ホーム › 子どもの気持ち・行動 › 負けると泣く・負けず嫌いすぎる子ども(失敗をこわがる)
負けると泣く・負けず嫌いすぎる子ども(失敗をこわがる)
🗓️ 最終更新 2026年10月29日|次の見直し 2027年1月|作成・見直し:スクールコンパス編集部(根拠は研究論文と国の資料)|見直しの決め方
💬 ゲームで負けるたびに大泣きされると、一緒に遊ぶのも気をつかいますよね。
よくある場面:家族でカードゲームをして、負けたとたんにカードを投げて大泣き。「もうやらない!」と部屋にこもる。
負けて泣くのは、それだけ本気で取り組んでいるしるしです
今夜できること1つ 負けて泣いたら、泣きやませようとせず「くやしいね。本気だったもんね」と言い、落ち着いてから「次はどこを変えてみる?」と1つだけ聞く
📌 明日のための1行カード もし「負けたくらいで泣かないの」と言いそうになったら、「くやしいね。本気だったもんね」と言う
なぜ、そうなるの?
負けると泣く、まちがえると怒るのは、それだけ本気で取り組んでいるからです。そのうえで、親の受け止め方が、子どもの失敗への見方を変えることが分かっています。米国スタンフォード大学のハイモビッツとドゥエックの研究では、親が「失敗は害になるもの」と受け止めていると、子どもは「頭のよさは生まれつき決まっている」と考えやすくなっていました。子どもに伝わっていたのは、親の考えそのものより、子どもが失敗したときの親の反応でした。別の実験では、「頭がいいね」とほめられた子より、やり方やがんばりをほめられた子のほうが、失敗のあとも粘りました(のちの追試では結果が分かれたものもあります)。
今夜の手順
- 負けたときは、泣きやませようとせず、くやしい気持ちに名前をつける
理由:気持ちを言葉にできると、高ぶりがおさまりやすいからです。 - 落ち着いてから、「次はどこを変えてみる?」と1つだけ聞く
理由:失敗を「次に変えるところが見つかったこと」として扱うと、子どもの失敗への見方が変わるからです。 - ほめるときは、「頭がいいね」「天才」より、「工夫したね」「最後までやったね」と、したことを言う
理由:やり方をほめられた子のほうが、失敗のあとも粘ったからです。
そのまま言える言いかえ
- 「負けたくらいで泣かないの」→ 「くやしいね。本気だったもんね」
くやしさを打ち消されると、気持ちのやり場がなくなります。 - 「次は勝てるよ」→ 「次はどこを変えてみる?」
結果の約束より、変えられるところに目を向けます。 - 「すごい!天才だね」→ 「最後まであきらめなかったね」
大きなほめ言葉は、「次も勝たないと」というハードルになることがあります。
今夜はしなくていいこと
わざと負けてあげて、いつも勝たせること
理由:負ける経験が少ないほど、負けたときのショックが大きくなりやすいからです。
お子さんに聞いてみる
「負けたとき、どんな気持ちになる?」
- 「くやしくてたまらない」と答えたら:くやしくてたまらないなら、「くやしいって思えるのは、本気だったからだね」と伝えます。
- 「自分はだめだと思う」と答えたら:自分はだめだと思うなら、「負けたのは今日の1回。前より上手になったところもあるよ」と、前の自分とくらべる見方を伝えます。
- 「相手がずるいと思う」と答えたら:相手がずるいと思うなら、まず気持ちを聞き、ルールを一緒に確かめます。
- 「わからない」と答えたら:わからないと答えたら、今日はそれ以上聞きません。
2週間後に見ること
2週間後、負けたあとに「もう1回」と自分から言えた日があれば、合っています。
学年で変わること
- 低学年(1〜3年生) 低学年は、勝ち負けの気持ちがとても強く出る時期です。くやしさを受け止めることを先にし、勝ち負けのない遊びも混ぜます。
- 高学年(4〜6年生) 高学年は、友だちと比べて「自分はだめ」と思いやすい時期です。前の自分とくらべて伸びたところを、具体的に伝えます。
わが家の場合は?(3つの問いで答えが変わる)
ステップ2 わが家の場合は?(3問で答えが変わる「負けると泣く」チェック)
「負けると泣く・失敗をこわがる(負けず嫌い)」は、家庭によってきっかけも強さもちがいます。3つの問いに答えると、わが家の場合の見立てと今夜の1つが変わります。
- いちばん近いのは?(ゲームや勝負で負けると泣く・怒る/テストや問題でまちがえると怒る/失敗がこわくて、新しいことをやらない)
- 子どもが失敗したとき、親は?(心配して、すぐ手を出してしまう/叱ってしまう/見守っている)
- お子さんは何年生ですか?(小学校に入る前/小学1〜3年生/小学4〜6年生)
いちばん近いタイプの答え(タイプごとに、今夜の1つが変わります)
勝負で負けると泣くタイプ
勝ち負けがはっきりする遊びほど、くやしさが強く出ます。くやしさを受け止めたうえで、負けても楽しめた経験をふやします。
今夜の1つ 負けて泣いたら「くやしいね」とだけ言い、落ち着いたら「もう1回やる?」と誘う
「泣くならもうやらない」→ 「くやしいね。もう1回やる?」
2週間後 2週間後、負けても「もう1回」と言えた日があれば、合っています。
根拠:Haimovitz・Dweck 2016
まちがえると怒るタイプ
まちがいを「だめなこと」と感じていると、怒りや涙が出やすくなります。まちがいは、次に直すところが見つかったことだと伝えます。
今夜の1つ まちがえた問題を見つけたら、「ここが分かると、もっと強くなるね」と言う
「なんでこんなところまちがえるの」→ 「ここが分かったら、もっと強くなるね」
2週間後 2週間後、まちがいを自分で直そうとする日があれば、合っています。
根拠:Haimovitz・Dweck 2016、Mueller・Dweck 1998
失敗がこわくてやらないタイプ
失敗がこわいと、最初から挑戦しなくなります。失敗しても大丈夫だった経験を、小さく積みます。
今夜の1つ 親が先に失敗してみせ、「失敗しちゃった。次はこうしてみる」と声に出す
「やればできるのに」→ 「失敗しても大丈夫。一緒にやってみよう」
2週間後 2週間後、新しいことに1つでも手を出せた日があれば、合っています。
根拠:Haimovitz・Dweck 2016
負けず嫌い・完璧主義の子──負けると泣く、失敗をこわがるときの関わり方
負けず嫌いや完璧主義は、本気で取り組めるつよみの裏返しです。困るのは、負けや失敗のたびに崩れてしまうとき。研究では、「頭がいいね」と才能をほめられた子は失敗のあとに粘らなくなり、「工夫したね」と過程をほめられた子は難しいことに挑み続けました(Mueller & Dweck、1998年)。
| 場面 | まず言うこと | あとで |
|---|---|---|
| ゲームや試合で負けて泣く | 「くやしいね。それだけ本気だったんだね」 | 落ち着いてから「次はどうする?」を1つ |
| テストで1問まちがえて落ちこむ | 「ここまでできたね。まちがえた1問は、伸びしろだね」 | まちがえた所を一緒に1つだけ直す |
| 失敗しそうで、やる前からやめる | 「最初はみんな、うまくできないよ」 | 親が自分の失敗の話を1つする |
| 宿題を何度も消して書き直す | 「きれいに書こうとしてるんだね」 | 「8割できたらOK」を一緒に決める |
わが家での練習は、「まだ」の力(グロースマインドセット)と、子どもの画面の「まだ」のまほうで。
もとにした研究
研究と根拠をひらく
根拠:米国スタンフォード大学のハイモビッツとドゥエックの研究(2016年、親の失敗のとらえ方)、ミューラーとドゥエックの実験(1998年、ほめ方)
研究でわかっていること 親が「失敗は害になるもの」と受け止めていると、子どもは「頭のよさは生まれつき決まっている」と考えやすくなっていました。子どもに伝わっていたのは、親の頭のよさについての考えではなく、失敗したときの親の反応でした。
親子への調査と実験(Haimovitz, K., & Dweck, C. S., 2016)
研究でわかっていること 5年生を対象にした6つの実験で、「頭がいいね」とほめられた子は、失敗のあとに粘りが下がり成績も落ちました。やり方やがんばりをほめられた子は、失敗のあとも粘りました。
実験(Mueller, C. M., & Dweck, C. S., 1998)
考えてみてほしい問い お子さんが失敗したとき、親のほうはどんな顔や言葉で受け止めていますか?
わが家の事情で、もう少し相談したいとき
「負けると泣く・負けず嫌いすぎる子ども(失敗をこわがる)」の相談は、学年や、いつ・どこで起きるかを書き足すと、答えがわが家に合ってきます。💬 子育て相談室で、わが家の場合を続ける(名前・メール不要)→
この悩みに関わるページ
子どもの気持ち・行動の、ほかの場面
- 子どもが学校のことを話さない(小学生)
- 子どもの癇癪(年齢ごとの目安と小学生の場面)
- 反抗期(いつから・いつまでと小学生の場面)
- 子どもの元気がない・ぼんやりしている(小学生)
- 子どもが嘘をつく(小学生)・宿題をやったと嘘をつく
- きょうだいを比べてしまう・兄弟の差が気になる
- 内弁慶の子ども(家では元気、学校ではおとなしい)
- 兄弟喧嘩が多いときの止め方
- 子どもの自己肯定感
- 下の子が生まれて上の子が赤ちゃん返りしたとき(小学生も)
- 家では話すのに学校で話さない子ども(場面緘黙かもしれないとき)
- 子どもがすぐ手が出る・友だちやきょうだいをたたく(小学生)
- HSC(ひといちばい敏感な子)かもしれないとき:音や人の気持ちに敏感な子に家でできること
- 小学生の恋愛:子どもに好きな子ができたときの親の聞き方
- 子どもが万引き・人の物を取ってしまったとき(小学生)親がすること
- 子どもの気持ち・行動(ぜんぶの場面)
人に話したいとき、子どもの安全や体が心配なときは、子育ての相談先ナビから、無料の電話・LINEの窓口を選べます。
この悩みで、保護者から届いた相談と答え(1件)
子育て相談室に実際に届いた相談です。見出しを押すと、答えと今日の一歩が開きます。答えは相談室と同じものです。
負けると泣く、失敗がこわくて始めない。まず言うのは「それだけ本気だったんだね」届いた相談:負けず嫌いで負けると泣く・失敗をこわがる・すぐあきらめる
💬 くやし泣きや「もうやらない」を見ると、どう声をかければいいか迷いますよね。
負けず嫌いや完璧主義は、本気で取り組めるつよみの裏返しです。大事なのは、結果ではなく「どうやったか」を言葉にすることです。才能をほめられた子は失敗のあとに粘らなくなり、工夫をほめられた子は難しいことに挑み続けたという研究があります。負けた直後は「くやしいね、それだけ本気だったんだね」と受け止め、落ち着いてから「次はどうする?」を一緒に考えます。「できない」は「まだできない」に言いかえる練習も役に立ちます。
✅ 今日の一歩:次にくやし泣きをしたら、教える前に「それだけ本気だったんだね」とだけ言う。
⛔ 今日はしなくていいこと:「泣くなら、やめなさい」と言うこと。くやしさを出せないと、挑戦そのものを避けるようになりやすいからです。
根拠:Mueller & Dweck(1998)、Yeager ら(2019)