学年別の読書感想文の書き方【小学1年生〜6年生】
字数・原稿用紙の枚数・書き出し例文
読書感想文でつまずく場所は、学年によってちがいます。1年生は「何を書けばいいのかわからない」、3年生は「あらすじだけで終わってしまう」、6年生は「まとまってはいるが、ほかの人と同じになる」。同じ宿題でも止まるところが別なので、直し方も別です。
このページでは、小学1年生から6年生までを3つの学年帯に分け、字数の目安・原稿用紙の枚数・書き出しの例文・親の関わり方を学年ごとにまとめました。書き方の全体の手順は読書感想文の書き方 完全ガイドにあります。
学年別の字数と原稿用紙の枚数の目安
まず、学校から枚数や字数の指定が出ている場合はそれが最優先です。指定がないときの目安として、全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催する「青少年読書感想文全国コンクール」の応募規定が広く使われています。
| 学年 | 部門 | 本文の字数 | 400字詰め原稿用紙 |
|---|---|---|---|
| 小学1年生・2年生 | 小学校低学年の部 | 800字以内 | 2枚 |
| 小学3年生・4年生 | 小学校中学年の部 | 1,200字以内 | 3枚 |
| 小学5年生・6年生 | 小学校高学年の部 | 1,200字以内 | 3枚 |
字数は第72回青少年読書感想文全国コンクールの応募規定(主催:公益社団法人全国学校図書館協議会・毎日新聞社)による。2026年7月30日確認。原稿用紙の枚数は400字詰めで換算した目安。
数え方でまちがえやすいところ
- 句読点(。と、)はそれぞれ1字として数えます。
- 改行のための空白のマスも字数に数えます。
- 題名・学校名・氏名は字数に数えません。
「1,200字以内」は上限であって、目標ではありません。中学年で2枚半しか書けなかったとしても、内容が自分の言葉になっていれば問題ありません。逆に、3枚を埋めるためにあらすじを増やすのがいちばんもったいない使い方です。
小学1年生・2年生(低学年)の読書感想文の書き方
つまずく場所:本全体をまとめようとして、最初の一文が出てこない。
低学年は「本を紹介する」必要はありません。いちばん心が動いた場面を1つだけ選ぶ。ここが決まれば、あとは話した順に書くだけで2枚になります。
1年生・2年生の組み立て(4つ)
- この本をえらんだわけ(表紙・題名・すすめられた など)
- いちばん心にのこった場面(1つだけ)
- そのとき思ったこと・自分もにたことがあった話
- 読んだあとで、やってみたくなったこと
1年生・2年生の書き出し例文
・「わたしは、この本の◯◯が□□するところがいちばんすきです。」
・「わたしにも、おなじことがありました。」
・「はじめは□□だとおもっていたけれど、よんでからかんがえがかわりました。」
書き出しは「わたしは」「ぼくは」から始めて構いません。低学年で「この物語は」と始めると、そのあとが必ずあらすじになります。
親の関わり方 このくらいの学年では、書く前の「話す」がそのまま下書きになります。「どの場面がいちばんすきだった?」「そのときどう思った?」と順に聞いて、出てきた言葉をメモに書き取ってあげてください。文章を直すのは最後です。
小学3年生・4年生(中学年)の読書感想文の書き方
つまずく場所:あらすじで3枚が終わってしまう。
中学年でいちばん多いのがこれです。読んだ内容を順に説明していくと、たしかに字数は埋まります。ただし読み手が知りたいのは本の中身ではなく、その本を読んだお子さまが何を思ったかです。目安としてあらすじは全体の2割以下。3枚なら、あらすじに使ってよいのは半枚くらいです。
3年生・4年生の組み立て(5つ)
- えらんだ理由(1〜2文)
- どんな話か(ここは短く。3〜4文まで)
- 心が動いた場面と、その理由
- 自分の経験と重ねて考えたこと
- 読む前と読んだ後で変わったこと
3年生・4年生の書き出し例文
・「わたしがこの本を読もうと思ったのは、題名の□□が気になったからです。」
・「◯◯が□□と言った場面で、わたしは思わず本を閉じてしまいました。」
・「わたしにも、◯◯と同じように□□で迷ったことがあります。」
親の関わり方 中学年は「なぜそう思ったの?」を1回だけ返してください。2回以上聞くと詰問になります。1回返すだけで、1文が3文になります。
小学5年生・6年生(高学年)の読書感想文の書き方
つまずく場所:まとまってはいるが、ほかの人と同じになる。
高学年になると、形はきれいに整います。そのぶん差がつくのは「読む前と読んだ後で、自分の考えがどう変わったか」の一点です。ここに字数を使えているかどうかで、同じ本を選んだ人との違いが出ます。
5年生・6年生の組み立て(5つ)
- 読む前に自分が持っていた考え(ここを最初に書くと、最後が書きやすくなります)
- 本の中で、その考えがゆらいだ場面
- なぜゆらいだのか(登場人物の立場に立って考える)
- 自分の生活・社会のできごとと結びつけて考えたこと
- いまの自分の考え(1と比べる)
5年生・6年生の書き出し例文
・「読み終えたいま、わたしは最初に思っていたのと反対の考えを持っています。」
・「◯◯の選択を、わたしははじめ理解できませんでした。」
・「この本を読むまで、わたしは□□は当たり前のことだと思っていました。」
1と5で同じことを書いてしまう場合は、まだ「変化」が見つかっていません。もう一度、いちばん引っかかった場面に戻って、その人物の立場から考え直すと出てきます。
親の関わり方 高学年では、直すのではなく反対の意見を1つ出す役に回るのが効きます。「お母さんは◯◯の気持ちもわかるけどな」と言うだけで、書き手は自分の理由を言葉にしようとします。
学年別の本の選び方
読書感想文は、書き方より本選びで半分決まります。学年ごとに合わせるポイントがちがいます。
| 学年 | 選ぶときの基準 | 避けたほうがよいもの |
|---|---|---|
| 1年生・2年生 | 1日で読み終わる長さ。登場人物が少ない。自分と同じくらいの年の子が出てくる | 登場人物が多い長編。図鑑(感想が書きにくい) |
| 3年生・4年生 | 主人公が何かを決める場面がある。自分の経験と重ねられる題材 | すでに映像で見て内容を知っている本(心が動く場面を思い出せない) |
| 5年生・6年生 | 答えが1つに決まらない題材。読み終えたあとに考えが残るもの | 好きなシリーズの続き(読み慣れていて考えがゆれない) |
学校から課題図書が指定されている場合はそちらを優先してください。自由読書の場合、すでに1回読んだことがある本を選び直すのも有効です。2回目は場面の細かいところに目が行くので、感想が具体的になります。
学年に関係なく効く仕上げの手順
- 声に出して読む。つっかえるところが、読み手にも読みにくいところです。
- 「おもしろかったです」を探して消す。何がどうおもしろかったのかに書きかえます。
- あらすじの割合を数える。3枚のうち1枚を超えていたら削ります。
- 題名・氏名・段落の下げ方・かぎかっこの位置を見直します。ここは減点されやすく、直すのに5分もかかりません。
よくある質問
Q. 学校の指定と、コンクールの規定がちがうときはどちらに合わせますか?
学校の宿題として出す場合は学校の指定が優先です。コンクールに出す場合のみ、応募規定に合わせます。コンクールへの応募は在籍校を通じて行うしくみなので、まず学校の案内を確認してください。
Q. 3年生ですが、2枚しか書けません。
字数は上限であって目標ではありません。足りないと感じるときは、あらすじを足すのではなく「そのとき自分はどう思ったか」を1か所ふやしてください。1つの場面を掘るほうが、場面を増やすより字数も内容も伸びます。
Q. 本を最後まで読めていません。
結末を知らないと「読む前と後で変わったこと」が書けないため、高学年ではとくに苦しくなります。短い本に変えるか、残りを読み聞かせてもらってでも最後までたどり着くほうが早く終わります。
Q. 何日くらいかかりますか?
読む日・話す日・書く日を分けて3日みておくと無理がありません。1日で終わらせる場合は、読み終えた直後にメモを取る時間を必ずはさんでください。時間が空くほど、心が動いた場面を思い出せなくなります。