子どもの友だち関係が心配けんか・仲間はずれ・ひとりでいる・合わせすぎる
いちばん近い様子を選ぶ(1分)
感想ではなく、見て答えられる様子を2つ選ぶと、見立て・なぜそうなるか・今夜やること1つ・お子さんに聞く3択・使える道具・相談できるところが出ます。14日後に同じ質問で前と比べられます(記録はこの端末の中だけ。トップの聞く欄と同じ記録です)。
🇯🇵 日本の家庭では(公的な調査・制度から)
- 2023年度に学校が「いじめ」として認めた件数は、小学校で588,930件。学年別では小学2年生がいちばん多く(116,234件)、低学年ほど多くなっています。小さなうちのトラブルを、学校が早めに拾っている数でもあります。
出典:文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」 - 法律では、相手の行為で子ども本人が「心や体の苦痛を感じている」ものを、いじめとしています。学校の外やネットでのことも含みます。親が「けんかかな」と思うことでも、子どもがつらいと感じていれば、学校に相談してかまいません。
出典:いじめ防止対策推進法 第2条(2013年)
様子ごとの「なぜ」と、今夜やること
「友だちとけんかした・うまくいかない」とき:けんかは、気持ちを言葉にする練習の途中でもあります
🏠 「〇〇ちゃんとけんかした。もう遊ばない」。帰ってくるなり泣いている。
なぜ?と今夜の手順を見る
子どものけんかの話を聞くと、親のほうが気持ちを揺さぶられますよね。
なぜ? けんかの話は、気持ちを言葉にする練習のチャンスでもあります。親が「どっちが悪い」を判定すると、子どもは自分の気持ちを話せなくなります。まず気持ちを受け止めて、そのあと「次はどうする?」を一緒に考えると、子どもは自分で解決する力をつけていきます。
根拠:米国の心理学者ゴットマンの「感情のコーチング」
今夜の手順
- 「どっちが悪いの?」ではなく「あなたはどうしたかったの?」と聞く 理由:気持ちを聞くほうが、本当のことを話してくれます。
- 気持ちに名前をつける(「くやしかったんだね」) 理由:名前がつくと、子どもが落ち着いて考えられるようになります。
- 落ち着いたら「次はどうする?」を一緒に1つ決める 理由:受け止めたあとに解決を一緒に考えるのが、感情のコーチングの最後の段階です。
言いかえ
- 「どっちが悪いの?」→「あなたはどうしたかったの?」 理由:気持ちを聞くと、子どもが自分で考え始めます。
- 「仲直りしなさい」→「どうしたら、また遊べそう?」 理由:子どもが自分で考えた方法のほうが続きます。
- 「相手が悪いね」→「くやしかったね。あなたはどうしたかった?」 理由:相手を責めるより、自分の気持ちに目を向けると、次の行動が決められます。
学年で変わるところ 低学年:低学年のけんかは、すぐ仲直りすることも多い時期です。親が入りすぎないようにします。 高学年:高学年のけんかは、グループの関係がからみやすくなります。長引くときは担任の先生に様子を聞きます。
考えてみてほしい問い 子どもが自分で解決できたけんかは、これまでにありましたか?(自分で解決できた経験は、子どもの力を信じる根拠になります(解決志向の問いかけです)。)
今夜はしなくていいこと どちらが悪かったかを、今夜はっきりさせること 理由:白黒をつけると、子どもは次からこの話をしにくくなるからです。
研究でわかっていること 「くやしかったね」と気持ちに名前をつけるだけで、高ぶった気持ちがおさまりやすくなる。
🔎 実験:気持ちを言葉にしたときの脳の動きを調べた実験。主に大人が対象(アメリカ)(Lieberman, M. D., Eisenberger, N. I., Crockett, M. J., Tom, S. M., Pfeifer, J. H., & Way, B. M., 2007)
効いているかの見分け方(2週間後) 2週間後、子どもが自分で「次はこうする」を1つ言えたら、合っています。
お子さんに聞いてみる 「いま、その友だちとどうしたい?」
- 「仲直りしたい」と答えたら:仲直りしたいなら、「次に会ったら何て言う?」を一緒に考えて、1つだけ決めておきます。
- 「少しはなれたい」と答えたら:少しはなれたいなら、その気持ちを認めてかまいません。はなれることも、ひとつの選び方です。
- 「わからない」と答えたら:わからないときは、答えを急がせず、「決まったら教えてね」で終えてください。
「仲間はずれやいじめが心配」とき:まず聞く、記録する、学校に伝える、の順です
🏠 最近、休み時間の話をしなくなった。持ち物がなくなることが、何度かあった。
なぜ?と今夜の手順を見る
いじめかもしれないと思うと、胸がしめつけられますよね。
なぜ? いじめを親に話さない子は、めずらしくありません。親を心配させたくない、話すともっとひどくなると思っている、などの理由があります。ふだんから1日の出来事を話す習慣があると、いざというときに話しやすくなります。話してくれたら、聞く・記録する・学校に伝える、の順です。
根拠:米国保健福祉省のいじめ対策サイト「How to Talk About Bullying」
今夜の手順
- ふだんから「今日いちばん楽しかったことと、いやだったことは?」と聞く 理由:いじめのときだけ聞くより、ふだんの会話があるほうが話しやすくなります。
- いつ・どこで・だれに・何をされたかを日付つきで記録する 理由:学校に伝えるとき、具体的なほど動いてもらいやすくなります。
- 相手の子や相手の親に直接言いに行かず、担任の先生に連絡する。変わらなければ管理職へ 理由:直接ぶつかると、かえってこじれることがあるからです。夜や休日は24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310。
言いかえ
- 「やり返しなさい」→「話してくれてありがとう。一緒に考えよう」 理由:やり返すように言うと、子どもがもっと困ることがあります。
- 「気にしすぎじゃない?」→「話してくれてありがとう。あなたは悪くないよ」 理由:味方だと伝わると、続きを話しやすくなります。
- 「先生に言っても無駄」→「先生に、記録を持って伝えよう」 理由:記録があると、学校も動きやすくなります。
学年で変わるところ 低学年:低学年は、いやなことを順番に話すのがむずかしい時期です。「だれに」「何を」を1つずつ聞きます。 高学年:高学年は、親に知られたくなくて隠すことがあります。表情や持ち物の変化にも気をつけます。
考えてみてほしい問い 子どもが「味方がいる」と感じられるのは、だれといるときですか?(味方を1人でも増やすことが、いちばんの守りになります。)
今夜はしなくていいこと 相手の子や相手の親に、直接連絡すること 理由:直接のやりとりはこじれやすく、子どもの立場が苦しくなることがあるからです。まず担任の先生へ。
研究でわかっていること 学校がしっかりいじめ対策をすると、いじめはおよそ2割へる。保護者に情報を届ける学校ほど効きやすい。
🔎 たくさんの研究のまとめ:世界の学校のいじめ対策100件をまとめた研究(Gaffney, H., Ttofi, M. M., & Farrington, D. P., 2021)
効いているかの見分け方(2週間後) 2週間後、ふだんの会話の中で、学校のいやだったことも話してくれるようになっていれば、話せる関係ができています。
お子さんに聞いてみる 「いま、学校でいちばんこわいのは?」
- 「ある子のこと」と答えたら:ある子のことなら、その子の名前と、何があったかを日付と一緒に記録し、担任の先生に伝えてください。
- 「休み時間」と答えたら:休み時間なら、担任の先生に、休み時間の様子を見てもらえないか相談してみてください。
- 「行き帰り」と答えたら:行き帰りなら、通る道や時間を一緒に確かめ、学校にも伝えておきます。
- 「とくにない」と答えたら:とくにないと答えても、気になる様子が続くなら記録は続けてください。
「遊ぶ友だちがいない様子」とき:ひとりでいるのが、本人にとってつらいかどうかを先に聞きます
🏠 参観日、休み時間にひとりで本を読んでいた。家では「友だちいるよ」と言う。
なぜ?と今夜の手順を見る
ひとりでいる姿を見ると、親のほうが心配になりますよね。
なぜ? ひとりで過ごすことが、本人にとってつらいのか、落ち着く時間なのかは、外からは分かりません。先に聞くのは、本人の気持ちです。入りたいのに入れないなら、言う言葉を家で練習すると動きやすくなります。ひとりが好きなら、それも大事な時間です。
根拠:カナダの心理学者コプランらの研究(2004年。「入りたいのに入れない」と「ひとりが好き」は、別のものとして見分ける)
今夜の手順
- 「休み時間は何してるの?」と、責めずに事実だけを聞く 理由:答えに合わせて、次にすることが変わるからです。
- 入りたいけど入れないなら、「なんて言えば入れそう?」を家で練習する 理由:言う言葉が決まっていると、動きやすくなります。
- 担任の先生に、学校での様子を聞く 理由:家からは、休み時間の様子は見えないからです。
言いかえ
- 「友だちを作りなさい」→「休み時間は、何してるの?」 理由:決めつけずに聞くと、本人の気持ちが分かります。
- 「なんで友だちいないの」→「休み時間に、楽しいことある?」 理由:できていないことより、楽しいことを聞きます。
- 「もっと積極的に」→「入りたいとき、なんて言えばいいか練習してみる?」 理由:言い方を練習すると、学校でも使いやすくなります。
学年で変わるところ 低学年:低学年は、ひとりで遊ぶのが好きな子もいる時期です。本人が困っているかを先に確かめます。 高学年:高学年は、グループができやすく、ひとりが目立ちやすい時期です。本人の気持ちを聞いてから動きます。
考えてみてほしい問い この子は、ひとりでいることを困っていますか?それとも、親が心配しているのでしょうか?(子どもの困りごとと親の心配を分けると、打つ手が変わります。)
今夜はしなくていいこと 「友だちをつくりなさい」と言うこと 理由:本人がどうしたいかが分からないうちに言うと、責められたと感じやすいからです。
研究でわかっていること 家庭と学校がやりとりしながら子どもを支えると、成績も心の元気も良くなりやすい。
🔎 たくさんの研究のまとめ:家庭と学校が協力する取り組み77件をまとめた研究(Smith, T. E., Sheridan, S. M., Kim, E. M., Park, S., & Beretvas, S. N., 2020)
効いているかの見分け方(2週間後) 2週間後、本人の気持ち(入りたい/このままでいい)が分かっていれば、次にすることが決まっています。
お子さんに聞いてみる 「休み時間、どうしてる?」
- 「ひとりで好きなことをしている」と答えたら:好きなことをしているなら、その時間を大事にしてかまいません。家でその話を聞いてあげてください。
- 「入りたいけど入れない」と答えたら:入りたいけど入れないなら、「なんて言えば入れそう?」を家で一緒に練習してみます。担任の先生に様子を伝えておくのもひとつです。
- 「わからない」と答えたら:わからないときは、担任の先生に、学校での様子を聞いてみてください。
「友だちに合わせすぎている・断れない」とき:合わせすぎるのは、嫌われたくない気持ちからです
🏠 友だちに頼まれると、自分のおやつも、いやな役も引き受けてしまう。「いいよ」としか言えない。
なぜ?と今夜の手順を見る
友だちに合わせすぎている姿を見ると、歯がゆくなりますよね。
なぜ? 断ったら嫌われるかもしれない、と思うと、いやなことでも合わせてしまいます。断る言葉を知らないだけのこともあります。頭で分かっているだけより、家で声に出して練習した言葉のほうが、その場で口から出やすくなります。
根拠:米国の親子相互交流療法(PCIT)、米国保健福祉省のいじめ対策サイト
今夜の手順
- 断る言い方を、家で一緒に1つ決めて、2〜3回声に出して練習する 理由:頭で知っているだけより、口に出した言葉のほうがその場で出やすいからです。
- いやだったことを話してくれたら、話したことを具体的にほめる 理由:話してくれたことを認めると、次も話してくれます。
- お金や物のやりとり、危ないことが入るときは、担任の先生に伝える 理由:子どもだけでは止められないことがあるからです。
言いかえ
- 「断ればいいじゃない」→「なんて言えば断れそう?一緒に練習しよう」 理由:断れない子に「断れ」と言っても、動けません。
- 「いやなら断ればいいじゃない」→「断るのって、すごく勇気がいるよね」 理由:むずかしさを分かってもらえると、練習に向かえます。
- 「流されちゃだめ」→「いやだったことを話してくれて、うれしいよ」 理由:話したことを受け止めると、次もいやなことを話してくれます。
学年で変わるところ 低学年:低学年は、断る言葉を、家でごっこ遊びのように練習しやすい時期です。 高学年:高学年は、仲間から外れる不安で断れなくなる時期です。お金や物のやりとりがあるときは先生に伝えます。
考えてみてほしい問い この子が「いや」と言えた相手や場面はありますか?(言えた場面が、断る力の出発点になります。)
今夜はしなくていいこと 「なんで断らないの」と責めること 理由:断れないことを責められると、次からいやなことを話さなくなりやすいからです。
研究でわかっていること 断る言い方は、家で声に出して練習すると、学校でも使えるようになる。
🔎 少人数の研究:自分の気持ちを言えない小学生4人を、ていねいに追った研究(アメリカ)(Bornstein, M. R., Bellack, A. S., & Hersen, M., 1977)
効いているかの見分け方(2週間後) 2週間後、「いまはいや」など、断る言葉を1回でも使えたら、合っています。
お子さんに聞いてみる 「友だちに言われて、いやだけどやったことある?」
- 「ある」と答えたら:あると答えたら、話してくれたことをほめてください。そのうえで、次に同じことがあったときの言い方を1つ決めます。
- 「ない」と答えたら:ないと答えたら、それでかまいません。いやなときは言っていい、とだけ伝えておきます。
- 「わからない」と答えたら:わからないときは、具体的な場面(遊びの順番・物の貸し借りなど)で聞いてみてください。
「LINEやゲームのチャットでトラブル」とき:画面の中のトラブルは、顔が見えないぶん、こじれやすくなります
🏠 夜、子どもがスマホを見たまま固まっている。「なんでもない」と言うけれど、表情が暗い。
なぜ?と今夜の手順を見る
画面の中のことは見えないぶん、心配が大きくなりますよね…。
なぜ? LINEやゲームのチャットでは、表情や声の調子が伝わらないので、軽い一言がきつく受け取られたり、仲間はずれに見えたりしやすくなります。子どもは、スマホやゲームを取り上げられるのがこわくて、困っても言い出せないことが多いです。まず、話してもらえる関係を守ることが先です。
根拠:文部科学省「いじめの防止等のための基本的な方針」(インターネットを通じて行われるいじめを含む)
今夜の手順
- 「話してくれても、スマホやゲームを取り上げたりしない」と先に伝える 理由:取り上げられると思うと、子どもはトラブルを隠すようになるからです。
- いやなやりとりは、消さずに画面を写真に残す 理由:あとで先生や相談先に見せるとき、事実がそのまま伝わるからです。
- 「夜の何時からは返さない」を家の約束にする 理由:返事を急かされる苦しさから、子どもを守れるからです。
言いかえ
- 「だからスマホはだめって言ったでしょ」→「話してくれてよかった。取り上げたりしないよ」 理由:責められると、次から話さなくなります。
- 「そんなの気にしなければいい」→「いやだったね。どの言葉がいちばんいやだった?」 理由:気持ちを受け止めてから、事実を一緒に確かめます。
- 「すぐ言い返しなさい」→「今日は返さないでおこう。明日一緒に考えよう」 理由:画面の上の言い合いは残り、こじれやすいからです。
学年で変わるところ 低学年:低学年は、親のスマホやゲーム機を、親の目のあるところで使う時期です。 高学年:高学年は、自分の端末を持つことが増える時期です。夜に返さないなど、家の約束を一緒に決めます。
考えてみてほしい問い 画面の中で困ったとき、この子はだれに話せると思っているでしょうか?(話せる相手が親になれるかどうかが、トラブルが大きくなる前の分かれ目です。)
今夜はしなくていいこと 今夜、スマホやゲームを取り上げること 理由:取り上げると、次に困ったときに話してくれなくなりやすいからです。
研究でわかっていること ネットで困っても子どもが言わない理由の1つは、「言うと取り上げられる」というこわさ。
🔎 子どもに聞いた研究:5年生以上の子ども38人に、グループで話を聞いた研究(カナダ)(Mishna, F., Saini, M., & Solomon, S., 2009)
効いているかの見分け方(2週間後) 2週間後、画面の中でいやなことがあったとき、子どもが自分から話してくれたら、合っています。
お子さんに聞いてみる 「いちばんいやだったのは?」
- 「言われた言葉」と答えたら:言われた言葉は、消さずに画面を写真に残しておいてください。言い返さないことを一緒に決めます。
- 「グループに入れてもらえないこと」と答えたら:グループのことは、担任の先生に、学校での様子も含めて相談してください。
- 「返事を急かされること」と答えたら:返事は急がなくていいと、家の約束として決めてあげてください(夜は返さない、など)。
- 「わからない」と答えたら:分からないなら、話してくれたことに「ありがとう」とだけ返して、今日は終わりにしてください。
子どもは、そのことを話してくれるで、変わること
自分から話してくれる 自分から話してくれるなら、途中で助言をはさまずに、最後まで聞くことを続けてください。それが、次も話してくれる理由になります。
聞けば少し話す 聞けば少し話すなら、送り迎えや寝る前など、顔を向き合わせないで話せる時間に聞くと、話しやすいことがあります。
話さない 話さないときは、無理に聞き出さず、「話したくなったら聞くよ」とだけ伝えてください。担任の先生に、学校での様子を聞いてみます。
相談するときは、いつ・どこで・どんな様子だったかの記録がいちばん役に立ちます。上の見立てのあとに、日付つきで1行ずつ記録して、先生や医師に見せる形でコピーできます(この端末の中だけ)。
相談できるところ
担任の先生、学校のスクールカウンセラー。いじめが心配なときは、夜や休日も24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(文部科学省。子どもも保護者も相談できます)。ひとりで抱えなくて大丈夫です。
どこに連絡するか迷ったら:5つ選ぶだけの子育ての相談先ナビ(学校の外の窓口・電話で最初に言うことまで)
ほかのことも話したいときは、子育て相談室へ。ただ聞いてほしい日は受け止めるだけ、試すと決めた一手は3日後に「その後どう?」と続きを聞きます。
ほかの悩みから探す
- 小学生の行き渋り・学校に行きたくない(朝泣く・母子分離・理由がわからない)
- 「学校に行きたくない」と言われた夜に、明日の朝のための一手
- 子どもにイライラして怒ってしまう(自分の育て方が悪かった?と思う夜に)
- 小学生の癇癪・パニック・すぐ怒る・話さない
- 子育てに疲れた・イライラが止まらない・愚痴を言える人がいない
- 子どもの体や発達が気になる
出典:文部科学省「家庭教育支援推進のための調査研究(保護者アンケート)」報告書(令和6年9月)、文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」。スクールコンパスは医学的な判断はしません。
このページについて
書いた人:スクールコンパス編集部。最終確認日:2026年10月9日。
分かること:よくある様子ごとの「なぜそうなりやすいか」、今夜できること1つ、今夜はしなくていいこと、そのまま言える言葉、2週間後の見分け方、相談できる窓口。
分からないこと:お子さんの医学的な判断や診断。気になる様子が続くとき、生活への影響が大きいときは、担任の先生・スクールカウンセラー・かかりつけの小児科・市区町村の相談窓口に、記録を持って相談してください。
根拠にした資料
研究の選び方と言いかえ方、訂正の記録は子育て相談の根拠と編集の決まりにまとめています(書き手:スクールコンパス編集部)。
ひらいて読む(研究と公的資料)
研究でわかっていること(海外の論文と、日本の家庭で確かめた研究から)
論文は英語ですが、ここでは「ひとことで言うと何が分かったか」と「どんな研究か」を先に書き、くわしい中身と出典は下にまとめています。
- 「くやしかったね」と気持ちに名前をつけるだけで、高ぶった気持ちがおさまりやすくなる。
🔎 実験:気持ちを言葉にしたときの脳の動きを調べた実験。主に大人が対象(アメリカ)もう少しくわしく・出典
気持ちを言葉にする(「くやしい」「こわい」と名前をつける)と、不安や怒りに反応する脳の部分の反応が弱まりました。気持ちに名前をつけることが、気持ちを落ち着かせる手がかりになると考えられています。
気をつけること:主に大人を対象にした脳の画像の研究です。子どもで同じ大きさの効果があるかは、まだ分かっていません。
出典(英語):Lieberman, M. D., Eisenberger, N. I., Crockett, M. J., Tom, S. M., Pfeifer, J. H., & Way, B. M.(2007)Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli. Psychological Science, 18(5), 421-428 - 学校がしっかりいじめ対策をすると、いじめはおよそ2割へる。保護者に情報を届ける学校ほど効きやすい。
🔎 たくさんの研究のまとめ:世界の学校のいじめ対策100件をまとめた研究もう少しくわしく・出典
学校で行ういじめ対策の研究100件をまとめたところ、いじめる行動はおよそ2割、いじめられることはおよそ15%減っていました。学校全体で取り組むことや、保護者への情報提供を含む対策ほど効果が大きい傾向でした。
気をつけること:学校の取り組みの効果をまとめた研究で、効果の大きさはほどほどです。家庭だけで解決するものではなく、学校と一緒に動くことの根拠として読んでください。
出典(英語):Gaffney, H., Ttofi, M. M., & Farrington, D. P.(2021)Effectiveness of school-based programs to reduce bullying perpetration and victimization: An updated systematic review and meta-analysis. Campbell Systematic Reviews, 17(2) - 家庭と学校がやりとりしながら子どもを支えると、成績も心の元気も良くなりやすい。
🔎 たくさんの研究のまとめ:家庭と学校が協力する取り組み77件をまとめた研究もう少しくわしく・出典
家庭と学校が一緒に子どもを支える取り組みの研究77件をまとめたところ、成績・学ぶ姿勢・人との関わり・心の健康のいずれも良くなっていました。とくに、学校から家庭への連絡と、家庭と学校の双方向のやりとりが効いていました。
気をつけること:学校ぐるみの取り組みの研究で、1回の連絡帳や面談の効果を直接測ったものではありません。
出典(英語):Smith, T. E., Sheridan, S. M., Kim, E. M., Park, S., & Beretvas, S. N.(2020)The Effects of Family-School Partnership Interventions on Academic and Social-Emotional Functioning: A Meta-Analysis Exploring What Works for Whom. Educational Psychology Review, 32(2), 511-544 - 断る言い方は、家で声に出して練習すると、学校でも使えるようになる。
🔎 少人数の研究:自分の気持ちを言えない小学生4人を、ていねいに追った研究(アメリカ)もう少しくわしく・出典
自分の気持ちを言えない小学生に、言い方の説明・お手本・声に出しての練習・その場での声かけを組み合わせたところ、断る・頼むなどの言い方が身につき、教室や家でも使えるようになり、数週間後も続いていました。
気をつけること:4人の子どもを1人ずつ追った小さな研究です。どの子にも同じように効くかは分かりません。
出典(英語):Bornstein, M. R., Bellack, A. S., & Hersen, M.(1977)Social-skills training for unassertive children: A multiple-baseline analysis. Journal of Applied Behavior Analysis, 10(2), 183-195 - ネットで困っても子どもが言わない理由の1つは、「言うと取り上げられる」というこわさ。
🔎 子どもに聞いた研究:5年生以上の子ども38人に、グループで話を聞いた研究(カナダ)もう少しくわしく・出典
カナダの5年生以上の子ども38人に、7つのグループで話を聞きました。ネットのいじめは、顔が見えないぶん深刻だと受け止められていて、多くは知らない人ではなく、ふだんの友だちの間で起きていました。大人に言うかどうかも話題になり、言うとパソコンやネットを使わせてもらえなくなるのがこわい、という声がありました。
気をつけること:少人数に話を聞いた研究で、どのくらいの割合の子がそう感じているかは分かりません。カナダの研究で、当時はパソコンでのやりとりが中心でした。
出典(英語):Mishna, F., Saini, M., & Solomon, S.(2009)Ongoing and online: Children and youth's perceptions of cyber bullying. Children and Youth Services Review, 31(12), 1222-1228
保護者アンケートでも「子供の友人関係」は悩みの1つに挙がっています(文部科学省、2024年)。
答えは、米国の心理学・小児科・公衆衛生の研究と公的資料、日本の公的資料をもとにしています。海外の資料は、やり方(どう関わると効くか)だけを使い、日本の学校のしくみに合わないところは書き分けています。
よくある質問
Q. けんかは、気持ちを言葉にする練習の途中でもあります(どうすればいい?)
A. 「どっちが悪いの?」ではなく「あなたはどうしたかったの?」と聞く
Q. まず聞く、記録する、学校に伝える、の順です(どうすればいい?)
A. ふだんから「今日いちばん楽しかったことと、いやだったことは?」と聞く
Q. ひとりでいるのが、本人にとってつらいかどうかを先に聞きます(どうすればいい?)
A. 「休み時間は何してるの?」と、責めずに事実だけを聞く
Q. 合わせすぎるのは、嫌われたくない気持ちからです(どうすればいい?)
A. 断る言い方を、家で一緒に1つ決めて、2〜3回声に出して練習する
Q. 画面の中のトラブルは、顔が見えないぶん、こじれやすくなります(どうすればいい?)
A. 「話してくれても、スマホやゲームを取り上げたりしない」と先に伝える
Q. いじめかもしれないと思ったら、親はまず何をすればいいですか?
A. いつ・どこで・だれに・何をされたかを、子どもの言葉のまま日付つきで記録します。相手の子や相手の親に直接連絡すると、こじれて子どもの立場が苦しくなることがあるので、まず担任の先生へ。変わらないときは学年主任や管理職へ相談します。夜や休日でも、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310、文部科学省)に保護者が相談できます。
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友だちのことで、よく調べられていること
友だちとのトラブル、親はどこまで入る?
けががある、物を取られた、何日も続いている、のどれかなら、親が学校に相談するときです。それ以外は、まず子どもの話を最後まで聞き、どうしたいかを子どもに決めさせます。友だちトラブルのときの親の動き方。
ネットいじめ・LINEのトラブルが心配
困っても子どもが言わない理由の1つは「言うとスマホを取り上げられる」というこわさです。「言ってくれたら取り上げない」と先に約束しておくと、話してくれやすくなります。画面は消さずに保存しておきます。
いじめを扱った絵本・本で話したい
直接聞くより、本の登場人物の話として「この子はどう思ったかな」と聞くほうが、子どもは話しやすくなります。本選びは小学生におすすめの本から。
仲間外れにされているかもしれない
「最近、休み時間はだれと何してる?」のように、決めつけずに聞きます。続いているようなら、担任に「様子を見ていてほしい」と連絡帳で伝えるところから。
どこまで親が動くか迷うときは、子育て相談室で一緒に決められます。