でまとめて分かる。七草も鏡開きも同じ理由です。

きょうためせること 家の近くで桃の花を探して、咲いた日を記録してみよう。3月3日から何日あとか。地域によって差があります。桜より少し早いか、同じころに咲きます。

3月4日デジタル

信号機は、青になるタイミングをどうやって決めているの?

+20びょう+20びょう青になる時こくが ずらしてあるきめられた速さで 走ると 次々に青

どっちだと思う? どの信号も、同じ秒数で切りかわっている / 場所によって決め方がちがい、つながって動くものもある

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場所によって決め方がちがいます。多くの信号は、決められた時間で切りかわるように設定されています。交通量の多いところでは、道路に埋めたセンサーやカメラで車の数を数え、その日その時間の混みぐあいに合わせて長さを変える仕組みが使われています。押しボタンのある横断歩道は、人が押したことを合図にしています。

びっくり大事実! 大きな通りの信号は、1つずつ勝手に光っているのではない。決められた速さで走ると次々に青に当たるよう、時刻がずらしてある。急いで飛ばした車のほうが、先に赤に捕まる。道路は、静かに待てる人にごほうびを用意している。

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面白いのは、1つの信号だけを見ていては分からない仕組みがあることです。大きな通りでは、いくつもの信号がつながって制御されています。ある速さで走ると次々に青に当たるように、青になる時刻を少しずつずらしてあるのです。これを系統制御といいます。だから、みんなが決められた速さで走ると、いちばんスムーズに流れます。急いで飛ばすと、かえって次の赤に早く着きます。信号は「止めるための道具」に見えますが、本当は「全体を早く通すための道具」です。1台にとっていちばん速い走り方と、全体にとっていちばん速い流し方は、同じではありません。この考え方は、道路だけでなく、通信のネットワークやお店のレジの並ばせ方にも使われています。

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知っていると、なにがうれしいか 信号が「止めるための道具」ではないと分かる。車の中での見え方が変わります。

きょうためせること 車に乗せてもらったとき、大きな通りで信号がどう変わるか見てみよう。1つ青になったあと、次の信号が青になるまでに何秒かかるか。ずれ方に決まりがあるはずです。

3月5日いきもの

カエルは、冬のあいだどこにいたの?

こおらない ふかさで春を まつ皮ふで 水の中の さんそを とりこむ

どっちだと思う? 南のあたたかいところへ移動していた / 土や池の底の泥にもぐって、春を待っていた

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多くは土の中や、池の底の泥の中にもぐっています。カエルは体温を自分で作れないので、外が寒くなると体も冷えて動けなくなります。だから、凍らない深さまでもぐって、春を待ちます。池の底の泥の中にいるカエルは、その間ほとんど呼吸をせず、皮ふから水にとけている酸素を取りこんでいます。

びっくり大事実! 池の底で冬を越すカエルは、肺をほとんど使わない。皮ふだけで、水にとけたわずかな酸素を取りこんで数か月を過ごす。人間なら数分でどうにもならないことを、カエルは半年やってのける。しかも寝ながら。

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皮ふで呼吸できるというのが、カエルの大きな特徴です。だからカエルの皮ふはいつも湿っていて、乾くと生きられません。冬のあいだ、肺をほとんど使わずに皮ふだけで足りるのは、体温が下がって必要な酸素の量がぐっと減るからです。動かなければ、それだけで済んでしまう。春になって水がぬるむと、体温が上がり、動けるようになり、鳴き始めます。鳴くのはおもにオスで、メスを呼ぶためです。田んぼに水が入る時期と、カエルが鳴き始める時期が重なるのは、偶然ではありません。産んだ卵がかえるまで水が必要だからです。カエルが減っている地域があるのは、産卵できる浅い水辺が減ったことと関係していると考えられています。

知っていると、なにがうれしいか 春のはじめての鳴き声に意味が出てくる。記録すると、来年の春が待ち遠しくなります。

きょうためせること 春の夕方、田んぼや池の近くを通ったら、少し立ち止まって耳をすませてみよう。今年はじめてカエルの声を聞いた日を記録すると、来年と比べられます。水辺には近づきすぎないこと。

3月6日もの

消しゴムは、なぜ字を消せるの?

かみの でこぼこに ひっかかった 黒い粉消しカス=字そのもの

どっちだと思う? 消しゴムが、字を紙にすりこんで見えなくする / 消しゴムが、粉をはがして自分に取りこむ

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消しているのではなく、はがして持ち去っています。鉛筆の字は、紙の表面のでこぼこに黒い粉が引っかかっているだけの状態です。消しゴムでこすると、消しゴムのほうが粉にくっつき、紙から引きはがして自分に取りこみます。そして、粉を抱えたまま消しカスになって落ちていきます。消しカスは、字がそのまま出てきたものです。

びっくり大事実! 消しカスは、字そのものだ。消しゴムは字を消していない。字を捕まえて、連れて出ていっているだけである。机の上に散らばっているあの白いくずには、あなたが書いた文字が全部入っている。

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だから、いい消しゴムの条件は「よく削れること」です。削れないと、粉を抱えた面が減らず、すぐに黒くなって消せなくなります。逆に削れすぎると、あっという間になくなります。このバランスを取るために、消しゴムには柔らかさを調整する成分が混ぜられています。ボールペンの字が消えないのは、インクが紙の繊維の中にしみこんでいるからです。表面に乗っているのではないので、はがせません。近ごろの消えるボールペンは、まったく別の仕組みで、こすった熱でインクの色を透明に変えています。だから消したあとに冷やすと、色が戻ってくることがあります。同じ「消す」でも、中身は3通りあるのです。

知っていると、なにがうれしいか ボールペンが消えない理由が、同じ話の中で説明できる。消しゴムを選ぶ目も変わります。

きょうためせること 消しカスを白い紙の上に集めて、指でつぶしてみよう。黒くなります。それが、さっきまで字だったものです。次にボールペンで書いた線を消しゴムでこすってみて、消えない理由を確かめよう。

3月7日うちゅう

月は、どうやってできたの?

てつ外がわが はがされて 集まった月の石は 鉄が 少ない

どっちだと思う? 地球と同時に、となりで生まれた / 大きな天体がぶつかってできた、という説が有力

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できたばかりの地球に、大きな天体がぶつかってできた、という考え方が有力です。ぶつかった衝げきで、地球の外側の部分と相手の一部が宇宙にまき散らされ、それが地球のまわりを回りながら集まって月になった、というものです。ジャイアント・インパクト説といいます。ただし、まだ確かめきれていないところも残っています。

びっくり大事実! 月は、もともと地球の一部だったかもしれない。夜空に浮かんでいるあの丸いものは、45億年前に地球からはがれて、それ以来ずっと戻れずにいる。しかも少しずつ遠ざかっている。

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なぜこの説が有力なのか。月の石を調べると、地球の岩石とよく似た性質を持っている一方で、鉄などの重い成分が少ないことが分かっています。地球の中心には鉄が集まっているので、外側だけがはがされて月になったと考えると、この2つがうまく説明できます。月の石は、アポロ計画で人が持ち帰り、その後も各国の探査機が持ち帰っています。行って持って帰らないと分からないことがある、という良い例です。ただし、この説にも困っているところがあります。ぶつかった相手の成分がもっと混じっているはずなのに、思ったより地球にそっくりすぎるのです。だから、ぶつかり方の細かいところは、いまも研究が続いています。教科書に書いてあることが、そのまま最終結論とはかぎりません。

👤 これを調べた人の話
月の石は、人が行って持って帰ってきました。望遠鏡でいくら見ても分からないことが、手のひらに乗せると分かる。だから人類は、あれだけの費用と危険をかけて月へ行きました。研究には、行かないと絶対に分からないことがあります。

知っていると、なにがうれしいか 「有力な説」と「確定した事実」がちがうと分かる。ニュースの読み方が変わります。

きょうためせること 満月の日に月を見て、白っぽいところと黒っぽいところを見分けてみよう。黒っぽい部分は「海」と呼ばれますが、水はありません。むかし溶岩が流れて固まったところです。

3月8日ちきゅう

川の水は、どこから来て、どこへ行くの?

じょうはつ森は 水を ためるのではなく 速さを ゆっくりにするふえも へりもせず ぐるぐる 回っている

どっちだと思う? 山の中で、水が新しく作られている / 海から蒸発した水が、めぐって戻ってきている

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もとは海の水です。海から蒸発した水が雲になり、雨や雪になって山に降り、地面にしみこんだり流れたりして川になり、また海へ帰ります。そしてまた蒸発する。地球の水は増えも減りもせず、ぐるぐる回っているだけです。あなたが今日飲んだ水も、この輪の途中にあります。

びっくり大事実! 地球の水は、45億年ずっと同じ量で回り続けている。新しく作られてもいないし、減ってもいない。つまり今日あなたが飲んだ一杯の水は、かつて恐竜が飲んだ水と、同じ水である可能性がある。

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回る速さは、場所によってまるでちがいます。空気中の水は10日ほどで入れかわりますが、地下深くの水は何百年、何千年も動かないことがあります。南極の氷はもっと長く、1月25日に読んだとおり、何万年も前の空気を抱えたままです。川の水も、ふった雨がすぐ流れてきたぶんと、山にしみこんで何年もかけて出てきたぶんが混ざっています。だから、雨がしばらく降らなくても川は完全には干上がりません。山の森が「緑のダム」と呼ばれるのは、この時間差を作っているからです。木を切りすぎると、雨がそのまま一気に流れて洪水になり、晴れが続くと水がなくなります。森は水をためているというより、水の速さをゆっくりにしていると考えるほうが近いです。

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知っていると、なにがうれしいか 森を守る理由が「なんとなく自然にいい」ではなく、水の速さの話として説明できる。

きょうためせること 雨がふった日と、その3日後に、近くの川の水の量を見くらべてみよう。すぐには減りません。地面にしみこんだ水が、あとから出てきているからです。川には近づかず、橋の上から見ること。

3月9日からだ

きき手は、どうやって決まるの?

ひだりの脳→ 右がわみぎの脳→ 左がわなぜ 右ききが多いのかは まだ わからない

どっちだと思う? 育て方だけで決まる / 生まれつきと環境の両方が関わり、まだ結論は出ていない

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はっきりした答えは、まだ出ていません。生まれつきの体質と、育つあいだの環境の両方が関わっていると考えられています。ただ、はっきりしていることもあります。世界のどの地域でも、右ききの人のほうがずっと多いこと。そして、生まれる前の赤ちゃんの段階で、すでにどちらかの手をよく使う様子が見られることです。

びっくり大事実! どの国、どの時代を調べても、右ききのほうが多い。文化も言葉もちがうのに、そこだけがそろっている。人類全体にかかっている、理由の分からないかたよりだ。しかも、まだ誰も説明しきれていない。

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脳は左右で役割が少しちがっていて、体の右側は主に左の脳が、左側は主に右の脳が動かしています。言葉を扱う働きが左の脳にある人が多いことと、右ききが多いことには関係があるのではないか、と長く考えられてきました。ただし、左ききの人の脳が左右逆になっているわけではありません。ここは誤解されやすいところです。大事なのは、どちらでも困らない道具や環境をふやすことです。はさみ、包丁、急須、改札。左ききの人が使いにくい道具は、いまもたくさん残っています。近ごろは左きき用の文具も増えましたが、まだ選べる種類が少ないのが実際です。きき手は、直すものではなく、まわりが合わせるものだという考え方が広まってきています。

知っていると、なにがうれしいか きき手は直すものではなく、道具のほうを合わせるものだと分かる。友だちの見方も変わります。

きょうためせること 家族の何人が右ききか、何人が左ききかを数えてみよう。次に、字を書く手と、ボールを投げる手と、はしを持つ手が、全員同じかどうかを聞いてみよう。ちがう人が意外といます。

3月10日デジタル

文字化けは、なぜ起きるの?

あ い う82 A0 82 A2 82 A4縺ゅ>縺別の辞書で読むとこわれたのでは なく 辞書ちがい

どっちだと思う? データがこわれてしまった / 番号のつけ方が、書いた側と読む側でちがう

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文字を数字に置きかえる決まりが、書いた側と読む側でちがうからです。コンピュータは文字をそのまま持っているのではなく、1文字ずつ番号をつけて記録しています。この番号のつけ方には何通りかあり、別の決まりで読むと、まったく関係のない文字が並びます。文字が壊れたのではなく、翻訳の辞書をまちがえているだけです。

びっくり大事実! 絵文字は日本で生まれ、いまでは世界共通の番号がついている。だから世界中に送れる。ただし絵の形は会社ごとにちがう。同じ番号を送ったのに、相手の画面では別の顔が笑っていることがある。

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英語のアルファベットは種類が少ないので、早くから世界で1つの決まりにまとまりました。ところが日本語は、ひらがな・カタカナ・漢字で何万種類もあります。だから番号のつけ方が何通りも作られ、しばらく併存していました。いまは世界中の文字を1つの表にまとめる決まりが広く使われていて、文字化けはかなり減りました。それでも、古いファイルを開いたときや、機械同士のやりとりで起きることがあります。ちなみに、この表には日本の絵文字も入っています。だから絵文字は世界中の機種で送り合えます。ただし絵の形は会社ごとにちがうので、番号は同じでも見た目は変わります。「同じものを指しているのに、見え方がちがう」というのは、デジタルではよく起きることです。

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知っていると、なにがうれしいか 文字化けを見ても「こわれた」とあわてなくなる。読み方を変えれば戻ることも分かります。

きょうためせること 家の人に、古いパソコンやメールで文字化けを見たことがあるか聞いてみよう。どんな文字が並んでいたか。同じ文章でも、決まりを変えると別の見え方になることが分かります。

3月11日ちきゅう

津波は、ふつうの波と何がちがうの?

水ぜんたいが 動く高いところへ強いゆれを 感じたら 見ないで にげるひき波から 始まるとは かぎらない

どっちだと思う? 高さがちがうだけで、仕組みは同じ / 海の底から表面まで、水全体が動いている

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動いている水の量がまるでちがいます。ふつうの波は風が海の表面をゆらしたもので、動いているのは浅いところだけです。津波は海の底から表面までの水全体が動きます。だから、高さが同じに見えても、おしよせる力がまったくちがいます。そして、ひいてもまた来ます。1回で終わりません。

びっくり大事実! 津波は、海が深いところではジェット機ほどの速さで進む。沖では高さがほとんどなく、船の上では気づかないこともある。見えないまま、猛烈な速さで近づいてくる。だから、見てから逃げるのでは間に合わない。

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津波は海が深いところではとても速く進み、浅いところに来ると速さが落ちるかわりに高さが増します。速さが落ちるとき、後ろから来た水が追いついて積み上がるからです。だから沖では気づかないほどの高さでも、岸に着くと高くなります。もう1つ大事なのは、津波は引き波から始まることも、押し波から始まることもあるということです。「海が引いたら津波が来る」とだけ覚えていると、いきなり押し寄せる場合に間に合いません。2011年3月11日、東北地方の太平洋沖で大きな地震が起き、津波が広い範囲におしよせました。この日の記録から、多くのことが学ばれ、いまの避難のしかたに生かされています。強い揺れを感じたら、海のそばにいる人はすぐに高いところへ行く。波を見てから決めるのでは間に合いません。

👤 これを調べた人の話
あの日から、日本の防災は大きく変わりました。避難の看板、高台への道、学校の訓練。いま当たり前にあるものの多くは、この日のあとに作られたものです。学んだことを次に生かす。それも科学の役目のひとつです。

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知っていると、なにがうれしいか 「強い揺れを感じたら、見ないで高いところへ」がなぜ正しいのか、理由から分かる。家族に説明できます。

きょうためせること きょうは、家族と1つだけ決めごとをする日にしよう。「地震が起きたとき、どこで待ち合わせるか」。1か所だけでかまいません。決めて、口に出しておくこと。それが今日いちばん役に立つ準備です。

3月12日いきもの

サクラは、なぜみんな一斉に咲くの?

さむさで 目ざめあたたかさを ためるさくあたたかい冬だと かえって おそくなるふゆを 確かめてから 春を はじめる

どっちだと思う? あたたかくなった順に、少しずつ咲く / 同じ寒さと同じあたたかさを受けて、そろって咲く

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同じ合図で目を覚まし、同じ計算で咲くからです。サクラのつぼみは前の年の夏にできていて、秋から冬にかけて眠っています。この眠りは、一定の期間しっかり寒さに当たることで解けます。目が覚めたあとは、あたたかさをためていき、ある量に達すると咲きます。同じ地域の木は同じ寒さと同じあたたかさを受けるので、そろって咲くのです。

びっくり大事実! あたたかい冬だと、桜はかえって遅れることがある。しっかり寒くならないと、つぼみが目を覚まさないからだ。桜は、春を待っているのではない。冬を確かめてから、春を始めている。

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だから、あたたかい冬だと、かえって咲くのが遅れることがあります。寒さが足りず、眠りがしっかり解けないからです。「今年は暖冬だから桜も早い」は、いつも正しいとはかぎりません。開花の予想は、この2段階を計算して出されています。日本でよく見られるソメイヨシノは、接ぎ木でふやされてきた木で、遺伝的にほとんど同じです。だから条件がそろうと、いっそう見事にそろって咲きます。あの一斉さは、種類がそろっていることの結果でもあります。2月6日に読んだウメの休眠打破と、同じ仕組みです。ウメは1本ずつばらつきますが、ソメイヨシノはそろう。そのちがいがどこから来るのかを考えると、面白くなります。

知っていると、なにがうれしいか 「暖冬だから桜が早い」が、いつも正しいわけではないと分かる。開花予想の見方が変わります。

きょうためせること 近くのサクラを1本決めて、つぼみがふくらむ日、5輪咲いた日、満開の日を記録してみよう。来年の同じ木と比べると、その年の冬がどうだったかが分かります。

3月13日もの

マシュマロは、なぜあんなにふわふわなの?

中みは ほとんど 空気ゼラチンがあわを 止めるお金を出して 空気を 買っている

どっちだと思う? 軽い材料だけで作られている / 中身のほとんどが、閉じこめられた空気

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中身のほとんどが空気だからです。砂糖と水にゼラチンを混ぜ、はげしくかき混ぜて細かい泡をたくさん作ります。そのまま固めると、泡が閉じこめられたまま固まります。だから軽くて、押すとへこみ、口の中でとけます。生クリームや、メレンゲや、パンのふくらみも、原理はよく似ています。

びっくり大事実! マシュマロを買うとき、あなたはお金を出して空気を買っている。しかも、それでいい。中身が詰まっていたら、あの食感は絶対に出ない。この食べ物は、何も入っていないことが商品価値になっている。

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泡を作るところまではかんたんですが、こわさずに固めるのが難しいところです。泡はふつう、時間がたつと小さいものが大きいものに吸われて消えていきます。ゼラチンは、泡の周りをゼリーのように固めて、この動きを止めます。冷やすと固まり、あたためるととけるのがゼラチンの性質なので、マシュマロを焼くと外は溶けて中の泡がふくらみ、あのとろりとした状態になります。ちなみに、材料の名前になっているマシュマロウという植物の根の粘りを使っていたのは昔の話で、いまはゼラチンが使われるのがふつうです。名前だけが残っている食べ物は、けっこうたくさんあります。

知っていると、なにがうれしいか 生クリーム、メレンゲ、パン。ふわふわした食べ物が、ひとつの理由でつながって見えます。

きょうためせること マシュマロを2つ用意し、1つはそのまま、1つは電子レンジで数秒だけあたためて見くらべよう。ふくらみます。中の空気があたためられて広がったからです。やけどに注意し、必ず大人と一緒に。

3月14日うちゅう

きょうは円周率の日。円周率は、なぜ終わらないの?

ちょっけいまわり ÷ 直径= 3.14159...終わらないことが証明されているふたも 地球も 太陽も おなじ数

どっちだと思う? まだ計算しきれていないだけ / 終わらないことが、証明されている

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どんな分数でも書き表せない数だからです。3.14159…と続く円周率は、途中で終わることも、同じ並びをくり返すこともありません。これは「まだ計算が追いついていない」のではなく、終わらないことが証明されています。円がどんなに小さくても大きくても、まわりの長さは直径のこの数だけ倍になります。

びっくり大事実! ペットボトルのふたも、地球も、太陽も、まわりの長さを直径で割ると必ず同じ数になる。大きさが何億倍ちがっても、この数だけは変わらない。宇宙のどこへ行っても、円はこの数を持っている。

もっとくわしく

分数で書ける数は、小数にすると必ずどこかで終わるか、同じ並びをくり返します。3分の1は0.333…とくり返し、4分の1は0.25で終わります。円周率はそのどちらでもない。こういう数を無理数といいます。ルート2も同じなかまです。面白いのは、どんな円でも比が同じだということです。ペットボトルのふたも、地球も、太陽も、まわりの長さを直径で割ると必ず同じ数になります。この一定さがあるから、円は計算できます。コンピュータは円周率を何十兆けたも計算していますが、実際の計算に必要なのは十数けたで足ります。それ以上を求めるのは、実用ではなく、コンピュータの性能を確かめるためだったり、単純な好奇心だったりします。

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知っていると、なにがうれしいか 糸1本で、円周率を自分の手で確かめられる。算数の3.14が、はじめて実物になります。

きょうためせること 家にある丸いもの(ふた、皿、缶)のまわりの長さを糸ではかり、直径で割ってみよう。どれも3.1くらいになります。大きさがちがっても同じ数になることが、自分の手で確かめられます。

3月15日デジタル

地図アプリの「現在地」は、どうやって分かるの?

とどく時間から きょりを 計算する3つで しぼれて 4つで 時計のずれも 直す

どっちだと思う? 電話の会社が場所を教えている / 人工衛星からの電波が届く時間ではかっている

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空にある人工衛星からの電波を使っています。衛星は自分の位置と、いま何時かを電波にのせて送り続けています。スマホはその電波を受け取り、届くまでにかかった時間から衛星までの距離を計算します。これを複数の衛星について同時にやると、自分がいる場所が1点に決まります。

びっくり大事実! あなたのスマホは、いま頭上のはるか遠くにある何機もの衛星と、1秒に何度も時計を合わせている。しかも、その計算には時間のわずかなずれの補正まで入っている。地図の青い丸は、宇宙規模の計算の結果である。

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1つの衛星だけでは、その衛星から何キロ、という球の上のどこか、としか分かりません。2つで球と球が交わる輪の上、3つで点が絞られ、4つ目で時刻のずれまで補正できます。だから、空が開けているほど正確になります。ビルの谷間や地下で位置がずれるのは、電波が届かなかったり、建物にはね返って遠回りして届いたりするからです。時間から距離を出しているので、電波が遠回りすると距離を長く計算してしまいます。スマホはこれを補うために、Wi-Fiの電波や、通信の基地局や、体の動きを測るセンサーの情報も合わせて使っています。だから地下でも、だいたいの場所は分かります。1つの方法にたよらず、いくつも重ねる。これは1月15日に読んだ渡り鳥の話と、まったく同じ考え方です。

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知っていると、なにがうれしいか ビルの谷間で位置がずれる理由が分かる。丸が大きいときの意味も分かります。

きょうためせること 地図アプリを開いて、建物の中と外で「現在地」の丸の大きさを見くらべてみよう。あいまいなほど丸が大きくなります。空が見えているかどうかで変わります。

3月16日からだ

声変わりは、なぜ起きるの?

みじかい・うすい → 高い音ながい・あつい → 低い音せいたいが 大きく あつくなる

どっちだと思う? のどを使いすぎて、かすれてしまう / 声帯が大きく厚くなって、音が低くなる

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のどの中にある声帯という部分が、大きく厚くなるからです。声は、息が声帯を通るときに声帯がふるえて生まれます。ゴムを細く短く張るとかん高い音、太く長く張ると低い音が出るのと同じで、声帯が大きくなると声が低くなります。成長にともなって起きる変化で、男子のほうが変化が大きく出ます。

びっくり大事実! 声変わりは、楽器の弦を張りかえたのに、指の位置がまだ前のままの状態だ。だから途中でひっくり返る。うまくいかないのは下手だからではなく、体が新しい楽器の弾き方を覚えている最中だからである。

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変わっている途中は、声がひっくり返ったり、かすれたりします。楽器でいえば、弦を張りかえたのに指の位置が前のままの状態です。体はまだ新しい大きさに慣れていません。しばらくすると、脳が新しい声帯の使い方を覚えて安定します。だから、途中でうまく出ないのは、失敗でも異常でもありません。この時期は、無理に大声を出したり、高い声を張り上げたりしないほうが楽です。合唱をしている人は、パートを一時的に変えることもあります。動物にも似たことがあります。ニワトリのひなの声と大人の声はまるでちがいますし、カエルも大きくなるほど低く鳴きます。音の高さは、体の大きさの話なのです。だから声を聞くと、姿が見えなくても大きさが想像できます。

知っていると、なにがうれしいか 声がひっくり返っても、失敗ではないと分かる。友だちのことも、からかう対象ではなくなります。

きょうためせること 輪ゴムを指にかけて、短く強く張ってはじいた音と、長くゆるく張ってはじいた音を聞きくらべよう。長くて太いほど低い音になります。これが声帯で起きていることです。

3月17日てんき

天気予報の「晴れ」と「くもり」は、どこで分かれるの?

雲1 → 快晴雲8 でも 晴れ雲9-10 → くもり空ぜんたいを 10として 数える太陽が見えるかどうかでは きめていない

どっちだと思う? 太陽が見えていれば晴れ / 雲の量が8までなら晴れ

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空をどれだけ雲がおおっているかで決まります。空全体を10として、雲の量が0か1なら快晴、2から8なら晴れ、9か10ならくもりです。だから、雲がかなり出ていても「晴れ」になることがあります。太陽が見えているかどうかで決めているのではありません。

びっくり大事実! 空の8割が雲でも、予報の上では「晴れ」だ。つまり「今日は晴れって言ったのに」と文句を言いたくなる日の多くは、予報が外れていない。ずれているのは、言葉の意味のほうである。

もっとくわしく

数え方も決まっています。空全体を見わたして、雲がおおっている部分がどれくらいかを目で見て判断します。機械ではなく人が見て決める観測が、長いあいだ続いてきました。同じ空でも人によって多少ちがうので、観測する人はそろえるための訓練を受けます。ここが面白いところで、天気の記録は「機械が測った数値」だけでできているのではありません。雲の量、雲の形、視界のよさなどは、人の目が支えてきました。近ごろは自動の観測装置が増えていますが、長年の記録と比べるためには、同じやり方で測り続けることが大事になります。1月19日に読んだスーパーコンピュータの予報も、元になる観測がなければ計算できません。予報の土台は、毎日空を見上げてきた人たちです。

知っていると、なにがうれしいか 「晴れの予報なのに曇っている」の理由が分かる。予報に文句を言う回数が減ります。

きょうためせること 空を見上げて、雲が空全体の何割をおおっているか10段階で数えてみよう。8までなら「晴れ」です。予報が晴れなのに雲が多いと感じた日に、やってみると面白いです。

3月18日ちきゅう

世界でいちばん深い海は、どのくらい深いの?

海めん どちらを入れても 頂上が 出ないふじさんエベレスト1万メートル より ふかいマリアナ海溝

どっちだと思う? いちばん深くても2000メートルくらい / 1万メートルより深いところがある

こたえを見る

およそ1万メートルより深いところがあります。太平洋のマリアナ海溝という場所で、富士山を沈めても、まだ上に6000メートル以上の水が残る深さです。エベレストをさかさまに入れても、頂上が海面に届きません。海は広いだけでなく、たてにも桁ちがいに大きいのです。

びっくり大事実! いちばん深い海に富士山を沈めても、まだ上に6000メートル以上の水が残る。エベレストを丸ごと入れても頂上が水面に出ない。地球でいちばん高い山より、海のほうが深い。

もっとくわしく

深くなると、上に乗っている水の重さで圧力が高くなります。1万メートルの深さでは、地上のおよそ1000倍。指のつめほどの面積に、車1台ぶんに近い力がかかる計算です。だから深海に行く乗り物は、厚い球形の部屋を持っています。球は、圧力を全体で受け止められる形だからです。この深さにも生きものがいます。光がまったく届かないので、目に頼らない生き方をしているものや、自分で光る生きものがいます。深海は、宇宙より近いのに、宇宙より行った人が少ない場所です。日本のまわりは海溝が多く、深海の研究がさかんな国のひとつです。1月17日に読んだ地震の話も、この海溝が舞台でした。

知っていると、なにがうれしいか 「海が深い」が、具体的な高さと比べて実感できる。地図の色の意味も分かります。

きょうためせること 世界地図で、日本のまわりの海の深さを示す色を見てみよう。太平洋側の少し沖に、急に濃い色になるところがあります。それが海溝です。日本のすぐ近くにあります。

3月19日いきもの

ツバメは、いつ来て、どこから来るの?

南の国からハクチョウは北から ツバメは南から人の家の のき下は 天てきが 来にくい

どっちだと思う? 日本のどこかで冬をこして、春に出てくる / 南の国から、海をこえて来る

こたえを見る

春に、南の国から日本へやってきます。多くは東南アジアのあたりで冬をこし、あたたかくなるころに海をこえて来ます。目的は子育てです。日本の春から夏は虫がたくさんいて、ひなを育てるのに向いています。1月15日に読んだハクチョウとは、まったく逆の来方をしている鳥です。

びっくり大事実! 日本は、北から来る鳥と南から来る鳥の、両方の目的地になっている。冬にハクチョウが「あたたかい国に着いた」と思い、夏にツバメが「すずしい国に着いた」と思う。同じ場所を、正反対に評価されている。

もっとくわしく

ハクチョウは北から来て冬をこし、春に帰ります。ツバメは南から来て夏をこし、秋に帰ります。日本は、北から来る鳥と南から来る鳥の、両方の目的地になっているのです。これは日本が中くらいの緯度にあり、四季がはっきりしているからです。ツバメがわざわざ人の家の軒下に巣を作るのは、天敵のカラスやヘビが近づきにくいからだと考えられています。人がいるところは、鳥にとって危ない場所であると同時に、もっと危ない敵から守ってくれる場所でもあります。ツバメの巣を大事にする習慣が各地にあるのは、虫を食べてくれるからでもありました。同じ巣に毎年戻ってくることもあり、去年の巣が残っているかどうかは、その家の人にとって春の楽しみになっています。

知っていると、なにがうれしいか ツバメの巣を見つける目的ができる。しかも、ハクチョウの話と組み合わせて日本の位置が分かります。

きょうためせること 通学路で、軒下やお店の入口に泥でできた巣がないか探してみよう。見つけたら、日付を記録すること。近づいたり、さわったり、写真のフラッシュをたいたりしないこと。

3月20日うちゅう

きょうは春分。昼と夜は、本当に同じ長さ?

地へいせん上のふちで 日の出空気が光を まげる見えている位置ひるのほうが 十数分 ながい

どっちだと思う? 昼と夜がぴったり12時間ずつになる / 昼のほうが十数分ほど長い

こたえを見る

ぴったり同じではありません。実際には、春分の日は昼のほうが十数分ほど長くなります。理由は2つ。1つは、日の出と日の入りを「太陽の上のふちが地平線にかかった瞬間」で決めているから。もう1つは、空気が光を曲げるので、太陽が地平線の下にあるうちから見え始めるからです。

びっくり大事実! 日の出のとき、太陽はまだ地平線の下にいる。空気が光を曲げているので、本当は見えないはずのものが見えている。私たちが毎朝見ている日の出は、少し先に届いた予告編のようなものだ。

もっとくわしく

太陽は点ではなく、大きさのある円盤です。もし中心が地平線に来た瞬間を日の出とするなら、もっと同じ長さに近づきます。ところが実際は、上のふちが顔を出した瞬間を日の出、下のふちが沈みきった瞬間を日の入りとしています。この決め方だけで、昼が数分長くなります。さらに、空気には光をわずかに曲げる働きがあり、そのぶん太陽は実際の位置より少し上に見えます。だから、まだ地平線の下にあるうちから見えてしまう。この2つを足すと十数分になります。昼と夜がほぼ同じになるのは、春分の数日前です。ちなみに春分の日は毎年同じ日付ではありません。国立天文台が計算し、前の年の2月1日に発表しています。日付が動く祝日は、日本ではこの春分と秋分だけです。

知っていると、なにがうれしいか 春分が「昼と夜が同じ日」ではないと分かる。しかも祝日の日付が動く理由まで説明できます。

きょうためせること 新聞やアプリで、春分の日の日の出と日の入りの時刻を調べ、昼の長さを計算してみよう。12時間ちょうどにはならないはずです。何分長いかを確かめてみよう。

3月21日もの

鉛筆のしんは、なぜ紙に字が書けるの?

1まいだけ はがれるこくえん うすい板のかさなりダイヤモンドおなじ たんそならび方だけで まるで べつのもの

どっちだと思う? しんがけずれて、粉が落ちている / うすい板が はがれて、紙に引っかかる

こたえを見る

しんの中身が、うすい板のように重なった構造をしているからです。この板と板のあいだの結びつきが弱いので、紙にこすると板がぺらぺらとはがれ、紙の表面のでこぼこに引っかかって残ります。これが字です。3月6日に読んだ消しゴムの話の、ちょうど反対側になります。

びっくり大事実! 鉛筆のしんとダイヤモンドは、まったく同じ材料でできている。ちがうのは並び方だけだ。世界一硬い宝石と、紙をなでただけで崩れる棒。同じものが、並び方ひとつでここまで別のものになる。

もっとくわしく

面白いのは、鉛筆のしんの材料が、ダイヤモンドとまったく同じ元素だということです。どちらも炭素だけでできています。ちがうのは並び方だけ。ダイヤモンドは炭素が立体的にがっちり組み合っていて、地球上でいちばん硬い物質のひとつになります。鉛筆のしんは平らな板が重なっているので、横にはとても強いのに、板と板のあいだはするりとずれる。同じ材料で、世界一硬いものと、紙をなでるだけで崩れるものができる。並び方でここまで変わるというのは、物質を考えるうえでいちばん大事なところです。1月11日に読んだ、もちのでんぷんが並び直す話とも同じ考え方です。しんの濃さの記号は、この材料と粘土の混ぜ方で決まります。粘土が多いほど硬くうすくなります。

知っていると、なにがうれしいか HBと2Bのちがいが、記号ではなく仕組みとして分かる。えんぴつの選び方が変わります。

きょうためせること HBと2Bの鉛筆で、同じ強さで線を引いて見くらべよう。次に、指で軽くこすってみよう。濃いほうがよくのびます。板がはがれやすいからです。

3月22日デジタル

Wi-Fiは、なぜ壁があると弱くなるの?

木のかべコンクリートほぼ 届かない高いところ・部屋の中央よりに おく

どっちだと思う? かべが電波をはね返すだけ / 吸われたり はね返されたりして、届く量が減る

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電波が、ものを通りぬけるときに弱くなるからです。Wi-Fiは目に見えない電波で情報を運んでいます。空気の中はよく進みますが、コンクリートや金属、そして水を多くふくむものにぶつかると、吸われたりはね返されたりして、届く量が減ります。だからかべ1枚をはさむだけで、はっきり弱くなります。

びっくり大事実! 人がたくさんいる部屋でWi-Fiが遅くなるのは、混雑のせいだけではない。人の体は水が多いので、電波を吸ってしまう。つまり満員の教室では、みんなが少しずつ電波を飲んでいる。

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どれくらい弱くなるかは、材料で大きく変わります。木や石こうのかべは通りやすく、コンクリートや金属はとても通りにくい。だからマンションで部屋をまたぐと急に弱くなり、鉄の扉のむこうではほとんど届かなくなります。人の体も水が多いので電波を吸います。人がたくさんいる部屋でWi-Fiが遅くなるのは、混んでいるだけでなく、体に吸われている面もあります。もう1つ、電子レンジと同じ周波数を使う種類のWi-Fiがあり、レンジを動かすと通信が乱れることがあります。速くしたいなら、置き場所を変えるのがいちばん効きます。部屋のすみや床の近く、金属のたなの中、水そうのそばは不利です。高いところで、部屋の中央寄りに置く。これだけで変わります。

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知っていると、なにがうれしいか 家のどこが弱いか、なぜ弱いかが分かる。置き場所を変えるだけで改善できることもあります。

きょうためせること スマホのWi-Fiの電波の表示を見ながら、家の中を歩いてみよう。何本になるかを場所ごとに記録すると、家の中の電波の地図が作れます。弱い場所には、たいてい理由があります。

3月23日からだ

かさぶたは、なぜできるの?

かさぶた下では 新しい皮ふを 作っているはがすと 作りかけまで はがれるまず 流水で あらって 大人に みせる

どっちだと思う? ばい菌が固まってできたもの / 血が固まって、傷にふたをしたもの

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出血を止めるためのふたです。けがをすると、血の中にある小さな粒が傷口に集まって栓をし、そこに網のような繊維がからんで固まります。この固まりが乾いたものがかさぶたです。ふたをしているあいだに、下では新しい皮ふが作られています。だから、はがすと作りかけの皮ふまで一緒にはがれます。

びっくり大事実! 体は、血を固める仕組みと、固まらせない仕組みを、同時に働かせている。アクセルとブレーキを両方踏んだまま走っているようなものだ。そのつり合いのおかげで、必要なときだけ固まる。

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血が固まる仕組みは、順番に働くいくつもの部品がつながった連鎖になっています。1つでも欠けると止まりにくくなるので、体は同じ仕事を何重にも用意しています。逆に、血管の中で勝手に固まっては困るので、固まらせない仕組みも同時に働いています。この2つのつり合いで、必要なときだけ固まるようになっています。かさぶたの下は湿っているほうが治りが早いことが分かってきて、傷の手当ての考え方は数十年で大きく変わりました。むかしは乾かして治すのが常識でしたが、いまは湿った状態を保つ手当てが広く使われています。常識は書きかわります。けがをしたときは、まず流水でよく洗い、大人に見せてください。深い傷や、動物にかまれた傷、汚れがひどい傷は、自分で判断しないこと。

知っていると、なにがうれしいか かさぶたをはがしてはいけない理由が、根拠つきで分かる。手当ての常識が変わったことも知れます。

きょうためせること 次にすりむいたら、かさぶたができるまでの日数と、はがれるまでの日数を数えてみよう。ただし、自分ではがさないこと。数えるだけです。

3月24日てんき

春の天気は、なぜ3日くらいで変わるの?

西から 東へ 次々に 通りすぎる西の空は 数時間後の こちらの空はれ → あめ → はれ を くりかえす

どっちだと思う? 春は太陽の角度が毎日大きく変わるから / 高気圧と低気圧が、次々に通りすぎるから

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高気圧と低気圧が、次々に西から東へ通りすぎていくからです。冬は大陸の冷たい高気圧が居すわり、夏は太平洋の高気圧が居すわるので、同じような天気が続きます。春と秋はどちらの力も強くないので、小さな高気圧と低気圧が交ごに流れてきます。だから、晴れと雨が数日おきにくり返します。

びっくり大事実! 日本の天気は、たいてい西から変わる。だから西の空を見れば、数時間後の自分の空が見えている。天気図を持っていなくても、外に出て振り向くだけで予報ができる。

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この交ごに来る高気圧を移動性高気圧といいます。日本の上空にはいつも西から東へ強い風が吹いていて、この風に乗って気圧のかたまりが運ばれてきます。だから日本の天気は、たいてい西から変わります。西の空が明るくなってきたら、こちらも晴れてくる。この見方は、天気図を見なくても使えます。三寒四温という言葉も、この入れかわりから来ています。あわせて、春は空気の温度差が大きい時期でもあります。あたたかい空気と冷たい空気がぶつかると、雲が発達しやすくなります。春に急に風が強くなったり、雷が鳴ったりするのは、このためです。「春の天気は変わりやすい」は、感想ではなく仕組みの説明ができる話です。

知っていると、なにがうれしいか 西の空を見る習慣がつく。傘を持つかどうかを、自分で判断できるようになります。

きょうためせること 3日続けて、朝いちばんに西の空を見て、明るいか暗いかを記録してみよう。そして、その日の午後の天気と見くらべよう。西の空は、数時間後のこちらの天気です。

3月25日いきもの

タンポポの綿毛は、どこまで飛ぶの?

上に 小さな うずが できる数キロ 先までおそく落ちることが 遠くへ行く くふう

どっちだと思う? パラシュートのように空気をふさいでいる / 空気を通しながら、渦で支えている

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多くはすぐ近くに落ちますが、条件がそろえば数キロ先まで飛ぶことがあります。綿毛は、細い毛が放射状に広がった形で、落ちる速さをうんとおそくしています。ゆっくり落ちるあいだに風に乗るので、遠くまで運ばれます。速く落ちないことが、遠くへ行くための工夫なのです。

びっくり大事実! タンポポの綿毛の上には、目に見えない小さな空気の渦ができている。それが下から支えて、落ちるのを遅らせている。この仕組みが分かったのは、ほんの数年前だ。道ばたの草が、最近まで科学者を悩ませていた。

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綿毛の中央には、空気の渦ができることが分かっています。毛と毛のあいだを空気が通りぬけるとき、綿毛の上に小さな渦が生まれ、それが下から支えるように働いて落下をさらにおそくします。パラシュートのように空気をふさいでいるのではなく、通しながら支えているのです。この仕組みが分かったのは、ここ数年のことです。身近な植物でも、まだ新しく分かることがあります。タンポポには、むかしから日本にあるものと、外から来たものがあります。がくのような部分が反り返っているかどうかで見分けられることが多いです。1月7日に読んだロゼットの形で冬をこすのも、タンポポのなかまです。

知っていると、なにがうれしいか 道ばたのタンポポが、最新の研究の対象だったと知れる。身近なものを見る目が変わります。

きょうためせること タンポポの綿毛を1つ取り、手をはなして落としてみよう。次に、同じ高さから小さな紙切れを落として、どちらがゆっくり落ちるか比べよう。屋外で、周りに人がいないところで。

3月26日うちゅう

ロケットは、何もない宇宙でどうやって進むの?

進む向きガスを 後ろへおす相手は 空気ではなく 自分のガス

どっちだと思う? 空気をおして進んでいる / 自分が出したガスをおして進んでいる

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自分が持っているものを、後ろへ勢いよく投げているからです。何かを後ろへ強く押し出すと、その反対向きに自分が押されます。宇宙には空気がありませんが、押す相手は空気ではなく、自分が出しているガスです。だから何もなくても進めます。飛行機は空気がないと飛べませんが、ロケットはむしろ空気がないほうが速く進めます。

びっくり大事実! ロケットは、燃料を運ぶための燃料を積んでいる。その燃料を運ぶための燃料もいる。だから打ち上げのとき、あの巨大な機体のほとんどが燃料だ。人が乗る部分は、いちばん上のほんの先っぽしかない。

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これを作用と反作用といいます。地上でも同じことが起きています。スケートで人を押すと自分も後ろへ動く、水鉄砲を強く押すと手に返ってくる。全部同じです。ロケットが大きいのは、燃料をたくさん積む必要があるからです。しかも、燃料を運ぶための燃料もいる。だから多くのロケットは、使い終わった部分を切り離しながら軽くなっていきます。切り離すのは、もったいないからではなく、そうしないと上がれないからです。近ごろは、切り離した部分を地上に戻して再び使う技術も実用になっています。宇宙には空気がないので酸素も持っていきます。ロケットの燃料タンクが2つあるのは、燃えるものと、燃やすための酸素を、両方積んでいるからです。

知っていると、なにがうれしいか 風船1つで、ロケットの原理を自分で確かめられる。打ち上げの映像の見え方が変わります。

きょうためせること ふくらませた風船の口を持ち、手をはなしてみよう。空気が後ろへ出て、風船は前へ飛びます。これがロケットとまったく同じ仕組みです。人に向けないこと。

3月27日もの

シャボン玉は、なぜ丸いの?

まくの あつさで 色が かわるおなじ空気を つつむとき表面がいちばん 小さい形= 球黒く見えたら あと1びょう

どっちだと思う? 息をまるく吹きこんでいるから / 表面積がいちばん小さい形が、球だから

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水の膜が、いちばん小さい面積になろうとするからです。同じ量の空気を包むとき、表面積がいちばん小さくなる形が球です。だからシャボン玉は放っておくと必ず丸くなります。四角い枠から吹いても、はなれたとたんに丸くなるのはそのためです。丸くしているのではなく、勝手に丸くなっています。

びっくり大事実! シャボン玉が割れる直前、一部が黒く見えることがある。あれは色が消えたのではなく、膜が薄くなりすぎて光が重ならなくなった状態だ。黒く見えたら、あと1秒。消える瞬間を予告している色である。

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水には、表面をできるだけ小さくしようとする力があります。水滴が丸くなるのも、コップの水がふちより少し盛り上がるのも同じ力です。ところが水だけではシャボン玉になりません。膜がすぐに破れてしまうからです。せっけんを混ぜると、この力がほどよく弱まり、膜がのびやすくなります。1月18日に読んだせっけんの分子が、膜の表と裏にきちんと並んで、水の層をはさむ形を作ります。虹色に見えるのは、膜の表と裏ではね返った光が重なって、強め合う色と打ち消し合う色ができるからです。膜の厚さは場所によってちがい、時間とともに薄くなるので、色は刻々と変わります。割れる直前に黒っぽく見える部分は、極端に薄くなったところです。

知っていると、なにがうれしいか シャボン玉の色の変わり方に理由があると分かる。割れる直前が予想できるようになります。

きょうためせること シャボン玉をゆっくり吹いて、割れる直前まで色の変化を見てみよう。上のほうから色が変わっていきます。液が下に垂れて、上が薄くなるからです。

3月28日ちきゅう

土は、どうやってできるの?

落ち葉が 分解された 黒い成分+ 岩の かけら1センチ できるのに 数百年土は 入れものではなく 工場

どっちだと思う? 岩がくだけただけのもの / 岩のかけらと、生きものが分解されたものの混ざり

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岩が細かくくだけたものと、生きものの体が分解されたものが混ざってできます。岩は水や温度の変化でひび割れ、少しずつ細かくなります。そこに落ち葉や虫の死がいが積もり、菌や小さな生きものが分解して黒い成分になります。この2つが混ざったものが土です。だから土は、鉱物と生きものの合作です。

びっくり大事実! 厚さ1センチの土ができるのに、数百年かかるといわれる。あなたが今日ふんだ地面の表面は、平安時代から作られ続けてきたものだ。それが大雨1回で流されることがある。

もっとくわしく

できるまでには、とても長い時間がかかります。厚さ1センチの土ができるのに数百年かかるといわれます。だから、雨で流されたり、風で飛ばされたりして失われると、簡単には戻りません。世界の各地で、農地の土が失われることが問題になっているのはこのためです。土の中には、目に見えない生きものが大量にいます。ひとつまみの土の中に、数億の微生物がいるといわれます。植物が育つのは、この生きものたちが落ち葉を分解して、根が吸える形に変えてくれるからです。土は「入れもの」ではなく「工場」です。落ち葉を掃き集めて全部持ち去ると、この工場の材料がなくなります。森の土がふかふかなのは、落ち葉がそこに置かれ続けているからです。

知っていると、なにがうれしいか 土と砂のちがいが分かる。花だんの土を大事にする理由も、自分の言葉で説明できます。

きょうためせること 公園の土と、砂場の砂を、それぞれ少し手に取って見くらべてみよう。色、におい、指ざわり。土のほうが黒く、においがあります。そのちがいが、生きものの分だと考えると分かりやすいです。

3月29日デジタル

AIは、絵をどうやって描いているの?

ざらざらから 少しずつ ととのえる数や 文字は にがて。指の本数を 見てみよう

どっちだと思う? 下描きをして、線を引いて色をぬる / ざらざらの画像から、少しずつ整えていく

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たくさんの絵と、その絵を説明する言葉の組み合わせを大量に見て、どんな言葉のときにどんな見た目になりやすいかを学んでいます。描くときは、まずざらざらの砂あらしのような画像から始めて、それを少しずつ整えていきます。何度もくり返すうちに、言葉に合う形が浮かび上がってきます。

びっくり大事実! AIは、まっさらな紙からではなく、砂あらしのような画面から描き始める。人が「何もないところに描き足す」のに対して、AIは「ぐちゃぐちゃから余分を取り除く」。彫刻に近い作り方をしている。

もっとくわしく

人が絵を描くときは、下描きをして線を引いて色をぬります。AIは順番がまるでちがいます。最初から画面全体があって、それが少しずつはっきりしていく。だから途中の絵は、どこも同じくらいぼんやりしています。この方法には弱点もあります。AIは「その絵が何を意味するか」を人のようには分かっていないので、指の本数がおかしくなったり、文字が読めない形になったりします。数えることや、理屈で決まっていることが苦手なのです。もう1つ大事なことがあります。AIが学んだ絵の中には、人が描いた作品がたくさんふくまれています。だれの絵を、どこまで学んでよいのか。これはまだ世界中で議論されていて、答えが出ていません。技術ができることと、やっていいことは、別の話です。

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知っていると、なにがうれしいか AIの絵の見分け方が分かる。そして、技術ができることとやっていいことは別だと考える入口になります。

きょうためせること AIが作った絵を見る機会があったら、手や文字の部分をよく見てみよう。指の数や、看板の文字。おかしいところが見つかることがあります。見分ける目を持つことが大事です。

3月30日からだ

春に背がのびるって、本当?

1つめの山2つめの山山が いつ来るかは 人によって 何年も ちがう

どっちだと思う? 春には必ずぐんと伸びる / 季節差の報告はあるが、個人差のほうが大きい

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季節によって差があるという報告はあります。ただし、個人差のほうがずっと大きく、誰にでも当てはまるわけではありません。背がのびるのは骨の両はしにある成長板というところで、そこで骨が作られて長くなります。この場所は大人になると閉じるので、のびる時期は限られています。

びっくり大事実! 背の伸び方の山がいつ来るかは、人によって何年も差がある。だから小学校の背くらべは、途中経過を比べているだけだ。誰が最終的に高くなるかは、その時点では誰にも分からない。

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骨は、いちど作られたら固定というわけではなく、こわしては作り直すことをくり返しています。成長板では、この作り直しが片側に偏って進むので、骨が長くなります。のびる速さには波があり、生まれてすぐの時期と、思春期に大きな山が来ます。この山がいつ来るかは人によってまるでちがい、早い人と遅い人で何年も差があります。だから、同じ学年でも背の差が大きいのは当たり前です。いま背が低いことは、最終的に低いことを意味しません。山がまだ来ていないだけ、ということがよくあります。逆に早く伸びた人は、早く止まることもあります。背くらべは、途中経過を比べているだけです。ゴールは、まだ誰にも分かりません。

知っていると、なにがうれしいか いまの背の順が、この先ずっと同じではないと分かる。自分の伸び方を記録する楽しみもできます。

きょうためせること かべに印をつけて、月に1回、同じ時刻に背をはかってみよう。同じ時刻というのが大事です。1日のうちでも数値は変わります。1年たつと、自分の伸び方の形が見えます。

3月31日うちゅう

1日は、なぜ24時間なの?

12 + 12 = 24ひるを12 よるを12 に わけた星で はかると23時間56分時計は 太陽に 合わせてある

どっちだと思う? 地球が1回転する時間が、ちょうど24時間だから / むかしの人が、昼を12・夜を12に分けたから

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むかしの人が決めたからです。古代エジプトで、昼を12、夜を12に分ける習わしがあり、それが合わさって24になりました。12という数が使われたのは、指の関節を数えると片手で12まで数えられることや、12が2でも3でも4でも6でも割り切れて便利だったことが理由と考えられています。地球の自転から自然に出てくる数ではありません。

びっくり大事実! 地球が1回転する時間は、24時間ではない。星を基準に測ると23時間56分だ。私たちの1日は、地球の回転そのものではなく、太陽がまた同じ場所に来るまでの時間である。時計は、地球ではなく太陽に合わせてある。

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実は、地球が1回転する時間はきっちり24時間ではありません。星を基準にして測ると、約23時間56分です。太陽を基準にすると24時間になります。ちがいが出るのは、地球が自転しながら太陽のまわりも回っているので、同じ向きに太陽が来るまでに少し余分に回る必要があるからです。私たちが使っている1日は、星ではなく太陽を基準にした長さです。さらに、地球の自転はほんの少しずつ遅くなっています。だから、ときどき1秒を足して時計と地球を合わせることがあります。1分が60秒、1時間が60分なのも、古代の数え方の名残です。60は約数がとても多く、分けやすい数でした。時間の単位は、自然の法則ではなく、人が長く使ってきた便利さの記録なのです。

知っていると、なにがうれしいか 時計の数字が、自然の法則ではなく人の決めごとだと分かる。60分・60秒の理由も同じ話です。

きょうためせること 時計を見ないで「1分たった」と思ったところで手を上げる遊びをしてみよう。家族で同時にやると、みんなバラバラです。人の体は、時計ほど正確ではありません。

4月1日いきもの

サクラは、なぜ葉より先に花が咲くの?

花が さきに ひらく葉の つけねに 来年のつぼみ花のつぼみのほうが 低い温度で ひらく

どっちだと思う? 葉を作る力が足りないから / 花のつぼみのほうが、低い温度で開くから

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花と葉で、目を覚ます順番が決まっているからです。ソメイヨシノは、前の年の夏に作った花のつぼみと葉のつぼみを、別々に持っています。花のつぼみのほうが少し低い温度で開くようにできているので、先に咲きます。葉が出てから咲く種類のサクラもあり、ヤマザクラは花と葉がほぼ同時です。

びっくり大事実! サクラが散ったあと、その年の夏にはもう来年の花のつぼみができている。つまり4月に見ている花は、去年の夏に決まっていたものだ。桜は1年先の予定を、去年のうちに立て終えている。

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花が先に咲くことには、意味があると考えられています。葉が茂ってからでは、花が葉にかくれて虫から見つけてもらいにくくなります。まだ何もない枝に花だけがつけば、遠くからでもよく目立ちます。一斉に咲いて一斉に散る、あの見え方も、虫を効率よく呼ぶという点では理にかなっています。ただしソメイヨシノは接ぎ木でふやされてきた同じ木なので、じつは実がなりにくい。3月12日に読んだとおり、あの一斉さは種類がそろっていることの結果でもあります。散ったあとに出てくる葉は、来年の花のつぼみを作るための工場です。花のあとの葉桜の季節に、もう来年の準備が始まっています。

知っていると、なにがうれしいか 葉桜の季節に見るところができる。来年の花のつぼみを、自分の目で見つけられます。

きょうためせること サクラが散ったあとの枝を見てみよう。葉のつけねに、小さなふくらみができています。それが来年の花のつぼみです。夏のうちにもう出来上がります。

4月2日ちきゅう

地図の北は、なぜ上なの?

見なれた向き南が上の地図どちらも まちがいでは ない

どっちだと思う? 宇宙から見ると、北が上だから / そう描くと決めただけの、約束ごと

こたえを見る

決まりごとで、そう描くことにしただけです。宇宙には上も下もないので、地球にも本当の上はありません。むかしの地図には、東を上にしたものも、南を上にしたものもありました。いまの形が広まったのは、方位磁針が北を指すことと、そういう地図が世界中で使われるようになったことの積み重ねです。

びっくり大事実! よく見る世界地図では、グリーンランドがアフリカと同じくらいの大きさに見える。実際はアフリカのほうが何倍も大きい。私たちは子どものころから、大きさのゆがんだ世界を頭に入れて育っている。

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南を上にした世界地図は、いまもオーストラリアなどで作られていて、見ると強い違和感があります。慣れているだけで、正しいわけではないと分かります。もうひとつ、地図には形をどう平らにするかという問題があります。丸い地球を紙にうつすと、必ずどこかがゆがみます。よく見る世界地図では、赤道から遠いほど大きく描かれるので、グリーンランドがアフリカと同じくらいに見えます。実際はアフリカのほうが何倍も大きい。地図は世界の写真ではなく、目的に合わせて作った道具です。だから「どの地図が正しいか」ではなく「何をするための地図か」で選びます。3月3日に読んだ暦と同じで、便利だから続いている決まりごとです。

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知っていると、なにがうれしいか 地図が世界の写真ではなく、目的のある道具だと分かる。社会の地図の見方が変わります。

きょうためせること 世界地図を上下さかさまにして見てみよう。日本が下のほうに来ます。同じ地図なのに、まったく知らない世界に見えます。

4月3日てんき

降水確率30パーセントは、何の確率?

おなじ条件が 10回あったら3回ふる7回ふらない雨の 強さや 量は 表していない

どっちだと思う? 雨の量が30パーセントぶん / 1ミリ以上ふる見こみが 10回に3回

こたえを見る

「その時間帯に、1ミリ以上の雨か雪が降る見込みのある確率」です。雨の強さや、降っている時間の長さを表しているのではありません。だから、30パーセントの日にざあざあ降ることもあります。同じような気象の条件が100回あったとき、そのうちおよそ30回で1ミリ以上の降水があった、という意味です。

びっくり大事実! 降水確率は、雨の強さをまったく表していない。10パーセントの日に土しゃ降りになることも、90パーセントの日にぱらつくだけのこともある。あの数字は「降るかどうか」だけを言っていて、「どれだけ降るか」は一言も言っていない。

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ここを誤解している人がとても多いところです。よくある勘ちがいが3つあります。1つめは「30パーセントは降る量が少ない」。ちがいます。量とは無関係です。2つめは「地域の30パーセントの場所で降る」。これもちがいます。3つめは「30パーセントなら傘はいらない」。これは判断の問題で、10回に3回はぬれるということです。1ミリという線にも意味があります。1ミリ未満は、地面がうっすら湿る程度。傘を出すかどうかの分かれ目に近い量です。1月19日に読んだとおり、この確率は、はじめの数字を少しずつ変えた計算を何十通りも走らせて、そのばらつきから出しています。予報は当たり外れの話ではなく、確からしさを伝える仕事です。

知っていると、なにがうれしいか 傘を持つかどうかの判断が、感覚ではなく意味の分かった判断になる。

きょうためせること 1か月間、降水確率と、実際に雨が降ったかどうかを記録してみよう。30パーセントと出た日を集めると、そのうち3割くらいで降っているはずです。1日では分かりませんが、30日集めると見えてきます。

4月4日うちゅう

ロケットを使わずに、宇宙へ行く方法はある?

3まん6千キロに おもり計算は合っている材料が まだロケットの ように 燃料を つまなくてよい

どっちだと思う? もう作られていて、使われている / 考えられているが、材料がまだ作れていない

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考えられている方法があります。地上から宇宙まで長いケーブルをのばして、そこを箱が上り下りする、という案です。宇宙エレベーターと呼ばれています。まだ実現していません。いちばんの問題は、それだけ長いケーブルにたえられる材料が、まだ作れていないことです。

びっくり大事実! 宇宙エレベーターの計算は、実はもう合っている。足りないのは材料だけだ。人類は、行き方は分かっているのに、ひもが作れないという理由で宇宙に階段をかけられずにいる。

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考え方はこうです。地球の自転と同じ速さで回る高さ(およそ3万6000キロ)に重りを置き、そこから地上へケーブルを垂らします。ケーブルは自分の重さで切れそうになりますが、外側にもケーブルをのばして遠心力で引っぱれば、全体がぴんと張った状態になります。ここまでは計算が合います。問題は材料です。何万キロもの長さを自分の重さでささえられる、軽くて途方もなく強い素材がいります。候補として研究されている材料はありますが、必要な長さで作る方法がまだありません。もし実現すれば、ロケットのように大量の燃料を燃やさずに物や人を運べます。3月26日に読んだとおり、ロケットは燃料を運ぶための燃料まで積んでいます。宇宙エレベーターは、その問題ごとなくす発想です。実現するかどうかは、まだ誰にも分かりません。

知っていると、なにがうれしいか 「できない理由」が科学の中にもあると分かる。しかも、それが1つに絞られていることに驚けます。

きょうためせること ひもの先に消しゴムを結び、頭の上でぐるぐる回してみよう。ひもがぴんと張ります。これが遠心力で引っぱるということです。人のいないところで、短いひもでやること。

4月5日からだ

きんちょうすると、なぜ心ぞうがドキドキするの?

すぐ動ける ように 準備している4つ数えて すう8つ数えて はくはくほうを ながく

どっちだと思う? 体が弱っているサイン / すぐ動けるように、体が準備している

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体が「すぐ動けるように」準備しているからです。緊張する場面を脳が感じ取ると、体は力を出す構えに切りかわります。筋肉にたくさんの酸素を届けるため、心ぞうが速く打ち、呼吸も速くなります。手にあせをかいたり、口がかわいたりするのも、同じ切りかえの一部です。こわがっているのではなく、準備しています。

びっくり大事実! 発表の前のドキドキは、あなたの体が全力で走る準備をしている音だ。教室から逃げる必要も、戦う必要もないのに、体は数万年前と同じ構えをとる。人の体は、まだ原っぱにいるつもりでいる。

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この仕組みは、大むかしから変わっていません。危ないものに出あったとき、逃げるか立ち向かうか、どちらにしてもすぐ動けたほうが生き残れました。いまの私たちが緊張する場面は、発表や試合やテストです。走って逃げる必要はないのに、体は同じ準備をします。だから、ドキドキするのは失敗の前ぶれではなく、体が本気になった合図です。この見方に変えるだけで、実際に力を出しやすくなると言われています。あわせて、息をゆっくり長くはくと、体は落ち着く側へ戻りやすくなります。吸うより、はくほうを長くするのがこつです。緊張は消すものではありません。うまく乗るものです。

知っていると、なにがうれしいか ドキドキが失敗の前ぶれではないと分かる。しかも、その場でできる対処が1つ手に入ります。

きょうためせること 4つ数えながら息を吸い、8つ数えながらゆっくりはく。これを5回くり返してみよう。発表の前や、試合の前にやってみて、前とどうちがうか自分で確かめよう。

4月6日いきもの

つくしとスギナは、同じ植物?

つくし ほうしを とばすスギナ 光合成をする地下で つながった おなじ植物

どっちだと思う? よく似ているが、別の植物 / 地下でつながった、同じ植物

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同じ植物です。地下でつながっています。春に先に出てくる茶色いのがつくしで、こちらは胞子を飛ばすための姿。そのあとに出てくる緑のスギナが、光合成をして養分を作る姿です。役割で見た目を変えているので、別の植物に見えます。花も種も作りません。

びっくり大事実! つくしのなかまは、恐竜が現れるより前から地球にいる。当時は木のように高く育つものもあった。いま道ばたで指でつまめるあの小さな植物は、何億年も負けなかった一族の生き残りである。

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つくしとスギナは、シダのなかまです。種ではなく胞子でふえるので、花が咲きません。つくしの頭にある六角形の板をよく見ると、すきまから緑色の粉が出てきます。それが胞子です。この植物は、恐竜より前の時代から地球にいる古いグループの生き残りで、当時は木のように大きなものもありました。いま私たちが使う石炭の一部は、その時代の植物が積もってできたものです。道ばたのつくしは、その子孫です。地下の茎がとても深くまでのびるので、いちど生えると取り去るのが大変です。畑の人にとっては手ごわい相手ですが、それはこの植物が何億年も生き延びてきた作りそのものでもあります。

知っていると、なにがうれしいか 道ばたのつくしを見る目が変わる。しかも胞子を自分の目で見られます。

きょうためせること つくしを1本とって、頭の部分を白い紙の上でトントンとたたいてみよう。緑色の細かい粉が落ちてきます。それが胞子です。息をふきかけると飛んでいきます。

4月7日デジタル

「バグ」は、なぜ虫という意味なの?

for i = 1 to 10 print i print jむかしの よび名まちがえているのは 書いたほう機械は 書かれたとおりに 正しく 動いている

どっちだと思う? いまも虫が入りこんで、こわしている / むかし虫にたとえた言い方が、そのまま残った

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むかし、機械の不具合を虫にたとえて呼んでいたからです。電気の機械が使われ始めたころから、原因のよく分からない故障を虫のせいのように言う習慣がありました。実際にコンピュータの中から蛾が見つかり、それを記録に貼りつけた話が残っていて、この言い方が広まるきっかけのひとつになったと伝えられています。

びっくり大事実! コンピュータのバグの正体は、虫ではなく人間だ。機械は書かれたとおりに、一度もまちがえずに動いている。まちがえているのは、いつも書いたほうである。

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いまのバグは、虫のせいではありません。ほとんどが、人が書いた指示のまちがいです。コンピュータは書かれたとおりにしか動かないので、書き手が思っていたことと、書いた内容がずれていると、そのとおりにずれて動きます。だからバグ探しは、機械を直す作業ではなく、自分の考えのどこがずれていたかを探す作業になります。プログラムを作る人が「バグが取れない」と言っているとき、実際には「自分がどこで思いちがいをしたのか分からない」と言っているのに近いのです。ここが面白いところで、算数の答え合わせととてもよく似ています。計算まちがいを見つけるとき、最初から順に見直すより、答えがおかしくなり始めたところを探すほうが速い。バグ探しでも同じやり方をします。

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知っていると、なにがうれしいか 「コンピュータがまちがえた」という言い方が、たいてい正しくないと分かる。

きょうためせること 友だちに「紙に三角を描く手順」を言葉だけで伝えてみよう。手を使わず、言葉だけで。たいてい思ったものになりません。そのずれが、バグの正体です。

4月8日ちきゅう

川は、なぜまっすぐ流れないの?

外がわ けずる外がわ けずる内がわ たまる少し曲がると 曲がりが そだつ

どっちだと思う? 地面のかたむきに合わせて曲がる / 少し曲がると、その曲がりがどんどん育つ

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曲がりはじめると、曲がり方がどんどん強くなるからです。川がわずかに曲がると、外側は流れが速くなって岸をけずり、内側は流れがおそくなって砂がたまります。けずられた側はさらに外へ広がり、たまった側はさらに内へ出っぱる。この2つが同時に進むので、少しの曲がりが大きな曲がりに育ちます。

びっくり大事実! 曲がりすぎた川は、ある日その曲がりを見捨てて近道を通り始める。取り残された部分は三日月の形の湖になる。地図に並ぶあの細長い池は、川が捨てていった過去である。

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だから、曲がった川の外側は深くてがけになり、内側は浅くて川原になります。橋の下から見ると、左右で川底の形がまるでちがうことがあります。曲がりが極端になると、両はしが近づいて、ある日つながってしまいます。すると川は近道を通るようになり、置いていかれた曲がりの部分が三日月の形の湖として残ります。三日月湖といって、日本では石狩川にたくさんあります。地図で見ると、川の横にぽつぽつと細長い池が並んでいるのが分かります。あれは全部、昔の川の跡です。川は動く地形です。いま流れている場所は、たまたま今そこにあるだけで、100年前は別の場所を流れていたかもしれません。

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知っていると、なにがうれしいか 地図を見たとき、川のそばの細長い池の意味が分かる。地形の見え方が変わります。

きょうためせること 地図アプリで石狩川の下流あたりを見てみよう。川のそばに三日月の形をした細長い池がいくつも並んでいます。全部、むかしの川の一部です。

4月9日もの

道路のアスファルトは、なぜ黒いの?

黒いので 光を よく すう石油の黒い成分+砂利夏はやわらかく 冬はかたくなる

どっちだと思う? 黒いペンキで塗ってある / 材料の色が、そのまま出ている

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石油から取れる黒いねばねばした成分を、砂利や砂と混ぜて固めているからです。この黒い成分をアスファルトといい、接着剤の役目をしています。もともと黒いので、道路も黒くなります。色をつけているのではなく、材料の色がそのまま出ています。

びっくり大事実! 道路は、温度で固さが変わっている。夏はやわらかく、冬は硬い。私たちが毎日ふんでいるあの硬い面は、季節ごとにこっそり性質を変えている。

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黒いということは、光をよく吸うということです。だから夏のアスファルトはとても熱くなり、街全体の気温を上げる原因のひとつになります。都市の気温が周りより高くなることをヒートアイランドといい、その対策として、明るい色に塗った道路や、水をしみこませて蒸発で冷やす道路が使われている場所もあります。もうひとつ、アスファルトは温度で固さが変わります。夏はやわらかくなり、重い車が通るとわずかに沈む。冬は硬くなり、割れやすくなります。道路が波打っていたり、ひび割れていたりするのは、この性質と関係があります。雨の日に道路の音が変わるのは、水がタイヤと道の間に入るからで、水を通す作りの道路では音が小さくなります。道路は、ただの平らな面ではありません。

知っていると、なにがうれしいか 夏に道路が熱い理由と、街が暑い理由がつながる。色を変えた道路の意味も分かります。

きょうためせること 晴れた夏の日に、アスファルトの上と、そばの土や草の上に手をかざして温度をくらべてみよう。さわると熱いので、手をかざすだけにすること。

4月10日てんき

雨がふる前に、においがするのはなぜ?

しめった空気が さきに とどく土に たまっていた 成分が とび出す

どっちだと思う? 雨そのものに、においがある / 地面や植物のにおいが、運ばれてくる

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地面や植物から出るにおいの成分が、風や湿り気で運ばれてくるからです。雨が近づくと、湿った空気が先に届きます。湿ると、かわいていた土や落ち葉からにおいの成分が出やすくなります。さらに、雨つぶが地面に当たったときに細かいしぶきが立ち、土の中の成分が空気中に飛び散ります。

びっくり大事実! 人の鼻は、土の中の微生物が作るにおいを、ごくわずかな量でも感じ取れる。犬に負けない感度がある数少ないにおいのひとつだ。なぜそこまで敏感なのかは、まだ分かっていない。

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雨が降り始めたときの、あの独特のにおいには名前がついています。ペトリコールといいます。かわいた地面にしみこんでいた植物由来の油のような成分が、雨つぶの衝げきで空気中に出てくることが分かっています。もうひとつ、土の中の微生物が作る成分もにおいの元になっていて、こちらは人の鼻がとても敏感に感じ取れることが知られています。ごくわずかな量でも分かるのです。なぜそこまで敏感なのかは、はっきり分かっていません。水を探すのに役立ったからではないか、という考え方もありますが、確かめられてはいません。長く雨が降らなかったあとの雨で、においが強く感じられるのは、それだけ地面に成分がたまっていたからです。

知っていると、なにがうれしいか 雨のにおいに名前があると知れる。1日目と2日目でちがう理由も説明できます。

きょうためせること 雨が降り始めたら、外の空気のにおいをかいでみよう。次に、雨が続いた2日目にもかいでみよう。1日目のほうが強いはずです。理由は、たまっていた分が最初に出るからです。

4月11日うちゅう

星座は、だれが決めたの?

区画1区画2区画3空ぜんたいを 88に わけた 区画同じ方向に見えるだけで きょりは ばらばら

どっちだと思う? 近くにある星どうしを、線でつないだもの / 同じ方向に見えるだけで、きょりはばらばら

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むかしの人たちが少しずつ作り、いまの形は1928年に国際的な取り決めで88に定められました。それまでは国や時代によってばらばらで、同じ星が別の星座に入っていたり、新しい星座が勝手に作られたりしていました。いまは空全体が88の区画にきっちり分けられていて、すきまはありません。

びっくり大事実! オリオン座は、横から見たらオリオン座に見えない。あの形が成り立つのは、地球から、この時代に見たときだけだ。星座は、私たちが立っている場所からしか描けない絵である。

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大事なのは、星座が「星の集まり」ではなく「空の区画」だということです。オリオン座に見える星たちは、地球から見て同じ方向にあるだけで、実際の距離はばらばらです。手前の星と奥の星が何百光年も離れていることもあります。もし横から見たら、あの形にはまったく見えません。星座は、地球という1つの場所から、いまの時代に見たときだけ成り立つ絵です。しかも星は少しずつ動いているので、何万年もたてば形が変わります。北斗七星も、遠い未来には別の形になります。それでも星座が役に立つのは、空のどのあたりかを言うための住所として使えるからです。新しい星が見つかったとき、どの星座の中にあるかで場所を伝えます。

知っていると、なにがうれしいか 星座が「集まり」ではなく「区画」だと分かる。星までの距離を知ったときの見え方が変わります。

きょうためせること オリオン座を写真で見て、3つ並んだ星のどれかを指さしてみよう。あの3つは、実は地球からの距離がそれぞれちがいます。並んで見えるのは、偶然です。

4月12日いきもの

アリは、なぜ行列を作れるの?

えさリーダーは いないにおいが こいほうへ 進むだけ地面が みんなの ノートになっている

どっちだと思う? リーダーのアリが道を教えている / 1ぴきずつが においをたどっているだけ

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えさを見つけたアリが、巣へ帰るときに道しるべのにおいを地面に置いていくからです。次のアリはそのにおいをたどって進み、自分もにおいを足していきます。えさが多いほど通るアリが増え、においが濃くなって道がはっきりします。えさがなくなるとにおいを足さなくなり、においは自然に消えて行列も消えます。

びっくり大事実! アリの行列には、指揮する者がいない。1匹も全体を見ていないのに、群れは最短に近い道を見つけ、必要がなくなれば自然に撤退する。だれも計画していない計画が、地面の上で毎日成功している。

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面白いのは、リーダーがいないことです。どのアリも「においが濃いほうへ進む」「えさを持って帰るときはにおいを置く」という単純な決まりに従っているだけ。それなのに、群れ全体としては最短に近い道を選び、えさが減れば自然に撤退します。だれも全体を見ていないのに、全体としてかしこく動く。この考え方はコンピュータの世界でも使われていて、配送のルートを決めたり、通信の経路を選んだりするのに応用されています。アリのやり方をまねた計算方法があるのです。1匹のアリは道を知りません。でも、においという書き置きを地面に残すことで、群れ全体が記おくを持てます。地面が、アリたちの共有のノートになっています。

知っていると、なにがうれしいか アリの行列が、コンピュータの計算方法のお手本になっていると知れる。

きょうためせること アリの行列を見つけたら、行列の途中を指でこすってみよう。においが消えて、アリがそこで迷います。しばらくすると別の道を作り直します。アリはつぶさないこと。

4月13日からだ

くしゃみは、なぜ出るの?

いきおいよく外へ 出すひじの内がわでおさえる手だと さわった所に うつる要らないものを 外へ 出す はたらき

どっちだと思う? 体が弱っているから出る / 鼻に入った要らないものを、外へ出している

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鼻に入った要らないものを、いきおいよく外へ出すためです。鼻の中の敏感な部分が刺激を受けると、その情報が脳に伝わり、息を深く吸ってから一気にはき出す動きが起こります。自分で止めようとしても止めにくいのは、考えて起こしているのではなく、決まった反射として組まれているからです。

びっくり大事実! 明るいところに出るとくしゃみが出る人がいる。出る人と出ない人がいて、家族で似る。こんなに身近な現象なのに、なぜそうなるのかは、いまも分かっていない。

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くしゃみの速さはかなりのもので、口や鼻から出る空気は相当な速さになります。だからこそ、ごみを飛ばす力があります。同時に、細かいしぶきも遠くまで飛びます。ひじの内側や、ティッシュで口と鼻をおおうよう言われるのは、このためです。手でおさえると、その手でさわったところにしぶきが移ります。もうひとつ、明るいところに出るとくしゃみが出る人がいます。人によって出る人と出ない人がいて、家族で似ることが知られています。理由ははっきり分かっていません。鼻の神経と目の神経が近くを通っているため、信号が混ざるのではないか、という考え方があります。3月に読んだあくびと同じで、身近なのに解けていない問いです。

知っていると、なにがうれしいか ひじの内側でおさえる理由が、根拠から分かる。家族で確かめられる実験もついています。

きょうためせること 家族に「明るいところに出ると、くしゃみが出ることがあるか」を聞いてみよう。出る人と出ない人に分かれます。家族の中で似ているかどうかも確かめてみよう。

4月14日デジタル

スマホの充電は、なぜ最後のほうが遅くなるの?

ここまで はやいゆっくり8わりあたりから 流す量を へらすこしょうではなく 電池を まもっている残り何パーセントは はかった数字ではなく 見つもり

どっちだと思う? 電池が古くなって、遅くなった / 電池を守るために、わざと遅くしている

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わざと遅くしています。電池は、いっぱいに近づくほど無理をさせると傷みます。だから充電の仕組みは、はじめは速く流し、8割くらいを過ぎたら流す量をぐっと減らして、ゆっくり満たしていきます。遅くなったのは故障ではなく、電池を長持ちさせるための守り方です。

びっくり大事実! スマホの「残り何パーセント」は、はかった数字ではない。電圧や使い方から計算した見積もりだ。だから急に数字が飛ぶことがある。あれは壊れたのではなく、見積もりが正直になった瞬間である。

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電池は使うたびに少しずつ減っていく消耗品です。減り方を早める条件がいくつか知られていて、満タンのまま置いておくこと、空っぽのまま置いておくこと、そして熱です。だから多くのスマホには、夜のあいだは8割で止めておき、起きる時刻に合わせて満タンにする機能がついています。充電しながらゲームをすると熱くなるのは、電池にとってはいちばん厳しい使い方です。もうひとつ、電池の残り何パーセントという表示は、実は直接はかった値ではありません。電圧や使われ方から計算した見積もりです。だから急に数字が飛ぶことがあります。壊れているのではなく、見積もりが直ったのです。ここは1月19日の天気予報と同じで、数字は測定ではなく計算の結果です。

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知っていると、なにがうれしいか 充電の遅さが故障ではないと分かる。電池を長持ちさせる使い方も分かります。

きょうためせること 充電しながら、0から50パーセントまでにかかった時間と、50から100までにかかった時間をはかってみよう。後半のほうが長くかかります。

4月15日ちきゅう

がけに見えるしま模様は、何を表しているの?

新しい古い火山ばい=目じるし貝の化石=ここは海だった下ほど古く 上ほど新しい

どっちだと思う? 同じ日にできた もようがちがうだけ / 下ほど古く、上ほど新しい 積もった順番

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積もった順番です。下にあるものほど古く、上にあるものほど新しい。しまの1本1本が、そのとき積もったものの記録です。色や粒の大きさがちがうのは、積もったときの様子がちがったからで、火山灰の層、川が運んだ砂の層、海の底で積もった泥の層などが重なっています。

びっくり大事実! がけのしま模様は、地球の日記だ。しかも下から順に書いてあり、途中でページを差しかえることができない。火山が噴火した年も、そこが海だった時代も、消さずに残っている。

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だから地層を読むと、その場所の過去が分かります。粒が大きければ流れが速かった、細かければ静かだった。貝の化石が出れば、そこは海だった。火山灰の層が見つかれば、どこかで噴火があった年が分かります。火山灰の層は日本各地で同じものが見つかるので、離れた場所の地層の年代を合わせる目印になります。これを鍵層といいます。地層は水平に積もりますが、あとから力を受けて曲がったり、ずれたり、ひっくり返ったりします。がけの模様がななめになっていたら、それは積もったあとに大地が動いた証拠です。1月17日に読んだ地盤の話も、2月17日に読んだ地球の中の話も、こうやって読み取られてきました。

知っていると、なにがうれしいか がけのしま模様が読めるようになる。工事現場を通るのが少し楽しみになります。

きょうためせること 工事現場のがけや、川ぞいの切り通しで、しま模様が見えたら数えてみよう。何本あるか。色のちがいはどこか。近づかず、離れた安全な場所から見ること。

4月16日もの

輪ゴムは、なぜのびるの?

まるまっているのびて そろうひっぱるとあたたかいゆるめるとつめたい

どっちだと思う? やわらかいので、そのままのびる / 丸まった長い分子が、のびてまっすぐになる

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中に、くしゃくしゃに丸まった長い分子がたくさん入っているからです。引っぱると、その丸まりがのびて、まっすぐに近づきます。手をはなすと、また丸まった形に戻ろうとするので、縮みます。金属やガラスとは、のび方の仕組みがまったくちがいます。

びっくり大事実! 輪ゴムは、あたためると縮む。金属とは逆だ。しかも引っぱるとあたたかくなり、ゆるめると冷たくなる。手の中のゴム1本が、物理の常識をひっくり返している。

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面白いのは、輪ゴムを引っぱると少しあたたかくなり、縮むとき少し冷たくなることです。ふつうの物は、のばすと冷えそうな気がしますが、逆になります。理由は、丸まっていた分子がのびてそろうことで、乱雑さが減るからです。減った分がねつとして出てきます。しかも、あたためた輪ゴムは、のびるのではなく縮みます。これも金属と逆です。金属はあたためるとのびます。もうひとつ、輪ゴムは時間がたつと切れやすくなります。空気中の酸素や、日光や、オゾンが分子のつながりを切ってしまうからです。引き出しの奥で何年も放っておいた輪ゴムがベタベタになって切れるのは、この変化が進んだ結果です。使わなくても古くなる、という物のひとつです。

知っていると、なにがうれしいか 引き出しの輪ゴムが切れる理由が分かる。使っていなくても古くなる物があると気づけます。

きょうためせること 輪ゴムを、くちびるに当てたまま、いきおいよく引っぱってみよう。少しあたたかくなります。次に、のばした状態からゆるめると、ひんやりします。ゴムが飛ばないよう気をつけて。

4月17日てんき

虹は、なぜ半円なの?

下半分は 地面に かくれている太陽は 背中がわほんとうは 円

どっちだと思う? 空の形に合わせて、半円になっている / 本当は円で、下半分が地面にかくれている

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本当は円だからです。太陽を背にしたとき、決まった角度の方向にある水のつぶだけが、こちらへ色を返します。その方向を全部つなぐと円になります。ただし下半分は地面にじゃまされて見えないので、半円に見えます。飛行機の上や高い山からは、まるい虹が見えることがあります。

びっくり大事実! あなたが見ている虹と、隣に立っている人が見ている虹は、別の水つぶでできている。同じ虹を2人で見ることは、原理的にできない。虹は、1人に1つずつ配られている。

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虹ができるのは、雨つぶの中で光が曲がって、はね返って、また曲がって出てくるからです。曲がる角度は色によってわずかにちがい、赤はおよそ42度、むらさきはおよそ40度。この2度の差が、あの色の帯になります。だから虹は「そこにある物」ではありません。見る人の位置によって、どの水つぶが光を返すかが変わるので、隣の人が見ている虹は、あなたが見ている虹とは別の水つぶで作られています。虹に近づくことも、はしを掘ることもできません。二重に見えるときの外側の虹は、雨つぶの中で2回はね返った光で、色の並びが逆になります。内側が赤が外、外側は赤が内。二重虹を見たら、色の順番を確かめてみてください。

知っていると、なにがうれしいか 虹に近づけない理由が分かる。二重虹を見たとき、色の順番を確かめる楽しみもできます。

きょうためせること 晴れた日に、太陽を背にしてホースで細かい霧を作ってみよう。虹が見えます。次に、少し横へ歩いてみよう。虹もついてきます。虹が動いたのではなく、別の水つぶが光を返し始めたのです。

4月18日うちゅう

ブラックホールは、なんでも吸いこむの?

遠ければ ふつうに回るすいこむのでは なく 重いだけ落ちこむガスが 光る。その光で 見つける

どっちだと思う? 近くのものを、次々に吸いこんでいる / とても重いだけで、遠ければ落ちない

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掃除機のように吸いこんでいるのではありません。とても重いので、まわりの重力が強いだけです。だから遠くにいれば、ふつうの星のまわりと同じように回っていられます。近づきすぎたものだけが、戻れなくなります。太陽が急にブラックホールになったとしても、地球はいまと同じように回り続けます。暗くて寒くなるだけです。

びっくり大事実! 太陽が急にブラックホールに変わっても、地球は今と同じ軌道を回り続ける。落ちていったりはしない。ただ、真っ暗になって、とても寒くなるだけだ。吸いこまれるのではなく、置いていかれる。

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戻れなくなる境目を事象の地平面といいます。ここを越えると、光でさえ出てこられません。だから黒く見えます。ブラックホールそのものは光を出しませんが、まわりに落ちこんでいくガスは、こすれ合ってものすごく熱くなり、強い光やX線を出します。その光を観測することで、そこに何かとても重いものがあると分かります。2019年には、まわりのガスの光を世界中の電波望遠鏡で同時に観測し、ブラックホールの影をとらえた画像が公開されました。見えないものを、まわりの明るさで見る。1月17日の地震波や、2月17日の地球の内部と同じで、直接行けない場所を、届いてくるものから読み取る方法です。

知っていると、なにがうれしいか ブラックホールが「吸いこむ穴」ではないと分かる。ニュースの画像の意味も分かります。

きょうためせること 洗面台の水を流すとき、渦の中心をよく見てみよう。中心に近いほど速く回り、あるところから急に落ちていきます。ブラックホールのまわりのガスも、これに似た動きをしています。

4月19日いきもの

たけのこは、1日でどれだけのびるの?

ぜんぶの節が同時にのびるこの太さのまま竹は 太くならない。高さだけ のびる

どっちだと思う? 先っぽだけが、ものすごく速くのびる / ぜんぶの節が、同時にのびている

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条件がよければ、1日に1メートル近くのびることがあります。ふつうの植物は、先っぽの近くだけがのびます。ところが竹は、節と節のあいだのそれぞれに、のびる部分を持っています。全部の節が同時にのびるので、合計するととんでもない速さになります。

びっくり大事実! 竹は、太くならない。地面から出たときの太さが、その竹の一生の太さだ。木のように年輪を作って育つことはない。細く出てきた竹は、100年たっても細いままである。

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竹が速くのびられるのは、地下の茎にためた養分を使うからです。葉を広げて自分で光合成をする前に、親からの仕送りで一気に高さをかせぐ。だから短期間で他の植物より上に出て、光を取ることができます。もうひとつ、竹は太くなりません。木は年輪を作って毎年太くなりますが、竹は地上に出たときの太さのまま、高さだけがのびます。たけのこの太さが、その竹の一生の太さです。細いたけのこは、細い竹にしかなりません。竹林が広がりやすいのも地下茎のためで、地面の下でつながって次々に新しいたけのこを出します。手入れをやめた竹林が周りの森に広がってしまう問題は、この性質と関係しています。

知っていると、なにがうれしいか 竹と木のちがいが、はっきり分かる。たけのこの太さを見る目が変わります。

きょうためせること たけのこが出ている場所があれば、印をつけて次の日にくらべてみよう。ものさしを立てておくと変化が分かります。よその土地には入らないこと。

4月20日デジタル

インターネットの「クッキー」って何?

サイト小さなメモあなたの端末に のこる「さっきの続き」が わかる しくみ同意ボタンは 何をわたすかの 選択

どっちだと思う? インターネットの通信の速さのこと / サイトが端末に置いていく、小さなメモ

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サイトが、あなたの端末に置いていく小さなメモです。次に同じサイトへ行ったとき、そのメモを読むことで「さっきの続き」が分かります。買い物かごの中身が消えないのも、ログインしたままでいられるのも、このメモのおかげです。お菓子とは関係のない、ただの呼び名です。

びっくり大事実! 「クッキーに同意しますか」というあの窓は、形式的な確認ではない。何を渡すかを選ぶ場面だ。毎日何度も押しているあのボタンは、そのたびに小さな決定をしている。

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便利な仕組みですが、使われ方には幅があります。そのサイト自身が置くメモは、その場を使いやすくするためのものです。一方で、広告の会社が複数のサイトにまたがってメモを置く使い方もあり、こちらはどのサイトを見て回ったかをつなげて知ることができます。だから近ごろは、サイトを開いたときに「クッキーの利用に同意しますか」と聞かれるようになりました。あれは形式的な確認ではなく、何を渡すかを選ぶ場面です。全部を許可することも、必要なものだけにすることもできます。設定から、あとで消すこともできます。メモを消すと、ログインし直しになったり、買い物かごが空になったりします。便利さと、知られる情報の量は、だいたい同じ方向に動きます。どこで線を引くかは、使う人が決めることです。

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知っていると、なにがうれしいか 同意ボタンの意味が分かる。押す前に少し考えられるようになります。

きょうためせること おうちの人と、ブラウザの設定でクッキーの項目を開いてみよう。どのサイトのメモが残っているかを見るだけでかまいません。数の多さに驚くと思います。

4月21日からだ

指もんは、何のためにあるの?

生まれる前に 決まり 一生 変わらないすべり止め?感覚を するどく?皮ふを まもる?まだ 決まっていない

どっちだと思う? すべり止めのためだと、決まっている / いくつかの説があり、まだ決まっていない

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はっきり決まっていませんが、いくつかの考え方があります。物をつかむときのすべり止めになるという説、指先の感覚を鋭くするという説、皮ふが引っぱられたときに傷みにくくするという説などです。どれも一部は確かめられていますが、これが理由だと決まったわけではありません。

びっくり大事実! 一卵性のふたごでも、指もんはちがう。同じ設計図から生まれたのに、指先の模様だけは別のものになる。あなたの指先の線は、遺伝でも決まらなかった、あなただけの偶然である。

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はっきりしていることもあります。指もんの形は生まれる前に決まり、一生変わりません。傷ができても、深くなければ同じ模様が戻ります。そして、一卵性のふたごでも模様がちがいます。遺伝だけで決まるのではなく、おなかの中での指先の育ち方の細かいちがいが形を分けているからです。だから、まったく同じ指もんの人はいないと考えられていて、身分の確認に使われてきました。感覚を鋭くするという説には、指もんのみぞの間隔が、指先の神経が振動を感じ取りやすい間隔と合っている、という研究があります。ざらざらした物をなでたとき、指もんが小さな振動を作り、それを感じ取っている、という考え方です。身近な体の一部でも、何のためにあるのかが決まっていないものは、まだあります。

知っていると、なにがうれしいか 家族全員の指もんを集めて見くらべられる。全員ちがうことを自分で確かめられます。

きょうためせること えんぴつで指先をぬり、セロハンテープを貼ってはがし、白い紙に貼ってみよう。指もんが写ります。家族の分と見くらべると、全員ちがうことが分かります。

4月22日ちきゅう

地球の重さは、どうやってはかったの?

わずかな ねじれを はかる→ 引き合う力の 強さがわかる→ 地球の重さが 計算できる

どっちだと思う? 巨大なはかりで、直接はかった / 小さな物どうしが引き合う力から、計算した

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物と物が引き合う力の強さを、実験ではかったのです。地球にのせて重さをはかることはできないので、まず小さな物どうしが引き合う力を精密にはかり、そこから計算で求めました。18世紀の終わりに、金属の球と鉛の重い球を使った実験で確かめられ、以来ずっと同じ考え方で精度が上げられています。

びっくり大事実! 人類は、地球にのせずに地球の重さを出した。細い糸につるした棒が、ほんのわずかねじれた。その角度から、足元の星の重さが分かった。200年以上前の実験室で、である。

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仕組みはこうです。細い糸で棒をつるし、両はしに小さな球をつけます。そこへ重い球を近づけると、ごくわずかに引かれて棒がねじれます。そのねじれ方から、引き合う力の強さが分かります。力の強さが分かれば、地球が私たちを引く力の強さから逆算して、地球の重さが出せます。この方法のすごいところは、地球に触れずに地球の重さを出したことです。同じやり方で、太陽や月や、遠くの星の重さも計算されています。天体の重さは、はかりに乗せて求めたものではありません。回り方や引き合い方から出した値です。「はかる」という言葉には、直接あてがう以外のやり方があるのだと分かります。きょうは地球のことを考える日でもあります。

👤 これを調べた人の話
目に見えないほどわずかなねじれをはかるために、実験は風も温度も遮った部屋で、望遠鏡ごしに行われました。ふるえも息もじゃまになるからです。大きな発見のうしろには、たいてい、こういう静かで根気のいる作業があります。

知っていると、なにがうれしいか 「はかる」に、直接あてがう以外のやり方があると分かる。天体の重さの話が読めるようになります。

きょうためせること 下じきをこすって髪の毛を引きよせてみよう。目に見えない力で物が動きます。重力も同じで、見えなくても必ずはたらいています。ただし重力は、電気の力よりずっと弱い力です。

4月23日もの

紙は、なぜ折り目がつくと弱くなるの?

ここで せんいが 切れる折り目は しるしではなく 傷ミシン目は わざと「紙は7回しか折れない」は 大きさの問題

どっちだと思う? 折るとくせがつくだけで、強さは変わらない / 折ったところで、せんいがこわれている

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折ったところで、繊維がこわれているからです。紙は細い植物の繊維がからみ合ってできています。折ると、折り目の外側の繊維は引きのばされて切れ、内側はつぶれます。いちどこわれた繊維は元に戻らないので、同じところを何度も折ると、そこからちぎれます。折り目は、しるしではなく傷です。

びっくり大事実! 折り目は、しるしではなく傷だ。折り紙が形を保っていられるのは、紙が折られるたびに少しずつこわれているからである。作品の美しさは、こわれた線の上に立っている。

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だから、紙は折る前と後で別の物になります。折り紙が形を保てるのも、繊維がこわれてそこで止まるからです。もし完全に元に戻る材料なら、折り紙は開いてしまいます。この性質は使い道にもなっていて、切手やトイレットペーパーのミシン目は、あらかじめ穴を開けて「ここでちぎれる」ようにしたものです。逆に、何度も折り曲げても切れない紙を作りたい場合は、繊維を長くしたり、繊維どうしのつながり方を工夫したりします。お札が丈夫なのは、ふつうの紙とはちがう材料が混ぜてあるからです。ちなみに「紙は7回しか折れない」とよく言われますが、これは大きさの問題です。十分に大きくてうすい紙なら、もっと折れることが実験で示されています。

知っていると、なにがうれしいか 「紙は7回しか折れない」が正しくないと分かる。折り紙の見え方も変わります。

きょうためせること 同じ紙を、同じ場所で10回折って開くのをくり返してみよう。何回目で切れるか数えよう。次に、少しずらした場所で折ると、切れにくくなります。

4月24日てんき

風は、どこから吹いてくるの?

りく はやく あたたまるうみ ゆっくり海から 陸へ ふく(ひるの 海風)よるは 逆になる。入れかわりのときが 凪

どっちだと思う? 空気そのものが、自分で動きたがっている / 気圧の高いところから低いところへ、押されて動く

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空気の重さの差から生まれます。あたためられた空気は軽くなって上がり、その場所の空気が減ります。減ったところへ、まわりから空気が流れこむ。この流れが風です。だから風は、気圧の高いところから低いところへ吹きます。空気が動いているのではなく、押し出されて動かされています。

びっくり大事実! 風は、地球が熱のかたよりを直そうとしている動きだ。赤道が受け取りすぎた熱を、極のほうへ運んでいる。あなたのほおに当たる風は、その配達の途中である。

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海の近くでは、この差が1日のうちで入れかわります。昼は陸のほうが早くあたたまるので、陸の空気が上がり、海から陸へ風が吹きます。海風です。夜は逆に、陸のほうが早く冷えるので、陸から海へ吹きます。陸風です。その入れかわりのとき、風がぱたりと止まる時間があり、これを凪といいます。1月4日に読んだとおり、水はあたたまるのも冷えるのも遅い。この差が毎日の風を作っています。もっと大きな目で見ると、赤道のあたりで受け取る熱が多く、極のあたりは少ない。この差をならそうとして、地球全体で大きな空気の流れが生まれます。台風も、偏西風も、もとをたどれば同じ理由です。風は、地球が熱のかたよりを直そうとしている動きです。

知っていると、なにがうれしいか 海風と陸風のちがいが分かる。海に行ったとき、旗の向きを見る理由ができます。

きょうためせること 海や大きな湖に行ったら、昼と夕方で風の向きを確かめてみよう。旗やのぼりの向きで分かります。時間によって向きが変わることがあります。

4月25日いきもの

チューリップの花は、夜になると閉じるって本当?

あたたかい → ひらくつめたい → とじる明るさでは なく 温度で 動いている

どっちだと思う? 暗くなると、閉じるようにできている / 温度で、開いたり閉じたりしている

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本当です。ただし、暗くなったから閉じているのではなく、温度で開いたり閉じたりしています。あたたかくなると花びらの内側がよくのび、外側へそりかえって開きます。冷えると外側のほうがのびて、内側へ巻きこむように閉じます。だから、あたたかい夜には開いたままのこともあります。

びっくり大事実! チューリップは、開いたり閉じたりするたびに、花びらが少しずつ大きくなっている。だから咲き終わりのチューリップは、咲き始めより大きい。あの花は、毎日ほんの少しずつ育ちながら開閉している。

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この動きは、花びらの内と外で、のびる速さがちがうことで起きています。温度が上がると内側が、下がると外側がのびる。開閉のたびに花びらは少しずつ大きくなっていて、何度も開閉した花は最初より大きくなっています。閉じることには意味があると考えられています。花粉を冷えや雨から守る、虫が来ない時間に無駄にさらさない、といった説明です。同じような動きは、タンポポやハスにも見られます。一方で、暗さで閉じる植物もあり、こちらは別の仕組みです。花を買って部屋に飾ったチューリップが夜も開いたままなのは、部屋があたたかいからです。冷たい場所に置くと、また閉じます。花は、時計ではなく温度計を持っています。

知っていると、なにがうれしいか 花の開閉が明るさではないと分かる。家に飾った花で、自分で確かめられます。

きょうためせること チューリップを1輪、朝と昼と夜に写真に撮ってくらべてみよう。次に、夜に冷たい場所へ移してみよう。閉じ方が変わります。

4月26日うちゅう

宇宙にも、ごみがあるの?

1センチでも 衛星を こわす力かってには 落ちてこない

どっちだと思う? やがて自然に落ちて、消えていく / 勝手には落ちてこないので、片づける必要がある

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あります。役目を終えた人工衛星、切り離したロケットの部品、こわれてできた細かいかけら。これらをスペースデブリといいます。地球のまわりを、とても速い速さで回り続けています。1センチのかけらでも、その速さでぶつかれば人工衛星をこわす力があります。

びっくり大事実! 宇宙のごみは、勝手に落ちてこない。人工衛星と同じで、落ち続けているのに当たらない状態で回り続けている。だれかが取りに行かないかぎり、何十年もそこにあり続ける。

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やっかいなのは、こわれるとかけらが増えることです。ぶつかった衝げきで細かく散らばり、そのかけらがまた別のものにぶつかる。こうして連鎖的に増えていく可能性が指摘されていて、そうなると特定の高さが使えなくなるおそれがあります。だから、いまは打ち上げる側にも決まりができつつあります。役目を終えたら大気に落として燃やす、あるいは使われない高さへ移す、といった処理です。地上からレーダーや望遠鏡で追いかけて、危なそうなときは国際宇宙ステーションや衛星の高さをずらすこともあります。2月12日に読んだとおり、衛星は落ち続けているのに当たらない状態で回っています。ごみも同じで、勝手には落ちてきません。だから、片づけるには誰かが動く必要があります。宇宙のごみを回収する技術は、いま研究が進んでいるところです。

知っていると、なにがうれしいか 夜空を見上げる目的ができる。動く光が飛行機か衛星かを見分けられます。

きょうためせること 夜、空を10分見上げてみよう。ゆっくり一定の速さで動く光が見えたら、人工衛星です。飛行機とちがい、光が点めつしません。

4月27日デジタル

自動ほんやくは、どうやって言葉を変えているの?

電話をかける数字にするmake a call単語を おきかえているのでは ない訳しもどすと あやしい所が 見つかる

どっちだと思う? 辞書を引いて、単語を置きかえている / 文ぜんたいを数字にして、作り直している

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単語を1つずつ置きかえているのではありません。文全体を数字の並びに変え、その数字から別の言語の文を作り出しています。大量の対になった文(同じ意味の日本語と英語など)を見て、どんな言い方がどんな言い方に対応しやすいかを学んでいます。だから辞書を引いているのではなく、経験から作っています。

びっくり大事実! 自動ほんやくは、辞書を1冊も引いていない。何億という対の文を見て、どういうときにどう言うかを覚えただけだ。人が言葉を覚えるやり方に、少し似ている。

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単語を1つずつ置きかえる方式は、むかし試されて、うまくいきませんでした。言葉は、前後によって意味が変わるからです。「かける」は、電話をかける、めがねをかける、水をかける、で全部ちがいます。いまの仕組みは、文の中のどの語がどの語と関係が深いかを見ながら訳すので、こういう場合にも対応できます。ただし、苦手なところもあります。文の外にある情報が必要なとき、たとえば会話の相手が誰かで敬語が変わるような場合、機械には判断の材料がありません。冗談や皮肉も苦手です。だから自動ほんやくは、下書きとしては強力ですが、そのまま送る前にはもう一度読む必要があります。訳し戻して意味が変わらないか確かめると、あやしいところが見つかります。

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知っていると、なにがうれしいか 自動ほんやくを安心して下書きに使えるようになる。確かめ方も1つ身につきます。

きょうためせること 日本語の文を自動ほんやくで英語にして、その英語をもう一度日本語に戻してみよう。意味が変わったところが、機械が迷ったところです。

4月28日ちきゅう

山は、いまも高くなっているの?

もち上がるけずるけずるけずられた土は 平野を つくる高さは 引き算

どっちだと思う? 山の高さは、できたときのまま変わらない / 持ち上がる速さと、けずられる速さの引き算

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高くなっている山があります。プレートどうしが押し合っているところでは、大地が持ち上げられ続けています。同時に、雨や風や川が山をけずり続けています。持ち上がる速さのほうが速ければ高くなり、けずられる速さのほうが速ければ低くなります。山の高さは、この2つの引き算です。

びっくり大事実! あなたが住んでいる平野は、もとは山だった。雨と川が何十万年もかけて山をけずり、その土を運んできて、いまの平らな土地を作った。家の下の土は、旅をしてきた山である。

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持ち上がる速さは、1年に数ミリという小さなものです。それでも100万年たてば数キロになります。地球の時間では、山はあっという間にできます。一方でけずるほうも休みません。日本は雨が多く、川の流れが急なので、けずる力が強い地域です。だから日本の山は、持ち上げられながら同時に激しくけずられていて、けわしい谷が多くなります。けずられた土砂は川で運ばれ、下流に平野を作ります。私たちが住んでいる平野の多くは、山だったものです。9月29日に読んだ日本に山が多い理由と、3月8日に読んだ水のめぐりが、ここでつながります。山と川と平野は、別々のものではなく、1つの動きの途中の姿です。ちなみに、測量の技術が進んだので、山の高さは何年かごとに見直されています。

知っていると、なにがうれしいか 山と川と平野が、1つの動きの途中の姿だと分かる。地図の見え方が変わります。

きょうためせること 日本地図の山地と平野を見て、大きな平野の上流にどんな山があるかをたどってみよう。平野を作った土砂は、その山から来ています。

4月29日もの

ガラスは、固体?それとも液体?

氷や金ぞく きちんと ならぶガラス ばらばらのまま 止まったながれている液体では ない

どっちだと思う? ゆっくり流れている液体 / 粒がばらばらのまま固まった固体

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固体です。ただし、氷や金属のような固体とは中身の作りがちがいます。氷や金属は、粒がきちんと並んで固まっています。ガラスは、粒がばらばらのまま動けなくなって固まったものです。液体の並び方のまま止まっている、という言い方をされることがあります。

びっくり大事実! 「古い教会のガラスは、長い時間をかけて流れたから下が厚い」という話は、たぶんまちがいだ。当時のガラスが最初から厚さの均一でない板で、厚いほうを下にしてはめただけらしい。有名な話ほど、確かめると崩れることがある。

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よく「古い教会のガラスは下のほうが厚い。何百年もかけて流れたからだ」という話を聞きます。これは正しくないと考えられています。当時のガラスは作り方の関係で厚さが均一でなく、厚いほうを下にしてはめたためだ、というのが有力な説明です。ふつうの温度では、ガラスは何百年たっても目に見えるほど流れません。ガラスをあたためていくと、あるところでやわらかくなり、形を変えられるようになります。氷のようにはっきり「ここでとける」という温度がなく、だんだんやわらかくなるのがガラスの特徴です。だから細工ができます。同じような性質を持つ物は、あめや一部のプラスチックにもあります。ガラスが割れるとき、ぎざぎざに割れるのも、並びがそろっていないからです。1月25日に読んだ結しょうの話の、ちょうど反対がわにある物です。

知っていると、なにがうれしいか よく聞く話がまちがいだったと知れる。あめ玉でガラスと同じ性質を確かめられます。

きょうためせること あめ玉をゆっくりなめて、うすくなったところで見てみよう。ガラスのように光を通します。あめもガラスと同じで、粒がばらばらのまま固まっています。

4月30日いきもの

ミミズは、土の中で何をしているの?

ふんが 土のつぶを くっつける通ったあとが 空気と水の 通り道

どっちだと思う? 土の中を、ただ移動している / 土を食べて出し、通り道も作っている

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土を食べて、通って、出しています。落ち葉のかけらや、土にまじった小さなものを飲みこみ、消化して、ふんとして出す。そのふんは、細かくてやわらかく、植物が使いやすい形の養分をふくんでいます。同時に、通ったあとが穴になるので、土に空気と水の通り道ができます。

びっくり大事実! 進化の研究で知られるダーウィンの最後の本は、ミミズの本だった。何年もかけて、足元の土がミミズによって作り替えられていることを調べ上げた。世界を変えた人が、最後に見ていたのは地面の下である。

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ミミズがいる畑の土がふかふかなのは、この2つが同時に起きているからです。ふんが土のつぶをくっつけて、ほどよいかたまりを作る。穴が水はけと空気の通りをよくする。3月28日に読んだとおり、土は入れものではなく工場ですが、ミミズはその工場の働き手のひとつです。ダーウィンは晩年、ミミズの研究に何年も費やし、ミミズが長い年月をかけて地表の土を作り替えていることを本にまとめました。進化の研究で知られる人の最後の仕事が、足元のミミズだったのです。ミミズには目がありませんが、光を感じる細胞が体の表面にあり、明るいところを避けます。雨の日に地上に出てくる理由ははっきりしておらず、水がふえて息苦しくなるからという説と、移動しやすいからという説があります。

👤 これを調べた人の話
ダーウィンは、庭に石を置いて、それが何年で土に沈むかを測り続けました。答えが出るまでに何十年もかかる実験です。すぐに結果の出ないことを、それでも続けた人がいたから、いま私たちは土のことを知っています。

知っていると、なにがうれしいか 畑の土がふかふかな理由が分かる。ミミズを見つけたときの気持ちが変わります。

きょうためせること 雨あがりの地面で、ミミズのふんの小さな山を探してみよう。細かい土が盛り上がっています。ミミズを見つけたら、日なたに置かずそっと土へ戻すこと。

5月1日てんき

「五月晴れ」は、5月の晴れのこと?

つゆの あいまの 晴れむかしの5月=いまの6月ごろいまは 5月の晴れの意味でも 使う

どっちだと思う? もともと5月の晴れのこと / もともとは梅雨の合間の晴れのこと

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もともとは、梅雨の合間の晴れのことでした。むかしの暦の5月は、いまの6月ごろ。つまり梅雨のまっただ中です。雨続きのなかでひょっこり出てくる青空を、五月晴れと呼びました。いまは5月のさわやかな晴れの意味でも広く使われていて、辞書にも両方が載っています。

びっくり大事実! 言葉の意味は、多くの人がまちがえ続けると、それが正しい意味になることがある。五月晴れはその途中にいる言葉だ。いま辞書には、古い意味と新しい意味が両方のっている。

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3月3日に読んだ桃の節句と同じで、暦が変わったのに言葉だけが残った例です。ただし五月晴れが面白いのは、意味のほうが動いたことです。桃の節句は季節がずれたまま行事が続いていますが、五月晴れは新しい季節に合わせて意味が増えました。言葉は、使う人が多いほうへ寄っていきます。同じなかまに五月雨があります。こちらはいまも梅雨の長雨の意味で使われ、五月雨式という言い方に残っています。ものごとが少しずつ、だらだら続くことです。ちなみに気象庁は予報で五月晴れという言葉を使いません。人によって受け取り方がちがう言葉は、予報には向かないからです。

知っていると、なにがうれしいか 「五月雨式」という大人の言い回しの意味も、同時に分かる。

きょうためせること 家の人に「五月晴れって、いつの晴れだと思う?」と聞いてみよう。5月と答える人が多いはずです。そのあと、もとは6月の梅雨の晴れ間だったと教えてあげよう。

5月2日ちきゅう

砂浜の砂は、どこから来たの?

すなはま山の岩砂は 山から 流れてきた 途中の姿

どっちだと思う? 海の底から わき上がってくる / 山の岩がくだけて 川で運ばれてきた

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ほとんどが山から来ました。岩がくだけて小さくなり、雨で流されて川に入り、ぶつかり合いながらさらに細かくなって、河口から海へ出ます。それが波で運ばれて岸に積もったものが砂浜です。だから砂浜の砂の色は、その地域の山の岩の色を映しています。4月28日に読んだ、山と川と平野の話の続きです。

びっくり大事実! 砂浜は、そこにある物ではない。山から海へ流れ続けている砂の、途中の姿だ。川から砂が届かなくなると、砂浜は少しずつ消えていく。動いているから、そこにある。

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砂の色を見ると、もとの岩が分かります。白っぽい砂は石英や長石が多く、黒っぽい砂は火山の岩が多い。ハワイの黒い砂浜は溶岩がくだけたもの、沖縄の白い砂浜はサンゴや貝がくだけたもので、こちらは生きもの由来です。同じ「砂」でも出どころがちがいます。近ごろ、砂浜がやせる問題が各地で起きています。ダムや護岸で川から海へ出る砂の量が減ったことが理由のひとつと考えられていて、川から砂が届かなくなると、波にけずられるばかりで補われません。砂浜は「そこにあるもの」ではなく、山から海へ流れ続けているものの、途中の姿です。流れが止まると、なくなります。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 砂浜の色を見て、その土地の山の岩を想像できる。旅行先で使えます。

きょうためせること 海に行ったら、砂をひとつまみ白い紙にのせて、虫めがねで見てみよう。透明な粒、黒い粒、貝のかけら。1種類ではないことが分かります。持ち帰ってよい場所かどうかは確かめること。

5月3日からだ

血液型は、何で決まるの?

ABABO赤血球の 表面の 目じるしのちがい性格との関係は 確かめられていない

どっちだと思う? 育ち方で あとから決まる / 生まれる前に決まり 一生変わらない

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赤血球の表面についている、目印のような物質のちがいで決まります。A型の目印がある人がA型、B型の目印がある人がB型、両方ある人がAB型、どちらもない人がO型です。この目印の作り方は、両親から受けつぐ設計図で決まります。だから血液型は、生まれる前から決まっていて、一生変わりません。

びっくり大事実! 血液型の分け方は、ABOとRhだけではない。数十種類の分け方が知られていて、細かく見ていくと、あなたとまったく同じ組み合わせの人は世界にほとんどいない。

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よく知られたABO式のほかにも、血液型の分け方はたくさんあります。Rh式が有名ですが、実際には数十種類の分け方が知られていて、細かく見ていくと血液型の組み合わせは膨大になります。輸血のときに合わせるのは、目印がちがう血が入ると体がそれを見つけて攻撃してしまうからです。血液型と性格の関係については、科学的に確かめられていません。大きな調査でも関係は見つかっていないというのが、いまの一般的な見方です。占いとして楽しむのは自由ですが、「A型だからきちょうめん」のように人を決めつける使い方はしないでください。人の性格は、目印の物質1つで決まるほど単純ではありません。

知っていると、なにがうれしいか 血液型で性格を決めつけるのが正しくないと、理由から説明できる。

きょうためせること 家族の血液型を聞いて、書き出してみよう。両親の組み合わせから、子どもがどの型になりうるかは決まっています。自分の型が説明できるかどうか、調べてみよう。

5月4日うちゅう

宇宙で、植物は育つの?

上から 光をあてると 芽は そちらへ土を使わず 布や粒に 水と養分

どっちだと思う? 重力がないので まったく育たない / 土を使わない方法なら 育つ

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育ちます。国際宇宙ステーションで野菜を育てて、宇宙飛行士が食べた例があります。ただし、そのままではうまくいきません。重力がないと、根がどちらへのびればよいか分からなくなります。水も、注いだそばから丸くなって浮いてしまいます。だから土を使わず、水と養分を布や粒にしみこませる方法が使われています。

びっくり大事実! 何か月も金属の部屋で暮らす宇宙飛行士にとって、育っていく葉を見ることは、食べること以上に大事だと言われる。宇宙で植物を育てる理由の1つは、心を支えるためだ。

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植物は根を下へ、芽を上へのばします。この向きは重力を感じて決めています。重力がなくなると、この手がかりが消える。それでも植物は光の方向を手がかりにできるので、上から光を当てれば芽はそちらへのびます。ではなぜ宇宙で植物を育てるのか。長い旅では、食べ物を全部持っていくことができないからです。育てられれば荷物が減り、新鮮な野菜も食べられます。それに、植物は二酸化炭素を吸って酸素を出します。空気を作り直す役目も期待されています。もうひとつ、大事な理由があります。緑を見ることが、人の気持ちを支えるという点です。何か月も金属の部屋で暮らす人にとって、育っていく葉があることは、思っているより大きな意味を持ちます。

知っていると、なにがうれしいか 植物が重力を感じていると分かる。鉢を横にする実験を自分でできます。

きょうためせること 種を2つまき、片方は横向きに寝かせた鉢で育ててみよう。根は下へ、芽は上へ向き直します。植物が重力を感じている証拠です。

5月5日もの

こいのぼりは、なぜ風がないとしぼむの?

空気は 通りぬける空港の 吹きながしと 同じ しくみ

どっちだと思う? 中に軽い気体が入っている / 風で入った空気が 通りぬけている

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中に空気を入れているだけだからです。こいのぼりは口が開いていて、尾のほうが細くなった袋の形をしています。風が吹くと口から空気が入り、袋がふくらんで泳いでいるように見えます。風が止まると空気が抜けて、ぺたんとしぼみます。空気を入れているのは風であって、こいのぼり自身ではありません。

びっくり大事実! こいのぼりは、空港の吹き流しと同じ仕組みだ。つまりあれは飾りであると同時に、風速計でもある。日本の家の庭には、毎年5月に気象観測器が立っている。

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面白いのは、風の強さで泳ぎ方が変わることです。弱い風ではゆらゆら、強い風ではぴんと伸びて水平になります。これは、口から入る空気の量と、体の細い部分から抜ける空気の量のつり合いで決まります。もし尾まで閉じていたら、風船のようにふくらむだけで泳ぎません。空気が通り抜けるからこそ、動いて見えるのです。同じ仕組みが、空港の吹き流しにも使われています。あの円すいの筒は、風向きと風の強さを一目で見せる道具です。何本の輪までふくらんでいるかで、風速がだいたい分かります。飛行機のパイロットは、着陸のときに必ずこれを見ています。こいのぼりも、実は同じ仕組みの気象観測器です。

知っていると、なにがうれしいか こいのぼりを見て風の強さが読める。空港の吹き流しの意味も分かります。

きょうためせること こいのぼりを見つけたら、体のどこまでふくらんでいるかを見てみよう。全部ふくらんで水平なら風が強く、頭だけなら弱い。時間をおいて見ると、風の変化が分かります。

5月6日てんき

雲は、なぜ落ちてこないの?

1ミリの100分の1のつぶ落ちる速さ 1びょうに1センチ下から 上昇気流くっついて 大きくなると 雨になる

どっちだと思う? 雲は空気より軽いので浮いている / 落ちてはいるが とてもゆっくり

こたえを見る

落ちてはいますが、とてもゆっくりだからです。雲は水や氷のとても小さなつぶの集まりで、1つの大きさは1ミリの100分の1ほど。これだけ小さいと空気の抵抗が効いて、落ちる速さが1秒に1センチほどにしかなりません。そのうえ雲の下では空気が上へ動いていることが多いので、落ちるより速く押し上げられます。

びっくり大事実! ふつうの積雲1つでも、中の水は数百トンになる。ゾウ何十頭ぶんの水が、頭の上に浮かんでいる。落ちてこないのではない。落ちるのが遅すぎるだけだ。

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では、なぜ雨になると落ちてくるのか。つぶどうしがぶつかってくっつき、大きくなるからです。大きくなると、重さは大きさの3乗で増えるのに、空気の抵抗は面積ぶんしか増えません。だから大きいつぶほど落ちる速さが上がります。雲つぶが100倍の大きさになると、落ちる速さは何千倍にもなります。これが雨です。3月25日に読んだタンポポの綿毛も、同じ理由でゆっくり落ちていました。小ささは、それだけで浮く理由になります。ちなみに雲の重さを計算すると、ふつうの積雲でも数百トンになります。ゾウ何十頭ぶんもの水が、空に浮かんでいることになります。落ちてこないのではなく、落ちるのが遅すぎて追いつかないだけです。

知っていると、なにがうれしいか 雲と雨のちがいが、大きさだけの話だと分かる。窓の水滴で確かめられます。

きょうためせること 雨の日に、窓ガラスをつたう水の粒を見てみよう。小さい粒は止まったまま、大きくなった粒だけがすっと落ちます。雲と雨のちがいが、窓の上で起きています。

5月7日デジタル

写真のデータは、なぜ小さくできるの?

保存し直すたび 少しずつ 情報が減る元のデータを 1つ残しておく

どっちだと思う? データを ぎゅっと おしつぶしている / 気づきにくいところを 省いている

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人の目が気づきにくいところを、思い切って省いているからです。写真には、同じような色が続く場所や、細かすぎて見分けられない部分があります。そこを「だいたい同じ」とまとめてしまえば、記録する量が減ります。減らしたぶんは戻りませんが、見た目はほとんど変わりません。これを非可逆の圧縮といいます。

びっくり大事実! 圧縮した写真を保存し直すたびに、少しずつ情報が減っていく。10年ぶん編集をくり返した家族写真は、撮ったときとは別の写真になっている。しかも、いつ変わったか誰も気づかない。

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戻せる圧縮もあります。文章やプログラムは1文字でもちがうと困るので、まったく元に戻せるやり方を使います。たとえば同じ文字が100個続いているとき、「この文字が100個」と書けば短くなり、あとで完全に復元できます。写真や音楽は少しくらいちがっても分からないので、戻せないかわりにうんと小さくできる方法を選びます。ここに落とし穴があります。圧縮した写真をもう一度圧縮すると、そのたびに情報が減ります。保存し直すたびに少しずつ荒くなり、何度もくり返すと目に見えて汚くなります。だから、大事な写真は編集して上書き保存をくり返さないほうがいい。元のデータを1つ残しておくのが安全です。音楽でも動画でも、同じことが起きています。

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知っていると、なにがうれしいか 大事な写真の残し方が分かる。上書き保存をくり返してはいけない理由も。

きょうためせること 同じ写真を、画質を下げて何度も保存し直してみよう。3回目、5回目と、だんだん色がにじんできます。何回目で気づくか試してみよう。元の写真は別に残しておくこと。

5月8日ちきゅう

火山灰は、どこまで飛ぶの?

上空の風で 東へ 何百キロも灰は ガラスの粒。雨で 重くなる

どっちだと思う? 火口の近くにしか 降らない / 風にのって 何百キロも飛ぶことがある

こたえを見る

風にのって、何百キロも飛ぶことがあります。噴火のいきおいで高く上がった灰は、上空の強い風につかまって流されます。日本の上空は西から東へ強い風が吹いているので、灰も東へ運ばれることが多い。2月23日に読んだ富士山の宝永の噴火では、江戸まで灰が降りました。距離にして100キロ以上です。

びっくり大事実! 火山灰は、やわらかい灰ではない。マグマがくだけたガラスの粒だ。飛行機のエンジンに入ると、熱でとけて内側にはりつき、エンジンを止めてしまうことがある。空から降るガラスである。

もっとくわしく

火山灰は、やわらかい灰ではありません。マグマが細かくくだけたもので、ガラスの粒です。だから吸いこむとよくないし、機械に入りこむと壊れます。飛行機のエンジンに入ると、熱でとけて内側にはりつき、止まってしまうことがあります。だから噴火が起きると、灰の流れる範囲を予測して、飛行機の航路を変えます。もうひとつ、灰は雨に混ざると重くなり、屋根に積もると危険です。水を含んだ灰は、乾いたときの何倍もの重さになります。2月10日に読んだ、湿った雪が重い話と同じです。灰の層は、地面の下に残ります。4月15日に読んだ地層で、火山灰の層が離れた場所どうしの年代を合わせる目印になるのは、こうして広い範囲に同時に降るからです。

知っていると、なにがうれしいか 降灰の予報の意味が分かる。マスクや洗車の注意の理由も分かります。

きょうためせること 日本地図を見て、活火山のある場所から東へ線を引いてみよう。そちら側の県が、灰の降りやすい方向です。気象庁は降灰の予報も出しています。

5月9日いきもの

アサガオのつるは、どちら巻き?

先が 円をえがいて支えを さがす巻く向きは 種類ごとに 決まっている

どっちだと思う? 近くのものに 当たった向きに巻く / 種類ごとに 巻く向きが決まっている

こたえを見る

上から見ると、時計と反対の向きに巻き上がります。しかも、この向きは決まっていて、逆に巻きつけると自分でほどいて元の向きに戻ります。植物の種類ごとに向きが決まっていて、アサガオは反時計回り、フジには右巻きと左巻きの両方の種類があります。

びっくり大事実! アサガオのつるの先は、1日かけてぐるぐる円をえがいている。目も手もないのに、空中を探りながらのびている。見ている人がいないだけで、植物はずっと動いている。

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なぜ向きが決まるのか。つるの先は、実はぐるぐると円をえがきながらのびています。この回る動きを回旋運動といい、これで支えになるものを探しています。回る向きが種類ごとに決まっているので、巻きつく向きも決まります。アサガオは、目も手もないのに、まわりを探りながらのびているということです。支えが見つかると、そこに触れた側の成長がおそくなり、反対側が速くなって、巻きついていきます。触れたことを感じ取って成長の速さを変えているのです。育てるとき、支柱を近くに立てておくとよく育つのは、探す手間が減るからでもあります。逆に、支柱が遠すぎると、つるは空中を探しまわって疲れてしまいます。

知っていると、なにがうれしいか アサガオを育てるとき、支柱を近くに立てる理由が分かる。

きょうためせること アサガオのつるの先を、朝と夕方に見くらべてみよう。位置が動いています。1日で1周ほど回ることもあります。無理にほどいたり、逆に巻いたりしないこと。

5月10日うちゅう

月の形は、なぜ毎日変わるの?

半月満月新月明るい面の 見える割合が かわる

どっちだと思う? 地球のかげが 月にうつっている / 明るい面の 見える割合が 変わっている

こたえを見る

月が自分で光っているのではなく、太陽の光を反射しているからです。月はいつも半分が明るく、半分が暗い。その明るい面が地球からどれだけ見えるかが、月の位置によって変わります。だから形が変わって見えます。月そのものの形は、いつも同じ球です。

びっくり大事実! 人類は、月の裏側を地上から一度も見たことがない。月がいつも同じ面をこちらに向けているからだ。何万年ものあいだ、人はずっと月の同じ顔だけを見上げてきた。

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月が地球のまわりを1周するのに、約29.5日かかります。だから満月から次の満月まで、およそ1か月。「1か月」という言葉が「月」から来ているのは、そのためです。もう1つ面白いことがあります。月はいつも同じ面を地球に向けています。だから私たちは、月の裏側を地上から一度も見たことがありません。人類が月の裏側を初めて見たのは、探査機が回りこんで写真を撮ってからです。なぜ同じ面を向け続けるのか。月が地球のまわりを1周するあいだに、ちょうど1回自転しているからです。これは偶然ではなく、長い時間をかけて地球の重力にそろえられた結果だと考えられています。3月7日に読んだとおり、月はもともと地球の一部だったかもしれません。いまも、少しずつ遠ざかっています。

知っていると、なにがうれしいか 月の形の変化が、かげではないと分かる。ボール1つで自分で確かめられます。

きょうためせること ボールを1つ持って、電灯を太陽、自分の頭を地球に見立てて、ボールを腕をのばして回してみよう。ボールの明るい部分の見え方が、三日月から満月まで変わります。

5月11日からだ

日焼けは、どうして起きるの?

メラニンが 盾になる赤くなる日やけは 軽いやけどに近いくもりの日でも かなり届く

どっちだと思う? 熱で 皮ふが こげている / 紫外線から 体を守る 盾ができている

こたえを見る

太陽の光にふくまれる紫外線から、体を守ろうとしているからです。紫外線が当たると、皮ふの中でメラニンという色の濃い物質が作られます。メラニンは紫外線を吸収して、その先にある大事な部分に届かないようにします。日焼けで肌が黒くなるのは、その盾ができたということです。

びっくり大事実! 日焼けで肌が黒くなるのは、体が自分で盾を作ったということだ。あの色は、紫外線を止めるために皮ふが張った防具である。ただし、赤くなるほうは防具ではなく、けがだ。

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日焼けには2種類あります。当たってすぐ赤くなってひりひりするものと、あとから黒くなるもの。赤くなるほうは、皮ふが傷ついて炎症を起こしている状態です。これは軽いやけどに近いので、放っておいてよいものではありません。黒くなるほうが、メラニンによる防御です。紫外線は目に見えないので、当たっている実感がありません。しかも、くもりの日でもかなりの量が地面まで届きます。水面や雪、白い砂は紫外線をよく反射するので、日かげにいても下から当たります。だから海や雪山では、帽子だけでは足りません。気象庁は紫外線の強さの予報を出しています。数字で見られるので、外に出る前に確かめる習慣をつけると役に立ちます。長い時間外にいる日は、帽子・日かげ・衣服で防ぐのが基本です。

知っていると、なにがうれしいか くもりの日でも紫外線が届くと分かる。海や雪山での注意の理由も分かります。

きょうためせること 晴れた日と、くもりの日の紫外線の予報を見くらべてみよう。くもりでも思ったより高いはずです。数字を知ってから外に出ると、備え方が変わります。

5月12日もの

スポンジは、なぜ水を吸うの?

中は すき間だらけ細い太い細いほど 高く のぼる

どっちだと思う? 水を 中に押しこんでいる / 細いすき間を 水が 自分で登っている

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中がすき間だらけで、そのすき間が細い管のようにつながっているからです。細い管に水がふれると、水は自分から中へ登っていきます。この力を毛管現象といいます。スポンジは、その細い管を無数に持っている物です。だから、押し出さないと水が出てきません。

びっくり大事実! 高い木のてっぺんまで水が届くのは、ポンプがあるからではない。細い管のなかを、水が自分で登っていく力がはたらいている。台所のスポンジと大木は、同じ力を使っている。

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なぜ細い管だと水が登るのか。水は、まわりの物にくっつこうとする力と、水どうしがくっつき合う力の両方を持っています。管が細いほど、壁にくっつく面の割合が大きくなり、水が引き上げられます。管が細いほど高く登ります。この仕組みは、身のまわりのあちこちで使われています。タオル、ティッシュ、ろうそくの芯、油性ペンの中。そして、植物が根から吸った水を葉まで運ぶのにも、この力が関わっています。高い木の先まで水が届くのは、細い管が通っているからです。ちなみにスポンジをしぼると水が出るのは、すき間をつぶして管をなくしているからです。しぼったあとに手をはなすと、また吸います。すき間が戻るからです。

知っていると、なにがうれしいか タオル・ティッシュ・ろうそくの芯が、全部同じ仕組みだと分かる。

きょうためせること コップに水を入れ、ティッシュのはしを少しだけ水につけて立てておこう。水が上へ登っていきます。太いストローと細いストローで比べると、細いほうが高く登ります。

5月13日デジタル

検索すると、なぜすぐに答えが出てくるの?

世界中のページ「ほし」→ 3,7,12「うみ」→ 1,7,20「かぜ」→ 5,9,14先に作っておいた 索引検索する前から 答えは並んで待っている

どっちだと思う? その場で 世界中のページを 見に行っている / 先に作っておいた 索引を 引いている

こたえを見る

その場でウェブ全体を探しているのではなく、先に作っておいた索引を引いているからです。検索の会社は、世界中のページをあらかじめ読んで回り、「この言葉は、このページに出てくる」という一覧を作っています。あなたが言葉を入れると、その一覧を引くだけ。だから速いのです。

びっくり大事実! 検索は、その場で世界中を探しているのではない。あらかじめ世界中を読んで、索引を作り終えている。あなたが検索するずっと前から、答えは並べて待っていた。

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本のうしろにある索引と同じ考え方です。ちがうのは、規模と更新の速さです。世界中のページを何度も読み直し、新しいページを見つけ、消えたページを外し続けています。だから、公開したばかりのページはすぐに出てこないことがあります。まだ読みに来ていないからです。もうひとつ大事なのは、順番です。索引を引くと、その言葉を含むページが何百万も出てきます。その中でどれを上に出すかを決めているのが、検索の仕組みのいちばん難しいところです。どんなページからリンクされているか、内容が信頼できそうか、その人が探していそうなものは何か。たくさんの手がかりを組み合わせて順番を決めています。だから「1番上が正解」ではありません。1番上は、その仕組みが「たぶんこれだろう」と選んだものです。

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知っていると、なにがうれしいか 「1番上が正解ではない」理由が分かる。言葉を足すと絞れることも身につきます。

きょうためせること 何か1つ言葉を決めて、検索の結果が何件あるかを見てみよう。次にその言葉を2つ組み合わせてみよう。件数がぐっと減ります。言葉を足すことが、探す力になります。

5月14日てんき

台風の目の中は、どうなっているの?

目の まわりが いちばん 強い静かになっても 外に 出ない

どっちだと思う? いちばん風が強い / 風がおだやかで 晴れていることもある

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風がおだやかで、晴れていることが多いところです。台風は中心に向かって風が渦を巻いて吹きこみますが、いちばん中心では空気が下へ降りていて、雲ができにくくなります。だから目の中では青空が見えることさえあります。ただし、その周りはいちばん風雨の強い場所です。

びっくり大事実! 台風の目の中では、青空が見えることがある。しかしその外側は、地球上でもっとも風の強い場所のひとつだ。静かになったから終わったのではない。半分が過ぎただけである。

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ここが危ないところです。目が通過するあいだ、いったん静かになります。「もう過ぎた」と思って外に出ると、そのあとすぐに反対向きの猛烈な風が来ます。台風は渦なので、目の前と後ろでは風の向きが逆になります。前半に南から吹いていたなら、後半は北から吹く。だから前半で無事だった物が、後半で飛ばされることがあります。静かになっても、外に出てはいけません。目の大きさは台風によってちがい、数十キロのこともあります。強い台風ほど目がはっきり丸く小さくなる傾向があり、気象衛星の画像で目が見えるかどうかは、勢力を見る手がかりのひとつになっています。台風の中心が近づいているかどうかは、気圧の下がり方でも分かります。

知っていると、なにがうれしいか 台風が急に静かになったとき、外に出てはいけない理由が分かる。命に関わります。

きょうためせること 台風が来たときの気象衛星の画像をニュースで見てみよう。中心に小さな穴のような部分が見えたら、それが目です。見えないときもあります。

5月15日いきもの

ダンゴムシは、なぜ丸くなるの?

ふだんまるくなるやわらかい おなかと足を かくすこん虫ではなく エビ・カニのなかま

どっちだと思う? 寒いので 体を縮めている / かたい背中で やわらかい部分を かくしている

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身を守るためです。ダンゴムシの背中はかたい板が重なった作りで、丸くなるとやわらかいおなかと足が内側にかくれます。外側はかたい板だけになるので、鳥やクモに食べられにくくなります。同時に、体から水分が逃げるのも防げます。

びっくり大事実! ダンゴムシは昆虫ではない。エビやカニのなかまで、もともと海にいたグループが陸に上がったものだ。落ち葉の下にいるあの小さな粒は、いまも海の呼吸のしかたを続けている。

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ダンゴムシは昆虫ではありません。エビやカニと同じなかまで、もともと水の中にいたグループから陸に上がった生きものです。だからえらで呼吸していて、乾燥にとても弱い。落ち葉の下や石の下という湿った場所にいるのは、そのためです。丸くなるのは、水分を守る意味もあります。よく似たワラジムシは丸くなれません。同じような場所にいて、体も似ていますが、そこがちがいます。ダンゴムシには面白い性質もあります。かべに突き当たると、右、左、右、左と交ごに曲がっていくことが知られていて、これを交替性転向反応といいます。同じ方向にばかり曲がると同じ場所をぐるぐる回ってしまうので、まっすぐ遠くへ進むのに役立つと考えられています。

知っていると、なにがうれしいか ダンゴムシとワラジムシの見分け方が分かる。左右交ごの実験も自分でできます。

きょうためせること ダンゴムシを見つけたら、そっと手のひらにのせて丸くなるのを見よう。次に、まっすぐな道を歩かせてかべに当ててみよう。左右交ごに曲がるか確かめてみよう。終わったら元の場所に戻すこと。

5月16日ちきゅう

地球のまわりの空気は、どこまであるの?

空気の半分は 高さ5キロより下高さ100キロ=人が決めた 宇宙との線だんだん うすくなるだけ

どっちだと思う? ある高さで きっぱり終わっている / だんだん うすくなって 境目はない

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はっきりした境目はありません。上へ行くほどだんだんうすくなり、いつのまにか宇宙になります。それでも便利な線が引かれていて、高さ100キロを宇宙との境目とすることが多いです。1月24日に読んだとおり、この線をこえると宇宙飛行と呼ばれます。ただし空気の粒はもっと上にもわずかに残っています。

びっくり大事実! 地球をリンゴの大きさにすると、私たちが吸っている空気の層は、リンゴの皮より薄い。生きものが暮らせる場所は、その薄い膜の中だけである。

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空気の重さの半分は、高さ5キロより下にあります。富士山の高さくらいまでに、地球の空気の3分の1以上が集まっている計算です。私たちが空気と呼んでいるものは、地球の表面にごく薄く張りついた膜のようなものです。地球をリンゴの大きさにすると、空気の層は皮よりずっと薄くなります。上へ行くほどうすくなるので、高い山では息が苦しくなります。飛行機が飛ぶ高さでは、外の空気はそのままでは呼吸できません。だから機内は空気を押しこんで気圧を上げています。2月12日に読んだ国際宇宙ステーションの高さ400キロでも、空気はゼロではありません。ごくわずかに残っていて、少しずつブレーキをかけています。「ここから宇宙」という壁があるわけではない。境目は、人が決めたものです。

知っていると、なにがうれしいか 「宇宙との境目」が人の決めた線だと分かる。高い山で息が苦しい理由もつながります。

きょうためせること ペットボトルを高い山や飛行機に持って行き、ふたを閉めて下りてくると、へこみます。上のほうが気圧が低かった証拠です。飛行機では手荷物の扱いに注意すること。

5月17日うちゅう

太陽系の惑星は、いくつある?

冥王星わく星は 8つ星が消えたのではなく 分け方が変わった

どっちだと思う? 9つ。冥王星をふくむ / 8つ。2006年に分け方が変わった

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8つです。水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星。かつては冥王星を入れて9つと教えられていましたが、2006年に惑星の定義が国際的に決められ、冥王星は準惑星という別の区分になりました。星が消えたのではなく、分け方が変わったのです。

びっくり大事実! 冥王星は、なくなったわけでも遠くへ行ったわけでもない。いまも同じ場所を回っている。変わったのは、人間の分け方のほうだ。空は何も変えていない。

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なぜ定義を決める必要があったのか。望遠鏡が良くなり、冥王星のような天体が次々に見つかったからです。同じくらいの大きさの天体を全部惑星にすると、惑星が何十個にもなってしまう。そこで、惑星を3つの条件で定めました。太陽のまわりを回っていること。自分の重力で丸くなっていること。そして自分の軌道のまわりから、ほかの天体を掃き出していること。冥王星は3つ目を満たしませんでした。似た天体がたくさんある帯の中を回っているからです。ここで大事なのは、科学は決まったことを覚える活動ではないということです。新しく分かったことに合わせて、分け方そのものを作り直すことがあります。教科書が書きかわるのは、科学が揺らいでいるからではなく、進んでいるからです。

知っていると、なにがうれしいか 教科書が書きかわる理由が分かる。おうちの人と習ったことがちがう理由も説明できます。

きょうためせること 家の人に「太陽系の惑星はいくつ?」と聞いてみよう。9つと答える人がいたら、その人が習ったのは2006年より前です。何が変わったのかを説明してみよう。

5月18日からだ

はな血は、なぜ出るの?

前かがみで すわる小鼻を つまむ5〜10分 さわらない上を向くのは まちがい

どっちだと思う? 上を向いて 首の後ろをたたくと止まる / 前かがみで 小鼻をつまんで 5分から10分おさえる

こたえを見る

鼻の中の入口近くに、細い血管がとても浅いところに集まっているからです。ここは粘まくがうすく、少しの刺激で切れやすい。鼻をこすったり、かんだり、乾いた空気で粘まくがかわいたりすると、そこから出血します。子どものほうが出やすいのは、粘まくがまだうすいためだと考えられています。

びっくり大事実! 「はな血が出たら上を向く」は、まちがいだ。血がのどに流れるだけで、止まりやすくはならない。何十年も語りつがれてきたこの言い伝えは、いまも毎日どこかで実行されている。

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止め方には、昔から言われているまちがいがあります。上を向くのは、よくありません。血がのどへ流れて気持ち悪くなり、飲みこむと吐き気の原因にもなります。正しくは、少し前かがみになって座り、小鼻をつまんで5分から10分おさえる。首の後ろをたたくのも意味がありません。おさえる場所は骨のところではなく、やわらかい小鼻の部分です。おさえている途中で何度もはなして確かめると、固まりかけたものがはがれて振り出しに戻ります。時間を決めて、その間はさわらないことが大事です。なかなか止まらないとき、くり返し出るとき、けがのあとに出たときは、大人に伝えて医療機関で相談してください。3月23日に読んだかさぶたと同じで、血が固まるには時間が要ります。

知っていると、なにがうれしいか はな血の正しい止め方が身につく。家族にも教えられます。

きょうためせること 時計を見ながら、5分がどれくらいの長さか計ってみよう。思ったより長いはずです。はな血のときにこの5分を待てるかどうかが、止まるかどうかの分かれ目になります。

5月19日もの

シャープペンのしんは、なぜ折れにくくなったの?

おす力には 強い曲げる力には 弱いしんが回ると 先が ななめにならない折れにくさと 書きやすさが 同時に

どっちだと思う? しんを太くしただけ / しんの材料と 力の受け方の 両方を工夫した

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しんそのものを強くしたことと、力の受け方を工夫したことの両方です。しんは黒えんと、それをつなぐ材料を混ぜて焼き固めて作ります。この配合と焼き方を改良して、折れにくいしんが作られました。あわせて、書くときの力を先の部品で受け止めたり、書くたびにしんが少しずつ回るようにしたりする工夫が加わりました。

びっくり大事実! 細い棒は、まっすぐ押す力にはとても強く、ななめに曲げる力にはとても弱い。だから鉛筆のしんは、押しても折れないのに、少し傾けただけで折れる。強さは向きで決まる。

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しんが折れる原因は2つあります。1つは、まっすぐ押される力。もう1つは、ななめに曲げられる力です。細い棒は、押す力よりも曲げる力にずっと弱い。だから、しんが紙に当たる角度が急だったり、机が固かったりすると折れやすくなります。3月21日に読んだとおり、しんの中身はうすい板が重なった構造なので、板と板のあいだでずれて割れます。折れにくくする工夫は、この曲げる力をどう逃がすかの勝負です。しんが回る仕組みは、別の効果も生みます。1点だけがけずれ続けるとしんの先が斜めになりますが、回れば均等にけずれて、線の太さが変わりません。折れにくさと書きやすさが、同じ工夫でついてきたわけです。

知っていると、なにがうれしいか しんが折れる理由が分かる。持ち方や角度を変えれば減らせることも分かります。

きょうためせること シャープペンのしんを1本、指で押してみよう。次に、両はしを持って少し曲げてみよう。曲げるほうが、はるかに小さい力で折れます。まわりに人がいないところで。

5月20日デジタル

ゲームの中の世界は、どうやって作られているの?

点の位置を 数字で 記ろくする面が三角形なのは 必ず 平らになるから(x,y,z)

どっちだと思う? 絵を たくさん用意して 切りかえている / 形も位置も 全部 数字で計算している

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すべて数字です。物の形は、たくさんの点の位置を数字で記録し、その点を三角形でつないで面にしています。世界の中の位置も、前後・左右・上下の3つの数字で表します。カメラの位置と向きも数字。それを毎秒何十回も計算し直して、画面に絵として描き出しています。

びっくり大事実! ゲームの世界は、すべて三角形でできている。三角形だけが、どんな3点をとっても必ず平らになるからだ。あの丸いボールも、よく見れば小さな三角形の集まりである。

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面が全部三角形なのには理由があります。三角形は、どんな3点をとっても必ず1つの平らな面になるからです。四角形だと4点がねじれて平らにならないことがあります。三角形は、平面であることが保証された最小の図形なのです。だから3Dの世界は三角形でできています。もう1つ、光の計算があります。物が見えるのは光が当たっているからなので、どこから光が来て、どの面が明るく、どこに影ができるかを計算します。ここがいちばん重い処理で、ゲーム機の性能の大部分はここに使われます。近ごろは、光の道すじを1本ずつたどって計算する方法も使われるようになりました。3月15日に読んだ地図アプリと同じで、私たちが見ている絵は、計算の結果です。座標の考え方は、算数で習うグラフとまったく同じものです。

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知っていると、なにがうれしいか 算数の座標が、ゲームの中で使われていると分かる。グラフの見え方が変わります。

きょうためせること ゲームの中で、キャラクターの真下や、壁のすみを見てみよう。よく見ると、面が三角形でできていると分かることがあります。カクカクしたところを探してみよう。

5月21日てんき

梅雨は、どうしてできるの?

南の あたたかく湿った空気北の 冷たい空気北の 冷たい空気と おし合って 動かない

どっちだと思う? 南から雨雲が やってくる / 2つの空気の 境目が 長く居すわる

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性質のちがう2つの空気がぶつかって、その境目が日本の上に長く居すわるからです。南から来るあたたかく湿った空気と、北から来る冷たい空気。この2つがおし合うところに雲の帯ができ、雨を降らせます。この帯を梅雨前線といいます。どちらの力も同じくらいなので、なかなか動かず、長く雨が続きます。

びっくり大事実! 梅雨は、季節と季節の力くらべだ。南の空気と北の空気が、日本列島の上で押し合っている。勝負がつく直前、つまり梅雨明け間近がいちばん大雨になりやすい。

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夏になると南の空気の力が強くなり、前線を北へおし上げます。これが梅雨明けです。逆に春先は北の力が強い。梅雨は、季節が入れかわる途中の、力くらべの期間だということです。だから梅雨明けの時期は年によって変わりますし、はっきり決まらない年もあります。気象庁が梅雨入りと梅雨明けを「ごろ」という言い方で発表し、あとから見直すことがあるのは、そのためです。北海道と小笠原には梅雨がないとされています。北海道は前線が北上しきる前に力が弱まることが多いためです。もうひとつ、梅雨の終わりごろに大雨が降りやすいことが知られています。南の空気の勢いが増して、前線に一気に湿った空気が流れこむからです。梅雨明け間近がいちばん危ないというのは、この仕組みから来ています。

知っていると、なにがうれしいか 梅雨明け間近に大雨が多い理由が分かる。天気図の前線を見る意味も分かります。

きょうためせること 梅雨の時期に、天気図の前線がどこにあるかを1週間見てみよう。南北にゆっくり動いています。前線が自分の住む場所より南にあるか北にあるかで、その日の天気が変わります。

5月22日いきもの

生きものの名前は、だれが決めるの?

Genus speciesなかまの名その種類の名世界共通の 名前=学名まだ 名前のない生きものが たくさんいる

どっちだと思う? 国ごとに 自由に決めてよい / 世界共通のルールで 決まる

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見つけた人が提案し、決まったルールに従って世界共通の名前がつきます。この名前を学名といい、ラテン語をもとにした2つの言葉で書きます。前が仲間の名前、後ろがその種類の名前です。日本語の名前は国ごとにちがいますが、学名は世界のどこでも同じ。だから研究者は、国がちがっても同じ生きものの話ができます。

びっくり大事実! 地球には、まだ名前のついていない生きものがたくさんいる。深い海や土の中だけではない。小さな虫なら、あなたの家の庭にいる可能性もゼロではない。見つけて発表すれば、名前をつけられる。

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学名には、先に発表した人の名前が優先されるという決まりがあります。だから新しい生きものを見つけたら、論文にして発表するまで名前は確定しません。同じ生きものに2つの名前がついてしまったときは、古いほうが正式になります。面白いのは、名前に自由があることです。見つけた場所、特徴、お世話になった人、好きな作家。実際に、そういう由来の学名がたくさんあります。いま、名前のついていない生きものが地球にはまだたくさんいます。とくに小さな虫や、深い海の生きもの、土の中の微生物。5月22日は国際生物多様性の日です。まだ名前のない生きものが、あなたの家の庭にいる可能性は、ゼロではありません。

👤 これを調べた人の話
新しい生きものを見つける人は、遠い国の探検家だけではありません。近所の川や林を、何年も同じ目で見続けた人が見つけることがあります。毎日同じ場所を見ることは、そのくらいの力を持ちます。

知っていると、なにがうれしいか 図鑑の学名の意味が分かる。前半が同じなら近いなかまだと読めるようになります。

きょうためせること 図鑑で好きな生きものを1つ選び、学名を調べてみよう。2つの言葉でできているはずです。前半が同じ生きものを探すと、それが近いなかまです。

5月23日ちきゅう

海の水は、なぜしょっぱいの?

水だけ 蒸発するとけた成分は 蒸発せず たまり続ける

どっちだと思う? 海の底で 塩が作られている / 陸から運ばれた成分が たまり続けた

こたえを見る

陸の岩にふくまれていた成分が、雨と川で長い時間かけて運ばれてきたからです。水は海から蒸発しますが、とけている成分は残ります。それがくり返されて、少しずつ濃くなりました。海底の火山から出る成分もまざっています。しょっぱさのもとは、おもに塩化ナトリウム、つまり食塩です。

びっくり大事実! 水は蒸発するが、とけている塩は蒸発しない。この単純なちがいだけで、何億年かけて海はしょっぱくなった。毎日ほんの少しずつ、いまも塩は運ばれ続けている。

もっとくわしく

川の水はしょっぱくありません。とけている量がとても少ないからです。それでも何億年も注ぎ続ければ、たまります。3月8日に読んだとおり、水は蒸発して雲になり、雨になって戻りますが、とけている成分は蒸発しません。だから海に残り続けます。ただし、海の塩分はどんどん濃くなり続けているわけではありません。塩分の一部は海底に沈んで岩になったり、しぶきとなって陸に戻ったりします。入る量と出る量がつり合っていて、長い目で見ると、ほぼ一定に保たれていると考えられています。ちなみに海水の塩分は、場所によって少しちがいます。雨の多い場所や大きな川の河口はうすく、蒸発の多い場所は濃い。死海のようにとても濃い湖もあり、そこでは体が浮きます。

知っていると、なにがうれしいか 川がしょっぱくないのに海がしょっぱい理由が分かる。皿1枚で確かめられます。

きょうためせること 水に食塩をとかし、皿に入れて日なたに置いておこう。水が蒸発したあと、塩だけが残ります。海で起きていることの縮小版です。

5月24日うちゅう

ロケットは、なぜ東に向かって打ち上げるの?

東へ 打ち上げる地面は すでに 東へ動いている自転の 勢いを 借りる

どっちだと思う? 東のほうが 空気がうすいから / 地球の自転の 勢いを 借りられるから

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地球が西から東へ回っているので、その勢いを借りられるからです。地面はすでに東へ動いています。同じ向きに打ち上げれば、その速さがただで手に入る。だから使う燃料が減ります。日本の種子島や内之浦から打ち上げるロケットも、海の上を東へ向かって飛んでいきます。

びっくり大事実! ロケットは、打ち上げる前からすでに時速1000キロ以上で動いている。地面ごと、地球の自転で東へ運ばれているからだ。発射台に立っているだけで、もう半分走っている。

もっとくわしく

どれくらい得なのか。地球の自転による地面の速さは、赤道でいちばん速く、極に近づくほど遅くなります。だから赤道に近い場所ほど、打ち上げに有利です。世界の発射場が赤道寄りに多いのは、この理由もあります。日本の種子島が九州の南にあるのも、少しでも南のほうが有利だからです。もう1つ大事なのが方向です。打ち上げは、下に人が住んでいない方向へ飛ばす必要があります。切り離した部品が落ちるからです。日本は東が太平洋なので、東へ飛ばせます。地理と物理の両方が、発射場の場所を決めています。ただし例外もあります。地球を南北に回る軌道に入れたい衛星は、自転の助けを使えないので南向きに打ち上げます。天気や地面を観測する衛星が、これにあたります。

知っていると、なにがうれしいか 発射場が海の近くの南にある理由が、2つの視点から分かる。

きょうためせること 地球儀を回してみよう。西から東へ回します。赤道のあたりと日本のあたりで、指が動く速さのちがいを見てみよう。同じ1回転でも、進む距離がちがいます。

5月25日からだ

足がつるのは、なぜ?

ふだんの筋肉ちぢむ合図が 出続けているゆっくりのばすこわれたのでは ない

どっちだと思う? 筋肉が ちぎれかけている / 縮む合図が 出続けて 戻らなくなっている

こたえを見る

筋肉が自分の意思とは関係なく、強く縮んだまま戻らなくなる状態です。原因ははっきり1つに決まっていませんが、筋肉の疲れ、体の水分や塩分などのバランス、体の冷え、急な動きなどが関わると考えられています。運動中や、寝ているあいだに起きることが多いのは、そのためです。

びっくり大事実! つった筋肉は、こわれているのではない。縮めという合図が出続けているだけだ。だから力ずくで戻すのではなく、ゆっくり伸ばして合図をとかしてやるほうが早い。

もっとくわしく

筋肉は、縮む合図と、ゆるめる合図の両方で動いています。つった状態は、縮む合図が出続けているのに、ゆるめる側がうまく働いていない状態だと考えられています。だから、無理に力を入れて動かすより、ゆっくり伸ばすほうが戻りやすい。ふくらはぎがつったら、足首を体のほうへ引き寄せて、ゆっくり伸ばします。急に強く引っぱると、かえって傷めます。運動する日は、水分をこまめにとること、しっかり準備運動をすること、体を冷やさないこと。これが基本の対策です。ただし、何度もくり返す、強い痛みが残る、しびれをともなうという場合は、大人に伝えて医療機関で相談してください。ふつうの筋肉の疲れとは別のことが起きていることがあります。

知っていると、なにがうれしいか つったときの正しい対処が分かる。運動前の準備の理由もはっきりします。

きょうためせること ふくらはぎを伸ばすやり方を覚えておこう。壁に手をつき、片足を後ろに引いてかかとを床につけたまま前へ体重をかける。痛くない範囲で20秒。運動の前後にやってみよう。

5月26日もの

ペットボトルの底は、なぜでこぼこなの?

炭酸 花びらの形お茶・水 平ら中からの 圧力に たえる形

どっちだと思う? すべり止めのための でこぼこ / 中からの圧力に たえるための形

こたえを見る

中の圧力に耐えるためです。炭酸の入ったボトルは、中から強く押されています。底が平らだと、その力でふくらんで立たなくなります。花びらのような形にすると、丸みで力を受け止められ、しかも接する部分が何点かに分かれて安定して立ちます。あの形は、飾りではなく構造です。

びっくり大事実! ペットボトルの底を見れば、中身が炭酸かどうかが分かる。花びらのような形なら炭酸、平らならお茶か水。あの形は、飾りではなく圧力に勝つための構造だ。

もっとくわしく

丸い形が圧力に強いのは、力が1点に集まらず全体に散るからです。だから圧力のかかる容器は、たいてい丸い。ガスのボンベも、深海の探査艇も、球や円筒です。2月17日に読んだ、深海に行く乗り物が球形の部屋を持つ話と同じ理由です。ボトルの胴にある溝にも役目があります。細長い筒はへこみやすいので、横向きの溝を入れると変形しにくくなります。缶詰やダクトに溝があるのも同じです。逆に、炭酸の入らないお茶や水のボトルは底が平らなものが多い。中から押される力が小さいからです。底を見れば、中身が炭酸かどうかが、だいたい分かります。近ごろは材料を減らすためにボトルを薄くする工夫が進んでいて、そのぶん形で強さを出す設計が大事になっています。

知っていると、なにがうれしいか ボトルの底で中身の種類が見分けられる。丸い形が強い理由もつながります。

きょうためせること 家にあるペットボトルの底を見くらべてみよう。炭酸のものは花びら形、お茶や水は平らなものが多いはずです。何本あるか数えてみよう。

5月27日デジタル

地図アプリの渋滞情報は、どうやって分かるの?

おそい → 赤はやい → 緑走っている端末の動きを まとめて見るあなたも だれかの渋滞情報になっている

どっちだと思う? 道路のカメラを 全部見ている / 走っている端末の動きを まとめて見ている

こたえを見る

走っている人たちの端末の動きを、まとめて見ているからです。地図アプリを開いたまま道路を移動している端末が、いまどこをどれくらいの速さで動いているか。その情報が集まると、その道路がすいているか混んでいるかが分かります。誰か1人を見ているのではなく、たくさんの動きをならして見ています。

びっくり大事実! あなたが渋滞情報を見ているとき、あなた自身も誰かの渋滞情報になっている。地図アプリの便利さは、そこを走る全員が少しずつ差し出したもので出来ている。

もっとくわしく

だから、渋滞情報は使う人が多い道路ほど正確になります。逆に、通る人がとても少ない道では情報が出ないこともあります。道路に置かれたセンサーや、交通の管理をしている機関からの情報も組み合わせて使われています。ここで考えたいことがあります。便利さは、みんなが少しずつ情報を出していることで成り立っています。自分は渋滞を教えてもらう側ですが、同時に、自分の動きも誰かの渋滞情報になっている。4月20日に読んだクッキーの話と同じで、何を渡すかは選べます。位置情報の設定は、アプリごとに変えられます。「使っているあいだだけ」にする、という選び方もあります。おうちの人と一度、設定を見てみるとよいと思います。仕組みを知ってから決めるのと、知らずに全部許可するのは、別のことです。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 位置情報の設定を見直すきっかけになる。便利さの中身が分かります。

きょうためせること 地図アプリで、いつも通る道の渋滞の色を、朝と夕方で見くらべてみよう。時間で色が変わります。次に、あまり車の通らない細い道を見てみよう。色がついていないはずです。

5月28日てんき

かみなりは、なぜジグザグに走るの?

光は 下から上へ光ってから 音までの秒数 ÷3 = 何キロ

どっちだと思う? 風におされて 曲がっている / 通りやすい方向を 少しずつ 探しながら進む

こたえを見る

電気が通りやすいところを、少しずつ探しながら進むからです。空気はふつう電気を通しませんが、雲の中にたまった電気が強くなると、いちばん通りやすい方向へ少しだけ進みます。そこで止まってまた探し、次の方向へ進む。これをくり返すので、道すじが折れ曲がります。まっすぐな道が最初から見えているわけではありません。

びっくり大事実! かみなりのまぶしい光は、上から下ではなく、下から上へ走っている。細い流れが地面につながった瞬間、大電流が地面から空へ駆け上がる。私たちは、空へ帰る光を見ている。

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順番も、思っているのと逆です。空から地面へ、いきなり光の柱が落ちるのではありません。先に目に見えにくい細い流れが雲から下りてきて、地面に近づくと地面の側からも上へ向かって流れがのび、つながった瞬間に大電流が下から上へ一気に流れます。私たちが見ているまぶしい光は、この上向きの流れです。かみなりの音が遅れて聞こえるのは、光と音の速さがちがうからです。光はほぼ一瞬、音は1秒で約340メートル進みます。だから光ってから音までの秒数を3で割ると、だいたいの距離がキロメートルで分かります。3秒なら約1キロ。この数字が小さくなってきたら、雷雲が近づいています。10秒を切ったら、すぐに建物か車の中へ入ってください。木の下は危険です。

知っていると、なにがうれしいか かみなりまでの距離を自分で計算できる。避難の判断に直接使えます。

きょうためせること かみなりが光ったら、音が鳴るまでの秒数を数えてみよう。3で割ると距離になります。何回か数えて、数字が減っていくなら近づいています。安全な屋内から観察すること。

5月29日いきもの

ホタルは、なぜ光るの?

光り方のリズムが 言葉の代わり強い光を 向けない。フラッシュも たかない

どっちだと思う? 体温を下げるために 光っている / 相手を見つけるために 光っている

こたえを見る

おもに、相手を見つけるためです。オスが飛びながら光り、草にとまったメスが返事をするように光ります。種類ごとに光り方のリズムがちがっていて、それが同じ種類かどうかの目印になります。光り方が合わないと、返事は返ってきません。ホタルの光は、言葉に近い使われ方をしています。

びっくり大事実! 日本のゲンジボタルは、光る間隔が東日本と西日本でちがう。同じ種類なのに、地域で言葉が変わっている。ホタルにも方言がある。

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光は、体の中の物質が酸素と結びつくときに出ます。この反応は熱をほとんど出さないので、冷たい光と呼ばれます。ふつうの電球はエネルギーの大部分が熱になってしまいますが、ホタルの光はほとんどが光になります。人工の光の効率を上げる研究で、この仕組みが参考にされてきました。日本のゲンジボタルには面白い話があります。光る間隔が、東日本と西日本でちがうことが知られています。おおよそ東で長く、西で短い。同じ種類なのに、地域で言葉が変わっているようなものです。ホタルの幼虫は水の中で育ち、きれいな流れが必要です。だからホタルがいる場所は、水と、その岸辺の草木と、まわりの暗さがそろっている場所ということになります。明かりが多い場所では、光が見えないので相手を見つけられません。

知っていると、なにがうれしいか ホタルを見に行くときのマナーが、理由から分かる。光を向けてはいけない意味も。

きょうためせること ホタルを見に行くときは、懐中電灯を強く照らさないこと。カメラのフラッシュもたかないこと。人の光は、ホタルの会話をじゃまします。足元だけを弱い光で照らしてください。

5月30日ちきゅう

燃やしたごみの灰は、どこへ行くの?

最終処分場燃やしても なくなってはいないへらす → くり返し使う → 再生する

どっちだと思う? 燃やせば なくなる / 灰が残り 多くは 埋め立てられる

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多くは最終処分場に埋め立てられます。ごみを燃やすと体積は大きく減りますが、灰は残ります。その灰を、水がしみ出さないように処理した場所に埋めます。近ごろは、灰を溶かして固めたものをコンクリートの材料などに再び使う取り組みも進んでいます。燃やしても、なくなってはいません。

びっくり大事実! ごみを燃やしても、なくなってはいない。灰になって、どこかの土地に埋められている。しかもその土地には、あと何年ぶんという限りがある。捨てたものは、必ずどこかにある。

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ここがいちばん大事なところです。最終処分場には、埋められる量に限りがあります。日本全体で、あと何年ぶんの余裕があるかが毎年公表されていて、新しい場所を作るのは簡単ではありません。だから、燃やす前の量を減らすことが一番効きます。順番も決まっています。まず減らす、次にくり返し使う、そのあとに材料として再生する。この順番には理由があります。再生にもエネルギーが要るからです。1月18日に読んだ都市鉱山の話もこのつながりで、使わなくなった小型家電から金属を取り出すのは、埋めずに使い直す取り組みです。5月30日は「ごみゼロの日」とされています。自分の家から出るごみが、どこへ運ばれ、最後にどこへ行くのか。調べてみると、この問題がぐっと近くなります。

知っていると、なにがうれしいか 「減らす・くり返し使う・再生する」の順番に理由があると分かる。

きょうためせること 住んでいる市や町のホームページで、ごみの分け方と、焼却場・最終処分場の場所を調べてみよう。家から何キロあるか、地図で測ってみよう。

5月31日うちゅう

宇宙人は、いるの?

これだけ 星があるのにまだ 見つかっていない人が電波を使い始めて まだ100年ほど

どっちだと思う? いないことが 証明されている / 分かっていない。まじめな研究が 続いている

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分かりません。ただ、まじめに考えている科学者はたくさんいます。宇宙には、太陽のような星が数えきれないほどあり、そのまわりに惑星があることも次々に見つかっています。それだけの数があれば、どこかに生きものがいてもおかしくない。それなのに、まだ1つも見つかっていない。この食いちがいは、有名な問いとして残っています。

びっくり大事実! 人類が電波を使い始めてから、まだ100年ほどしかたっていない。宇宙の年齢からすれば、まばたきより短い。「まだ見つからない」のではなく、「まだ探し始めたばかり」なのかもしれない。

もっとくわしく

考えられる答えはいくつもあります。生きものが生まれるのがものすごく難しいのかもしれない。生まれても、遠すぎて信号が届かないのかもしれない。私たちの探し方がまちがっているのかもしれない。あるいは、まだ探し始めたばかりなのかもしれません。人類が電波を使い始めてから、まだ100年ほどです。宇宙の年齢に比べたら、一瞬です。いま研究者がやっているのは、太陽以外の星のまわりに地球に似た惑星を探し、その大気に生きものの痕跡がないかを調べることです。望遠鏡がよくなるほど、調べられる惑星が増えます。答えが出ていない問いに、道具を作りながら近づいていく。これが科学のやり方です。2月18日に読んだあくびと同じで、「まだ分かっていない」は、負けではありません。

👤 これを調べた人の話
答えの出ない問いに、何十年も向き合い続ける研究者がいます。自分が生きているうちに答えが出ないかもしれないと分かっていても、望遠鏡を作り、空を見続ける。科学は、そういう人たちが少しずつ前へ運んできました。

知っていると、なにがうれしいか 「分からない」と正直に言える強さが分かる。夜空の見え方が変わります。

きょうためせること 晴れた夜に空を見上げて、見える星を数えてみよう。目で見えるのはごく一部です。その1つ1つのまわりに惑星があるかもしれない、と思って見ると、空の見え方が変わります。

6月1日からだ

あせをかくと、どうしてすずしくなるの?

かわくとき 熱を もっていくあつさ指数気温は 1わりだけ9わりは かわけるか

どっちだと思う? あせは 冷たい水なので 体をひやす / あせが かわくときに 体から熱を もっていく

こたえを見る

あせそのものが冷たいのではありません。あせが皮ふの上で蒸発するときに、体から熱をうばっていくからです。水は、液体から気体に変わるときにまわりの熱を持っていきます。だから、あせは「かいた瞬間」ではなく「かわいた瞬間」に体を冷やしています。かいたまま流れ落ちてしまったあせは、ほとんど体を冷やしていません。

びっくり大事実! あせは、かいたときではなく、かわいたときに仕事をしている。流れ落ちたあせは、まだ何もしていない。だから、ふいてもいいけれど、ふきすぎると涼しくならない。

もっとくわしく

ここから、こまった話が出てきます。まわりの空気がすでに水でいっぱい、つまり湿度が高いと、あせは蒸発しにくくなります。蒸発できなければ熱をうばえないので、いくらあせをかいても体温が下がりません。梅雨の日に、気温はそれほど高くないのに苦しく感じるのは、これが理由です。環境省が使っている暑さ指数(WBGT)という数字は、まさにこの点をとらえるために作られました。屋外の計算式は、湿球温度に0.7、黒球温度に0.2、乾球温度に0.1をかけて足します。乾球温度というのが、ふつうの気温のことです。つまり気温そのものの重みは、10分の1しかありません。いちばん重いのは、湿球温度。ぬれた布を巻いた温度計の値で、あせがどれだけ蒸発できるかを表しています。

👤 これを調べた人の話
暑さ指数を最初に考えたのは、アメリカで訓練中の熱中症を減らそうとした人たちでした。気温だけを見ていては人が倒れる理由が説明できない、と気づいたところから始まっています。「測るものをまちがえていないか」と問い直すことが、たくさんの人を守りました。

知っていると、なにがうれしいか 暑いか涼しいかを、気温だけで決めなくてよくなります。うちわの一あおぎの意味が変わります。

きょうためせること うでの内側に水を少しつけて、片方だけうちわであおいでみよう。あおいだほうが、はっきり冷たく感じます。あおぐと、皮ふの近くにたまった湿った空気が飛ばされて、蒸発が進むからです。せんぷうきが涼しい理由も、同じです。

6月2日もの

かさは、なぜ水をはじくの?

玉のまま ころがるはじく面ぬれる面玉に ならなく なったら 合図

どっちだと思う? 布に 水をはじく 表面のせいしつが あるから / 布に 水より小さい 穴が 開いているから

こたえを見る

布のすきまが小さいことと、布の表面が水となかよくならないように加工してあること、この2つがそろっているからです。かさの布は、糸がぎっしり織られていて、水のつぶが通りぬけられないほどすきまが細かくなっています。そのうえで表面に水をはじく加工がしてあるので、水は布にしみこまずに、丸いつぶのまま転がり落ちます。

びっくり大事実! かさがしみてくるのは、布に穴があいたからではないことが多い。表面の性質が変わっただけ。かさは、破れる前に「はじく力」から先に年をとる。

もっとくわしく

水のつぶが丸くなるのは、水にはできるだけ小さくまとまろうとする力(表面張力)があるからです。ぬれやすい面の上では、水はその力に負けて平たく広がります。はじく面の上では、力が勝って玉のままでいられます。だから、かさの上で水が玉になって転がっていたら、加工がまだ生きているという合図です。この加工は、使っているうちに弱ってきます。こすれたり、よごれがついたりすると、水が玉にならずに広がるようになります。そうなると布のすきまに水が入りこみ、やがて裏側にしみてきます。かさがしみるようになるのは、布に穴があいたからではなく、表面の性質が変わったからであることが多いのです。

👤 これを調べた人の話
水をはじく布を作ってきた人たちは、蓮の葉やカモの羽根をずっと観察してきました。自然の中にすでにある答えを、まねさせてもらう。これは科学の、とても正しいやり方の一つです。

知っていると、なにがうれしいか かさを買いかえるかどうかを、見た目ではなく水の形で決められるようになります。

きょうためせること 雨の日に、かさの表面で水がどんな形をしているかを見てみよう。まん丸の玉なら加工が元気、平たく広がっていたら弱ってきた合図です。同じかさでも、よく手で持つところだけ広がっていることがあります。

6月3日デジタル

雨雲レーダーは、どうやって雨のばしょを見つけているの?

レーダー電波を なげる帰る時間で きょり強さで 雨の強さ

どっちだと思う? カメラで 雲を 上から とっている / 電波を投げて はね返る 時間を はかっている

こたえを見る

雨を見ているのではありません。電波を投げて、はね返ってくるのを待っています。気象レーダーはアンテナから電波を出し、雨や雪の粒に当たってもどってきた電波を受け取ります。出してからもどるまでの時間で、その雨までの距離が分かります。もどってきた電波の強さで、雨の強さが分かります。アンテナをぐるりと回せば、まわり一面の雨の地図ができあがります。

びっくり大事実! 雨雲レーダーは、雨を一度も見ていない。電波を投げて、返ってくるまでの時間を測っているだけ。目に見えないものを、時間ではかって絵にしている。

もっとくわしく

目やカメラでは、雲の中は見えません。光は雲を通りぬけにくいからです。ところが電波は雲を通りぬけやすいので、雲の内側の様子を教えてくれます。さらに今のレーダーは、もどってきた電波の高さ(周波数)のずれも測っています。近づいてくる雨粒からの電波は少し高く、遠ざかる雨粒からは少し低くなります。このずれから、雨粒がどちらへどれだけの速さで動いているかが分かります。雨粒は風に流されているので、これは風を測っていることにもなります。気象庁が気象レーダーを使いはじめたのは1954年で、いまは全国20か所に置かれています。スマートフォンで見る雨雲の絵は、この20か所が休みなく回し続けている電波の答えです。

👤 これを調べた人の話
レーダーはもともと、雨を見るための道具ではありませんでした。ところが技師たちは、画面に映りこむ「じゃまなノイズ」の正体が雨だと気づきます。じゃまだと思っていたものが、実は宝物だった。科学では、こういうことが何度も起きています。

知っていると、なにがうれしいか 「あと10分で降る」が、勘ではなく理由のある予想になります。かさを持って出るかどうかを、自分で決められます。

きょうためせること 雨雲の絵を見たら、色の濃いかたまりが5分後にどこへ動くか、指でさして予想してみよう。5分後にもう一度見て、当たったか確かめる。何度かやると、雲が動く向きにはくせがあることに気づきます。

6月4日てんき

梅雨入りは、だれがどうやって決めているの?

6月 そくほう値◯日ごろ予想を もとに その日に9月 かくてい値◯日ごろあとから 変わる ことが あるぴったり 1日には 決められない

どっちだと思う? 雨が 3日 つづいたら 梅雨入り という 決まりが ある / はっきりした 数字の 決まりは なく 日照時間の 変化から 判断する

こたえを見る

気象庁が発表しています。ただし「この日から梅雨」とぴったり決められるものではありません。気象庁は梅雨を「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象、またはその期間」としています。梅雨入りの判断のいちばんの根拠は、日照時間の変化です。それだけで決められないときは、雨が降ったかどうかや、高気圧の張り出し、上空の風の位置なども合わせて考えます。

びっくり大事実! 梅雨入りの日は、あとから変わることがある。9月になって「本当はこの日でした」と、しずかに直される。テストなら答えが変わったら大さわぎだけれど、天気は、それでいい。

もっとくわしく

おどろくのは、発表が2回あることです。1回目は「速報値」。その日までの天気の流れと、1週間くらい先までの見通しから判断して、その日のうちに発表します。2回目は「確定値」。梅雨の季節が終わってから、実際にどんな天気だったかを調べ直して、9月のはじめに公表します。判断の基準は同じですが、速報値は予想にもとづくので、確定値とちがう年があります。つまり、6月に「梅雨入りしました」と聞いた日が、9月になって別の日に直ることがあるのです。移り変わりの期間が平均5日ほどあるので「◯月◯日ごろ」という言い方をします。北海道には梅雨がありません。梅雨前線が北海道の近くではぼんやりしてしまい、年による差が大きいため、気象庁は季節の現象としてあつかうのが難しいと判断しています。

👤 これを調べた人の話
予報官は、外れるかもしれないと分かっていて、その日のうちに発表します。だまっていれば外れませんが、それでは大雨に備えられない人が出てしまう。あとで直す覚悟を持って先に言う。これも、勇気の一つの形です。

知っていると、なにがうれしいか 「まちがえたら直す」が、いいかげんではなく、まじめなやり方だと分かります。ニュースの見方が少し変わります。

きょうためせること 住んでいる地方の梅雨入りが発表された日を、カレンダーに書いておこう。9月になったら、気象庁の確定値と見くらべる。変わっていたら、その年は予想がむずかしかった年です。

6月5日いきもの

カタツムリは、なぜ雨の日に出てくるの?

ぬれた日だけ 動けるからは 海の貝と 同じ ざいりょう

どっちだと思う? 雨が すきで 雨の音を 聞きに 出てくる / 体が かわくと 生きられないので ぬれた日に 動く

こたえを見る

体がかわくと生きていけないからです。カタツムリの体はやわらかく、表面から水が逃げやすくできています。晴れて空気がかわいた日に外へ出ると、あっという間に水を失ってしまいます。だから雨の日や、雨あがりの湿った日をえらんで動きます。かくれているのではなく、動ける日を待っているのです。

びっくり大事実! カタツムリの殻は、海の貝と同じ材料でできている。だからコンクリートのへいは、カタツムリにとって食べものの置き場所でもある。あの場所にいるのには、理由がある。

もっとくわしく

カタツムリの殻は、おもに炭酸カルシウムでできています。貝の仲間なので、海の貝と同じ材料です。だからカタツムリは、カルシウムがとれる場所を必要とします。コンクリートのへいや古い石がきにカタツムリがついていることがあるのは、そこがカルシウムのとれる場所だからだと考えられています。かわいた季節や寒い季節には、殻の入り口にうすい膜を張って閉じこもり、じっとしています。「梅雨のカタツムリ」というと、雨が好きな生きもののように見えますが、正しくは、水が逃げない日だけ外に出られる生きものです。同じ場所にいるナメクジは殻を持たないぶん、もっと乾きに弱く、もっと湿った場所に多くいます。

👤 これを調べた人の話
小さな生きものを何年も同じ場所で見つづけて、いつ出てくるかを記録している人たちがいます。派手な発見ではありません。でも、その地道な記録があるから、環境が変わったときに「前とちがう」と気づけます。

知っていると、なにがうれしいか 雨の日の散歩が、観察の日に変わります。見つけたときに、なぜそこにいるかまで分かります。

きょうためせること 雨あがりの朝に、へいや葉のうらを見てみよう。見つけたら、そっと見るだけにして持って帰らないこと。カタツムリはその場所の湿り気とカルシウムに合わせて暮らしているので、うつすと生きていけないことがあります。手でさわったら、あとで石けんで手を洗います。

6月6日ちきゅう

大雨のとき、川の水はどうして急にふえるの?

土が すいこむいっぱいに なると 表面を 流れる

どっちだと思う? 雨が つよいほど 川に まっすぐ 落ちてくるから / 土が すい込める 量を こえると 表面を 流れるから

こたえを見る

土がすい込める水の量に、かぎりがあるからです。ふつうの雨なら、雨の多くは地面にしみこみ、ゆっくり川へ出ていきます。ところが土がすでに水をふくんでいっぱいになると、あとから降った雨はしみこめず、そのまま表面を流れて川へ向かいます。だから同じ量の雨でも、降りはじめより、降り続いたあとのほうが川は速く増えます。

びっくり大事実! 晴れている場所の川が、いきなり増えることがある。増やしているのは、何十キロも上流に降っている、ここからは見えない雨。川は、遠くの空とつながっている。

もっとくわしく

川がこわいのは、遠くの雨でも増えることです。自分のいる場所が晴れていても、上流の山で強い雨が降っていれば、その水は数十分から数時間かけて下ってきます。「ここは降っていないから大丈夫」は、川では通じません。もう一つ、まちの中では雨が地面にしみこめる場所が減っています。道路や駐車場はほとんど水を通しません。同じ雨でも、田んぼや林が多いところより、まちのほうが川や水路へ一気に集まります。だから雨がやんだあとに水位が上がることもあります。川や用水路の様子を見に行くことがいちばん危ないのは、このためです。増える理由が自分の目の前にないので、増えるタイミングが予想できないのです。

👤 これを調べた人の話
雨量計と水位計を山おくに置いて、点検して回る人たちがいます。ほとんどの日は何も起きません。それでも動かし続けているから、いざというときに水位のグラフが立ち上がって見える。何も起きない日の仕事が、人の命を守っています。

知っていると、なにがうれしいか 「ここは降っていないから平気」が通じない場所があると分かります。家族に伝えられる知識になります。

きょうためせること 雨の日に、家の近くで水がしみこむ場所と、しみこまない場所をさがしてみよう。土、しばふ、砂利、アスファルト。同じ雨でも、水たまりのでき方がまるでちがいます。ただし、水路や川のそばへは近づかないこと。

6月7日うちゅう

夏の大三角は、いつごろから見えるの?

ベガデネブアルタイル近くに 見えてじつは 大きく はなれている

どっちだと思う? 7月に ならないと まだ 空に 出ていない / 6月でも 夜おそくには もう 東の空に 出ている

こたえを見る

6月のうちから、夜おそくの東の空にもう出ています。夏の大三角は、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブの3つの明るい星を結んだ形です。星は季節ごとに少しずつ早い時間に出てくるので、7月や8月に見やすい星も、6月ならもっと遅い時間に東の空へのぼってきます。梅雨の晴れ間の夜は、夏の星を先取りできる時間です。

びっくり大事実! 織り姫と彦星は、となりどうしではない。ものすごく離れた2つが、地球から見るとたまたま近くに並んでいるだけ。夜空は、平らではなく、とんでもなく奥が深い。

もっとくわしく

3つのうち、ベガとアルタイルは七夕の織り姫と彦星として知られています。おもしろいのは、この2つが実際にはとても離れているということです。同じ方向に見えるだけで、となりどうしではありません。星の明るさも、近いから明るいとはかぎりません。デネブは3つの中でいちばん遠いのに、目にはしっかり明るく見えます。それだけ、もともとの光が強いということです。夜空は平らな絵に見えますが、本当は奥ゆきがあります。手前の星とずっと奥の星が、たまたま同じ方向に並んでいるだけ。星座は、地球から見た並びに人が名前をつけたものです。

👤 これを調べた人の話
星までの距離をはかった人たちは、望遠鏡をのぞいて感動していただけではありません。半年かけて地球が動いたぶんの、ほんのわずかな見え方のずれを測りました。感動を、数字に変える。そこから宇宙の奥ゆきが見えてきました。

知っていると、なにがうれしいか 夜空が、絵から立体に変わります。同じ星を見ても、見え方がちがってきます。

きょうためせること 晴れた夜、東の空の高いところで明るい星を3つさがして、指で三角をつないでみよう。街の明かりが多くても、この3つはよく見えます。見つけた日と時間をメモしておくと、7月に同じ時間で見たとき、もっと高くのぼっていることに気づきます。

6月8日からだ

むし歯は、どうしてできるの?

みぞと 歯のあいだから 始まるとけるなおる大事なのは量より 回数

どっちだと思う? 歯みがきさえ していれば むし歯は 防げる / 歯ブラシが 届かない 場所が あるので それだけでは 防ぎきれない

こたえを見る

歯の表面についた細菌が、食べもののあまい成分を分解して酸を出し、その酸が歯をとかすからです。とけることを脱灰といいます。ただし、とけっぱなしではありません。だ液には酸をうすめるはたらきと、カルシウムやリンでとけた部分を直すはたらき(再石灰化)があります。歯の中では毎日、少しとけて、少し直る、というやりとりが続いています。

びっくり大事実! 歯は、毎日ちょっとだけとけて、毎日ちょっとだけ直っている。むし歯は、とけた日ではなく、直る時間がなくなった日にできる。だから大事なのは、量より回数。

もっとくわしく

むし歯になるのは、直すほうが追いつかなくなったときです。だからこわいのは「たくさん食べたか」よりも「何回に分けて口に入れたか」です。少しずつ何度もあまいものを口にすると、そのたびに酸が出て、直る時間がなくなります。もう一つ、大事なことがあります。厚生労働省の解説には、歯みがきをしていればむし歯が防げるという常識は、いまでは正しくないと書かれています。歯ブラシの毛先が届く場所のむし歯はみがけば防げますが、いちばんできやすいのは奥歯の細い溝や歯と歯のあいだで、そこには毛先が入りません。子どものむし歯の8割以上が奥歯の溝から始まるという報告もあります。だから歯みがきに加えて、フッ化物を使うこと、溝をうめるシーラント、あまいものを口に入れる回数をへらすことが必要になります。歯みがきが役に立たないのではありません。歯みがきだけにぜんぶをせおわせないほうがいい、という話です。

👤 これを調べた人の話
むし歯の研究をしている人たちは、住んでいる地域によってむし歯の多さがちがうことに気づきました。歯みがきの上手下手だけの話ではなかったのです。個人のせいにせず、まわりの環境まで見にいく。そこから予防の考え方が変わりました。

知っていると、なにがうれしいか がんばり方の向きが分かります。時間をふやすのではなく、回数をへらす。同じ努力で、結果が変わります。

きょうためせること きょう、あまいものやジュースを口に入れた回数を数えてみよう。量ではなく回数です。3回と6回では、歯がとけている時間の長さがまるでちがいます。数えるだけで、へらす場所が見つかります。

6月9日もの

じめじめした日に、しおがかたまるのはなぜ?

しおしめると かたまるさとうかわくと かたまるとなりの 白い粒2つが 正反対

どっちだと思う? しおは 湿ると かたまり さとうは かわくと かたまる / しおも さとうも 湿ると かたまる

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しおが空気の中の水蒸気を取りこんで、粒どうしがくっつくからです。しおの粒の表面に、目に見えないほどうすい水の膜ができます。この膜が粒と粒のあいだの橋になり、かわいたときに橋の部分が固まって、ひとかたまりになります。ぬれてから、かわく。この2つがそろうと、しおはかたまります。

びっくり大事実! しおは湿るとかたまる。さとうはかわくとかたまる。となりに置いてある白い粒2つが、まったく逆のことをしている。台所は、じつはとても不思議な場所。

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梅雨の時期に、しおの容器がつまるのはこのためです。おもしろいのは、しおは空気から水を吸う力を持っているという点です。しおを入れた容器に生米を数粒入れる家庭の工夫がありますが、これは米が先に水を吸ってくれるからだと説明されます。同じ理由で、湿気の多い日はさとうもかたまります。ただしさとうは逆で、かわきすぎるとかたまります。さとうの粒は、まわりに少し水があるとサラサラのままで、その水がぬけると粒どうしがくっつくのです。しおは湿るとかたまり、さとうはかわくとかたまる。台所の中に、正反対の性質が2つならんでいます。

👤 これを調べた人の話
粉がかたまる理由を調べている人たちがいます。地味に見えますが、薬の粉、粉ミルク、セメント、どれもかたまると困ります。困りごとの原因を一つずつつぶしていく仕事が、暮らしをしずかに支えています。

知っていると、なにがうれしいか 台所が実験室になります。かたまったしおを見て、その日の空気の話ができるようになります。

きょうためせること しおとさとうを小さいお皿に少しずつ出して、雨の日と晴れた日にさわりくらべてみよう。指ざわりのちがいが、その日の空気の湿り具合を教えてくれます。使ったものは食べずに、あとでかたづけます。

6月10日デジタル

スマホの時計は、なぜいつも正しい時間なの?

毎秒 くらべ合う 原子時計日本標準時1時間に 1回 合成スマホは これを もらって ずれを 直す

どっちだと思う? スマホの中の 時計が とても 正確に できている / 正しい時刻を 外から もらって ずれを 直している

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自分で時間を数えているのではなく、正しい時計を持っているところに聞きにいっているからです。日本の正しい時刻、日本標準時は、情報通信研究機構(NICT)が作っています。スマートフォンやパソコンは、ネットワークを通してその時刻をときどき受け取り、自分の時計のずれを直しています。だから電池が減っても、飛行機で遠くへ行っても、時刻が合っています。

びっくり大事実! 日本の正しい時刻は、1個の時計が決めているのではない。何台もの原子時計が、毎秒おたがいをのぞきこんで、1時間に1回だけ話し合って決めている。

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日本標準時のすごいところは、1個の時計で決めていないことです。NICTでは、セシウム原子時計と水素メーザという時計を複数台ならべ、おたがいの時刻の差を1秒ごとに測り続けています。そして1時間に1回、その値を平均して合わせ、時刻を作ります。1台がこわれても、全体はゆらぎません。さらに東京・小金井のほかに神戸にも拠点があり、片方が止まってももう片方が配り続けます。「正確さ」を、1台の優秀さではなく、何台もで見はり合う形で作っている。これが、この仕組みのいちばん賢いところです。6月10日は時の記念日です。時計が正確であることは、あたりまえのようでいて、だれかが毎秒ささえている結果です。

👤 これを調べた人の話
時刻を作る人たちの仕事は、何も起きないことです。時計が合っているのはあたりまえだと思われていて、ほめられることはほとんどありません。それでも1秒も切らさずに配り続ける。目立たない仕事が、電車も送金も、ぜんぶ動かしています。

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知っていると、なにがうれしいか あたりまえに見えるものの裏に、だれかの仕事があると分かります。時計を見るたび、少しだけ世界が広く見えます。

きょうためせること 家にある時計を全部見て回って、何分何秒ずれているかを書き出してみよう。電波時計やスマホと、かべの時計や電子レンジの時計では、ずれ方がちがうはずです。ずれている時計は、外から時刻をもらっていない時計です。

6月11日てんき

しつどが高いと、なぜ暑く感じるの?

かわいた日あせが かわくしつどが 高い日かわけない同じ気温でも 暑さが ちがうあつさ指数は 湿球に 0.7 気温に 0.1

どっちだと思う? 空気が 重くなって おしつけて くるから / あせが 蒸発できず 体を 冷やせなく なるから

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あせが蒸発できなくなるからです。人の体は、あせが皮ふの上でかわくときに熱をうばってもらって冷えています。ところが空気の中がすでに水蒸気でいっぱいだと、あせは行き場がなくなって蒸発できません。冷やす仕組みが止まってしまうので、気温が同じでも体にたまる熱が多くなります。暑いと感じているのは、空気の温度ではなく、冷やせていない自分の体です。

びっくり大事実! 暑さ指数の中で、気温の重みはたったの1割。のこりの9割は、あせがかわけるかどうか。人は、空気の温度ではなく、自分を冷やせているかどうかで暑さを感じている。

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このことは、暑さのはかり方そのものを変えました。環境省が使っている暑さ指数(WBGT)は、屋外では湿球温度に0.7、黒球温度に0.2、乾球温度に0.1をかけて足して求めます。乾球温度がふつうの気温なので、気温の重みは全体のたった1割です。いちばん重い湿球温度は、ぬれたガーゼを巻いた温度計の値で、あせがどれだけ蒸発できるかを表しています。この指数が28をこえるあたりから、熱中症で運ばれる人が急に増えることが分かっています。だから梅雨の時期は、気温が30度に届いていなくても油断できません。きょうは雑節の入梅にあたることが多い日で、暦の上では雨の季節に入るころです。

👤 これを調べた人の話
気温だけを見ていた時代、暑さで倒れる人がなぜ出るのか説明しきれませんでした。そこで人の体の熱の出入りから考え直した人たちがいます。ものさしを作り直す。それは、答えを出すより先に必要な仕事でした。

知っていると、なにがうれしいか 「今日は何度だから大丈夫」の判断が、もっと正確になります。家族に「気温より湿度を見て」と言えます。

きょうためせること 温度計が2本あったら、片方の先にぬれたティッシュを巻いて、両方をならべて置いてみよう。ぬれたほうが低い温度を指します。その差が大きい日はかわいた日、差が小さい日はむし暑い日です。差を毎日メモすると、天気の記録になります。

6月12日いきもの

アジサイの色は、なぜちがうの?

アルミを すえたすえなかった色が ついているのは がくまん中の 小さな粒が 本当の花

どっちだと思う? 土が 酸性だと 色素が 直接 青く 変わる / 土から アルミニウムを 吸えるかどうかで 変わる

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根がアルミニウムを吸えたかどうかで変わります。アジサイの色のもとはアントシアニンという色素です。この色素は、土から溶け出したアルミニウムと結びつくと青くなり、結びつかないと赤みをおびます。アルミニウムは土が酸性のときによく溶け、中性やアルカリ性では溶けにくくなります。だから「酸性だと青」と言われるのですが、酸性そのものが青くしているのではありません。酸性だとアルミニウムが溶けて、根が吸えるようになるからです。

びっくり大事実! アジサイの花びらに見えているところは、花びらではない。がくである。本当の花は、そのまん中にある小さな粒。いちばん目立っている部分が、じつは花ではなかった。

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もうひとつ、おどろく話があります。アジサイの花びらに見えているところは、花びらではありません。がく(萼片)です。本当の花は、その中心にある小さな粒のような部分です。色がついているのは、虫に気づいてもらうための看板の役目をしているがくなのです。だから、ふつうの花よりずっと長いあいだ色が残ります。白いアジサイは、そもそもアントシアニンを持っていない品種なので、土がどうであっても白のままです。品種によっては土の性質にあまり左右されないものもあります。つまり色は、土だけでも品種だけでもなく、両方で決まっています。

👤 これを調べた人の話
色が変わる理由をつきとめた研究者たちは、赤い花をすりつぶしてアルミニウムを加えるという実験までしました。きれいだと思うだけで終わらせず、ばらして確かめる。そこまでやるから、言い伝えが science に変わります。

知っていると、なにがうれしいか 通学路のアジサイが、土の様子を教えてくれる目印になります。色から見えないものが読めます。

きょうためせること 同じ町の中で、アジサイの色を3か所くらべてみよう。となりの家どうしで色がちがっていたら、土のちがいかもしれません。同じ株の中で色がまざっていることもあります。花を折らずに、目で見るだけにします。

6月13日ちきゅう

大雨がつづくと、山がくずれることがあるのはなぜ?

水が 土の ささえる力を 弱めるやんだ あとに くずれる ことも

どっちだと思う? 雨が 土を 表面から けずって いくから / 土の中の 水が ささえる力を 弱めるから

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土の中にしみこんだ水が、土をささえる力を弱くするからです。ふだんの斜面の土は、粒どうしがかみ合って止まっています。そこへ水がたくさん入ると、粒と粒のあいだが水でおし広げられ、すべりやすくなります。しかも水をふくんだ土は重くなります。ささえる力が弱くなるのと、落ちようとする力が強くなるのが、同時に起きるのです。

びっくり大事実! がけがくずれるのは、雨がやんだあとのことがある。空が明るくなったころ、地面の中では水がまだ深いところへ向かって進んでいる。安全に見える時間が、いちばん見落とされやすい。

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こわいのは、雨がやんだあとです。雨が地中にしみこんで、深いところまで届くには時間がかかります。だから雨がやんで空が明るくなってから、くずれることがあります。「もう降っていないから安全」とは言えません。気象庁が出している土砂キキクル(大雨警報の危険度分布)は、いま降っている雨だけでなく、土の中にどれだけ水がたまっているかを計算して色で示しています。前ぶれとして、がけから小石が落ちてくる、水がにごる、それまで出ていなかった場所から水がわく、木がさける音がする、といったことが知られています。ただし前ぶれがまったくないままくずれることもあります。だから前ぶれを待つのではなく、危険度の情報が上がった段階で動くほうが安全です。

👤 これを調べた人の話
斜面に計器を差しこんで、土の中の水の量を何年も測り続けている人たちがいます。ほとんどの年は何も起きません。それでもデータをためるから、「この値をこえたら危ない」という線が引ける。線を引けたぶんだけ、人が逃げられます。

知っていると、なにがうれしいか 「やんだから大丈夫」ではないと分かります。逃げるタイミングを、自分で判断できるようになります。

きょうためせること 雨の日、家のまわりで「水が集まってくる方向」を見つけてみよう。地面のかたむきに沿って、水は必ず低いほうへ動きます。自分の家がまわりより高いか低いかを知っておくことは、防災の第一歩です。がけや川には近づかないこと。

6月14日うちゅう

地球のほかにも、雨がふる星はあるの?

地球 水の雨タイタン メタンの雨何が 液体に なるかは 温度と 気圧で 決まる

どっちだと思う? 雨が ふるのは 地球だけ / 水では ない 雨が ふる星が ある

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あります。しかも、水の雨とはかぎりません。土星の大きな衛星タイタンでは、メタンという物質の雨がふります。タイタンは太陽系の衛星の中でただひとつ、厚い大気を持っています。メタンが蒸発して雲になり、雨になって地面に降り、川や湖をつくる。地球の水がやっていることを、そっくりそのままメタンがやっているのです。

びっくり大事実! タイタンでは、水はカチカチの氷で地面になっている。かわりに、地球ではガスでしかないメタンが液体になって、川になり、湖になり、雨になって降っている。主役が入れかわった世界が、本当にある。

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タイタンの地表の温度は、マイナス180度くらいです。この寒さでは水はカチカチの氷で、岩と同じように地面をつくっています。かわりに、地球では気体でしかないメタンが液体でいられます。何が液体になるかは、その星の温度と気圧で決まります。地球で水が主役なのは、地球の温度と気圧がたまたま水にちょうどよかったからです。金星では、硫酸の雲から雨がふると考えられていますが、地表が非常に高温のため、落ちる途中で蒸発してしまい地面には届かないとみられています。ふる雨の中身がちがい、届く場所もちがう。それでも「蒸発して、雲になって、ふる」という形は同じです。雨は地球だけのものではなく、宇宙のあちこちで起きているふるまいの一つでした。

👤 これを調べた人の話
探査機ホイヘンスは、20年以上前にタイタンの厚い雲を突きぬけて降りていきました。何が待っているか、だれも見たことがなかった場所です。行けば分かる、を実際にやってしまう人たちが、太陽系の地図を書きかえてきました。

知っていると、なにがうれしいか 「あたりまえ」が地球だけのルールだと気づけます。雨を見る目が、少し宇宙寄りになります。

きょうためせること 雨の日に外を見ながら、この雨がメタンだったらどうなるかを考えてみよう。においも、色も、さわった感じもちがうはずです。想像するときに「なぜそう思ったか」を一つ言えると、それはもう科学の考え方です。

6月15日からだ

高いところへ行くと、耳がツンとするのはなぜ?

鼻の おくへ つながる管気圧が 下がるつばで ひらく

どっちだと思う? 耳の中と外で 空気の 強さに 差が できるから / 音が 高いところでは 強く 聞こえる から

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耳の中と外で、空気のおしてくる強さ(気圧)に差ができるからです。こまくの内側には、小さな空気の部屋があります。エレベーターや山道で外の気圧が急に下がると、内側の空気のほうが強くなって、こまくが外へふくらみます。これがツンとする感じの正体です。あくびをしたり、つばを飲みこんだりすると、耳と鼻の奥をつなぐ細い管が開いて空気が行き来し、差がなくなって元にもどります。

びっくり大事実! 耳と鼻の奥は、細い管でつながっている。しかもその管は、ふだんはわざと閉じている。開けっぱなしにすると、自分の声が頭の中でひびいてうるさいからだ。

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この細い管は耳管といって、ふだんは閉じています。開けっぱなしにすると、自分の声が頭の中で鳴りひびいてしまうからです。必要なときだけ開くようにできている、という設計です。子どものうちは耳管が短くて水平に近いので、鼻やのどの調子が悪いときに影響を受けやすいと言われます。天気が変わると体の調子が変わる、と感じる人がいます。気圧の変化と体調の関係については研究が進んでいる途中で、まだ分かっていないことが多く残っています。分かっているのは、耳が気圧の変化をとらえる仕組みを実際に持っている、ということです。分からないことを「気のせい」で片づけないのも、科学のやり方です。

👤 これを調べた人の話
体の仕組みを調べる人たちは、「なんとなく気持ち悪い」という言葉を大事にします。数字にならない訴えの中に、まだ見つかっていない仕組みが隠れていることがあるからです。聞きとることから、研究は始まります。

知っていると、なにがうれしいか 体に起きたことの理由が分かると、こわくなくなります。自分で直す方法も一つ手に入ります。

きょうためせること エレベーターで上か下へ動くとき、ツンとしたらつばをごくんと飲みこんでみよう。もどる瞬間が自分で分かります。何階分でツンとするかを数えると、自分の耳のくせが分かります。耳が痛いときは無理をせず、大人に伝えます。

6月16日もの

ぬれた紙は、なぜ破れやすいの?

かわくと しっかり 手をつなぐ水が 入ると ほどける切れたのは 繊維では なく つながり

どっちだと思う? 水で 繊維そのものが とけて しまうから / 繊維どうしの くっつきが ほどけて しまうから

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紙は、細い繊維がからみ合ってできています。かわいているとき、繊維どうしは水素結合という力でしっかりくっついています。そこへ水が入ると、水の分子が繊維のあいだに割りこんで、この結びつきをほどいてしまいます。繊維そのものが切れるのではなく、繊維どうしのつながりがゆるむのです。だから、ぬれた紙は少しの力でずるりと分かれます。

びっくり大事実! 紙は、のりで貼ってあるのではない。細い繊維どうしが、直接くっついて自分をささえている。だから水が一滴入っただけで、その握手がほどけてしまう。

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おもしろいのは、かわかすとある程度もどることです。水がぬけると繊維はまたくっつきます。ただし完全には元にもどりません。一度ゆるんだ繊維の並びが、乾くときにずれたまま固まるので、しわになります。ここから、紙とは何かが見えてきます。紙は、のりで貼り合わせた板ではなく、繊維どうしが直接くっついて自分を保っている材料です。だから水にとても弱い。ぎゃくに、ぬれても破れにくい紙を作りたいときは、あとから水に強い成分を加えて、水が入っても繊維がはなれないようにします。牛乳パックやティッシュの中に、水にぬれてもすぐには破れないものがあるのは、そういう工夫のおかげです。

👤 これを調べた人の話
紙を作る技術は千年以上、少しずつ改良されてきました。名前が残らない職人たちが、水にどう強くするかを試し続けてきた結果が、いま台所やトイレにふつうに置いてあります。

知っていると、なにがうれしいか 身のまわりの材料が「何でできているか」ではなく「何でくっついているか」で見えるようになります。

きょうためせること 同じティッシュを2枚用意して、1枚はそのまま、1枚は少しぬらして、そっと引っぱりくらべてみよう。差はおどろくほど大きいはずです。そのあとぬらしたほうをかわかして、もう一度引っぱると、少し強さがもどっています。

6月17日デジタル

緊急のおしらせは、どうやってスマホに一斉にとどくの?

あて名なしで 一度だけ登録 不要旅先でも

どっちだと思う? 登録した 人の 電話番号あてに 送られる / その場所に いる 全部の 電話に 同時に 投げられる

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あなたの電話番号やメールアドレスを使っていません。緊急速報メールは、電波を出している基地局から、そのエリアにいる全部の携帯電話に向かって同時に投げられます。宛先を1件ずつ書いて送るのではなく、その場所にいる全員に向かって一度だけ言う、という形です。だから登録もいらないし、旅行先でもその土地の情報が届きます。

びっくり大事実! 緊急速報は、あなたの電話番号を知らないまま届く。宛名がないから、かえって速い。ふつうの手紙と正反対のやり方で、何万人にいっぺんに声が届く。

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この仕組みには、大事な利点があります。宛先を1件ずつ処理しないので、何万台あってもほとんど同時に届きます。さらに、ふつうの通信とは別の通り道を優先的に使うので、災害で回線がこみ合っていても影響を受けにくくできています。地震のときに電話がつながらないのに緊急速報だけは鳴る、というのはこのためです。届く範囲は市区町村が基本の単位ですが、基地局の位置の関係で、となりの地域の情報を受け取ることがあります。気象庁は緊急地震速報と大津波警報・津波警報を、国や自治体は避難の情報を、この道で流しています。マナーモードでも音が鳴るように作られているのも、意図された設計です。

👤 これを調べた人の話
この仕組みを作った人たちは、「一人ずつ送っていたら間に合わない」という一点から設計を組み直しました。速くする工夫ではなく、送り方そのものを変えた。数秒を作るために、考え方をひっくり返しています。

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知っていると、なにがうれしいか あの音が鳴る理由が分かります。びっくりする音ではなく、間に合わせるための音だと分かります。

きょうためせること おうちの人といっしょに、スマホの緊急速報の設定がオンになっているか確認してみよう。機種によっては切れていることがあります。そのとき、鳴ったらどこへ行くかも1分だけ話しておくと、設定より役に立ちます。

6月18日てんき

線状降水帯って、なに?

次々に 生まれて 同じ道を 通り続ける長さ 50から300キロ 幅 20から50キロ

どっちだと思う? とても大きな 雲が 1つ 居すわって いる / 同じ道を 次々に 新しい雲が 通り続けている

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発達した積乱雲が、次々に生まれて列に並び、同じ場所を数時間も通り続ける状態のことです。気象庁の説明では、長さおよそ50から300キロ、幅およそ20から50キロの、細長い強い雨の場所を指します。ふつうの積乱雲は30分から1時間ほどで雨を降らせて消えますが、後ろから次の雲が同じ道を来るので、その真下では雨がやみません。

びっくり大事実! 雨をやませないのは、いすわった1つの雲ではない。次から次へと生まれた別々の雲が、同じ道をとおっていく。1台1台は通りすぎているのに、そこだけずっと降りやまない。

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雲が1つなら、たいした量にはなりません。ところが同じ場所を通り続けると、そこだけに雨が積み上がっていきます。だから、少し離れた町では晴れているのに、ある地域だけ川があふれる、ということが起きます。気象庁は2021年から「顕著な大雨に関する気象情報」として、この言葉を使った情報を出しています。発表の基準はきびしく決められていて、3時間で100ミリ以上降った範囲の広さや、その形が細長いこと、その中の最大が150ミリ以上であることなどを、すべて満たしたときに出ます。正直なところ、この現象は予想がとても難しく、気象庁自身が発生の仕組みには未解明な点が多いと書いています。だからこそ、半日ほど前から「線状降水帯が発生するかもしれない」と呼びかける形にして、外れることも承知で早めに知らせる方法をとっています。

👤 これを調べた人の話
気象庁は「発生の仕組みには、まだ分かっていないことが多い」と自分たちのページに書いています。分からないと書ける強さがあるから、外れる覚悟で半日前に呼びかけるという判断ができます。

知っていると、なにがうれしいか ニュースの言葉が、音ではなく意味になります。自分の地域に関係があるかどうかを、自分で見分けられます。

きょうためせること 大雨のニュースが出たら、雨雲の絵で雨の形を見てみよう。丸いかたまりなのか、細長い帯なのか。帯になっていて、しかも同じ場所から動いていなければ、それが起きている形です。

6月19日いきもの

カエルは、なぜ雨の前に鳴くの?

同時に 鳴くと だれの声か わからないだから タイミングを ずらすつぎは わたし

どっちだと思う? 雨が くることを 予知して 知らせている / 湿った 空気の ほうが 長く 活動 できるから

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雨そのものを予知しているというより、雨が近いときの空気の状態が、カエルにとって都合がよいからだと考えられています。カエルは皮ふからも呼吸をし、皮ふがかわくと弱ってしまいます。湿り気が増えると、長い時間外に出て活動できます。しかも鳴くのはおもにおすで、めすを呼ぶためです。田んぼに水が入り、卵を産む場所ができる季節と、湿った日が増える季節が重なるので、鳴き声がまとまって聞こえます。

びっくり大事実! カエルの合唱は、そろえているのではなく、ずらしている。全員が同時だと、だれの声か分からなくなるからだ。あの田んぼの音は、じつは順番待ちの音でもある。

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カエルの鳴き声には、おもしろい性質があります。1匹が鳴きはじめると、まわりが次々に続きます。ところが全員が同時に鳴くと、どの声がだれのものか分からなくなってしまいます。そこで、となりどうしが鳴くタイミングをずらす、という行動が知られています。合唱に聞こえるものの中で、じつは順番のやりとりが起きているのです。日本にはたくさんの種類のカエルがいて、鳴き声はそれぞれちがいます。ニホンアマガエルのように、木の上や葉のうらから鳴くものもいます。声を覚えると、姿を見なくても、その場所にどの種類がいるかが分かるようになります。

👤 これを調べた人の話
鳴き声を録音して、1匹ずつのタイミングを何時間分も書き出した研究者がいます。うるさい音のかたまりに見えたものが、数えてみたら規則を持っていた。ていねいに数えると、世界の見え方が変わります。

知っていると、なにがうれしいか 音だけで、そこにいる生きものが分かるようになります。夜の道が、少し楽しくなります。

きょうためせること 雨の前の夕方、外の音に30秒だけ耳をすませてみよう。何種類の鳴き方が聞こえるか、数えてみます。高い声と低い声、短い声と長い声。数えられたら、その日の天気もメモしておくと、記録になります。

6月20日ちきゅう

ダムは、大雨の前になぜ水をへらすの?

ふだんいっぱい大雨の 前あきを 作るへらすことが ためる ための じゅんび

どっちだと思う? 大雨の 前に 空きを 作って 洪水を 受け止める ため / 古い 水を 入れかえて きれいに する ため

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洪水を受け止めるための空きを、先に作っておくためです。これを事前放流といいます。ダムは水をためる場所だと思われがちですが、いっぱいのまま大雨をむかえると、入ってきた水をそのまま下流へ流すしかなくなります。そこで大雨が予想されるとき、ためてある水を前もって少しずつ流し、水位を下げておきます。減らすことが、ためるための準備になっているのです。

びっくり大事実! 電気を作るためのダムや、田んぼに水を送るためのダムまで、大雨の日だけは洪水を防ぐ側に回る。新しくダムを作らずに、約束を作ることで空きを生み出した。

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ここに、日本ならではの工夫があります。ダムには、洪水を防ぐためのダムだけでなく、電気を作るためのダムや、田んぼに水を送るためのダムがあります。後者にとって、水は流してしまうと仕事のもとを失うことになります。それでも大雨のときには洪水を防ぐ側に回れるように、河川の管理者とダムの管理者、水を使う人たちのあいだで治水協定という約束が結ばれました。国土交通省の資料では、治水を目的に含む約570のダムに加えて、電力や農業などを目的とする約900のダムが、治水に活用できるように位置づけられています。令和2年度には全国122のダムで事前放流が行われ、あわせておよそ1億3,600万立方メートルの空きが作られました。それぞれ別の目的で作られたものが、大雨の日だけ同じ方向を向く。設備を増やすのではなく、約束を作って乗りきるという解き方です。

👤 これを調べた人の話
この仕組みは、機械ではなく話し合いで作られました。水を使う人たちに「大雨の前に手放してください」と頼み、そのかわりの条件をひとつずつ決めていった人たちがいます。合意も、りっぱな技術です。

知っていると、なにがうれしいか ダムが「ためる場所」から「受け止める場所」に見えかわります。ニュースの放流の意味が分かります。

きょうためせること 日本地図で、自分の住む町の川をたどって上流をさがしてみよう。ダムの名前が出てきたら、その水はいつか自分の町を通る水です。地図で線をたどるだけで、家と山がつながって見えてきます。

6月21日うちゅう

きょうは夏至。太陽は、どこまで高くのぼるの?

夏至 やく78度冬至 やく32度差は 46度 かたむき23.4度の 2ばい

どっちだと思う? 夏至の日が 1年で いちばん 暑い / いちばん 高く のぼる日と いちばん 暑い日は ずれる

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1年でいちばん高くまでのぼります。東京あたり、北緯35度の場所では、真南に来たときの高さがおよそ78度になります。真上が90度なので、頭のほとんど真上です。冬至の日の同じ場所での高さはおよそ32度しかないので、その差は46度。同じ場所の同じ空で、太陽の通り道がこれほど変わります。

びっくり大事実! 夏至と冬至で、太陽の高さは46度もちがう。そしてこの46度は、地球のかたむき23.4度のちょうど2倍。空の見え方が、地球のかたむきをそのまま映している。

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なぜ変わるのかというと、地球が少しかたむいたまま太陽のまわりを回っているからです。かたむきはおよそ23.4度。この数字が、そのまま夏至と冬至の高さのちがい(46度)の半分になっています。夏至は、太陽の位置を角度で表したものが90度になる瞬間で決まります。国立天文台の暦要項によると、2026年はそれが6月21日の17時25分でした。日付が年によって前後するのは、1年が365日ぴったりではないからです。もうひとつ。いちばん高くのぼる日と、いちばん暑い日は、ずれます。地面や海はあたたまるのに時間がかかるので、暑さの本番は1か月から2か月あとに来ます。夏至はゴールではなく、ここから昼がだんだん短くなっていく折り返し地点です。

👤 これを調べた人の話
むかしの人は、望遠鏡もない時代に、かげの長さを毎日はかることで1年の長さと地球のかたむきを求めました。道具は棒1本。続けることが、いちばん強い道具だった時代があります。

知っていると、なにがうれしいか かげの長さから、地球のかたむきが読めます。棒1本で宇宙の話ができるようになります。

きょうためせること 正午ごろ、外に立って自分のかげの長さをはかってみよう。1年でいちばん短い時期です。同じ場所、同じ時刻で、9月と12月にもはかると、かげがぐんぐんのびていきます。3回はかるだけで、地球のかたむきが見えます。

6月22日からだ

あせのにおいは、どこから来るの?

出たては ほぼ 無臭皮ふの 細菌が 分解時間が たつほど 強くなる だから 早くふく

どっちだと思う? あせ そのものが においを 持っている / 皮ふの上の 細菌が あせを 分解して においが 出る

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あせそのものは、出たばかりのときはほとんどにおいがありません。においを作っているのは、皮ふの上にいる細菌です。細菌があせや皮ふのあぶらを分解すると、においのもとになる物質ができます。つまりにおいは、あせが出た瞬間ではなく、あせが皮ふの上にとどまっている時間の長さから生まれています。

びっくり大事実! 出たばかりのあせは、ほとんど無臭。においは、あせが皮ふの上にいる時間の長さから生まれる。だから「消す」より「早くふく」ほうが、理屈に合っている。

もっとくわしく

あせを出す場所には、2種類あります。ひとつは全身に広がっていて、体を冷やすためのさらさらしたあせを出します。もうひとつはわきの下などにあり、たんぱく質やあぶらを少しふくんだあせを出します。細菌にとっては後者のほうがごちそうなので、においが出やすくなります。ここから、対策の向きが決まります。においを消す薬でおおうより、あせを早くふきとって、細菌が働く時間をみじかくするほうが理にかなっています。梅雨の時期ににおいが気になりやすいのは、湿度が高くてあせが蒸発しにくく、皮ふの上にとどまる時間が長くなるからです。それは体の弱さではなく、空気の状態のせいです。においは、だれにでもあります。だれかのにおいを言葉にして笑わないことは、科学を知ることと同じくらい大事なことです。

👤 これを調べた人の話
皮ふの上には、数えきれないほどの細菌がいて、その多くは体を守る側で働いています。すべてを消せばよいわけではないと分かってきたのは、研究者が「悪者さがし」をやめて、全体のバランスを見るようになってからです。

知っていると、なにがうれしいか 気になることの理由が分かると、あわてなくなります。やるべきことも1つに決まります。

きょうためせること 運動したあと、ぬれたタオルで首とわきをさっとふいてみよう。何もしないときとくらべて、そのあとのにおいがどう変わるかを自分で確かめます。ふくのは自分の体だけにして、人のことは言わないこと。

6月23日もの

じょしつきは、どうやって空気から水を取り出すの?

水蒸気を ふくんだ 空気冷たい パイプタンクへ冷たい麦茶の コップと 同じこと

どっちだと思う? 空気を 冷やして あふれた 水を 集めている / 空気の 中の 水を もやして 消している

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空気を冷たいものに当てて、水にもどしています。空気の中には目に見えない水(水蒸気)がふくまれていて、そのままでは取り出せません。ところが空気を冷やすと、ふくんでいられる量がへります。あふれた分は小さな水のつぶになって、冷たい面にくっつきます。じょしつきの中には冷たいパイプがあって、そこを空気が通るときに水がついて、下のタンクにたまるのです。

びっくり大事実! じょしつきの中で起きていることは、冷たい麦茶のコップの外側と、まったく同じ。ちがいは、ファンでそれを何百回も起こしているというだけ。

もっとくわしく

これは、冷たい麦茶のコップの外側に水てきがつくのと、まったく同じことです。ちがうのは、じょしつきがそれをファンでどんどん起こしていることだけです。もうひとつのやり方もあります。水を吸いこむ性質を持った材料に空気を通し、その材料をあたためて水をはき出させる方式です。冷やす方式は気温が高い夏に強く、材料を使う方式は気温が低い冬でも働きます。じょしつきを回すと部屋が少しあたたかくなることがあります。水蒸気が水にもどるときに熱を出すこと、機械そのものが熱を出すこと、この2つが理由です。空気から水を取り出すのに、魔法は使っていません。使っているのは、温度が変わると空気がかかえられる水の量も変わる、という一つの性質だけです。

👤 これを調べた人の話
「空気から水を取り出す」と聞くと発明のように思えますが、使っているのは温度と水の関係という、だれでも知っている一つの性質だけです。新しい性質を見つけなくても、使い方を変えれば新しい道具になります。

知っていると、なにがうれしいか 部屋の湿気とたたかう方法が、感覚ではなく理屈で分かります。タンクにたまった水の量が、その日の空気の記録になります。

きょうためせること 冷たい飲みものをコップに入れて、外側についた水てきを指でぬぐってみよう。そのあとコップをかわいたタオルでふいて、しばらく置くと、またついてきます。空気から水が出てきた証拠です。

6月24日デジタル

オンラインで話すと、声がおくれるのはなぜ?

少し ためて 並べ直す声を 荷物に 分ける短くすると とぎれ 長くすると おくれるこわれたのでは なく えらんだ 結果

どっちだと思う? 相手が 遠いほど 遅れる ので 距離の せい / 途中で 荷物を 少し ためてから 並べ直して いるから

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声がそのまま線を通っているのではなく、いったん数字に直され、小さな荷物に分けて送られ、向こうで組み立て直されているからです。この行き帰りのそれぞれで、少しずつ時間がかかります。音を数字にする時間、荷物にまとめる時間、道を選んで運ぶ時間、そして組み立て直す時間。1つ1つは短くても、足していくと人が気づく長さになります。

びっくり大事実! 通話の遅れは、こわれているのではなく、えらんだ結果。速くすれば音がとぎれ、とぎれなくすれば遅くなる。どちらも取ることはできないので、どちらかを選んでいる。

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意外なことに、いちばんの原因は距離ではないことが多いのです。光や電気の信号は1秒で地球を7周半するほど速いので、国内どうしなら距離のぶんの遅れはごくわずかです。効いてくるのは、途中で荷物を待たせる時間のほうです。荷物は必ずしも同じ道を通らず、着く順番も入れかわります。そこで受け取る側は、少しだけためてから並べ直して再生します。このためる時間を短くすると反応は速くなりますが、音がとぎれやすくなります。長くすると音は安定しますが、遅れます。あちらを立てればこちらが立たない、という関係になっているのです。だから会議アプリの遅れは、こわれているのではなく、とぎれない側を選んだ結果であることがよくあります。

👤 これを調べた人の話
技術者たちは、この「あちらを立てればこちらが立たない」を、なくそうとするのではなく、どこで線を引くかの問題としてあつかいます。完璧をあきらめて、いちばんましな場所をさがす。それも一つの知恵です。

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知っていると、なにがうれしいか うまくいかないときに、機械のせいにも自分のせいにもしなくてよくなります。理由が分かれば、直せる場所も分かります。

きょうためせること 家の人と、同じ部屋で1台ずつ通話をつないでみよう。目の前にいる人の声が、耳から直接と画面ごしの2回、時間差で聞こえます。その差が、いま説明した全部の合計です。ハウリングしないよう音量は小さくします。

6月25日てんき

ひょうは、なぜ夏に降るの?

上げられて育つ1917年6月29日 埼玉直径 29.5センチ重さ 3400グラム

どっちだと思う? 真夏に いちばん 多く 降る / 5月から6月の 初夏に 多く 降る

こたえを見る

真夏より、初夏に多く降ります。ひょうは、積乱雲から降ってくる直径5ミリ以上の氷のかたまりです。5ミリより小さいものは、あられと呼びます。積乱雲の中では強い上昇気流が吹いていて、氷の粒は落ちようとしても押し戻されます。上がったり下がったりをくり返すうちに、まわりの水がついてどんどん大きくなり、ついに支えきれなくなって落ちてきます。

びっくり大事実! 1917年6月29日、埼玉県に、かぼちゃほどのひょうが降ったという記録が残っている。直径29.5センチ、重さ3,400グラム。地面には、直径65センチの穴があいたと書かれている。

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5月から6月に多いのには、理由が2つあります。地面があたたまりやすくなって上昇気流が強くなること、それでいて上空にはまだ冷たい空気が残っていること。この2つがそろうと、氷の粒が大きく育ちます。真夏は上空の空気もぬるくなるので、落ちてくる途中でとけてしまい、ただの雨になります。冬は上昇気流が弱いので、そもそも大きく育ちません。だからひょうは、季節の変わり目のものなのです。日本の記録はすさまじいものです。熊谷地方気象台の資料によると、大正6年(1917年)6月29日に埼玉県で降ったひょうは、直径およそ29.5センチ、重さおよそ3,400グラムと記録されています。かぼちゃほどの大きさです。田んぼには直径65センチほどの穴があいたと書かれています。

👤 これを調べた人の話
100年以上前の観測記録が、いまも読める形で残されています。当時の職員が、大きさを測り、穴の直径まで書きとめてくれたからです。その日の記録を残す人がいると、100年後の子どもがおどろけます。

知っていると、なにがうれしいか 氷が空から降る理由が分かります。天気の「変わり目」がいちばん激しいことも分かります。

きょうためせること ひょうが降ったら、外に出ずに窓から音を聞いてみよう。雨とはまったくちがう、かたい音がします。やんでから外に出て、大きさを定規ではかって記録します。5ミリより大きければ、それはひょうです。

6月26日いきもの

オタマジャクシは、いつ足が出るの?

まず からだ後ろ足が 先前足も 出るしっぽは 落ちずに 体に 吸収されるすてないで 新しい体の ざいりょうに なる

どっちだと思う? 前足が 先に 出て あとから 後ろ足が 出る / 後ろ足が 先に 出て 前足は あとから 出てくる

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先に出るのは後ろ足です。前足はそのあと、体の皮の下でできてから外に出てきます。だから、後ろ足だけが生えた姿の時期がしばらく続きます。同じころ、体の中でも大きな作りかえが進んでいます。えらで呼吸していたものが肺で呼吸するようになり、長い腸が短くなります。オタマジャクシは草などをよく食べ、カエルは虫などを食べるので、必要な腸の長さがちがうのです。

びっくり大事実! しっぽは、ちぎれて落ちるのではない。体に吸収されて、新しい体の材料になる。すてずに、作りかえている。泳ぐ生きものと跳ぶ生きものが、同じ1匹の中でつながっている。

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しっぽは、取れて落ちるのではありません。体に吸収されて、なくなります。しっぽを作っていた材料は、そのまま新しい体を作るのに使われます。すてないで、作りかえる。この変化はホルモンの働きで始まることが分かっていて、水温などの環境によって進み方が変わります。だから同じ池でも、育ちの早い子と遅い子がいます。ここでおどろいてほしいのは、水の中で泳ぐ生きものと、陸で跳ぶ生きものが、同じ1匹だということです。えら、腸、足、しっぽ、口。ほとんど全部を作りかえながら、記憶ごと同じ個体として続いていきます。生まれ直しているのではなく、作りかえているのです。

👤 これを調べた人の話
変態の仕組みを調べた研究者たちは、しっぽが「消える」のではなく「使われている」ことを突きとめました。なくなったように見えるものの行き先を追いかける。それが分かった瞬間、生きものの見え方が変わりました。

知っていると、なにがうれしいか 生きものが体を作りかえられると知ると、成長の見方が変わります。今の自分も、途中の形だと思えます。

きょうためせること 池や田んぼでオタマジャクシを見つけたら、足が出ているか、しっぽの長さはどれくらいかを見て、日づけとともにメモしよう。1週間ごとに同じ場所を見ると、進み方が分かります。持ち帰らず、その場で見るだけにします。水辺には必ず大人といっしょに行きます。

6月27日ちきゅう

地下水は、どこにたまっているの?

砂や 岩の すきまに しみこむ水を 通さない層が うけ止める1日に 数センチ 何十年 かけて 動く

どっちだと思う? 地下に 大きな池が あって そこに たまっている / 砂や 岩の すきまに しみこんで いる

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地下に大きな池があるわけではありません。砂や砂利、われ目の多い岩のすきまに、水がしみこんで入っています。スポンジが水をふくむのに近い状態です。水をよく通す層と、ほとんど通さない層(ねん土など)が重なっていて、通さない層の上に水がたまります。この水をたくわえている層を、帯水層といいます。

びっくり大事実! いま飲んでいるわき水が、自分が生まれる前に降った雨だということがある。地下水は、山からふもとまで何十年もかけて歩いてくる。水は、時間をためている。

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地下水はじっとしていません。とてもゆっくりですが、高いほうから低いほうへ動いています。1日に数センチという速さのこともあります。だから、山に降った雨がふもとの泉から出てくるまでに、何年、ときには何十年もかかることがあります。いま飲んでいるわき水が、自分が生まれる前に降った雨だということが、実際に起こります。ここから大事なことが出てきます。地下水は、使いすぎるとすぐには戻りません。何十年もかけてたまったものを、数年で汲み上げてしまうことができるからです。また、地面にしみこんだ汚れも、同じようにゆっくり広がり、ゆっくりしか消えません。地下水を守るというのは、いまの自分たちのためだけでなく、何十年か先の人のための行動でもあります。

👤 これを調べた人の話
地下水の年齢を調べる研究者は、水にふくまれるごくわずかな物質を手がかりにします。見えない場所を、掘らずに読む。想像ではなく、証拠で言い当てるところに、科学の力があります。

知っていると、なにがうれしいか 水道やわき水の向こう側に、何十年という時間が見えます。使い方を考えるきっかけになります。

きょうためせること わき水や井戸のある場所へ行ったら、その上流にどんな山があるかを地図で見てみよう。その山に降った雨が、時間をかけてここに出てきています。飲めるかどうかは、必ずその場所の表示にしたがいます。

6月28日うちゅう

宇宙から、梅雨前線は見えるの?

白い帯が 梅雨前線2機で こうたい高さ 3万5800キロ日本は 2.5分ごと

どっちだと思う? ひまわりは 地球の まわりを ぐるぐる 飛び回って いる / 地球の 自転と 同じ速さで 回るので 止まって 見える

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見えます。気象衛星ひまわりが、上から毎日ずっと見ています。ひまわりは赤道の上空およそ3万5,800キロにいて、地球が自転するのと同じ速さで回っています。だから地上から見ると、いつも同じ場所に止まって見えます。止まって見えるからこそ、同じ範囲を続けて撮り、雲がどう動いたかを比べられるのです。

びっくり大事実! ひまわりは1機ではなく、2機が宇宙にいる。片方が動かなくなったら、もう片方に切りかえる。こわれない工夫ではなく、こわれても続く工夫がしてある。

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いまのひまわりは、地球の見える半分をまるごと10分に1回、日本のまわりだけなら2.5分に1回撮っています。2.5分ごとということは、積乱雲が急に育っていく様子まで追えるということです。梅雨前線は、天気図では1本の線ですが、衛星の絵では東西にのびた白い雲の帯として見えます。もうひとつ、賢いところがあります。ひまわりは1機ではなく、8号と9号の2機が宇宙にいます。片方に不具合が起きたときは、もう片方に観測を切りかえます。実際に切りかえが行われたこともあります。だいじな道具は、こわれない工夫だけでなく、こわれても続けられる工夫をしておく。これは日本標準時の作り方とまったく同じ考え方です。

👤 これを調べた人の話
衛星を打ち上げる人たちは、打ち上がった日を成功とは呼びません。10年以上休まず絵を送り続けて、はじめて成功です。運用する人が毎日そこにいるから、朝のニュースにあの雲の映像が出ます。

知っていると、なにがうれしいか 天気予報の映像が、だれかの仕事の結果に見えてきます。2.5分ごとの意味も分かります。

きょうためせること 気象衛星の画像を、朝と夕方の2回見てみよう。雲がどちらへ動いたかを矢印で紙に書きます。何日か続けると、日本の上空の雲がだいたい西から東へ動くという大きなくせが見えてきます。

6月29日からだ

食中毒は、なぜ梅雨に多いの?

つけない手を あらうふやさない早く ひやすやっつけるしっかり 加熱色も においも 変えずに ふえていく細菌は 夏 ウイルスは 冬に 多い

どっちだと思う? 食中毒は 夏だけ 気をつければ よい / 細菌は 夏に ウイルスは 冬に 多くなる

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細菌がふえやすい条件がそろうからです。多くの細菌は、あたたかくて湿ったところでよくふえます。梅雨から夏にかけては、気温も湿度も上がるので、食べものの中で細菌がふえる速さが一気に上がります。ただし、これは細菌が原因の食中毒の話です。ウイルスが原因のものは、冬に多くなります。だから「食中毒は夏だけ気をつければよい」というのは、正しくありません。

びっくり大事実! 「見た目もにおいも大丈夫だった」は、安全の証明にならない。細菌の多くは、色もにおいも味も変えずにふえていく。目で確かめられないから、時間で守る。

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防ぎ方は、3つにまとめられています。つけない、ふやさない、やっつける。つけないは、手洗いと、生の肉や魚をほかの食べものと分けること。ふやさないは、早く冷やして、室温に長く置かないこと。やっつけるは、しっかり加熱することです。ここでいちばん見落とされやすいのが、まん中の「ふやさない」です。作ったあとに台所へ置きっぱなしにした時間が、いちばん危ないのです。お弁当が心配なのも、作ってから食べるまでの時間が長いからで、材料が悪いからではありません。ちなみに、細菌の多くは目に見えず、においも味も変えないことがあります。「見た目もにおいも大丈夫だった」は、安全の証明にはなりません。

👤 これを調べた人の話
食中毒を減らしてきたのは、新しい薬ではなく、手を洗う、分ける、冷やす、加熱する、という地味な決まりごとでした。派手ではないことをみんなでやり続けたから、助かった人がたくさんいます。

知っていると、なにがうれしいか 台所で気をつける場所が、3つにしぼれます。心配の量がへって、行動がはっきりします。

きょうためせること きょう、作った料理が食べられるまで何分あったかを数えてみよう。夕食なら10分かもしれませんが、お弁当なら5時間ということもあります。時間を意識するだけで、保冷剤を入れる理由が分かります。

6月30日もの

せんぷうきの風は、なぜすずしいの?

かわく風は 空気を 1度も 冷やして いない湿った空気を 吹きとばして 蒸発を 助けるだけ

どっちだと思う? せんぷうきの 風は 部屋の空気より 冷たい / 風は 空気を 冷やさず あせの 蒸発を 助けている

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風そのものは、部屋の空気とだいたい同じ温度です。せんぷうきは空気を冷やしていません。それでも涼しいのは、あせの蒸発を助けているからです。じっとしていると、皮ふのすぐそばに、体から出た湿った空気の層ができます。この層があると、あせはそれ以上蒸発できません。風は、この層を吹きとばして、新しい空気を持ってきます。だから、あせがまた蒸発できるようになり、体から熱が出ていきます。

びっくり大事実! せんぷうきは、空気を1度も冷やしていない。やっているのは、皮ふのそばにたまった湿った空気を吹きとばすことだけ。冷やしているのは、いつも自分の体のほう。

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だから、せんぷうきには効かない場面があります。まわりの空気の温度が体温より高いときは、風は熱を運んでくる側に回ります。湿度がとても高いときも、あせが蒸発できないので効きめが弱くなります。同じ理由で、犬にせんぷうきを向けてもあまり涼しくなりません。犬は人のように全身であせをかかないからです。人間はとても多くの汗腺を持っていて、全身から蒸発で体を冷やせる、めずらしい動物です。長い距離を走り続けられるのも、これと関係があるとされています。せんぷうきの気持ちよさは、機械の力ではなく、自分の体の冷やし方を助けてもらっている気持ちよさなのです。

👤 これを調べた人の話
人が全身で汗をかけることは、動物の中ではめずらしい特徴です。長い距離を走り続けられる体のつくりと結びついていると考えられています。研究者は、そのことを化石や骨の形からも読みとろうとしています。

知っていると、なにがうれしいか 涼しさの正体が分かると、いちばん効く使い方が選べます。うでにきりふきをひと吹きする理由も分かります。

きょうためせること うでにきりふきで水をつけて、片方だけせんぷうきに当ててみよう。当てたほうがはっきり冷たくなります。そのあと、水をつけずに同じことをすると、差が小さいはずです。冷やしているのは風ではなく、蒸発だと確かめられます。

7月1日デジタル

スマホでとった写真は、どこにしまわれているの?

スマホクラウド=どこかの 建物空に うかんでは いない

どっちだと思う? スマホの中だけに 入っている / スマホの中と 遠くの コンピューターの 両方

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スマートフォンの中と、遠くにある大きなコンピューターの両方です。設定でクラウドを使うようにしていると、とった写真はいったん端末に保存されたあと、通信でどこかの建物にあるコンピューター(サーバー)に送られ、そこにも同じものが置かれます。だから、機種を変えても写真が残ります。

びっくり大事実! クラウドは、空に浮かんでいない。実体は、コンピューターがぎっしり並んだ建物である。あなたの写真は、いま、たぶん知らない町の一室にある。

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クラウドという言葉は雲を意味しますが、空に浮かんでいるわけではありません。実体は、大きな部屋にコンピューターがぎっしり並んだデータセンターという建物です。地震や火事にそなえて、離れた場所に同じデータをもう1つ置くこともあります。ここから大事なことが出てきます。クラウドに置いた写真は、自分の手元にはない場所にあります。だから、アカウントに入れなくなると自分の写真も見られなくなります。無料で使える容量には上限があり、こえると新しい写真が送られなくなります。便利さの裏側で、写真の置き場所を自分以外の人にあずけている。それが良いか悪いかではなく、どこにあるかを知っておくことが大事です。

👤 これを調べた人の話
データセンターを動かす人たちは、24時間交代で機械の温度と電気を見はっています。停電しても止まらないよう、自前の電池と発電機まで用意してあります。写真が消えないのは、だれかが見はっているからです。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 「なんとなく残っている」が「どこに置いてあるか分かる」に変わります。だいじな写真の守り方が決められます。

きょうためせること スマホの設定で、写真がどこに保存されているか、残りの容量がいくつかを見てみよう。数字を見るだけで、いま何枚くらい置けるかが分かります。おうちの人といっしょに見ること。

7月2日てんき

夕立は、なぜ夕方に多いの?

あたたまった空気高さ10キロ 横は 数キロだけすぐ 横は晴れ

どっちだと思う? 夕方に なると 空気が 冷えて 雨に なる / 地面が あたたまるのに 時間が かかるから

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地面があたたまるのに時間がかかるからです。朝から太陽が地面を照らし、地面が空気をあたためます。あたたまった空気は軽くなって上へのぼり、上空で冷やされて雲になります。この積み重ねに数時間かかるので、雲が育ちきって雨を落とすのが午後から夕方になります。太陽がいちばん高いのは正午ですが、地面がいちばん熱いのはそのあとです。

びっくり大事実! 夕立の雲は、高さが10キロをこえることがあるのに、横はたった数キロ。だから道の向こうは晴れていて、こちらだけが土砂降りになる。空には、そんな細長い柱が立っている。

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夕立をつくる雲は積乱雲で、高さが10キロをこえることもあります。ところが横の広がりは数キロしかないことが多く、だから「うちの前は土砂降りなのに、駅の向こうは晴れている」ということが起きます。積乱雲は1つあたり30分から1時間ほどで一生を終えるので、夕立は激しくても短いのです。同じ積乱雲から、雷や、ときにはひょうも降ります。だから夕立の合図は、遠くの雷の音や、急に吹きはじめる冷たい風です。この冷たい風は、雲の中で冷やされた空気が落ちてきたものです。風が変わったら、屋根のある建物へ入る時間です。

👤 これを調べた人の話
積乱雲の中を、飛行機で観測しに行く研究者がいます。中は激しく揺れ、氷の粒が飛び交う場所です。それでも中に入らないと分からないことがある。危険を管理しながら踏みこむ人たちが、予報を進めてきました。

知っていると、なにがうれしいか 空の様子から、これから降るかどうかを自分で読めます。洗たく物を取りこむ判断が早くなります。

きょうためせること 夏の午後、西の空に白い山のような雲が育っていないか見てみよう。育っているなら、その下ではもう降っているかもしれません。急に涼しい風が吹いたら、雨が近い合図です。

7月3日いきもの

セミは、土の中で何年すごすの?

土の中で 数年地上は 数週間1週間で 死ぬ は まちがい

どっちだと思う? 土の中で 数年 すごし 地上は 数週間 / 土の中で 数週間 すごし 地上で 数年 生きる

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種類によってちがいますが、数年から長いものでは10年近くを土の中で暮らします。土の中では木の根から出る汁を吸って、少しずつ大きくなります。そして最後の夏に地上へ出て、羽化して成虫になります。地上で鳴いている期間は数週間ほどです。人生の大部分を、暗い土の中ですごしている生きものなのです。

びっくり大事実! セミが1週間で死ぬというのは、正しくない。1か月ほど生きた記録がある。短いと思われてきただけで、だれもちゃんと見ていなかった。

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「セミは1週間で死ぬ」とよく言われますが、これは正しくありません。飼育や観察の記録では、1か月ほど生きる例が報告されています。短いと思われてきたのは、弱った個体が見つかりやすいことや、観察が難しいことが理由だと考えられます。もう1つ。セミの抜けがらは、その場所にどんな種類がいるかを教えてくれます。抜けがらは形も大きさもちがい、しかも壊れずに長く残ります。生きものを捕まえなくても、抜けがらを集めるだけで、その公園の生きものの記録が作れます。自由研究にちょうどよい理由が、ここにあります。

👤 これを調べた人の話
高校生が、セミに小さな印をつけて放し、何日後に見つかるかを調べました。その記録が「1週間説」を書きかえるきっかけの一つになりました。年齢に関係なく、ちゃんと数えた人の勝ちです。

知っていると、なにがうれしいか 言い伝えを、自分で確かめていいと分かります。抜けがらが、ただのゴミから記録に変わります。

きょうためせること 公園の木の低いところで、抜けがらを探して集めてみよう。大きさと、体のもようをくらべます。同じ木でも2種類以上いることがあります。集めた場所と日づけをメモすると、記録になります。

7月4日ちきゅう

砂浜は熱いのに、海の水が冷たいのはなぜ?

すぐ 熱いなかなか上がらない同じ 光を 受けて いるのに

どっちだと思う? 海の水は 深いところから 冷たい水が わいてくる / 水は あたたまりにくく 冷めにくい 性質を もっている

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水はあたたまりにくく、冷めにくいからです。同じだけ太陽の光を受けても、砂は少しの熱ですぐ温度が上がり、水は同じ熱ではなかなか上がりません。水は、温度を1度上げるのに必要な熱が、砂よりずっと大きいのです。しかも海は深く、波でかき混ぜられるので、受けた熱が下のほうへ広がっていきます。

びっくり大事実! 足が熱くて砂浜を走ってしまうのは、砂がすぐ熱くなるから。同じ太陽の光を浴びているのに、水と砂で温度がまるでちがう。海は、地球の温度を落ち着かせている巨大な装置でもある。

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この性質は、日本の気候そのものを決めています。海に囲まれた場所は、夏に暑くなりすぎず、冬に寒くなりすぎません。内陸は逆に、夏は暑く冬は寒くなります。同じ緯度でも、海のそばかどうかで暮らし方が変わるのは、水のこの性質のせいです。もっと大きく見ると、地球全体の温度が急に変わらないのも、表面の7割が海だからです。海は、地球の温度を落ち着かせる巨大な仕組みとしてはたらいています。砂浜で足が熱いと感じたその瞬間に、水と砂のちがいを体で確かめていることになります。

👤 これを調べた人の話
海の温度を測る人たちは、世界中の海に自動で沈んでは浮かぶ観測機を何千台も浮かべています。だれも見ていない真夜中の海でも、機械が測り続けている。そのデータが、地球の変化を映しています。

知っていると、なにがうれしいか 暑さや寒さの理由が、地図の上で読めるようになります。海のそばと内陸のちがいが分かります。

きょうためせること 晴れた日、日なたの地面と日かげの地面を、手のひらでそっとさわりくらべてみよう。やけどしそうなほど熱いときはさわらないこと。水を入れたペットボトルと空のペットボトルを日なたに置いて、30分後にさわりくらべるのも同じ実験になります。

7月5日うちゅう

天の川は、なにが集まっているの?

ここに 地球円ばんを 内側から 横に 見た 姿白い もやの 正体は 星の あつまり

どっちだと思う? 空に かかっている 白い雲の 一種 / ものすごく たくさんの 星が 重なって 見えている

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星です。ものすごくたくさんの星が集まって、帯のように見えています。私たちのいる銀河系は、円盤のような形をしています。その円盤の中に地球があるので、円盤を横から見る方向は星がずらりと重なり、逆に円盤の上下の方向には星が少ない。だから空の一部だけが白くけむって見えるのです。天の川は、自分がいる銀河を、内側から横向きに見た姿です。

びっくり大事実! 天の川は、外から見た景色ではない。自分がその中に住んでいる銀河を、内側から横向きにのぞいている姿である。私たちは、あの帯の中にいる。

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望遠鏡で天の川を見ると、白いもやが1つ1つの星に分かれていきます。これを最初に確かめたのはガリレオでした。もやではなく星の集まりだと分かった瞬間、宇宙の大きさの見え方が変わりました。ただし、いまは日本の多くの町で天の川が見えません。街の明かりが空を明るくしてしまうからです。これを光害といいます。同じ夜空を見ているのに、見えるものが場所によってまったくちがう。天の川が見える場所は、日本にもまだたくさんあります。旅行のとき、宿の外で空を見上げてみる価値があります。

👤 これを調べた人の話
ガリレオは、望遠鏡を空に向けて、白いもやが星の粒に分かれるのを見ました。だれもがただの雲だと思っていたものを、道具を1つ向けただけで別のものに変えた。見方を変えるのではなく、見る道具を変えたのです。

知っていると、なにがうれしいか 夜空の白い帯が、自分の住所に見えてきます。星を見に行く理由が増えます。

きょうためせること 暗い場所へ行けたら、目を10分ほど暗さに慣らしてから空を見上げよう。すぐには見えなくても、時間がたつと見えてくることがあります。スマホの画面を見ると目がリセットされてしまうので、その間は見ないこと。

7月6日からだ

熱中症になると、体の中で何が起きているの?

ふだん熱を 外へ 出せる熱中しょう出せずに たまる暑さ指数 28を こえたら 見直す大人が 平気でも 子どもは 地面に 近い

どっちだと思う? 体を 冷やす 仕組みが 追いつかなく なっている / 体が 熱を 作りすぎて しまっている

こたえを見る

体温を下げる仕組みが追いつかなくなっています。人は、あせをかいて蒸発させることで体を冷やしています。暑さが強すぎたり、湿度が高くてあせが蒸発できなかったり、水分が足りずにあせが作れなくなったりすると、熱が体にたまり続けます。すると頭が痛くなったり、力が入らなくなったり、ひどいときは意識がはっきりしなくなります。

びっくり大事実! 同じ場所に立っていても、大人と子どもが受けている暑さは同じではない。子どもは地面に近く、夏の地面は気温よりずっと熱い。「大人が平気」は、子どもの平気ではない。

もっとくわしく

気をつけたいのは、暑さ指数(WBGT)という数字です。環境省が出しているこの数字は28をこえるあたりから、熱中症で運ばれる人が急に増えます。気温ではなく、湿度の影響が大きく効いた数字です。もう1つ。子どもは大人より地面に近いところにいます。夏の地面は、気温よりずっと熱くなります。同じ場所に立っていても、大人が感じている暑さと子どもが受けている暑さは、同じではありません。だから「大人が平気だから子どもも平気」とはなりません。あやしいと思ったら、すずしい場所へ移り、水と塩分をとり、体を冷やす。この順番です。

👤 これを調べた人の話
暑さ指数を作った人たちは、気温だけを見ていては人が倒れる理由を説明できないと気づきました。ものさしを作り直すことは、答えを出すより前に必要な仕事でした。

知っていると、なにがうれしいか がまんではなく、数字で決められるようになります。家族に伝えられる知識です。

きょうためせること 外に出る前に、環境省の暑さ指数を見てみよう。28をこえていたら、運動の予定を見直す日です。数字を先に見る習慣をつけると、がまんくらべにならずにすみます。

7月7日もの

紙に書いた字は、ぬれるとなぜにじむの?

水に つける色が 分かれる1色に 見えた インクが じつは まぜもの

どっちだと思う? 水が 繊維の すきまを 伝って 広がるから / 水で 紙の 表面が とけて しまうから

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紙が水を吸うからです。紙は細い繊維がからみ合ってできていて、繊維と繊維のあいだにすきまがあります。水がこのすきまに入ると、毛細管現象という力で、すきまを伝って外へ外へと広がっていきます。インクの色のもとが水にとける種類だと、水といっしょに運ばれて、字の形が広がります。これがにじみです。

びっくり大事実! 黒く見えるペンのインクが、水の上ではいくつもの色に分かれることがある。1色だと思っていたものが、じつは何色も混ぜて作られていた。にじみは、その混ぜものを見せてくれる。

もっとくわしく

だから、にじむかどうかは紙とインクの組み合わせで決まります。水にとけない色のもとを使ったペンなら、水がしみても色は動きにくく、にじみません。習字の墨も、粒が水にとけずに紙にひっかかるので、乾いたあとは水に強くなります。逆に、和紙のようにすきまの多い紙は、あえてにじませて味を出す使い方もあります。にじみは欠点ではなく、道具の性質です。7月7日にたんざくを外に飾るなら、ぬれても消えにくいペンを選ぶだけで、願いごとが最後まで読めます。

👤 これを調べた人の話
色を分ける方法を考えた研究者は、はじめ植物の色素を分けるためにこれを使いました。いまでは薬の検査から食品の安全確認まで、同じ原理が使われています。紙とインクの遊びに見えるものが、社会を支える技術になりました。

知っていると、なにがうれしいか にじみが失敗ではなく道具の性質だと分かります。ペンの選び方が変わります。

きょうためせること コーヒーフィルターやティッシュに、水性ペンで点を1つ打ち、その少し下を水にひたしてみよう。色が上へのぼりながら、いくつかの色に分かれていくことがあります。1色に見えたインクが、じつは混ざりものだった証拠です。

7月8日デジタル

動画は、なぜとちゅうで画質が変わるの?

通信が はやい 細かい版おそい 粗い版止まるより 粗いほうを えらぶこわれたのでは なく 判断の 結果

どっちだと思う? 回線が こわれかけて いるから / 止まるより 粗いほうが よいと 判断して いるから

こたえを見る

送る側が、いまの通信の速さに合わせて画質を選び直しているからです。動画は、同じ場面を画質のちがう何種類かで用意してあります。通信が速いときは細かい版を、遅くなったら粗い版を送ります。止まってしまうくらいなら、画質を落として続ける。そういう判断を、見ているあいだ何度もしています。

びっくり大事実! 動画がぼやけたのは、こわれたからではない。「止まるくらいなら粗くしよう」と、その場で決められた結果である。あの一瞬に、機械が優先順位を選んでいる。

もっとくわしく

なぜ止まるより粗いほうがよいのでしょうか。人は、少しくらい画質が落ちても内容を追えますが、止まると話が切れてしまうからです。だから設計の順番は、まず途切れないこと、次に画質、となっています。動画は数秒ずつの細かい部品に分けて送られていて、部品ごとに画質を選べるようになっています。ここでも、あちらを立てればこちらが立たないという関係が出てきます。速さと画質は同時には取れないので、どちらを優先するかを決めておく。オンラインで声が遅れる理由と、根っこは同じ考え方です。

👤 これを調べた人の話
この仕組みを作った人たちは、完璧な画質をあきらめました。かわりに、どんな回線でも最後まで見られることを選んだ。何を捨てるかを決めるのも、設計という仕事です。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか うまくいかないときに、機械のせいにも自分のせいにもしなくてよくなります。設定で直せる場面が分かります。

きょうためせること 動画の設定を開いて、画質を自分で選べる項目を探してみよう。自動になっているはずです。手で低い画質にしてみると、読みこみが速くなるのが分かります。使い終わったら自動に戻しておきます。

7月9日てんき

入道雲は、どこまで高くなるの?

ここで 天井に ぶつかる上が平ら10キロ以上

どっちだと思う? どこまでも 上へ のびていく / ある高さで 天井に ぶつかり 横に 広がる

こたえを見る

高いものでは10キロ以上、つまり富士山の3倍近くまでのびます。入道雲は積乱雲のことです。あたたかい空気が上へのぼりながら雲を作り、勢いが強いとぐんぐん高くなります。ただし、いくらでも上へ行けるわけではありません。ある高さで、上の空気のほうがあたたかい層にぶつかり、それ以上のぼれなくなります。そこで雲は横に広がり、上が平らな形になります。

びっくり大事実! 入道雲の上が平らになっていたら、それは雲が天井にぶつかった証拠。もうこれ以上のぼれないから、横へ広がっている。あの形は、雲がいちばん激しい状態の看板でもある。

もっとくわしく

この平らに広がった形をかなとこ雲といいます。かなとこは、鍛冶屋が金属をたたく台のことで、上が平たい形をしています。かなとこ雲ができているということは、雲がもう天井にぶつかっているということで、いちばん激しい状態です。この段階の雲の下では、強い雨、雷、ひょう、突風のどれが起きてもおかしくありません。空を見て「上が平らに横へ流れている」と分かったら、それはただの大きな雲ではなく、危険の合図です。名前を知っていると、形が意味を持ちはじめます。

👤 これを調べた人の話
雲に名前をつけて分類する仕組みは、200年ほど前に作られました。名前がついたことで、世界中の人が同じ雲について話せるようになった。分けて名前をつけることは、それ自体が発見です。

知っていると、なにがうれしいか 空の形が、ただの景色から情報に変わります。危ないかどうかを自分で見分けられます。

きょうためせること 夏の午後、遠くの入道雲の上を見てみよう。もくもくと丸いままなら成長中、上が平らに横へ流れていたら最盛期です。写真をとって日づけを書いておくと、形の変化の記録になります。

7月10日いきもの

カブトムシは、なぜ夜に動くの?

角は 持ち上げて 押しのける順番待ち夜の 樹液の 木は 町で いちばん にぎやか

どっちだと思う? 夜のほうが 生き残りやすい から / 暗いほうが 目が よく 見えるから

こたえを見る

昼に動くと危ないからです。明るいうちは鳥に見つかりやすく、暑さで体の水分も失われやすい。夜なら、天敵が減り、気温も下がります。カブトムシは夜のあいだに木の樹液を食べ、朝には落ち葉の下や土にもぐって、じっとしています。夜行性というのは、夜が好きなのではなく、夜のほうが生き残りやすいという結果です。

びっくり大事実! カブトムシの角は、相手を刺すためではなく、持ち上げて押しのけるための形をしている。同じ樹液の場所をめぐる争いに、けがをさせない道具が育った。

もっとくわしく

樹液が出るのは、木が虫にかじられたり傷ついたりした場所です。その1か所に、カブトムシもクワガタもチョウもスズメバチも集まります。同じ食べ物をめぐって順番待ちが起きるので、体が大きく力の強い個体が良い場所を取ります。角は、この場所争いに使われます。だから角は戦うためだけでなく、けがをさせずに相手を持ち上げて押しのける形にもなっています。夜の木の前は、静かに見えて、じつは町のいちばんにぎやかな場所です。

👤 これを調べた人の話
樹液の出る木の前に、夜どおしすわって記録を取り続けた研究者がいます。何が何時に来て、何分いたか。ただ数えるだけの作業から、虫たちの順番のルールが見えてきました。

知っていると、なにがうれしいか 虫とりが、つかまえる遊びから観察に変わります。何時に行けばよいかも分かります。

きょうためせること 夕方、樹液が出ている木を見つけたら、場所を覚えておこう。翌朝もう一度行くと、だれが来ていたかの痕跡が残っています。夜に見に行くときは必ず大人といっしょに、懐中電灯は下に向けて。スズメバチがいたら近づかないこと。

7月11日ちきゅう

潮の満ち引きは、なぜ起きるの?

地球こちらもふくらむ両側が ふくらむ から 1日に 2回

どっちだと思う? 風が 海の水を 片方へ 寄せている / 月が 海の水を 引っぱって いる

こたえを見る

おもに月が海の水を引っぱっているからです。月に近い側の海水は月に引かれてふくらみ、反対側も地球が引かれて取り残される形でふくらみます。だから海面の高い場所が地球の両側にでき、地球が1日で1回転する間に、その2つのふくらみを通りすぎることになります。だから満潮と干潮は、1日におよそ2回ずつ来ます。

びっくり大事実! 月に引かれてふくらむのは、月の側だけではない。反対側も同時にふくらんでいる。だから満潮は1日に1回ではなく、およそ2回来る。

もっとくわしく

太陽も同じように海を引っぱっていますが、遠いので月ほど強くありません。月と太陽が同じ方向、または正反対に並ぶと引く力が重なり、満ち引きの差が大きくなります。これが大潮で、新月と満月のころに起こります。逆に月と太陽が直角の位置にあると差が小さくなり、小潮になります。つまり、海の水位を見れば月の形が分かる。空を見なくても、海が月のカレンダーになっているのです。海で遊ぶときは、この差が命に関わります。潮が満ちてくると、さっきまで歩けた岩場が海になります。

👤 これを調べた人の話
潮の高さを何十年も同じ場所で測り続けている観測所があります。その長い記録があるから、海面がじわじわ上がっていることに気づけました。毎日同じことを記録する仕事が、地球の変化を見つけます。

知っていると、なにがうれしいか 海の時間割が読めるようになります。磯遊びの安全にも直結します。

きょうためせること 海に行く前に、その日の満潮と干潮の時刻を調べてみよう。気象庁のページで地点ごとに出ています。潮が引く時間に磯を見ると、ふだん見られない生きものがいます。必ず大人といっしょに、満ちてくる時刻の前に上がること。

7月12日うちゅう

太陽の光は、地球に届くまでどのくらいかかるの?

8分20びょう太陽地球見えているのは 8分前の 太陽

どっちだと思う? 光は 速いので ほとんど 同時に とどく / 8分あまり かかる ので 見えているのは 8分前の 太陽

こたえを見る

およそ8分20秒です。光は1秒でおよそ30万キロ進みますが、太陽までは1億5000万キロほど離れているので、それでも8分以上かかります。つまり、いま見えている太陽は8分前の太陽です。もし太陽が急に消えたとしても、私たちがそれに気づくのは8分後ということになります。

びっくり大事実! いま見えている太陽は、8分前の太陽である。もし太陽が消えたとしても、私たちが気づくのは8分後。空を見るということは、いつも過去を見るということ。

もっとくわしく

もっとおどろく話があります。太陽の中心で生まれたエネルギーが、太陽の表面まで出てくるのに、とても長い時間がかかると考えられています。中身がぎっしり詰まっていて、光がまっすぐ進めず、あちこちにぶつかりながら少しずつ外へ向かうからです。だから、いま顔にあたっている光のもとになったエネルギーは、はるか昔に太陽の中心で作られたものかもしれません。宇宙を見るということは、いつも過去を見ることです。近い星なら数年前、遠い銀河なら何億年前。夜空は、いろいろな時代がいっしょに並んだ絵になっています。

👤 これを調べた人の話
光の速さをはじめて測ろうとした人たちは、離れた丘の上でランプを合図に使いました。速すぎて測れませんでした。それでも「測ろう」と決めたことが最初の一歩で、のちに木星の衛星の観測から答えが出ました。

知っていると、なにがうれしいか 夜空が「いろいろな時代が並んだ絵」に見えてきます。宇宙の大きさが、時間として実感できます。

きょうためせること 時計を見ながら、外に出て日なたに立ってみよう。いま感じている光は、8分ちょっと前に太陽を出たものです。8分前に何をしていたかを思い出すと、その距離の長さが少し実感できます。太陽を直接見てはいけません。

7月13日からだ

プールのあと、目が赤くなるのはなぜ?

なみだの まくまくが 流されて 赤くなるゴーグルで まくを 守る

どっちだと思う? 塩素が 強すぎて 目を いためている / 目を 守っている 涙の 膜が 流されて いる

こたえを見る

消毒に使う塩素そのものより、水と目の相性が原因の部分が大きいと考えられています。目の表面は、涙のうすい膜で守られています。プールの水に長くふれると、この膜が流されて表面がむき出しになり、しみたり赤くなったりします。塩素は水をきれいに保つために必要なもので、なければ別の危険が増えます。

びっくり大事実! プールのあのにおいは、塩素が多いからではない。汗やよごれと塩素が反応してできた別のもののにおい。においが強い日は、薬が濃いのではなく、よごれが多い日である。

もっとくわしく

だから対策は「塩素をなくす」ではなく「目の膜を守る」です。ゴーグルをつけるのが、いちばん確実です。プールから上がったあと、水道水で目を強くあらうのはすすめられません。水道水も涙とは成分がちがうので、かえって表面を傷めることがあります。目をこするのも、表面に細かい傷をつけるのでよくありません。もう1つ。プールの水がにおうのは、塩素が多すぎるからだと思われがちですが、汗やよごれと塩素が反応してできた別の物質のにおいであることが知られています。においが強いのは、むしろよごれが多い合図です。

👤 これを調べた人の話
プールの水質を毎日はかっている人がいます。数字が基準から外れたら、その日は泳がせません。だれにも気づかれない検査が、何千人分の安全を作っています。

知っていると、なにがうれしいか 「がまんする」以外の手が見つかります。ゴーグルをつける理由がはっきりします。

きょうためせること 泳いだあと、目のかわきや赤みがどのくらいで治まるか、時間をはかってみよう。ゴーグルをつけた日とつけなかった日でくらべると、差がはっきり出ます。目が痛いときは無理をせず、大人に伝えること。

7月14日もの

日やけ止めは、どうやって日光をふせいでいるの?

うすい 層で はね返す か 吸いこむうすく ぬれば 守る 力も 落ちる

どっちだと思う? 肌の 表面に うすい層を 作って ふせいでいる / 肌の 中に しみこんで 内側から 守っている

こたえを見る

やり方は大きく2つあります。1つは、肌の上で光をはね返したり散らしたりする方法。もう1つは、光を吸いこんで、肌に届く前に別のエネルギーに変えてしまう方法です。多くの製品は、この2つを組み合わせています。どちらも、肌の表面にうすい層を作ることではたらくので、その層がなくなれば効果もなくなります。

びっくり大事実! 日やけ止めの強さの数字は、決められた量をきちんと塗ったときの値。うすく塗れば、同じ製品でも守る力は落ちる。数字は約束ではなく、条件つきの記録である。

もっとくわしく

だから、塗る量と塗り直しが決定的に大事です。同じ製品でも、うすく塗れば守る力は落ちます。汗をかいたりタオルでふいたりすると、層がはがれます。パッケージに書かれている強さの数字は、決められた量をきちんと塗った条件での値です。ここで気をつけたいのは、日やけ止めは「日ざしを浴びてよい時間を延ばす道具」ではないということです。いちばん効くのは、そもそも強い時間帯に長く外にいないこと、帽子や服で光をさえぎることです。日やけ止めは最後の一枚であって、一枚目ではありません。

👤 これを調べた人の話
紫外線の量を毎日測っている観測所があります。オゾン層の変化と紫外線の関係が分かったのも、長く測り続けた記録があったからです。空の見えない部分を数字にする仕事が、肌を守っています。

知っていると、なにがうれしいか 塗る量と塗り直しに意味があると分かります。同じ製品で、結果が変わります。

きょうためせること 腕の一部にだけ日やけ止めを塗って、半日すごしたあと、塗った所と塗らなかった所をくらべてみよう。差が出たら、それが効いている証拠です。目や口に入らないよう気をつけて、赤くなったら日かげへ入ること。

7月15日デジタル

イヤホンは、どうやってまわりの音を消しているの?

まわりの 音ぎゃくの 形の 音打ち消し合う静けさが 音で できている

どっちだと思う? 音を 通さない ふたを して いる / 逆の形の 音を 出して 打ち消して いる

こたえを見る

音を消すのではなく、消すための音をぶつけています。イヤホンについた小さなマイクが、まわりの音を拾います。そして、その音とちょうど逆の形をした波を作り、同時に鳴らします。山と谷が重なると打ち消し合うので、耳に届く音が小さくなります。静かにしているのではなく、必死に音を出して静かにしているのです。

びっくり大事実! 静かなイヤホンは、じつは必死に音を出している。まわりの音とちょうど逆の形をした音を鳴らして、打ち消している。静けさが、音でできている。

もっとくわしく

この方法は、低く長い音に強く、高く短い音には弱いという性質があります。飛行機や電車のゴーという音はよく消えるのに、人の話し声や食器の音は残りやすいのはこのためです。逆の波を作るには、元の音を測って計算して鳴らすまでの時間が必要で、変化の速い音には間に合わないのです。ここでも大事なことが出てきます。まわりの音が消えるということは、車の音や人の呼びかけも聞こえにくくなるということです。外を歩くときは、消す機能を切るか、まわりの音を通す設定にする。便利な機能ほど、どこで使うかを自分で決める必要があります。

👤 これを調べた人の話
この考え方は、まず飛行機の操縦席の騒音を減らすために研究されました。長時間の大きな音が人の集中を奪うと分かっていたからです。快適さのためではなく、安全のために生まれた技術でした。

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知っていると、なにがうれしいか 音の正体が波だと実感できます。どこで使ってよいかを自分で判断できます。

きょうためせること 消す機能を入れたときと切ったときで、聞こえる音がどう変わるかを聞きくらべてみよう。エアコンの音は消えるのに、人の声は残ることに気づくはずです。屋外では試さないこと。

7月16日てんき

ニュースで言う気温は、どこではかっているの?

1.5メートル日かげ 風通し日なたの地面では ない芝生の 上で はかる と 決まっている

どっちだと思う? 日なたの 地面の 温度を はかっている / 日かげの 地面から 1.5メートルの 空気を はかっている

こたえを見る

地面から1.5メートルの高さの空気を、風通しのよい場所ではかっています。温度計は通風筒という筒の中に入れられ、直射日光が当たらないようにしてあります。しかも筒の中はファンで常に空気を入れかえています。置く場所も決まっていて、芝生を植えた露場という区画に置き、まわりの建物や木からじゅうぶんに離します。

びっくり大事実! 「今日は35度」の35度は、日かげの、風の通る、地面から1.5メートルの空気の温度。あなたが立っている校庭の地面の温度ではない。体感とずれるのは、体のせいではない。

もっとくわしく

つまり気温とは、日かげの、風の通る、地面から1.5メートルの空気の温度です。ここが大事です。同じ日の同じ町でも、アスファルトの上や日なたの地面は、はるかに高い温度になります。「今日は35度」と聞いたときの35度は、公園の日かげの空気であって、あなたが立っている校庭の地面ではありません。だから体感と数字がずれるのは当然です。ずれているのは体ではなく、測っている場所がちがうだけです。世界中で同じ決まりで測るからこそ、去年と今年、東京とロンドンを比べられます。比べられるようにするための約束が、あの数字の正体です。

👤 これを調べた人の話
世界中の気象台が、同じ高さ、同じ形の筒、同じような芝生の上で測っています。国も言葉もちがう人たちが、比べられるようにするために同じ約束を守り続けている。地味ですが、これがなければ気候の変化は分かりませんでした。

知っていると、なにがうれしいか 天気予報の数字の意味が正確に分かります。暑さ対策をどこで考えるべきかも見えます。

きょうためせること 日なたの地面のすぐ上と、日かげの地面から1.5メートルの高さで、温度計を同じ時間だけ置いてくらべてみよう。同じ場所とは思えない差が出ます。温度計は直射日光に当てないように紙などでかげを作ります。

7月17日いきもの

ヒマワリは、本当に太陽を追いかけるの?

つぼみは 追いかける咲いたら 東で 止まる朝日で あたたまった 花に 虫が 来る

どっちだと思う? 咲いた あとも ずっと 太陽を 追いかける / つぼみの ころまでで 咲いたら 東を 向いて 止まる

こたえを見る

追いかけるのは、つぼみのころまでです。若いヒマワリは、朝は東を向き、日中に太陽を追って西へ動き、夜のあいだに東へ戻ります。ところが花が咲いてしまうと、この動きは止まり、多くはずっと東を向いたまま固定されます。だから、満開のヒマワリ畑がみんな同じ方向を向いているのに、動いていないのです。

びっくり大事実! 満開のヒマワリ畑が同じ方向を向いているのは、みんなで太陽を見ているからではない。咲いた瞬間に東を向いて止まったから。理由は、朝日であたたまった花に虫がよく来るからだと考えられている。

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なぜ動くのをやめて、しかも東を向くのでしょうか。研究では、東を向いた花は朝日で早くあたたまり、あたたかい花には虫がよく来ることが示されています。つまり、太陽を追うのは体を大きくするため、東で止まるのは種を残すため。目的が変わったから、行動が変わったのです。動きのもとは、茎の東側と西側で成長の速さがちがうことにあります。昼は西側がのび、夜は東側がのびる。首を回しているのではなく、片側だけ余分に育つことで向きが変わっています。

👤 これを調べた人の話
畑のヒマワリの向きを、朝から晩まで何日も記録した研究者がいます。ただ向きを書き続けただけの記録が、「なぜ東で止まるのか」という問いを生みました。数えることが、問いを作ります。

知っていると、なにがうれしいか 見なれた花に、まだ分かっていないことがあると気づけます。写真のとり方が変わります。

きょうためせること ヒマワリを見つけたら、朝と夕方の2回、どちらを向いているか写真をとってみよう。花が咲く前の株なら向きが変わり、咲いた株は変わりません。畑には入らず、道から見ること。

7月18日ちきゅう

海の波は、どこから来るの?

うかんだ ものは 前へ 進まない進むのは 形と エネルギーだけ水の つぶは その場で 円を えがく

どっちだと思う? 水が 遠くから 押し寄せて きている / 形と エネルギーだけが 伝わり 水は その場で 回っている

こたえを見る

ほとんどは風が作っています。海面の上を風が吹くと、水面がわずかに波立ち、その凹凸を風がさらに押して大きくなります。風が強いほど、長い時間吹くほど、そして風が吹く海の距離が長いほど、波は大きく育ちます。だから遠くの海で吹いた風の結果が、静かな日の浜辺にも届きます。

びっくり大事実! 波が来ても、水は前へ進んでいない。水の粒はその場で円を描いているだけで、旅をしているのは形とエネルギーだけ。海は動いて見えて、ほとんど動いていない。

もっとくわしく

ここでおどろくのは、波が進んでも、水そのものはほとんど前へ進んでいないことです。水の粒はその場でぐるぐる円を描いているだけで、前へ運ばれているのは形とエネルギーです。だから海に浮いた浮き輪は、波が来ても遠くへ運ばれず、その場で上下します。遠くの台風が作った波は、うねりとなって何百キロも旅をし、天気のよい日の海岸に高い波をもたらすことがあります。晴れているのに波が高い日があるのは、このためです。海のようすは、その場の空だけでは決まりません。

👤 これを調べた人の話
波の高さを沖に浮かべた観測機で測り続けている人たちがいます。晴れた日に急に高い波が来る理由が分かったのも、遠くの海と手元の海を同時に見られるようになったからです。

知っていると、なにがうれしいか 晴れているのに波が高い日の意味が分かります。海に入る前に確認する項目が1つ増えます。

きょうためせること 洗面器に水を張って、はしから息をそっと吹きかけてみよう。水面に小さな波ができます。強く長く吹くほど波が大きくなること、そして浮かべた紙きれが前へ進まずその場で上下することを確かめられます。

7月19日うちゅう

月まで行くのに、どのくらいかかるの?

地球月 38万キロ片道 3日むずかしいのは 行くことより 止まること

どっちだと思う? まっすぐ 進んで 半日ほどで つく / 地球を まわって 速さを 整え 片道 3日ほど かかる

こたえを見る

人を乗せて行った過去の計画では、片道でおよそ3日かかりました。月までの距離は平均でおよそ38万キロです。これは地球を9周以上する長さにあたります。地上の乗り物とは比べものにならない速さで飛んでも、3日かかる。宇宙の中では月はいちばん近いご近所なのに、それでもこれだけの距離があります。

びっくり大事実! 月へ行くときは、月に向かってまっすぐ飛ばない。放り投げた石が落ちる先に、ちょうど月が来るように計算して投げる。むずかしいのは、行くことより止まること。

もっとくわしく

おもしろいのは、まっすぐ突き進むわけではないことです。ロケットは打ち上げのあと地球のまわりを回りながら速さを整え、そこから月へ向かう軌道に乗ります。ぶつけるのではなく、放り投げた石が落ちていく先に月が来るように計算する。到着したあとは、月の重力につかまるように速さを落とします。行きよりむずかしいのは、この「止まり方」のほうです。しかも通信にも時間がかかります。地球と月のあいだは光でおよそ1.3秒。会話をすると、返事が返るまでに2秒以上かかります。すぐそこに見える月でも、話しかけると間が空くのです。

👤 これを調べた人の話
月へ人を送るとき、いちばん心配されたのは行き方ではなく帰り方でした。帰るためのエンジンが1回でも動かなければ戻れません。だから、動かなかったときにどうするかまで先に決めてから出発しました。

知っていると、なにがうれしいか 宇宙の距離が、数字ではなく実感になります。「近い」の意味が変わります。

きょうためせること 地球儀があったら、地球の直径のおよそ30倍の長さを紙テープでとって、月までの距離の模型を作ってみよう。思っていたより、ずっと遠いはずです。教科書の絵では、たいてい近すぎに描かれています。

7月20日からだ

あせをかいたら、水だけ飲めばいいの?

かるい あせ水や お茶で よい大量の あせ塩分も 必要かわく前に 時間を 決めて 飲む

どっちだと思う? 水を たくさん 飲めば それで よい / 大量に 汗を かいたときは 塩分も 必要

こたえを見る

たくさん汗をかいたときは、水だけでは足りません。汗には水だけでなく塩分もふくまれています。汗で塩分が出ていったのに水だけを大量に飲むと、体の中の塩分の濃さがうすくなり、かえって具合が悪くなることがあります。だから、大量に汗をかく場面では、水分と一緒に塩分もとる必要があります。

びっくり大事実! のどがかわいたと感じたときには、体の水分はもう減りはじめている。かわきは「これから足りなくなる」の予告ではなく、「もう足りていない」の報告である。

もっとくわしく

逆に、日常の生活で軽く汗ばむ程度なら、水やお茶で十分です。塩分をとりすぎるのも体によくないので、いつでもスポーツドリンクという話ではありません。分かれ目は、汗の量です。長時間の運動、炎天下の作業、大量に汗をかいたときは塩分も。ふだんは水やお茶で。もう1つ大事なのは、のどがかわいてから飲むのでは遅いということです。のどのかわきは、すでに体の水分が減りはじめてから出る合図です。だから時間を決めて先に飲む。がまんしないことが、いちばんの対策になります。

👤 これを調べた人の話
暑い場所で働く人たちの現場では、飲む時間を時計で決めています。個人のがまん強さに任せない仕組みにしたことで、倒れる人が減りました。根性ではなく設計で守る、という考え方です。

知っていると、なにがうれしいか 飲むタイミングを自分で決められるようになります。がまんくらべをやめられます。

きょうためせること 運動する日、水を飲んだ時刻をメモしてみよう。のどがかわいてから飲んでいたなら、次からは20分ごとなど時間を決めて先に飲む。体調のちがいを自分で確かめられます。

7月21日もの

浮き輪は、なぜ浮くの?

おしのけた 水の 重さぶん上へ 持ち上げられる人の 体も ぎりぎり 浮く 重さ

どっちだと思う? 中の 空気が 上へ 上がろうと するから / 押しのけた 水の 重さの ぶんだけ 上へ 持ち上げられるから

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押しのけた水の重さのぶんだけ、上へ持ち上げる力が生まれるからです。物を水に入れると、その物の体積のぶんの水がどけられます。どけられた水の重さと同じ大きさの力が、上向きにはたらきます。浮き輪の中身はほとんど空気なので、とても軽いのに大きな体積を持っています。だから軽さに対して、持ち上げる力がとても大きくなります。

びっくり大事実! 人の体は、水にぎりぎり浮くくらいの重さでできている。だから息を吸えば浮き、吐けば沈む。泳げるかどうかより、肺に空気を残せるかどうかが分かれ目になる。

もっとくわしく

人の体も、実は水にぎりぎり浮くくらいの重さです。肺に空気を入れると体積が増えるので浮きやすくなり、息を吐くと沈みやすくなります。だから、あわてて息を吐きながらもがくと沈みます。水の事故のときに「浮いて待て」と言われるのは、体の力を抜いて、あおむけになり、肺に空気を残して大の字になると浮けるからです。上着やペットボトルも、空気を抱えこむものは浮き具になります。泳ぎが得意かどうかではなく、浮き方を知っているかどうかが命を分けます。

👤 これを調べた人の話
「浮いて待て」を広めた人たちは、泳ぎを教えるより先に、浮くことを教えたほうが助かる人が増えると気づきました。強くなることではなく、あわてないことを教える。発想の転換が命を救っています。

知っていると、なにがうれしいか 水の中で何が起きているか分かると、こわさが減ります。いざというときの手が1つ増えます。

きょうためせること おふろで、息をいっぱい吸ったときと吐いたときで、体の浮き方がどう変わるか感じてみよう。肺が浮き袋の役目をしていることが体で分かります。深いところでは試さず、必ず大人がいるところで。

7月22日デジタル

文字を打つと、次の言葉が出てくるのはなぜ?

ありありがとうありがとうございますありましたよく えらんだ ものが 上に

どっちだと思う? 書きたい ことを 読みとって いる / 続きやすい 言葉を 数えて 順に 出している

こたえを見る

これまでにたくさんの文章を見て、「この文字のあとには、この言葉が続きやすい」という傾向を数えてあるからです。あなたが打った文字を手がかりに、続きそうな候補を確率の高い順に並べて出しています。さらに、あなた自身がよく選んだ言葉も覚えて、その人向けに並べ替えます。だから使うほど、自分の言い方が先に出てくるようになります。

びっくり大事実! 予測は、書くのを速くすると同時に、書き方をせまくもする。1番目を押すのがいちばん楽だから、本当は別の言い方をしたかったときも、出てきたほうを選んでしまう。

もっとくわしく

ここに、便利さと引きかえの話があります。よく使う言葉が上に出るということは、自分がよく使う言葉ばかりを選び続けやすくなるということです。候補の1番目を押すのが速いので、本当は別の言い方をしたかったのに、出てきたほうを選んでしまう。予測は、書くのを助けると同時に、書き方をせまくもします。もう1つ。予測の学習には、自分が打った言葉が使われます。人に見せない文章も含まれることがあるので、共有の端末では予測の履歴を消すかどうかを考える必要があります。便利な機能ほど、何を渡しているかを知っておくほうがよいのです。

👤 これを調べた人の話
日本語の入力を作った人たちは、同じ音でちがう漢字がある言語で、どうやって速く正しく書かせるかに何十年も取り組んできました。あたりまえに変換できることは、あたりまえではありません。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 自分の言葉を、機械にえらばせるか自分でえらぶかを選べます。書くことに自覚が生まれます。

きょうためせること 同じ2文字を打って、出てくる候補の順番を書き出してみよう。数日後にもう一度やると、順番が変わっていることがあります。自分が選んだ結果が反映されている証拠です。

7月23日てんき

1日でいちばん暑いのは、なぜ正午ではないの?

太陽の 高さ 正午気温 午後2時ごろいちばん 涼しいのは 日の出の 直前

どっちだと思う? 午後 1時から2時ごろ / 太陽が いちばん 高い 正午ごろ

こたえを見る

太陽がいちばん高いのは正午ごろですが、そのあとも地面は熱をもらい続けるからです。地面は、受け取る熱が出ていく熱より多いあいだ、温度が上がり続けます。そして地面が空気をあたためるので、気温はさらに遅れて上がります。この積み重ねで、いちばん暑いのは午後1時から2時ごろになります。

びっくり大事実! 1日でいちばん涼しいのは、真夜中ではなく日の出の直前。夜じゅう地面は熱を出し続けていて、太陽が顔を出す瞬間まで冷え続けている。

もっとくわしく

同じ理屈が、季節にもそのまま出てきます。太陽がいちばん高いのは6月の夏至ですが、いちばん暑いのは7月から8月です。海や地面があたたまるのに時間がかかるからです。1日でも1年でも、太陽のピークと暑さのピークはずれる。この「遅れ」は、身のまわりのいろいろな場所で見つかります。1日でいちばん涼しいのは、真夜中ではなく日の出の直前です。夜のあいだじゅう地面は熱を出し続けていて、太陽が出るまで冷え続けるからです。だから朝の散歩は、早ければ早いほど涼しいわけではありません。

👤 これを調べた人の話
気温を1日に何度も記録することは、100年以上前から続けられてきました。その積み重ねがあるから「いつがいちばん暑いか」を推測ではなく統計で言えます。毎日同じことをする人が、知識を作ります。

知っていると、なにがうれしいか 外に出る時間を選べるようになります。1日でも1年でも、同じ理屈が使えると気づけます。

きょうためせること 1日のうち、朝6時、正午、午後2時、午後4時の4回、同じ場所で気温をはかってメモしてみよう。数日続けると、いちばん高い時刻がだいたい決まっていることが分かります。

7月24日いきもの

蚊は、なぜ人を見つけられるの?

二酸化炭素体温 におい飛ぶ力は 弱い 風が あれば 近づけない

どっちだと思う? においや 二酸化炭素など いくつも 重ねて 見つける / 目だけで 人を さがしている

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1つの手がかりではなく、いくつも重ねて見つけています。まず遠くからは、人が吐く二酸化炭素に気づきます。近づくと、体温と、皮ふから出るにおいの成分をたどります。最後は目で、暗い色の動くものを見分けます。血を吸うのはめすだけで、卵を作るために必要だからです。ふだんは花の蜜などを食べています。

びっくり大事実! 蚊は飛ぶ力がとても弱い。だから扇風機の風があるだけで近づけない。たたくより、風を送るほうが先に効く。

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「刺されやすい人がいる」というのは、感覚ではなく実際に差があります。汗の量やにおいの成分、体温、そして吐く息の量。よく動いて息が上がっている人は、二酸化炭素をたくさん出すので見つかりやすくなります。運動したあとに刺されやすいのはこのためです。だから対策も、たたくことより先にできることがあります。汗をふく、風を送る(蚊は風に弱い)、明るい色の服を着る、足のうらをふく。蚊はとても小さな力で飛んでいるので、扇風機の風だけでも近づけません。世界で見ると、蚊は病気を運ぶことで最も多くの人の命に関わる生きものだと言われています。

👤 これを調べた人の話
蚊が運ぶ病気を減らすため、蚊のにおいの好みを何年も調べている研究者がいます。小さな虫の好みを知ることが、世界でいちばん多くの命を守る仕事になっている。研究の大きさは、対象の大きさでは決まりません。

知っていると、なにがうれしいか 刺されにくくする方法が、根性以外に見つかります。夕方の遊び方が変わります。

きょうためせること 夕方、扇風機の風の中と風のない場所で、刺される回数がちがうか試してみよう。風のある場所では近づいてこないことに気づくはずです。刺されたらかかずに冷やすこと。

7月25日ちきゅう

打ち水は、本当にすずしくなるの?

蒸発するとき熱を うばう朝や 夕方の日かげに まく真昼の 日なたは すぐ 消える

どっちだと思う? 冷たい水が 地面を 冷やして いる / 水が 蒸発するとき 熱を うばって いく

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なります。ただし、冷たい水で冷やしているのではありません。まいた水が蒸発するときに、地面や空気から熱をうばっていくからです。あせが蒸発して体を冷やすのと、まったく同じ仕組みです。だから、水の温度そのものより、蒸発しやすいかどうかが効きめを決めます。

びっくり大事実! 打ち水が効くのは、水が冷たいからではない。水が消えていくときに、熱を持っていくから。だから真昼の日なたにまくと、すぐ消えてしまい、涼しさも一緒に終わる。

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効かせるコツがあります。日なたの真昼にまくと、すぐに蒸発しきってしまい、涼しさが続きません。朝や夕方の、日ざしが弱い時間に、日かげにまくほうが長もちします。もう1つ、湿度が高い日は蒸発しにくいので効きめが落ちます。むし暑い日にまくと、水たまりが残るだけで、かえって蒸し暑くなることもあります。つまり打ち水は、いつでも効く魔法ではなく、条件のそろった日と時間に効く方法です。江戸時代から続くこの習慣が、理屈のうえでも正しいと分かったのは、蒸発と熱の関係が分かってからのことです。

👤 これを調べた人の話
昔から続く暮らしの工夫の中には、理屈が後から分かったものがたくさんあります。打ち水も、その一つです。経験でうまくいっていたことに、あとから説明がつく。それも科学の役目です。

知っていると、なにがうれしいか やるなら効く時間にできます。同じ手間で結果が変わります。

きょうためせること 朝の日かげと、昼の日なたに同じ量の水をまいて、どちらが長くぬれたままかを見てみよう。乾くまでの時間をはかると、効きめの差が数字になります。水は使いすぎないこと。

7月26日うちゅう

星の光は、いつの光なの?

10年前の 光1000年前の 光となりあう 2つが ちがう 時代夜空は 時間の 地図

どっちだと思う? いま 光っている 姿が そのまま 見えている / その星までの きょりの ぶんだけ 昔の 光

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その星までの距離のぶんだけ、昔の光です。光は1年で進む距離を1光年といい、星までの距離はふつうこの単位ではかります。10光年先の星なら、いま見えているのは10年前の光です。1000光年先なら1000年前。夜空に並んでいる星は、それぞれちがう時代の姿を、同時に見せています。

びっくり大事実! 夜空に並んでいる星は、それぞれちがう時代の姿を同時に見せている。となりあって光っている2つの星が、片方は10年前、片方は1000年前ということが、ふつうに起きている。

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ここから、少し不思議なことが起こります。とても遠い星の中には、いま見えているのに、実際にはもう存在していないものがあるかもしれません。爆発して消えたとしても、その知らせが届くまでには何百年、何千年とかかるからです。逆に言えば、私たちが見ている夜空は「いまの宇宙」ではなく「届いたぶんの宇宙」です。それでも、これは悲しい話ではありません。光が届くということは、そこに確かに星があったという証拠が、いまここに届いているということだからです。宇宙を見るとは、記録を受け取ることでもあります。

👤 これを調べた人の話
星までの距離を測る方法を作った人たちは、地球が半年で移動したぶんの、ほんのわずかな見え方のずれをとらえました。目に見えないほど小さなずれを測ることから、宇宙の奥ゆきが分かりました。

知っていると、なにがうれしいか 夜空が、時間の地図に見えてきます。「いま」の意味が少し変わります。

きょうためせること よく見える明るい星の名前を1つ調べて、その星までの距離が何光年かを見てみよう。その年数を引き算すると、光が出発した年が分かります。自分が生まれる前か後かを確かめてみてください。

7月27日からだ

暑いと、なぜ食欲がなくなるの?

食べると 熱が 出る体は 熱を作りたく ない→ 食欲が 落ちる

どっちだと思う? 体が 熱を 作る 作業を ひかえようと するから / 暑いと 胃が ちぢんで 入らなく なるから

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体が、熱を作る作業をひかえようとするからです。食べたものを消化するときには熱が出ます。体温を下げたい状況では、この作業をひかえるほうが都合がよいので、食欲が下がります。あわせて、暑さで冷たい飲みものをたくさんとると胃が冷え、働きが鈍ることもあります。だらしないのではなく、体がそういう反応をしているのです。

びっくり大事実! 食べると体は熱を出す。だから暑い日に食欲が落ちるのは、体が「いま熱を作りたくない」と言っているから。なまけているのではなく、冷やそうとしている。

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ここで気をつけたいのは、食べないことで別の問題が起きることです。汗で失った水分や塩分、体を動かすための栄養は、食べものからも入ってきます。食べないと、暑さに耐える力そのものが落ちます。だから「食べたくないなら食べない」ではなく、食べやすい形にするのが正解です。冷たいものばかりにせず、少量を何回かに分ける、水分の多いものを選ぶ、といった工夫が効きます。もう1つ。夏に食欲が落ちるのは大人も同じですが、子どもは体が小さいぶん、食べない影響が早く出ます。「食べたくない」が続くときは、大人に伝えることが大事です。

👤 これを調べた人の話
暑い国の食事には、香りの強い薬味や酸味が使われることが多くあります。食べにくいときに食べやすくする工夫が、長い時間をかけて料理の形になった。台所は、いちばん古い実験室です。

知っていると、なにがうれしいか 自分を責めずにすみます。どう食べるかに考えを向けられます。

きょうためせること 1日に食べた回数と量を、3日だけ書き出してみよう。減っているなら、どの時間に食べやすいかが見えてきます。朝がだめでも夕方は食べられる、ということがよくあります。

7月28日もの

花火の色は、どうやってつけているの?

ナトリウム 黄銅 青緑ストロンチウム 赤バリウム 緑金属ごとに 色が 決まる星の 成分を 調べる 方法と 同じ 原理

どっちだと思う? 色の ついた 紙や 粉が 燃えて いる / 金属の 種類ごとに 決まった 色の 光が 出る

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金属を燃やしています。金属の種類ごとに、熱せられたときに出す光の色が決まっています。ナトリウムなら黄色、銅なら青緑、ストロンチウムなら赤、バリウムなら緑。この性質を炎色反応といいます。花火の玉の中には、色を出す金属の粉が、火薬といっしょに小さな粒にして詰められています。

びっくり大事実! 花火の色を決めているのと、遠くの星が何でできているかを調べる方法は、同じ原理。夜空に開くあの色は、宇宙を調べるときの言葉と同じことをしゃべっている。

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なぜ金属ごとに色が決まるのでしょうか。熱をもらった原子の中では、電子がいったん外側へ持ち上げられ、元にもどるときに余ったエネルギーを光として放ちます。持ち上げられる高さは金属ごとに決まっているので、出てくる光の色も決まります。つまり色は、その金属の指紋のようなものです。この性質は、遠くの星が何でできているかを調べるのにも使われています。星の光を分けて、どの色が出ているかを見れば、そこにある元素が分かる。花火の色と、星の成分を調べる方法は、同じ原理です。夜空に打ち上がるあの色は、宇宙を調べる道具と同じ言葉を話しています。

👤 これを調べた人の話
日本の花火職人は、色だけでなく「変わる順番」を設計します。開いた瞬間から消えるまでに色が移っていくのは、粒の層を重ねているからです。数秒のために、何か月もかけて作られています。

知っていると、なにがうれしいか 花火が、きれいなだけのものから読めるものに変わります。星の話ともつながります。

きょうためせること 花火大会では、色ごとに開いてから消えるまでの時間を数えてみよう。色によって光り方や消え方がちがいます。理由の一つは、使っている金属と燃え方のちがいです。手持ち花火は必ず大人と、水を用意してから。

7月29日デジタル

自由研究をネットで調べるとき、気をつけることは?

だれが 書いた?いつ 書いた?出典は?大もとの資料へ2か所で 確かめる上に 出る ことと 正しい ことは べつ

どっちだと思う? 上に 出てくる ものが 正しい / だれが 書いたかを 見る ほうが 大事

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だれが書いたかを見ることです。検索の上のほうに出てくるものが、正しいとはかぎりません。上に出るのは「多くの人に読まれている」「読みやすく作られている」などの理由であって、内容が正確だからとはかぎらないからです。だから、書いた人や団体の名前が分かるか、いつ書かれたものかを最初に確かめます。

びっくり大事実! うまく書けないところは、文章が下手なのではなく、まだ分かっていないところ。書けない場所が、次に調べる場所を教えてくれる。

もっとくわしく

いちばん強いのは、大もとの資料にあたることです。気象なら気象庁、宇宙ならJAXAや国立天文台、健康なら厚生労働省。だれかがまとめた記事より、そこが出している数字のほうが確かです。そして、同じことを2つ以上の別のところで確かめる。1つの場所にしか書いていないことは、まだ確かめ切れていないと考えます。もう1つ大事なことがあります。まとめるときは、写すのではなく、自分の言葉に直すこと。読んで理解できたものだけが、自分の言葉になります。うまく書けないところがあったら、それは文章力の問題ではなく、まだ分かっていないところです。書けないことが、次に調べる場所を教えてくれます。

👤 これを調べた人の話
研究者が論文を書くとき、いちばん時間をかけるのは出典の確認です。どこから持ってきた数字かを全部書き出す。面倒に見えるこの作業が、あとから他人が確かめられる形を作っています。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 調べものが速く、確かになります。自由研究が「写す作業」から「調べる作業」に変わります。

きょうためせること 調べたい言葉を1つ決めて、検索して上から3つのページの「だれが書いたか」を見てみよう。名前が分からないページがいくつあるか数えます。それだけで、選び方が変わります。

7月30日てんき

かみなりが鳴ったら、どこににげればいいの?

建物か 車の中へ木の下は だめ金属を 外すより 高さが 問題

どっちだと思う? 木の下に 入れば 雨も 雷も しのげる / 建物か 車の中へ 入る 木の下は あぶない

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建物の中か、車やバスの中です。木の下は、いちばん危ない場所の一つです。高いものに落ちやすいのは本当ですが、木に落ちた電気が、そばにいる人へ飛び移ることがあるからです。広い場所でにげ場がないときは、姿勢を低くして、足をそろえてしゃがみ、地面に手やひざをつけないようにします。

びっくり大事実! 「金属を外せば安全」は正しくない。雷が落ちる場所を決めるのは、金属ではなく高さ。外すために立ち上がって手間どるほうが、ずっと危ない。

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よく言われる「金属を身につけていると危ない」は、正確ではありません。落ちる場所を決めるのは、金属を持っているかどうかではなく、まわりで自分が高いかどうかです。金属を外すために立ち上がって時間をかけるほうが危険です。もう1つ、音と光の時間差から距離が分かります。光ってから音が届くまでの秒数を3で割ると、だいたいの距離がキロで出ます。3秒なら1キロ。ただし、これは「まだ遠いから大丈夫」に使うものではありません。次の1発が近くに落ちることは、じゅうぶんあり得ます。音が聞こえた時点で、すでに落ちる範囲にいると考えて動くのが安全です。

👤 これを調べた人の話
落雷の被害を減らすため、事故の一つ一つを調べ直した人たちがいます。「木の下で雨やどり」が最も多い状況だと分かったのは、その積み重ねからです。過去を丁寧に調べることが、次の人を守ります。

知っていると、なにがうれしいか いざというときに迷いません。友だちにも言えます。

きょうためせること 雷の音が聞こえたら、光ってから音までの秒数を数えてみよう。数を3で割った数がおよその距離です。数える練習は、建物の中に入ってから窓ごしにやります。

7月31日いきもの

クラゲは、なぜ夏に増えるの?

冬から春は岩に くっついた 姿水温が 上がると泳ぎ出す体の 9わり以上が 水脳も 心ぞうも ない

どっちだと思う? 夏に なると 卵から 一気に 生まれる / 冬から 春は 別の 姿で すごし 水温が 上がると 泳ぎ出す

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多くのクラゲは、冬から春にかけて岩などにくっついた小さな姿ですごし、水温が上がると次々に切り離されて泳ぎ出します。それが海水浴の季節と重なるので、急に増えたように見えます。もう1つ、風や潮の流れで岸へ寄せられることも大きい。クラゲはほとんど自分で泳げないので、水の流れに運ばれてかたまって現れます。

びっくり大事実! クラゲには脳も心臓も骨もない。体の9割以上が水。それでも全身に神経が網の目のように広がっていて、ふれたものに反応する。中心がなくても、体は動く。

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クラゲには、脳も心臓も骨もありません。体の9割以上が水です。それでも神経は網の目のように全身に広がっていて、触れたものに反応します。刺されるのは、触手にある小さな仕掛けが、ふれた瞬間に飛び出すからです。この仕掛けは、クラゲが死んだあとや、ちぎれた触手だけになっても働くことがあります。だから浜に打ち上がったクラゲを素手でさわるのは危険です。刺されたら、こすらずに海水で洗い流し、真水でこすらない。種類によって対処がちがうので、大人と、その海のルールにしたがってください。

👤 これを調べた人の話
クラゲの光る性質を調べた研究から、細胞の中を光らせて観察する技術が生まれました。役に立つかどうか分からないまま海の生きものを調べていた人の仕事が、いま世界中の医学の現場で使われています。

知っていると、なにがうれしいか 海に入る前に確かめることが分かります。見た目でなく仕組みで危なさを判断できます。

きょうためせること 海に行く前に、その海水浴場がクラゲの注意を出していないか調べてみよう。多くの場所が掲示や公式のページで知らせています。打ち上がったクラゲは、きれいでもさわらないこと。

🃏 かがくカード図鑑

問いの下にある2択に答えると、その日のカードが1枚手に入ります。当たっても外れても手に入ります。カードの絵は、その日の問いの図です。集めると、下の棚が埋まっていきます。

カード図鑑は、この端末に記録がたまると表示されます。

カードが3枚たまると、集めたカードで遊べます。問いと「びっくり大事実」を合わせる神経衰弱です。めくった2枚が同じ日のものならそろいます。遊ぶたびに出る組み合わせが変わるので、何度でも遊べます。

記録はお使いの端末の中だけに保存されます。会員登録もメールアドレスもいりません。こちらから見ることはできません。連続でなくてかまいません。1日休んでも、次の日に1枚増やせば、それで進んでいます。

1年生から6年生まで、同じ問いを読みます

低学年向けに内容をうすくすることは、していません。「へえ」で終わる話は、高学年には物足りないからです。そのかわり、読み方を2段にしてあります。

  1. こたえは、1年生でも読める言葉で書いています。ここだけ読めば、その日の答えは分かります。
  2. もっとくわしくは、高学年が読んでも手ごたえのある深さにしてあります。中学受験の理科につながる話も入っています。

漢字が読みにくいときは、画面の左下にある「ふりがな」ボタンを押してください。ページ全体の漢字にふりがなが付きます。一度押せば、次に開いたときも付いたままです。

だから、1年生の弟と6年生の姉が、同じ問いで言い合いになるということが起きます。それがこのコーナーのねらいです。

このコーナーの決めごと

  1. 1日1問だけ。まとめて読む必要はありません。1問2分で終わる長さにしてあります。あしたの問いは、きょうの分の下に予告として出ています。
  2. やらなくてもいい。「きょうためせること」は宿題ではありません。読むだけでも十分です。
  3. 危ないことは書きません。火、刃物、薬品を使うものは載せません。見るだけ、さわるだけでできることに限っています。
  4. 連続が切れても、レベルは下がりません。1日休んでも、次の日にまた1つ読めば、それで進んでいます。

読んだ記録は、この端末にたまります

「読んだ」を押すと、スタンプが1つたまります。会員登録もメールアドレスも要りません。記録はお使いの端末の中に保存され、こちらから見ることはできません。

7日で「かがくみならい」、30日で「かがくはかせ見習い」、100日で「かがくはかせ」になります。連続でなくてかまいません。数えているのは合計の日数だけです。

かがくが好きになった子に、次に渡すもの

問いを読んで「もっと知りたい」となったとき、いちばん確実な次の一手は本です。ただし、図鑑が好きな子がそのまま科学の読み物に移ることは、あまり多くありません。図鑑は調べるための本で、順番に読むようにはできていないからです。あいだをつなぐ本があります。ほんだなコンパスのかがくがすきになる本に、どういう子に合うかまで書いて7冊並べました。理科がきらいな子には、計算も暗記も出てこない本を渡すのが確実です。

こんなコンテンツもあります──しんぶん・ことば・ドリル

このコーナーは、単独では続きません。ほかのものとセットにすると続きます。

  1. 週刊小学生しんぶんの最新号を開くと、ページの下にその日のかがくの問いが出ます。しんぶんを読んだあとの2分に使えます。
  2. 無料プリントをやったあと、印刷ページの下からこのコーナーに来られます。手を動かしたあとに、読むものが1つあると気持ちが切りかわります。
  3. ことば大辞典とスタンプの器が同じです。かがくを読んでも、しんぶんを読んでも、同じスタンプがたまります。どれか1つやれば、その日は1個です。

問いの中には、お月見台風IT・AIのページにつながるものがあります。もっと知りたくなったら、そのままつづきを読めます。秋ならハロウィンのかがくもあります。10月5日からはノーベル賞の発表です。受賞した研究が、毎日のくらしのどこにあるかを説明しています。おばけやしきが暗い理由と、こわいときに体が先に動く話です。

各問の科学的な内容は、気象庁、国立天文台、国土地理院、文部科学省などの公的機関が公表している資料と、小学校学習指導要領にもとづいて確認したうえで、小学生向けに書き直しています。裏取りができなかった問いは掲載していません。制作 スクールコンパス編集部

🧭 関連する入口

📰 ニュースで出てくる言葉から入る

大雨や地震のニュースで聞く言葉は、理科と社会の教科書につながっています。意味が分かると、そのニュースが自分ごとになります。
線状降水帯 氾濫特別警報 危険警報 暑さ指数 今月の時事問題(80語)

そのまま自学にもできます。自学ネタ 新聞にまとめる

🎃 ハロウィンは理科にもなります

かぼちゃがなぜオレンジ色なのか、ろうそくの火はどうして消えるのか、暗いところで光る仕組みはどうなっているのか。10月の行事は、身のまわりの「なぜ」を持ち出すのにちょうどよい入口です。

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