わらえる本 10冊
まじめな本しか渡していないと、読まなくなります
感想文をコンクールに出したいとき、個人では応募できません。青少年読書感想文全国コンクールは学校単位の応募で、担任の先生に言うのが唯一の道です。冬休みの宿題に出る学校もあります。読書感想文の書き方とコンクールのしくみ →
読書週間は10月27日から11月9日です。学校で読書カードが配られる2週間。白いまま何日も過ぎて焦る前に、読書週間に、本を読まない子とどうするかを読んでみてください。ページ数ではなく「なにを読んだか」を書く読書週間の読書カード(14日ぶん・印刷)もあります。1冊読み切らせようとしないこと、寝る前の10分だけ時間を決めること、高学年でも読み聞かせをやめないこと。感想文が宿題で出たら書き方、語彙をふやしたいなら言いかえ辞典があります。
子どもに渡す本が、いつのまにか「ためになる本」ばかりになっていないでしょうか。読書がきらいになる原因の多くは、内容ではなく、選ばれ方にあります。制作 スクールコンパス編集部 / 更新 2026年9月4日
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わらえる本 10冊
読む順ではなく、いまの子の状態に合うものから1冊選んでください。全部読ませようとしないことが、いちばん続きます。表紙が気に入らなければ、それだけの理由で外してかまいません。
1冊ごとに、字のりょうと、こわさを星で出しています。子どもが自分で選べるように、その本のなかで起きることを3行だけ書きました。つづきと結末は書いていません。読んだ本は「よんだよ」を押すとたまります。記録は端末の中だけに残り、こちらには何も送られません。
どれにするか決められないときは、3つ答えると1冊だけ出します →
ぼくは王さま
寺村輝夫 / 理論社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
たまご焼きが大好きで、わがままで、まったく反省しない王さまの話です。1話が短く、どこから読んでも成立します。反省しない主人公というのが子どもにはとても痛快で、教訓を求めない読み方を覚えられます。3年生に置いているのは、読むことに力を使わなくなり、内容がおもしろいかどうかだけが続くかどうかを決める学年だからです。おもしろさで押し切れる本が、この時期には要ります。
- 王さまは、たまごやきが せかいで いちばん すきです。
- ほしいものは、なんでも 手に入れようとします。
- でも、たいてい 王さまの ほうが こまります。
おうちの方へ この本の細かいところ
短編たまごくり返し読める
読んだあとに聞いてみる 王さま、こんどは なにを やらかした。
はれときどきぶた
矢玉四郎 / 岩崎書店
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
日記に書いたことが、次の日に本当に起きてしまう話です。ばかばかしい出来事がまじめに起きるので、子どもは大笑いします。出版社の書誌では小学生低学年からとされていて、1年生や2年生で読み切る子もめずらしくありません。それでも3年生に置いているのは、この学年で本から離れる子が出てくるからです。90ページほどで、笑いだけで最後まで走れる本は、読む習慣が切れかけた子を引き戻すのにいちばん効きます。読んだあとに自分でも同じ日記を書き始める子が多く、作文がきらいな子への渡し方としても使えます。
- ある日、日記に うその ことを 書いてみました。
- つぎの日、それが ほんとうに おきました。
- そらから ぶたが ふってきます。
おうちの方へ この本の細かいところ
シリーズばかばかしい低学年から
読んだあとに聞いてみる もし あしたの 日記が ほんとうに なるなら、なにを 書く。
かいけつゾロリ シリーズ
原ゆたか / ポプラ社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
字が少なく、絵とふきだしが多く、しかけページがあります。本を読まない子でもこれだけは読む、ということがよくあります。学習まんがのようで本ではない、と心配される方がいますが、1人で最後まで読み切った経験を作ることのほうが先です。ここから字の多い本に移った子をたくさん見ます。1年生に置いているのは、この学年で自分から本に手を出す子と出さない子が分かれるからです。最初の1冊を自分で選んだ経験があるかどうかが、そのあとを変えます。
- いたずらの てんさい ゾロリが、こんかいも なにかを たくらみます。
- えと ふきだしが おおいので、じを よむのが にがてでも すすみます。
- ページを めくると しかけが 出てくる ところが あります。
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シリーズマンガに近い自分から読む
読んだあとに聞いてみる ゾロリのいたずらで、いちばんうまくいったのはどれ。自分ならどうする。
ズッコケ三人組 シリーズ
那須正幹 / ポプラ社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
性格のちがう小学6年生3人が、事件に首をつっこみます。冊数がとても多いので、はまると1年もちます。1冊ずつ完結していて、どこから読んでも大丈夫です。友だち関係の書き方が正直で、きれいごとになっていません。
- ハチベエ、ハカセ、モーちゃん。まったく にていない 3人です。
- なにかを 見つけると、かならず 首を つっこみます。
- たいてい とちゅうで けんかに なります。
おうちの方へ この本の細かいところ
シリーズ冊数が多い3人組
読んだあとに聞いてみる 3人のうち、だれが いちばん 自分に にている。
チョコレート工場の秘密
ロアルド・ダール 作/柳瀬尚紀 訳 / 評論社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
ふしぎな工場に招かれた5人の子どものうち、行儀の悪い子から順に消えていきます。楽しいのに、どこか意地悪です。この作者の本はどれも同じ手ざわりで、1冊が合えば作者読みに移れます。読み終えたあとに感想が出やすい本でもあります。4年生に置いているのは、長い話を最後まで覚えていられるようになる学年だからです。5人の子どもが順に消えていく形は、前に出てきた人物を覚えていないと効きません。
- せかいで いちばん ふしぎな チョコレート工場に、5人だけ 入れます。
- 工場の 中は、ぜんぶ たべられます。
- でも、言うことを きかない子から、いなくなります。
おうちの方へ この本の細かいところ
ぶきみおかし翻訳もの
読んだあとに聞いてみる 5人のうち、消えかたが いちばん こわかったのは だれ。
番ねずみのヤカちゃん
リチャード・ウィルバー 作/松岡享子 訳 / 福音館書店
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
声が大きすぎるねずみの子が主人公です。全体が短く、絵も入るので、絵本から読み物に移る橋として使えます。うるさいことが最後に役に立つ、という形になっていて、落ち着きがないと言われがちな子が読むと効きます。その橋がかかるのが2年生です。
- ヤカちゃんは、こえが とてつもなく 大きい ねずみです。
- しずかに しなさいと 言われても、できません。
- その こえが、あるとき やくに 立ちます。
おうちの方へ この本の細かいところ
短い声が大きいはじめての読み物
読んだあとに聞いてみる ヤカちゃんの こえが 大きいのは、こまること だけだった。
こまったさんのスパゲティ
寺村輝夫 作/岡本颯子 絵 / あかね書房
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
お話の途中に、実際に作れるレシピが入っています。読んで終わりではなく、その日の夕食で作れます。読んだことが手の動きに変わる形なので、読書が苦手な子でも「読んだ意味」が分かりやすいところにあります。2年生に置いているのは、シリーズものを自分で選びはじめる時期だからです。1冊が合えば、次の1冊を自分で決められます。
- こまったさんが、スパゲティを つくることに なります。
- とちゅうで、ほんとうに つくれる レシピが 出てきます。
- よんだ あとに、きょうの ごはんで ためせます。
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シリーズ料理女の子に人気
読んだあとに聞いてみる こまったさんのレシピ、うちで作ってみる。どれがいい。
くまの子ウーフ
神沢利子 / ポプラ社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
ウーフが、答えの出ない疑問をひとつずつ持ち出します。おしっこでできてるのかな、というような問いです。1話が数ページで終わるので、低学年でも1人で読み切れます。哲学の入口ですが、子どもは笑いながら読みます。
- くまの子 ウーフは、なんでも 「なぜ」と ききます。
- ぼくは なんで できてるの、と かんがえこみます。
- 1つの おはなしが みじかいので、1日1つずつ 読めます。
おうちの方へ この本の細かいところ
短編考える低学年から
読んだあとに聞いてみる ウーフの ぎもんの なかで、いちばん おもしろかったのは どれ。
おばけのアッチ シリーズ
角野栄子 作/佐々木洋子 絵 / ポプラ社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
レストランに住む食いしんぼうのおばけ、アッチの話です。1979年に始まったシリーズで、作者がひとり読みを始めた子のために続けてきたものです。1冊が短く、話の切れ目がはっきりしているので、2年生が自分の力で1冊を読み切れます。読み切れた経験が次の1冊につながるので、絵本から読み物へ移る時期にいちばん効きます。
- レストランに すんでいる、食いしんぼうの おばけの アッチが 出てきます。
- アッチは 料理が とくいで、いろいろな ものを 作ります。
- そのたびに、思っても みなかった ことが おこります。
おうちの方へ この本の細かいところ
シリーズ1話が短い自分から読む
読んだあとに聞いてみる アッチが作った料理の中で、いちばん食べてみたいのはどれ。その理由も言ってみて。
都会のトム&ソーヤ
はやみねかおる 作/にしけいこ 絵 / 講談社
絵は本の中身のようす(1ページの字の量)を表したものです。表紙ではありません。
しっかり者の内藤内人と、社長の息子の竜王創也が、身のまわりのなぞに首をつっこみます。主人公は中学生なので、6年生が少し先を見る位置にあります。長いシリーズなので、1冊読めた子は次を自分で選べます。重い本が並ぶ6年生の中に、気楽に手が出る1冊を置いておくと、読書が止まりにくくなります。
- 中学生の 内人と 創也が、身の まわりの なぞに 首を つっこみます。
- ふたりは せいかくも くらしも まるで ちがいます。
- それでも 組むと、思わぬ ところまで たどりつきます。
おうちの方へ この本の細かいところ
シリーズなぞとき気楽に読める
読んだあとに聞いてみる 内人と創也は、どちらのやり方が自分に近いと思う。
おうちの方へ ばかばかしい本は、いちばん読まれます
おうちの方へ 読まないとき、どうするか
1冊だけ、ばかばかしい本を混ぜてください。それが読まれたら、そこがその子の入口です。
ふざけた本を読み切れる子は、まじめな本も読み切れます。逆はあまり成り立ちません。
笑える読み物は、文章で笑わせています。どこがおかしいかを言葉で追う必要があるので、読む力は確実に使われます。
この本を手に入れる前に
買う前に、図書館で1冊だけ借りてみてください。同じ作者やシリーズなら、1冊が合えばあとも合います。逆に、1冊目で止まった本を買いそろえても、たいてい読まれません。図書館で当たりが出てから買う、という順にすると、家の本棚に読まれない本がたまらなくなります。
書店で探すときは、書名と作者名をメモして持っていってください。同じ題名で別の版が出ていることがあります。読み聞かせに使うなら、字の大きさと1ページの文字量を必ず見てから決めるのが確実です。
ほかの学年・テーマ
読んだあと、書くところまで
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