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金利とは? 上がると、世の中はどう変わるのか
金利とは、お金を借りたときに払う使用料を、割合で表したものです。
借りる人にとっては払う分、預ける人にとってはもらえる分になります。同じ1つの数字が、立場によって反対の意味を持ちます。
- 金利とは何か、利子とのちがい
- 金利が上がったとき・下がったときに世の中で起きること
- 金利が上がると得をする人・こまる人
- 日本銀行が金利を動かす理由
別のページが答えること
- 物価そのもののはかり方 → 物価のページ
- 物価が上がりつづける状態 → インフレのページ
- 円の値打ちと輸入品の値段 → 円安と円高のページ
📰 いま話題 ── 日銀は金利を据え置き、イギリスは利上げ(2026年10〜11月)
日本銀行は2026年10月30日、政策金利を1.25%程度に据え置きました。物価の土台が目標の2%程度に到達したと判断し、「2%程度で安定させる」段階に入ったとしています。イギリスの中央銀行は11月5日、中東情勢による物価の上がりをおさえるため3年3か月ぶりに利上げしました。
💰 金利は「お金の使用料」
自転車を1日借りたら、いくらか払います。お金も同じです。 借りたら、返すときに少し多めに返します。 その多めの分を利子といい、元のお金に対する割合を金利といいます。
ここで大事なのは、金利は借りる人には払う分、預ける人にはもらえる分だということです。 1つの数字が、立場によって反対の意味になります。
📰 時事問題 2026 の月別まとめ(一問一答・記述・テスト)に戻る →
🎚 金利が動くと世の中が変わる
家を買うとき、多くの人はお金を借ります。 金利が高ければ、返す総額が大きくなるので、買うのをやめる人が出ます。 会社が工場を増やすときも同じです。 金利は、世の中で使われるお金の量を変えるスイッチになっています。
⚖️ だれが得をするのか
🏦 だれが動かしているのか
金利のかじを取るのは日本銀行です。日本銀行は、ふつうの銀行にお金を貸す銀行で、 銀行の銀行と呼ばれます。ここの金利が動くと、 私たちが使う銀行の金利も、後からついて動きます。
物価との関係については インフレのページで、 物価そのもののはかり方については 物価のページで説明しています。
✅ りかいチェッククイズ
Q1. 金利とは何ですか。
Q2. 金利が上がると、家を買う人はどうなりますか。
Q3. 金利が上がると、世の中で使われるお金はどうなりますか。
Q4. 金利が上がったとき、得をするのはどんな人ですか。
Q5. 金利のかじを取っているのはどこですか。
✍️ 記述ミニ道場
Q. 物価が上がりすぎているとき、日本銀行は金利を上げることがあります。 金利を上げると、なぜ物価の上がり方が落ち着くのですか。40字程度で書きなさい。
手順1 金利が上がると何が起きるかを書く お金を借りるときの負担が増える。
手順2 人や会社の行動を書く 家や工場を買うのをひかえる。
手順3 結果を書く 使われるお金が減り、値上がりの勢いが弱まる。
解答例 借りる負担が増えて買いひかえが起き、世の中で使われるお金が減るため、 値上がりの勢いが弱まるから。(49字)
採点のポイント 「借りにくくなる」から 「使われるお金が減る」までの道すじが書けているかどうかです。 「金利を上げれば物価が下がるから」では、途中がぬけていて理由になりません。
👨👩👧 おうちで話すヒント
金利は、貸し借りの経験がないと実感しにくい言葉です。 子どもに教えるときは、逆から入るのが早いです。 「銀行にお金を預けておくと、少しだけ増えるって知ってた?」から始めてください。
増える理由は、銀行がそのお金をだれかに貸して、使用料をもらっているからです。 ここまで話すと、預金と貸し出しが1本につながります。 そのうえで「じゃあ使用料が高くなったら、借りる人はどうする?」と聞けば、 金利を上げるとお金が動かなくなる理由に自分でたどり着きます。
中学入試では、日本銀行の役割とセットで問われます。 「銀行の銀行」「発券銀行」「政府の銀行」という3つの呼び名も定番です。 金利そのものを数字で覚える必要はありません。上げるとブレーキ、下げるとアクセル。これで足ります。
🃏 一問一答カード(印刷できます)
Q. 金利とは
A. お金を借りたときに払う使用料を、元のお金に対する割合で表したもの。
Q. 利子とは
A. 実際に払う(またはもらう)お金そのもの。
Q. 金利は借りる人にとって
A. 払う分。負担になる。
Q. 金利は預ける人にとって
A. もらえる分。得になる。
Q. 金利が上がるとお金の動きは
A. 減る。借りるのが高くつくため。
Q. 金利が下がるとお金の動きは
A. 増える。借りやすくなるため。
Q. 金利は経済の何にたとえられるか
A. アクセルとブレーキ。上げればブレーキ、下げればアクセル。
Q. 金利が上がって得をする人
A. お金を預けている人。
Q. 金利が上がってこまる人
A. お金を借りている人。
Q. 金利を動かしているのはどこか
A. 日本銀行(中央銀行)。
Q. 日本銀行が「銀行の銀行」と呼ばれる理由
A. ふつうの銀行にお金を貸したり預かったりするから。
Q. 物価が上がりすぎたとき日本銀行は
A. 金利を上げる。
Q. 景気が弱いとき日本銀行は
A. 金利を下げる。
🏦 政策金利と長期金利のちがい/金利が上がるとどうなる?
ニュースでよく出る2つの金利があります。政策金利は、日本銀行が決める短い期間の金利の目標です。2026年9月18日に1.25%程度へ引き上げられました(1995年以来)。長期金利は、国が10年間お金を借りるときの国債の利回りで、日本銀行が直接決めるのではなく、国債を売り買いする人たちの予想で動きます。2026年9月1日に約30年ぶりに3%をこえました。
金利が上がるとどうなる? ①お金を借りる人は返す利息がふえる(住宅ローンの変動金利は主に政策金利、固定金利は主に長期金利に連動)②お金を預ける人は利息が少しふえる ③買い物や家を買う動きがおさえられ、物価の上がりすぎにブレーキがかかる ④国が借りるときの利息もふえる。
マンションの値段はどうなる? 返済額がふえると買える人が減るので、値段を下げる力がはたらきます。ただ首都圏の新築マンションの平均価格は2026年1〜6月に初めて1億円台(1億135万円)になりました。資材費や人件費など値段を上げる力も強いからです。くわしくは時事10月のまとめ⑱へ。
マンション価格の推移(1973年〜2026年・数字で見る)
| 年 | 首都圏の平均 | できごと |
|---|---|---|
| 1973年 | 1,171万円 | |
| 1980年 | 2,477万円 | |
| 1985年 | 2,683万円 | プラザ合意。このあと金融緩和で土地と株が値上がり |
| 1987年 | 3,579万円 | 1年で約3割の値上がり |
| 1988年 | 4,753万円 | |
| 1989年 | 5,411万円 | 5月から日銀が公定歩合を引き上げ始める |
| 1990年 | 6,123万円 | バブル期の最高。3月に不動産融資の総量規制、8月に公定歩合6.0% |
| 1991年 | 5,900万円 | 下がり始める |
| 1992年 | 5,066万円 | |
| 1995年 | 4,148万円 | ピークから約3割下落 |
| 2000年 | 4,034万円 | |
| 2002年 | 4,003万円 | バブル崩壊のあとで、いちばん低いころ |
| 2005年 | 4,108万円 | |
| 2009年 | 4,535万円 | リーマン・ショックの翌年 |
| 2013年 | 4,929万円 | 日銀が大規模な金融緩和を始める |
| 2015年 | 5,518万円 | |
| 2019年 | 6,137万円 | |
| 2020年 | 6,083万円 | |
| 2021年 | 6,260万円 | 31年ぶりにバブル期をこえる |
| 2023年 | 8,101万円 | |
| 2024年 | 7,820万円 | 3月にマイナス金利を解除。前年より少し下がる |
| 2025年 | 9,182万円 | 12月に政策金利0.75% |
| 2026年1〜6月 | 1億135万円 | 初めて1億円台。6月に政策金利1.0%、9月に1.25% |
🫧 バブル期と今をくらべる ── バブル崩壊のきっかけも「金利の引き上げ」だった
上がり方:バブル期は1985年の2,683万円から1990年の6,123万円へ、5年で約2.3倍。今回は2013年の4,929万円から2025年の9,182万円へ、12年で約1.9倍です。今回は「急に」ではなく「長く」上がり続けているのが特ちょうです。
バブルの終わり方:日本銀行は1989年5月から1990年8月までに、当時の政策金利にあたる公定歩合を2.5%から6.0%へ5回引き上げました。さらに1990年3月には、国(大蔵省)が銀行に不動産向けの貸し出しをおさえるよう求めました(総量規制)。お金を借りにくくなり、土地やマンションの値段は下がり始め、首都圏のマンションは1995年に4,148万円と、ピークから約3割下がりました。1990年の水準をこえたのは31年後の2021年です。
今はどうちがう? 政策金利は1.25%(2026年9月)で、バブル末期の6.0%よりずっと低い水準です。ある研究所の試算では、1990年の平均価格を当時の住宅ローン金利(約5.4%)で借りた場合とくらべ、2023年の平均価格を2023年の金利で借りた場合の返済の負担は、値段は高いのに約2割軽いとされています(ニッセイ基礎研究所)。だからこそ、これから金利がどこまで上がるかが、マンションの値段にとって大きな分かれ目になります。
入試の視点:「バブル経済(1980年代後半〜1990年代初め)」「バブル崩壊」「平成不況(失われた30年)」は社会の定番。金利の引き上げと貸し出しの規制で、借りて買う人が減り、値段が下がる――という因果を、今のニュースとつなげて書けるようにしておこう。
出典:不動産経済研究所「全国マンション市場40年史」(1973〜2012年の年次推移)、同研究所の各年・各月の発表(2013年以降)、日本銀行(公定歩合・政策金利の推移)、ニッセイ基礎研究所「バブル期より3割高くなった首都圏新築分譲マンション価格」。
月ごとの推移(2025年10月〜2026年8月)
| 月 | 首都圏の新築マンション(その月に売り出した部屋の平均) | 日銀の政策金利(その月の終わり) |
|---|---|---|
| 2025年10月 | 9,895万円 | 0.5% |
| 2025年11月 | 9,181万円 | 0.5% |
| 2025年12月 | 8,469万円 | 0.75%(19日に引き上げ) |
| 2026年1月 | 8,383万円 | 0.75% |
| 2026年2月 | 1億1,025万円 | 0.75% |
| 2026年3月 | 1億413万円 | 0.75% |
| 2026年4月 | 8,736万円 | 0.75% |
| 2026年5月 | 1億660万円 | 0.75% |
| 2026年6月 | 1億137万円 | 1.0%(16日に引き上げ) |
| 2026年7月 | 1億6,493万円 | 1.0% |
| 2026年8月 | 9,770万円 | 1.0% |
| 2026年9月 | 10月20日に発表 | 1.25%(18日に引き上げ) |
月ごとの数字の読み方:この平均は「その月に売り出された部屋の平均」です。同じ部屋が値上がり・値下がりしたわけではありません。2026年7月の1億6,493万円は、東京都港区の大型の高い物件がまとめて売り出されたため、8月の9,770万円は都心の高い物件の発売が少なかったためです(不動産経済研究所)。月ごとの平均は、売り出された場所と値段の組み合わせで大きく動くので、流れを見るときは年ごとの数字や、1年前の同じ月とくらべます。入試の資料の読み取りでも「平均が何の平均か」を確かめるのが第一歩です。
出典:不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向」各月版(2026年9月17日発表の8月分の図にある月ごとの数字を含む)、日本銀行の金融政策決定会合の発表。9月分は2026年10月20日に発表予定。
日銀の政策金利の動き:2016年2月〜2024年3月はマイナス金利。2024年3月に解除し、0.25%(2024年7月)→0.5%(2025年1月)→0.75%(2025年12月)→1.0%(2026年6月)→1.25%(2026年9月)と上がってきました。
マイナス金利とは? 銀行が日本銀行に預けるお金の一部に、利息をもらうのではなく手数料のように払うしくみです。お金を貸し出しに回させ、景気を支えるためのもので、日本では2016年に始まり、2024年3月に解除されました。
❓ よくあるしつもん
Q. 金融政策とは何ですか?
A. 日本銀行が、物価と景気を安定させるために、金利やお金の量を調整することです。物価が上がりすぎるときは金利を上げ(金融引きしめ)、景気が悪いときは金利を下げます(金融緩和)。日本銀行の役割は、発券銀行・銀行の銀行・政府の銀行の3つです。
Q. 長期金利が上がるとどうなりますか?
A. 長期金利は10年物国債の利回りで、上がると住宅ローンの固定金利が上がり、国が借りるときの利息もふえます。2026年9月1日には約30年ぶりに3%をこえました。
Q. 政策金利と長期金利のちがいは何ですか。
A. 政策金利は日本銀行が決める短い期間の金利の目標で、2026年9月18日に1.25%程度に引き上げられました。長期金利は10年物国債の利回りで、日本銀行が直接決めるのではなく市場の予想で動きます。住宅ローンでは、変動金利は主に政策金利、固定金利は主に長期金利の動きを反映します。
Q. 金利が上がると、マンションの値段はどうなりますか。
A. 住宅ローンの返済額がふえて買える人が減るため、値段を下げる力がはたらきます。ただし資材費や人件費の上昇など値段を上げる力も同時にあり、首都圏の新築マンションの平均価格は2026年上半期に初めて1億円台になりました。
Q. マイナス金利とは何ですか。
A. 銀行が日本銀行に預けるお金の一部に、利息をもらうのではなく払うしくみです。貸し出しをうながして景気を支えるために日本では2016年に導入され、2024年3月に解除されました。
Q. 金利と利子は、どうちがうのですか。
A. 利子は実際に払う(もらう)お金そのもので、金利はそれが元のお金の何%にあたるかを表す割合です。100万円借りて2万円払うなら、利子が2万円、金利は年2%ということになります。
Q. 預けているだけでお金が増えるのはなぜですか。
A. 銀行が、預かったお金をだれかに貸して使用料を受け取っているからです。その一部が、預けた人に利子として戻ってきます。
Q. 金利が高いのと低いのでは、どちらがよいのですか。
A. 立場によります。預けている人には高いほうが有利、借りている人には低いほうが有利です。国全体としては、物価や景気の状態に合っているかどうかで判断されます。
Q. 日本銀行はふつうの銀行とどうちがうのですか。
A. 私たちが口座を作る銀行ではありません。お札を発行し、ふつうの銀行にお金を貸し、国のお金も預かる特別な銀行です。
Q. 中学受験では金利のどこが出ますか。
A. 日本銀行の役割とあわせて問われます。金利を上げ下げすると景気や物価がどう動くか、「銀行の銀行」「発券銀行」「政府の銀行」という3つの働きが定番です。
本文に出てくる「年2%」「100万円」は、しくみを説明するためのたとえであり、実際の金利の水準ではありません。政策金利は変わるため、このページでは特定の水準を示していません。日本銀行の物価安定の目標が消費者物価の前年比上昇率2%であることは、日本銀行の公表内容によります。確認日 2026年8月3日。
🧑🔧 このことばを毎日使う仕事
金利は、ニュースの中だけの言葉ではありません。つぎの仕事の人は、この言葉を毎日使っています。職業調べや自由研究のテーマにも使えます。