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家では話すのに学校で話さない子ども(場面緘黙かもしれないとき)
🗓️ 最終更新 2026年10月29日|次の見直し 2027年1月|作成・見直し:スクールコンパス編集部(根拠は研究論文と国の資料)|見直しの決め方
💬 家ではあんなに話すのに、学校では声が出ないと聞くと、心配になりますよね。
よくある場面:家ではおしゃべりなのに、学校では一言も話さない。先生からは「授業中も声を聞いたことがない」と言われた。
話さないのは、話したくないからではなく、緊張で声が出にくいからかもしれません
今夜できること1つ 「学校でも話しなさい」と言うのをやめ、家で学校の話をするときは、答えを急かさずに聞く
📌 明日のための1行カード もし「なんで学校だと話さないの?」と言いそうになったら、「家ではたくさん話してくれて、うれしいよ」と言う
なぜ、そうなるの?
家ではよく話すのに、学校など決まった場所でだけ話せない状態が続くことを、場面緘黙(ばめんかんもく)といいます。わがままや反抗ではなく、強い緊張や不安で声が出にくくなっている状態と考えられています。ノルウェーで3〜9歳の場面緘黙の子ども24人をくらべた試験では、家と園・学校で3か月、少しずつ話せる場面を広げる関わりをした子どもたちは、学校で話す量がふえました。年齢の低い子ほど、よくなりやすい結果でした。だからこそ、早めに学校と一緒に取り組むことが大切です。
今夜の手順
- 担任の先生に、家では話せていることと、学校で話さない様子を伝える
理由:学校と家で同じ関わり方をすると、子どもが安心しやすいからです。 - 声以外の答え方(うなずく・カード・指さし)を、先生と決める
理由:話さなくても参加できると、教室での緊張が下がるからです。 - 話せる人と場所を1つずつ広げる計画を、先生や専門家と立てる(家族と教室で話す→先生1人と話す、など)
理由:少しずつ慣れていく方法で、学校で話す量がふえたことが分かっているからです。
そのまま言える言いかえ
- 「なんで学校だと話さないの?」→ 「家ではたくさん話してくれて、うれしいよ」
理由を問うほど、緊張が強まりやすくなります。 - 「ほら、あいさつは?」→ 「(その場では言わせず)帰り道で「今日はどうだった?」と聞く」
人前で話すよう求められると、声がもっと出にくくなります。
今夜はしなくていいこと
話すことを、ごほうびや罰と結びつけること(「話したら〇〇買ってあげる」「話さないなら〇〇なし」)
理由:話すことへのプレッシャーが強まり、緊張がかえって増えやすいからです。
お子さんに聞いてみる
「学校で話すとき、どんな感じがする?」
- 「のどがつまる感じ」と答えたら:のどがつまるなら、「話せなくても大丈夫だよ」と伝え、うなずく・指さすなど、声以外の答え方を先生と決めます。
- 「みんなに見られるのがいや」と答えたら:見られるのがいやなら、人の少ない場面(放課後の教室で先生と2人など)から始められないか、先生に相談します。
- 「べつに」と答えたら:べつにと答えたら、無理に聞かず、家で話せていることをそのまま大切にします。
- 「わからない」と答えたら:わからないと答えたら、気持ちを言葉にしにくい子も多いので、今日はそれ以上聞きません。
2週間後に見ること
2週間後、学校でうなずく・指さすなど、声以外でも参加できている様子を先生から聞けたら、安心が育ってきています。
学年で変わること
- 低学年(1〜3年生) 低学年は、早く気づいて取り組むほど、よくなりやすい時期です。気になったら早めに担任とスクールカウンセラーに相談します。
- 高学年(4〜6年生) 高学年は、話せないことを本人が気にしていることがあります。責めず、声以外で参加できる方法を先生と決めて、教室で過ごしやすくします。
わが家の場合は?(3つの問いで答えが変わる)
ステップ2 わが家の場合は?(3問で答えが変わる「学校で話さない」チェック)
「家では話すのに学校で話さない(場面緘黙かも)」は、家庭によってきっかけも強さもちがいます。3つの問いに答えると、わが家の場合の見立てと今夜の1つが変わります。
- いちばん近いのは?(学校で一言も話さない/仲のよい友だちとだけ小声で話す/先生にだけ話せない)
- どのくらい続いていますか?(1か月より短い/1か月以上)
- お子さんは何年生ですか?(小学校に入る前/小学1〜3年生/小学4〜6年生)
いちばん近いタイプの答え(タイプごとに、今夜の1つが変わります)
学校で一言も話さないタイプ
学校で声がまったく出ない状態が続くときは、早めに学校と専門家につなぐことが大切です。家で話せていることは、大きな力です。
今夜の1つ 担任の先生に、家での様子を伝える連絡を明日入れる
「学校でも話さないとだめだよ」→ 「学校では声が出にくいんだね。家ではたくさん話そうね」
2週間後 2週間後、先生と家で同じ関わり方を始められていれば、一歩目は進んでいます。
根拠:Oerbeck ほか 2014
仲のよい子とだけ話せるタイプ
話せる相手がいるのは、とてもよいしるしです。話せる相手と場所を、1つずつ広げていきます。
今夜の1つ 話せる友だちと、学校の外でも遊ぶ時間をつくる
「もっといろんな子と話しなよ」→ 「〇〇ちゃんと話せたんだね」
2週間後 2週間後、話せる相手が1人でもふえていれば、少しずつ広がっています。
根拠:Oerbeck ほか 2014(話せる場面を少しずつ広げる方法)
先生にだけ話せないタイプ
大人や先生への緊張が強い子もいます。先生とは声以外のやりとりから始め、慣れてきたら少しずつ声へ進めます。
今夜の1つ 先生とのやりとりに、うなずく・カードなど声以外の方法を使えないか相談する
「先生にちゃんと言いなさい」→ 「先生にはカードで伝えてもいいよ」
2週間後 2週間後、先生とのやりとりが声以外でもできていれば、緊張がやわらいできています。
根拠:Oerbeck ほか 2014
場面緘黙(ばめんかんもく)とは?家では話すのに、学校で話せない子
場面緘黙は、家ではふつうに話せるのに、学校など特定の場面では話せない状態が続くことです。米国精神医学会の診断の手引き(DSM-5)では、不安症の1つとして「選択性緘黙」と呼ばれ、1か月以上続くこと(入学して最初の1か月は除く)が目安とされています。わざと黙っているのでも、反抗しているのでもありません。話したくても、強い不安で声が出ない状態です。
| しないこと | かわりにすること |
|---|---|
| 「話してごらん」「あいさつは?」と人前で話すようにうながす | 話さなくても参加できる方法(うなずき・指さし・カード・筆談)を先に決めておく |
| 話せたことを人前で大きくほめる | あとで家で、そっと「今日がんばったね」と伝える |
| 「わがまま」「恥ずかしがり」と決めつける | 不安で声が出ない状態だと、先生とも共有する |
| 一気に話せるようにしようとする | 「家族と学校で話す」「先生1人とささやき声」のように、小さな段を少しずつ |
相談の目安:学校で話せない状態が1か月以上続くときは、担任の先生と様子を共有し、小児科や地域の発達相談・教育相談に相談します。早めに、話さなくても学校で困らない形を一緒に作ることが大切です。
出典:米国精神医学会 DSM-5(選択性緘黙)。子どもの不安への段階的な練習(認知行動療法)。
もとにした研究
研究と根拠をひらく
根拠:ノルウェーのオルベックらが行った、家と学校での関わりをくらべた試験(2014年)
研究でわかっていること 場面緘黙の3〜9歳の子ども24人を、くじで2つの組に分けました。家と園・学校で3か月、少しずつ話せる場面を広げる関わりをした組では、学校で話す量がふえ、待っていた組では変わりませんでした。年齢の低い子ほど、よくなりやすい結果でした。
2つの組をくらべた試験(Oerbeck, B., Stein, M. B., Wentzel-Larsen, T., Langsrud, Ø., & Kristensen, H., 2014)
考えてみてほしい問い 学校で話せないことで、お子さん自身がいちばん困っていそうなのは、どんな場面ですか?
わが家の事情で、もう少し相談したいとき
「家では話すのに学校で話さない子ども(場面緘黙かもしれないとき)」の相談は、学年や、いつ・どこで起きるかを書き足すと、答えがわが家に合ってきます。💬 子育て相談室で、わが家の場合を続ける(名前・メール不要)→
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この悩みで、保護者から届いた相談と答え(1件)
子育て相談室に実際に届いた相談です。見出しを押すと、答えと今日の一歩が開きます。答えは相談室と同じものです。
家ではおしゃべりなのに、学校では話せない。場面緘黙かもと思ったら最初にすること届いた相談:場面緘黙かもしれない(家では話すのに学校で話せない)
💬 家ではよく話すのに、学校では声が出ない。理由が分からず心配になりますよね。
家ではふつうに話せるのに、学校など特定の場面で話せない状態が続くことを、場面緘黙(選択性緘黙)と呼びます。わざと黙っているのでも反抗でもなく、強い不安で声が出ない状態です。人前で話すようにうながしたり、話せたことを大きくほめたりするのは避け、うなずき・指さし・カード・筆談など、話さなくても参加できる方法を先生と決めておきます。1か月以上続くときは、担任の先生と様子を共有し、小児科や地域の発達相談・教育相談に相談します。
✅ 今日の一歩:明日、先生に「家では話せていること」と「学校で話さなくても参加できる方法(指さし・カードなど)」を連絡帳で伝える。
⛔ 今日はしなくていいこと:「あいさつは?」「話してごらん」と人前でうながすこと。不安が強くなり、声がさらに出にくくなるからです。
根拠:米国精神医学会 DSM-5(選択性緘黙)