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小学生しんぶん|スクールコンパス編集部|最終更新: 2026年8月3日
内閣とは? 総理大臣は、だれがどうやって決めるのか
内閣とは、国会が決めた法律や予算を、実際に動かす場所です。
憲法は「行政権は、内閣に属する」と定めています(第65条)。内閣は、内閣総理大臣とその他の国務大臣の集まりです。
このページが答えること- 内閣とは何か、国会との役割のちがい
- 内閣総理大臣が決まるまでの順番(指名と任命のちがい)
- 内閣の仕事(憲法第73条)
- 議院内閣制と、不信任決議・解散・総辞職の関係
- 閣議のしくみ
別のページが答えること
- 国会のしくみと衆議院の優越 → 国会のページ
- 選挙のしくみと選挙権 → 選挙のページ
- 予算が足りないときの国の借金 → 赤字国債・補正予算のページ
🏢 内閣は「動かす場所」
国会が決めた法律は、そのままでは紙に書いてあるだけです。
だれかが実際に人を動かし、お金を出し、仕事を回さないと何も起きません。それをするのが内閣です。
憲法第65条は「行政権は、内閣に属する」と定めています。国会が決め、内閣が動かし、裁判所が裁く。内閣はこの三角形の左下にいて、国会からは不信任を出され、裁判所からは処分が憲法に合うか調べられる側でもあります。
内閣は、内閣総理大臣(首相)と、その他の国務大臣で組織されます(第66条第1項)。
1人で決めているのではなく、大臣たちの集まりが「内閣」です。
👤 首相はどうやって決まるのか
内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名され(憲法第67条第1項)、天皇が任命します(第6条第1項)。指名するのは国会、任命するのは天皇。この2つの言葉は入れかわって出題されます。国務大臣は首相が任命し、その過半数は国会議員でなければなりません(第68条第1項)。
大事なのは、首相が国会議員の中から選ばれることです。
国民が直接えらぶわけではありません。
国民が選ぶのは国会議員で、その国会議員が首相を指名します。
📋 内閣は何をしているのか
憲法第73条は、内閣の仕事として法律の執行、外交関係の処理、条約の締結、公務員に関する事務、予算の作成、政令の制定などを挙げています。条約は事前または事後に国会の承認が必要で、予算も国会が議決します。
予算は内閣がつくり、国会が決めます。条約は内閣がむすび、国会がみとめます。
つくる人と決める人を分けるという形が、ここでもくり返されています。
🤝 議院内閣制 ―― 国会とのつながり
内閣は行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負います(憲法第66条第3項)。この形を議院内閣制といいます。衆議院が内閣不信任の決議案を可決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、内閣は総辞職しなければなりません(第69条)。
内閣は国会から生まれ、国会に責任を負い、国会からやめさせられることがあります。
かわりに内閣は衆議院を解散して、国民に聞き直すことができます。
たがいに相手を止められるようにしてあるのです。
🚪 内閣が総辞職するとき
内閣総理大臣が欠けたとき、または衆議院議員の総選挙のあとに初めて国会の召集があったときは、内閣は総辞職します(憲法第70条)。③は選挙の結果に関係なく必ず行われます。新しい衆議院で、あらためて首相を指名し直すためです。
🗣 閣議 ―― 大臣が全員そろって決める
内閣が何かを決めるときは、大臣が全員集まる閣議を開きます。
閣議は全員の意見が一致したときに決まるのが長く続いてきたやり方です。
これは憲法に書かれた決まりではなく、実際の運用として続いてきたものです。
だからこそ、首相は反対する大臣をやめさせることができます(第68条第2項)。
全員一致で決めるしくみと、首相が大臣を替えられるしくみは、セットになっています。
✅ りかいチェッククイズ
Q1. 憲法は、行政権はどこに属すると定めていますか。
内閣です(日本国憲法第65条)。行政とは、決まったことを実際に動かす仕事のことです。
Q2. 内閣総理大臣は、だれがどのように決めますか。
国会が、国会議員の中から議決で指名し(第67条第1項)、天皇が任命します(第6条第1項)。国民が直接えらぶのではありません。
Q3. 国務大臣について、憲法はどのような決まりを置いていますか。
内閣総理大臣が任命し、その過半数は国会議員の中から選ばなければなりません(第68条第1項)。また首相は国務大臣をいつでもやめさせることができます(同条第2項)。
Q4. 衆議院が内閣不信任の決議案を可決したら、内閣はどうしますか。
10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職しなければなりません(第69条)。解散して国民に聞き直すか、内閣が降りるかの二つに一つです。
Q5. 内閣が総辞職するのはどんなときですか。3つ答えなさい。
①衆議院で不信任が可決され10日以内に解散しないとき(第69条)、②内閣総理大臣が欠けたとき、③衆議院議員の総選挙のあと初めて国会が召集されたとき(第70条)。
✍️ 記述ミニ道場
Q. 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会が指名することになっています。
このしくみには、どのような意味がありますか。40字程度で書きなさい。
手順1 事実を1つ置く 国会議員は選挙で国民に選ばれている。
手順2 そこからつなぐ その議員が指名するので、首相にも国民の意思が間接的に届く。
手順3 言い切る 「〜という意味がある」でしめる。
解答例 国民が選んだ国会議員が指名するため、国民の意思が間接的に内閣に反映される
という意味がある。(45字)
採点のポイント 「選挙で選ばれた議員が指名する」という
道すじが書けているかどうかです。「えらい人が決めるから」では点が入りません。
また「国民が直接えらぶ」と書くとまちがいになります。
👨👩👧 おうちで話すヒント
「総理大臣って、みんなの投票で決まるんでしょ?」と子どもが言ったら、
それはとても良い入り口です。日本では直接は選びません。アメリカの大統領とはここがちがいます。
「じゃあ、なんで直接えらばないの?」と返ってきたら、
学級委員を思い出させてみてください。クラス全員で先生を選ぶのではなく、
選ばれた学級委員が代表して話し合う。あの形に近いと言えば、だいたい伝わります。
中学入試では、指名と任命の使い分け、国務大臣の過半数が国会議員であること、
総辞職する3つの場合が定番です。とくに「総選挙のあとは必ず総辞職する」は、
負けたから辞めるのだと誤解されやすいところなので、いちど声に出して確かめておくと確実になります。
🃏 一問一答カード(印刷できます)
Q. 行政権はどこに属するか
A. 内閣(憲法第65条)。
Q. 内閣は何で組織されるか
A. 内閣総理大臣とその他の国務大臣(第66条第1項)。
Q. 内閣総理大臣を指名するのはどこか
A. 国会。国会議員の中から議決で指名する(第67条第1項)。
Q. 内閣総理大臣を任命するのはだれか
A. 天皇。国会の指名にもとづく(第6条第1項)。
Q. 国務大臣を任命するのはだれか
A. 内閣総理大臣。過半数は国会議員(第68条第1項)。
Q. 首相は大臣をやめさせられるか
A. できる。いつでも罷免できる(第68条第2項)。
Q. 議院内閣制とは
A. 内閣が行政権の行使について国会に連帯して責任を負うしくみ(第66条第3項)。
Q. 内閣不信任決議ができるのはどちらの院か
A. 衆議院だけ(第69条)。
Q. 不信任が可決されたら
A. 10日以内に衆議院が解散されない限り総辞職(第69条)。
Q. 内閣が総辞職する3つの場合
A. 不信任のとき、首相が欠けたとき、総選挙後に初めて国会が召集されたとき。
Q. 内閣の仕事(憲法第73条)
A. 法律の執行、外交関係の処理、条約の締結、公務員の事務、予算の作成、政令の制定など。
Q. 予算をつくるのはどこか
A. 内閣。決めるのは国会。
Q. 閣議とは
A. 大臣が全員集まって内閣の方針を決める会議。全員一致で決めるやり方が続いている。
❓ よくあるしつもん
Q. 総理大臣は国民の投票で決まらないのですか。
A. 直接は決まりません。国民が選ぶのは国会議員で、その国会議員が国会で首相を指名します(第67条)。国民の意思は、国会議員を通して間接的に届くしくみです。
Q. 「指名」と「任命」はどうちがうのですか。
A. 指名は「この人にします」と決めること、任命は「その役につけます」と正式に定めることです。首相は国会が指名し、天皇が任命します。大臣は首相が任命します。
Q. 内閣と国会は、どこが分かれ目ですか。
A. 決めるのが国会、動かすのが内閣です。予算でいえば、つくって出すのが内閣、賛成か反対かを決めるのが国会です。
Q. 閣議はどうやって決めるのですか。
A. 大臣が全員集まり、全員の意見が一致したときに決まるやり方が長く続いています。これは憲法の条文にある決まりではなく、実際の運用として続いてきたものです。
Q. 中学受験では内閣のどこが出ますか。
A. 指名と任命の区別、国務大臣の過半数が国会議員であること、不信任決議から10日以内という日数、総辞職する3つの場合がくり返し問われます。
出典と確認日
条文の内容は日本国憲法(第6条・第65条・第66条・第67条・第68条・第69条・第70条・第73条)によります。条文の内容は原典にしたがい、説明はスクールコンパス編集部が小学生向けに書き直したものです。閣議の全員一致は憲法の条文ではなく、続いてきた運用であることを本文に明記しています。確認日 2026年8月3日。
・日本国憲法(e-Gov法令検索)
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