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きょうのかがく──1日1問、2分の理科
理科を好きになるのに、覚える必要はありません。思わず「えっ、そうなの?」と声が出る回数を増やすほうが先です。
ここでは、こたえを先に出しません。まず「どっちだと思う?」を2つならべます。当たっても外れても構いません。外した日のほうが、よく覚えています。
このコーナーは、1日に1問だけ出します。問いが先で、こたえはタップして開きます。最後に、家にあるもので今日できることを1つだけ書いてあります。やるかどうかは自由です。宿題にはしません。
7月19日の1問──こたえを見る前に、予想してみよう
月まで行くのに、どのくらいかかるの?
どっちだと思う? 当たっても外れても、カードが1枚手に入ります。
こたえを見る
人を乗せて行った過去の計画では、片道でおよそ3日かかりました。月までの距離は平均でおよそ38万キロです。これは地球を9周以上する長さにあたります。地上の乗り物とは比べものにならない速さで飛んでも、3日かかる。宇宙の中では月はいちばん近いご近所なのに、それでもこれだけの距離があります。
びっくり大事実! 月へ行くときは、月に向かってまっすぐ飛ばない。放り投げた石が落ちる先に、ちょうど月が来るように計算して投げる。むずかしいのは、行くことより止まること。
もっとくわしく
おもしろいのは、まっすぐ突き進むわけではないことです。ロケットは打ち上げのあと地球のまわりを回りながら速さを整え、そこから月へ向かう軌道に乗ります。ぶつけるのではなく、放り投げた石が落ちていく先に月が来るように計算する。到着したあとは、月の重力につかまるように速さを落とします。行きよりむずかしいのは、この「止まり方」のほうです。しかも通信にも時間がかかります。地球と月のあいだは光でおよそ1.3秒。会話をすると、返事が返るまでに2秒以上かかります。すぐそこに見える月でも、話しかけると間が空くのです。
👤 これを調べた人の話
月へ人を送るとき、いちばん心配されたのは行き方ではなく帰り方でした。帰るためのエンジンが1回でも動かなければ戻れません。だから、動かなかったときにどうするかまで先に決めてから出発しました。
知っていると、なにがうれしいか 宇宙の距離が、数字ではなく実感になります。「近い」の意味が変わります。
きょうためせること 地球儀があったら、地球の直径のおよそ30倍の長さを紙テープでとって、月までの距離の模型を作ってみよう。思っていたより、ずっと遠いはずです。教科書の絵では、たいてい近すぎに描かれています。
かがくを知っていると、なにがうれしいのか
「勉強のため」とは書きません。それでは続かないからです。ほんとうのところ、こういうことです。
- こわいものが、少しだけこわくなくなる。地震の速さも、台風の目も、正体が分かると、ただこわいだけのものではなくなります。9月1日と9月8日の問いは、そのために置いています。
- 「なんで?」に、自分で答えを出せるようになる。大人に聞かなくてもいい場面が増えます。これはけっこう気持ちがいいことです。
- ふつうの日が、少しおもしろくなる。コップの水てき、虫の声、雲の高さ。毎日そこにあったものが、意味を持って見えてきます。
- だまされにくくなる。AIが描いた絵のどこがあやしいか、地図アプリの「あと5分」がどこから来た数字か。知っていると、うのみにしなくてすみます。
だからこのコーナーには、毎回「びっくり大事実」の1行と、「知っていると、なにがうれしいか」の1行を入れています。読んだあとに、それが自分の得になったかどうかを確かめられるようにするためです。
びっくり大事実とは、おどろきと楽しさの両方です
このコーナーには、毎回「びっくり大事実」の1行が入っています。ただの豆知識ではありません。おどろきと、楽しさの両方がそろっている1行だけを「びっくり大事実」と呼んでいます。
- おどろきだけだと、図鑑になります。数字がすごくても、読んで終わりです。
- 楽しさだけだと、ただのネタになります。笑って終わりで、何も残りません。
- 両方あると、だれかに言いたくなります。言いたくなるから、次の日もまた開きます。
たとえば、心ぞうが80年で30億回打つ、というのはおどろきです。そこに「いま読んでいるあいだにも、たぶん60回くらい打った」を足すと、思わず自分の胸に手を当てたくなります。これが、びっくり大事実です。
台風の目に東京都がまるごと入る、で止めると図鑑です。「世界一でかい天然のドーム球場。しかも入場無料。ただし出られない」まで書くと、だれかに話したくなります。
だから、この1行は毎回いちばん時間をかけて書いています。ここが弱いと、次の日には来てもらえないからです。
調べた人の話も入れています
科学は、いつでもだれかが最初に「なんで?」と思ったところから始まっています。その人がなぜそれを調べようと思ったのかは、答えそのものよりおもしろいことがあります。
ゆれるランプを見ながら、自分の脈で時間をはかった人。台風の中に飛行機で入っていく研究者。囲碁の盤を見ていてQRコードを思いついた技術者。みんな、最初はふつうに「気になった」だけです。特別な人だから科学者になったのではなく、気になったことを放っておかなかっただけです。
問いによっては、この話が入っています。読み物として、いちばんおもしろいところかもしれません。
デジタルも、かがくです
スマホ、AI、ゲーム、QRコード、地図アプリ。これらは天気や生き物と同じように、しくみのあるものです。だから、このコーナーではデジタルを特別あつかいせず、週に1問か2問のペースでふつうに出しています。
ITは言葉が抽象的で、大人でも説明しにくい分野です。だからこのコーナーでは、「ITとは」という説明をしません。かわりに「QRコードはよごれても読めるのはなぜ」「スマホはどうしてわたしの声が分かるの」という、目の前にある物から入ります。
もっと知りたくなったら、IT・AIのなぜに読み物があります。
これまでの問い(366問)
1年ぶんの366問を、月ごとのページに分けて置いています。過去の問いはいつでも読めます。まとめて読む必要はありません。1日1問で足ります。
てんきうちゅういきものからだものちきゅうデジタル
デジタルも、天気やいきものと同じ理科のひとつとして置いています。しくみが分かるとおもしろい、という点でちがいはないからです。
月ごとに読む
1月の問い(31)2月の問い(29)3月の問い(31)4月の問い(30)5月の問い(31)6月の問い(30)7月の問い(31)8月の問い(31)9月の問い(30)10月の問い(31)11月の問い(30)12月の問い(31)
7月の問い
スマホでとった写真は、どこにしまわれているの?
どっちだと思う? スマホの中だけに 入っている / スマホの中と 遠くの コンピューターの 両方
こたえを見る
スマートフォンの中と、遠くにある大きなコンピューターの両方です。設定でクラウドを使うようにしていると、とった写真はいったん端末に保存されたあと、通信でどこかの建物にあるコンピューター(サーバー)に送られ、そこにも同じものが置かれます。だから、機種を変えても写真が残ります。
びっくり大事実! クラウドは、空に浮かんでいない。実体は、コンピューターがぎっしり並んだ建物である。あなたの写真は、いま、たぶん知らない町の一室にある。
もっとくわしく
クラウドという言葉は雲を意味しますが、空に浮かんでいるわけではありません。実体は、大きな部屋にコンピューターがぎっしり並んだデータセンターという建物です。地震や火事にそなえて、離れた場所に同じデータをもう1つ置くこともあります。ここから大事なことが出てきます。クラウドに置いた写真は、自分の手元にはない場所にあります。だから、アカウントに入れなくなると自分の写真も見られなくなります。無料で使える容量には上限があり、こえると新しい写真が送られなくなります。便利さの裏側で、写真の置き場所を自分以外の人にあずけている。それが良いか悪いかではなく、どこにあるかを知っておくことが大事です。
👤 これを調べた人の話
データセンターを動かす人たちは、24時間交代で機械の温度と電気を見はっています。停電しても止まらないよう、自前の電池と発電機まで用意してあります。写真が消えないのは、だれかが見はっているからです。
この話のつづきを読む →
知っていると、なにがうれしいか 「なんとなく残っている」が「どこに置いてあるか分かる」に変わります。だいじな写真の守り方が決められます。
きょうためせること スマホの設定で、写真がどこに保存されているか、残りの容量がいくつかを見てみよう。数字を見るだけで、いま何枚くらい置けるかが分かります。おうちの人といっしょに見ること。
夕立は、なぜ夕方に多いの?
どっちだと思う? 夕方に なると 空気が 冷えて 雨に なる / 地面が あたたまるのに 時間が かかるから
こたえを見る
地面があたたまるのに時間がかかるからです。朝から太陽が地面を照らし、地面が空気をあたためます。あたたまった空気は軽くなって上へのぼり、上空で冷やされて雲になります。この積み重ねに数時間かかるので、雲が育ちきって雨を落とすのが午後から夕方になります。太陽がいちばん高いのは正午ですが、地面がいちばん熱いのはそのあとです。
びっくり大事実! 夕立の雲は、高さが10キロをこえることがあるのに、横はたった数キロ。だから道の向こうは晴れていて、こちらだけが土砂降りになる。空には、そんな細長い柱が立っている。
もっとくわしく
夕立をつくる雲は積乱雲で、高さが10キロをこえることもあります。ところが横の広がりは数キロしかないことが多く、だから「うちの前は土砂降りなのに、駅の向こうは晴れている」ということが起きます。積乱雲は1つあたり30分から1時間ほどで一生を終えるので、夕立は激しくても短いのです。同じ積乱雲から、雷や、ときにはひょうも降ります。だから夕立の合図は、遠くの雷の音や、急に吹きはじめる冷たい風です。この冷たい風は、雲の中で冷やされた空気が落ちてきたものです。風が変わったら、屋根のある建物へ入る時間です。
👤 これを調べた人の話
積乱雲の中を、飛行機で観測しに行く研究者がいます。中は激しく揺れ、氷の粒が飛び交う場所です。それでも中に入らないと分からないことがある。危険を管理しながら踏みこむ人たちが、予報を進めてきました。
知っていると、なにがうれしいか 空の様子から、これから降るかどうかを自分で読めます。洗たく物を取りこむ判断が早くなります。
きょうためせること 夏の午後、西の空に白い山のような雲が育っていないか見てみよう。育っているなら、その下ではもう降っているかもしれません。急に涼しい風が吹いたら、雨が近い合図です。
セミは、土の中で何年すごすの?
どっちだと思う? 土の中で 数年 すごし 地上は 数週間 / 土の中で 数週間 すごし 地上で 数年 生きる
こたえを見る
種類によってちがいますが、数年から長いものでは10年近くを土の中で暮らします。土の中では木の根から出る汁を吸って、少しずつ大きくなります。そして最後の夏に地上へ出て、羽化して成虫になります。地上で鳴いている期間は数週間ほどです。人生の大部分を、暗い土の中ですごしている生きものなのです。
びっくり大事実! セミが1週間で死ぬというのは、正しくない。1か月ほど生きた記録がある。短いと思われてきただけで、だれもちゃんと見ていなかった。
もっとくわしく
「セミは1週間で死ぬ」とよく言われますが、これは正しくありません。飼育や観察の記録では、1か月ほど生きる例が報告されています。短いと思われてきたのは、弱った個体が見つかりやすいことや、観察が難しいことが理由だと考えられます。もう1つ。セミの抜けがらは、その場所にどんな種類がいるかを教えてくれます。抜けがらは形も大きさもちがい、しかも壊れずに長く残ります。生きものを捕まえなくても、抜けがらを集めるだけで、その公園の生きものの記録が作れます。自由研究にちょうどよい理由が、ここにあります。
👤 これを調べた人の話
高校生が、セミに小さな印をつけて放し、何日後に見つかるかを調べました。その記録が「1週間説」を書きかえるきっかけの一つになりました。年齢に関係なく、ちゃんと数えた人の勝ちです。
知っていると、なにがうれしいか 言い伝えを、自分で確かめていいと分かります。抜けがらが、ただのゴミから記録に変わります。
きょうためせること 公園の木の低いところで、抜けがらを探して集めてみよう。大きさと、体のもようをくらべます。同じ木でも2種類以上いることがあります。集めた場所と日づけをメモすると、記録になります。
砂浜は熱いのに、海の水が冷たいのはなぜ?
どっちだと思う? 海の水は 深いところから 冷たい水が わいてくる / 水は あたたまりにくく 冷めにくい 性質を もっている
こたえを見る
水はあたたまりにくく、冷めにくいからです。同じだけ太陽の光を受けても、砂は少しの熱ですぐ温度が上がり、水は同じ熱ではなかなか上がりません。水は、温度を1度上げるのに必要な熱が、砂よりずっと大きいのです。しかも海は深く、波でかき混ぜられるので、受けた熱が下のほうへ広がっていきます。
びっくり大事実! 足が熱くて砂浜を走ってしまうのは、砂がすぐ熱くなるから。同じ太陽の光を浴びているのに、水と砂で温度がまるでちがう。海は、地球の温度を落ち着かせている巨大な装置でもある。
もっとくわしく
この性質は、日本の気候そのものを決めています。海に囲まれた場所は、夏に暑くなりすぎず、冬に寒くなりすぎません。内陸は逆に、夏は暑く冬は寒くなります。同じ緯度でも、海のそばかどうかで暮らし方が変わるのは、水のこの性質のせいです。もっと大きく見ると、地球全体の温度が急に変わらないのも、表面の7割が海だからです。海は、地球の温度を落ち着かせる巨大な仕組みとしてはたらいています。砂浜で足が熱いと感じたその瞬間に、水と砂のちがいを体で確かめていることになります。
👤 これを調べた人の話
海の温度を測る人たちは、世界中の海に自動で沈んでは浮かぶ観測機を何千台も浮かべています。だれも見ていない真夜中の海でも、機械が測り続けている。そのデータが、地球の変化を映しています。
知っていると、なにがうれしいか 暑さや寒さの理由が、地図の上で読めるようになります。海のそばと内陸のちがいが分かります。
きょうためせること 晴れた日、日なたの地面と日かげの地面を、手のひらでそっとさわりくらべてみよう。やけどしそうなほど熱いときはさわらないこと。水を入れたペットボトルと空のペットボトルを日なたに置いて、30分後にさわりくらべるのも同じ実験になります。
天の川は、なにが集まっているの?
どっちだと思う? 空に かかっている 白い雲の 一種 / ものすごく たくさんの 星が 重なって 見えている
こたえを見る
星です。ものすごくたくさんの星が集まって、帯のように見えています。私たちのいる銀河系は、円盤のような形をしています。その円盤の中に地球があるので、円盤を横から見る方向は星がずらりと重なり、逆に円盤の上下の方向には星が少ない。だから空の一部だけが白くけむって見えるのです。天の川は、自分がいる銀河を、内側から横向きに見た姿です。
びっくり大事実! 天の川は、外から見た景色ではない。自分がその中に住んでいる銀河を、内側から横向きにのぞいている姿である。私たちは、あの帯の中にいる。
もっとくわしく
望遠鏡で天の川を見ると、白いもやが1つ1つの星に分かれていきます。これを最初に確かめたのはガリレオでした。もやではなく星の集まりだと分かった瞬間、宇宙の大きさの見え方が変わりました。ただし、いまは日本の多くの町で天の川が見えません。街の明かりが空を明るくしてしまうからです。これを光害といいます。同じ夜空を見ているのに、見えるものが場所によってまったくちがう。天の川が見える場所は、日本にもまだたくさんあります。旅行のとき、宿の外で空を見上げてみる価値があります。
👤 これを調べた人の話
ガリレオは、望遠鏡を空に向けて、白いもやが星の粒に分かれるのを見ました。だれもがただの雲だと思っていたものを、道具を1つ向けただけで別のものに変えた。見方を変えるのではなく、見る道具を変えたのです。
知っていると、なにがうれしいか 夜空の白い帯が、自分の住所に見えてきます。星を見に行く理由が増えます。
きょうためせること 暗い場所へ行けたら、目を10分ほど暗さに慣らしてから空を見上げよう。すぐには見えなくても、時間がたつと見えてくることがあります。スマホの画面を見ると目がリセットされてしまうので、その間は見ないこと。
熱中症になると、体の中で何が起きているの?
どっちだと思う? 体を 冷やす 仕組みが 追いつかなく なっている / 体が 熱を 作りすぎて しまっている
こたえを見る
体温を下げる仕組みが追いつかなくなっています。人は、あせをかいて蒸発させることで体を冷やしています。暑さが強すぎたり、湿度が高くてあせが蒸発できなかったり、水分が足りずにあせが作れなくなったりすると、熱が体にたまり続けます。すると頭が痛くなったり、力が入らなくなったり、ひどいときは意識がはっきりしなくなります。
びっくり大事実! 同じ場所に立っていても、大人と子どもが受けている暑さは同じではない。子どもは地面に近く、夏の地面は気温よりずっと熱い。「大人が平気」は、子どもの平気ではない。
もっとくわしく
気をつけたいのは、暑さ指数(WBGT)という数字です。環境省が出しているこの数字は28をこえるあたりから、熱中症で運ばれる人が急に増えます。気温ではなく、湿度の影響が大きく効いた数字です。もう1つ。子どもは大人より地面に近いところにいます。夏の地面は、気温よりずっと熱くなります。同じ場所に立っていても、大人が感じている暑さと子どもが受けている暑さは、同じではありません。だから「大人が平気だから子どもも平気」とはなりません。あやしいと思ったら、すずしい場所へ移り、水と塩分をとり、体を冷やす。この順番です。
👤 これを調べた人の話
暑さ指数を作った人たちは、気温だけを見ていては人が倒れる理由を説明できないと気づきました。ものさしを作り直すことは、答えを出すより前に必要な仕事でした。
知っていると、なにがうれしいか がまんではなく、数字で決められるようになります。家族に伝えられる知識です。
きょうためせること 外に出る前に、環境省の暑さ指数を見てみよう。28をこえていたら、運動の予定を見直す日です。数字を先に見る習慣をつけると、がまんくらべにならずにすみます。
紙に書いた字は、ぬれるとなぜにじむの?
どっちだと思う? 水が 繊維の すきまを 伝って 広がるから / 水で 紙の 表面が とけて しまうから
こたえを見る
紙が水を吸うからです。紙は細い繊維がからみ合ってできていて、繊維と繊維のあいだにすきまがあります。水がこのすきまに入ると、毛細管現象という力で、すきまを伝って外へ外へと広がっていきます。インクの色のもとが水にとける種類だと、水といっしょに運ばれて、字の形が広がります。これがにじみです。
びっくり大事実! 黒く見えるペンのインクが、水の上ではいくつもの色に分かれることがある。1色だと思っていたものが、じつは何色も混ぜて作られていた。にじみは、その混ぜものを見せてくれる。
もっとくわしく
だから、にじむかどうかは紙とインクの組み合わせで決まります。水にとけない色のもとを使ったペンなら、水がしみても色は動きにくく、にじみません。習字の墨も、粒が水にとけずに紙にひっかかるので、乾いたあとは水に強くなります。逆に、和紙のようにすきまの多い紙は、あえてにじませて味を出す使い方もあります。にじみは欠点ではなく、道具の性質です。7月7日にたんざくを外に飾るなら、ぬれても消えにくいペンを選ぶだけで、願いごとが最後まで読めます。
👤 これを調べた人の話
色を分ける方法を考えた研究者は、はじめ植物の色素を分けるためにこれを使いました。いまでは薬の検査から食品の安全確認まで、同じ原理が使われています。紙とインクの遊びに見えるものが、社会を支える技術になりました。
知っていると、なにがうれしいか にじみが失敗ではなく道具の性質だと分かります。ペンの選び方が変わります。
きょうためせること コーヒーフィルターやティッシュに、水性ペンで点を1つ打ち、その少し下を水にひたしてみよう。色が上へのぼりながら、いくつかの色に分かれていくことがあります。1色に見えたインクが、じつは混ざりものだった証拠です。
動画は、なぜとちゅうで画質が変わるの?
どっちだと思う? 回線が こわれかけて いるから / 止まるより 粗いほうが よいと 判断して いるから
こたえを見る
送る側が、いまの通信の速さに合わせて画質を選び直しているからです。動画は、同じ場面を画質のちがう何種類かで用意してあります。通信が速いときは細かい版を、遅くなったら粗い版を送ります。止まってしまうくらいなら、画質を落として続ける。そういう判断を、見ているあいだ何度もしています。
びっくり大事実! 動画がぼやけたのは、こわれたからではない。「止まるくらいなら粗くしよう」と、その場で決められた結果である。あの一瞬に、機械が優先順位を選んでいる。
もっとくわしく
なぜ止まるより粗いほうがよいのでしょうか。人は、少しくらい画質が落ちても内容を追えますが、止まると話が切れてしまうからです。だから設計の順番は、まず途切れないこと、次に画質、となっています。動画は数秒ずつの細かい部品に分けて送られていて、部品ごとに画質を選べるようになっています。ここでも、あちらを立てればこちらが立たないという関係が出てきます。速さと画質は同時には取れないので、どちらを優先するかを決めておく。オンラインで声が遅れる理由と、根っこは同じ考え方です。
👤 これを調べた人の話
この仕組みを作った人たちは、完璧な画質をあきらめました。かわりに、どんな回線でも最後まで見られることを選んだ。何を捨てるかを決めるのも、設計という仕事です。
この話のつづきを読む →
知っていると、なにがうれしいか うまくいかないときに、機械のせいにも自分のせいにもしなくてよくなります。設定で直せる場面が分かります。
きょうためせること 動画の設定を開いて、画質を自分で選べる項目を探してみよう。自動になっているはずです。手で低い画質にしてみると、読みこみが速くなるのが分かります。使い終わったら自動に戻しておきます。
入道雲は、どこまで高くなるの?
どっちだと思う? どこまでも 上へ のびていく / ある高さで 天井に ぶつかり 横に 広がる
こたえを見る
高いものでは10キロ以上、つまり富士山の3倍近くまでのびます。入道雲は積乱雲のことです。あたたかい空気が上へのぼりながら雲を作り、勢いが強いとぐんぐん高くなります。ただし、いくらでも上へ行けるわけではありません。ある高さで、上の空気のほうがあたたかい層にぶつかり、それ以上のぼれなくなります。そこで雲は横に広がり、上が平らな形になります。
びっくり大事実! 入道雲の上が平らになっていたら、それは雲が天井にぶつかった証拠。もうこれ以上のぼれないから、横へ広がっている。あの形は、雲がいちばん激しい状態の看板でもある。
もっとくわしく
この平らに広がった形をかなとこ雲といいます。かなとこは、鍛冶屋が金属をたたく台のことで、上が平たい形をしています。かなとこ雲ができているということは、雲がもう天井にぶつかっているということで、いちばん激しい状態です。この段階の雲の下では、強い雨、雷、ひょう、突風のどれが起きてもおかしくありません。空を見て「上が平らに横へ流れている」と分かったら、それはただの大きな雲ではなく、危険の合図です。名前を知っていると、形が意味を持ちはじめます。
👤 これを調べた人の話
雲に名前をつけて分類する仕組みは、200年ほど前に作られました。名前がついたことで、世界中の人が同じ雲について話せるようになった。分けて名前をつけることは、それ自体が発見です。
知っていると、なにがうれしいか 空の形が、ただの景色から情報に変わります。危ないかどうかを自分で見分けられます。
きょうためせること 夏の午後、遠くの入道雲の上を見てみよう。もくもくと丸いままなら成長中、上が平らに横へ流れていたら最盛期です。写真をとって日づけを書いておくと、形の変化の記録になります。
カブトムシは、なぜ夜に動くの?
どっちだと思う? 夜のほうが 生き残りやすい から / 暗いほうが 目が よく 見えるから
こたえを見る
昼に動くと危ないからです。明るいうちは鳥に見つかりやすく、暑さで体の水分も失われやすい。夜なら、天敵が減り、気温も下がります。カブトムシは夜のあいだに木の樹液を食べ、朝には落ち葉の下や土にもぐって、じっとしています。夜行性というのは、夜が好きなのではなく、夜のほうが生き残りやすいという結果です。
びっくり大事実! カブトムシの角は、相手を刺すためではなく、持ち上げて押しのけるための形をしている。同じ樹液の場所をめぐる争いに、けがをさせない道具が育った。
もっとくわしく
樹液が出るのは、木が虫にかじられたり傷ついたりした場所です。その1か所に、カブトムシもクワガタもチョウもスズメバチも集まります。同じ食べ物をめぐって順番待ちが起きるので、体が大きく力の強い個体が良い場所を取ります。角は、この場所争いに使われます。だから角は戦うためだけでなく、けがをさせずに相手を持ち上げて押しのける形にもなっています。夜の木の前は、静かに見えて、じつは町のいちばんにぎやかな場所です。
👤 これを調べた人の話
樹液の出る木の前に、夜どおしすわって記録を取り続けた研究者がいます。何が何時に来て、何分いたか。ただ数えるだけの作業から、虫たちの順番のルールが見えてきました。
知っていると、なにがうれしいか 虫とりが、つかまえる遊びから観察に変わります。何時に行けばよいかも分かります。
きょうためせること 夕方、樹液が出ている木を見つけたら、場所を覚えておこう。翌朝もう一度行くと、だれが来ていたかの痕跡が残っています。夜に見に行くときは必ず大人といっしょに、懐中電灯は下に向けて。スズメバチがいたら近づかないこと。
潮の満ち引きは、なぜ起きるの?
どっちだと思う? 風が 海の水を 片方へ 寄せている / 月が 海の水を 引っぱって いる
こたえを見る
おもに月が海の水を引っぱっているからです。月に近い側の海水は月に引かれてふくらみ、反対側も地球が引かれて取り残される形でふくらみます。だから海面の高い場所が地球の両側にでき、地球が1日で1回転する間に、その2つのふくらみを通りすぎることになります。だから満潮と干潮は、1日におよそ2回ずつ来ます。
びっくり大事実! 月に引かれてふくらむのは、月の側だけではない。反対側も同時にふくらんでいる。だから満潮は1日に1回ではなく、およそ2回来る。
もっとくわしく
太陽も同じように海を引っぱっていますが、遠いので月ほど強くありません。月と太陽が同じ方向、または正反対に並ぶと引く力が重なり、満ち引きの差が大きくなります。これが大潮で、新月と満月のころに起こります。逆に月と太陽が直角の位置にあると差が小さくなり、小潮になります。つまり、海の水位を見れば月の形が分かる。空を見なくても、海が月のカレンダーになっているのです。海で遊ぶときは、この差が命に関わります。潮が満ちてくると、さっきまで歩けた岩場が海になります。
👤 これを調べた人の話
潮の高さを何十年も同じ場所で測り続けている観測所があります。その長い記録があるから、海面がじわじわ上がっていることに気づけました。毎日同じことを記録する仕事が、地球の変化を見つけます。
知っていると、なにがうれしいか 海の時間割が読めるようになります。磯遊びの安全にも直結します。
きょうためせること 海に行く前に、その日の満潮と干潮の時刻を調べてみよう。気象庁のページで地点ごとに出ています。潮が引く時間に磯を見ると、ふだん見られない生きものがいます。必ず大人といっしょに、満ちてくる時刻の前に上がること。
太陽の光は、地球に届くまでどのくらいかかるの?
どっちだと思う? 光は 速いので ほとんど 同時に とどく / 8分あまり かかる ので 見えているのは 8分前の 太陽
こたえを見る
およそ8分20秒です。光は1秒でおよそ30万キロ進みますが、太陽までは1億5000万キロほど離れているので、それでも8分以上かかります。つまり、いま見えている太陽は8分前の太陽です。もし太陽が急に消えたとしても、私たちがそれに気づくのは8分後ということになります。
びっくり大事実! いま見えている太陽は、8分前の太陽である。もし太陽が消えたとしても、私たちが気づくのは8分後。空を見るということは、いつも過去を見るということ。
もっとくわしく
もっとおどろく話があります。太陽の中心で生まれたエネルギーが、太陽の表面まで出てくるのに、とても長い時間がかかると考えられています。中身がぎっしり詰まっていて、光がまっすぐ進めず、あちこちにぶつかりながら少しずつ外へ向かうからです。だから、いま顔にあたっている光のもとになったエネルギーは、はるか昔に太陽の中心で作られたものかもしれません。宇宙を見るということは、いつも過去を見ることです。近い星なら数年前、遠い銀河なら何億年前。夜空は、いろいろな時代がいっしょに並んだ絵になっています。
👤 これを調べた人の話
光の速さをはじめて測ろうとした人たちは、離れた丘の上でランプを合図に使いました。速すぎて測れませんでした。それでも「測ろう」と決めたことが最初の一歩で、のちに木星の衛星の観測から答えが出ました。
知っていると、なにがうれしいか 夜空が「いろいろな時代が並んだ絵」に見えてきます。宇宙の大きさが、時間として実感できます。
きょうためせること 時計を見ながら、外に出て日なたに立ってみよう。いま感じている光は、8分ちょっと前に太陽を出たものです。8分前に何をしていたかを思い出すと、その距離の長さが少し実感できます。太陽を直接見てはいけません。
プールのあと、目が赤くなるのはなぜ?
どっちだと思う? 塩素が 強すぎて 目を いためている / 目を 守っている 涙の 膜が 流されて いる
こたえを見る
消毒に使う塩素そのものより、水と目の相性が原因の部分が大きいと考えられています。目の表面は、涙のうすい膜で守られています。プールの水に長くふれると、この膜が流されて表面がむき出しになり、しみたり赤くなったりします。塩素は水をきれいに保つために必要なもので、なければ別の危険が増えます。
びっくり大事実! プールのあのにおいは、塩素が多いからではない。汗やよごれと塩素が反応してできた別のもののにおい。においが強い日は、薬が濃いのではなく、よごれが多い日である。
もっとくわしく
だから対策は「塩素をなくす」ではなく「目の膜を守る」です。ゴーグルをつけるのが、いちばん確実です。プールから上がったあと、水道水で目を強くあらうのはすすめられません。水道水も涙とは成分がちがうので、かえって表面を傷めることがあります。目をこするのも、表面に細かい傷をつけるのでよくありません。もう1つ。プールの水がにおうのは、塩素が多すぎるからだと思われがちですが、汗やよごれと塩素が反応してできた別の物質のにおいであることが知られています。においが強いのは、むしろよごれが多い合図です。
👤 これを調べた人の話
プールの水質を毎日はかっている人がいます。数字が基準から外れたら、その日は泳がせません。だれにも気づかれない検査が、何千人分の安全を作っています。
知っていると、なにがうれしいか 「がまんする」以外の手が見つかります。ゴーグルをつける理由がはっきりします。
きょうためせること 泳いだあと、目のかわきや赤みがどのくらいで治まるか、時間をはかってみよう。ゴーグルをつけた日とつけなかった日でくらべると、差がはっきり出ます。目が痛いときは無理をせず、大人に伝えること。
日やけ止めは、どうやって日光をふせいでいるの?
どっちだと思う? 肌の 表面に うすい層を 作って ふせいでいる / 肌の 中に しみこんで 内側から 守っている
こたえを見る
やり方は大きく2つあります。1つは、肌の上で光をはね返したり散らしたりする方法。もう1つは、光を吸いこんで、肌に届く前に別のエネルギーに変えてしまう方法です。多くの製品は、この2つを組み合わせています。どちらも、肌の表面にうすい層を作ることではたらくので、その層がなくなれば効果もなくなります。
びっくり大事実! 日やけ止めの強さの数字は、決められた量をきちんと塗ったときの値。うすく塗れば、同じ製品でも守る力は落ちる。数字は約束ではなく、条件つきの記録である。
もっとくわしく
だから、塗る量と塗り直しが決定的に大事です。同じ製品でも、うすく塗れば守る力は落ちます。汗をかいたりタオルでふいたりすると、層がはがれます。パッケージに書かれている強さの数字は、決められた量をきちんと塗った条件での値です。ここで気をつけたいのは、日やけ止めは「日ざしを浴びてよい時間を延ばす道具」ではないということです。いちばん効くのは、そもそも強い時間帯に長く外にいないこと、帽子や服で光をさえぎることです。日やけ止めは最後の一枚であって、一枚目ではありません。
👤 これを調べた人の話
紫外線の量を毎日測っている観測所があります。オゾン層の変化と紫外線の関係が分かったのも、長く測り続けた記録があったからです。空の見えない部分を数字にする仕事が、肌を守っています。
知っていると、なにがうれしいか 塗る量と塗り直しに意味があると分かります。同じ製品で、結果が変わります。
きょうためせること 腕の一部にだけ日やけ止めを塗って、半日すごしたあと、塗った所と塗らなかった所をくらべてみよう。差が出たら、それが効いている証拠です。目や口に入らないよう気をつけて、赤くなったら日かげへ入ること。
イヤホンは、どうやってまわりの音を消しているの?
どっちだと思う? 音を 通さない ふたを して いる / 逆の形の 音を 出して 打ち消して いる
こたえを見る
音を消すのではなく、消すための音をぶつけています。イヤホンについた小さなマイクが、まわりの音を拾います。そして、その音とちょうど逆の形をした波を作り、同時に鳴らします。山と谷が重なると打ち消し合うので、耳に届く音が小さくなります。静かにしているのではなく、必死に音を出して静かにしているのです。
びっくり大事実! 静かなイヤホンは、じつは必死に音を出している。まわりの音とちょうど逆の形をした音を鳴らして、打ち消している。静けさが、音でできている。
もっとくわしく
この方法は、低く長い音に強く、高く短い音には弱いという性質があります。飛行機や電車のゴーという音はよく消えるのに、人の話し声や食器の音は残りやすいのはこのためです。逆の波を作るには、元の音を測って計算して鳴らすまでの時間が必要で、変化の速い音には間に合わないのです。ここでも大事なことが出てきます。まわりの音が消えるということは、車の音や人の呼びかけも聞こえにくくなるということです。外を歩くときは、消す機能を切るか、まわりの音を通す設定にする。便利な機能ほど、どこで使うかを自分で決める必要があります。
👤 これを調べた人の話
この考え方は、まず飛行機の操縦席の騒音を減らすために研究されました。長時間の大きな音が人の集中を奪うと分かっていたからです。快適さのためではなく、安全のために生まれた技術でした。
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知っていると、なにがうれしいか 音の正体が波だと実感できます。どこで使ってよいかを自分で判断できます。
きょうためせること 消す機能を入れたときと切ったときで、聞こえる音がどう変わるかを聞きくらべてみよう。エアコンの音は消えるのに、人の声は残ることに気づくはずです。屋外では試さないこと。
ニュースで言う気温は、どこではかっているの?
どっちだと思う? 日なたの 地面の 温度を はかっている / 日かげの 地面から 1.5メートルの 空気を はかっている
こたえを見る
地面から1.5メートルの高さの空気を、風通しのよい場所ではかっています。温度計は通風筒という筒の中に入れられ、直射日光が当たらないようにしてあります。しかも筒の中はファンで常に空気を入れかえています。置く場所も決まっていて、芝生を植えた露場という区画に置き、まわりの建物や木からじゅうぶんに離します。
びっくり大事実! 「今日は35度」の35度は、日かげの、風の通る、地面から1.5メートルの空気の温度。あなたが立っている校庭の地面の温度ではない。体感とずれるのは、体のせいではない。
もっとくわしく
つまり気温とは、日かげの、風の通る、地面から1.5メートルの空気の温度です。ここが大事です。同じ日の同じ町でも、アスファルトの上や日なたの地面は、はるかに高い温度になります。「今日は35度」と聞いたときの35度は、公園の日かげの空気であって、あなたが立っている校庭の地面ではありません。だから体感と数字がずれるのは当然です。ずれているのは体ではなく、測っている場所がちがうだけです。世界中で同じ決まりで測るからこそ、去年と今年、東京とロンドンを比べられます。比べられるようにするための約束が、あの数字の正体です。
👤 これを調べた人の話
世界中の気象台が、同じ高さ、同じ形の筒、同じような芝生の上で測っています。国も言葉もちがう人たちが、比べられるようにするために同じ約束を守り続けている。地味ですが、これがなければ気候の変化は分かりませんでした。
知っていると、なにがうれしいか 天気予報の数字の意味が正確に分かります。暑さ対策をどこで考えるべきかも見えます。
きょうためせること 日なたの地面のすぐ上と、日かげの地面から1.5メートルの高さで、温度計を同じ時間だけ置いてくらべてみよう。同じ場所とは思えない差が出ます。温度計は直射日光に当てないように紙などでかげを作ります。
ヒマワリは、本当に太陽を追いかけるの?
どっちだと思う? 咲いた あとも ずっと 太陽を 追いかける / つぼみの ころまでで 咲いたら 東を 向いて 止まる
こたえを見る
追いかけるのは、つぼみのころまでです。若いヒマワリは、朝は東を向き、日中に太陽を追って西へ動き、夜のあいだに東へ戻ります。ところが花が咲いてしまうと、この動きは止まり、多くはずっと東を向いたまま固定されます。だから、満開のヒマワリ畑がみんな同じ方向を向いているのに、動いていないのです。
びっくり大事実! 満開のヒマワリ畑が同じ方向を向いているのは、みんなで太陽を見ているからではない。咲いた瞬間に東を向いて止まったから。理由は、朝日であたたまった花に虫がよく来るからだと考えられている。
もっとくわしく
なぜ動くのをやめて、しかも東を向くのでしょうか。研究では、東を向いた花は朝日で早くあたたまり、あたたかい花には虫がよく来ることが示されています。つまり、太陽を追うのは体を大きくするため、東で止まるのは種を残すため。目的が変わったから、行動が変わったのです。動きのもとは、茎の東側と西側で成長の速さがちがうことにあります。昼は西側がのび、夜は東側がのびる。首を回しているのではなく、片側だけ余分に育つことで向きが変わっています。
👤 これを調べた人の話
畑のヒマワリの向きを、朝から晩まで何日も記録した研究者がいます。ただ向きを書き続けただけの記録が、「なぜ東で止まるのか」という問いを生みました。数えることが、問いを作ります。
知っていると、なにがうれしいか 見なれた花に、まだ分かっていないことがあると気づけます。写真のとり方が変わります。
きょうためせること ヒマワリを見つけたら、朝と夕方の2回、どちらを向いているか写真をとってみよう。花が咲く前の株なら向きが変わり、咲いた株は変わりません。畑には入らず、道から見ること。
海の波は、どこから来るの?
どっちだと思う? 水が 遠くから 押し寄せて きている / 形と エネルギーだけが 伝わり 水は その場で 回っている
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ほとんどは風が作っています。海面の上を風が吹くと、水面がわずかに波立ち、その凹凸を風がさらに押して大きくなります。風が強いほど、長い時間吹くほど、そして風が吹く海の距離が長いほど、波は大きく育ちます。だから遠くの海で吹いた風の結果が、静かな日の浜辺にも届きます。
びっくり大事実! 波が来ても、水は前へ進んでいない。水の粒はその場で円を描いているだけで、旅をしているのは形とエネルギーだけ。海は動いて見えて、ほとんど動いていない。
もっとくわしく
ここでおどろくのは、波が進んでも、水そのものはほとんど前へ進んでいないことです。水の粒はその場でぐるぐる円を描いているだけで、前へ運ばれているのは形とエネルギーです。だから海に浮いた浮き輪は、波が来ても遠くへ運ばれず、その場で上下します。遠くの台風が作った波は、うねりとなって何百キロも旅をし、天気のよい日の海岸に高い波をもたらすことがあります。晴れているのに波が高い日があるのは、このためです。海のようすは、その場の空だけでは決まりません。
👤 これを調べた人の話
波の高さを沖に浮かべた観測機で測り続けている人たちがいます。晴れた日に急に高い波が来る理由が分かったのも、遠くの海と手元の海を同時に見られるようになったからです。
知っていると、なにがうれしいか 晴れているのに波が高い日の意味が分かります。海に入る前に確認する項目が1つ増えます。
きょうためせること 洗面器に水を張って、はしから息をそっと吹きかけてみよう。水面に小さな波ができます。強く長く吹くほど波が大きくなること、そして浮かべた紙きれが前へ進まずその場で上下することを確かめられます。
月まで行くのに、どのくらいかかるの?
どっちだと思う? まっすぐ 進んで 半日ほどで つく / 地球を まわって 速さを 整え 片道 3日ほど かかる
こたえを見る
人を乗せて行った過去の計画では、片道でおよそ3日かかりました。月までの距離は平均でおよそ38万キロです。これは地球を9周以上する長さにあたります。地上の乗り物とは比べものにならない速さで飛んでも、3日かかる。宇宙の中では月はいちばん近いご近所なのに、それでもこれだけの距離があります。
びっくり大事実! 月へ行くときは、月に向かってまっすぐ飛ばない。放り投げた石が落ちる先に、ちょうど月が来るように計算して投げる。むずかしいのは、行くことより止まること。
もっとくわしく
おもしろいのは、まっすぐ突き進むわけではないことです。ロケットは打ち上げのあと地球のまわりを回りながら速さを整え、そこから月へ向かう軌道に乗ります。ぶつけるのではなく、放り投げた石が落ちていく先に月が来るように計算する。到着したあとは、月の重力につかまるように速さを落とします。行きよりむずかしいのは、この「止まり方」のほうです。しかも通信にも時間がかかります。地球と月のあいだは光でおよそ1.3秒。会話をすると、返事が返るまでに2秒以上かかります。すぐそこに見える月でも、話しかけると間が空くのです。
👤 これを調べた人の話
月へ人を送るとき、いちばん心配されたのは行き方ではなく帰り方でした。帰るためのエンジンが1回でも動かなければ戻れません。だから、動かなかったときにどうするかまで先に決めてから出発しました。
知っていると、なにがうれしいか 宇宙の距離が、数字ではなく実感になります。「近い」の意味が変わります。
きょうためせること 地球儀があったら、地球の直径のおよそ30倍の長さを紙テープでとって、月までの距離の模型を作ってみよう。思っていたより、ずっと遠いはずです。教科書の絵では、たいてい近すぎに描かれています。
あせをかいたら、水だけ飲めばいいの?
どっちだと思う? 水を たくさん 飲めば それで よい / 大量に 汗を かいたときは 塩分も 必要
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たくさん汗をかいたときは、水だけでは足りません。汗には水だけでなく塩分もふくまれています。汗で塩分が出ていったのに水だけを大量に飲むと、体の中の塩分の濃さがうすくなり、かえって具合が悪くなることがあります。だから、大量に汗をかく場面では、水分と一緒に塩分もとる必要があります。
びっくり大事実! のどがかわいたと感じたときには、体の水分はもう減りはじめている。かわきは「これから足りなくなる」の予告ではなく、「もう足りていない」の報告である。
もっとくわしく
逆に、日常の生活で軽く汗ばむ程度なら、水やお茶で十分です。塩分をとりすぎるのも体によくないので、いつでもスポーツドリンクという話ではありません。分かれ目は、汗の量です。長時間の運動、炎天下の作業、大量に汗をかいたときは塩分も。ふだんは水やお茶で。もう1つ大事なのは、のどがかわいてから飲むのでは遅いということです。のどのかわきは、すでに体の水分が減りはじめてから出る合図です。だから時間を決めて先に飲む。がまんしないことが、いちばんの対策になります。
👤 これを調べた人の話
暑い場所で働く人たちの現場では、飲む時間を時計で決めています。個人のがまん強さに任せない仕組みにしたことで、倒れる人が減りました。根性ではなく設計で守る、という考え方です。
知っていると、なにがうれしいか 飲むタイミングを自分で決められるようになります。がまんくらべをやめられます。
きょうためせること 運動する日、水を飲んだ時刻をメモしてみよう。のどがかわいてから飲んでいたなら、次からは20分ごとなど時間を決めて先に飲む。体調のちがいを自分で確かめられます。
浮き輪は、なぜ浮くの?
どっちだと思う? 中の 空気が 上へ 上がろうと するから / 押しのけた 水の 重さの ぶんだけ 上へ 持ち上げられるから
こたえを見る
押しのけた水の重さのぶんだけ、上へ持ち上げる力が生まれるからです。物を水に入れると、その物の体積のぶんの水がどけられます。どけられた水の重さと同じ大きさの力が、上向きにはたらきます。浮き輪の中身はほとんど空気なので、とても軽いのに大きな体積を持っています。だから軽さに対して、持ち上げる力がとても大きくなります。
びっくり大事実! 人の体は、水にぎりぎり浮くくらいの重さでできている。だから息を吸えば浮き、吐けば沈む。泳げるかどうかより、肺に空気を残せるかどうかが分かれ目になる。
もっとくわしく
人の体も、実は水にぎりぎり浮くくらいの重さです。肺に空気を入れると体積が増えるので浮きやすくなり、息を吐くと沈みやすくなります。だから、あわてて息を吐きながらもがくと沈みます。水の事故のときに「浮いて待て」と言われるのは、体の力を抜いて、あおむけになり、肺に空気を残して大の字になると浮けるからです。上着やペットボトルも、空気を抱えこむものは浮き具になります。泳ぎが得意かどうかではなく、浮き方を知っているかどうかが命を分けます。
👤 これを調べた人の話
「浮いて待て」を広めた人たちは、泳ぎを教えるより先に、浮くことを教えたほうが助かる人が増えると気づきました。強くなることではなく、あわてないことを教える。発想の転換が命を救っています。
知っていると、なにがうれしいか 水の中で何が起きているか分かると、こわさが減ります。いざというときの手が1つ増えます。
きょうためせること おふろで、息をいっぱい吸ったときと吐いたときで、体の浮き方がどう変わるか感じてみよう。肺が浮き袋の役目をしていることが体で分かります。深いところでは試さず、必ず大人がいるところで。
文字を打つと、次の言葉が出てくるのはなぜ?
どっちだと思う? 書きたい ことを 読みとって いる / 続きやすい 言葉を 数えて 順に 出している
こたえを見る
これまでにたくさんの文章を見て、「この文字のあとには、この言葉が続きやすい」という傾向を数えてあるからです。あなたが打った文字を手がかりに、続きそうな候補を確率の高い順に並べて出しています。さらに、あなた自身がよく選んだ言葉も覚えて、その人向けに並べ替えます。だから使うほど、自分の言い方が先に出てくるようになります。
びっくり大事実! 予測は、書くのを速くすると同時に、書き方をせまくもする。1番目を押すのがいちばん楽だから、本当は別の言い方をしたかったときも、出てきたほうを選んでしまう。
もっとくわしく
ここに、便利さと引きかえの話があります。よく使う言葉が上に出るということは、自分がよく使う言葉ばかりを選び続けやすくなるということです。候補の1番目を押すのが速いので、本当は別の言い方をしたかったのに、出てきたほうを選んでしまう。予測は、書くのを助けると同時に、書き方をせまくもします。もう1つ。予測の学習には、自分が打った言葉が使われます。人に見せない文章も含まれることがあるので、共有の端末では予測の履歴を消すかどうかを考える必要があります。便利な機能ほど、何を渡しているかを知っておくほうがよいのです。
👤 これを調べた人の話
日本語の入力を作った人たちは、同じ音でちがう漢字がある言語で、どうやって速く正しく書かせるかに何十年も取り組んできました。あたりまえに変換できることは、あたりまえではありません。
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知っていると、なにがうれしいか 自分の言葉を、機械にえらばせるか自分でえらぶかを選べます。書くことに自覚が生まれます。
きょうためせること 同じ2文字を打って、出てくる候補の順番を書き出してみよう。数日後にもう一度やると、順番が変わっていることがあります。自分が選んだ結果が反映されている証拠です。
1日でいちばん暑いのは、なぜ正午ではないの?
どっちだと思う? 午後 1時から2時ごろ / 太陽が いちばん 高い 正午ごろ
こたえを見る
太陽がいちばん高いのは正午ごろですが、そのあとも地面は熱をもらい続けるからです。地面は、受け取る熱が出ていく熱より多いあいだ、温度が上がり続けます。そして地面が空気をあたためるので、気温はさらに遅れて上がります。この積み重ねで、いちばん暑いのは午後1時から2時ごろになります。
びっくり大事実! 1日でいちばん涼しいのは、真夜中ではなく日の出の直前。夜じゅう地面は熱を出し続けていて、太陽が顔を出す瞬間まで冷え続けている。
もっとくわしく
同じ理屈が、季節にもそのまま出てきます。太陽がいちばん高いのは6月の夏至ですが、いちばん暑いのは7月から8月です。海や地面があたたまるのに時間がかかるからです。1日でも1年でも、太陽のピークと暑さのピークはずれる。この「遅れ」は、身のまわりのいろいろな場所で見つかります。1日でいちばん涼しいのは、真夜中ではなく日の出の直前です。夜のあいだじゅう地面は熱を出し続けていて、太陽が出るまで冷え続けるからです。だから朝の散歩は、早ければ早いほど涼しいわけではありません。
👤 これを調べた人の話
気温を1日に何度も記録することは、100年以上前から続けられてきました。その積み重ねがあるから「いつがいちばん暑いか」を推測ではなく統計で言えます。毎日同じことをする人が、知識を作ります。
知っていると、なにがうれしいか 外に出る時間を選べるようになります。1日でも1年でも、同じ理屈が使えると気づけます。
きょうためせること 1日のうち、朝6時、正午、午後2時、午後4時の4回、同じ場所で気温をはかってメモしてみよう。数日続けると、いちばん高い時刻がだいたい決まっていることが分かります。
蚊は、なぜ人を見つけられるの?
どっちだと思う? においや 二酸化炭素など いくつも 重ねて 見つける / 目だけで 人を さがしている
こたえを見る
1つの手がかりではなく、いくつも重ねて見つけています。まず遠くからは、人が吐く二酸化炭素に気づきます。近づくと、体温と、皮ふから出るにおいの成分をたどります。最後は目で、暗い色の動くものを見分けます。血を吸うのはめすだけで、卵を作るために必要だからです。ふだんは花の蜜などを食べています。
びっくり大事実! 蚊は飛ぶ力がとても弱い。だから扇風機の風があるだけで近づけない。たたくより、風を送るほうが先に効く。
もっとくわしく
「刺されやすい人がいる」というのは、感覚ではなく実際に差があります。汗の量やにおいの成分、体温、そして吐く息の量。よく動いて息が上がっている人は、二酸化炭素をたくさん出すので見つかりやすくなります。運動したあとに刺されやすいのはこのためです。だから対策も、たたくことより先にできることがあります。汗をふく、風を送る(蚊は風に弱い)、明るい色の服を着る、足のうらをふく。蚊はとても小さな力で飛んでいるので、扇風機の風だけでも近づけません。世界で見ると、蚊は病気を運ぶことで最も多くの人の命に関わる生きものだと言われています。
👤 これを調べた人の話
蚊が運ぶ病気を減らすため、蚊のにおいの好みを何年も調べている研究者がいます。小さな虫の好みを知ることが、世界でいちばん多くの命を守る仕事になっている。研究の大きさは、対象の大きさでは決まりません。
知っていると、なにがうれしいか 刺されにくくする方法が、根性以外に見つかります。夕方の遊び方が変わります。
きょうためせること 夕方、扇風機の風の中と風のない場所で、刺される回数がちがうか試してみよう。風のある場所では近づいてこないことに気づくはずです。刺されたらかかずに冷やすこと。
打ち水は、本当にすずしくなるの?
どっちだと思う? 冷たい水が 地面を 冷やして いる / 水が 蒸発するとき 熱を うばって いく
こたえを見る
なります。ただし、冷たい水で冷やしているのではありません。まいた水が蒸発するときに、地面や空気から熱をうばっていくからです。あせが蒸発して体を冷やすのと、まったく同じ仕組みです。だから、水の温度そのものより、蒸発しやすいかどうかが効きめを決めます。
びっくり大事実! 打ち水が効くのは、水が冷たいからではない。水が消えていくときに、熱を持っていくから。だから真昼の日なたにまくと、すぐ消えてしまい、涼しさも一緒に終わる。
もっとくわしく
効かせるコツがあります。日なたの真昼にまくと、すぐに蒸発しきってしまい、涼しさが続きません。朝や夕方の、日ざしが弱い時間に、日かげにまくほうが長もちします。もう1つ、湿度が高い日は蒸発しにくいので効きめが落ちます。むし暑い日にまくと、水たまりが残るだけで、かえって蒸し暑くなることもあります。つまり打ち水は、いつでも効く魔法ではなく、条件のそろった日と時間に効く方法です。江戸時代から続くこの習慣が、理屈のうえでも正しいと分かったのは、蒸発と熱の関係が分かってからのことです。
👤 これを調べた人の話
昔から続く暮らしの工夫の中には、理屈が後から分かったものがたくさんあります。打ち水も、その一つです。経験でうまくいっていたことに、あとから説明がつく。それも科学の役目です。
知っていると、なにがうれしいか やるなら効く時間にできます。同じ手間で結果が変わります。
きょうためせること 朝の日かげと、昼の日なたに同じ量の水をまいて、どちらが長くぬれたままかを見てみよう。乾くまでの時間をはかると、効きめの差が数字になります。水は使いすぎないこと。
星の光は、いつの光なの?
どっちだと思う? いま 光っている 姿が そのまま 見えている / その星までの きょりの ぶんだけ 昔の 光
こたえを見る
その星までの距離のぶんだけ、昔の光です。光は1年で進む距離を1光年といい、星までの距離はふつうこの単位ではかります。10光年先の星なら、いま見えているのは10年前の光です。1000光年先なら1000年前。夜空に並んでいる星は、それぞれちがう時代の姿を、同時に見せています。
びっくり大事実! 夜空に並んでいる星は、それぞれちがう時代の姿を同時に見せている。となりあって光っている2つの星が、片方は10年前、片方は1000年前ということが、ふつうに起きている。
もっとくわしく
ここから、少し不思議なことが起こります。とても遠い星の中には、いま見えているのに、実際にはもう存在していないものがあるかもしれません。爆発して消えたとしても、その知らせが届くまでには何百年、何千年とかかるからです。逆に言えば、私たちが見ている夜空は「いまの宇宙」ではなく「届いたぶんの宇宙」です。それでも、これは悲しい話ではありません。光が届くということは、そこに確かに星があったという証拠が、いまここに届いているということだからです。宇宙を見るとは、記録を受け取ることでもあります。
👤 これを調べた人の話
星までの距離を測る方法を作った人たちは、地球が半年で移動したぶんの、ほんのわずかな見え方のずれをとらえました。目に見えないほど小さなずれを測ることから、宇宙の奥ゆきが分かりました。
知っていると、なにがうれしいか 夜空が、時間の地図に見えてきます。「いま」の意味が少し変わります。
きょうためせること よく見える明るい星の名前を1つ調べて、その星までの距離が何光年かを見てみよう。その年数を引き算すると、光が出発した年が分かります。自分が生まれる前か後かを確かめてみてください。
暑いと、なぜ食欲がなくなるの?
どっちだと思う? 体が 熱を 作る 作業を ひかえようと するから / 暑いと 胃が ちぢんで 入らなく なるから
こたえを見る
体が、熱を作る作業をひかえようとするからです。食べたものを消化するときには熱が出ます。体温を下げたい状況では、この作業をひかえるほうが都合がよいので、食欲が下がります。あわせて、暑さで冷たい飲みものをたくさんとると胃が冷え、働きが鈍ることもあります。だらしないのではなく、体がそういう反応をしているのです。
びっくり大事実! 食べると体は熱を出す。だから暑い日に食欲が落ちるのは、体が「いま熱を作りたくない」と言っているから。なまけているのではなく、冷やそうとしている。
もっとくわしく
ここで気をつけたいのは、食べないことで別の問題が起きることです。汗で失った水分や塩分、体を動かすための栄養は、食べものからも入ってきます。食べないと、暑さに耐える力そのものが落ちます。だから「食べたくないなら食べない」ではなく、食べやすい形にするのが正解です。冷たいものばかりにせず、少量を何回かに分ける、水分の多いものを選ぶ、といった工夫が効きます。もう1つ。夏に食欲が落ちるのは大人も同じですが、子どもは体が小さいぶん、食べない影響が早く出ます。「食べたくない」が続くときは、大人に伝えることが大事です。
👤 これを調べた人の話
暑い国の食事には、香りの強い薬味や酸味が使われることが多くあります。食べにくいときに食べやすくする工夫が、長い時間をかけて料理の形になった。台所は、いちばん古い実験室です。
知っていると、なにがうれしいか 自分を責めずにすみます。どう食べるかに考えを向けられます。
きょうためせること 1日に食べた回数と量を、3日だけ書き出してみよう。減っているなら、どの時間に食べやすいかが見えてきます。朝がだめでも夕方は食べられる、ということがよくあります。
花火の色は、どうやってつけているの?
どっちだと思う? 色の ついた 紙や 粉が 燃えて いる / 金属の 種類ごとに 決まった 色の 光が 出る
こたえを見る
金属を燃やしています。金属の種類ごとに、熱せられたときに出す光の色が決まっています。ナトリウムなら黄色、銅なら青緑、ストロンチウムなら赤、バリウムなら緑。この性質を炎色反応といいます。花火の玉の中には、色を出す金属の粉が、火薬といっしょに小さな粒にして詰められています。
びっくり大事実! 花火の色を決めているのと、遠くの星が何でできているかを調べる方法は、同じ原理。夜空に開くあの色は、宇宙を調べるときの言葉と同じことをしゃべっている。
もっとくわしく
なぜ金属ごとに色が決まるのでしょうか。熱をもらった原子の中では、電子がいったん外側へ持ち上げられ、元にもどるときに余ったエネルギーを光として放ちます。持ち上げられる高さは金属ごとに決まっているので、出てくる光の色も決まります。つまり色は、その金属の指紋のようなものです。この性質は、遠くの星が何でできているかを調べるのにも使われています。星の光を分けて、どの色が出ているかを見れば、そこにある元素が分かる。花火の色と、星の成分を調べる方法は、同じ原理です。夜空に打ち上がるあの色は、宇宙を調べる道具と同じ言葉を話しています。
👤 これを調べた人の話
日本の花火職人は、色だけでなく「変わる順番」を設計します。開いた瞬間から消えるまでに色が移っていくのは、粒の層を重ねているからです。数秒のために、何か月もかけて作られています。
知っていると、なにがうれしいか 花火が、きれいなだけのものから読めるものに変わります。星の話ともつながります。
きょうためせること 花火大会では、色ごとに開いてから消えるまでの時間を数えてみよう。色によって光り方や消え方がちがいます。理由の一つは、使っている金属と燃え方のちがいです。手持ち花火は必ず大人と、水を用意してから。
自由研究をネットで調べるとき、気をつけることは?
どっちだと思う? 上に 出てくる ものが 正しい / だれが 書いたかを 見る ほうが 大事
こたえを見る
だれが書いたかを見ることです。検索の上のほうに出てくるものが、正しいとはかぎりません。上に出るのは「多くの人に読まれている」「読みやすく作られている」などの理由であって、内容が正確だからとはかぎらないからです。だから、書いた人や団体の名前が分かるか、いつ書かれたものかを最初に確かめます。
びっくり大事実! うまく書けないところは、文章が下手なのではなく、まだ分かっていないところ。書けない場所が、次に調べる場所を教えてくれる。
もっとくわしく
いちばん強いのは、大もとの資料にあたることです。気象なら気象庁、宇宙ならJAXAや国立天文台、健康なら厚生労働省。だれかがまとめた記事より、そこが出している数字のほうが確かです。そして、同じことを2つ以上の別のところで確かめる。1つの場所にしか書いていないことは、まだ確かめ切れていないと考えます。もう1つ大事なことがあります。まとめるときは、写すのではなく、自分の言葉に直すこと。読んで理解できたものだけが、自分の言葉になります。うまく書けないところがあったら、それは文章力の問題ではなく、まだ分かっていないところです。書けないことが、次に調べる場所を教えてくれます。
👤 これを調べた人の話
研究者が論文を書くとき、いちばん時間をかけるのは出典の確認です。どこから持ってきた数字かを全部書き出す。面倒に見えるこの作業が、あとから他人が確かめられる形を作っています。
この話のつづきを読む →
知っていると、なにがうれしいか 調べものが速く、確かになります。自由研究が「写す作業」から「調べる作業」に変わります。
きょうためせること 調べたい言葉を1つ決めて、検索して上から3つのページの「だれが書いたか」を見てみよう。名前が分からないページがいくつあるか数えます。それだけで、選び方が変わります。
かみなりが鳴ったら、どこににげればいいの?
どっちだと思う? 木の下に 入れば 雨も 雷も しのげる / 建物か 車の中へ 入る 木の下は あぶない
こたえを見る
建物の中か、車やバスの中です。木の下は、いちばん危ない場所の一つです。高いものに落ちやすいのは本当ですが、木に落ちた電気が、そばにいる人へ飛び移ることがあるからです。広い場所でにげ場がないときは、姿勢を低くして、足をそろえてしゃがみ、地面に手やひざをつけないようにします。
びっくり大事実! 「金属を外せば安全」は正しくない。雷が落ちる場所を決めるのは、金属ではなく高さ。外すために立ち上がって手間どるほうが、ずっと危ない。
もっとくわしく
よく言われる「金属を身につけていると危ない」は、正確ではありません。落ちる場所を決めるのは、金属を持っているかどうかではなく、まわりで自分が高いかどうかです。金属を外すために立ち上がって時間をかけるほうが危険です。もう1つ、音と光の時間差から距離が分かります。光ってから音が届くまでの秒数を3で割ると、だいたいの距離がキロで出ます。3秒なら1キロ。ただし、これは「まだ遠いから大丈夫」に使うものではありません。次の1発が近くに落ちることは、じゅうぶんあり得ます。音が聞こえた時点で、すでに落ちる範囲にいると考えて動くのが安全です。
👤 これを調べた人の話
落雷の被害を減らすため、事故の一つ一つを調べ直した人たちがいます。「木の下で雨やどり」が最も多い状況だと分かったのは、その積み重ねからです。過去を丁寧に調べることが、次の人を守ります。
知っていると、なにがうれしいか いざというときに迷いません。友だちにも言えます。
きょうためせること 雷の音が聞こえたら、光ってから音までの秒数を数えてみよう。数を3で割った数がおよその距離です。数える練習は、建物の中に入ってから窓ごしにやります。
クラゲは、なぜ夏に増えるの?
どっちだと思う? 夏に なると 卵から 一気に 生まれる / 冬から 春は 別の 姿で すごし 水温が 上がると 泳ぎ出す
こたえを見る
多くのクラゲは、冬から春にかけて岩などにくっついた小さな姿ですごし、水温が上がると次々に切り離されて泳ぎ出します。それが海水浴の季節と重なるので、急に増えたように見えます。もう1つ、風や潮の流れで岸へ寄せられることも大きい。クラゲはほとんど自分で泳げないので、水の流れに運ばれてかたまって現れます。
びっくり大事実! クラゲには脳も心臓も骨もない。体の9割以上が水。それでも全身に神経が網の目のように広がっていて、ふれたものに反応する。中心がなくても、体は動く。
もっとくわしく
クラゲには、脳も心臓も骨もありません。体の9割以上が水です。それでも神経は網の目のように全身に広がっていて、触れたものに反応します。刺されるのは、触手にある小さな仕掛けが、ふれた瞬間に飛び出すからです。この仕掛けは、クラゲが死んだあとや、ちぎれた触手だけになっても働くことがあります。だから浜に打ち上がったクラゲを素手でさわるのは危険です。刺されたら、こすらずに海水で洗い流し、真水でこすらない。種類によって対処がちがうので、大人と、その海のルールにしたがってください。
👤 これを調べた人の話
クラゲの光る性質を調べた研究から、細胞の中を光らせて観察する技術が生まれました。役に立つかどうか分からないまま海の生きものを調べていた人の仕事が、いま世界中の医学の現場で使われています。
知っていると、なにがうれしいか 海に入る前に確かめることが分かります。見た目でなく仕組みで危なさを判断できます。
きょうためせること 海に行く前に、その海水浴場がクラゲの注意を出していないか調べてみよう。多くの場所が掲示や公式のページで知らせています。打ち上がったクラゲは、きれいでもさわらないこと。
🃏 かがくカード図鑑
問いの下にある2択に答えると、その日のカードが1枚手に入ります。当たっても外れても手に入ります。カードの絵は、その日の問いの図です。集めると、下の棚が埋まっていきます。
カード図鑑は、この端末に記録がたまると表示されます。
カードが3枚たまると、集めたカードで遊べます。問いと「びっくり大事実」を合わせる神経衰弱です。めくった2枚が同じ日のものならそろいます。遊ぶたびに出る組み合わせが変わるので、何度でも遊べます。
記録はお使いの端末の中だけに保存されます。会員登録もメールアドレスもいりません。こちらから見ることはできません。連続でなくてかまいません。1日休んでも、次の日に1枚増やせば、それで進んでいます。
1年生から6年生まで、同じ問いを読みます
低学年向けに内容をうすくすることは、していません。「へえ」で終わる話は、高学年には物足りないからです。そのかわり、読み方を2段にしてあります。
- こたえは、1年生でも読める言葉で書いています。ここだけ読めば、その日の答えは分かります。
- もっとくわしくは、高学年が読んでも手ごたえのある深さにしてあります。中学受験の理科につながる話も入っています。
漢字が読みにくいときは、画面の左下にある「ふりがな」ボタンを押してください。ページ全体の漢字にふりがなが付きます。一度押せば、次に開いたときも付いたままです。
だから、1年生の弟と6年生の姉が、同じ問いで言い合いになるということが起きます。それがこのコーナーのねらいです。
このコーナーの決めごと
- 1日1問だけ。まとめて読む必要はありません。1問2分で終わる長さにしてあります。あしたの問いは、きょうの分の下に予告として出ています。
- やらなくてもいい。「きょうためせること」は宿題ではありません。読むだけでも十分です。
- 危ないことは書きません。火、刃物、薬品を使うものは載せません。見るだけ、さわるだけでできることに限っています。
- 連続が切れても、レベルは下がりません。1日休んでも、次の日にまた1つ読めば、それで進んでいます。
読んだ記録は、この端末にたまります
「読んだ」を押すと、スタンプが1つたまります。会員登録もメールアドレスも要りません。記録はお使いの端末の中に保存され、こちらから見ることはできません。
7日で「かがくみならい」、30日で「かがくはかせ見習い」、100日で「かがくはかせ」になります。連続でなくてかまいません。数えているのは合計の日数だけです。
かがくが好きになった子に、次に渡すもの
問いを読んで「もっと知りたい」となったとき、いちばん確実な次にやることは本です。ただし、図鑑が好きな子がそのまま科学の読み物に移ることは、あまり多くありません。図鑑は調べるための本で、順番に読むようにはできていないからです。あいだをつなぐ本があります。ほんだなコンパスのかがくがすきになる本に、どういう子に合うかまで書いて7冊並べました。理科がきらいな子には、計算も暗記も出てこない本を渡すのが確実です。
こんなコンテンツもあります──しんぶん・ことば・ドリル
このコーナーは、単独では続きません。ほかのものとセットにすると続きます。
- 週刊小学生しんぶんの最新号を開くと、ページの下にその日のかがくの問いが出ます。しんぶんを読んだあとの2分に使えます。
- 無料プリントをやったあと、印刷ページの下からこのコーナーに来られます。手を動かしたあとに、読むものが1つあると気持ちが切りかわります。
- ことば大辞典とスタンプの器が同じです。かがくを読んでも、しんぶんを読んでも、同じスタンプがたまります。どれか1つやれば、その日は1個です。
問いの中には、お月見や台風、IT・AIのページにつながるものがあります。もっと知りたくなったら、そのままつづきを読めます。秋ならハロウィンのかがくもあります。10月5日からはノーベル賞の発表です。受賞した研究が、毎日のくらしのどこにあるかを説明しています。おばけやしきが暗い理由と、こわいときに体が先に動く話です。
各問の科学的な内容は、気象庁、国立天文台、国土地理院、文部科学省などの公的機関が公表している資料と、小学校学習指導要領にもとづいて確認したうえで、小学生向けに書き直しています。裏取りができなかった問いは掲載していません。制作 スクールコンパス編集部
理科のなぜ、よく調べられていること
空はなぜ青いの?
夏の空は、なぜあんなに青いの?で、太陽の光と空気の関係から答えています。
月の満ち欠けは、なぜ起きるの?
月の形は、なぜ毎日変わるの?に。昼間に月が見える理由は月が昼間の空にも見えるのはなぜ?で。
星座は、だれが決めたの?
星座は、だれが決めたの?に。冬の星については冬の星が、とくによく見えるのはなぜ?。
虹や雷は、どうしてできるの?
家でできる理科の実験は?
各回に「家でためせること」をつけています。もっと時間をかけるなら自由研究のテーマ51選から選べます。
子どもの「なんで?」にどう答えるか迷ったら、ここで一緒に調べてみてください。