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きょうのかがく──1日1問、2分の理科

理科を好きになるのに、覚える必要はありません。思わず「えっ、そうなの?」と声が出る回数を増やすほうが先です。

ここでは、こたえを先に出しません。まず「どっちだと思う?」を2つならべます。当たっても外れても構いません。外した日のほうが、よく覚えています。

このコーナーは、1日に1問だけ出します。問いが先で、こたえはタップして開きます。最後に、家にあるもので今日できることを1つだけ書いてあります。やるかどうかは自由です。宿題にはしません。

4月17日の1問──こたえを見る前に、予想してみよう

4月17日てんき

虹は、なぜ半円なの?

下半分は 地面に かくれている太陽は 背中がわほんとうは 円

どっちだと思う? 当たっても外れても、カードが1枚手に入ります。

こたえを見る

本当は円だからです。太陽を背にしたとき、決まった角度の方向にある水のつぶだけが、こちらへ色を返します。その方向を全部つなぐと円になります。ただし下半分は地面にじゃまされて見えないので、半円に見えます。飛行機の上や高い山からは、まるい虹が見えることがあります。

びっくり大事実! あなたが見ている虹と、隣に立っている人が見ている虹は、別の水つぶでできている。同じ虹を2人で見ることは、原理的にできない。虹は、1人に1つずつ配られている。

もっとくわしく

虹ができるのは、雨つぶの中で光が曲がって、はね返って、また曲がって出てくるからです。曲がる角度は色によってわずかにちがい、赤はおよそ42度、むらさきはおよそ40度。この2度の差が、あの色の帯になります。だから虹は「そこにある物」ではありません。見る人の位置によって、どの水つぶが光を返すかが変わるので、隣の人が見ている虹は、あなたが見ている虹とは別の水つぶで作られています。虹に近づくことも、はしを掘ることもできません。二重に見えるときの外側の虹は、雨つぶの中で2回はね返った光で、色の並びが逆になります。内側が赤が外、外側は赤が内。二重虹を見たら、色の順番を確かめてみてください。

知っていると、なにがうれしいか 虹に近づけない理由が分かる。二重虹を見たとき、色の順番を確かめる楽しみもできます。

きょうためせること 晴れた日に、太陽を背にしてホースで細かい霧を作ってみよう。虹が見えます。次に、少し横へ歩いてみよう。虹もついてきます。虹が動いたのではなく、別の水つぶが光を返し始めたのです。

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かがくを知っていると、なにがうれしいのか

「勉強のため」とは書きません。それでは続かないからです。ほんとうのところ、こういうことです。

  1. こわいものが、少しだけこわくなくなる。地震の速さも、台風の目も、正体が分かると、ただこわいだけのものではなくなります。9月1日と9月8日の問いは、そのために置いています。
  2. 「なんで?」に、自分で答えを出せるようになる。大人に聞かなくてもいい場面が増えます。これはけっこう気持ちがいいことです。
  3. ふつうの日が、少しおもしろくなる。コップの水てき、虫の声、雲の高さ。毎日そこにあったものが、意味を持って見えてきます。
  4. だまされにくくなる。AIが描いた絵のどこがあやしいか、地図アプリの「あと5分」がどこから来た数字か。知っていると、うのみにしなくてすみます。

だからこのコーナーには、毎回「びっくり大事実」の1行と、「知っていると、なにがうれしいか」の1行を入れています。読んだあとに、それが自分の得になったかどうかを確かめられるようにするためです。

びっくり大事実とは、おどろきと楽しさの両方です

このコーナーには、毎回「びっくり大事実」の1行が入っています。ただの豆知識ではありません。おどろきと、楽しさの両方がそろっている1行だけを「びっくり大事実」と呼んでいます。

  1. おどろきだけだと、図鑑になります。数字がすごくても、読んで終わりです。
  2. 楽しさだけだと、ただのネタになります。笑って終わりで、何も残りません。
  3. 両方あると、だれかに言いたくなります。言いたくなるから、次の日もまた開きます。

たとえば、心ぞうが80年で30億回打つ、というのはおどろきです。そこに「いま読んでいるあいだにも、たぶん60回くらい打った」を足すと、思わず自分の胸に手を当てたくなります。これが、びっくり大事実です。

台風の目に東京都がまるごと入る、で止めると図鑑です。「世界一でかい天然のドーム球場。しかも入場無料。ただし出られない」まで書くと、だれかに話したくなります。

だから、この1行は毎回いちばん時間をかけて書いています。ここが弱いと、次の日には来てもらえないからです。

調べた人の話も入れています

科学は、いつでもだれかが最初に「なんで?」と思ったところから始まっています。その人がなぜそれを調べようと思ったのかは、答えそのものよりおもしろいことがあります。

ゆれるランプを見ながら、自分の脈で時間をはかった人。台風の中に飛行機で入っていく研究者。囲碁の盤を見ていてQRコードを思いついた技術者。みんな、最初はふつうに「気になった」だけです。特別な人だから科学者になったのではなく、気になったことを放っておかなかっただけです。

問いによっては、この話が入っています。読み物として、いちばんおもしろいところかもしれません。

デジタルも、かがくです

スマホ、AI、ゲーム、QRコード、地図アプリ。これらは天気や生き物と同じように、しくみのあるものです。だから、このコーナーではデジタルを特別あつかいせず、週に1問か2問のペースでふつうに出しています。

ITは言葉が抽象的で、大人でも説明しにくい分野です。だからこのコーナーでは、「ITとは」という説明をしません。かわりに「QRコードはよごれても読めるのはなぜ」「スマホはどうしてわたしの声が分かるの」という、目の前にある物から入ります。

もっと知りたくなったら、IT・AIのなぜに読み物があります。

これまでの問い(366問)

1年ぶんの366問を、月ごとのページに分けて置いています。過去の問いはいつでも読めます。まとめて読む必要はありません。1日1問で足ります。

てんきうちゅういきものからだものちきゅうデジタル

デジタルも、天気やいきものと同じ理科のひとつとして置いています。しくみが分かるとおもしろい、という点でちがいはないからです。

月ごとに読む

1月の問い(31)2月の問い(29)3月の問い(31)4月の問い(30)5月の問い(31)6月の問い(30)7月の問い(31)8月の問い(31)9月の問い(30)10月の問い(31)11月の問い(30)12月の問い(31)

4月の問い

4月1日いきもの

サクラは、なぜ葉より先に花が咲くの?

花が さきに ひらく葉の つけねに 来年のつぼみ花のつぼみのほうが 低い温度で ひらく

どっちだと思う? 葉を作る力が足りないから / 花のつぼみのほうが、低い温度で開くから

こたえを見る

花と葉で、目を覚ます順番が決まっているからです。ソメイヨシノは、前の年の夏に作った花のつぼみと葉のつぼみを、別々に持っています。花のつぼみのほうが少し低い温度で開くようにできているので、先に咲きます。葉が出てから咲く種類のサクラもあり、ヤマザクラは花と葉がほぼ同時です。

びっくり大事実! サクラが散ったあと、その年の夏にはもう来年の花のつぼみができている。つまり4月に見ている花は、去年の夏に決まっていたものだ。桜は1年先の予定を、去年のうちに立て終えている。

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花が先に咲くことには、意味があると考えられています。葉が茂ってからでは、花が葉にかくれて虫から見つけてもらいにくくなります。まだ何もない枝に花だけがつけば、遠くからでもよく目立ちます。一斉に咲いて一斉に散る、あの見え方も、虫を効率よく呼ぶという点では理にかなっています。ただしソメイヨシノは接ぎ木でふやされてきた同じ木なので、じつは実がなりにくい。3月12日に読んだとおり、あの一斉さは種類がそろっていることの結果でもあります。散ったあとに出てくる葉は、来年の花のつぼみを作るための工場です。花のあとの葉桜の季節に、もう来年の準備が始まっています。

知っていると、なにがうれしいか 葉桜の季節に見るところができる。来年の花のつぼみを、自分の目で見つけられます。

きょうためせること サクラが散ったあとの枝を見てみよう。葉のつけねに、小さなふくらみができています。それが来年の花のつぼみです。夏のうちにもう出来上がります。

4月2日ちきゅう

地図の北は、なぜ上なの?

北見なれた向き北南が上の地図どちらも まちがいでは ない

どっちだと思う? 宇宙から見ると、北が上だから / そう描くと決めただけの、約束ごと

こたえを見る

決まりごとで、そう描くことにしただけです。宇宙には上も下もないので、地球にも本当の上はありません。むかしの地図には、東を上にしたものも、南を上にしたものもありました。いまの形が広まったのは、方位磁針が北を指すことと、そういう地図が世界中で使われるようになったことの積み重ねです。

びっくり大事実! よく見る世界地図では、グリーンランドがアフリカと同じくらいの大きさに見える。実際はアフリカのほうが何倍も大きい。私たちは子どものころから、大きさのゆがんだ世界を頭に入れて育っている。

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南を上にした世界地図は、いまもオーストラリアなどで作られていて、見ると強い違和感があります。慣れているだけで、正しいわけではないと分かります。もうひとつ、地図には形をどう平らにするかという問題があります。丸い地球を紙にうつすと、必ずどこかがゆがみます。よく見る世界地図では、赤道から遠いほど大きく描かれるので、グリーンランドがアフリカと同じくらいに見えます。実際はアフリカのほうが何倍も大きい。地図は世界の写真ではなく、目的に合わせて作った道具です。だから「どの地図が正しいか」ではなく「何をするための地図か」で選びます。3月3日に読んだ暦と同じで、便利だから続いている決まりごとです。

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知っていると、なにがうれしいか 地図が世界の写真ではなく、目的のある道具だと分かる。社会の地図の見方が変わります。

きょうためせること 世界地図を上下さかさまにして見てみよう。日本が下のほうに来ます。同じ地図なのに、まったく知らない世界に見えます。

4月3日てんき

降水確率30パーセントは、何の確率?

おなじ条件が 10回あったら3回ふる7回ふらない雨の 強さや 量は 表していない

どっちだと思う? 雨の量が30パーセントぶん / 1ミリ以上ふる見こみが 10回に3回

こたえを見る

「その時間帯に、1ミリ以上の雨か雪が降る見込みのある確率」です。雨の強さや、降っている時間の長さを表しているのではありません。だから、30パーセントの日にざあざあ降ることもあります。同じような気象の条件が100回あったとき、そのうちおよそ30回で1ミリ以上の降水があった、という意味です。

びっくり大事実! 降水確率は、雨の強さをまったく表していない。10パーセントの日に土しゃ降りになることも、90パーセントの日にぱらつくだけのこともある。あの数字は「降るかどうか」だけを言っていて、「どれだけ降るか」は一言も言っていない。

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ここを誤解している人がとても多いところです。よくある勘ちがいが3つあります。1つめは「30パーセントは降る量が少ない」。ちがいます。量とは無関係です。2つめは「地域の30パーセントの場所で降る」。これもちがいます。3つめは「30パーセントなら傘はいらない」。これは判断の問題で、10回に3回はぬれるということです。1ミリという線にも意味があります。1ミリ未満は、地面がうっすら湿る程度。傘を出すかどうかの分かれ目に近い量です。1月19日に読んだとおり、この確率は、はじめの数字を少しずつ変えた計算を何十通りも走らせて、そのばらつきから出しています。予報は当たり外れの話ではなく、確からしさを伝える仕事です。

知っていると、なにがうれしいか 傘を持つかどうかの判断が、感覚ではなく意味の分かった判断になる。

きょうためせること 1か月間、降水確率と、実際に雨が降ったかどうかを記録してみよう。30パーセントと出た日を集めると、そのうち3割くらいで降っているはずです。1日では分かりませんが、30日集めると見えてきます。

4月4日うちゅう

ロケットを使わずに、宇宙へ行く方法はある?

3まん6千キロに おもり計算は合っている材料が まだロケットの ように 燃料を つまなくてよい

どっちだと思う? もう作られていて、使われている / 考えられているが、材料がまだ作れていない

こたえを見る

考えられている方法があります。地上から宇宙まで長いケーブルをのばして、そこを箱が上り下りする、という案です。宇宙エレベーターと呼ばれています。まだ実現していません。いちばんの問題は、それだけ長いケーブルにたえられる材料が、まだ作れていないことです。

びっくり大事実! 宇宙エレベーターの計算は、実はもう合っている。足りないのは材料だけだ。人類は、行き方は分かっているのに、ひもが作れないという理由で宇宙に階段をかけられずにいる。

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考え方はこうです。地球の自転と同じ速さで回る高さ(およそ3万6000キロ)に重りを置き、そこから地上へケーブルを垂らします。ケーブルは自分の重さで切れそうになりますが、外側にもケーブルをのばして遠心力で引っぱれば、全体がぴんと張った状態になります。ここまでは計算が合います。問題は材料です。何万キロもの長さを自分の重さでささえられる、軽くて途方もなく強い素材がいります。候補として研究されている材料はありますが、必要な長さで作る方法がまだありません。もし実現すれば、ロケットのように大量の燃料を燃やさずに物や人を運べます。3月26日に読んだとおり、ロケットは燃料を運ぶための燃料まで積んでいます。宇宙エレベーターは、その問題ごとなくす発想です。実現するかどうかは、まだ誰にも分かりません。

知っていると、なにがうれしいか 「できない理由」が科学の中にもあると分かる。しかも、それが1つに絞られていることに驚けます。

きょうためせること ひもの先に消しゴムを結び、頭の上でぐるぐる回してみよう。ひもがぴんと張ります。これが遠心力で引っぱるということです。人のいないところで、短いひもでやること。

4月5日からだ

きんちょうすると、なぜ心ぞうがドキドキするの?

すぐ動ける ように 準備している4つ数えて すう8つ数えて はくはくほうを ながく

どっちだと思う? 体が弱っているサイン / すぐ動けるように、体が準備している

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体が「すぐ動けるように」準備しているからです。緊張する場面を脳が感じ取ると、体は力を出す構えに切りかわります。筋肉にたくさんの酸素を届けるため、心ぞうが速く打ち、呼吸も速くなります。手にあせをかいたり、口がかわいたりするのも、同じ切りかえの一部です。こわがっているのではなく、準備しています。

びっくり大事実! 発表の前のドキドキは、あなたの体が全力で走る準備をしている音だ。教室から逃げる必要も、戦う必要もないのに、体は数万年前と同じ構えをとる。人の体は、まだ原っぱにいるつもりでいる。

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この仕組みは、大むかしから変わっていません。危ないものに出あったとき、逃げるか立ち向かうか、どちらにしてもすぐ動けたほうが生き残れました。いまの私たちが緊張する場面は、発表や試合やテストです。走って逃げる必要はないのに、体は同じ準備をします。だから、ドキドキするのは失敗の前ぶれではなく、体が本気になった合図です。この見方に変えるだけで、実際に力を出しやすくなると言われています。あわせて、息をゆっくり長くはくと、体は落ち着く側へ戻りやすくなります。吸うより、はくほうを長くするのがこつです。緊張は消すものではありません。うまく乗るものです。

知っていると、なにがうれしいか ドキドキが失敗の前ぶれではないと分かる。しかも、その場でできる対処が1つ手に入ります。

きょうためせること 4つ数えながら息を吸い、8つ数えながらゆっくりはく。これを5回くり返してみよう。発表の前や、試合の前にやってみて、前とどうちがうか自分で確かめよう。

4月6日いきもの

つくしとスギナは、同じ植物?

つくし ほうしを とばすスギナ 光合成をする地下で つながった おなじ植物

どっちだと思う? よく似ているが、別の植物 / 地下でつながった、同じ植物

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同じ植物です。地下でつながっています。春に先に出てくる茶色いのがつくしで、こちらは胞子を飛ばすための姿。そのあとに出てくる緑のスギナが、光合成をして養分を作る姿です。役割で見た目を変えているので、別の植物に見えます。花も種も作りません。

びっくり大事実! つくしのなかまは、恐竜が現れるより前から地球にいる。当時は木のように高く育つものもあった。いま道ばたで指でつまめるあの小さな植物は、何億年も負けなかった一族の生き残りである。

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つくしとスギナは、シダのなかまです。種ではなく胞子でふえるので、花が咲きません。つくしの頭にある六角形の板をよく見ると、すきまから緑色の粉が出てきます。それが胞子です。この植物は、恐竜より前の時代から地球にいる古いグループの生き残りで、当時は木のように大きなものもありました。いま私たちが使う石炭の一部は、その時代の植物が積もってできたものです。道ばたのつくしは、その子孫です。地下の茎がとても深くまでのびるので、いちど生えると取り去るのが大変です。畑の人にとっては手ごわい相手ですが、それはこの植物が何億年も生き延びてきた作りそのものでもあります。

知っていると、なにがうれしいか 道ばたのつくしを見る目が変わる。しかも胞子を自分の目で見られます。

きょうためせること つくしを1本とって、頭の部分を白い紙の上でトントンとたたいてみよう。緑色の細かい粉が落ちてきます。それが胞子です。息をふきかけると飛んでいきます。

4月7日デジタル

「バグ」は、なぜ虫という意味なの?

for i = 1 to 10 print i print jむかしの よび名まちがえているのは 書いたほう機械は 書かれたとおりに 正しく 動いている

どっちだと思う? いまも虫が入りこんで、こわしている / むかし虫にたとえた言い方が、そのまま残った

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むかし、機械の不具合を虫にたとえて呼んでいたからです。電気の機械が使われ始めたころから、原因のよく分からない故障を虫のせいのように言う習慣がありました。実際にコンピュータの中から蛾が見つかり、それを記録に貼りつけた話が残っていて、この言い方が広まるきっかけのひとつになったと伝えられています。

びっくり大事実! コンピュータのバグの正体は、虫ではなく人間だ。機械は書かれたとおりに、一度もまちがえずに動いている。まちがえているのは、いつも書いたほうである。

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いまのバグは、虫のせいではありません。ほとんどが、人が書いた指示のまちがいです。コンピュータは書かれたとおりにしか動かないので、書き手が思っていたことと、書いた内容がずれていると、そのとおりにずれて動きます。だからバグ探しは、機械を直す作業ではなく、自分の考えのどこがずれていたかを探す作業になります。プログラムを作る人が「バグが取れない」と言っているとき、実際には「自分がどこで思いちがいをしたのか分からない」と言っているのに近いのです。ここが面白いところで、算数の答え合わせととてもよく似ています。計算まちがいを見つけるとき、最初から順に見直すより、答えがおかしくなり始めたところを探すほうが速い。バグ探しでも同じやり方をします。

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知っていると、なにがうれしいか 「コンピュータがまちがえた」という言い方が、たいてい正しくないと分かる。

きょうためせること 友だちに「紙に三角を描く手順」を言葉だけで伝えてみよう。手を使わず、言葉だけで。たいてい思ったものになりません。そのずれが、バグの正体です。

4月8日ちきゅう

川は、なぜまっすぐ流れないの?

外がわ けずる外がわ けずる内がわ たまる少し曲がると 曲がりが そだつ

どっちだと思う? 地面のかたむきに合わせて曲がる / 少し曲がると、その曲がりがどんどん育つ

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曲がりはじめると、曲がり方がどんどん強くなるからです。川がわずかに曲がると、外側は流れが速くなって岸をけずり、内側は流れがおそくなって砂がたまります。けずられた側はさらに外へ広がり、たまった側はさらに内へ出っぱる。この2つが同時に進むので、少しの曲がりが大きな曲がりに育ちます。

びっくり大事実! 曲がりすぎた川は、ある日その曲がりを見捨てて近道を通り始める。取り残された部分は三日月の形の湖になる。地図に並ぶあの細長い池は、川が捨てていった過去である。

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だから、曲がった川の外側は深くてがけになり、内側は浅くて川原になります。橋の下から見ると、左右で川底の形がまるでちがうことがあります。曲がりが極端になると、両はしが近づいて、ある日つながってしまいます。すると川は近道を通るようになり、置いていかれた曲がりの部分が三日月の形の湖として残ります。三日月湖といって、日本では石狩川にたくさんあります。地図で見ると、川の横にぽつぽつと細長い池が並んでいるのが分かります。あれは全部、昔の川の跡です。川は動く地形です。いま流れている場所は、たまたま今そこにあるだけで、100年前は別の場所を流れていたかもしれません。

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知っていると、なにがうれしいか 地図を見たとき、川のそばの細長い池の意味が分かる。地形の見え方が変わります。

きょうためせること 地図アプリで石狩川の下流あたりを見てみよう。川のそばに三日月の形をした細長い池がいくつも並んでいます。全部、むかしの川の一部です。

4月9日もの

道路のアスファルトは、なぜ黒いの?

黒いので 光を よく すう石油の黒い成分+砂利夏はやわらかく 冬はかたくなる

どっちだと思う? 黒いペンキで塗ってある / 材料の色が、そのまま出ている

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石油から取れる黒いねばねばした成分を、砂利や砂と混ぜて固めているからです。この黒い成分をアスファルトといい、接着剤の役目をしています。もともと黒いので、道路も黒くなります。色をつけているのではなく、材料の色がそのまま出ています。

びっくり大事実! 道路は、温度で固さが変わっている。夏はやわらかく、冬は硬い。私たちが毎日ふんでいるあの硬い面は、季節ごとにこっそり性質を変えている。

もっとくわしく

黒いということは、光をよく吸うということです。だから夏のアスファルトはとても熱くなり、街全体の気温を上げる原因のひとつになります。都市の気温が周りより高くなることをヒートアイランドといい、その対策として、明るい色に塗った道路や、水をしみこませて蒸発で冷やす道路が使われている場所もあります。もうひとつ、アスファルトは温度で固さが変わります。夏はやわらかくなり、重い車が通るとわずかに沈む。冬は硬くなり、割れやすくなります。道路が波打っていたり、ひび割れていたりするのは、この性質と関係があります。雨の日に道路の音が変わるのは、水がタイヤと道の間に入るからで、水を通す作りの道路では音が小さくなります。道路は、ただの平らな面ではありません。

知っていると、なにがうれしいか 夏に道路が熱い理由と、街が暑い理由がつながる。色を変えた道路の意味も分かります。

きょうためせること 晴れた夏の日に、アスファルトの上と、そばの土や草の上に手をかざして温度をくらべてみよう。さわると熱いので、手をかざすだけにすること。

4月10日てんき

雨がふる前に、においがするのはなぜ?

しめった空気が さきに とどく土に たまっていた 成分が とび出す

どっちだと思う? 雨そのものに、においがある / 地面や植物のにおいが、運ばれてくる

こたえを見る

地面や植物から出るにおいの成分が、風や湿り気で運ばれてくるからです。雨が近づくと、湿った空気が先に届きます。湿ると、かわいていた土や落ち葉からにおいの成分が出やすくなります。さらに、雨つぶが地面に当たったときに細かいしぶきが立ち、土の中の成分が空気中に飛び散ります。

びっくり大事実! 人の鼻は、土の中の微生物が作るにおいを、ごくわずかな量でも感じ取れる。犬に負けない感度がある数少ないにおいのひとつだ。なぜそこまで敏感なのかは、まだ分かっていない。

もっとくわしく

雨が降り始めたときの、あの独特のにおいには名前がついています。ペトリコールといいます。かわいた地面にしみこんでいた植物由来の油のような成分が、雨つぶの衝げきで空気中に出てくることが分かっています。もうひとつ、土の中の微生物が作る成分もにおいの元になっていて、こちらは人の鼻がとても敏感に感じ取れることが知られています。ごくわずかな量でも分かるのです。なぜそこまで敏感なのかは、はっきり分かっていません。水を探すのに役立ったからではないか、という考え方もありますが、確かめられてはいません。長く雨が降らなかったあとの雨で、においが強く感じられるのは、それだけ地面に成分がたまっていたからです。

知っていると、なにがうれしいか 雨のにおいに名前があると知れる。1日目と2日目でちがう理由も説明できます。

きょうためせること 雨が降り始めたら、外の空気のにおいをかいでみよう。次に、雨が続いた2日目にもかいでみよう。1日目のほうが強いはずです。理由は、たまっていた分が最初に出るからです。

4月11日うちゅう

星座は、だれが決めたの?

区画1区画2区画3空ぜんたいを 88に わけた 区画同じ方向に見えるだけで きょりは ばらばら

どっちだと思う? 近くにある星どうしを、線でつないだもの / 同じ方向に見えるだけで、きょりはばらばら

こたえを見る

むかしの人たちが少しずつ作り、いまの形は1928年に国際的な取り決めで88に定められました。それまでは国や時代によってばらばらで、同じ星が別の星座に入っていたり、新しい星座が勝手に作られたりしていました。いまは空全体が88の区画にきっちり分けられていて、すきまはありません。

びっくり大事実! オリオン座は、横から見たらオリオン座に見えない。あの形が成り立つのは、地球から、この時代に見たときだけだ。星座は、私たちが立っている場所からしか描けない絵である。

もっとくわしく

大事なのは、星座が「星の集まり」ではなく「空の区画」だということです。オリオン座に見える星たちは、地球から見て同じ方向にあるだけで、実際の距離はばらばらです。手前の星と奥の星が何百光年も離れていることもあります。もし横から見たら、あの形にはまったく見えません。星座は、地球という1つの場所から、いまの時代に見たときだけ成り立つ絵です。しかも星は少しずつ動いているので、何万年もたてば形が変わります。北斗七星も、遠い未来には別の形になります。それでも星座が役に立つのは、空のどのあたりかを言うための住所として使えるからです。新しい星が見つかったとき、どの星座の中にあるかで場所を伝えます。

知っていると、なにがうれしいか 星座が「集まり」ではなく「区画」だと分かる。星までの距離を知ったときの見え方が変わります。

きょうためせること オリオン座を写真で見て、3つ並んだ星のどれかを指さしてみよう。あの3つは、実は地球からの距離がそれぞれちがいます。並んで見えるのは、偶然です。

4月12日いきもの

アリは、なぜ行列を作れるの?

すえさリーダーは いないにおいが こいほうへ 進むだけ地面が みんなの ノートになっている

どっちだと思う? リーダーのアリが道を教えている / 1ぴきずつが においをたどっているだけ

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えさを見つけたアリが、巣へ帰るときに道しるべのにおいを地面に置いていくからです。次のアリはそのにおいをたどって進み、自分もにおいを足していきます。えさが多いほど通るアリが増え、においが濃くなって道がはっきりします。えさがなくなるとにおいを足さなくなり、においは自然に消えて行列も消えます。

びっくり大事実! アリの行列には、指揮する者がいない。1匹も全体を見ていないのに、群れは最短に近い道を見つけ、必要がなくなれば自然に撤退する。だれも計画していない計画が、地面の上で毎日成功している。

もっとくわしく

面白いのは、リーダーがいないことです。どのアリも「においが濃いほうへ進む」「えさを持って帰るときはにおいを置く」という単純な決まりに従っているだけ。それなのに、群れ全体としては最短に近い道を選び、えさが減れば自然に撤退します。だれも全体を見ていないのに、全体としてかしこく動く。この考え方はコンピュータの世界でも使われていて、配送のルートを決めたり、通信の経路を選んだりするのに応用されています。アリのやり方をまねた計算方法があるのです。1匹のアリは道を知りません。でも、においという書き置きを地面に残すことで、群れ全体が記おくを持てます。地面が、アリたちの共有のノートになっています。

知っていると、なにがうれしいか アリの行列が、コンピュータの計算方法のお手本になっていると知れる。

きょうためせること アリの行列を見つけたら、行列の途中を指でこすってみよう。においが消えて、アリがそこで迷います。しばらくすると別の道を作り直します。アリはつぶさないこと。

4月13日からだ

くしゃみは、なぜ出るの?

いきおいよく外へ 出すひじの内がわでおさえる手だと さわった所に うつる要らないものを 外へ 出す はたらき

どっちだと思う? 体が弱っているから出る / 鼻に入った要らないものを、外へ出している

こたえを見る

鼻に入った要らないものを、いきおいよく外へ出すためです。鼻の中の敏感な部分が刺激を受けると、その情報が脳に伝わり、息を深く吸ってから一気にはき出す動きが起こります。自分で止めようとしても止めにくいのは、考えて起こしているのではなく、決まった反射として組まれているからです。

びっくり大事実! 明るいところに出るとくしゃみが出る人がいる。出る人と出ない人がいて、家族で似る。こんなに身近な現象なのに、なぜそうなるのかは、いまも分かっていない。

もっとくわしく

くしゃみの速さはかなりのもので、口や鼻から出る空気は相当な速さになります。だからこそ、ごみを飛ばす力があります。同時に、細かいしぶきも遠くまで飛びます。ひじの内側や、ティッシュで口と鼻をおおうよう言われるのは、このためです。手でおさえると、その手でさわったところにしぶきが移ります。もうひとつ、明るいところに出るとくしゃみが出る人がいます。人によって出る人と出ない人がいて、家族で似ることが知られています。理由ははっきり分かっていません。鼻の神経と目の神経が近くを通っているため、信号が混ざるのではないか、という考え方があります。3月に読んだあくびと同じで、身近なのに解けていない問いです。

知っていると、なにがうれしいか ひじの内側でおさえる理由が、根拠から分かる。家族で確かめられる実験もついています。

きょうためせること 家族に「明るいところに出ると、くしゃみが出ることがあるか」を聞いてみよう。出る人と出ない人に分かれます。家族の中で似ているかどうかも確かめてみよう。

4月14日デジタル

スマホの充電は、なぜ最後のほうが遅くなるの?

ここまで はやいゆっくり8わりあたりから 流す量を へらすこしょうではなく 電池を まもっている残り何パーセントは はかった数字ではなく 見つもり

どっちだと思う? 電池が古くなって、遅くなった / 電池を守るために、わざと遅くしている

こたえを見る

わざと遅くしています。電池は、いっぱいに近づくほど無理をさせると傷みます。だから充電の仕組みは、はじめは速く流し、8割くらいを過ぎたら流す量をぐっと減らして、ゆっくり満たしていきます。遅くなったのは故障ではなく、電池を長持ちさせるための守り方です。

びっくり大事実! スマホの「残り何パーセント」は、はかった数字ではない。電圧や使い方から計算した見積もりだ。だから急に数字が飛ぶことがある。あれは壊れたのではなく、見積もりが正直になった瞬間である。

もっとくわしく

電池は使うたびに少しずつ減っていく消耗品です。減り方を早める条件がいくつか知られていて、満タンのまま置いておくこと、空っぽのまま置いておくこと、そして熱です。だから多くのスマホには、夜のあいだは8割で止めておき、起きる時刻に合わせて満タンにする機能がついています。充電しながらゲームをすると熱くなるのは、電池にとってはいちばん厳しい使い方です。もうひとつ、電池の残り何パーセントという表示は、実は直接はかった値ではありません。電圧や使われ方から計算した見積もりです。だから急に数字が飛ぶことがあります。壊れているのではなく、見積もりが直ったのです。ここは1月19日の天気予報と同じで、数字は測定ではなく計算の結果です。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 充電の遅さが故障ではないと分かる。電池を長持ちさせる使い方も分かります。

🏅 この話につながるノーベル賞
2019年 化学賞(吉野彰さん) →

きょうためせること 充電しながら、0から50パーセントまでにかかった時間と、50から100までにかかった時間をはかってみよう。後半のほうが長くかかります。

4月15日ちきゅう

がけに見えるしま模様は、何を表しているの?

新しい古い火山ばい=目じるし貝の化石=ここは海だった下ほど古く 上ほど新しい

どっちだと思う? 同じ日にできた もようがちがうだけ / 下ほど古く、上ほど新しい 積もった順番

こたえを見る

積もった順番です。下にあるものほど古く、上にあるものほど新しい。しまの1本1本が、そのとき積もったものの記録です。色や粒の大きさがちがうのは、積もったときの様子がちがったからで、火山灰の層、川が運んだ砂の層、海の底で積もった泥の層などが重なっています。

びっくり大事実! がけのしま模様は、地球の日記だ。しかも下から順に書いてあり、途中でページを差しかえることができない。火山が噴火した年も、そこが海だった時代も、消さずに残っている。

もっとくわしく

だから地層を読むと、その場所の過去が分かります。粒が大きければ流れが速かった、細かければ静かだった。貝の化石が出れば、そこは海だった。火山灰の層が見つかれば、どこかで噴火があった年が分かります。火山灰の層は日本各地で同じものが見つかるので、離れた場所の地層の年代を合わせる目印になります。これを鍵層といいます。地層は水平に積もりますが、あとから力を受けて曲がったり、ずれたり、ひっくり返ったりします。がけの模様がななめになっていたら、それは積もったあとに大地が動いた証拠です。1月17日に読んだ地盤の話も、2月17日に読んだ地球の中の話も、こうやって読み取られてきました。

知っていると、なにがうれしいか がけのしま模様が読めるようになる。工事現場を通るのが少し楽しみになります。

きょうためせること 工事現場のがけや、川ぞいの切り通しで、しま模様が見えたら数えてみよう。何本あるか。色のちがいはどこか。近づかず、離れた安全な場所から見ること。

4月16日もの

輪ゴムは、なぜのびるの?

まるまっているのびて そろうひっぱるとあたたかいゆるめるとつめたい

どっちだと思う? やわらかいので、そのままのびる / 丸まった長い分子が、のびてまっすぐになる

こたえを見る

中に、くしゃくしゃに丸まった長い分子がたくさん入っているからです。引っぱると、その丸まりがのびて、まっすぐに近づきます。手をはなすと、また丸まった形に戻ろうとするので、縮みます。金属やガラスとは、のび方の仕組みがまったくちがいます。

びっくり大事実! 輪ゴムは、あたためると縮む。金属とは逆だ。しかも引っぱるとあたたかくなり、ゆるめると冷たくなる。手の中のゴム1本が、物理の常識をひっくり返している。

もっとくわしく

面白いのは、輪ゴムを引っぱると少しあたたかくなり、縮むとき少し冷たくなることです。ふつうの物は、のばすと冷えそうな気がしますが、逆になります。理由は、丸まっていた分子がのびてそろうことで、乱雑さが減るからです。減った分がねつとして出てきます。しかも、あたためた輪ゴムは、のびるのではなく縮みます。これも金属と逆です。金属はあたためるとのびます。もうひとつ、輪ゴムは時間がたつと切れやすくなります。空気中の酸素や、日光や、オゾンが分子のつながりを切ってしまうからです。引き出しの奥で何年も放っておいた輪ゴムがベタベタになって切れるのは、この変化が進んだ結果です。使わなくても古くなる、という物のひとつです。

知っていると、なにがうれしいか 引き出しの輪ゴムが切れる理由が分かる。使っていなくても古くなる物があると気づけます。

🏅 この話につながるノーベル賞
2000年 化学賞(白川英樹さん) →

きょうためせること 輪ゴムを、くちびるに当てたまま、いきおいよく引っぱってみよう。少しあたたかくなります。次に、のばした状態からゆるめると、ひんやりします。ゴムが飛ばないよう気をつけて。

4月17日てんき

虹は、なぜ半円なの?

下半分は 地面に かくれている太陽は 背中がわほんとうは 円

どっちだと思う? 空の形に合わせて、半円になっている / 本当は円で、下半分が地面にかくれている

こたえを見る

本当は円だからです。太陽を背にしたとき、決まった角度の方向にある水のつぶだけが、こちらへ色を返します。その方向を全部つなぐと円になります。ただし下半分は地面にじゃまされて見えないので、半円に見えます。飛行機の上や高い山からは、まるい虹が見えることがあります。

びっくり大事実! あなたが見ている虹と、隣に立っている人が見ている虹は、別の水つぶでできている。同じ虹を2人で見ることは、原理的にできない。虹は、1人に1つずつ配られている。

もっとくわしく

虹ができるのは、雨つぶの中で光が曲がって、はね返って、また曲がって出てくるからです。曲がる角度は色によってわずかにちがい、赤はおよそ42度、むらさきはおよそ40度。この2度の差が、あの色の帯になります。だから虹は「そこにある物」ではありません。見る人の位置によって、どの水つぶが光を返すかが変わるので、隣の人が見ている虹は、あなたが見ている虹とは別の水つぶで作られています。虹に近づくことも、はしを掘ることもできません。二重に見えるときの外側の虹は、雨つぶの中で2回はね返った光で、色の並びが逆になります。内側が赤が外、外側は赤が内。二重虹を見たら、色の順番を確かめてみてください。

知っていると、なにがうれしいか 虹に近づけない理由が分かる。二重虹を見たとき、色の順番を確かめる楽しみもできます。

きょうためせること 晴れた日に、太陽を背にしてホースで細かい霧を作ってみよう。虹が見えます。次に、少し横へ歩いてみよう。虹もついてきます。虹が動いたのではなく、別の水つぶが光を返し始めたのです。

4月18日うちゅう

ブラックホールは、なんでも吸いこむの?

遠ければ ふつうに回るすいこむのでは なく 重いだけ落ちこむガスが 光る。その光で 見つける

どっちだと思う? 近くのものを、次々に吸いこんでいる / とても重いだけで、遠ければ落ちない

こたえを見る

掃除機のように吸いこんでいるのではありません。とても重いので、まわりの重力が強いだけです。だから遠くにいれば、ふつうの星のまわりと同じように回っていられます。近づきすぎたものだけが、戻れなくなります。太陽が急にブラックホールになったとしても、地球はいまと同じように回り続けます。暗くて寒くなるだけです。

びっくり大事実! 太陽が急にブラックホールに変わっても、地球は今と同じ軌道を回り続ける。落ちていったりはしない。ただ、真っ暗になって、とても寒くなるだけだ。吸いこまれるのではなく、置いていかれる。

もっとくわしく

戻れなくなる境目を事象の地平面といいます。ここを越えると、光でさえ出てこられません。だから黒く見えます。ブラックホールそのものは光を出しませんが、まわりに落ちこんでいくガスは、こすれ合ってものすごく熱くなり、強い光やX線を出します。その光を観測することで、そこに何かとても重いものがあると分かります。2019年には、まわりのガスの光を世界中の電波望遠鏡で同時に観測し、ブラックホールの影をとらえた画像が公開されました。見えないものを、まわりの明るさで見る。1月17日の地震波や、2月17日の地球の内部と同じで、直接行けない場所を、届いてくるものから読み取る方法です。

知っていると、なにがうれしいか ブラックホールが「吸いこむ穴」ではないと分かる。ニュースの画像の意味も分かります。

きょうためせること 洗面台の水を流すとき、渦の中心をよく見てみよう。中心に近いほど速く回り、あるところから急に落ちていきます。ブラックホールのまわりのガスも、これに似た動きをしています。

4月19日いきもの

たけのこは、1日でどれだけのびるの?

ぜんぶの節が同時にのびるこの太さのまま竹は 太くならない。高さだけ のびる

どっちだと思う? 先っぽだけが、ものすごく速くのびる / ぜんぶの節が、同時にのびている

こたえを見る

条件がよければ、1日に1メートル近くのびることがあります。ふつうの植物は、先っぽの近くだけがのびます。ところが竹は、節と節のあいだのそれぞれに、のびる部分を持っています。全部の節が同時にのびるので、合計するととんでもない速さになります。

びっくり大事実! 竹は、太くならない。地面から出たときの太さが、その竹の一生の太さだ。木のように年輪を作って育つことはない。細く出てきた竹は、100年たっても細いままである。

もっとくわしく

竹が速くのびられるのは、地下の茎にためた養分を使うからです。葉を広げて自分で光合成をする前に、親からの仕送りで一気に高さをかせぐ。だから短期間で他の植物より上に出て、光を取ることができます。もうひとつ、竹は太くなりません。木は年輪を作って毎年太くなりますが、竹は地上に出たときの太さのまま、高さだけがのびます。たけのこの太さが、その竹の一生の太さです。細いたけのこは、細い竹にしかなりません。竹林が広がりやすいのも地下茎のためで、地面の下でつながって次々に新しいたけのこを出します。手入れをやめた竹林が周りの森に広がってしまう問題は、この性質と関係しています。

知っていると、なにがうれしいか 竹と木のちがいが、はっきり分かる。たけのこの太さを見る目が変わります。

きょうためせること たけのこが出ている場所があれば、印をつけて次の日にくらべてみよう。ものさしを立てておくと変化が分かります。よその土地には入らないこと。

4月20日デジタル

インターネットの「クッキー」って何?

サイト小さなメモあなたの端末に のこる「さっきの続き」が わかる しくみ同意ボタンは 何をわたすかの 選択

どっちだと思う? インターネットの通信の速さのこと / サイトが端末に置いていく、小さなメモ

こたえを見る

サイトが、あなたの端末に置いていく小さなメモです。次に同じサイトへ行ったとき、そのメモを読むことで「さっきの続き」が分かります。買い物かごの中身が消えないのも、ログインしたままでいられるのも、このメモのおかげです。お菓子とは関係のない、ただの呼び名です。

びっくり大事実! 「クッキーに同意しますか」というあの窓は、形式的な確認ではない。何を渡すかを選ぶ場面だ。毎日何度も押しているあのボタンは、そのたびに小さな決定をしている。

もっとくわしく

便利な仕組みですが、使われ方には幅があります。そのサイト自身が置くメモは、その場を使いやすくするためのものです。一方で、広告の会社が複数のサイトにまたがってメモを置く使い方もあり、こちらはどのサイトを見て回ったかをつなげて知ることができます。だから近ごろは、サイトを開いたときに「クッキーの利用に同意しますか」と聞かれるようになりました。あれは形式的な確認ではなく、何を渡すかを選ぶ場面です。全部を許可することも、必要なものだけにすることもできます。設定から、あとで消すこともできます。メモを消すと、ログインし直しになったり、買い物かごが空になったりします。便利さと、知られる情報の量は、だいたい同じ方向に動きます。どこで線を引くかは、使う人が決めることです。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 同意ボタンの意味が分かる。押す前に少し考えられるようになります。

きょうためせること おうちの人と、ブラウザの設定でクッキーの項目を開いてみよう。どのサイトのメモが残っているかを見るだけでかまいません。数の多さに驚くと思います。

4月21日からだ

指もんは、何のためにあるの?

生まれる前に 決まり 一生 変わらないすべり止め?感覚を するどく?皮ふを まもる?まだ 決まっていない

どっちだと思う? すべり止めのためだと、決まっている / いくつかの説があり、まだ決まっていない

こたえを見る

はっきり決まっていませんが、いくつかの考え方があります。物をつかむときのすべり止めになるという説、指先の感覚を鋭くするという説、皮ふが引っぱられたときに傷みにくくするという説などです。どれも一部は確かめられていますが、これが理由だと決まったわけではありません。

びっくり大事実! 一卵性のふたごでも、指もんはちがう。同じ設計図から生まれたのに、指先の模様だけは別のものになる。あなたの指先の線は、遺伝でも決まらなかった、あなただけの偶然である。

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はっきりしていることもあります。指もんの形は生まれる前に決まり、一生変わりません。傷ができても、深くなければ同じ模様が戻ります。そして、一卵性のふたごでも模様がちがいます。遺伝だけで決まるのではなく、おなかの中での指先の育ち方の細かいちがいが形を分けているからです。だから、まったく同じ指もんの人はいないと考えられていて、身分の確認に使われてきました。感覚を鋭くするという説には、指もんのみぞの間隔が、指先の神経が振動を感じ取りやすい間隔と合っている、という研究があります。ざらざらした物をなでたとき、指もんが小さな振動を作り、それを感じ取っている、という考え方です。身近な体の一部でも、何のためにあるのかが決まっていないものは、まだあります。

知っていると、なにがうれしいか 家族全員の指もんを集めて見くらべられる。全員ちがうことを自分で確かめられます。

きょうためせること えんぴつで指先をぬり、セロハンテープを貼ってはがし、白い紙に貼ってみよう。指もんが写ります。家族の分と見くらべると、全員ちがうことが分かります。

4月22日ちきゅう

地球の重さは、どうやってはかったの?

わずかな ねじれを はかる→ 引き合う力の 強さがわかる→ 地球の重さが 計算できる

どっちだと思う? 巨大なはかりで、直接はかった / 小さな物どうしが引き合う力から、計算した

こたえを見る

物と物が引き合う力の強さを、実験ではかったのです。地球にのせて重さをはかることはできないので、まず小さな物どうしが引き合う力を精密にはかり、そこから計算で求めました。18世紀の終わりに、金属の球と鉛の重い球を使った実験で確かめられ、以来ずっと同じ考え方で精度が上げられています。

びっくり大事実! 人類は、地球にのせずに地球の重さを出した。細い糸につるした棒が、ほんのわずかねじれた。その角度から、足元の星の重さが分かった。200年以上前の実験室で、である。

もっとくわしく

仕組みはこうです。細い糸で棒をつるし、両はしに小さな球をつけます。そこへ重い球を近づけると、ごくわずかに引かれて棒がねじれます。そのねじれ方から、引き合う力の強さが分かります。力の強さが分かれば、地球が私たちを引く力の強さから逆算して、地球の重さが出せます。この方法のすごいところは、地球に触れずに地球の重さを出したことです。同じやり方で、太陽や月や、遠くの星の重さも計算されています。天体の重さは、はかりに乗せて求めたものではありません。回り方や引き合い方から出した値です。「はかる」という言葉には、直接あてがう以外のやり方があるのだと分かります。きょうは地球のことを考える日でもあります。

👤 これを調べた人の話
目に見えないほどわずかなねじれをはかるために、実験は風も温度も遮った部屋で、望遠鏡ごしに行われました。ふるえも息もじゃまになるからです。大きな発見のうしろには、たいてい、こういう静かで根気のいる作業があります。

知っていると、なにがうれしいか 「はかる」に、直接あてがう以外のやり方があると分かる。天体の重さの話が読めるようになります。

きょうためせること 下じきをこすって髪の毛を引きよせてみよう。目に見えない力で物が動きます。重力も同じで、見えなくても必ずはたらいています。ただし重力は、電気の力よりずっと弱い力です。

4月23日もの

紙は、なぜ折り目がつくと弱くなるの?

ここで せんいが 切れる折り目は しるしではなく 傷ミシン目は わざと「紙は7回しか折れない」は 大きさの問題

どっちだと思う? 折るとくせがつくだけで、強さは変わらない / 折ったところで、せんいがこわれている

こたえを見る

折ったところで、繊維がこわれているからです。紙は細い植物の繊維がからみ合ってできています。折ると、折り目の外側の繊維は引きのばされて切れ、内側はつぶれます。いちどこわれた繊維は元に戻らないので、同じところを何度も折ると、そこからちぎれます。折り目は、しるしではなく傷です。

びっくり大事実! 折り目は、しるしではなく傷だ。折り紙が形を保っていられるのは、紙が折られるたびに少しずつこわれているからである。作品の美しさは、こわれた線の上に立っている。

もっとくわしく

だから、紙は折る前と後で別の物になります。折り紙が形を保てるのも、繊維がこわれてそこで止まるからです。もし完全に元に戻る材料なら、折り紙は開いてしまいます。この性質は使い道にもなっていて、切手やトイレットペーパーのミシン目は、あらかじめ穴を開けて「ここでちぎれる」ようにしたものです。逆に、何度も折り曲げても切れない紙を作りたい場合は、繊維を長くしたり、繊維どうしのつながり方を工夫したりします。お札が丈夫なのは、ふつうの紙とはちがう材料が混ぜてあるからです。ちなみに「紙は7回しか折れない」とよく言われますが、これは大きさの問題です。十分に大きくてうすい紙なら、もっと折れることが実験で示されています。

知っていると、なにがうれしいか 「紙は7回しか折れない」が正しくないと分かる。折り紙の見え方も変わります。

きょうためせること 同じ紙を、同じ場所で10回折って開くのをくり返してみよう。何回目で切れるか数えよう。次に、少しずらした場所で折ると、切れにくくなります。

4月24日てんき

風は、どこから吹いてくるの?

りく はやく あたたまるうみ ゆっくり海から 陸へ ふく(ひるの 海風)よるは 逆になる。入れかわりのときが 凪

どっちだと思う? 空気そのものが、自分で動きたがっている / 気圧の高いところから低いところへ、押されて動く

こたえを見る

空気の重さの差から生まれます。あたためられた空気は軽くなって上がり、その場所の空気が減ります。減ったところへ、まわりから空気が流れこむ。この流れが風です。だから風は、気圧の高いところから低いところへ吹きます。空気が動いているのではなく、押し出されて動かされています。

びっくり大事実! 風は、地球が熱のかたよりを直そうとしている動きだ。赤道が受け取りすぎた熱を、極のほうへ運んでいる。あなたのほおに当たる風は、その配達の途中である。

もっとくわしく

海の近くでは、この差が1日のうちで入れかわります。昼は陸のほうが早くあたたまるので、陸の空気が上がり、海から陸へ風が吹きます。海風です。夜は逆に、陸のほうが早く冷えるので、陸から海へ吹きます。陸風です。その入れかわりのとき、風がぱたりと止まる時間があり、これを凪といいます。1月4日に読んだとおり、水はあたたまるのも冷えるのも遅い。この差が毎日の風を作っています。もっと大きな目で見ると、赤道のあたりで受け取る熱が多く、極のあたりは少ない。この差をならそうとして、地球全体で大きな空気の流れが生まれます。台風も、偏西風も、もとをたどれば同じ理由です。風は、地球が熱のかたよりを直そうとしている動きです。

知っていると、なにがうれしいか 海風と陸風のちがいが分かる。海に行ったとき、旗の向きを見る理由ができます。

きょうためせること 海や大きな湖に行ったら、昼と夕方で風の向きを確かめてみよう。旗やのぼりの向きで分かります。時間によって向きが変わることがあります。

4月25日いきもの

チューリップの花は、夜になると閉じるって本当?

あたたかい → ひらくつめたい → とじる明るさでは なく 温度で 動いている

どっちだと思う? 暗くなると、閉じるようにできている / 温度で、開いたり閉じたりしている

こたえを見る

本当です。ただし、暗くなったから閉じているのではなく、温度で開いたり閉じたりしています。あたたかくなると花びらの内側がよくのび、外側へそりかえって開きます。冷えると外側のほうがのびて、内側へ巻きこむように閉じます。だから、あたたかい夜には開いたままのこともあります。

びっくり大事実! チューリップは、開いたり閉じたりするたびに、花びらが少しずつ大きくなっている。だから咲き終わりのチューリップは、咲き始めより大きい。あの花は、毎日ほんの少しずつ育ちながら開閉している。

もっとくわしく

この動きは、花びらの内と外で、のびる速さがちがうことで起きています。温度が上がると内側が、下がると外側がのびる。開閉のたびに花びらは少しずつ大きくなっていて、何度も開閉した花は最初より大きくなっています。閉じることには意味があると考えられています。花粉を冷えや雨から守る、虫が来ない時間に無駄にさらさない、といった説明です。同じような動きは、タンポポやハスにも見られます。一方で、暗さで閉じる植物もあり、こちらは別の仕組みです。花を買って部屋に飾ったチューリップが夜も開いたままなのは、部屋があたたかいからです。冷たい場所に置くと、また閉じます。花は、時計ではなく温度計を持っています。

知っていると、なにがうれしいか 花の開閉が明るさではないと分かる。家に飾った花で、自分で確かめられます。

きょうためせること チューリップを1輪、朝と昼と夜に写真に撮ってくらべてみよう。次に、夜に冷たい場所へ移してみよう。閉じ方が変わります。

4月26日うちゅう

宇宙にも、ごみがあるの?

1センチでも 衛星を こわす力かってには 落ちてこない

どっちだと思う? やがて自然に落ちて、消えていく / 勝手には落ちてこないので、片づける必要がある

こたえを見る

あります。役目を終えた人工衛星、切り離したロケットの部品、こわれてできた細かいかけら。これらをスペースデブリといいます。地球のまわりを、とても速い速さで回り続けています。1センチのかけらでも、その速さでぶつかれば人工衛星をこわす力があります。

びっくり大事実! 宇宙のごみは、勝手に落ちてこない。人工衛星と同じで、落ち続けているのに当たらない状態で回り続けている。だれかが取りに行かないかぎり、何十年もそこにあり続ける。

もっとくわしく

やっかいなのは、こわれるとかけらが増えることです。ぶつかった衝げきで細かく散らばり、そのかけらがまた別のものにぶつかる。こうして連鎖的に増えていく可能性が指摘されていて、そうなると特定の高さが使えなくなるおそれがあります。だから、いまは打ち上げる側にも決まりができつつあります。役目を終えたら大気に落として燃やす、あるいは使われない高さへ移す、といった処理です。地上からレーダーや望遠鏡で追いかけて、危なそうなときは国際宇宙ステーションや衛星の高さをずらすこともあります。2月12日に読んだとおり、衛星は落ち続けているのに当たらない状態で回っています。ごみも同じで、勝手には落ちてきません。だから、片づけるには誰かが動く必要があります。宇宙のごみを回収する技術は、いま研究が進んでいるところです。

知っていると、なにがうれしいか 夜空を見上げる目的ができる。動く光が飛行機か衛星かを見分けられます。

きょうためせること 夜、空を10分見上げてみよう。ゆっくり一定の速さで動く光が見えたら、人工衛星です。飛行機とちがい、光が点めつしません。

4月27日デジタル

自動ほんやくは、どうやって言葉を変えているの?

電話をかける数字にするmake a call単語を おきかえているのでは ない訳しもどすと あやしい所が 見つかる

どっちだと思う? 辞書を引いて、単語を置きかえている / 文ぜんたいを数字にして、作り直している

こたえを見る

単語を1つずつ置きかえているのではありません。文全体を数字の並びに変え、その数字から別の言語の文を作り出しています。大量の対になった文(同じ意味の日本語と英語など)を見て、どんな言い方がどんな言い方に対応しやすいかを学んでいます。だから辞書を引いているのではなく、経験から作っています。

びっくり大事実! 自動ほんやくは、辞書を1冊も引いていない。何億という対の文を見て、どういうときにどう言うかを覚えただけだ。人が言葉を覚えるやり方に、少し似ている。

もっとくわしく

単語を1つずつ置きかえる方式は、むかし試されて、うまくいきませんでした。言葉は、前後によって意味が変わるからです。「かける」は、電話をかける、めがねをかける、水をかける、で全部ちがいます。いまの仕組みは、文の中のどの語がどの語と関係が深いかを見ながら訳すので、こういう場合にも対応できます。ただし、苦手なところもあります。文の外にある情報が必要なとき、たとえば会話の相手が誰かで敬語が変わるような場合、機械には判断の材料がありません。冗談や皮肉も苦手です。だから自動ほんやくは、下書きとしては強力ですが、そのまま送る前にはもう一度読む必要があります。訳し戻して意味が変わらないか確かめると、あやしいところが見つかります。

この話のつづきを読む →

知っていると、なにがうれしいか 自動ほんやくを安心して下書きに使えるようになる。確かめ方も1つ身につきます。

きょうためせること 日本語の文を自動ほんやくで英語にして、その英語をもう一度日本語に戻してみよう。意味が変わったところが、機械が迷ったところです。

4月28日ちきゅう

山は、いまも高くなっているの?

もち上がるけずるけずるけずられた土は 平野を つくる高さは 引き算

どっちだと思う? 山の高さは、できたときのまま変わらない / 持ち上がる速さと、けずられる速さの引き算

こたえを見る

高くなっている山があります。プレートどうしが押し合っているところでは、大地が持ち上げられ続けています。同時に、雨や風や川が山をけずり続けています。持ち上がる速さのほうが速ければ高くなり、けずられる速さのほうが速ければ低くなります。山の高さは、この2つの引き算です。

びっくり大事実! あなたが住んでいる平野は、もとは山だった。雨と川が何十万年もかけて山をけずり、その土を運んできて、いまの平らな土地を作った。家の下の土は、旅をしてきた山である。

もっとくわしく

持ち上がる速さは、1年に数ミリという小さなものです。それでも100万年たてば数キロになります。地球の時間では、山はあっという間にできます。一方でけずるほうも休みません。日本は雨が多く、川の流れが急なので、けずる力が強い地域です。だから日本の山は、持ち上げられながら同時に激しくけずられていて、けわしい谷が多くなります。けずられた土砂は川で運ばれ、下流に平野を作ります。私たちが住んでいる平野の多くは、山だったものです。9月29日に読んだ日本に山が多い理由と、3月8日に読んだ水のめぐりが、ここでつながります。山と川と平野は、別々のものではなく、1つの動きの途中の姿です。ちなみに、測量の技術が進んだので、山の高さは何年かごとに見直されています。

知っていると、なにがうれしいか 山と川と平野が、1つの動きの途中の姿だと分かる。地図の見え方が変わります。

きょうためせること 日本地図の山地と平野を見て、大きな平野の上流にどんな山があるかをたどってみよう。平野を作った土砂は、その山から来ています。

4月29日もの

ガラスは、固体?それとも液体?

氷や金ぞく きちんと ならぶガラス ばらばらのまま 止まったながれている液体では ない

どっちだと思う? ゆっくり流れている液体 / 粒がばらばらのまま固まった固体

こたえを見る

固体です。ただし、氷や金属のような固体とは中身の作りがちがいます。氷や金属は、粒がきちんと並んで固まっています。ガラスは、粒がばらばらのまま動けなくなって固まったものです。液体の並び方のまま止まっている、という言い方をされることがあります。

びっくり大事実! 「古い教会のガラスは、長い時間をかけて流れたから下が厚い」という話は、たぶんまちがいだ。当時のガラスが最初から厚さの均一でない板で、厚いほうを下にしてはめただけらしい。有名な話ほど、確かめると崩れることがある。

もっとくわしく

よく「古い教会のガラスは下のほうが厚い。何百年もかけて流れたからだ」という話を聞きます。これは正しくないと考えられています。当時のガラスは作り方の関係で厚さが均一でなく、厚いほうを下にしてはめたためだ、というのが有力な説明です。ふつうの温度では、ガラスは何百年たっても目に見えるほど流れません。ガラスをあたためていくと、あるところでやわらかくなり、形を変えられるようになります。氷のようにはっきり「ここでとける」という温度がなく、だんだんやわらかくなるのがガラスの特徴です。だから細工ができます。同じような性質を持つ物は、あめや一部のプラスチックにもあります。ガラスが割れるとき、ぎざぎざに割れるのも、並びがそろっていないからです。1月25日に読んだ結しょうの話の、ちょうど反対がわにある物です。

知っていると、なにがうれしいか よく聞く話がまちがいだったと知れる。あめ玉でガラスと同じ性質を確かめられます。

きょうためせること あめ玉をゆっくりなめて、うすくなったところで見てみよう。ガラスのように光を通します。あめもガラスと同じで、粒がばらばらのまま固まっています。

4月30日いきもの

ミミズは、土の中で何をしているの?

ふんが 土のつぶを くっつける通ったあとが 空気と水の 通り道

どっちだと思う? 土の中を、ただ移動している / 土を食べて出し、通り道も作っている

こたえを見る

土を食べて、通って、出しています。落ち葉のかけらや、土にまじった小さなものを飲みこみ、消化して、ふんとして出す。そのふんは、細かくてやわらかく、植物が使いやすい形の養分をふくんでいます。同時に、通ったあとが穴になるので、土に空気と水の通り道ができます。

びっくり大事実! 進化の研究で知られるダーウィンの最後の本は、ミミズの本だった。何年もかけて、足元の土がミミズによって作り替えられていることを調べ上げた。世界を変えた人が、最後に見ていたのは地面の下である。

もっとくわしく

ミミズがいる畑の土がふかふかなのは、この2つが同時に起きているからです。ふんが土のつぶをくっつけて、ほどよいかたまりを作る。穴が水はけと空気の通りをよくする。3月28日に読んだとおり、土は入れものではなく工場ですが、ミミズはその工場の働き手のひとつです。ダーウィンは晩年、ミミズの研究に何年も費やし、ミミズが長い年月をかけて地表の土を作り替えていることを本にまとめました。進化の研究で知られる人の最後の仕事が、足元のミミズだったのです。ミミズには目がありませんが、光を感じる細胞が体の表面にあり、明るいところを避けます。雨の日に地上に出てくる理由ははっきりしておらず、水がふえて息苦しくなるからという説と、移動しやすいからという説があります。

👤 これを調べた人の話
ダーウィンは、庭に石を置いて、それが何年で土に沈むかを測り続けました。答えが出るまでに何十年もかかる実験です。すぐに結果の出ないことを、それでも続けた人がいたから、いま私たちは土のことを知っています。

知っていると、なにがうれしいか 畑の土がふかふかな理由が分かる。ミミズを見つけたときの気持ちが変わります。

きょうためせること 雨あがりの地面で、ミミズのふんの小さな山を探してみよう。細かい土が盛り上がっています。ミミズを見つけたら、日なたに置かずそっと土へ戻すこと。

4月の問いだけを1ページで見る →

🃏 かがくカード図鑑

問いの下にある2択に答えると、その日のカードが1枚手に入ります。当たっても外れても手に入ります。カードの絵は、その日の問いの図です。集めると、下の棚が埋まっていきます。

カード図鑑は、この端末に記録がたまると表示されます。

カードが3枚たまると、集めたカードで遊べます。問いと「びっくり大事実」を合わせる神経衰弱です。めくった2枚が同じ日のものならそろいます。遊ぶたびに出る組み合わせが変わるので、何度でも遊べます。

記録はお使いの端末の中だけに保存されます。会員登録もメールアドレスもいりません。こちらから見ることはできません。連続でなくてかまいません。1日休んでも、次の日に1枚増やせば、それで進んでいます。

1年生から6年生まで、同じ問いを読みます

低学年向けに内容をうすくすることは、していません。「へえ」で終わる話は、高学年には物足りないからです。そのかわり、読み方を2段にしてあります。

  1. こたえは、1年生でも読める言葉で書いています。ここだけ読めば、その日の答えは分かります。
  2. もっとくわしくは、高学年が読んでも手ごたえのある深さにしてあります。中学受験の理科につながる話も入っています。

漢字が読みにくいときは、画面の左下にある「ふりがな」ボタンを押してください。ページ全体の漢字にふりがなが付きます。一度押せば、次に開いたときも付いたままです。

だから、1年生の弟と6年生の姉が、同じ問いで言い合いになるということが起きます。それがこのコーナーのねらいです。

このコーナーの決めごと

  1. 1日1問だけ。まとめて読む必要はありません。1問2分で終わる長さにしてあります。あしたの問いは、きょうの分の下に予告として出ています。
  2. やらなくてもいい。「きょうためせること」は宿題ではありません。読むだけでも十分です。
  3. 危ないことは書きません。火、刃物、薬品を使うものは載せません。見るだけ、さわるだけでできることに限っています。
  4. 連続が切れても、レベルは下がりません。1日休んでも、次の日にまた1つ読めば、それで進んでいます。

読んだ記録は、この端末にたまります

「読んだ」を押すと、スタンプが1つたまります。会員登録もメールアドレスも要りません。記録はお使いの端末の中に保存され、こちらから見ることはできません。

7日で「かがくみならい」、30日で「かがくはかせ見習い」、100日で「かがくはかせ」になります。連続でなくてかまいません。数えているのは合計の日数だけです。

かがくが好きになった子に、次に渡すもの

問いを読んで「もっと知りたい」となったとき、いちばん確実な次にやることは本です。ただし、図鑑が好きな子がそのまま科学の読み物に移ることは、あまり多くありません。図鑑は調べるための本で、順番に読むようにはできていないからです。あいだをつなぐ本があります。ほんだなコンパスのかがくがすきになる本に、どういう子に合うかまで書いて7冊並べました。理科がきらいな子には、計算も暗記も出てこない本を渡すのが確実です。

こんなコンテンツもあります──しんぶん・ことば・ドリル

このコーナーは、単独では続きません。ほかのものとセットにすると続きます。

  1. 週刊小学生しんぶんの最新号を開くと、ページの下にその日のかがくの問いが出ます。しんぶんを読んだあとの2分に使えます。
  2. 無料プリントをやったあと、印刷ページの下からこのコーナーに来られます。手を動かしたあとに、読むものが1つあると気持ちが切りかわります。
  3. ことば大辞典とスタンプの器が同じです。かがくを読んでも、しんぶんを読んでも、同じスタンプがたまります。どれか1つやれば、その日は1個です。

問いの中には、お月見や台風、IT・AIのページにつながるものがあります。もっと知りたくなったら、そのままつづきを読めます。秋ならハロウィンのかがくもあります。10月5日からはノーベル賞の発表です。受賞した研究が、毎日のくらしのどこにあるかを説明しています。おばけやしきが暗い理由と、こわいときに体が先に動く話です。

各問の科学的な内容は、気象庁、国立天文台、国土地理院、文部科学省などの公的機関が公表している資料と、小学校学習指導要領にもとづいて確認したうえで、小学生向けに書き直しています。裏取りができなかった問いは掲載していません。制作 スクールコンパス編集部

理科のなぜ、よく調べられていること

空はなぜ青いの?

夏の空は、なぜあんなに青いの?で、太陽の光と空気の関係から答えています。

月の満ち欠けは、なぜ起きるの?

月の形は、なぜ毎日変わるの?に。昼間に月が見える理由は月が昼間の空にも見えるのはなぜ?で。

星座は、だれが決めたの?

星座は、だれが決めたの?に。冬の星については冬の星が、とくによく見えるのはなぜ?。

虹や雷は、どうしてできるの?

虹は、なぜ半円なの?と夏の終わりに、雷が増えるのはなぜ?で。

家でできる理科の実験は?

各回に「家でためせること」をつけています。もっと時間をかけるなら自由研究のテーマ51選から選べます。

子どもの「なんで?」にどう答えるか迷ったら、ここで一緒に調べてみてください。

🧭 関連する入口

📰 ニュースで出てくる言葉から入る

大雨や地震のニュースで聞く言葉は、理科と社会の教科書につながっています。意味が分かると、そのニュースが自分ごとになります。
線状降水帯 氾濫特別警報 危険警報 暑さ指数 今月の時事問題(80語)

そのまま自学にもできます。自学ネタ 新聞にまとめる

🎃 ハロウィンは理科にもなります

かぼちゃがなぜオレンジ色なのか、ろうそくの火はどうして消えるのか、暗いところで光る仕組みはどうなっているのか。10月の行事は、身のまわりの「なぜ」を持ち出すのにちょうどよい入口です。

ハロウィン2026まとめ(英語・理科・プリント)→ ハロウィン英語カード(A4・無料印刷)→