夜の保護者室
まず、いちばん大事なことから。学校に行きたがらないのは、いまの日本では決して珍しいことではありません。文部科学省の調査でも小学生の不登校は年々増えてきており、「うちだけ」でも「育て方のせい」でもありません。そして今夜、原因を突き止める必要もありません。
いまの状況に、近いものはありますか
どれかに近ければ、このページはお役に立てるはずです。これは診断ではありません。この夜の状況を、ことばにしただけです。
今夜できる一手(ひとつだけ)
明日の朝の「第一声」だけ、今夜決めておく。
おすすめは「おはよう。朝ごはんできてるよ」。行くのか行かないのかを玄関で問い詰めない、と決めるだけで、明日の朝の空気は変わります。行く・行かないの判断は、朝のこわばった時間にしなくていい。学校への連絡は「今日は体調を見て休ませます」で十分で、理由を説明し切る義務はありません。判断はあとで、落ち着いた時間にすればいいのです。
今夜、しなくていいこと
✕ 今夜、原因を突き止めようとすること。
行きたくない理由は、本人にも言葉にできないことが多いものです。「なんで?」の連打は、子どもには尋問に聞こえます。
✕ 「明日は行くよね?」と約束させること。
夜の約束は、朝の子どもをさらに追い詰めます。約束が守れなかった朝、子どもは二重に傷つきます。
今夜の3分整理(このページの中でできます)
臨床心理の研究で広く使われてきた「書いて外に出す」「考えから距離を取る」「ゆっくり吐く呼吸」を、家庭向けに3分に簡略化したセルフワークです。治療やカウンセリングの代わりにはなりませんが、今夜の気持ちを軽くする助けになることがあります。書いたものはこの端末の中にだけ残り、どこにも送信されません。
1.いま頭の中にあることを、そのまま書き出してください。文章でなくて構いません。
2.その中で「今夜のあなたに動かせること」をひとつだけ選ぶとしたら? 動かせないことは、明日の自分に預けてしまいましょう。
3.もし親友が、今夜のあなたとまったく同じ状況で悩んでいたら——あなたは親友になんと声をかけますか。その言葉をそのまま書いてください。
4.最後にひと呼吸。丸がふくらむ間に鼻から4秒吸って、しぼむ間に口から6秒かけて吐きます。3回だけ。
しまいました。動かせないことは、明日のあなたが引き受けます。
前回のあなたが、あなたに残していた言葉
それでも重い夜がつづくなら(段階があります)
まずは、上の3分整理。ここまでで少し軽くなれば、今夜は十分です。
数日つづくなら、学校のスクールカウンセラーか自治体の教育相談へ。連絡帳や書面で申し込め、保護者だけの相談もできます。電話より、ずっと敷居は低い窓口です。
夜間や、いますぐ話したいときの窓口が下記です。「役所の番号」に見えますが、文部科学省の報告では年間約4万件の相談が寄せられてきた、実際に使われている窓口です。
行きたがらない日が続く、朝に体の症状(腹痛・頭痛・吐き気)が出る、またはお子さんの安全が心配なとき(ひどく落ち込んでいる、自分を傷つけてしまいそうな様子があるなど)は、時間を問わず、ためらわずに相談してください。保護者からの相談もできます。
24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)
24時間・年中無休・通話料無料。いじめや学校生活の不安など、子ども本人だけでなく保護者からの相談もできます。かけた地域の教育委員会の相談機関につながります。
学校のスクールカウンセラー/自治体の教育相談
担任を通さずに申し込める学校が多く、保護者だけの相談も可能です。お住まいの自治体名+「教育相談」で窓口が見つかります。
今夜はここまでで大丈夫です。明日の朝は「おはよう」から。それ以上のことは、明日のあなたに任せましょう。おやすみなさい。