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きょうのかがく──1日1問、2分の理科
理科を好きになるのに、覚える必要はありません。思わず「えっ、そうなの?」と声が出る回数を増やすほうが先です。
ここでは、こたえを先に出しません。まず「どっちだと思う?」を2つならべます。当たっても外れても構いません。外した日のほうが、よく覚えています。
このコーナーは、1日に1問だけ出します。問いが先で、こたえはタップして開きます。最後に、家にあるもので今日できることを1つだけ書いてあります。やるかどうかは自由です。宿題にはしません。
8月30日の1問──こたえを見る前に、予想してみよう
台風の予報の白い円は、何を表しているの?
どっちだと思う? 当たっても外れても、カードが1枚手に入ります。
こたえを見る
台風の中心が、その時刻に70パーセントの確率で入ると予想される範囲です。台風の大きさではありません。ここをまちがえると、危険をとりちがえます。円が大きくなっていくのは、台風が育つからではなく、先の時間ほど予想がむずかしくなるからです。円の大きさは、自信の度合いを表しています。
びっくり大事実! 予報円が大きくなっていくのは、台風が育つからではない。先の時間ほど予想が難しくなるから。あの円の大きさは、台風の大きさではなく、予報の自信の度合いである。
もっとくわしく
もう1つ大事なのは、外れる30パーセントです。予報円の中に自分の町が入っていなくても、来ないとは言えません。そして、赤い線で囲まれた暴風警戒域は、台風の中心が予報円の中を進んだ場合に、風速25メートル以上の暴風になるおそれのある範囲です。こちらは実際に自分に影響が及ぶかどうかの範囲です。見る順番は、まず暴風警戒域に自分の町が入っているか。次に予報円の大きさで、予想がどれくらい定まっているか。最後に中心の線。中心の線は円の中心を結んだだけのもので、そこを通ると決まっているわけではありません。
👤 これを調べた人の話
気象庁は、予報が良くなったことを確かめたうえで、予報円を小さくしました。当たるようになったから、言い方を絞った。自信がついた分だけ具体的にする、という正しい順番です。
知っていると、なにがうれしいか 進路図を正しく読めるようになります。見る順番が決まると、迷いません。
きょうためせること 台風が近づいたら、進路図を朝と夜の2回見て、予報円の大きさが変わったか見てみよう。小さくなっていれば、予想が定まってきた合図です。
かがくを知っていると、なにがうれしいのか
「勉強のため」とは書きません。それでは続かないからです。ほんとうのところ、こういうことです。
- こわいものが、少しだけこわくなくなる。地震の速さも、台風の目も、正体が分かると、ただこわいだけのものではなくなります。9月1日と9月8日の問いは、そのために置いています。
- 「なんで?」に、自分で答えを出せるようになる。大人に聞かなくてもいい場面が増えます。これはけっこう気持ちがいいことです。
- ふつうの日が、少しおもしろくなる。コップの水てき、虫の声、雲の高さ。毎日そこにあったものが、意味を持って見えてきます。
- だまされにくくなる。AIが描いた絵のどこがあやしいか、地図アプリの「あと5分」がどこから来た数字か。知っていると、うのみにしなくてすみます。
だからこのコーナーには、毎回「びっくり大事実」の1行と、「知っていると、なにがうれしいか」の1行を入れています。読んだあとに、それが自分の得になったかどうかを確かめられるようにするためです。
びっくり大事実とは、おどろきと楽しさの両方です
このコーナーには、毎回「びっくり大事実」の1行が入っています。ただの豆知識ではありません。おどろきと、楽しさの両方がそろっている1行だけを「びっくり大事実」と呼んでいます。
- おどろきだけだと、図鑑になります。数字がすごくても、読んで終わりです。
- 楽しさだけだと、ただのネタになります。笑って終わりで、何も残りません。
- 両方あると、だれかに言いたくなります。言いたくなるから、次の日もまた開きます。
たとえば、心ぞうが80年で30億回打つ、というのはおどろきです。そこに「いま読んでいるあいだにも、たぶん60回くらい打った」を足すと、思わず自分の胸に手を当てたくなります。これが、びっくり大事実です。
台風の目に東京都がまるごと入る、で止めると図鑑です。「世界一でかい天然のドーム球場。しかも入場無料。ただし出られない」まで書くと、だれかに話したくなります。
だから、この1行は毎回いちばん時間をかけて書いています。ここが弱いと、次の日には来てもらえないからです。
調べた人の話も入れています
科学は、いつでもだれかが最初に「なんで?」と思ったところから始まっています。その人がなぜそれを調べようと思ったのかは、答えそのものよりおもしろいことがあります。
ゆれるランプを見ながら、自分の脈で時間をはかった人。台風の中に飛行機で入っていく研究者。囲碁の盤を見ていてQRコードを思いついた技術者。みんな、最初はふつうに「気になった」だけです。特別な人だから科学者になったのではなく、気になったことを放っておかなかっただけです。
問いによっては、この話が入っています。読み物として、いちばんおもしろいところかもしれません。
デジタルも、かがくです
スマホ、AI、ゲーム、QRコード、地図アプリ。これらは天気や生き物と同じように、しくみのあるものです。だから、このコーナーではデジタルを特別あつかいせず、週に1問か2問のペースでふつうに出しています。
ITは言葉が抽象的で、大人でも説明しにくい分野です。だからこのコーナーでは、「ITとは」という説明をしません。かわりに「QRコードはよごれても読めるのはなぜ」「スマホはどうしてわたしの声が分かるの」という、目の前にある物から入ります。
もっと知りたくなったら、IT・AIのなぜに読み物があります。
これまでの問い(366問)
1年ぶんの366問を、月ごとのページに分けて置いています。過去の問いはいつでも読めます。まとめて読む必要はありません。1日1問で足ります。
てんきうちゅういきものからだものちきゅうデジタル
デジタルも、天気やいきものと同じ理科のひとつとして置いています。しくみが分かるとおもしろい、という点でちがいはないからです。
月ごとに読む
1月の問い(31)2月の問い(29)3月の問い(31)4月の問い(30)5月の問い(31)6月の問い(30)7月の問い(31)8月の問い(31)9月の問い(30)10月の問い(31)11月の問い(30)12月の問い(31)
8月の問い
台風は、どうやってできるの?
どっちだと思う? つよい風どうしがぶつかって渦になる / あたたかい海の上で、入道雲がたくさん集まる
こたえを見る
あたたかい海の上で、入道雲がたくさん集まってできます。気象庁によると、台風は赤道に近い海の上で多くできます。海面の水温が高いところでは上へのぼる空気の流れが起きやすく、その流れで積乱雲(入道雲)が次々にできます。それが多数まとまって渦になり、渦の中心の気圧が下がって熱帯低気圧になり、風の速さが秒速17メートルをこえたものを台風とよびます。
びっくり大事実! 台風がいちばん多く生まれる月は、じつは8月。ところが日本で「台風の月」といえば9月。生まれる月と、来る月がずれている。8月は台風を運ぶ上空の風がまだ弱いので、進む道が定まらず、ふらふらした経路になりやすいのだ。ちなみに台風の寿命は平均5.2日。いちばん長い記録は、1986年の台風14号の19.25日。
もっとくわしく
気象庁は台風の一生を、発生期・発達期・最盛期・衰弱期の4つに分けています。発達期は、あたたかい海面から送られてくる水蒸気をエネルギー源にして、中心の気圧がぐんぐん下がっていく時期。日本の近くまで来ると、海面の水温が熱帯より低いので水蒸気の供給が減り、弱まって温帯低気圧や熱帯低気圧に変わります。ただし温帯低気圧に変わると、強い風のはんいはかえって広がることがあり、中心から遠い場所で災害が起きることもあります。1991年から2020年の30年平均では、1年に約25個が発生し、約12個が日本から300キロ以内に近づき、約3個が上陸しています。
この話のつづきを読む →
知っていると、なにがうれしいか 8月の台風予報が「まだ進路が定まりません」と言われる理由が分かる。
🏅 この話につながるノーベル賞
2021年 物理学賞(真鍋淑郎さん(アメリカ国籍・日本生まれ)) →
きょうためせること 台風のニュースが出たら、天気図で「台風◯号」がどのあたりの海で生まれたかを見てみよう。日本のはるか南の、あたたかい海の上のはずです。何号まで進んだかを、夏のあいだ数えてみるのもおもしろい。
海の色は、なぜ場所によってちがうの?
どっちだと思う? 水が 赤い光を 吸い 中に あるものが 色を 加える / 海の 深さだけで 色が 決まる
こたえを見る
水そのものの性質と、水の中に何が入っているかで決まります。水は赤い光を吸いこみやすく、青い光をあまり吸いません。だから深くきれいな海では、残った青が返ってきて濃い青に見えます。ところが岸の近くでは、川から運ばれた細かい土や、植物プランクトンが混じります。それらが緑や黄色の光を返すので、緑がかった色になります。
びっくり大事実! 海の色は、宇宙から測られている。緑が強い場所にはプランクトンが多く、魚も集まりやすい。色を見るだけで、水の中がある程度分かる。
もっとくわしく
だから海の色は、その海の中身の報告書のようなものです。人工衛星は、この色を宇宙から測っています。緑が強い場所には植物プランクトンが多く、そこには魚も集まりやすい。にごりが強い場所は、川からの土が多い場所です。宇宙から色を見るだけで、海の中の様子がある程度分かるのです。ただし、その日の空の色や太陽の高さでも見え方は変わります。曇りの日に海が灰色に見えるのは、空の色を映しているからです。だから「今日の海の色」には、海の中身と、空の様子の両方が混ざっています。
👤 これを調べた人の話
海の色を宇宙から測る計画を立てた人たちは、最初「色を見て何になるのか」と言われました。いまその観測は、漁業にも気候の研究にも使われています。役に立つかが分かるのは、たいてい後からです。
知っていると、なにがうれしいか 海を見る目が変わります。色から中身が読めるようになります。
きょうためせること 同じ海を、晴れた日と曇りの日に写真にとってくらべてみよう。同じ場所とは思えないほどちがいます。岸の近くと沖のほうで色がちがうことにも気づくはずです。
宇宙飛行士は、宇宙で何を食べているの?
どっちだと思う? すべて 粉と 錠剤で できている / ふだんの 食べものに 近いが こぼれない 工夫が ある
こたえを見る
ふだんの食べものによく似たものを食べています。ただし条件がきびしい。まず、こぼれてはいけません。無重量の状態では、パンくずも水のしずくも空中をただよい、機械にまぎれこむと故障の原因になります。だから汁は飛び散らない濃さにし、パンよりトルティーヤのような、くずの出ないものが使われます。長く保存できることも必須です。
びっくり大事実! 宇宙では、においが分かりにくくなるので味も弱く感じる。だからソースやスパイスは、宇宙飛行士にとってぜいたく品ではなく必需品である。
もっとくわしく
意外なのは、宇宙では味の感じ方が変わると言われることです。体の水分が上のほうにたまり、鼻がつまったような状態になるため、においが分かりにくくなります。においが分からないと、味も弱く感じます。だから宇宙食には、香りや辛みの強いものが好まれます。ソースやスパイスは、飛行士にとってぜいたく品ではなく必需品です。日本で作られた宇宙食も認証されていて、ラーメンやカレーなど、日本の味が宇宙に持っていかれています。食べることは、体を保つためだけでなく、心を保つためでもある。長い任務ほど、その意味が大きくなります。
👤 これを調べた人の話
宇宙食を作る人たちは、栄養だけでなく「食べたいと思えるか」を大事にします。半年間、同じ場所で働く人にとって、食事は数少ない楽しみだからです。技術の目的が、心のほうを向いています。
知っていると、なにがうれしいか 味とにおいのつながりが体で分かります。宇宙が、遠い話から生活の話になります。
きょうためせること 鼻をつまんで、目をつぶって、何か食べてみよう。味が急に分かりにくくなります。においが味の大部分を作っていることが分かります。のどにつまらせないよう、少量で。
あせをかくと、なぜ体重が減るの?
どっちだと思う? あせで 出ていった 水の 重さ / 脂肪が 燃えて 減った 重さ
こたえを見る
減ったのは、ほとんどが水だからです。運動して1キロ体重が減ったとしても、脂肪が1キロ減ったわけではありません。あせで体から出ていった水の重さです。だから水を飲めば、体重はすぐ戻ります。逆にいえば、運動のあとに体重が減ったままなら、それは減らすべきでない水がまだ足りていない状態です。
びっくり大事実! 運動のあとに体重が減っていたら、それは減らしたのではなく、まだ戻していないということ。数字が何を数えているかを確かめないと、逆の意味に読んでしまう。
もっとくわしく
だから、運動する人は運動の前後で体重をはかることがあります。減ったぶんが、失った水の量のおおよその目安になるからです。目的はやせたかどうかを見るためではなく、どれだけ飲まなければいけないかを知るためです。ここは間違えやすいところです。あせをたくさんかくことと、体がしぼれることは、別のことです。サウナや厚着で汗を出しても、それは水が出ただけで、水を飲めば元に戻ります。しかも水分が足りない状態は、力が出ず、熱中症の危険も上がります。体重計の数字が何を数えているのかを、まず確かめる。それが最初の一歩です。
👤 これを調べた人の話
スポーツの現場では、選手の体重を練習の前後で必ずはかるところがあります。減ったぶんを必ず飲ませるためです。数字を鍛える道具ではなく、守る道具として使っています。
知っていると、なにがうれしいか 体重計の数字の意味が分かります。何を見るべきかがはっきりします。
きょうためせること 運動の前と後で体重をはかり、差を見てみよう。その差が、飲むべき水のだいたいの量です。数字は日によってちがうので、何日か記録すると自分のくせが分かります。
水鉄砲は、どうして水が遠くまで飛ぶの?
どっちだと思う? 水を ぎゅっと ちぢめて ためて いる / せまい 出口に 押し出して 勢いを つけている
こたえを見る
水をおしちぢめているのではなく、せまい出口に押し出しているからです。水はほとんどちぢみません。だから押した力は、そのまま水全体に伝わります。太い筒から細い穴へ出るとき、同じ量の水が細い道を通らなければならないので、勢いが増します。出口が細いほど速く、遠くまで飛ぶのはこのためです。
びっくり大事実! 水鉄砲の飛び方と、車のブレーキの効き方は、同じ理屈でできている。水はちぢまないから、力をそのまま遠くへ運べる。おもちゃと機械が、同じ性質を使っている。
もっとくわしく
ここに、水の大事な性質があります。水は押してもほとんど体積が変わらないので、力を遠くまで伝える道具になります。車のブレーキは、この性質を使っています。ペダルを踏んだ力が、油を通してタイヤのところまで伝わり、しかも太さを変えることで力を大きくできます。空気なら押すとちぢんでしまうので、こうはいきません。逆に、ちぢむ性質を使ったのが自転車のタイヤやエアクッションです。ちぢむ流体とちぢまない流体を、使い分けている。水鉄砲の飛び方の中に、車のブレーキと同じ理屈が入っています。
👤 これを調べた人の話
力を油で伝える仕組みを考えた人たちは、小さな力を大きな力に変えられることに気づきました。人の足で数トンの車を止められるのは、この発見のおかげです。
知っていると、なにがうれしいか 身のまわりの道具の中に、同じ理屈が何度も出てくると気づけます。遊びが実験になります。
きょうためせること 出口を指で少しふさいで水を出すと、どのくらい遠くまで飛ぶか試してみよう。同じ力でも、出口の広さで飛び方がまるでちがいます。人に向けないこと。
写真から、家の場所が分かることがあるのはなぜ?
どっちだと思う? 写真の 中に 目に 見えない 情報が 入って いることが ある / 写真は 絵の 情報 だけで できている
こたえを見る
写真のファイルには、写っている絵のほかに、目に見えない情報がいっしょに入っているからです。いつ撮ったか、どの機種で撮ったか、そして設定によってはどこで撮ったかまで記録されます。これを位置情報といいます。写真をそのまま送ると、この情報もついていくことがあります。
びっくり大事実! 写真には、絵のほかに「いつ・どこで・何で撮ったか」が見えない形で書きこまれていることがある。送っているのは、写っているものだけではない。
もっとくわしく
位置情報が入っていなくても、写っているものから場所が分かることがあります。制服のマーク、電柱の広告、バスの行き先、窓の外の景色、部屋から見えるビルの形。1つだけでは分からなくても、いくつか重なると場所が絞りこめます。これは特別な技術ではなく、注意深く見れば人にもできることです。だから対策は2つあります。位置情報をつけない設定にすること。そして、写真に何が写りこんでいるかを、送る前に一度見ること。楽しく撮った写真を、送るのをやめる必要はありません。送る前にひと呼吸おいて確かめる。それだけで、ほとんどの問題は防げます。
👤 これを調べた人の話
この危なさを最初に指摘したのは、悪用する人ではなく、仕組みを調べていた研究者でした。危険を先に見つけて公表する人がいるから、設定で切れるようになりました。
この話のつづきを読む →
知っていると、なにがうれしいか 送る前にひと呼吸おく理由が分かります。こわがるのではなく、確かめられるようになります。
きょうためせること 自分のスマホやカメラの設定で、写真に位置情報をつける項目がどうなっているか見てみよう。おうちの人といっしょに確かめて、必要かどうかを話してみます。
夏の空は、なぜあんなに青いの?
どっちだと思う? 空気の 粒が 青い光を よく 散らすから / 空の 上に 青い 層が あるから
こたえを見る
空気の粒が、青い光をよく散らすからです。太陽の光にはいろいろな色が混ざっていますが、空気の小さな粒にぶつかると、波の短い青や紫のほうが強くはねかえされます。散らされた青い光が空じゅうから目に届くので、空が青く見えます。夏に特に青く見えるのは、太陽が高く、光が通る空気の距離が短いからです。
びっくり大事実! 青い昼の空と、赤い夕焼けは、同じ現象の別の場面。夕方は光が空気の中を長く通るので、青はとちゅうで散り尽くして、赤だけが残って届く。
もっとくわしく
冬の空も青いのに、夏のほうが濃く感じるのはなぜでしょう。1つは太陽の高さ。もう1つは、雲や湿気の様子です。白い雲が近くにあると、青との差がはっきりして、より濃く見えます。逆に、空気の中に細かいちりや水のつぶが多いと、青以外の色もいっしょに散らされて、白っぽくかすんだ空になります。春に空がかすむのは、そのためです。同じ空気の性質が、夕焼けも作っています。夕方は光が空気の中を長く通るので、青はとちゅうで散らされ尽くし、残った赤が目に届きます。青い昼と赤い夕方は、同じ現象の別の場面です。
👤 これを調べた人の話
空が青い理由を説明した研究者は、まず空気の粒の大きさと光の波の長さを比べることから始めました。目に見えないもの同士の大きさをくらべる。その一歩が、毎日見ている景色の説明になりました。
知っていると、なにがうれしいか 毎日の空に理由があると分かります。写真をとる目が変わります。
きょうためせること 同じ場所の空を、朝・昼・夕方の3回撮ってならべてみよう。青の濃さがちがいます。太陽から遠いほうの空と近いほうの空でも、濃さがちがうことに気づくはずです。太陽は直接見ないこと。
ヤモリは、なぜかべや天井を歩けるの?
どっちだと思う? 足のうらが 吸ばんに なっている / 細かい 毛と 壁の あいだの 弱い力が 集まって いる
こたえを見る
吸ばんでも、ねばねばでもありません。足のうらに、目に見えないほど細かい毛がびっしり生えていて、その先がさらに枝分かれしています。この毛の先が壁の表面にぴったり近づくと、分子どうしのあいだにはたらくごく弱い引き合う力が生まれます。1本では小さくても、何百万本も集まると体を支えられるほどになります。
びっくり大事実! ヤモリのすごさは、くっつくことより、はがれること。ねばねばだったら、走るたびに足が離れず動けない。つけるのも離すのも一瞬でできる、というのが本当の発明。
もっとくわしく
すごいのは、くっつくことより、はがれることです。ねばねばでくっついていたら、走るたびに足がはがれず動けません。ヤモリは足の角度を変えるだけで、この力を一瞬で切ることができます。つけるのも離すのも自由で、しかも何度でも使え、汚れてもある程度働きます。この仕組みをまねた接着材の研究が世界中で進んでいて、のりを使わずに何度も貼ってはがせるテープや、宇宙で物をつかむ装置に応用されています。生きものの体は、何億年もかけて試された設計図です。だから、まねをすることは、近道でもあります。
👤 これを調べた人の話
この仕組みを解き明かした研究者たちは、ヤモリの足を顕微鏡で見るところから始めました。何十年も「吸ばんだろう」と思われていたことを、見て、測って、ちがうと示した。当たり前を疑うのに必要なのは、道具と根気です。
知っていると、なにがうれしいか 生きものが、まねる価値のある設計図に見えてきます。身近な生きものの見方が変わります。
きょうためせること ガラス窓にヤモリがいたら、下からそっと足のうらを見てみよう。指が広がっていて、うすい板のようなもようが見えます。さわらず、驚かせず、見るだけにします。
地面を少しほると、なぜひんやりするの?
どっちだと思う? 土の 中から 冷たい 水が 出て いるから / 熱が 下へ 伝わるのに 時間が かかるから
こたえを見る
土が熱を伝えるのに時間がかかるからです。地面の表面は太陽の光で昼に熱くなり、夜に冷えますが、その変化は下へ行くほどゆっくり伝わり、しかも弱まります。数十センチほど下では、1日の温度変化はほとんどなくなります。だから真夏の昼でも、少しほった土はひんやりしています。
びっくり大事実! 数メートル下の地面は、1年じゅうほとんど同じ温度で、その値はその土地の年平均気温に近い。夏に冷たく冬にあたたかく感じるのは、地面ではなく外が変わっているから。
もっとくわしく
もっと深くなると、季節の変化も消えます。数メートル下では、1年を通じてほぼ一定の温度になり、その値はその土地の年平均気温に近くなります。夏に冷たく、冬にあたたかく感じるのは、地面が変わったのではなく、外が変わっているからです。この安定した温度を暮らしに使う方法があります。地面の下にパイプを通し、その温度を使って夏は冷やし冬はあたためる仕組みで、地中熱利用といいます。むかしの家の床下や、野菜を土の中に埋めて保存する知恵も、同じ性質を使っていました。地面は、大きくてゆっくりした保温庫です。
👤 これを調べた人の話
地中の温度を利用する仕組みは、新しい燃料を掘り出すのではなく、もともとそこにある温度を借りる考え方です。何かを増やさずに解く。そういう解き方をさがす研究者がいます。
知っていると、なにがうれしいか 地面の下という、ふだん見ない場所に温度があると分かります。昔の暮らしの知恵の理由も見えます。
きょうためせること 日なたの地面の表面と、10センチほどほった土を、手のひらでさわりくらべてみよう。深いほうがひんやりしています。ほった穴は必ず元に戻すこと。
月に立てた旗は、いまもあるの?
どっちだと思う? 空気も 風も ないので 立てた 場所に 残って いる / 風で たおれて しまって いる
こたえを見る
旗そのものは、立てた場所に残っていると考えられています。月には空気も雨も風もないので、たおれたり流されたりする理由がありません。ただし、色はもう残っていない可能性が高いとみられています。月面には強い紫外線がじかに降りそそぎ、昼と夜で温度が100度以上も変わるからです。布の色は、この条件では長くもちません。
びっくり大事実! 月に残された足あとは、いまもほとんどそのまま。地球なら1日で消えるものが、月では何十年も残る。月は、時間が止まった場所ではなく、消しゴムを持っていない場所である。
もっとくわしく
同じ理由で、宇宙飛行士の足あともほとんどそのまま残っています。風が吹かないので、砂が動かないのです。地球なら1日で消える足あとが、月では何十年も残る。ただし、まったく変化しないわけではありません。宇宙から降ってくる小さな粒が少しずつ表面を削るので、ものすごく長い時間をかければ消えていきます。月は、時間の進み方がちがう場所ではなく、消しゴムを持っていない場所なのです。だから月面は、太陽系の古い記録がそのまま残った巨大なノートになっています。
👤 これを調べた人の話
月に行った人たちは、記念のためだけでなく、実験装置も置いてきました。その一つは鏡で、いまも地球からレーザーを当てて月までの距離を測るのに使われています。50年以上前に置いたものが、いまも仕事をしています。
知っていると、なにがうれしいか 「残る」ということの意味が分かります。地球の風や雨のありがたさにも気づきます。
きょうためせること 砂場で足あとをつけて、次の日にどうなっているか見てみよう。風、雨、人。地球には足あとを消すものがいくつもあります。それを1つずつ数えてみると、月との差が分かります。
夏の夜は、なぜねむりにくいの?
どっちだと思う? 体の 内側の 温度が 下がらないから / 暑いと 頭が さえて しまうから
こたえを見る
ねむるときには、体の内側の温度を少し下げる必要があるからです。人は、ねむる前に手足の血管を広げて熱を外へ逃がし、内側の温度を下げてから深いねむりに入ります。ところがまわりが暑いと、熱が外へ逃げてくれません。だから体温が下がらず、ねむりが浅くなります。暑くて寝苦しいのは、気持ちの問題ではなく、体の仕組みの問題です。
びっくり大事実! ねむくなるとき、手足があたたかくなる。あれは、体の内側の熱を外へ捨てているところ。ねむりは、体温を下げてから始まる。
もっとくわしく
だから対策は、部屋の温度と湿度を下げることが第一になります。「エアコンを切って寝るほうが体によい」というのは、暑い夜には当てはまりません。夜のあいだに熱中症になる人が実際にいます。もう1つ。ねむる少し前におふろに入ると、かえってねむりやすくなります。いったん体をあたためると、そのあと熱が外へ逃げて内側の温度が下がるので、下がるタイミングとねむる時間が合いやすくなるからです。あたためてから冷やす。逆に見えて、理屈は通っています。
👤 これを調べた人の話
睡眠を研究する人たちは、暗い部屋で何時間も人の体温と脳波を測り続けます。当たり前だと思われていた「眠くなる」という感覚に、ちゃんと数字がついたのは、その積み重ねからです。
知っていると、なにがうれしいか 寝苦しさを、根性ではなく環境で解けます。おふろの時間の意味も分かります。
きょうためせること ねむる前に、手のひらと足のうらをさわってみよう。あたたかくなっていたら、体が熱を逃がし始めた合図です。ねむくなる直前に手足があたたかくなることに気づけます。
保冷ざいは、なぜ長いあいだ冷たいの?
どっちだと思う? 中身が とても 冷たい 液体だから / とけるときに 熱を たくさん うばうから
こたえを見る
とけるときに、まわりから熱をたくさんうばうからです。氷が水に変わるとき、温度は0度のまま変わらないのに、熱だけを吸い続けます。この熱を融解熱といいます。だから、氷やそれに似た材料は、とけ終わるまでのあいだずっと冷やし続けることができます。ただ冷たいものを置いているのとは、効きめがまるでちがいます。
びっくり大事実! 氷は、とけているあいだ0度のまま。温度は上がらないのに、熱だけをずっと吸い続けている。だからただ冷たいものより、ずっと長く冷やせる。
もっとくわしく
保冷ざいの中身は、水にゲル状にするものを混ぜたものが多く使われています。ゲルにすると、袋が破れても中身が流れ出しにくく、形もくずれにくい。凍らせて使うタイプは、要するに形をととのえた氷です。ここで使い方のコツがあります。冷たい空気は下へ、あたたかい空気は上へ動くので、保冷ざいは冷やしたいものの上に置くほうがよく効きます。クーラーボックスに入れるときも、上に置くほうが全体が冷えます。同じ枚数でも、置く場所で結果が変わります。
👤 これを調べた人の話
この「とけながら温度が変わらない」性質は、いま建物の壁にも使われはじめています。昼にとけて熱をため、夜に固まって熱を出す材料で、冷房の電気を減らそうという研究です。氷の性質が、家の設計に入っています。
知っていると、なにがうれしいか クーラーボックスの詰め方が変わります。同じ道具で結果がよくなります。
きょうためせること 同じ量の氷を2つ用意し、片方はコップの上に、片方は下に置いて、飲みものの冷え方をくらべてみよう。上に置いたほうが速く冷えます。手がしもやけにならないよう、素手で長く持たないこと。
自由研究のグラフは、どう作ると伝わるの?
どっちだと思う? 見やすい 形なら どれでも よい / 何を くらべたいかで 形を えらぶ
こたえを見る
何をくらべたいかで、形を選びます。時間とともに変わるものは折れ線。ものごとの多さをくらべるなら棒。全体の中の割合なら円。順番のない2つの数の関係を見るなら点で打つ。まず「何を言いたいか」を決めて、それに合う形を選ぶ。かっこいい形をえらぶのではありません。
びっくり大事実! 同じ数字でも、たての軸を0から始めるかどうかで、印象がまるで変わる。グラフはうそをつかないが、作り方でうそのように見せることはできてしまう。
もっとくわしく
もう1つ大事なのが、たての軸のはじまりです。棒グラフの軸を0から始めないと、ほんの少しの差が、とても大きな差に見えてしまいます。同じデータなのに、印象がまるで変わる。これは、うそをつかないための約束です。折れ線グラフでは、軸を0から始めないこともありますが、その場合は「0から始めていない」と分かるようにします。あわせて、軸に何の単位かを必ず書くこと。単位のないグラフは、読む人が意味を作れません。グラフは絵ではなく、文章です。読む人が同じ結論にたどりつけるように書くのが、正しいグラフです。
👤 これを調べた人の話
グラフを最初に広めた人たちは、数字の表を見せても人は動かないと知っていました。看護師のナイチンゲールは、兵士の死因を図にして政府を動かしました。伝わる形にすることも、立派な仕事です。
この話のつづきを読む →
知っていると、なにがうれしいか 自由研究の説得力が上がります。人のグラフのごまかしにも気づけます。
きょうためせること 自分のデータで、たての軸を0から始めた棒グラフと、途中から始めた棒グラフの2つを作ってみよう。同じ数字なのに、受ける印象がまるでちがうことに自分でおどろくはずです。
お盆のころ、天気がぐずつくのはなぜ?
どっちだと思う? 夏の 高気圧の 勢いが ゆるみはじめる から / お盆の 行事の 火や けむりの 影響
こたえを見る
夏の高気圧の勢いが、少しずつゆるみはじめるからです。日本の夏を晴れにしているのは、南から張り出す太平洋高気圧です。8月の中ごろになると、この張り出しが弱まる時期が出てきて、北から冷たい空気が入りやすくなります。すると、あたたかく湿った空気とぶつかって前線ができ、雨が降ります。台風が近づきやすい時期でもあります。
びっくり大事実! むかしからの言い伝えは、その時代の気候をもとにできている。気候が変われば、言い伝えの当たり方も変わる。「お盆をすぎたら涼しい」は、いま毎年は当てはまらない。
もっとくわしく
「お盆をすぎると涼しくなる」とよく言われますが、近年はそう単純ではなく、8月後半も高温が続く年が多くなっています。だから、言い伝えのほうを毎年そのまま当てはめないほうがよい。ここが大事なところです。むかしからの言い伝えは、その時代の気候をもとにできています。気候が変われば、言い伝えの当たり方も変わります。言い伝えを捨てる必要はありませんが、いまの数字と照らし合わせて確かめる。この作業ができるかどうかが、これからの季節の読み方を分けます。
👤 これを調べた人の話
気象庁は、平年値を10年ごとに計算し直しています。基準そのものが動いているということです。変わったものを、変わったままにしておかない。基準を更新し続けることも、正しさの一部です。
知っていると、なにがうれしいか 言い伝えを、確かめる対象にできます。自分のデータで検証する楽しさが分かります。
きょうためせること 8月の1か月間、毎日の最高気温を新聞や天気アプリから書き写してみよう。お盆の前後で下がっているか、自分のデータで確かめられます。1年分では分からないので、来年も同じことをやると、もっと分かります。
虫は、なぜ光に集まってくるの?
どっちだと思う? 理由は はっきり 分かって いない / 明るい ところが あたたかいから 集まる
こたえを見る
じつは、はっきりとは分かっていません。長いあいだ「月や星の光を頼りに、一定の角度を保って飛ぶ性質があり、近くの明かりを月とまちがえてぐるぐる回ってしまう」という説明が知られてきました。ただ、この説明だけでは合わないことも報告されていて、いまも研究が続いています。身近な現象なのに、まだ決着していません。
びっくり大事実! あんなに身近な現象なのに、虫が明かりに集まる理由は、まだはっきり決まっていない。毎晩どこでも見られることの中に、まだ答えの出ていない問いがある。
もっとくわしく
近年の研究では、虫は光に向かっているのではなく、光を上だと思って背中を向け続けた結果、まわりを回ってしまうのではないか、という見方も出てきました。虫にとって「明るいほうが上」というのは、空が明るく地面が暗い自然の中では、ほとんど間違いのない手がかりでした。ところが人が地面に明かりを置いたことで、その手がかりが役に立たなくなった。集まっているのではなく、迷わされている、という見方です。夜の照明が増えたことで虫が減っている可能性も指摘されています。明かりは便利ですが、まわりの生きものにとっては、空の作り替えでもあります。
👤 これを調べた人の話
この問いに挑んだ研究者は、虫の飛び方を1秒間に何千枚も撮れるカメラで撮りました。目で見ていたときは「集まっている」に見えたものが、コマ送りにすると「背中を光に向けている」に見えた。見る速さを変えると、話が変わりました。
知っていると、なにがうれしいか 分かっていないことが身近にあると知ると、自分でも調べられる気がしてきます。
きょうためせること 夜、外の明かりに来る虫を、種類ごとに数えてみよう。日によって数がちがいます。白い光と、オレンジ色の光では、来る虫がちがうこともあります。虫にはさわらず、見るだけにします。
化石は、どうやってできるの?
どっちだと思う? 長い時間 地上に 置かれると 化石に なる / すぐに 土や 砂に うずめられる ことが 必要
こたえを見る
死んだ生きものが、すぐに土や砂にうずめられることが必要です。地上に残っていると、他の生きものに食べられたり、風や雨でこわれたりして、跡形もなくなります。ところが川や海の底ですばやく砂に埋まると、体の固い部分が残り、長い時間をかけてまわりの鉱物と入れかわったり、形が押し型として残ったりします。
びっくり大事実! 化石で見つかる生きものの一覧は、当時いた生きものの一覧ではない。残りやすかったものの一覧である。やわらかい体の生きものは、ほとんど記録に残っていない。
もっとくわしく
だから化石には、大きな偏りがあります。骨や殻のような固い部分をもつ生きもの、そして水の底に沈む場所で暮らしていた生きものが、圧倒的に残りやすい。やわらかい体の生きものや、山の上で暮らしていた生きものは、ほとんど残りません。つまり、化石で見つかる生きものの一覧は、当時いた生きものの一覧ではありません。残りやすかったものの一覧です。ここを間違えると、昔の世界を読み違えます。研究者が「見つかっていない」と「いなかった」を厳しく区別するのは、このためです。ないことを証明するのは、あることを証明するよりずっと難しいのです。
👤 これを調べた人の話
研究者は「見つかっていない」と「いなかった」を、きびしく区別します。ないことを示すのは、あることを示すよりずっと難しいからです。この慎重さが、科学を信用できるものにしています。
知っていると、なにがうれしいか 見つかった証拠の読み方が分かります。「ない」の意味を、正確に考えられるようになります。
きょうためせること 近くの博物館や、道路ぎわのがけで、地層が見える場所をさがしてみよう。層のならびは、下が古く上が新しいのが基本です。がけには近づかず、道から見るだけにします。
宇宙から見ると、夜の地球はどう見えるの?
どっちだと思う? まっくらで 何も 見えない / 人の 住む 場所が 光の 点や 線に なって 見える
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人の住んでいる場所が、光の点や線になって浮かび上がります。都市は明るい塊に、道路や海岸線は光の筋に見えます。人工衛星がとった夜の地球の画像を見ると、どこに人が集まっているかが一目で分かります。地図を持っていなくても、明かりだけで国の形が見えることさえあります。
びっくり大事実! 宇宙から夜の地球を見ると、地図がなくても国の形が見えることがある。人の暮らしが、そのまま光の模様になっている。
もっとくわしく
この画像は、きれいなだけではありません。研究に使われています。明かりの量から、その地域の経済の動きや人口の変化を推定する研究があります。災害で停電した範囲を、宇宙から確かめることもできます。一方で、この明るさは問題でもあります。空が明るくなりすぎて星が見えなくなる光害は、天体観測だけでなく、夜に活動する生きものにも影響します。上へ向かって出ていく光は、だれの役にも立っていない光でもあります。だから最近の街灯は、光を下だけに向ける形が増えています。明るさを減らさずに、こぼれる光を減らす。それが今の設計です。
👤 これを調べた人の話
夜の地球の画像を最初に使ったのは、天気を見るための衛星の担当者でした。雲を見るための装置がたまたま都市の明かりをとらえ、それが新しい研究分野になりました。目的外の発見が、分野を作ることがあります。
知っていると、なにがうれしいか 街灯の形に理由があると気づけます。星が見えない理由も分かります。
きょうためせること 夜、家のまわりの街灯を見上げてみよう。かさがついていて光が下だけに向いているか、上にももれているか。まちの照明の設計を、そこで確かめられます。
かき氷を食べると、なぜ頭がキーンとするの?
どっちだと思う? 原因は 口にあるのに 痛みは 頭に 出ている / 冷たさで 頭の 骨が ちぢんで いる
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はっきりした答えは、まだ完全には決まっていません。有力な説明が2つあります。1つは、口の中の冷たさが、近くを通る神経に伝わり、脳が「頭の痛み」だと勘ちがいしてしまうという説明。もう1つは、急に冷えた口の奥の血管が、いったん縮んだあと急に広がり、その変化が痛みとして感じられるという説明です。
びっくり大事実! 冷えているのは口なのに、痛いのは頭。体はときどき、痛む場所と原因の場所を取りちがえる。だから「痛い場所が悪い場所」とはかぎらない。
もっとくわしく
どちらの説明にも共通するのは、痛んでいる場所と、原因の場所がちがうということです。冷えているのは口なのに、痛いのは頭。体はときどき、こういう取りちがえをします。心臓の異常なのに肩や腕が痛むことがあるのも、同じ仕組みだと考えられていて、関連痛と呼ばれます。だから「痛い場所=悪い場所」とはかぎりません。医師が痛みの場所だけで判断しないのは、このためです。ちなみに、かき氷のキーンを防ぐには、ゆっくり食べること、口の中でいったんとかしてから飲みこむこと。冷たいものを口の奥に一気に当てないのがコツです。
👤 これを調べた人の話
この頭痛を調べるため、研究者は自分たちで氷水を飲んで、いつ痛みが来るかを記録しました。身近すぎて研究されていなかったものに、まじめに向き合う人がいます。小さな問いにも、答える価値があります。
知っていると、なにがうれしいか 体の感覚を、そのまま信じすぎなくなります。防ぎ方も1つ手に入ります。
きょうためせること かき氷を、いつもより半分の速さで食べてみよう。キーンとなる回数が減るか、自分で試せます。なったら、口の中の上のほうに舌をあてるとおさまることがあります。
線香花火は、なぜ最後に玉が落ちるの?
どっちだと思う? 火が 芯を 燃やしきって しまうから / 玉が 変化して 支えきれなく なるから
こたえを見る
先に丸い玉ができて、それが重さに耐えられなくなるからです。火をつけると、まず先端がとけて液体の玉になります。この玉の中で反応が続き、ガスが吹き出して火花が飛びます。火花が飛ぶあいだ、玉は少しずつ成分を失って、表面の張りも弱くなります。そして支えきれなくなった玉が、ぽとりと落ちて終わります。
びっくり大事実! 線香花火の枝分かれは、飛び出した1つの粒が空中でさらにはじけているところ。1つが2つに、2つが4つに。あの形は、空中で起きた連鎖の記録である。
もっとくわしく
線香花火の一生には、名前がついています。つぼみ、牡丹、松葉、散り菊。玉ができる段階、火花が出はじめる段階、いちばん激しく枝分かれする段階、そして細く長く垂れて終わる段階です。火花が枝分かれするのは、飛び出した小さな粒の中でさらに反応が起きて、はじけるからです。1つの粒が2つに、2つが4つに。だからあの形になります。そしてこの一生は、湿気や持ち方で変わります。ゆらすと玉が落ちやすくなるので、まっすぐ下に向けて、動かさずに持つ。日本の線香花火は、その短い時間の変化を見せるために作られています。
👤 これを調べた人の話
日本の線香花火を作れる職人は、いま多くありません。材料も紙もむかしのものが手に入りにくくなっています。それでも作り続けている人たちが、あの数十秒を残しています。
知っていると、なにがうれしいか 最後の数秒に名前があると知ると、見方が変わります。持ち方に理由があることも分かります。
きょうためせること 線香花火を、玉ができてから落ちるまで何秒もつか、時計ではかってみよう。持ち方を変えると時間が変わります。必ず大人といっしょに、水を用意してから。
砂ばくは昼あんなに暑いのに、なぜ夜は寒いの?
どっちだと思う? 空気が かわいて いて 熱を 受け止める ものが ないから / 砂が 夜に なると 冷たく 変わるから
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熱をためておくものがないからです。空気中の水蒸気は、地面から出ていく熱を受け止めて、また地面へ返す毛布のような役目をします。砂ばくは空気がかわいていて、雲もほとんどありません。だから夜になると、地面にたまった熱がどんどん空へ逃げていき、急に冷えこみます。この冷え方を放射冷却といいます。
びっくり大事実! 雲は、地面の毛布である。雲のある夜のほうが、次の朝はあたたかい。よく晴れた夜ほど、朝は寒い。
もっとくわしく
同じことが、日本でも起きています。冬のよく晴れた風のない夜は、朝の冷えこみが強くなります。雲があった夜のほうが、朝はあたたかい。雲が毛布の役目をしているからです。天気予報で「晴れて風が弱く、放射冷却が強まるため冷えこみます」と言うのは、この話をしています。ここに、地球全体につながる話があります。空気中の水蒸気や二酸化炭素が熱を受け止める性質は、地球の温度を保つのに必要なものです。まったく無ければ、地球の平均気温はずっと低くなります。ただし増えすぎれば、逃げる熱が減って温度が上がります。毛布は必要ですが、厚さが問題になるのです。
👤 これを調べた人の話
放射で熱が逃げることを説明した人たちは、目に見えない赤外線を測る道具から作りました。見えないものを測る道具を作るところから始めるのは、科学ではよくあることです。
知っていると、なにがうれしいか 天気予報の言葉が意味を持ちます。朝の寒さを前の晩に予想できます。
きょうためせること よく晴れた夜と、くもりの夜で、次の朝の気温をくらべてみよう。同じ季節でも数度ちがうことがあります。天気予報の「晴れ」と朝の寒さの関係が、自分のデータで見えます。
宇宙服は、なぜあんなに分厚いの?
どっちだと思う? 寒さを ふせぐ ためだけに 厚く なっている / 空気 気圧 温度 飛んでくる 粒 すべてに 対応 するため
こたえを見る
1着で、地球の環境をまるごと持ち歩いているからです。宇宙には空気がないので、酸素を送る仕組みが要ります。気圧がないので、体がふくらまないよう内側から押さえる層が要ります。日なたと日かげで温度が極端に変わるので、温度を保つ層が要ります。さらに、小さな粒が高速で飛んでくるので、それを防ぐ層も要ります。全部を重ねると、あの厚さになります。
びっくり大事実! 宇宙服は、服ではなく、人ひとりぶんの宇宙船。しかもいちばん難しいのは、守ることではなく、その中で指を曲げること。
もっとくわしく
むずかしいのは、防ぐことより動くことです。空気を入れてふくらんだ服は、風船と同じで曲げにくくなります。だから、ひじやひざの関節部分には、曲げても内側の体積が変わらない特別な作りが入っています。手袋は特に難しく、指を曲げるだけで疲れるといわれます。作業のあとに手が痛くなるのは、宇宙飛行士にとってふつうのことです。そして服には、生命を保つ装置を背負っています。酸素、二酸化炭素を取りのぞく装置、水を回して体を冷やす仕組み、電気、通信。宇宙服は服ではなく、人ひとりぶんの宇宙船です。
👤 これを調べた人の話
宇宙服を作る仕事には、いまも手で縫う工程が残っています。何百枚もの布を、ずれなく縫い合わせる。命がかかっているので、機械に任せきれない部分があるのです。
知っていると、なにがうれしいか 「宇宙は寒い」だけではない厳しさが分かります。人が行くことの重さが実感できます。
きょうためせること 厚い手袋をはめて、小さなネジやボタンをつまんでみよう。ふだんの何倍も時間がかかります。宇宙で作業をする難しさが、少しだけ体で分かります。
夏休みの終わりに、体がだるくなるのはなぜ?
どっちだと思う? 体の 中の 時計が 後ろへ ずれて いるから / 休みで 体力が 落ちて しまったから
こたえを見る
体の中の時計が、ずれてしまっているからです。人の体には、およそ1日の周期でリズムを作る仕組みがあり、朝の光を浴びることで毎日合わせ直されています。夏休みに起きる時間が遅くなると、この合わせ直しが遅れ、時計そのものが後ろへずれます。すると、夜になっても眠くならず、朝は起きられない。だるさは、なまけではなく、時計のずれです。
びっくり大事実! 体のリズムを直すのは、夜を早くすることではなく、朝を早くすること。夜のほうをがんばっても動かない。動かせるスイッチは、朝の光のほうにある。
もっとくわしく
直し方は決まっています。夜を早くするのではなく、朝を早くすることです。朝、決まった時間に起きて光を浴びる。これが一番強く時計を動かします。逆に、夜おそくまで明るい画面を見ると、時計はさらに後ろへずれます。もう1つ。ずれは1日では戻りません。何日かかけて少しずつ戻すほうが、体に負担が少ない。だから夏休みが終わる何日か前から、朝の時間を少しずつ前へ動かします。がんばりや気合いで直すものではなく、光と時間の使い方で直すものです。理由が分かると、自分を責めずにすみます。
👤 これを調べた人の話
体の中の時計を見つけた研究者たちは、光のない場所で人が何時間の周期で暮らすかを調べました。時計も窓もない部屋で、何週間も。そこまでやってはじめて、24時間より少し長いという値が出ました。
知っていると、なにがうれしいか だるさを、自分の弱さのせいにしなくてよくなります。直す手順もはっきりします。
きょうためせること あと何日かで学校が始まるなら、毎朝の起きる時間を15分ずつ早めてみよう。起きたらカーテンを開けて、外の光を浴びる。これだけで、夜に眠くなる時間が前へ動いていきます。
アプリは、なぜ無料で使えるの?
どっちだと思う? 作った 会社が 好意で ただに して いる / 広告など 別の ところから お金が 入って いる
こたえを見る
だれかがお金を払っているからです。多くの場合、広告を出す会社が払っています。アプリを作った側は、使う人に広告を見せることでお金を受け取ります。ほかにも、基本は無料で一部の機能だけ有料にする形、月ごとにお金を払う形、企業や団体が費用を負担する形があります。無料というのは「だれも払っていない」ではなく「あなたが払っていない」という意味です。
びっくり大事実! 無料というのは「だれも払っていない」ではなく「あなたが払っていない」という意味。多くの場合、払っているのはお金ではなく、自分についての情報である。
もっとくわしく
広告でまかなう形には、性質があります。広告は、見る人に合っているほど価値が高くなります。だから、その人が何に興味を持っているかを知りたくなります。使った記録、見たもの、いた場所。それらが集まるほど、合った広告を出せる。つまり、あなたが払っているのは、お金ではなく情報です。これは悪いことだと決めつける話ではありません。その仕組みのおかげで、多くの便利なものが無料で使えています。大事なのは、何が交換されているかを知っておくことです。設定で広告の個人向け調整を切れる場合もあります。仕組みを知っていれば、選べます。
👤 これを調べた人の話
広告でまかなう仕組みを考えた人たちは、お金を払えない人にも使ってもらう方法をさがしていました。その狙いは実現しました。同時に、情報が集まりすぎる問題も生みました。良いことと問題が、同じ発明から出ています。
この話のつづきを読む →
知っていると、なにがうれしいか 「なぜ無料か」に答えられるようになります。設定を見るきっかけになります。
きょうためせること よく使うアプリの設定を開いて、広告や履歴に関する項目があるか探してみよう。おうちの人といっしょに、どこまで渡すかを話してみます。
夏の終わりに、雷が増えるのはなぜ?
どっちだと思う? 上空に 冷たい 空気が 入り 上下の 温度差が 大きく なるから / 秋の 空気が かわいて 電気が たまりやすく なるから
こたえを見る
上と下の空気の温度差が大きくなるからです。地上はまだ夏の暑さが残っているのに、上空には秋の冷たい空気が入りはじめます。あたたかい空気は軽いので、上に冷たい空気があると勢いよくのぼっていきます。この激しい上下の動きが積乱雲を育て、雷を起こします。大気の状態が不安定、というのはこの状態のことです。
びっくり大事実! 日本海側では、冬に雷が多い地域がある。雷は夏のものだと思われているが、必要なのは季節ではなく、上と下の温度差だけ。
もっとくわしく
だから雷は、真夏だけのものではありません。春や秋の変わり目にも増え、日本海側では冬に雷が多い地域もあります。冬の雷は、冷たい大陸の空気が、あたたかい日本海の上を通るときに起こります。上下の温度差ができれば、季節に関係なく雷は起きる。ここに、覚えておくと役に立つ見方があります。天気予報で「上空に寒気が入る」と言ったら、それは晴れの話ではなく、荒れる合図です。地上の気温だけを見ていると、この情報を見落とします。空は上下で1組です。
👤 これを調べた人の話
冬の雷は、夏の雷より1回あたりのエネルギーが大きいことがあると分かっています。少ないから弱いとはかぎらない。数の多さと1回の強さを分けて考えるのは、科学のとても大事な習慣です。
知っていると、なにがうれしいか 予報の言葉から危険を読めるようになります。地上の気温だけを見なくなります。
きょうためせること 天気予報で「上空に寒気」という言葉が出た日をメモして、その日の午後に雷や急な雨があったかを記録してみよう。何回か記録すると、言葉と天気の関係が見えてきます。
ツクツクボウシが鳴くと夏が終わるって、本当?
どっちだと思う? セミは みんな 同じ 時期に 現れる / 種類ごとに 現れる 時期と 鳴く 時間帯が ちがう
こたえを見る
おおまかには合っています。セミには種類ごとに現れる時期の順番があり、ニイニイゼミやアブラゼミが先、ツクツクボウシは遅い時期に多くなります。だから鳴き声が変わることは、季節が進んだ合図として使えます。ただし、その年の気温や場所によってずれるので、日づけを言い当てる道具にはなりません。
びっくり大事実! セミは、種類ごとに鳴く時間帯までちがう。同じ木の同じ場所でも、朝と昼と夕方でまったくちがう声が聞こえる。声がぶつからないように、時間を分け合っている。
もっとくわしく
おもしろいのは、鳴く時間帯も種類でちがうことです。ヒグラシは明け方と夕方に鳴き、アブラゼミは日中、ミンミンゼミも日中に多い。同じ場所でも、時間で聞こえる声が入れかわります。これは、鳴く相手に声を届けるために、他の種類と時間をずらしているという見方があります。音がぶつかると、どちらの声も届きにくくなるからです。カエルがタイミングをずらすのと似ています。だから、朝と昼と夕方に同じ場所で耳をすませると、まったくちがう録音がとれます。姿を見つけなくても、音だけで季節と時間の記録が作れます。
👤 これを調べた人の話
セミの初鳴きの日を、何十年も同じ場所で記録し続けている人たちがいます。その記録から、鳴きはじめが少しずつ早くなっていることが分かってきました。趣味の記録が、気候の証拠になりました。
知っていると、なにがうれしいか 耳だけで季節が読めるようになります。録音するだけの自由研究ができます。
きょうためせること 同じ公園で、朝・昼・夕方の3回、30秒ずつ聞こえるセミの種類を書き出してみよう。1週間続けると、季節が進むにつれて顔ぶれが変わっていくのが見えます。
川で遊ぶとき、いちばん危ないのはどこ?
どっちだと思う? 白く 泡立って 音が している ところ / 水面が 静かで 色が 濃い ところ
こたえを見る
見た目が静かな場所です。水面が波立たず、深い色をしているところは、流れが速く深いことが多い。逆に、白く泡立って音がしているところは浅いことが多いのです。人は、静かに見えるほうを安全だと感じますが、川では逆になります。この思いこみが、事故の大きな原因になっています。
びっくり大事実! 川では、静かに見えるところほど深くて速い。人は静かなほうを安全だと感じるので、感覚と実際が逆になっている。だから見た目で選んではいけない。
もっとくわしく
もう1つ危ないのが、水の中に沈んだ木や石にひっかかる形の流れです。上から見ると水がすいこまれるように見えるところがあり、そこに入ると流れに押さえつけられて出られなくなります。海と大きくちがうのは、川の水は必ず一方向に流れていて、休む場所がないことです。だから川では「泳ぐ力」より「流れに逆らわない知識」が命を守ります。流されたら、あおむけになり、足を下流に向けて浮く。立とうとしないこと。浅くても、足が石にはさまると立ち上がれなくなり、流れに押し倒されます。そして、上流の雨で水が増えることを忘れないことです。
👤 これを調べた人の話
水の事故を減らすため、「泳ぎを教える」から「浮き方と見分け方を教える」へと、教える中身を変えた人たちがいます。強くすることではなく、危ない場所に入らないことを先に教える。順番を変えただけで、助かる人が増えました。
知っていると、なにがうれしいか 見た目にだまされずに判断できます。家族や友だちにも伝えられます。
きょうためせること 川に行ったら、入る前に立ち止まって、水面の様子を見比べてみよう。波立っている場所と、静かで色の濃い場所。どちらが深そうか、大人と話してみてください。ライフジャケットは必ず着ること。
夜空の星は、目でいくつ見えるの?
どっちだと思う? どこで 見ても だいたい 同じ 数が 見える / 場所に よって 見える 数が 100倍 ちかく ちがう
こたえを見る
とても条件のよい場所で、空全体を一度に見わたせたとしても、肉眼で見える星はおよそ数千個といわれます。ただし地面から見えるのは空の半分なので、実際に一度に見えるのはその半分ほどです。町の中ではもっとずっと少なく、数十個しか見えないこともあります。同じ空を見ているのに、場所で見える数が100倍近くちがうのです。
びっくり大事実! 星の明るさの等級は、2000年以上前に目分量で作られた区分。ところがあとから光の強さを測ったら、その古い区分ときちんと対応していた。人の目は、かなり正確な測定器だった。
もっとくわしく
「見える」の基準になっているのが、星の明るさを表す等級という数字です。数字が小さいほど明るく、肉眼で見えるのはだいたい6等星までとされてきました。この決め方は2000年以上前から使われてきたもので、いちばん明るい星を1等、やっと見える星を6等と分けたのが始まりです。おどろくのは、この古い区分が、あとから測った光の強さときちんと対応していたことです。人の目が明るさを感じる感覚は、光の強さそのものではなく、その比に近い形で働いていた。だから、目分量で作られた区分が、そのまま数字の体系になりました。
👤 これを調べた人の話
星の明るさを分類した古代の人たちは、望遠鏡も光を測る道具も持っていませんでした。それでも、見える星を一つひとつ書き並べ、明るさで分けました。道具がなくても、ていねいに見て記録すればここまでできる、という証拠です。
知っていると、なにがうれしいか 夜空の見え方が場所で変わる理由が分かります。暗い場所へ行く価値が実感できます。
きょうためせること 同じ夜、家の前と、できるだけ暗い場所の2か所で、こぶしの中に見える星の数を数えてみよう。同じ広さを見ているのに、数がまったくちがうことに気づきます。
日やけのあと、皮がむけるのはなぜ?
どっちだと思う? 体が いたんだ 細胞を 片づけて いる / 日やけで 皮ふが かわいて われて いる
こたえを見る
強い紫外線でいたんだ細胞を、体が捨てているからです。紫外線は、皮ふの細胞の中にある設計図(DNA)を傷つけます。傷が大きすぎて直せない細胞は、そのまま残すと具合が悪いので、体が自分から終わらせて外へ押し出します。それがまとまってはがれるのが、皮むけです。こわれたから落ちるのではなく、片づけているのです。
びっくり大事実! 皮がむけるのは、こわれて落ちているのではない。直せないほど傷ついた細胞を、体が自分から終わらせて外へ出している。片づけの跡である。
もっとくわしく
だから皮むけは、体が守っている証拠でもあります。ただし、そこまでいく前に止めるほうがずっとよい。日やけは、一度赤くなるたびに皮ふに負担が積み重なると考えられていて、子どものころに強く日やけをくり返すことの影響が指摘されています。だから対策は、痛くなってから何かするのではなく、なる前に日かげ・帽子・服・日やけ止めで防ぐことです。むけはじめた皮を無理にはがすのはよくありません。下の新しい皮ふがまだ守られていない状態で、外に出てしまうからです。かゆくても、はがさずに保湿して、日に当てないようにします。
👤 これを調べた人の話
紫外線が細胞の設計図を傷つけると突きとめた研究から、傷を直す仕組みの研究が始まりました。その研究は、いろいろな病気の理解につながっています。日やけという身近な現象が、大きな扉になりました。
知っていると、なにがうれしいか 体が自分を直していると分かります。はがさない理由もはっきりします。
🏅 この話につながるノーベル賞
2012年 生理学・医学賞(山中伸弥さん) →
きょうためせること 日やけをした場所と、していない場所を写真にとって、1週間の変化をくらべてみよう。いつむけはじめて、いつ落ち着くかを記録すると、体の直す速さが分かります。
写真をとると、本物よりきれいに写らないのはなぜ?
どっちだと思う? カメラの レンズが よごれて いるから / 目と カメラで とらえられる 明るさの 幅が ちがうから
こたえを見る
目とカメラでは、明るさをとらえられる幅がちがうからです。人の目は、明るいところと暗いところを同時にとても広く見分けられます。しかもすばやく調整します。カメラのセンサーはその幅がせまいので、明るいところに合わせると暗いところが真っ黒に、暗いところに合わせると明るいところが真っ白になります。夕焼けも、夜景も、この差が出やすい場面です。
びっくり大事実! カメラは、明るさのちがう何枚かを合成して1枚を作っている。じつは目も同じで、細かく動きながら見た情報を、脳が1枚にまとめている。どちらも合成した絵を見ている。
もっとくわしく
だから写真の機械は、明るさのちがう何枚かを連続でとって、良いところだけを合成する方法を使っています。明るい部分は暗くとった1枚から、暗い部分は明るくとった1枚から。人が見た印象に近づけるための工夫です。ここでおもしろいのが、目もじつは同じことをしている点です。目は視野のすべてを同時に見ているのではなく、細かく動きながら少しずつ見て、脳が1枚の絵にまとめています。カメラも目も、実は合成した絵を見ている。ちがうのは、合成しているのが機械か脳かというところです。
👤 これを調べた人の話
写真の技術者たちは長いあいだ、目に近づけることを目標にしてきました。目のほうも合成しているらしいと分かったのは、その追いかけっこの途中です。まねようとした相手の仕組みが、あとから分かりました。
この話のつづきを読む →
知っていると、なにがうれしいか うまく撮れない理由が分かり、直せます。目のすごさにも気づけます。
きょうためせること 明るい窓を背にして人を撮ってみよう。人が真っ黒になるはずです。次に、窓のほうを背にして撮ると、うまく写ります。光がどちらから来ているかで結果が決まると分かります。
台風の予報の白い円は、何を表しているの?
どっちだと思う? 台風の 大きさを 表して いる / 中心が 70パーセントの 確率で 入る 範囲
こたえを見る
台風の中心が、その時刻に70パーセントの確率で入ると予想される範囲です。台風の大きさではありません。ここをまちがえると、危険をとりちがえます。円が大きくなっていくのは、台風が育つからではなく、先の時間ほど予想がむずかしくなるからです。円の大きさは、自信の度合いを表しています。
びっくり大事実! 予報円が大きくなっていくのは、台風が育つからではない。先の時間ほど予想が難しくなるから。あの円の大きさは、台風の大きさではなく、予報の自信の度合いである。
もっとくわしく
もう1つ大事なのは、外れる30パーセントです。予報円の中に自分の町が入っていなくても、来ないとは言えません。そして、赤い線で囲まれた暴風警戒域は、台風の中心が予報円の中を進んだ場合に、風速25メートル以上の暴風になるおそれのある範囲です。こちらは実際に自分に影響が及ぶかどうかの範囲です。見る順番は、まず暴風警戒域に自分の町が入っているか。次に予報円の大きさで、予想がどれくらい定まっているか。最後に中心の線。中心の線は円の中心を結んだだけのもので、そこを通ると決まっているわけではありません。
👤 これを調べた人の話
気象庁は、予報が良くなったことを確かめたうえで、予報円を小さくしました。当たるようになったから、言い方を絞った。自信がついた分だけ具体的にする、という正しい順番です。
知っていると、なにがうれしいか 進路図を正しく読めるようになります。見る順番が決まると、迷いません。
きょうためせること 台風が近づいたら、進路図を朝と夜の2回見て、予報円の大きさが変わったか見てみよう。小さくなっていれば、予想が定まってきた合図です。
日なたにとめた車の中は、どのくらい熱くなるの?
どっちだと思う? 外より 少し 暑い くらいに おさまる / 30分ほどで 45度 その後 55度を こえた 記録が ある
こたえを見る
外が35度の日、窓を閉め切った車の中は、30分ほどで45度前後になり、その後さらに上がって55度をこえたという実験の記録があります。窓を3センチほど開けても、30分後に40度ほど、午後には45度ほどまで上がりました。曇りの日でも、1時間で40度をこえたという記録があります。少しの時間だから大丈夫、が成り立たない場所です。
びっくり大事実! 窓を3センチ開けても、30分で40度になった記録がある。少し開ければ大丈夫、は成り立たない。車の中は、うっかり作られてしまった温室である。
もっとくわしく
なぜここまで上がるのでしょうか。ガラスは太陽の光を通しますが、あたたまった内側のものが出す熱(赤外線)は通しにくい。だから入った熱が出ていけず、たまり続けます。閉じた空間なので、空気の入れかえもありません。同じ仕組みが、温室で植物を育てるのに使われています。車内は、意図せず作られた温室です。JAFの実験では、ダッシュボードが57度をこえた例もあります。おそろしいのは、子どもは体が小さく体温を調節する力が発達しきっていないため、大人より早く危険になることです。時間の長さではなく、その場所に残さないことが答えになります。
👤 これを調べた人の話
この危なさを数字にしたのは、実際に車を炎天下に置いて測り続けた人たちです。「危ないから気をつけよう」では動かない人も、55度という数字を見ると動く。測ることは、伝えることでもあります。
知っていると、なにがうれしいか 「少しの時間なら」という判断をしなくなります。数字で家族に伝えられます。
きょうためせること 日なたに置いた車のハンドルやシートを、大人にさわってもらってみよう。素手でにぎれない温度になっていることがあります。車の中にペットボトルやスプレー缶を置きっぱなしにしていないかも、いっしょに確かめます。
🃏 かがくカード図鑑
問いの下にある2択に答えると、その日のカードが1枚手に入ります。当たっても外れても手に入ります。カードの絵は、その日の問いの図です。集めると、下の棚が埋まっていきます。
カード図鑑は、この端末に記録がたまると表示されます。
カードが3枚たまると、集めたカードで遊べます。問いと「びっくり大事実」を合わせる神経衰弱です。めくった2枚が同じ日のものならそろいます。遊ぶたびに出る組み合わせが変わるので、何度でも遊べます。
記録はお使いの端末の中だけに保存されます。会員登録もメールアドレスもいりません。こちらから見ることはできません。連続でなくてかまいません。1日休んでも、次の日に1枚増やせば、それで進んでいます。
1年生から6年生まで、同じ問いを読みます
低学年向けに内容をうすくすることは、していません。「へえ」で終わる話は、高学年には物足りないからです。そのかわり、読み方を2段にしてあります。
- こたえは、1年生でも読める言葉で書いています。ここだけ読めば、その日の答えは分かります。
- もっとくわしくは、高学年が読んでも手ごたえのある深さにしてあります。中学受験の理科につながる話も入っています。
漢字が読みにくいときは、画面の左下にある「ふりがな」ボタンを押してください。ページ全体の漢字にふりがなが付きます。一度押せば、次に開いたときも付いたままです。
だから、1年生の弟と6年生の姉が、同じ問いで言い合いになるということが起きます。それがこのコーナーのねらいです。
このコーナーの決めごと
- 1日1問だけ。まとめて読む必要はありません。1問2分で終わる長さにしてあります。あしたの問いは、きょうの分の下に予告として出ています。
- やらなくてもいい。「きょうためせること」は宿題ではありません。読むだけでも十分です。
- 危ないことは書きません。火、刃物、薬品を使うものは載せません。見るだけ、さわるだけでできることに限っています。
- 連続が切れても、レベルは下がりません。1日休んでも、次の日にまた1つ読めば、それで進んでいます。
読んだ記録は、この端末にたまります
「読んだ」を押すと、スタンプが1つたまります。会員登録もメールアドレスも要りません。記録はお使いの端末の中に保存され、こちらから見ることはできません。
7日で「かがくみならい」、30日で「かがくはかせ見習い」、100日で「かがくはかせ」になります。連続でなくてかまいません。数えているのは合計の日数だけです。
かがくが好きになった子に、次に渡すもの
問いを読んで「もっと知りたい」となったとき、いちばん確実な次にやることは本です。ただし、図鑑が好きな子がそのまま科学の読み物に移ることは、あまり多くありません。図鑑は調べるための本で、順番に読むようにはできていないからです。あいだをつなぐ本があります。ほんだなコンパスのかがくがすきになる本に、どういう子に合うかまで書いて7冊並べました。理科がきらいな子には、計算も暗記も出てこない本を渡すのが確実です。
こんなコンテンツもあります──しんぶん・ことば・ドリル
このコーナーは、単独では続きません。ほかのものとセットにすると続きます。
- 週刊小学生しんぶんの最新号を開くと、ページの下にその日のかがくの問いが出ます。しんぶんを読んだあとの2分に使えます。
- 無料プリントをやったあと、印刷ページの下からこのコーナーに来られます。手を動かしたあとに、読むものが1つあると気持ちが切りかわります。
- ことば大辞典とスタンプの器が同じです。かがくを読んでも、しんぶんを読んでも、同じスタンプがたまります。どれか1つやれば、その日は1個です。
問いの中には、お月見や台風、IT・AIのページにつながるものがあります。もっと知りたくなったら、そのままつづきを読めます。秋ならハロウィンのかがくもあります。10月5日からはノーベル賞の発表です。受賞した研究が、毎日のくらしのどこにあるかを説明しています。おばけやしきが暗い理由と、こわいときに体が先に動く話です。
各問の科学的な内容は、気象庁、国立天文台、国土地理院、文部科学省などの公的機関が公表している資料と、小学校学習指導要領にもとづいて確認したうえで、小学生向けに書き直しています。裏取りができなかった問いは掲載していません。制作 スクールコンパス編集部
理科のなぜ、よく調べられていること
空はなぜ青いの?
夏の空は、なぜあんなに青いの?で、太陽の光と空気の関係から答えています。
月の満ち欠けは、なぜ起きるの?
月の形は、なぜ毎日変わるの?に。昼間に月が見える理由は月が昼間の空にも見えるのはなぜ?で。
星座は、だれが決めたの?
星座は、だれが決めたの?に。冬の星については冬の星が、とくによく見えるのはなぜ?。
虹や雷は、どうしてできるの?
家でできる理科の実験は?
各回に「家でためせること」をつけています。もっと時間をかけるなら自由研究のテーマ51選から選べます。
子どもの「なんで?」にどう答えるか迷ったら、ここで一緒に調べてみてください。