夜の保護者室|夏休み明け編
まず、いちばん大事なことから。夏休み明けに学校へ足が向かないのは、めずらしいことではありません。長い休みのあとが重いのは、月曜の朝が重い大人と同じで、心の仕組みとして自然なことです。国も、長期休業明けは子どもの心の負担が大きくなりやすい時期として、毎年学校や家庭に注意を呼びかけています。「うちだけ」でも「夏の過ごし方を間違えた」からでもありません。そして今夜、原因を突き止める必要もありません。
いまの状況に、近いものはありますか
どれかに近ければ、このページはお役に立てるはずです。これは診断ではありません。この夜の状況を、ことばにしただけです。
今夜できる一手(ひとつだけ)
初日の「合格ライン」を、今夜、家の中で下げておく。
おすすめの基準は「行って、帰ってくるだけで合格。給食まで行けたら大成功」。これを親のあなたが今夜決めて、できればお子さんにも軽く伝えておきます。「初日から全部がんばらなくていいよ。行って帰ってくれば十分」——この一言で、初日の朝の重さは目に見えて変わります。宿題が残っていても、初日の合否とは切り離して構いません。先生への申告は連絡帳で「休み明けで本人が疲れ気味です。宿題は少し遅れます」で足ります。
今夜、しなくていいこと
✕ 残った宿題を、前夜に一気に片づけさせること。
前夜の追い込みは、寝不足と自己嫌悪を初日の朝に持ち込ませます。宿題の遅れで叱られる痛みより、寝不足で迎える初日の方がずっと重くつきます。
✕ 「みんな行くんだから」と比べること。
休み明けの重さは人によって違います。比較は、重い子をさらに黙らせてしまいます。
✕ 初日の完璧な再出発を目指すこと。
生活リズムも気持ちも、戻るのには数日かかるのがふつうです。初日は「再開」であって「仕切り直しの試験」ではありません。
今夜の3分整理(このページの中でできます)
臨床心理の研究で広く使われてきた「書いて外に出す」「考えから距離を取る」「ゆっくり吐く呼吸」を、家庭向けに3分に簡略化したセルフワークです。治療やカウンセリングの代わりにはなりませんが、今夜の気持ちを軽くする助けになることがあります。書いたものはこの端末の中にだけ残り、どこにも送信されません。
1.いま頭の中にあることを、そのまま書き出してください。文章でなくて構いません。
2.その中で「今夜のあなたに動かせること」をひとつだけ選ぶとしたら? 動かせないことは、明日の自分に預けてしまいましょう。
3.もし親友が、今夜のあなたとまったく同じ状況で悩んでいたら——あなたは親友になんと声をかけますか。その言葉をそのまま書いてください。
4.最後にひと呼吸。丸がふくらむ間に鼻から4秒吸って、しぼむ間に口から6秒かけて吐きます。3回だけ。
しまいました。動かせないことは、明日のあなたが引き受けます。
前回のあなたが、あなたに残していた言葉
それでも重い夜がつづくなら(段階があります)
まずは、上の3分整理と「合格ラインを下げる」一手。初日を軽くできれば、今夜は十分です。
初日を過ぎても行きしぶりが続くなら、学校のスクールカウンセラーか自治体の教育相談へ。連絡帳や書面で申し込め、保護者だけの相談もできます。
夜間や、いますぐ話したいときの窓口が下記です。保護者からの相談もできます。
行きたがらない日が続く、朝に体の症状(腹痛・頭痛・吐き気)が出る、またはお子さんの様子がいつもとちがって心配なとき(ひどく落ち込んでいる、食事や睡眠が大きく乱れているなど)は、時間を問わず、ためらわずに相談してください。
学校のスクールカウンセラー/自治体の教育相談
担任を通さずに申し込める学校が多く、保護者だけの相談も可能です。お住まいの自治体名+「教育相談」で窓口が見つかります。
根拠と、つづきを読む
今夜はここまでで大丈夫です。初日は、行って帰ってくれば合格。それ以上のことは、9月のあなたたちに任せましょう。おやすみなさい。