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🕐 時計の読み方 つまずく3か所と練習の順番

時計の読み方が分からない子への教え方|つまずく3か所と練習の順番

まず結論:時計が読めないとき、2本の針を同時に見せるのをやめてください。

順番はこうです。
① 長針を隠して、短針だけで「何時台か」を言う
② 長針を5とびで数える(1が5分、2が10分)
③ 2本を合わせて「◯時◯分」。まずは5分刻みだけ

そして最初に1つだけ固定してください。短針が数字と数字の間にあるときは、小さいほうを読む。ここが決まると、混乱の大半が消えます。

時計は「算数」であると同時に「生活」です

時計が読めないと、朝の支度から帰りの時間まで、生活のあちこちで困ります。だから保護者も焦ります。「もう2年生なのに」と口に出しそうになる場面が、何度も訪れます。

ただ、時計は子どもにとって、かなり難易度の高い教材です。1つの文字盤に、2種類の目盛りが重なっているからです。文字盤の「2」は、短針が指せば2時、長針が指せば10分。同じ数字が、針によって違う意味になります。大人は当たり前に処理していますが、これは相当に抽象的な約束ごとです。

ですから、読めないのは理解力の問題ではなく、教える順番の問題であることがほとんどです。順番を変えるだけで、急に読めるようになる子は珍しくありません。

学習指導要領での位置づけ

時計に関わる内容は、学年をまたいで少しずつ扱われます。文部科学省の学習指導要領解説算数編では、次のように整理されています。

学年内容
第1学年時刻の読み方(日常生活の中で時刻を読むこと)
第2学年時間の単位(日、時、分)とそれらの関係
第3学年時間の単位(秒)/時刻や時間を求めること

出典(一次情報):小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編/文部科学省

同解説では、第1学年について、時刻を読むことは学校生活や日常生活で必要なこととされ、短針と長針の位置を基に、それぞれの針が示す数と時刻を表す数との対応を理解し、時計の観察や操作を通して時刻を読むことができるようにする、と述べられています。

つまり「観察や操作を通して」が前提です。プリントの絵だけで教えるのではなく、実物の時計を手元に置いて、針を動かしながら教えることが想定されています。家庭でも、練習用の時計が1つあると進み方が変わります。

実際にどの時期に扱うかは、教科書や学校によって異なります。家庭で先に進めるかどうかは、お子さまの様子を見て判断してください。学校の進度と大きくずれると、かえって混乱することもあります。

つまずきは、3か所しかありません

つまずき1:短針と長針の役割が混ざる

いちばん多いのがこれです。「3時」と読ませたいのに「15時」と言う、あるいは長針が3を指しているのを見て「3時」と答える。

原因は単純で、2本を同時に見ているからです。対策も単純です。長針を紙で隠すか、練習用の時計から長針を外して、短針だけの状態をつくってください。

【短針だけの練習・3分】

長針を隠して、短針だけを見せる。
「いま、何時台?」とだけ聞く。
短針が3と4の間にあれば、答えは「3時台」。

この1点だけ先に固定する。
「数字と数字の間にあるときは、小さいほうを読む」 メモ:「◯時台」という言い方を使うのがコツです。「3時」と言わせると、まだ3時ちょうどではないのに3時と言ってしまうことになり、後で混乱します。

短針が安定してから長針に進んでください。順番を守るだけで、ここから先が驚くほど早くなります。

つまずき2:長針を5とびで数えられない

短針が読めるようになっても、分でつまずく子がいます。長針が4を指しているのに、目盛りを1つずつ数えている。時間がかかり、途中で数え間違えます。

ここで必要なのは、5とびの数え方です。文字盤の1が5分、2が10分、3が15分、というように、数字と分を対応させます。

時計が読めない原因が、実は数の数え方にあることがあります。

5、10、15、20……とスムーズに数えられない場合、時計の練習をいくら重ねても進みません。いったん時計から離れて、5とびで数える練習だけを数日やってみてください。指を使っても構いません。ここが通ると、時計の分は一気に読めるようになります。

5とびが安定してきたら、時計に戻ります。最初は5分刻みだけを扱ってください。「◯時5分」「◯時10分」「◯時15分」。1分刻みは、そのあとです。

つまずき3:時刻と時間の区別がつかない

3つめは、少し性質が違います。「時刻」は時の流れの中の一点、「時間」はその幅です。7時は時刻、7時から8時までの1時間は時間。

この違いは、説明で理解させるより日常の会話の中で言い分けるほうが早く身につきます。

時刻や時間を計算で求めることは、学習指導要領では第3学年の内容として示されています。ですから1・2年生のうちは、計算ではなく、言葉の使い分けに慣れておくだけで十分です。

家庭での練習の順番(4ステップ)

  1. 短針だけで「何時台」。長針を隠す。数字の間なら小さいほうを読む、を固定する。
  2. 長針を5とびで。時計から離れて5とびの数え方が言えるかを先に確認する。
  3. 合わせて5分刻み。「◯時◯分」を、5分刻みだけで読む。
  4. 1分刻みへ。4を指していれば20分、そこから1つずつで21分、22分と進む。

1回の練習は3〜5分で構いません。むしろ長くしないでください。時計の練習は、生活の中で細切れにやるほうが効きます。

【生活の中でできる声かけ】

・「長い針が6にきたら出発だよ」(先に目標を示す)
・「いま何時何分? 教えて」(読ませる場面をつくる)
・「あと何分で7時になる?」(残りを考えさせる)
・「おやつは3時。あと少しだね」(時刻と予定を結びつける) メモ:プリントより、この声かけのほうが定着します。時計は生活の道具なので、生活の中で使うのがいちばん自然な練習になります。

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やってしまいがちなこと3つ

NG1:2本の針を最初から同時に扱う ── いちばんの原因です。短針だけ、長針だけ、と分けてください。
NG2:1分刻みから教える ── 目盛りを1つずつ数えさせると、時間がかかって嫌になります。5分刻みで全体が読めてから細かくします。
NG3:急いでいる朝に練習させる ── 時間に追われている場面で読ませると、失敗と焦りが結びつきます。練習は落ち着いた時間に、実際に読ませるのは余裕のある場面に。

読めるようになったあとの、次の一歩

時刻が読めるようになったら、次は時間を意識できるようにする段階です。ここが、生活の中でいちばん役に立つところです。

「あと何分」を考えさせる

時刻が読めても、「あと何分あるか」が分からないと、行動の見通しが立ちません。まずはちょうどの時刻までの残りから始めてください。

【残り時間の練習】

「いま7時40分。8時までは、あと何分?」
長針が8を指している。12まで進めば8時。
8から12まで、5とびで数えると20分。

慣れてきたら「あと20分で何をする?」まで進めます。 メモ:文字盤の上で「ここからここまで」と指でなぞらせると分かりやすくなります。アナログ時計は、残り時間が扇形の面積として見えるのが強みです。

1日の流れと結びつける

学習指導要領では、第2学年で日・時・分の単位とそれらの関係を扱うことになっています。1日が24時間、1時間が60分という関係は、生活の場面で使うと入りやすくなります。

おすすめは、1日の予定を時計の絵で書かせることです。起きる時間、家を出る時間、帰る時間、寝る時間。文字盤を4つ描いて針を書き込むだけで、時刻と生活がつながります。

午前と午後

アナログ時計は12までしかないため、朝の7時と夜の7時が同じ形になります。ここは意外と混乱しやすいところです。

「朝ごはんのころの7時」「寝る前の7時」というように、出来事とセットで区別させるのが実感を伴います。午前・午後という言葉も、この場面で自然に使えます。

時計の練習に使えるもの

道具使いどころ
家にある時計いちばん手軽。目に入る場所にあることが条件
針が動かせる練習用の時計短針だけ、長針だけ、と分けて扱える。教える順番を守りやすい
紙で作った文字盤短針の位置を書き込んで「何時台」の練習ができる。作る作業自体も理解につながる
キッチンタイマー「あと5分」を体感させるのに向く。時間の長さの感覚が育つ

とくに最後のタイマーは見落とされがちです。5分がどれくらいの長さかを体で知っている子は、「あと5分で片づけて」の指示が通ります。時計を読む力と、時間の長さを感じる力は別のものです。

デジタル時計との付き合い方

家じゅうがデジタルで、アナログを読む機会がない。そういうご家庭も増えました。無理に置きかえる必要はありませんが、目に入る場所にアナログの時計が1つあるかどうかで、練習の機会の数がかなり変わります。

学校ではアナログの時計を扱いますし、教室の時計もアナログであることがほとんどです。また、アナログの文字盤にはあと何分あるかが見た目で分かるという利点があります。「長い針があそこまで来たら終わり」という感覚は、デジタルでは育ちにくいところです。

逆に、デジタルが得意な子には、デジタルとアナログを見比べさせる方法が使えます。同じ時刻を両方で見て、対応させる。この行き来が、読み取りの精度を上げます。

学校で使う場面を知っておく

時計が読めると、学校生活そのものが楽になります。逆に言えば、読めないことで困る場面が毎日あるということです。

この中でとくに大きいのが、1つめと2つめです。時計が読めない子は、先生や友達の動きを見て判断していることがあります。それでも過ごせてしまうため、読めないことが表に出にくいのです。

家庭で気づいたときは、担任の先生にも共有しておくと、学校での声のかけ方が変わります。伝え方は連絡帳のお願い・相談の書き方をご覧ください。

よくある質問

Q. 時計は何年生で習いますか?

学習指導要領では、第1学年の内容として日常生活の中で時刻を読むこと、第2学年の内容として時間の単位(日、時、分)とそれらの関係、第3学年の内容として秒の単位と、時刻や時間を求めることが示されています。ただし、実際にどの時期に扱うかは教科書や学校によって異なります。時計は家庭生活と結びつきが強いため、学校で習う前から自然に触れている子も多い分野です。

Q. 長針と短針が混ざってしまいます。

2本を同時に見せているのが原因であることが多いです。まず長針を隠して短針だけを見せ、「何時台か」だけを言う練習をしてください。このとき、短針が数字と数字の間にあるときは小さいほうを読む、という一点を先に固定しておくと混乱が減ります。短針が安定してから長針に進むほうが、結果的に早く読めるようになります。

Q. 「◯時◯分」の分が数えられません。

長針の目盛りを1分ずつ数えているうちは時間がかかります。文字盤の数字の1が5分、2が10分というように、5とびで数えられるようにするのが近道です。5とびの数え方そのものが苦手な場合は、時計から離れて5、10、15と数える練習を先にしてください。時計の学習は、実は数の数え方の力に支えられています。

Q. デジタル時計しか読めません。アナログは必要ですか?

学校ではアナログの時計を扱いますし、教室の時計もアナログであることがほとんどです。またアナログの文字盤は、あと何分あるかという残り時間の見当をつけやすいという利点があります。家庭で無理に置きかえる必要はありませんが、目に入る場所にアナログの時計が1つあると、日常の中で自然に読む機会が増えます。

今日からの5ステップ

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